(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理方法が適用される基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。基板処理装置1は、たとえば基板の一例としてのウエハWの表面(主面)に不純物を注入するイオン注入処理やドライエッチング処理の後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するための処理に用いられる枚葉式の装置である。
【0021】
基板処理装置1は、隔壁(図示しない)により区画された処理室2内に、ウエハWを保持して回転させるウエハ回転機構(基板保持手段)3と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面(上面)に対して、レジスト剥離液の一例としてのSPM液を供給するための剥離液ノズル4と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置され、ウエハW、およびウエハW上のSPM液を加熱するヒータヘッド(ヒータ)35とを備えている。
【0022】
ウエハ回転機構3として、たとえば挟持式のものが採用されている。具体的には、ウエハ回転機構3は、モータ6と、このモータ6の駆動軸と一体化されたスピン軸7と、スピン軸7の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース8と、スピンベース8の周縁部の複数箇所にほぼ等角度間隔で設けられた複数個の挟持部材9とを備えている。そして、複数個の挟持部材9は、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持する。この状態で、モータ6が駆動されると、その駆動力によってスピンベース8が所定の回転軸線(鉛直軸線)Cまわりに回転され、そのスピンベース8とともに、ウエハWがほぼ水平な姿勢を保った状態で回転軸線Cまわりに回転される。
【0023】
なお、ウエハ回転機構3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で回転軸線Cまわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させる真空吸着式のものが採用されてもよい。
剥離液ノズル4は、たとえば、連続流の状態でSPM液を吐出するストレートノズルである。剥離液ノズル4は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第1液アーム11の先端に取り付けられている。第1液アーム11は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第1液アーム11には、第1液アーム11を所定角度範囲内で揺動させるための第1液アーム揺動機構12が結合されている。第1液アーム11の揺動により、剥離液ノズル4は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。
【0024】
剥離液ノズル4にSPM液を供給するための剥離液供給機構13は、硫酸(H
2SO
4)と過酸化水素水(H
2O
2)とを混合させるための混合部14と、混合部14と剥離液ノズル4との間に接続された剥離液供給管15とを備えている。混合部14には、硫酸供給管16および過酸化水素水供給管17が接続されている。硫酸供給管16には、後述する硫酸供給部(図示しない)から、所定温度(たとえば約80℃)に温度調節された硫酸が供給される。一方、過酸化水素水供給管17には、過酸化水素水供給源(図示しない)から、温度調節されていない室温(約25℃)程度の過酸化水素水が供給される。硫酸供給管16の途中部には、硫酸バルブ18および流量調節バルブ19が介装されている。また、過酸化水素水供給管17の途中部には、過酸化水素水バルブ20および流量調節バルブ21が介装されている。剥離液供給管15の途中部には、攪拌流通管22および剥離液バルブ23が混合部14側からこの順に介装されている。攪拌流通管22は、たとえば、管部材内に、それぞれ液体流通方向を軸にほぼ180度のねじれを加えた長方形板状体からなる複数の撹拌フィンを、液体流通方向に沿う管中心軸まわりの回転角度を90°ずつ交互に異ならせて配置した構成を有している。
【0025】
剥離液バルブ23が開かれた状態で、硫酸バルブ18および過酸化水素水バルブ20が開かれると、硫酸供給管16からの硫酸および過酸化水素水供給管17からの過酸化水素水が混合部14に流入し、それらが混合部14から剥離液供給管15へと流出する。硫酸および過酸化水素水は、剥離液供給管15を流通する途中、攪拌流通管22を通過することにより十分に攪拌される。攪拌流通管22による攪拌によって、硫酸と過酸化水素水とが十分に反応し、多量のペルオキソ一硫酸(H
2SO
5)を含むSPM液が生成される。そして、SPM液は、硫酸と過酸化水素水との反応熱により、混合部14に供給される硫酸の液温以上の高温に昇温する。その高温のSPM液が剥離液供給管15を通して剥離液ノズル4に供給される。
