【文献】
Qualcomm Europe,"Support of Rel-8 UEs by LTE-A Relays",3GPP RAN WG1#54bis R1-084054,2008年10月 6日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_54b/Docs/R1-084054.zip
【文献】
Motorola ,"MBSFN Sub-frame Allocation Signalling",3GPP TSG-RAN WG2#61bis R2-081807,2008年 3月25日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_61bis/Docs/R2-081807.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
移動通信の国際的な標準化団体である3GPP (3rd Generation Partnership Project)において、第4世代の移動通信システムとしてLTE−Advanced(Long Term Evolution−Advanced、LTE−A)の標準化が開始された。LTE−Aでは、非特許文献1のように、カバレッジの拡大やキャパシティの向上を目的として、中継局(Relay Node、RN)を用いて無線信号を中継するRelay技術が検討されている。
【0003】
Relay技術について、
図12を用いて説明する。
図12は、Relay技術による無線信号の中継システムを説明するための図である。
図12において、eNBは基地局、RNは中継局、UEは無線通信端末をそれぞれ示す。UE1はeNBに接続する無線通信端末、UE2はRNに接続する無線通信端末を示す。
【0004】
ここで、LTE−Aでは、RNもeNBと同様に個別のセルIDを持つことが検討されており、これにより、UEからみるとRNもeNBと同様に1つのセルとみなすことができる。
eNBは有線通信でネットワークに接続していて、RNは無線通信でeNBと接続している。RNとeNBを接続する通信回線をバックホール(backhaul)回線と呼ばれている。これに対して、eNBやRNとUEを接続する通信回線をアクセス(access)回線と呼ばれている。
【0005】
図12を参照して、下り回線(Down Link、DL)の無線中継システムについて、説明する。
図12は、従来の無線中継システムを示す図である。RNはバックホール回線においてeNBからの信号を受信する。また、RNは自身のアクセス回線において、UE2に対して信号を送信する。
【0006】
ここで、バックホール回線とアクセス回線を同一の周波数帯域の中に収容する場合、RNが送受信を同時に行うと回り込みによる干渉が発生する。そのため、RNは送受信を同時に行うことができない。したがって、LTE−Aでは、バックホール回線とRNのアクセス回線を時間領域(サブフレーム単位)で分割して割当てるRelay方式が検討されている。
【0007】
図13を参照して、バックホール回線とRNのアクセス回線を時間領域(サブフレーム単位)で分割して割当てる従来のRelay方式について説明する。
図13は、従来のRelay方式における下り回線のサブフレーム構成を示す図である。
図13中の記号[n、n+1、・・・]はサブフレーム番号を示す。
図13中のボックスは下り回線のサブフレームを示しており、eNBの送信サブフレーム、UE1の受信サブフレーム、RNの送信サブフレーム、UE2の受信サブレームを示している。
【0008】
図13に示すように、全てのサブフレームにおいて、eNBは信号を送信する。また、全てのサブフレームで、UE1は信号を受信する。また、
図13に示すように、RNは、サブフレーム番号[n+2、n+6]を除いたサブフレームで信号を送信する。UE2は、サブフレーム番号[n+2、n+6]を除いたサブフレームで信号を受信することができる。そして、RNは、サブフレーム番号[n+2、n+6]のサブフレームで、eNBからの信号を受信する。
【0009】
上述のように、RNでは、サブフレーム番号[n+2、n+6]のサブフレームがRNのバックホール回線となり、それ以外のサブフレーム番号[n、n+1、n+3、n+4、n+5]のサブフレームがRNのアクセス回線となる。
【0010】
しかしながら、RNがバックホールとなるサブフレームで、RNが信号を送信しないと、RNの存在を知らないLTEのUEは、RNの品質を測定するメジャメント動作が機能しなくなるという問題が発生する。
【0011】
上述した問題を解決する方法として、LTE−Aでは、LTEにおいて規定されているMBSFN(Multicast/Broadcast over Single Frequency Network)サブフレームを用いることが検討されている。
【0012】
MBSFNサブフレームとは、将来的にMBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)サービスを実現するために用意されているサブフレームである。MBSFNサブフレームは、先頭2シンボルでセル固有の制御情報を送信し、3シンボル目以降の領域でMBMS用の信号を送信する仕様となっている。
【0013】
ここで、LTEの端末は、MBSFNサブフレームで、先頭2シンボルを使ってメジャメントを行うことができる。そのため、MBSFNサブフレームをRNセルにおいて擬似的に用いて、RNはMBSFNサブフレームをバックホール回線の受信サブフレームとして用いることができる。具体的に、RNはMBSFNサブフレームの先頭2シンボルでRNセル固有の制御情報を送信し、MBSFNサブフレームの3シンボル目以降の領域でMBMS用のデータを送信しないで、eNBからの信号を受信する。
【0014】
本明細書において、上述したMBSFNサブフレームのことを「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」と呼ぶ。
【0015】
ところで、移動通信システムでは、あるeNBと通信していたUEにおいて、そのUE自身の移動や周辺環境の変化などにより、そのeNBからの受信電力が低下してUEがeNBとの通信を維持できなくなる状況が発生する。
このような状況に対して、UEは、通信しているeNBより受信電力が高いeNBやRNに接続しなおすことで、通信を維持することができる。これが、ハンドオーバーである。
以下、このeNBやRNのことをセルと呼び、UEと通信しているセルを自セルと呼ぶこともある。
【0016】
ハンドオーバーを行うために、UEは、通信しているセルの周辺に存在するセルからの信号電力を測定する必要がある(自セルの周辺に存在するセルを隣接セルと呼ぶこともある)。3GPP LTEでは、この周辺のセルからの信号電力・信号品質の測定のことを、メジャメント(measurement)と呼んでいる。
【0017】
メジャメント(measurement)では、セルは、UEに対して周辺のセルからの受信電力や品質を測定するように指示し、UEは、周辺セルからの受信電力を測定して、その測定結果を自セルに通知する。UEは、セル固有の系列を用いた生成されている参照信号(Reference Signal、RS)や同期信号(Synchronization Signal)を用いてメジャメントを行う。
【0018】
LTEのメジャメント(measurement)では、非特許文献2において示されているように、UEはセル固有の参照信号を用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)とRSRQ(Reference Signal Received Quality)を測定する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、
