(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5852753
(24)【登録日】2015年12月11日
(45)【発行日】2016年2月3日
(54)【発明の名称】レイヤ2アダプタ選択システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20160114BHJP
H04L 12/725 20130101ALI20160114BHJP
H04L 12/707 20130101ALI20160114BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
H04L12/725
H04L12/707
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-560222(P2014-560222)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2015-509684(P2015-509684A)
(43)【公表日】2015年3月30日
(86)【国際出願番号】CN2012087895
(87)【国際公開番号】WO2014089888
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2014年9月8日
(31)【優先権主張番号】201210544561.9
(32)【優先日】2012年12月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510268565
【氏名又は名称】中国科学院声学研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF ACOUSTICS, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(73)【特許権者】
【識別番号】514227690
【氏名又は名称】北京中科智網科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING INTELLIX TECHNOLOGY COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100167025
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チンリン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ジアリー
(72)【発明者】
【氏名】デン,フオン
【審査官】
浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/129600(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0207736(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レイヤ3パケット要件抽出モジュール、送信先レイヤ2アドレス取得モジュール、レイヤ2アダプタメトリック取得モジュール、適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュール、パケットキャッシュモジュール及びパケットスケジューリングモジュールを備えたレイヤ2アダプタ選択システムであって、
前記パケットキャッシュモジュールは、受信したレイヤ3パケットをキャッシュに格納し、
前記レイヤ3パケット要件抽出モジュールは、前記パケットキャッシュモジュールからレイヤ3パケットを読み取り、前記レイヤ3パケットから要件のタイプとパラメータ値とを抽出して、取得した結果を前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに伝送し、
前記レイヤ2アダプタメトリック取得モジュールは、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得すると共に、取得した結果を前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに伝送し、
前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールは、前記レイヤ3パケット要件抽出モジュールによって計算された要件のタイプ及びパラメータ値、及びレイヤ2アダプタメトリック取得モジュールによって取得された前記各アダプタの前記メトリックパラメータ値に基づいて、アダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックを計算し、算出された前記アダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックをパケットスケジューリングモジュールに伝送すると共に、取得した前記アダプタ識別子に基づいて前記アダプタに対応するリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを判定し、単方向リンクである場合には、双方向リンクによりパラメータ交渉をして単方向リンクの送信先アドレスのマッピングパラメータを取得し、該マッピングパラメータを双方向リンクにより外部の送信先レイヤ2アダプタに送信し、
前記送信先レイヤ2アドレス取得モジュールは、送信先レイヤ3アドレスと関連する各アダプタのレイヤ2アドレスを取得し、
前記パケットスケジューリングモジュールは、前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールで得られたアダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックとに基づいて、パケットの梱包と送信を実行する外部のレイヤ2アダプタドライバを呼び出す、レイヤ2アダプタ選択システム。