【0026】
この実施形態では、硫酸供給部(図示しない)の硫酸タンク(図示しない)には、硫酸が溜められており、この硫酸タンク内の硫酸は温度調節器(図示しない)により、所定温度(たとえば約80℃)に温度調節されている。この硫酸タンク内に溜められた硫酸が硫酸供給管16に供給されている。混合部14において、たとえば約80℃の硫酸と、室温の過酸化水素水とが混合されることにより、たとえば約140℃のSPM液が生成される。剥離液ノズル4は、約140℃のSPM液を吐出する。
【0027】
また、基板処理装置1は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面にリンス液としてのDIW(脱イオン化された水)を供給するためのDIWノズル24と、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に対して洗浄用の薬液としてのSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)を供給するためのSC1ノズル25とを備えている。
【0028】
DIWノズル24は、たとえば、連続流の状態でDIWを吐出するストレートノズルであり、ウエハ回転機構3の上方で、その吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて固定的に配置されている。DIWノズル24には、DIW供給源からのDIWが供給されるDIW供給管26が接続されている。DIW供給管26の途中部には、DIWノズル24からのDIWの供給/供給停止を切り換えるためのDIWバルブ27が介装されている。
【0029】
SC1ノズル25は、たとえば、連続流の状態でSC1を吐出するストレートノズルである。SC1ノズル25は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第2液アーム28の先端に取り付けられている。第2液アーム28は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第2液アーム28には、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させるための第2液アーム揺動機構29が結合されている。第2液アーム28の揺動により、SC1ノズル25は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。
【0030】
SC1ノズル25には、SC1供給源からのSC1が供給されるSC1供給管30が接続されている。SC1供給管30の途中部には、SC1ノズル25からのSC1の供給/供給停止を切り換えるためのSC1バルブ31が介装されている。
ウエハ回転機構3の側方には、鉛直方向に延びる支持軸33が配置されている。支持軸33の上端には、水平方向に延びるヒータアーム34が結合されており、ヒータアーム34の先端に、ヒータヘッド35が取り付けられている。また、支持軸33には、支持軸33を、その中心軸線まわりに回動させるための揺動駆動機構36と、支持軸33を、その中心軸線に沿って上下動させるための昇降駆動機構37とが結合されている。
【0031】
揺動駆動機構36から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を所定の角度範囲内で回動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの上方で、ヒータアーム34を、支持軸33を支点として揺動させる。ヒータアーム34の揺動により、ヒータヘッド35が、ウエハWの回転軸線C上を含む位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。また、昇降駆動機構37から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を上下動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に近接する近接位置(後述するミドル近接位置や、エッジ近接位置、センター近接位置を含む趣旨である。
図1に二点鎖線で示す位置)と、そのウエハWの上方に退避する退避位置(
図1に実線で示す位置)との間で、ヒータヘッド35を昇降させる。この実施形態では、近接位置は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面とヒータヘッド35の下端面との間隔がたとえば3mmになる位置に設定されている。
【0032】
図2は、ヒータヘッド35の図解的な断面図である。
ヒータヘッド35は、赤外線ランプ38と、上部に開口部39を有し、赤外線ランプ38を収容する有底容器状のランプハウジング40と、ランプハウジング40の内部で赤外線ランプ38を吊下げ支持する支持部材42と、ランプハウジング40の開口部39を閉塞するための蓋41とを備えている。この実施形態では、蓋41がヒータアーム34の先端に固定されている。
