(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852685
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】押出成形車両ドアサッシュ及び押出成形車両ドア
(51)【国際特許分類】
B60J 5/04 20060101AFI20160114BHJP
【FI】
B60J5/04 M
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-18996(P2014-18996)
(22)【出願日】2014年2月4日
(62)【分割の表示】特願2008-297715(P2008-297715)の分割
【原出願日】2008年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-76803(P2014-76803A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2014年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】岡田 高行
(72)【発明者】
【氏名】巻田 純
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙二
(72)【発明者】
【氏名】野田 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】山根 豪
(72)【発明者】
【氏名】横田 一吉
【審査官】
岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−312265(JP,A)
【文献】
特開平10−264654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ボディのドア開口を開閉する車両ドアに設けられ、該車両ドアの窓開口を形成する車両ドアサッシュにおいて、
一様断面をなす金属材料の押出成形品からなること;
車幅方向の内外の一対の壁と車両ボディ側の壁とを有し、車内側に位置する袋状部を備えること;
上記袋状部を構成する上記内外の一対の壁のうち、車外側の壁には、ガラスランを保持するための車内側に凹んだ凹部が形成されていて、該車外側の壁が断面クランク状をなしていること;
上記袋状部を構成する上記車両ボディ側の壁は、直線状であること;
上記袋状部から車外側に延び、その車両ボディ側にウェザーストリップを当接させ窓ガラス側にガラスランを当接させる車外側延長壁を備えていること;及び
上記車外側延長壁は、車外側から車内側にかけて肉厚を徐々に厚くすること;
を特徴とする押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項2】
請求項1記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記袋状部を構成する上記内外の一対の壁のうち、車内側の壁は均一な厚さである押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項3】
請求項1または2項記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記クランク状の車外側の壁は、その長さが長い方が、上記車両ボディ側の壁より厚肉である押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記車両ボディ側直線状壁は、上記ウェザーストリップを保持する保持溝の底壁を構成し、その車内側端部に、車外側に向かうウェザーストリップ保持縁が形成されている押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記車外側延長壁の車内側には、ドアサッシュ全体に車両ドアの車幅方向の膨らみに対応する曲げを与えるときの金型受け平面部が形成されている押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記車外側延長壁には、その車外側に、車両ドア外面に露出する意匠部が一体に形成されている押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の押出成形車両ドアサッシュにおいて、
上記車外側延長壁には、その車外側に、車両ドア外面に露出する別部材としての意匠部材が結合されている押出成形車両ドアサッシュ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項記載の押出成形車両ドアサッシュを有する押出成形車両ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出成形車両ドアサッシュ
及び押出成形車両ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