図1〜
図7を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態1における無線中継システムについて、説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における無線中継システムを示す図である。
図1において、eNBは基地局(基地局装置)200、RN1、RN2は中継局310、320、UEは無線通信端末100をそれぞれ示す。
【0032】
以下、実施の形態1では、無線通信端末100をUE、基地局200をeNB、中継局310、320をそれぞれRN1、RN2と記載する。
以下、実施の形態1では、LTE−Aで検討されているように、RN1、RN2は、eNBと同様に、個別のセルIDを持つものとする。そのため、UEからみると、RN1、RN2もそれぞれ、eNBと同様に、1つのセルとみなすことができる。
以下、実施の形態1では、LTE−Aで検討されているように、バックホール回線とRNのアクセス回線を時間領域(サブフレーム単位)で分割して割当てるRelay方式をとるものとする。
【0033】
ここで、
図1に示す無線中継システムで、メジャメント結果に基づく品質とハンドオーバー先における実際の品質に生じる誤差について考える。誤差は、メジャメント結果が実際の品質より悪い品質となることに起因する第1の誤差と、メジャメント結果が実際の品質より良い品質となることに起因する第2の誤差とがある。
【0034】
第1の誤差が発生する一例として、ジャメント結果に基づいてハンドオーバー先を決定したにも関わらず、そのメジャメント結果に基づいて期待される特性を得ることができない場合がある。さらに、メジャメント結果に比べてハンドオーバー先の実際の品質が極めて悪い場合、ハンドオーバーを行う前より特性が低下する。さらには、UEが通信を維持できない場合も発生する。
【0035】
一方、第2の誤差が発生する一例として、ハンドオーバー先において、メジャメント結果に基づいて期待していた特性より、高い特性を得ることができる場合がある。メジャメント結果とハンドオーバー先の実際の品質に生じる誤差として、第1の誤差のほうが第2の誤差よりも、
図1に示す無線中継システムへの影響が大きい。そのため、第1の誤差の発生を回避することが望ましい。
【0036】
したがって、ハンドオーバー先の品質が変動する場合、UEは最悪の品質の場合でメジャメント(measurement)を行ってeNBに報告すれば、上述した第1の誤差を回避することができる。
【0037】
ここで、最悪の品質とは、自セルおよび他セルから信号が送信されていて干渉が一番強くなる場合のメジャメント結果に基づく品質のことを言う。
【0038】
つまり、周辺のRN1、RN2が信号を送信しているタイミングで、UEはメジャメント(measurement)を行えば良い。言い換えると、周辺のRN1、RN2において、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームで、UEはメジャメントを行うことになる。
【0039】
ここで、周辺のRNとは、自セルがRNの場合には、UEが接続するRNと、そのRNが接続するeNBに接続する他のRNのこと言い、自セルがeNBの場合には、そのeNBに接続しているRNのことを言う。
【0040】
上述したように、本実施の形態の一つの特徴は、UEが、周辺の全てのRNにおいて、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームで、ハンドオーバーのメジャメント(measurement)を行うことである。
【0041】
ここで、
図1および
図2を参照して、本実施の形態におけるハンドオーバーのメジャメント(measurement)について説明する。
図2は、
図1における下り回線(Down Link、DL)のサブフレームを示す図である。
【0042】
図2において、eNBは全サブフレームで信号を送信している。また、RN1は、サブフレーム[n+2、n+6]を「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」に設定している。そのため、RN1は、サブフレーム[n+2、n+6]で信号を送信しない。同様に、RN2は、サブフレーム[n+4]を「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」に設定している。そのため、RN2は、サブフレーム[n+4]で信号を送信しない。
【0043】
UEは、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]で、eNB、RN1、RN2からの全ての信号を受信する。そのため、UEから見れば、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]で、周辺のセルのメジャメント(measurement)を行う場合における干渉成分が最も高いサブフレームとなる。
【0044】
したがって、UEは、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]をメジャメントを行うサブフレームとして、周辺のセルのメジャメント(measurement)を行う。
【0045】
つまり、UEは、全ての周辺のRNにおいて、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームで、周辺のセルのメジャメント(measurement)を行う。
【0046】
以下、
図2〜
図4を参照し、本実施の形態におけるハンドオーバーのメジャメント(measurement)を実現する具体的な方法の一例について説明する。
【0047】
eNB、RN1、及びRN2は、UEがメジャメント(measurement)を行うサブフレームを、UEに対して通知する。そして、UEは、メジャメント(measurement)を行うサブフレームで、メジャメント(measurement)を行う。
【0048】
eNB、RN1、及びRN2は、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」のタイミングを両者で共有しておく必要がある。そのため、eNB、RN1、及びRN2は、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置を共有している。
【0049】
「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置は、RN1、RN2に対する制御情報(上位レイヤーの制御情報を含む)を使って、eNB及びRN1、RN2間で共有される。
【0050】
また、RN1、RN2に対する制御情報の中に、eNBに接続する他のRNに関する、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置情報を通知することで、RN1、RN2、及び他のRN間でも、各RNにおいて、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置情報を共有することができる。
【0051】
つまり、eNB、RN1、及びRN2は、周辺のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームの位置情報を認識することができる。したがって、eNB、RN1、及びRN2は、周辺のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームを、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとして、UEに対して通知することができる。