【0033】
図3は、赤外線ランプ38の斜視図である。
図2および
図3に示すように、赤外線ランプ38は、円環状の(円弧状の)円環部43と、円環部43の両端から、円環部43の中心軸線に沿うように鉛直上方に延びる一対の直線部44,45とを有する1本の赤外線ランプヒータであり、主として、円環部43が赤外線を放射する発光部として機能する。この実施形態では、円環部43の直径(外径)は、たとえば約60mmに設定されている。赤外線ランプ38が支持部材42に支持された状態で、円環部43の中心軸線は、鉛直方向に延びている。換言すると、円環部43の中心軸線は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に垂直な軸線である。また、赤外線ランプ38はほぼ水平面内に配置される。
【0034】
赤外線ランプ38は、フィラメントを石英配管内に収容して構成されている。赤外線ランプ38として、ハロゲンランプやカーボンヒータに代表される短・中・長波長の赤外線ヒータを採用することができる。赤外線ランプ38には、電圧供給のためのアンプ54が接続されている。
図4は、ヒータアーム34およびヒータヘッド35の斜視図である。
【0035】
図2および
図4に示すように、蓋41は円板状をなし、ヒータアーム34の長手方向に沿う姿勢で固定されている。蓋41は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料を用いて形成されている。この実施形態では、蓋41はヒータアーム34と一体に形成されている。しかしながら、蓋41をヒータアーム34と別に形成してもよい。また、蓋41の材料として、PTFE等の樹脂材料以外にも、セラミックスや石英などの材料を採用できる。
【0036】
図2に示すように、蓋41の下面49には、(略円筒状の)溝部51が形成されている。溝部51は水平平坦面からなる上底面50を有し、上底面50に支持部材42の上面42Aが接触固定されている。
図2および
図4に示すように、蓋41には、上底面50および下面42Bを鉛直方向に貫通する挿通孔58,59が形成されている。各挿通孔58,59は、赤外線ランプ38の直線部44,45の各上端部が挿通するためのものである。なお、
図4では、赤外線ランプ38をヒータヘッド35から取り除いた状態を示している。
【0037】
図2に示すように、ヒータヘッド35のランプハウジング40は有底円筒容器状をなしている。ランプハウジング40は石英を用いて形成されている。
ヒータヘッド35では、ランプハウジング40は、その開口部39を上方に向けた状態で、蓋41の下面49(この実施形態では、溝部51を除く下面)に固定されている。ランプハウジング40の開口側の周端縁からは、円環状のフランジ40Aが径方向外方に向けて(水平方向に)突出している。ボルト等の固定手段(図示しない)を用いて、フランジ40Aが蓋41の下面49に固定されることにより、ランプハウジング40が蓋41に支持されている。
【0038】
ランプハウジング40の底板部52は、水平姿勢の円板状をなしている。底板部52の上面52Aおよび下面52Bは、それぞれ水平平坦面をなしている。ランプハウジング40内において、赤外線ランプ38は、その円環部43の下部が底板部52の上面52Aに近接して対向配置されている。また、円環部43と底板部52とは互いに平行に設けられている。また、見方を変えると、円環部43の下方は、ランプハウジング40の底板部52によって覆われている。なお、この実施形態では、ランプハウジング40の外径は、たとえば約85mmに設定されている。また、赤外線ランプ38(円環部43の下部)の下端縁と上面52Aとの間の上下方向の間隔はたとえば約2mmに設定されている。
【0039】
支持部材42は厚肉の略円板状をなしており、ボルト56等によって、蓋41にその下方から、水平姿勢で取付け固定されている。支持部材42は、耐熱性を有する材料(たとえばセラミックスや石英)を用いて形成されている。支持部材42は、その上面42Aおよび下面42Bを、鉛直方向に貫通する挿通孔46,47を2つ有している。各挿通孔46,47は、赤外線ランプ38の直線部44,45が挿通するためのものである。
【0040】
各直線部44,45の途中部には、Oリング48が外嵌固定されている。直線部44,45を挿通孔46,47に挿通させた状態では、各Oリング48の外周が挿通孔46,47の内壁に圧接し、これにより、直線部44,45の各挿通孔46,47に対する抜止めが達成され、赤外線ランプ38が支持部材42によって吊り下げ支持される。
アンプ54から赤外線ランプ38に電圧が供給されると、赤外線ランプ38が赤外線を放射し、赤外線が、ランプハウジング40を介して、ヒータヘッド35の下方に向けて出射される。後述するレジスト除去処理の際に、ヒータヘッド35の下端面を構成するランプハウジング40の底板部52が、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置された状態では、ランプハウジング40の底板部52を介して出射された赤外線が、ウエハWおよびウエハW上のSPM液を加熱する。また、赤外線ランプ38の円環部43が水平姿勢であるので、同じく水平姿勢にあるウエハWの表面に対し均一に赤外線を照射することができ、これにより、赤外線を、ウエハW、およびウエハW上のSPM液に、効率良く照射することができる。