車両ドアサッシュは、軽量化を目的として、従来の鉄系材料のロール成形品に代え、アルミ合金の押出成形品を用いることが提案され実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-145282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
押出成形ドアサッシュは、軽量化には有利であるが、薄肉化を図りながら、如何にして強度を確保するかが技術課題である。特に、押出成形品は、ロール成形品と異なり、押出成形された直線状素材を、立柱サッシュについては車両ドアの左右(車幅)方向の膨らみに従って曲げる後加工(立柱サッシュ曲げ)が必要であり、アッパサッシュについてはサッシュの側面形状に従って曲げる後加工(アッパサッシュ曲げ)とが必須であり、この後加工の際に不測の変形が生じない強度が必要である。
【0005】
本発明は、押出成形品からなる車両ドアサッシュにおいて、薄肉化軽量化を図りながら強度もバランスよく備えたドアサッシュ構造(断面形状)を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両ボディのドア開口を開閉する車両ドアに設けられ、該車両ドアの窓開口を形成する車両ドアサッシュにおいて、一様断面をなす金属材料の押出成形品からなること;車幅方向の内外の一対の壁と車両ボディ側の壁とを有し、車内側に位置する
袋状部を備えること;
上記袋状部を構成する上記内外の一対の壁のうち、車外側の壁には、ガラスランを保持するための車内側に凹んだ凹部が形成されていて、該車外側の壁が断面クランク状をなしていること;
上記袋状部を構成する上記車両ボディ側の壁は、直線状であること;
上記袋状部から車外側に延び、その車両ボディ側にウェザーストリップを当接させ窓ガラス側にガラスランを当接させる車外側延長壁を備えていること;及び上記車外側延長壁は、車外側から車内側にかけて肉厚を徐々に厚くすること;を特徴としている。
【0007】
一実施形態では、
上記袋状部を構成する上記内外の一対の壁のうち、車内側の壁は均一な厚さである。
【0008】
また、上記断面クランク状の車外側の壁は、全体を前後方向の一対の壁より厚肉としてもよいが、その長さが長い方の壁だけを、
上記車両ボディ側の壁より厚肉としてもよい。
【0010】
上記車両ボディ側直線状壁には、上記ウェザーストリップを保持する保持溝の底壁を構成し、その車内側端部に、車外側に向かうウェザーストリップ保持縁を形成することができる。
【0011】
上記車外側延長壁の車内側には、ドアサッシュ全体に車両ドアの車幅方向の膨らみに対応する曲げを与えるときの金型受け平面部を形成することができる。
【0012】
車外側延長壁には、その車外側に、車両ドア外面に露出する意匠部を一体に形成することができる。あるいは、車外側延長壁には、その車外側に、車両ドア外面に露出する別部材としての意匠部材を結合する態様も可能である。
【0014】
本発明は、別の態様では、以上の車両ドアサッシュを有する車両ドアである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、車両ボディのドア開口を開閉する車両ドアに設けられ、該車両ドアの窓開口を形成する、一様断面をなす金属材料の押出成形品からなる車両ドアサッシュにおいて、車幅方向の内外の一対の壁と窓ガラス側と車両ボディ側の一対の壁とを有し、車内側に位置する袋状部または断面コ字状部を備え、上記袋状部または断面コ字状部を構成する上記内外の一対の壁のうち、車外側の壁には、ガラスランを保持するための車内側に凹んだ凹部が形成されていて、該車外側の壁が断面クランク状をなしているため、断面クランク状部により断面係数の増加を図り、薄肉化軽量化を図りながら、高い強度の車両ドアサッシュを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による押出成形車両ドアサッシュを適用する車両ドアの一例を示す側面図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿う、ドアサッシュ単体の断面図である。
【
図3】
図1のII-II線に沿う、ドアサッシュ回りの要素を合わせて鎖線で描いた断面図である。
【
図4】本発明による押出成形車両ドアサッシュを立柱サッシュ曲げ金型により曲げ加工する状態の模式断面図である。
【
図5】本発明による押出成形車両ドアサッシュをアッパサッシュ曲げ金型により曲げ加工する状態の模式断面図である。
【
図6】本発明による押出成形車両ドアサッシュの別の実施形態を示す、
図3に対応する断面図である。
【
図7】本発明による押出成形車両ドアサッシュのさらに別の実施形態を示す、
図2に対応する断面図である。
【
図8】本発明による押出成形車両ドアサッシュの別の実施形態を示す、
図2に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明による車両ドアサッシュを適用する乗用車の側面形状を示している。車両ボディBのドア開口(ボディ開口)Aを開閉する車両ドア10は、ドア本体(インナパネルとアウタパネル)11の上部に窓開口12を形成するドアサッシュ(窓枠)20を備えている。
【0018】