【0052】
メジャメント(measurement)を行うサブフレームをUEに通知する方法としては、例えば、メジャメント(measurement)を行うサブフレームをビットマップで通知する方法や、メジャメントを行うサブフレームをテーブル化しておき、そのテーブルのインデックスを通知する方法がある。
【0053】
<サブフレームの通知方法−ビットマップ>
図3を参照して、ビットマップでメジャメント(measurement)を行うサブフレームをUEに通知する方法について、説明する。
図3は、
図2において、メジャメント(measurement)を行うサブフレームのビットマップ表現を示した図である。
【0054】
ここで、
図3では、サブフレーム番号[n、n+1、・・・、n+7、・・・]を、[0、1、・・・、7、・・・]とした。これは、サブフレームをビットマップで通知する場合、全てのサブフレームに対して通知することができないため、ビットマップで通知するサブフレームに周期性を持たせてパターン化する必要がある。そのパターンの開始サブフレーム番号を0としたものである。
【0055】
例えば、ビットマップのパターンとして、10個のサブフレームで構成されるフレームで構成するパターンや、そのフレームを複数個連結して構成するパターンがある(例えば4フレームを連結するパターン)。
【0056】
図3に示すビットマップにおいて、“1”はメジャメント(measurement)を行うサブフレームを示し、“0”はメジャメント(measurement)を行わないサブフレームを示している。
【0057】
メジャメント(measurement)を行うサブフレームは、周辺の全てのRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」でないサブフレームであるので、
図3では、サブフレーム[0、1、3、5、7、・・・]が、ビットマップパターンでは“1”となる。eNB又はRN1、RN2は、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとして、ビットマップパターン“110101011・・・”をUEに通知することで、UEは、ビットマップパターンで“1”に該当するサブフレーム番号において、メジャメント(measurement)を行うことができる。
【0058】
<サブフレームの通知方法−テーブル化>
次に、テーブル化してインデックスを用いて通知する方法について
図4を用いて説明する。
図4は、
図3に示すビットマップで通知する場合と同様に、
図2のダウンリンクサブフレームの場合を例として、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを示す図である。
【0059】
図4に示すように、メジャメント(measurement)を行うサブフレームのテーブルをあらかじめ用意しておき、eNB、RN1及びRN2、並びにUEの間で共有する。例えば、
図4に示す「メジャメントを行うサブフレームのテーブル」において、テーブル番号1は全てのサブフレームがメジャメントを行うサブフレームであることを示す。また、テーブル番号mは、サブフレーム[0、1、3、5、7、・・・]がメジャメントを行うことサブフレームであることを示す。
【0060】
そして、
図4に示すダウンリンクサブフレームの場合では、RN1では、サブフレーム[2、6]が「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」である。また、RN2では、サブフレーム[4]が「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」である。したがって、サブフレーム[0、1、3、5、7、・・・]が、UEがメジャメントを行うサブフレームとなる。テーブル番号mを、eNB、RN1、及びRN2から、その配下のUEに通知することで、UEはメジャメントを行うサブフレームを知ることができ、そのサブフレームにおいてメジャメントを行うことができる。
【0061】
上述のように、本実施の形態では、UEは、ハンドオーバー先の通信時における品質を精度良く測定することができる。そのため、本実施の形態では、メジャメント結果と、ハンドオーバー先の実際の品質との間に生じる誤差を抑制することができ、UEは、ハンドオーバー先においてメジャメント結果に基づいて期待したスループットを達成できる。
【0062】
<無線通信端末の構成>
次に、
図5を参照して、実施の形態1に係る無線通信端末100の構成について説明する。
図5は、実施の形態1に係る無線通信端末100のブロック図である。
図5に示す無線通信端末100は、アンテナ101と、スイッチ(SW)103と、受信RF部105と、受信処理部107と、周辺セル信号受信処理部109と、メジャメント制御部111と、メジャメントサブフレーム抽出部113と、メジャメント部115と、メジャメント結果メモリ部117と、メジャメント報告情報生成部119と、送信処理部121と、送信RF部123と、を備える。
【0063】
受信RF部105は、アンテナ101で受信した信号に対して、通信帯域以外の信号を除去するためにフィルタ処理を行い、IF周波数帯もしくはベースバンド帯に周波数変換を行い、受信処理部107及び周辺セル信号受信処理部109に出力する。
【0064】
受信処理部107は、受信RF部105から出力された信号に対して、受信処理を行い、受信信号に多重されているデータ及び制御情報の分離を行い、それぞれを出力する。具体的には、ADコンバータ等でアナログ信号をデジタル信号に変換し、復調処理、復号処理などを行う。
【0065】
周辺セル信号受信処理部109は、受信RF部105から出力された信号に対して、周辺のセルからの信号に対して受信処理を行い、メジャメントサブフレーム抽出部113に出力する。なお、受信処理部107と同様の処理を行うが、受信処理部107の処理と異なる点は、周辺のセル固有の処理を行う点である。具体的には、参照信号に対する受信処理などがある。LTEでは、セル固有の系列で参照信号が送信されているので、周辺セル信号受信処理部109は、周辺のセルの系列に応じた参照信号である周辺のセル固有の信号の受信処理を行う。
【0066】
また、周辺セル信号受信処理部109の出力信号を使って、後段のメジャメント部115で、周辺のセルの品質を測定するために必要な信号を出力する。例えば、所望信号成分を測定する場合、周辺セル信号受信処理部109は、参照信号を出力する。また、干渉成分を測定する場合、周辺セル信号受信処理部109は、データ信号を出力する。
【0067】
メジャメント制御部111は、受信処理部107から出力される自端末に対する制御情報においてメジャメント(measurement)を行うように指示情報が含まれている場は、制御情報の中からメジャメントを行うサブフレームに関する情報を抽出して、その情報をメジャメントサブフレーム抽出部113に出力する。ここで、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを、eNBから自端末に通知する方法としては、
図3を参照して説明した、ビットマップパターンを用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知する方法や、
図4を参照して説明した、メジャメント(measurement)を行うサブフレームをテーブル化してインデックスで通知する方法がある。
【0068】