【0041】
ヒータヘッド35では、赤外線ランプ38の周囲がランプハウジング40によって覆われている。また、ランプハウジング40のフランジ40Aと蓋41の下面49とは、ランプハウジング40の全周にわたって密着している。さらに、ランプハウジング40の開口部39が蓋41によって閉塞されている。これらにより、後述するレジスト除去処理の際、ウエハWの表面付近のSPM液の液滴を含む雰囲気が、ランプハウジング40内に進入して、赤外線ランプ38に悪影響を及ぼすのを防止することができる。また、赤外線ランプ38の石英管の管壁にSPM液の液滴が付着するのを防止することができるので、赤外線ランプ38から放射される赤外線の光量を長期にわたって安定的に保つことができる。
【0042】
また、蓋41内には、ランプハウジング40の内部にエアを供給するための給気経路60と、ランプハウジング40の内部の雰囲気を排気するための排気経路61とが形成されている。給気経路60および排気経路61は、蓋41の下面に開口する給気ポート62および排気ポート63を有している。給気経路60には、給気配管64の一端が接続されている。給気配管64の他端は、エアの給気源に接続されている。排気経路61には、排気配管65の一端が接続されている。排気配管65の他端は、排気源に接続されている。
【0043】
給気配管64および給気経路60を通して、給気ポート62からランプハウジング40内にエアを供給しつつ、ランプハウジング40内の雰囲気を、排気ポート63および排気経路61を通して排気配管65へ排気することにより、ランプハウジング40内の高温雰囲気を換気することができる。これにより、ランプハウジング40の内部を冷却することができ、その結果、赤外線ランプ38やランプハウジング40、とくに支持部材42を良好に冷却することができる。
【0044】
なお、
図4に示すように、給気配管64および排気配管65(
図4では図示していない。
図2参照)は、ヒータアーム34の一方の側面に配設された板状の給気配管ホルダ66、およびヒータアーム34の他方の側面に配設された板状の排気配管ホルダ67に、それぞれ支持されている。
図5は、ヒータヘッド35の配置位置を示す平面図である。
【0045】
揺動駆動機構36および昇降駆動機構37が制御されることにより、ヒータヘッド35が、ウエハWの表面上を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描くように移動可能に設けられている。
ヒータヘッド35の赤外線ランプ38により、ウエハWおよびウエハW上のSPM液を加熱する場合、ヒータヘッド35は、その下端面を構成する底板部52がウエハWの表面と微小間隔(たとえば3mm)を隔てて対向する近接位置に配置される。そして、その加熱中は、底板部52(下面52B)とウエハWの表面との間が、その微小間隔に保たれる。
【0046】
ヒータヘッド35の近接位置として、ミドル近接位置(
図5に実線で示す位置)やエッジ近接位置(
図5に二点鎖線で示す位置)、センター近接位置(
図5に一点鎖線で示す位置)を例示することができる。
ミドル近接位置は、ウエハWの表面における半径方向の中央位置(回転中心(回転軸線C上)と周縁部との間の中央位置)に、平面視円形状のヒータヘッド35の中心が対向するとともに、ヒータヘッド35の底板部52とウエハWの表面との間が微小間隔(たとえば3mm)になるヒータヘッド35の位置である。
【0047】
エッジ近接位置は、ウエハWの表面における周縁部に、平面視円形状のヒータヘッド35の中心が対向するとともに、ヒータヘッド35の底板部52とウエハWの表面との間が微小間隔(たとえば3mm)になるヒータヘッド35の位置である。
センター近接位置は、ウエハWの表面における回転中心(回転軸線C上)に、平面視円形状のヒータヘッド35の中心が対向するとともに、ヒータヘッド35の底板部52とウエハWの表面との間が微小間隔(たとえば3mm)になるヒータヘッド35の位置である。
【0048】
図6は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。基板処理装置1は、さらに、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置55を備えている。制御装置55には、モータ6、アンプ54、揺動駆動機構36、昇降駆動機構37、第1液アーム揺動機構12、第2液アーム揺動機構29、硫酸バルブ18、過酸化水素水バルブ20、剥離液バルブ23、DIWバルブ27、SC1バルブ31、流量調節バルブ19,21等が制御対象として接続されている。
【0049】
図7は、本発明に係るレジスト除去処理の第1処理例を示す工程図である。