【請求項2】
前記送信先レイヤ2アドレス取得モジュールは、送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得する際に、データリンクが双方向リンクである場合には、送信元アダプタと送信先アダプタとをレイヤ2データフレームにより交信して送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得し、データリンクが単方向リンクである場合には、別の双方向リンクの送信元と送信先とをパラメータ交渉させて、単方向リンクの送信先のマッピングパラメータを取得した後、前記双方向リンクにより単方向リンクの送信先の前記マッピングパラメータを送信元から送信先に送信することを特徴とする請求項1に記載のレイヤ2アダプタ選択システム。
【請求項3】
前記要件は、パケット送信のために満たされるべきメトリックであることを特徴とする請求項1に記載のレイヤ2アダプタ選択システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載されたレイヤ2アダプタ選択システムを実施するレイヤ2アダプタ選択方法であって、
レイヤ3パケットを受信した後、受信したレイヤ3パケットから要件を抽出し、前記要件のタイプ及びパラメータ値を取得するステップ(1)と、
各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得するステップ(2)と、
前記ステップ(1)で得られた前記要件のタイプ及びパラメータ値、及びステップ(2)で得られた前記各アダプタの前記メトリックパラメータ値に基づいてアダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックを計算するステップ(3)と、
前記ステップ(3)で取得した前記アダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックに基づいて、レイヤ3パケットをスケジュールに入れ、それにより対応するレイヤ2アダプタドライバを呼び出すステップ(4)と、
前記各アダプタに対応するリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを判断するステップ(5)と、
前記ステップ(5)において、単方向リンクであると判断した場合には、双方向リンクの送信元と送信先とによりパラメータ交渉を行い、単方向リンクの送信先のアドレスマッピングパラメータを取得し、取得したアドレスマッピングパラメータを前記送信元が前記双方向リンクにより送信先のレイヤ2アダプタに送信するステップ(6)と、
前記ステップ(5)において、双方向リンクであると判断した場合に、送信元アダプタと送信先アダプタとがレイヤ2データフレームにより互いに情報のやり取りをし、前記送信元アダプタが前記送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得するステップ(7)と、
前記ステップ(6)において、アドレスマッピングパラメータを前記送信先レイヤ2アダプタに送信した後、前記送信元アダプタの前記レイヤ2アダプタドライバがパケットの梱包及び送信を行うステップ(8)と、
を含むレイヤ2アダプタ選択方法。
【請求項5】
前記ステップ(1)は、さらに、
前記レイヤ3パケットのヘッダーから要件フィールドを抽出するステップ(1−1)と、
前記要件フィールドから要件のタイプを抽出し、前記要件が単一のタイプであると、前記要件フィールドを分解して単一のパラメータを取得し、要件が複合タイプであると、前記要件フィールドを分解して複数のパラメータを取得し、さらに、得られた各パラメータに含まれるアルゴリズムを実行して単一の無次元量を取得するステップ(1−2)と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のレイヤ2アダプタ選択方法。
【請求項6】
前記ステップ(2)において、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得することは、レイヤ2アダプタドライバからレイヤ2アダプタリンクチャンネルの、平均パケット送信時間、リンクレート、パケット損失率を含む様々な指標を取得することを含むことを特徴とする請求項4に記載のレイヤ2アダプタ選択方法。
【請求項7】
前記ステップ(3)は、
前記ステップ(1)で得られた前記要件のタイプ及びパラメータ値に基づいて、前記ステップ(2)で得られた各レイヤ2アダプタの単一メトリック、又は計算された複合指標に対して関数演算を行い、要件を満たすレイヤ2アダプタの識別子を取得することを含み、前記関数は、
【数1】
形式のスカラー型関数であり、
【数2】
は一価関数で、x
1,x
2,…x
nがレイヤ2アダプタの各指標を表すことを特徴とする請求項4に記載のレイヤ2アダプタ選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク通信分野に関し、特にレイヤ2アダプタ選択システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの急速な発展に伴い、ネットワークオペレータは、ネットワークの信頼性を考慮して、一般に冗長リンクを配置することがある。この冗長リンクには、同質及び異質という2タイプがある。いずれのタイプを採用しても、冗長リンクが元のリンクと異なる送信経路内にある。通常は、送信元と送信先との間の複数のリンクの内の一つだけが正常に動作するものであるので、リンクリソースの膨大な浪費(無駄)の原因となる。
【0003】