メジャメントサブフレーム抽出部113は、メジャメント部115から出力されたメジャメント(measurement)を行うサブフレームに関する情報に基づいて、周辺セル信号受信処理部109から出力される周辺のセル固有の信号を、サブフレーム単位で抽出して、メジャメント部115に出力する。
【0069】
メジャメント部115は、メジャメントサブフレーム抽出部113で抽出された周辺セル信号を用いて、メジャメント(measurement)を行い、メジャメント結果メモリ部117に出力する。
【0070】
メジャメント結果メモリ部117は、メジャメント部115で測定したメジャメント結果を記憶し、メジャメント報告情報生成部119に出力する。
【0071】
メジャメント報告情報生成部は、メジャメント結果をeNBに報告するタイミングにおいて、メジャメント結果メモリ部117で記憶したメジャメント結果を用いて、eNBに報告するメジャメント報告情報を生成して、送信処理部121に出力する。
【0072】
送信処理部121は、メジャメント報告情報生成部119で生成したメジャメント報告情報を、eNBに送信できるように送信処理を行い、送信RF部123に出力する。送信処理には、例えば、送信データやフィードバック情報などの信号の多重や、符号化処理、変調処理などがある。
【0073】
送信RF部123は、送信処理部121で送信処理された送信信号に対して、RF周波数への周波数変換、電力増幅、送信フィルタ処理を行い、スイッチ(SW)103を介して、アンテナ101に出力する。
【0074】
次に、
図6を参照して、本実施の形態に係る基地局装置200(eNB)の構成について説明する。
図6は、実施の形態1に係る基地局装置200の構成を示すブロック図である。
図6に示す基地局装置200は、メジャメント指示部201と、メジャメント情報生成部203と、信号多重部205と、送信処理部207と、送信RF部209と、スイッチ(SW)211と、アンテナ212と、受信RF部213と、受信処理部215と、メジャメント報告情報抽出部217と、ハンドオーバー制御部219と、を備える。
【0075】
図中の送信データは、各UEに対する送信データであり、信号多重部205に入力される。図中のRN情報は、周辺のRNに関する情報として、周辺のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置情報などを含む周辺RN情報を含む。RN情報は、メジャメント情報生成部203に入力される。
【0076】
メジャメント指示部201は、ハンドオーバーが必要なUEに対して周辺のセルのメジャメント(measurement)を行うように、メジャメント情報生成部203にメジャメント情報を生成するように指示を行う。
【0077】
メジャメント情報生成部203は、メジャメント指示部によるメジャメントの指示に基づいて、メジャメントに関する情報を生成して、信号多重部205に出力する。
【0078】
ここで、メジャメントに関する情報としては、RN情報に含まれる周辺RN情報を使って、周辺RNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームである、メジャメント(measurement)を行うサブフレームに関する情報がある。
【0079】
信号多重部205は、入力された各UEに対する送信データ、図示しない制御情報、メジャメントに関する情報などを多重して、送信処理部207に出力する。信号多重部205は、各UEに対する送信データを配置して、ユーザ多重を行い、他の信号と多重する。
【0080】
送信処理部207は、信号多重部205で多重された信号に対して送信処理を行い、送信RF部209に出力する。送信処理には、例えば、符号化処理、変調処理などがある。
【0081】
送信RF部209は、送信処理部207で送信処理された送信信号に対して、RF周波数への周波数変換、電力増幅、送信フィルタ処理を行い、スイッチ(SW)211を介して、アンテナ212に出力する。
【0082】
受信RF部213は、アンテナ212で受信した信号に対して、通信帯域以外の信号を除去するためにフィルタ処理を行い、IF周波数帯もしくはベースバンド帯に周波数変換を行い、受信処理部215に出力する。
【0083】
受信処理部215は、受信RF部213から出力された信号に対して受信処理を行い、受信データ、制御情報などの分離を行う。具体的には、ADコンバータ等でアナログ信号をデジタル信号に変換し、復調処理、復号処理などを行う。
【0084】
メジャメント報告情報抽出部217は、受信処理部215で分離した制御情報の中から、メジャメント報告情報を抽出し、ハンドオーバー制御部219に出力する。
【0085】
ハンドオーバー制御部219は、メジャメント報告情報抽出部217で抽出したメジャメント報告情報に基づいて、ハンドオーバーを制御する。
【0086】
なお、本実施の形態では、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを、eNB又はRN1、RN2がUEに対して通知していたが、これに限らない。例えば、eNB又はRN1、RN2がUEに対してメジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知せずに、UE自身がメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出して、メジャメント(measurement)を行うこともできる。
【0087】
ここで、UE自身が、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法としては、例えば、受信電力を用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法や、eNB又はRN1、RN2が送信するダウンリンクの制御情報(LTEのPDCCHなど)を受信してメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法がある。
【0088】
<メジャメントを行うサブフレームの検出−受信電力>
[第1の例]
受信電力を用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法の第1の例として、次のような方法がある。まず、UEは、複数のサブフレームにわたって受信電力を測定して、受信電力が最大となるサブフレームを検出する。UEは、その最大受信電力から所定の電力差となる閾値を設定して、その閾値より受信電力が低いサブフレームを、周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。UEは、検出した周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」以外のサブフレームを、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとする。
【0089】
例えば、検出した最大となるサブフレームの受信電力をPmax、所定の電力差をPd、閾値をPth、n番目のサブフレームの受信電力Pnとすると、UEは、下記の式1を満たすサブフレームnを、周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。
【0091】
[第2の例]
また、受信電力を用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法の第2の例として、次のような方法もある。まず、UEは、複数のサブフレームにわたって受信電力を測定して平均を行い、平均受信電力を検出する。UEは、その平均受信電力から所定の電力差となる閾値を設定して、その閾値と各サブフレームの受信電力とを 比較する。そして、UEは、その閾値より受信電力が低いサブフレームを、周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。UEは、検出した周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」以外のサブフレームを、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとする。