図8は、主として、後述するSPM液膜形成工程(液膜形成工程)、SPM液膜薄化工程(液膜薄化工程)およびSPM液膜加熱工程(液膜保持工程)における制御装置55による制御内容を説明するためのタイムチャートである。
図9A〜
図9Cは、SPM液膜形成工程、SPM液膜薄化工程およびSPM液膜加熱工程を説明するための図解的な図である。
【0050】
以下、
図1〜
図9Cを参照しつつ、レジスト除去処理の第1処理例について説明する。
レジスト除去処理に際しては、搬送ロボット(図示しない)が制御されて、処理室2(
図1参照)内にイオン注入処理後のウエハWが搬入される(ステップS1:ウエハ搬入)。ウエハWは、レジストをアッシングするための処理を受けていないものとする。ウエハWは、その表面を上方に向けた状態でウエハ回転機構3に受け渡される。このとき、ウエハWの搬入の妨げにならないように、ヒータヘッド35、剥離液ノズル4およびSC1ノズル25は、それぞれホームポジションに配置されている。
【0051】
ウエハ回転機構3にウエハWが保持されると、制御装置55はモータ6を制御して、ウエハWを回転開始させる(ステップS2)。ウエハWは予め定める液吐出時回転速度まで上昇され、その液吐出時回転速度に維持される。液吐出時回転速度は、ウエハWの表面全域をSPM液でカバレッジ可能な速度であり、たとえば30〜300rpmの範囲に設定されている。この第1処理例では、液吐出時回転速度は後述する薄膜保持回転速度(第2回転速度)と同等の回転速度に設定されており、より具体的にはたとえば15rpmに設定されている。また、制御装置55は、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をウエハWの上方位置に移動させ、
図9Aに示すように、剥離液ノズル4をウエハWの回転中心(回転軸線C)上に配置させる。
【0052】
また、
図9Aに示すように、制御装置55は、硫酸バルブ18、過酸化水素水バルブ20および剥離液バルブ23を開いて、剥離液ノズル4からSPM液をウエハWの表面に供給する。ウエハWの回転速度が低速であるので、ウエハWの表面に供給されるSPM液は、ウエハWの表面上に溜められていき、また、ウエハWの表面の全域に行き渡る。これにより、ウエハWの表面上に、その表面の全域を覆うSPM液の液膜(レジスト剥離液の液膜)70が形成される(ステップS3:SPM液膜形成工程)。液吐出時回転速度はたとえば15rpmと非常に低速であるので、ウエハWの表面上に形成されるSPM液の液膜70の厚みは比較的大きい。この厚みの一例として、たとえば1.8mm程度を例示することができる。
【0053】
さらに、ステップS3のSPM液膜形成工程に並行して、ヒータヘッド35の赤外線ランプ38から赤外線が放射されるとともに、ヒータヘッド35がミドル近接位置に配置される。具体的には、ヒータヘッド35は、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションから、ミドル近接位置(
図5に実線で示す位置)の上方に移動され、その後下降されて、ミドル近接位置に配置される。
【0054】
SPM液の供給開始から予め定める液供給時間が経過すると、制御装置55は、硫酸バルブ18、過酸化水素水バルブ20および剥離液バルブ23を閉じて、剥離液ノズル4からのSPM液の供給を停止するとともに、第1液アーム揺動機構12を制御して、SPM液の供給停止後の剥離液ノズル4をホームポジションに戻す。SPM液供給時間は、ウエハWの表面の全域を覆うSPM液の液膜70が形成されるまでに要する期間よりも長ければ足り、剥離液ノズル4からのSPM液の吐出流量や液吐出時回転速度によって異なるが、3〜30秒間の範囲で、たとえば15秒間である。
【0055】
また、SPM液の供給停止に同期して、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を、薄化回転速度(第1回転速度。30〜1000rpmの範囲で、たとえば150rpm)まで上げる。これにより、ウエハWの表面上のSPM液の液膜70に、回転による遠心力が作用し、ウエハWの表面上のSPM液がウエハWの周縁から排出される結果、SPM液の液膜70の厚みが薄くなる(ステップS4:SPM液膜薄化工程)。換言すると、ウエハWの表面上に薄いSPM液の液膜80が形成される。SPM液の液膜80の厚みとして、たとえば0.4mmを例示することができる。なお、SPM液膜薄化工程中には、赤外線ランプ38からウエハW上のSPM液に対する赤外線の照射は、SPM液膜形成工程に引き続いて実行される。
【0056】
薄化回転速度へのウエハWの回転速度の上昇から、予め定める液膜薄化時間が経過すると、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を、薄膜保持回転速度まで下げる。液膜薄化時間は、SPM液の液膜70の厚みを減少させるのに要する期間よりも長ければ足り、0.5〜10秒間の範囲で、たとえば5秒間である。