ネットワークに冗長リンクを配置すると、送信元と送信先とに複数のレイヤ2アダプタを備える必要があるが、レイヤ2よりも上側の複数の層に使用されるプロトコルは同一である。また、実際には、端末に複数のアダプタが備えられている。このため、パケット交換方式の下では、複数のレイヤ2アダプタの選択問題が生じる。従来技術において、複数のレイヤ2アダプタが同一のレイヤ3アドレスを具備する場合、レイヤ2アダプタの選択過程において一定時間内に一つのアダプタのみが動作し、リンクリソースの浪費(無駄)の原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のレイヤ2アダプタ選択方法がリンクリソース浪費の原因となりやすいという問題に対処し得るレイヤ2アダプタ選択システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明によるレイヤ2アダプタ選択システムは、レイヤ3パケット要件抽出モジュール、送信先レイヤ2アドレス取得モジュール、レイヤ2アダプタメトリック取得モジュール、適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュール、パケットキャッシュモジュール及びパケットスケジューリングモジュールを備えたレイヤ2アダプタ選択システムであって、前記パケットキャッシュモジュールは、受信したレイヤ3パケットをキャッシュに格納し、前記レイヤ3パケット要件抽出モジュールは、前記パケットキャッシュモジュールからレイヤ3パケットを読み取り、前記レイヤ3パケットから要件のタイプとパラメータ値とを抽出して、取得した結果を前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに伝送し、前記レイヤ2アダプタメトリック取得モジュールは、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得すると共に、取得した結果を前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに伝送し、前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールは、前記レイヤ3パケット要件抽出モジュールによって計算された要件のタイプ及びパラメータ値、及びレイヤ2アダプタメトリック取得モジュールによって
取得された前記各アダプタ
の前記メトリック
パラメータ値に基づいて、アダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックを計算し、算出された前記アダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックをパケットスケジューリングモジュールに伝送すると共に、取得した前記アダプタ識別子に基づいて前記アダプタに対応するリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを判定し、単方向リンクである場合には、双方向リンクによりパラメータ交渉をして単方向リンクの送信先アドレスのマッピングパラメータを取得し、該マッピングパラメータを双方向リンクにより外部の送信先レイヤ2アダプタに送信し、前記送信先レイヤ2アドレス取得モジュールは、送信先レイヤ3アドレスと関連する各アダプタのレイヤ2アドレスを取得し、前記パケットスケジューリングモジュールは、前記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールで得られたアダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックとに基づいて、パケットの梱包と送信を実行する外部のレイヤ2アダプタドライバを呼び出す。
【0006】
この場合、前記送信先レイヤ2アドレス取得モジュールは、送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得する際に、データリンクが双方向リンクであるときには、送信元アダプタと送信先アダプタとをレイヤ2データフレームにより交信して送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得し、データリンクが単方向リンクであるときには、別の双方向リンクの送信元と送信先とをパラメータ交渉させて、単方向リンクの送信先のマッピングパラメータを取得した後、前記双方向リンクにより単方向リンクの送信先の前記マッピングパラメータを送信元から送信先に送信する。
また、前記要件は、パケット送信のために満たされるべきメトリックである。
【0007】
本発明によるレイヤ2アダプタ選択方法は、前記レイヤ2アダプタ選択システムを実施するレイヤ2アダプタ選択方法であって、レイヤ3パケットを受信した後、受信したレイヤ3パケットから要件を抽出し、前記要件のタイプ及びパラメータ値を取得するステップ(1)と、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得するステップ(2)と、前記ステップ(1)で得られた前記要件のタイプ及びパラメータ値、及びステップ(2)で得られた前記各アダプタの前記メトリックパラメータ値に基づいてアダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックを計算するステップ(3)と、前記ステップ(3)で取得した前記アダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックに基づいて、レイヤ3パケットをスケジュールに入れ、それにより対応するレイヤ2アダプタドライバを呼び出すステップ(4)と、前記各アダプタに対応するリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを判断するステップ(5)と、前記ステップ(5)において、単方向リンクであると判断した場合には、双方向リンクの送信元と送信先とによりパラメータ交渉を行い、単方向リンクの送信先のアドレスマッピングパラメータを取得し、取得したアドレスマッピングパラメータを前記送信元が前記双方向リンクにより送信先のレイヤ2アダプタに送信するステップ(6)と、前記ステップ(5)において、双方向リンクであると判断した場合に、送信元アダプタと送信先アダプタとがレイヤ2データフレームにより互いに情報のやり取りをし、前記送信元アダプタが前記送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得するステップ(7)と、前記ステップ(6)において、アドレスマッピングパラメータを前記送信先レイヤ2アダプタに送信した後、前記送信元アダプタの前記レイヤ2アダプタドライバがパケットの梱包及び送信を行うステップ(8)と、を含む。
