【実施例】
【0029】
(実施例1)
上記第1の態様に係る電磁継電器の実施例につき、
図1〜
図4を用いて説明する。
本例の電磁継電器1は、
図1に示すごとく、下記のプランジャ2と一対の固定接点部材3と可動接点部材4と前方付勢手段5と後方付勢手段6とを備えている。
【0030】
プランジャ2は、コイル11への通電、非通電の切換えにより進退する。
一対の固定接点部材3は、それぞれ固定接点31を有する。可動接点部材4は、プランジャ2の前進方向から一対の固定接点31に対向配置される一対の可動接点41を電気的に短絡させた状態で有する。前方付勢手段5は、プランジャ2を前進方向へ付勢する。後方付勢手段6は、可動接点部材4を前進方向と反対側の後退方向へ付勢する。
【0031】
図2に示すごとく、可動接点部材4は、プランジャ2の前端21が当接するプランジャ当接面42と、後方付勢手段6の付勢力が作用する付勢力作用面43とを備えている。そして、プランジャ当接面42は、付勢力作用面43よりも前方に位置している。上記プランジャ当接面42は、可動接点部材4の重心よりも前方に位置し、付勢力作用面43は、可動接点部材4の重心よりも後方に位置している。
【0032】
図1に示すごとく、電磁継電器1は、樹脂からなるケース10内にコイル11を固定配置している。プランジャ2は、その一部をコイル11の内側に配置してなり、コイル11の巻回軸に沿って進退可能に構成されている。プランジャ2は、軟磁性体からなる可動コア部22と、該可動コア部22の前端に固定された樹脂からなる押圧部23とからなる。可動コア部22の一部がコイル11の内側に配置され、押圧部23が可動接点部材4を押圧するよう構成されている。
【0033】
コイル11の内側には、軟磁性体からなる固定コア12が配置されている。該固定コア12は、プランジャ2に対して後方から対向配置されている。そして、固定コア12とプランジャ2の可動コア部22との間に、前方付勢手段5が配置され、固定コア12に対して、プランジャ2を前方へ向かうように付勢している。本例において、前方付勢手段5は、コイルスプリングによって構成されている。
【0034】
また、コイル11の周囲には、コイル11への通電によって形成される磁束が通る磁路を、固定コア12及び可動コア部22と共に形成するヨーク13が配設されている。
コイル11に対して、その軸方向であってプランジャ2の前進方向に、固定接点部材3と可動接点部材4とが配設されている。
【0035】
固定接点部材3は、互いに独立して一対形成されており、それぞれがケース10に固定されていると共に固定接点31を備えている。
また、可動接点部材4は、一枚の金属板の両端部付近に一対の可動接点41を備えている。そして、可動接点部材4とその前方に配されたケース10の一部との間に、後方付勢手段6が介設されている。本例において、後方付勢手段6は、コイルスプリングからなり、可動接点部材4を後方へ向かって押圧できるよう構成してある。
可動接点部材4が後方付勢手段6によって付勢力を付与される付勢力作用面43は、このコイルスプリングによる押圧面である。すなわち、付勢力作用面43は、可動接点部材4におけるプランジャ当接面21と反対側の面に形成されている。
【0036】
また、
図3に示すごとく、付勢力作用面43は、環状に形成されており、プランジャ当接面42は、付勢力作用面43の内側に配置されている。すなわち、コイルスプリングからなる後方付勢手段6の付勢力が可動接点部材4に作用する付勢力作用面43は、略円環状に形成される。そして、このコイルスプリング(後方付勢手段6)の内径よりも、プランジャ2の押圧部23の直径を小さくしてある。これにより、プランジャ2の押圧部23が可動接点部材4を押圧するプランジャ当接面42を、付勢力作用面43の内側に配置することができる。
【0037】
そして、
図2に示すごとく、可動接点部材4は、プランジャ2の一部を挿入可能な凹部44を有し、該凹部44の底面にプランジャ当接面42が形成されている。また、付勢力作用面43は、凹部44の外周部に形成されている。付勢力作用面43は、可動接点部材4の前面に環状に形成された溝部45の底面に形成されている。
この溝部45の底面における付勢力作用面43よりも前方に、上記凹部44の底面におけるプランジャ当接面42が形成されている。
【0038】
また、
図3に示すごとく、可動接点部材4の重心Gは、プランジャ2の進退方向から見たとき、プランジャ当接面42の内側に配置されている。特に、本例においては、重心Gがプランジャ当接面42の中心に略一致している。
また、可動接点部材4は、プランジャ2の進退方向から見たとき、一対の可動接点41の中心C1を結ぶ線分L1の垂直二等分線L2を基準に線対称な形状を有する。
【0039】