例えば、平均受信電力をPaveとすると、式1と同様に、UEは、下記の式2を満たすサブフレームnを、周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。
【0093】
[第3の例]
また、受信電力を用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法の第3の例として、次のような方法もある。まず、UEは、RN1又はRN2において「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームにおける受信電力を検出する。UEは、その受信電力から所定の受信電力差となる閾値を設定して、その閾値と各サブフレームの受信電力Pnとを比較する。そして、UEは、その閾値より受信電力が低いサブフレームを、周辺のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。例えば、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームとして、もともとMBSFNサブフレームと設定されないサブフレーム番号0、4、5、9のサブフレームを設定する。
例えば、RN1又はRN2において「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームの受信電力をPnon−MBSFNとすると、式1と同様に、UEは、下記の式3を満たすサブフレームnを、周辺のRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」として検出する。
【0095】
なお、上述した第1〜3の例の場合、UEから距離が遠いRNからの信号電力が弱く、UEがそのRNにおける「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」を検出できない場合がある。しかし、RNがUEから離れているほど、UEに対するRNの干渉は小さくなる。そのため、UEから距離が遠いRNからの信号電力を受信できなくても、UEはメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出できる。
【0096】
<メジャメントを行うサブフレームの検出−DLの制御情報の受信>
eNB、RN1、RN2のそれぞれから送信される制御情報(具体的にはLTEのPDCCHなど)に対して受信処理を行い、MBSFNサブフレームとなっているRNの制御情報を検出する。この場合、UEから距離が遠い、RNからの信号電力が弱く、そのRNの制御情報を検出できない場合があるが、このような遠いRNからの干渉は小さいので、メジャメントに与える影響は小さいので問題はない。
【0097】
上述のように、本実施の形態において、UE自身がメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出することで、UEは支配的な干渉を考慮したメジャメント(measurement)を行うことができる。さらに、eNB又はRN1、RN2からUEにメジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知しなくても良いので、シグナリングのオーバーヘッドを減らすことができる。
【0098】
<UEの変形例>
ここで、
図7を参照して、本実施の形態において、受信電力からメジャメントを行うサブフレームを検出する場合における無線通信端末(UE)500の構成について、説明する。
図7は、無線通信端末500の構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す無線通信端末500が、
図5に示す無線通信端末100と異なる点は、メジャメントサブフレーム検出部512が追加された点である。それ以外の構成は同じであり、同じ構成には同じ参照符号を付し、その詳細な説明を適宜、省略する。
【0099】
図7に示す無線通信端末500は、アンテナ101と、スイッチ(SW)103と、受信RF部105と、受信処理部107と、周辺セル信号受信処理部109と、メジャメント制御部111と、メジャメントサブフレーム検出部512と、メジャメントサブフレーム抽出部113と、メジャメント部115と、メジャメント結果メモリ部117と、メジャメント報告情報生成部119と、送信処理部121と、送信RF部123と、を備える。
【0100】
メジャメント制御部111は、受信処理部107から出力される自端末に対する制御情報において、メジャメント(measurement)を行うように指示があった場合には、メジャメントサブフレーム検出部512に対して、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出するように指示する。
【0101】
メジャメントサブフレーム検出部512は、メジャメント制御部111の指示に基づいて、受信RF部105から出力される信号を用いて、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する。
たとえば、メジャメントサブフレーム検出部512がメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する方法として、受信電力を用いてメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する第1〜第3の例、及びeNB又はRN1、RN2が送信するダウンリンクの制御情報(LTEのPDCCHなど)を受信してメジャメント(measurement)を行うサブフレームを検出する例がある。
【0102】
メジャメントサブフレーム抽出部113は、メジャメントサブフレーム検出部512で検出したメジャメント(measurement)を行うサブフレームに基づいて、周辺セル信号受信処理部109から出力される周辺セル信号を、サブフレーム単位で抽出して、メジャメント部115に出力する。
【0103】
メジャメント部115は、メジャメントサブフレーム抽出部113で抽出された周辺セル信号を用いて、メジャメント(measurement)を行い、メジャメント結果メモリ部117に出力する。
【0104】
メジャメント結果メモリ部117は、メジャメント部115で測定したメジャメント結果およびメジャメントサブフレーム検出部512で検出したメジャメントを行うサブフレームのサブフレーム番号を記憶しておき、メジャメント報告情報生成部119に出力する。
【0105】
メジャメント報告情報生成部119は、メジャメント結果を、eNBに報告するタイミングにおいて、メジャメント結果メモリ部117で記憶したメジャメント結果およびメジャメントを行うサブフレームのサブフレーム番号を用いて、eNBに報告する情報を生成して、送信処理部121に出力する。
【0106】
なお、本実施の形態では、メジャメント(measurement)を行うサブフレームをeNB、RN1、及びRN2からUEに直接通知する方法を説明したが、これに限らない。eNB、RN1、及びRN2は、周辺のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置を、周辺のRN毎に通知して、UEにおいて、全RNにおいてバックホールとして用いるMBSFNサブフレームとならないサブフレームを導出して、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを特定することも可能である。