【0008】
この場合、前記のステップ(1)は、さらに、前記レイヤ3パケットのヘッダーから要件フィールドを抽出するステップ(1−1)と、前記要件フィールドから要件のタイプを抽出し、前記要件が単一のタイプであると、前記要件フィールドを分解して単一のパラメータを取得し、要件が複合タイプであると、前記要件フィールドを分解して複数のパラメータを取得し、さらに、得られた各パラメータに含まれるアルゴリズムを実行して単一の無次元量を取得するステップ(1−2)と、を含む。
【0009】
また、前記ステップ(2)において、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得することは、レイヤ2アダプタドライバからレイヤ2アダプタリンクチャンネルの、平均パケット送信時間、リンクレート、パケット損失率を含む様々な指標を取得することを含む。
【0010】
さらに、前記ステップ(3)は、前記ステップ(1)で得られた前記要件のタイプ及びパラメータ値に基づいて、前記ステップ(2)で得られた各レイヤ2アダプタの単一メトリック、又は計算された複合指標に対して関数演算を行い、要件を満たすレイヤ2アダプタの識別子を取得することを含み、前記関数は、
【数1】
形式のスカラー型関数であり、
【数2】
は一価関数で、x
1,x
2,…x
nがレイヤ2アダプタの各指標を表す。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレイヤ2アダプタの選択システム及び方法によれば、複数のリンクを並列に接続して同時に使用することができ、従来の冗長リンクの場合のリソース浪費問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のレイヤ2アダプタ選択システムの構造図である。
【
図2】本発明のレイヤ2アダプタ選択方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明のレイヤ2アダプタ選択システムは、コアモジュールと補助モジュールとを含み、前記コアモジュールがレイヤ3パケット要件抽出モジュール、送信先レイヤ2アドレス取得モジュール、レイヤ2アダプタメトリック(距離)取得モジュール及び適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールを備え、前記補助モジュールがパケットキャッシュモジュールと、パケットスケジューリングモジュールとを備える。
【0014】
上記パケットキャッシュモジュールは、受信したレイヤ3パケットをキャッシュに格納するように構成されている。
【0015】
上記レイヤ3パケット要件抽出モジュールは、パケットキャッシュモジュールからレイヤ3パケットを読み取り、上記レイヤ3パケットから要件のタイプ及びパラメータ値を抽出し、取得した結果を上記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに送信するように構成されている。上記要件とは、パケット送信のために満たされるべき指標を指し、例えば最短送信時間、最大帯域幅、最小パケット損失率、又は送信時間閾値、帯域幅閾値、パケット損失率閾値、又は各パラメータ演算後に得られる関数値等である。
【0016】
上記レイヤ2アダプタメトリック取得モジュールは、各アダプタのインスタントメトリックパラメータ(instant metric parameter)値を取得し、得られた結果を上記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールに送信するように構成されている。
【0017】
上記適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールは、レイヤ3パケット要件抽出モジュールによって計算された要件のタイプ及びパラメータ値、及びレイヤ2アダプタメトリック取得モジュールによって
取得された各アダプタ
のメトリック
パラメータ値に基づいて、アダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックを計算し、算出された上記アダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックをパケットスケジューリングモジュールに送信し、得られた上記アダプタ識別子に基づいてアダプタ対応のリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを決定し、単方向リンクの場合には、別の双方向リンクによりパラメータ交渉をして単方向リンク送信先アドレスのマッピングパラメータを取得し、該マッピングパラメータを双方向リンクにより外部の送信先レイヤ2アダプタに送信する。これにより、送信先では受信操作を実施することができる。しかし、双方向リンクの場合には、上記パラメータ交渉の操作は必要でない。
【0018】
上記送信先レイヤ2アドレス取得モジュールは、送信先レイヤ3アドレスと関連する各アダプタのレイヤ2アドレスを取得するように構成されている。送信先レイヤ2アドレス取得モジュールが送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得すると、データリンクが双方向リンクである場合には、送信元アダプタは、レイヤ2データフレームにより送信先アダプタと情報をやり取りし、送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得する。また、データリンクが単方向リンクである場合には、別の双方向リンクの送信元と送信先とがパラメータ交渉をして単方向リンクの送信先のマッピングパラメータを取得した後、送信元が双方向リンクにより上記単方向リンクの送信先のマッピングパラメータを送信先に送信する。