図1に示す電磁継電器1においては、コイル11に通電することにより、固定コア12とプランジャ2の可動コア部22とヨーク13とに磁束が流れ、可動コア部22と固定コア12との間に磁気吸引力が生じる。これにより、可動コア部22を備えるプランジャ2が固定コア12に吸引されて後退する。これに伴い、後方付勢手段6により可動接点部材4が固定接点部材3側へ後退し、一対の可動接点41がそれぞれ一対の固定接点31に接触する。その結果、電磁継電器1が接続状態となる。
【0040】
次に、コイル11への通電を遮断すると、固定コア12と可動コア部22との間の磁気吸引力がなくなる。ここで、前方付勢手段5は、後方付勢手段6よりも大きい付勢力を有している。それゆえ、上記磁気吸引力がない状態となると、可動接点部材4は、前方付勢手段5によってプランジャ2を介して前方へ押され、固定接点部材3から遠ざかるように前進する。これにより、一対の可動接点41がそれぞれ一対の固定接点31から離間し、電磁継電器1が遮断状態となる。
【0041】
なお、接続状態から遮断状態に切り替わる際、一対の固定接点31と一対の可動接点41とが互いに離れた瞬間に電流が遮断されるわけではなく、このとき両接点間に生じるアークが生じている間は遮断状態に至らない。そこで、このアークを引き延ばして切るために、電磁継電器1は消弧用磁石14を備えている。消弧用磁石14は、固定接点31の外側に配設されている。この消弧用磁石14により、接点間に生じるアークを、可動接点部材4の進退方向に直交する方向に引き延ばして消弧するよう構成されている。
【0042】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電磁継電器1においては、プランジャ当接面42が、可動接点部材4の重心よりも前方に位置し、付勢力作用面43が、可動接点部材4の重心よりも後方に位置している。それゆえ、可動接点部材4は、プランジャ2から前方へ向かって力を受けるプランジャ当接面42が、後方付勢手段6から後方へ向かって力を受ける付勢力作用面43よりも、前方に配置されることとなる。そのため、可動接点部材4がプランジャ2から受ける力と後方付勢手段6から受ける力とが、互いに引き合う形となり、可動接点部材4が傾き難くなる。
【0043】
その結果、可動接点部材4に設けた一対の可動接点41は、これらにそれぞれ対向する一対の固定接点31との間の接点間距離に差が生じにくくなる。そのため、電磁継電器1を接続状態から遮断状態に切り替える際に、2つの接点間にそれぞれ生じるアークを共に消弧しやすくなり、接続状態から遮断状態への円滑な切換えを実現することができる。
【0044】
このことにつき、
図4、
図5のモデル図を用いて説明する。
図4は、本例における可動接点部材4に対するプランジャ2からの押圧力F2と後方付勢手段6からの押圧力F6を示したモデル(本例モデル)である。
図5は、プランジャ当接面942が可動接点部材94の重心Gよりも後方に位置し、付勢力作用面943は上記重心Gよりも前方に位置した構成のモデル(比較モデル)である。
【0045】
何れのモデルにおいても、押圧力F2は、プランジャ当接面42、942の全体に作用する押圧力の合力であり、押圧力F6は、環状の付勢力作用面943の全体に作用する押圧力の合力である。また、可動接点部材4、94の進退方向に直交する長手方向において、押圧力F2の作用点と、押圧力F6の作用点は、互いに位置が若干ずれている。これは、回転モーメントが生じる状況を説明するために敢えてずらしてある。そして、作用点のずれの大きさは、両モデルにおいて同じであるとする。
【0046】
また、両モデルにおいては、便宜上、可動接点部材4、94の重心Gの回りの回転モーメントを考える。
比較モデル(
図5)においては、2つの押圧力F2、F6が互いに押し合いの状態となる。ここで、押圧力F2が押圧力F6に対して、可動接点部材94の長手方向に若干ずれていると、重心Gの回りの回転モーメントが発生する。すなわち、押圧力F2は、重心へ向かうベクトル成分f21と、これに直交するベクトル成分f22とに分解することができるが、上記ベクトル成分f22が回転モーメントに寄与する。
そこで、このベクトル成分f22に注目すると、
図5(A)、(B)から分かるように、可動接点部材94が回転してその傾きが大きくなるにつれて、ベクトル成分f22は大きくなっていく。したがって、比較モデルは、回転モーメントが大きくなっていき、可動接点部材94は傾きやすいと言える。
【0047】
これに対して、本例モデル(
図4)の場合においては、2つの押圧力F2、F6が引き合いの状態となる。ここで、押圧力F6が押圧力F2に対して、可動接点部材4の長手方向に若干ずれていると、重心Gの回りの回転モーメントが発生する。すなわち、押圧力F6は、重心へ向かうベクトル成分f61と、これに直交するベクトル成分f62とに分解することができるが、上記ベクトル成分f62が回転モーメントに寄与する。