【0107】
なお、本実施の形態では、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとして、周辺RNにおいて「RNバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームを通知しているが、これに限らない。RNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームが決まっている場合には、そのサブフレームを、メジャメント(measurement)を行うサブフレームと定めていても良い。例えば、LTEでは、サブフレーム[0、4、5、9]が、MBSFNサブフレームと設定されないように定められている。これにより、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知しなくてよいので、シグナリングのオーバーヘッドを抑えることができる。
【0108】
なお、本実施の形態では、UEはメジャメント(measurement)を行うサブフレームにおいてメジャメントした結果を、複数回にわたって平均化することで、メジャメントの精度を改善することができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとして、周辺RNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームとしたが、これに限らない。例えば、周辺のeNBもしくはRN1、RN2において、トラフィックが少なく、データが送信されないサブフレームがある場合などがある。このサブフレームも、本実施例におけるRNにおいてバックホールとして用いるMBSFNサブフレームと同じである。このため、このトラフィックが少なくデータが送信されないサブフレームも、メジャメントを行うサブフレームとならない、としてもよい。
【0110】
なお、本実施の形態では、周辺のRNとして、自セルがRNの場合には、UEが接続するRNと、そのRNが接続するeNBに接続する他のRNであり、自セルがeNBの場合には、eNBに接続しているRNである、としたがこれに限らない。例えば、他のeNBに接続しているRNであってもよい。この場合、各eNBに接続するRNのバックホールに用いるMBSFNサブフレームの位置情報を、eNB間で交換することで、本実施の形態と同じように動作することができる。
【0111】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、
図8〜
図11を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態2における無線中継システムについて、説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における無線中継システムを示す図である。
図8おいて、eNBは基地局(基地局装置)400、RN1、RN2、RN3は中継局610、620、630、UEは無線通信端末700をそれぞれ示す。
【0112】
以下、実施の形態2では、無線通信端末700をUE、基地局400をeNB、中継局610、620、630をそれぞれRN1、RN2、RN3と記載する。
以下、実施の形態2では、LTE−Aで検討されているように、RN1、RN2は、eNBと同様に、個別のセルIDを持つものとする。そのため、UEからみると、RN1、RN2もそれぞれ、eNBと同様に、1つのセルとみなすことができる。
以下、実施の形態2では、LTE−Aで検討されているように、バックホール回線とRNのアクセス回線を時間領域(サブフレーム単位)で分割して割当てるRelay方式をとるものとする。
【0113】
ここで、実施の形態1では、複数のRNが存在する場合、全てのRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の数が増えることで、メジャメントを行うサブフレーム数が減り、サンプルが十分にとれずに、メジャメントの精度が低下する場合がある。一方、メジャメント(measurement)の精度を保つためにサンプルを十分にとると、メジャメント(measurement)の時間がかかる場合がある。
【0114】
そこで、実施の形態2では、複数のRN1、RN2、RN3が存在する場合に、各RNからUEまでの距離によって、各RNからUEへの干渉量が変化することに着目する。つまり、UEまでの距離が遠いRNほどUEへの干渉量は小さくなるので、メジャメント(measurement)の影響は小さくなるといえる。
【0115】
ここで、
図8及び
図9を参照して、各RNからUEまでの距離と各RNからUEへの干渉量との関係について、説明する。
図9は、
図8に示す無線中継システムにおけるDLのサブフレームを示す図である。なお、
図8では、UEはeNBに接続している。RN1とRN2の近くにUEが位置しており、RN3の位置は、UEに対して、RN1及びRN2の位置よりも遠いものとする。
【0116】
図9を参照すると、RN1において「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置は、サブフレーム[n+2、n+6]である。RN2において「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置は、サブフレーム[n+4、n+8]である。RN3において「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」の位置は、サブフレーム[n+3、n+7]である。
【0117】
RN3は、RN1やRN2に比べてUEからの距離が遠いので、UEにおいてRN3から受ける干渉量は、RN1やRN2に比べて小さい。そのため、UEが受ける全体の干渉量において、UEに近いRN1、RN2からの干渉量が支配的であり、UEに遠いRN3からの干渉量は、全体の干渉量に対して影響は小さい。
【0118】
UEから距離が遠いRN3における「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」であっても、UEへの干渉量全体に対する影響は小さいことから、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとしても、メジャメントへの影響は小さいといえる。
【0119】
したがって、
図9では、RN1、RN2よりもUEからの距離が遠いRN3以外のRN1及びRN2において、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームとして、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]をUEへ通知することで、UEはメジャメント(measurement)を行うサブフレームを知ることができ、メジャメントを行うサブフレーム数を増やすことができる。
【0120】
また、各RNからUEへの干渉量全体に対して支配的な干渉を与えるRN1、RN2は、UEに対してRN3よりも近くに位置するRN1、RN2である。1つのUEに対して、距離的に近いRNとなるのは、隣接するRNであるといえる。例えば、
図8において、RN1とRN2、RN2とRN3は隣接しており、距離が近いRNといえるが、RN1とRN3は隣接していない。したがって、他のRNと隣接していないRN3が、1つのUEに対して支配的な干渉を与えることはないといえる。そのため、