ウエハWの回転速度が下げられた後も、ヒータヘッド35による赤外線照射は継続される。これにより、ウエハW、およびウエハW上のSPM液の液膜80を加熱するステップS5のSPM液膜加熱工程が実行される。
【0057】
薄膜保持回転速度は、ウエハWの表面への新たなSPM液の供給がなくても、ウエハWの表面上にSPM液の液膜80を保持可能な速度(1〜30rpmの範囲で、たとえば15rpm)である。ステップS5のSPM液膜加熱工程ではウエハWの表面へのSPM液の新たな供給がないが、ウエハWの回転速度が遅いために、ウエハW上のSPM液に大きな遠心力が作用しない。そのため、ウエハWの表面上に、SPM液の薄い液膜80が引き続き保持される。
【0058】
SPM液膜加熱工程では、赤外線ランプ38による赤外線の照射により、ウエハWのヒータヘッド35の底板部52に対向する部分が加熱されるとともに、当該部分に存在するSPM液の液膜80が加熱される。SPM液膜加熱工程は、液膜加熱処理時間(2〜90秒間の範囲で、たとえば約40秒間)の間が実行される。SPM液膜加熱工程の開始後、所定の時間(たとえば、液膜加熱処理時間の全期間の半分程度の20秒間)が経過するまでは、ヒータヘッド35はミドル近接位置(
図5に実線で示す位置)に配置されており、これにより、ウエハWの半径方向中央部が加熱されるとともに、当該中央部上にあるSPM液の液膜80が加熱される。
【0059】
その後、当該所定の時間が経過すると、制御装置55は、揺動駆動機構36を制御して、
図9Cに矢印で示すように、ヒータヘッド35をミドル近接位置(
図5に実線で示す位置)から水平方向に(ウエハWの表面に沿って)かつ径方向外方に向けて移動(間欠移動)させ、エッジ近接位置(
図5に二点鎖線で示す位置)に配置する。これにより、ウエハWの周縁部が加熱されるとともに、当該周縁部上にあるSPM液の液膜80が加熱される。
【0060】
ステップS5のSPM液膜加熱工程では、赤外線ランプ38による赤外線の照射により、SPM液の液膜80とウエハWとが温められる。ヒータヘッド35による加熱の対象となるSPM液の液膜80が薄いので、液膜80におけるウエハWの表面との境界付近を十分に温めることができる。SPM液膜加熱工程の間に、ウエハWの表面上のレジストとSPM液との反応が進み、ウエハWの表面からのレジストの剥離が進行する。
【0061】
ステップS5のSPM液膜加熱工程では、ヒータヘッド35が近接位置にあるので、下面52BとウエハWの表面との間の雰囲気を、その周囲から遮断することができ、その雰囲気を保温させることができる。これにより、ウエハWの表面における底板部52の下面52Bに対向する領域に存在するSPM液の温度降下を抑制することができ、SPM液のより一層の高温化を図ることができる。
【0062】
その後、ウエハWの回転速度が下げられてから、予め定める液膜加熱処理時間が経過すると、制御装置55は、硫酸バルブ18および過酸化水素水バルブ20を閉じるとともに、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38からの赤外線の放射を停止させる。また、制御装置55は、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35をホームポジションに戻す。そして、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を所定の液処理回転速度(300〜1500rpmの範囲で、たとえば1000rpm)に上げるとともに、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS6:中間リンス処理工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSPM液がDIWによって洗い流される。
【0063】
DIWの供給が所定の中間リンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
ウエハWの回転速度を液処理回転速度に維持しつつ、制御装置55は、SC1バルブ31を開いて、SC1ノズル25からSC1をウエハWの表面に供給する(ステップS7)。また、制御装置55は、第2液アーム揺動機構29を制御して、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させて、SC1ノズル25を、ウエハWの回転中心上と周縁部上との間で往復移動させる。これによって、SC1ノズル25からのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。これにより、ウエハWの表面の全域に、SC1がむらなく供給され、SC1の化学的能力により、ウエハWの表面に付着しているレジスト残渣およびパーティクルなどの異物を除去することができる。
【0064】