そこで、このベクトル成分f62に注目すると、
図4(A)、(B)から分かるように、可動接点部材4が回転してその傾きが大きくなるにつれて、ベクトル成分f62は小さくなっていく。したがって、本例モデルは、回転モーメントが小さくなっていき、可動接点部材4は傾き難いと言える。
【0048】
このように、本例の電磁継電器1においては、可動接点部材4が傾き難い構造となっている。それゆえ、電磁継電器1を接続状態から遮断状態に切り替える際に、可動接点部材4は傾き難く、2つの接点間距離の差を小さくすることができる。
【0049】
また、付勢力作用面43は、可動接点部材4におけるプランジャ当接面42と反対側の面に形成されている。それゆえ、後方付勢手段6による付勢力を可動接点部材4に伝えやすく、そのための構成を簡単にすることができる。
また、付勢力作用面43は、環状に形成されており、プランジャ当接面42は、付勢力作用面43の内側に配置されている。これにより、後方付勢手段6による付勢力のベクトルとプランジャ2による押圧力のベクトルとを、一直線状に配置しやすくなり、可動接点部材4の傾きをより低減しやすくなる。また、電磁継電器1内の省スペース化を図りやすく、電磁継電器1の小型化を図りやすい。
【0050】
また、可動接点部材4は、プランジャ2の一部を挿入可能な凹部44を有し、凹部44の底面にプランジャ当接面42が形成されており、付勢力作用面43は、凹部44の外周部に形成されている。これにより、プランジャ当接面42を前方へ配置しやすくなる。
【0051】
また、可動接点部材4の重心Gは、プランジャ2の進退方向から見たとき、プランジャ当接面42の内側に配置されている。これにより、プランジャ2が可動接点部材4を前方へ押圧したとき、可動接点部材4が傾くことをより効果的に防ぐことができる。また、可動接点部材4は、プランジャ2の進退方向から見たとき、一対の可動接点41の中心C1を結ぶ線分L1の垂直二等分線L2を基準に線対称な形状を有する。これにより、可動接点部材4のバランスがとりやすく、その傾きを抑制しやすい。
【0052】
以上のごとく、本例によれば、可動接点部材の傾きを抑制して、接続状態から遮断状態への円滑な切換えを実現した電磁継電器を提供することができる。
【0053】
(実施例2)
本例は、
図6に示すごとく、可動接点部材4が、プランジャ2側に突出した環状凸部46を有し、該環状凸部46の内側に凹部44を形成した例である。
また、可動接点部材4におけるプランジャ2側と反対側から形成された環状の溝部45が、環状凸部46の一部にまで形成されている。つまり、溝部45の底面である付勢力作用面43は、環状凸部46の内部に配置されている。これにより、付勢力作用面43よりも前方にプランジャ当接面42が配置されることとなる。
【0054】
なお、環状凸部46は、可動接点部材4の他の部分と一体的に形成されたものであってもよいし、上記他の部分を構成する板状体の表面に環状の部材を接合して形成することもできる。
その他は、実施例1と同様である。また、
図6に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素を表す。
【0055】
本例の場合には、付勢力作用面43を後方に形成しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0056】
(実施例3)
本例は、
図7〜
図9に示すごとく、可動接点部材4が、金属板を板金加工することにより凹部44を形成してなると共に、該凹部44と反対側の面に突出した凸部47を形成してなる例である。また、凸部47の周囲に付勢力作用面43が形成されている。
すなわち、
図7、
図8に示すごとく、凸部44は、略円柱形状に形成されており、その周囲に後方付勢手段6が環状に配置され、付勢力作用面43が環状に配されている。そして、後方付勢手段6は、略円柱形状の凸部44の外側面441に沿って配設されている。これにより、後方付勢手段6と可動接点部材4とは、プランジャ2の進退方向に直交する方向に位置決めされている。
【0057】
また、プランジャ2がプランジャ当接面42に当接した状態において、プランジャ2の押圧部23の外側面231は、凹部44の内壁面441に対向配置されている。そして、プランジャ2の押圧部23の外側面231と凹部44の内壁面441とは、近接して配置され、両者間のクリアランスを小さくしてある。これにより、プランジャ2の押圧部23の一部が凹部44に挿入された状態において、進退方向に直交する方向について、プランジャ2に対する可動接点部材4の位置決めを行うことができるよう構成されている。
【0058】