図9に示すように、MBSFNサブフレームとならない複数RNの組み合わせとしては、隣接するRNだけでよい。
【0121】
したがって、実施の形態2に係る無線中継システムでは、eNB又はRN1、RN2がUEにメジャメントを行うサブフレームを通知するのに、隣接するRNの組み合わせの情報に基づき、「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームを決定する。その結果、ハンドオーバーの処理および制御が容易になる。
【0122】
上述したような、各RNからUEまでの距離と各RNからUEへの干渉量との関係に基づき、本実施の形態に係るUEは、隣接するRNをグループ化し、そのグループ内のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームで、ハンドオーバーのメジャメント(measurement)を行う。以下、具体的な方法について、
図8及び
図9を参照して説明する。
図8では、RN1とRN2の組、RN2とRN3の組が隣接するRNのグループである。RN1とRN2の組をRNグループ1とし、RN2とRN3の組をRNグループ2とする。
【0123】
ここで、
図9を参照すると、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]が、RNグループ1を構成するRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームである。また、サブフレーム[n、n+1、n+2、n+5、n+6]が、RNグループ2を構成するRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームである。これらのサブフレームが、各RNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームとなる。eNB又は各RNは、eNBとRNの間で各RNにおけるバックホール用のMBSFNサブフレームの位置に関する情報を交換して、各RNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームを導出し、UEに対してメジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知する。
【0124】
eNB又は各RNがUEに対して、メジャメント(measurement)を行うサブフレームを通知する具体的な方法としては、例えば、実施の形態1と同様、ビットマップパターンで通知する方法や、メジャメントを行うサブフレームをテーブル化しておき、そのテーブルのインデックスを通知する方法がある。
【0125】
実施の形態2において、RN3は、RN1及びRN2よりもUEから遠くに位置するので、UEは、RN1とRN2からなるRNグループ1のメジャメント(measurement)を行うサブフレームにおいて、メジャメント(measurement)を行う。
【0126】
UEがメジャメント(measurement)を行う際に用いるRNグループは、eNB又は各RNがUEに対して指示する。この場合、eNB又は各RNにおいて、UEの位置が分かっている場合は、そのUEから遠いRN3が除かれるRNグループを選択し、そのRNグループについてのメジャメントを行うサブフレームにおいてメジャメントを行うことを指示する。一方で、eNB又は各RNにおいて、UEの位置が分からない場合は、eNB又は各RNは、各RNグループについてメジャメントを行うサブフレームを通知して、全てのRNグループについてメジャメントを行うようにUEに指示する。または、eNB又は各RNは、各RNグループについて順次メジャメントを行うようにUEに指示する。
【0127】
上述のように、本実施の形態では、複数のRNが存在する場合においても、メジャメントに用いるサブフレーム数を確保できるので、UEは、ハンドオーバー先の通信時における品質を精度良く測定することができる。そのため、メジャメント結果に基づく品質と実際のハンドオーバー先の品質との間の誤差の発生が抑制でき、ハンドオーバー先において、UEはメジャメント結果に基づいて期待したスループットを達成できる。
【0128】
本実施の形態の無線通信端末700の構成は、実施の形態1の無線通信端末100と同じであるので、その詳細な説明については省略する。
【0129】
次に、
図10を参照して、本実施の形態の基地局(基地局装置)400の構成について説明する。
図10は、本実施の形態に係る基地局400の構成を示すブロック図である。ここで、
図10に示す基地局400が、
図6に示す基地局200と異なる点は、メジャメント情報生成部203に入力されるRN情報が、RNグループ情報になった点である。それ以外の構成については同じであり、同じ構成については同じ参照番号付して、その詳細な説明を適宜省略する。
【0130】
図10に示す基地局400(eNB)は、メジャメント指示部201と、メジャメント情報生成部203と、信号多重部205と、送信処理部207と、送信RF部209と、スイッチ(SW)211と、アンテナ212と、受信RF部213と、受信処理部215と、メジャメント報告情報抽出部217と、ハンドオーバー制御部219と、を備える。
【0131】
RNグループ情報は、複数のRNを組み合わせたRNグループに関する情報として、各RNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームなどがあり、メジャメント情報生成部203に入力される。各RNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームは、各RNグループ内のRNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームである。また、RNグループは、RNを設置するタイミングなどにおいて形成したものを継続して利用しても良いし、定期的に形成したものを利用してもよい。RNのグループ化の方法としては、例えば、隣接しているRNを組み合わせてグループ化する方法や、距離的に近いRNをグループ化する方法などがある。
【0132】
メジャメント指示部201は、ハンドオーバーが必要なUEに対して隣接するセルのメジャメント(measurement)を行うように、メジャメント情報生成部203にメジャメント情報を生成するように指示を行う。この際、UEがどのRNグループのメジャメントを行うサブフレームを用いるかをあわせて指示する。
【0133】
メジャメント情報生成部203は、メジャメント指示部201によるメジャメントの指示に基づいて、メジャメント関する制御情報を生成して、信号多重部205に出力する。メジャメントに関する情報としては、メジャメント指示部201で指示されたRNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームに関する情報がある。
【0134】
なお、本実施の形態では、UEにおいてメジャメントを行う際に用いるRNグループは、eNB又はRNがUEに対して指示したが、これに限らない。例えば、eNB又はRNからUEに対して複数のRNグループについてメジャメント(measurement)を行うサブフレームに関する情報を通知しておき、UEにおいてRNグループを決定する方法でもよい。
【0135】
ここで、