ドアサッシュ20は、窓ガラスGの上縁を受け入れる側面視で曲折したアッパサッシュ部20Aと、車両ボディBのセンターピラー16に沿い窓ガラスGの上下方向縁部を受け入れる立柱サッシュ部20Bとを有している。アッパサッシュ部20Aと立柱サッシュ部20Bの下方は、ドア本体11内に延びて該ドア本体11に固定される。立柱サッシュ部20Bの上端部とアッパサッシュ部20Aの端部とは周知手段で接続固定される。本実施形態は、このドアサッシュ20を対象としている。アッパサッシュ部20Aは、主にドアサッシュ20の側面形状に応じて曲げられ、立柱サッシュ部20Bは、主に車両ドア10の車幅方向の膨らみ形状に応じて曲げられるが、基本的な断面形状は同一である(同一とすることができる)ので、以下の説明ではドアサッシュ20として説明する。
【0019】
図2、
図3は、本発明によるドアサッシュ20の一実施形態を示している。ドアサッシュ20は、アルミ合金の押出成形によって形成される一様断面形状を有し、成形直後は直線状である。図では断面形状のみを示しているが、紙面と垂直な長さ方向に一様断面が連続する。以下の説明では、同図に図示したように、車外側IN、車内側OUT(車幅方向)、ボディB側及び窓ガラスG側を方向の基準とする。
【0020】
ドアサッシュ20は、車内側INに位置する袋状部21と、この袋状部21からL字形状をなして車外側OUTに延びる車外側延長壁22とを有している。袋状部21は、車幅方向(車内側INと車外側OUT)の一対の内方壁23と外方壁24、及び窓ガラスG側と車両ボディB側の一対のガラス側壁25とボディ側壁26を有する閉断面をなしている。外方壁24には、ガラスラン保持用の凹部27が形成されていて、車外側外方壁24aと車内側外方壁24bとを有する断面クランク状をなしている。外方壁24を断面クランク状とすることで断面係数を増加させ、強度を増加させることができる。外方壁24は内方壁23より長く、内方壁23の両端部から外方壁24の両端部に向かって延びるガラス側壁25とボディ側壁26は、車外側OUTに向かって開く断面ハ字状をなしている。そして、ガラス側壁25は、窓ガラスG側に凸の曲線形状であるのに対し、ボディ側壁26は正しく直線状(平面状)をなすボディ側直線状壁である。ガラス側壁25を凸曲面断面としているのは、同壁が外観に露出する壁であり、直線状であると僅かな凹凸が目立つからである。別言すると、同曲面の大きさは、僅かな凹凸が目視されない程度に最低限にするのがよい。
【0021】
内方壁23の肉厚と外方壁24の車外側外方壁24a(車外側外方壁24aと車内側外方壁24bとで長い方)の肉厚は、ガラス側壁25とボディ側直線壁26の肉厚より厚い。具体例をあげると、ガラス側壁25とボディ側直線壁26の厚さを1.6mmとしたとき、内方壁23と車外側外方壁24aの厚さは2.0mmに設定されている。
【0022】
車外側延長壁22は、車両前後(上下)方向壁22aと、この車両前後(上下)方向壁22aから車外側OUTに延びる車幅方向壁22bとを有している。車両前後(上下)方向壁22aと袋状部21の外方壁24の車内側外方壁24bとは同一面上に位置している。車両前後(上下)方向壁22aの車外側OUTには、凹部27のボディ側に位置させて突条28が形成されている。また、車幅方向壁22bの車外側OUTの端部には、車両ドア外面に露出する意匠部29が一体に形成されており、この意匠部29の窓ガラスG側の端部に、ガラスラン保持縁29aが車内側に曲折されて形成されている。凹部27と突条28は、ガラスラン保持縁29aとともに、合成樹脂材料からなる一様断面のガラスランGR(
図3)の保持部(当接部)を構成している。ガラスランGRは、窓ガラスGが閉位置に移動するとき、窓ガラスGの縁部を受け入れる溝を有するもので、その形状、材料ともに各種が周知である。
【0023】
この実施形態では、意匠部29は、車外側延長壁22の車幅方向壁22bと略直交しており、車両ボディ側直線状壁26とは直交していない。
【0024】
車外側延長壁22の車両前後(上下)方向壁22aには、その車内側INに、突条30が形成されており、この突条30の車内側INに、車両前後(上下)方向を向く金型受け平面部31が形成されている。この金型受け平面部31は、ドアサッシュ20全体に車両ドアの車幅方向の膨らみに対応する曲げを与えるときの金型の当接面である。突条30は、ボディ側直線壁26との間にウェザーストリップ保持溝32を形成する。またボディ側直線壁26の車内側INの端部には、車外側OUTに向かうウェザーストリップ保持縁33が形成されている。ボディ側直線壁26のボディ側の面は、ウェザーストリップ保持溝32の底壁を構成しており、一様断面のウェザーストリップWS(
図3)は、ウェザーストリップ保持溝32とウェザーストリップ保持縁33に支持され(当接し)、さらに、車外側延長壁22の車幅方向壁22bのボディ側の面に延びている。車両ドア10を閉じたときの水密を図るウェザーストリップWSは、ガラスランGRと同様に、形状、材料ともに各種が周知である。
【0025】
上記構成の本ドアサッシュ20は、押出成形後に、曲げ加工を施す。曲げ加工には、立柱サッシュ部20Bを車両ドアの左右(車幅)方向の膨らみに従って曲げる立柱サッシュ曲げと、アッパサッシュ部20Aを側面形状に従って曲げるアッパサッシュ曲げとがある。