【0019】
上記パケットスケジューリングモジュールは、適合レイヤ2アダプタ識別子選択モジュールで得られたアダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックに基づいて、外部のレイヤ2アダプタドライバを呼び出し、このレイヤ2アダプタドライバによりパケットの梱包及び送信を行う。
【0020】
以上、本発明のレイヤ2アダプタ選択システムについて説明した。次に、
図2を参照して、このシステムによる対応するレイヤ2アダプタ選択方法を説明する。
ステップ(1):レイヤ3パケットを受信すると、受信したレイヤ3パケットからの要件を抽出し、要件のタイプ及びパラメータ値を取得する。
【0021】
上記要件とは、パケット送信のために満たされるべき指標を指し、例えば最短送信時間、最大帯域幅、最小パケット損失率、又は送信時間閾値、帯域幅閾値、パケット損失率閾値、又は各パラメータ演算後に得られる関数値等である。
【0022】
ステップ(2):各アダプタのインスタントメトリックパラメータ値を取得する。
ステップ(3):ステップ(1)で得られた要件のタイプ及びパラメータ値、ステップ(2)で得られた各アダプタのメトリックパラメータ値に基づいてアダプタ識別子とレイヤ3パケットメトリックを計算する。
【0023】
ステップ(4):ステップ(3)で取得したアダプタ識別子及びレイヤ3パケットメトリックに基づいて、レイヤ3パケットをスケジュールに入れ、それにより対応するレイヤ2アダプタドライバを呼び出す。
【0024】
ステップ(5):各アダプタに対応するリンクが単方向リンクであるか双方向リンクであるかを判断し、単方向リンクである場合には、ステップ(6)を実行し、そうではない場合には、ステップ(7)を実行する。
【0025】
ステップ(6):双方向リンクの送信元と送信先によりパラメータ交渉を行い、単方向リンクの送信先のアドレスマッピングパラメータを取得し、取得したアドレスマッピングパラメータを送信元が双方向リンクにより送信先レイヤ2アダプタに送信した後、ステップ(8)を実行する。
【0026】
ステップ(7):送信元アダプタと送信先アダプタは、レイヤ2データフレームにより互いに情報のやり取りをし、送信先アダプタのレイヤ2アドレスを取得する。
【0027】
ステップ(8):送信元アダプタのレイヤ2アダプタドライバは、パケットの梱包及び送信を行う。
【0028】
以上、本発明の方法の基本的なステップを説明した。次に、これらのステップをより詳細に説明する。
ステップ(1)は、以下のステップを含んでいる。
ステップ(1−1):レイヤ3パケットのヘッダーから要件フィールドを抽出する。
ステップ(1−2):上記要件フィールドから要件のタイプを抽出し、要件が単一のタイプである場合には、要件フィールドを分解して単一のパラメータを取得し、要件が複合タイプであると、要件フィールドを分解して複数のパラメータを取得し、さらに、得られた各パラメータに含まれるアルゴリズムを実行し、単一の無次元量を取得する。
【0029】
ステップ(2)は、レイヤ2アダプタドライバからレイヤ2アダプタリンクチャンネルの様々な指標、例えば平均パケット送信時間、リンクレート、パケット損失率等を取得することを含む。
【0030】
ステップ(3)は、ステップ(1)で得られた要件のタイプ及びパラメータ値に基づいて、ステップ(2)で得られた各レイヤ2アダプタの単一メトリック、又は計算された複合指標に対して関数演算を行い、要件を満たすレイヤ2アダプタの識別子を取得することを含む。ここで、上記関数は、
【数1】
形式のスカラー型関数であり、
【数2】
は一価関数で、x
1,x
2,…x
nがレイヤ2アダプタの各指標を表す。
【0031】
以下、
図3に示す場面を参照して、本発明のレイヤ2アダプタ選択方法を説明する。この場面において、送信元デバイスは3つのアダプタA1,A2,A3を備え、これらのアダプタのタイプはそれぞれ802.11b(WiFi)、DOCSIS 1.0及び単方向のHFC QAM変調器であり、インターフェイスレートはそれぞれ11Mbps、30Mbps及び38Mbpsである。例えばレイヤ3パケットがIPパケット(IPXのような他のタイプのレイヤ3パケットであってもよい)であり、最大帯域幅(本例においては帯域幅を例として説明する)のような要件は、IPヘッダーのCOSフィールドから抽出され、レイヤ2アダプタから得られる帯域幅パラメータは、11Mbps、30Mbps及び38Mbpsである。最大帯域幅の要件と帯域幅パラメータと比較してアダプタA3が選択される。つまり、アダプタ識別子はA3である。同時に、アダプタA3が単方向リンクに接続されるように決定される。したがって、送信先の対応する単方向の受信パラメータ(例えば、周波数ポイント及びPIDのようなものであり、これらのパラメータを決定する過程がA2のような双方向アダプタと送信先アダプタとの交渉に関する)が双方向アダプタA2により送信先に送信され、その後、IPパケットがアダプタA3に送信される。この場合、アダプタA3は、レイヤ2パケットの梱包と送信とを行う。
【0032】
上記実施形態は、ただ単に、本発明の技術的解決法を説明するものであり、本発明はこれに限定されない。上記実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の技術的解決法に対する修正又は同等の置換を成し得ること、及びこれらの修正及び置換は本発明の技術的解決法の主旨及び範囲を逸脱せず、いずれも本発明の特許請求の範囲に属することを理解すべきである。