図9を参照して、UEにおいてRNグループを決定する方法について説明する。まず、UEにおいて全てのRNグループについて、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとなりうる可能性のあるサブフレーム[n、n+1、n+2、n+3、n+5、n+6]について受信電力の測定を行う。そして、各RNグループのメジャメント(measurement)を行うサブフレームについて、サブフレームごとに受信電力の測定結果を比較する。RNグループ1は、サブフレーム[n、n+1、n+3、n+5、n+7]、RNグループ2は、サブフレーム[n、n+1、n+2、n+5、n+6]である。
【0136】
ここで、RNグループ1のほうがRNグループ2よりも、サブフレームごとの変動が小さい。逆に、RNグループ2のほうがRNグループ1よりも、サブフレームごとの変動が大きくなる。サブフレームごとの変動が大きいRNグループ2の場合、支配的な干渉成分がないサブフレームでUEはメジャメント(measurement)を行っている。したがって、UEは、サブフレームごとの変動が小さいRNグループ1を検出すればよい。
【0137】
例えば、RNグループ1における最大受信電力をPG1_maxとし、最小受信電力をPG1_minとすると、RNグループ1における受信電力差PG1_Dは、次式4で表わされる。
【0139】
同様に、RNグループ2についても、最大受信電力をPG2_maxとし、最小受信電力をPG2_minとすると、RNグループ2における受信電力差PG2_Dは、次式5で表わされる。
【0141】
ここで、UEは、RNグループ1における受信電力差PG1_DとRNグループ2における受信電力差PG2_Dとを比較し、受信電力差が小さい方のRNグループを検出すれば良い。なお、サブフレームごとの最大受信電力と最小受信電力の差分以外に、サブフレームごとの受信電力の分散や標準偏差、平均値からの閾値判定なども用いることができる。また、サブフレームごとの受信電力を用いてRNグループを検出しているが、メジャメント結果を用いてもよい。
【0142】
<UEの変形例>
上述したようにUEがRNグループを検出する場合の、UEの構成について、
図11を参照して、説明する。
図11は、実施の形態2における無線通信端末700の変形例(UE)の構成を示すブロック図である。
図11に示す無線通信端末900は、アンテナ101と、スイッチ(SW)103と、受信RF部105と、受信処理部107と、周辺セル信号受信処理部109と、メジャメント制御部710と、メジャメント候補サブフレーム抽出部711と、RNグループ検出部712と、メジャメントサブフレーム抽出部113と、メジャメント部115と、メジャメント結果メモリ部117と、メジャメント報告情報生成部119と、送信処理部121と、送信RF部123と、を備える。
【0143】
図11に示すUEのブロック図において、
図5に示すUEのブロック図と異なる点は、メジャメント候補サブフレーム抽出部711と、RNグループ検出部712と、が追加された点である。それ以外の構成は同じであり、同じ構成には同じ参照符号を付し、その詳細な説明を適宜、省略する。
【0144】
メジャメント制御部710は、受信処理部107から出力される自端末に対する制御情報においてメジャメントを行うように指示が含まれるかどうか検出し、メジャメントを行うように指示が含まれている場合、制御情報の中からRNグループと各RNグループについてのメジャメントを行うサブフレームに関するRNグループ情報を抽出する。
【0145】
また、メジャメント制御部710は、抽出した情報から、メジャメントを行うサブフレームの候補となる可能性のあるサブフレームの位置の情報をメジャメント候補サブフレーム抽出部711に出力し、RNグループ情報をグループ検出部712に出力する。
【0146】
メジャメント候補サブフレーム抽出部711は、メジャメント制御部710から出力されたメジャメント候補のサブフレームに関する位置情報に基づいて、受信RF105部から出力される信号から、メジャメント候補のサブフレームに関する位置情報をサブフレーム単位で抽出して、RNグループ検出部712に出力する。
【0147】
RNグループ検出部712は、メジャメント候補サブフレーム抽出部711から出力された信号を用いて、サブフレーム単位の受信電力を測定する。そして、RNグループ検出部712は、各RNグループのメジャメントを行うサブフレームについて、受信電力を比較して、サブフレームごとの変動が一番小さいRNグループを検出する。RNグループの検出方法は、前述したように、UEがRNグループ1における受信電力差PG1_DとRNグループ2における受信電力差PG2_Dとを比較し、受信電力差が小さい方のRNグループを検出する。そして、サブフレームごとの受信電力の変動が一番小さいRNグループにおいて、メジャメントを行うサブフレーム情報をメジャメントサブフレーム抽出部113に出力する。
【0148】
メジャメントサブフレーム抽出部113は、RNグループ検出部712から出力されたメジャメントを行うサブフレームに関する情報に基づいて、周辺セル信号受信処理部から出力される周辺セル信号を、サブフレーム単位で抽出して、メジャメント部115に出力する。
【0149】
なお、本実施の形態では、UEはメジャメント(measurement)を行うサブフレームにおいてメジャメントした結果を、複数回にわたって平均化することで、メジャメントの精度を改善することができる。
【0150】
なお、本実施の形態では、メジャメント(measurement)を行うサブフレームとして、周辺RNにおいて「RNがバックホールとして用いるMBSFNサブフレーム」とならないサブフレームとしたが、これに限らない。例えば、周辺のeNBもしくはRN1、RN2において、トラフィックが少なく、データが送信されないサブフレームがある場合などがある。このサブフレームも、本実施例におけるRNにおいてバックホールとして用いるMBSFNサブフレームと同じである。このため、このトラフィックが少なくデータが送信されないサブフレームも、メジャメントを行うサブフレームとならない、としてもよい。
【0151】
なお、本実施の形態では、周辺のRNとして、自セルがRNの場合には、UEが接続するRNと、そのRNが接続するeNBに接続する他のRNであり、自セルがeNBの場合には、eNBに接続しているRNである、としたがこれに限らない。例えば、他のeNBに接続しているRNであってもよい。この場合、各eNBに接続するRNのバックホールに用いるMBSFNサブフレームの位置情報を、eNB間で交換することで、本実施の形態と同じように動作することができる。
【0152】
なお、上記各実施の形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(antenna port)とは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なるReference signalを送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートはPrecoding vectorの重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0153】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0154】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0155】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0156】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0157】
本出願は、2009年6月10日出願の日本特許出願(特願2009−139294)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。