また、凹部44の深さは、プランジャ2のストロークと可動接点部材4のストロークとの差よりも大きい。プランジャ2のストロークとは、電磁継電器1が接続状態と遮断状態とにおいてそれぞれ安定した状態にあるときのプランジャ2の変位量である。つまり、接続状態においては、プランジャ2が固定コア12に吸引されて後退し、可動接点部材4の可動接点41が固定接点31に接触すると共に、プランジャ2の前端21が可動接点部材4のプランジャ当接面42から離れた状態にある。一方、遮断状態においては、プランジャ2が前方付勢手段5によって前方へ押され、プランジャ2が可動接点部材4を前方へ押すことにより、可動接点41が固定接点31から離れる。ここで、前方付勢手段5の付勢力と後方付勢手段6の付勢力とが釣り合った状態、もしくは、可動接点部材4がその前方に配設されたバックアップ部材(図示略)に当接した状態において、可動接点部材4の位置が安定する。
【0059】
これらの状態の間におけるプランジャ2の変位量がプランジャ2のストロークである。
また、上記2つの状態の間における可動接点部材4の変位量が可動接点部材4のストロークである。可動接点部材4は、上記のごとく、接続状態となるとき、固定接点31に可動接点41が当接することにより安定(静止)するが、プランジャ2は、接続状態となるとき、固定接点31に可動接点41が当接した後、さらに後退して安定(静止)する。この分だけ、プランジャ2のストロークの方が可動接点部材4のストロークよりも大きい。そして、この差よりも、凹部44の深さを深くしてある。
【0060】
その他は、実施例1と同様である。また、
図7〜
図9に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素を表す。
【0061】
本例の場合には、金属板を板金加工を用いることにより、凹部44と凸部47とを容易に形成することができる。その結果、プランジャ当接面42が付勢力作用面43よりも前方に位置した構成を、より容易に実現することができる。すなわち、可動接点部材4に対して切削加工等を行わなくても、付勢力作用面43と、それよりも前方に配置すべきプランジャ当接面42とを、容易に形成することができる。
【0062】
また、凹部44の深さは、プランジャ2のストロークと可動接点部材4のストロークとの差よりも大きい。これにより、プランジャ2に対して可動接点部材4が進退方向に直交する方向にずれることを防ぐことができる。すなわち、電磁継電器1が接続状態にあるとき、プランジャ2が後退した状態となるが、この状態においても、
図9に示すごとく、プランジャ2の前端21が凹部44内に存在することとなる。それゆえ、例えば振動等による外力が、可動接点部材4に、進退方向に直交する方向へ加わっても、プランジャ2の前端21が凹部44から外れることがない。これにより、可動接点部材4の位置ずれを防ぎ、ひいてはその傾きをより確実に防ぐことができる。
【0063】
また、プランジャ2が可動接点部材4を押圧する状態においては、プランジャ2の一部が凹部44に挿入され、プランジャ2の外側面231に凹部44の内壁面441がガイドされる。これにより、可動接点部材4の傾きをより抑制しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0064】
(実施例4)
本例は、
図10、
図11に示すごとく、可動接点部材4が、一対の可動接点41以外に、固定接点部材31に対して固定された支承部15と当接する第三当接部48を有する例である。
図10に示すごとく、プランジャ2の進退方向から見たとき、第三当接部48は、一対の可動接点41の中心C2を結ぶ線分L3の垂直二等分線L4上に配置されている。
【0065】
また、第三当接部48は、支承部15と当接し、該支承部15は、可動接点部材4を進退方向に直交する方向に位置決めする位置決め部材150の一部によって形成されている。すなわち、位置決め部材150は、ケース10に固定された樹脂等の絶縁部材からなり、可動接点部材4側において、段部を形成してなる。この段部を構成する2つの面のうち、プランジャ2の進退方向の前方を向く面が上記支承部15となり、これに直交して可動接点部材4側を向く面が、位置決め面151となる。位置決め面151は、可動接点部材6をその進退方向と直交する方向に位置決めする位置決め機能を有する。
【0066】
なお、本例において、可動接点部材4におけるプランジャ当接面42は、上記垂直二等分線L4上に存在し、特にプランジャ当接面42の中心が垂直二等分線L4上もしくはその近傍に存在する。
その他は、実施例1と同様である。また、
図10、
図11に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素を表す。
【0067】