図4は、そのうち、立柱サッシュ曲げの金型41と、該金型41に対するドアサッシュ20(立柱サッシュ部20B)の収納状態を示し、
図5はアッパサッシュ曲げの金型42と、該金型42に対するドアサッシュ20(アッパサッシュ部20A)の収納状態を示している。いずれも、紙面と垂直な方向に対してドアサッシュ20を曲げるもので、
図4及び
図5に曲げ方向を図示した。
【0026】
図4の立柱サッシュ曲げ金型41には、車内側壁23を奥部にしてドアサッシュ20の袋状部21とウェザーストリップ保持縁33を収納する凹部41aと、金型受け平面部31及び車外側延長壁22のボディ側の面に沿う受け面41bとが形成されている。この金型41によってドアサッシュ20(立柱サッシュ20B)に曲げを与えると、袋状部21の直線状をなすボディ側直線壁26がドアサッシュ20の挫屈(不測の変形)を防ぐ。ボディ側直線壁26の方向と曲げ方向との一致度が高い(つまりボディ側直線壁26と意匠部29の直交度が高い)程挫屈防止効果が高いが、図示例のようにボディ側直線壁26が意匠部29との直交方向に対して若干傾斜していたとしても、該壁が曲線状である従来例に比して、遙かに高い挫屈防止効果が得られる。別言すると、立柱サッシュ曲げにおいてドアサッシュ20に与える車幅方向の曲率(曲率半径)は、アッパサッシュ曲げにおいてドアサッシュ20に与えるルーフ曲率に沿う曲率(曲率半径)に比較して小さい(大きい)ため、ボディ側直線壁26が十分挫屈防止効果を発揮する。また、金型受け平面部31が金型41に当接して、同様に挫屈を防ぎ、滑らかな曲線にドアサッシュ20を加工する。
【0027】
図5のアッパサッシュ曲げ金型42には、窓ガラス側壁25を奥部にしてドアサッシュ20の袋状部21と車外側延長壁22の車両前後(上下)方向壁22aを収納する凹部42aと、車外側延長壁22の車幅方向壁22bのガラス側の面に沿う受け面42bとが形成されている。この金型42によってドアサッシュ20(アッパサッシュ20A)に曲げを与えると、袋状部21の厚肉の車外側外方壁24aと内方壁23がドアサッシュ20の挫屈を防ぐ。このアッパサッシュ曲げでは、上述のようにドアサッシュ20にルーフ曲率に沿う大きい曲率(小さい曲率半径)の曲げを与えるため、一対の車外側外方壁24aと内方壁23をそれぞれ厚肉とすることにより挫屈を効果的に防止することができる。
【0028】
以上の実施形態では、袋状部21の外方壁24の車外側外方壁24aと車内側外方壁24bのうち、車外側外方壁24aのみを厚肉としたが、車内側外方壁24bを(も)厚肉としてもよい。車外側外方壁24aと車内側外方壁24bの一方のみを厚肉とするときには、長さの長い方を厚肉とするのがよい。
【0029】
以上の実施形態では、車外側延長壁22の車外側に意匠部29を一体に成形したが、別部材としての後付意匠部29Sを車外側延長壁22の車幅方向壁22bの車外側OUTに後に固定してもよい。
図6は、その実施形態を示すもので、後付意匠部29Sは、固定クリップ34によって車幅方向壁22bに固定されている。図示実施形態の後付意匠部29Sは、鉄系材料のロール成形品である。
【0030】
図7は、本発明による押出成形車両ドアサッシュの別の実施形態を示している。この実施形態は、以上の実施形態の袋状部21におけるガラス側壁25を切除(除去)した実施形態に相当する。すなわち、袋状部21に代えて、内方壁23、外方壁24及びボディ側直線壁26で断面コ字状部21Xを形成している。この実施形態は、ガラス側壁25(袋状部21)が存在しない点を除き、
図2ないし
図5の実施例と同一であり、同一部分には同一の符号を付している。この実施形態によると、一層の軽量化を図ることが可能である。このドアサッシュ構造は、フロントドアほどには強度を要求されないリアドアに適用するとよい。
【0031】
図8は、本発明による押出成形車両ドアサッシュのさらに別の実施形態を示している。この実施形態は、車外側延長壁22の車外側から車内側に延びる車幅方向壁22bの肉厚を非均一とし、車外側から車内側にかけて肉厚を徐々に厚くしている。
図8の実施形態では、
図2及び
図7の実施形態の車幅方向壁22bの車外側の肉厚を基準として、車内側に徐々に厚肉としているが、逆に、車内側の肉厚を基準として、車外側に徐々に肉厚を減じることもできる。仮に車幅方向壁22bの断面積を一定とすれば(使用金属材料量を同一とすれば)、このように肉厚を車外側から車内側にかけて増加させることで、より強度アップを図ることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
B 車両ボディ
A ドア開口(ボディ開口)
G 窓ガラス
WS ウェザーストリップ
10 車両ドア
11 ドア本体
12 窓開口
20 ドアサッシュ
20A アッパサッシュ部
20B 立柱サッシュ部
21 袋状部
21X 断面コ字状部
22 車外側延長壁
22a 車両前後(上下)方向壁
22b 車幅方向壁
23 内方壁
24 外方壁
24a 車外側外方壁
24b 車内側外方壁
25 ガラス側壁
26 ボディ側直線壁
27 凹部
28 突条
29 意匠部
29a ガラスラン保持縁
29S 後付意匠部
30 突条
31 金型受け平面部
32 ウェザーストリップ保持溝
33 ウェザーストリップ保持縁
41 42 金型