本例の場合には、可動接点部材4は、固定接点部材3に対して安定した姿勢で当接すると共に、一対の可動接点41における一方側に偏った姿勢となることもない。そのため、上述のように均等でかつ安定した姿勢にある接続状態から、可動接点部材4がプランジャによって固定接点部材3から遠ざかるように変位したときも、可動接点部材4の姿勢は傾き難い。
【0068】
また、第三当接部48が当接する支承部15は、位置決め部材150の一部によって形成されている。そのため、部品点数を増やすことなく、可動接点部材4の傾きを防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0069】
(実施例5)
本例は、
図12に示すごとく、可動接点部材4における凹部44及び凸部47の形状を台形状とした例である。
そして、この凹部44の斜面部がプランジャ当接面42となる。すなわち、プランジャ2の押圧部23の形状も、台形状の凹部44の形状に合わせた形状となっており、その前端21にテーパ面211を形成してなる。これにより、プランジャ2が可動接点部材4を押圧する際には、プランジャ2のテーパ面211が、可動接点部材4における傾斜したプランジャ当接面42と面接触することとなる。
【0070】
また、凹部44の底部であり凸部47の頂部には、開口部471が形成されている。
その他は、実施例3と同様である。また、
図12に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素を表す。
【0071】
本例の場合には、プランジャ当接面42とプランジャ2のテーパ面211とがガイド機能を発揮し、プランジャ2による可動接点部材4の押圧時に、両者の位置決めを容易かつ正確に行うことができる。
その他、実施例3と同様の作用効果を有する。
【0072】
(実施例6)
本例は、
図13に示すごとく、後方付勢手段6を、可動接点部材4の後方に配置した例である。
すなわち、本例においても、後方付勢手段6は、コイルスプリングによって構成されているが、このコイルスプリングが可動接点部材4を引っ張る状態で配設されている。つまり、後方付勢手段6は、ケース10の一部であって固定接点部材3を保持する保持部101に一端を固定し、他端を可動接点部材4に固定している。この可動接点部材4と後方付勢手段6の一端との固定面が、付勢力作用面43となる。したがって、本例においては、付勢力作用面43は、プランジャ当接面42と同じ側(後方側)の面に形成されることとなる。
【0073】
また、本例の場合には、後方付勢手段6は、自由状態よりも伸びた状態で、保持部101と可動接点部材4との間に介設されることとなる。そして、電磁継電器1の遮断状態においても接続状態においても、後方付勢手段6の張力によって、可動接点部材4が後方へ付勢された状態となる。
その他は、実施例3と同様である。また、
図13に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素を表す。
【0074】
本例の場合にも、プランジャ当接面42が付勢力作用面43よりも前方に配置されているため、プランジャ2による押圧時において、可動接点部材4が傾くことを抑制することができる。
その他、実施例3と同様の作用効果を有する。
【0075】
(実施例7)
本例は、上記第2の態様にかかる電磁継電器の例であり、
図14、
図15に示すごとく、可動接点部材4が、一対の可動接点41以外に、固定接点部材31に対して固定された支承部15と当接する第三当接部48を有する例である。すなわち、この点については、上述した実施例4(
図10、
図11)と同様である。しかし、本例は、実施例1〜6のように、可動接点部材4におけるプランジャ当接面42が付勢力作用面43よりも前方に位置する構成ではなく、
図15に示すごとく、プランジャ当接面42は、付勢力作用面43よりも後方に位置している。
その他は、実施例4と同様である。また、
図14、
図15に用いた符号のうち、実施例4において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例4と同様の構成要素を表す。
【0076】
本例の場合には、実施例4と同様に、可動接点部材4が、固定接点部材3に対して安定した姿勢で当接すると共に、一対の可動接点41における一方側に偏った姿勢となることもない。そのため、均等でかつ安定した姿勢にある接続状態から、可動接点部材4がプランジャ2によって固定接点部材3から遠ざかるように変位したときも、可動接点部材4の姿勢は傾き難い。
【0077】
本例においては、可動接点部材4におけるプランジャ当接面42が付勢力作用面43よりも前方に位置する構成を採ってはいないが、上記のように、接続状態における可動接点部材4の姿勢を均等で安定したものとすることで、固定接点部材3から遠ざける際の可動接点部材4の傾きを抑制することは可能である。そして、これにより、接続状態から遮断状態への円滑な切換えを実現できる。