SC1の供給が所定のSC1供給時間にわたって続けられると、制御装置55は、SC1バルブ31を閉じるとともに、第2液アーム揺動機構29を制御して、SC1ノズル25をホームポジションに戻す。また、ウエハWの回転速度が液処理回転速度に維持された状態で、制御装置55は、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS8:最終リンス工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSC1がDIWによって洗い流される。
【0065】
DIWの供給が所定のリンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
最終リンス工程の開始から所定時間が経過すると、制御装置55は、DIWバルブ27を閉じて、ウエハWの表面へのDIWの供給を停止する。その後、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハWの回転速度を所定の高回転速度(たとえば1500〜2500rpm)に上げて、ウエハWに付着しているDIWを振り切って乾燥されるスピンドライ処理が行われる(ステップS9)。ステップS9のスピンドライ処理によって、ウエハWに付着しているDIWが除去される。なお、ステップS6の中間リンス工程およびステップS8の最終リンス工程において、リンス液として、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、還元水(水素水)、磁気水などを採用することもできる。
【0066】
スピンドライ処理が予め定めるスピンドライ処理時間にわたって行われると、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハ回転機構3の回転を停止させる。これにより、1枚のウエハWに対するレジスト除去処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みのウエハWが処理室2から搬出される(ステップS10)。
以上のように、この実施形態によれば、SPM液膜形成工程(
図7で示すステップS3)の後、SPM液膜加熱工程(
図7で示すステップS5)の開始に先立って、ウエハWの表面に対するSPM液の供給を行わずに、ウエハWを高速の薄化回転速度で回転させるSPM液膜薄化工程(
図7で示すステップS4)が実行される。SPM液膜薄化工程では、ウエハWの回転による遠心力により、ウエハWの表面上のレジスト剥離液がウエハWの周縁から排出されるから、SPM液の液膜70の厚みを減少させることができる。そのため、SPM液膜加熱工程においてヒータヘッド35による加熱対象となるSPM液の液膜80(70)を薄化させることができ、これによりウエハWの表面との境界付近のSPM液を効率良く温めることができる。その結果、レジスト剥離処理全体の処理時間を短縮化することができる。
【0067】
また、たとえば、SPM液の液膜が厚く、その液量が多い場合には、ヒータヘッド35による加熱に伴ってウエハWの表面上でSPM液が沸騰し、SPM液のミスト(微小な液滴)が大量に発生するおそれがある。このようなSPM液のミストが処理室2内で乾燥すると、パーティクルとなって雰囲気中に浮遊し、以後に処理されるウエハWを汚染するおそれがある。
【0068】
これに対し、この実施形態では、SPM液の液膜80が薄く、ウエハW上のSPM液の液量が少ないので、ヒータヘッド35による加熱に伴って発生するSPM液のミストが少ない。そのため、ウエハWでのパーティクルの発生を抑制することができる。
また、SPM液膜形成工程では、ウエハWが薄膜保持回転速度と同等の低回転速度(たとえば15rpm)で回転されるから、ウエハWの表面全域をSPM液でカバレッジすることができ(SPM液によるカバレッジを確保することができ)、ウエハWの表面の全域をSPM液の液膜70で覆うことができる。
【0069】
また、ヒータヘッド35による加熱と並行して、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置からエッジ近接位置に移動させることにより、ウエハWの表面上におけるヒータヘッド35に対向する領域を変更することができる。これにより、ウエハWの全域、およびウエハW上のSPM液の液膜80の全てを加熱することができ、ウエハWの表面の全域からレジストを良好かつ均一に除去することができる。
【0070】
また、SPM液膜形成工程の終了後は、ウエハWに対するSPM液の供給を停止するので、レジスト除去処理におけるSPM液の消費量の低減を図ることができる。
ゆえに、SPM液の消費量を低減しつつ、ウエハWの表面からレジストを良好に除去することができる。
図10は、本発明に係るレジスト除去処理の第2処理例を説明するためのタイムチャートである。
【0071】
処理例2では処理例1と同様、SPM液膜形成工程(
図7に示すステップS3)、SPM液膜薄化工程(
図7に示すステップS4)、SPM液膜加熱工程(
図7に示すステップS5)、中間リンス工程(
図7に示すステップS6)、SC1供給工程(
図7に示すステップS7)および最終リンス工程(
図7に示すステップS8)およびスピンドライ処理(
図7に示すステップS9)の各処理が、この順に実行される。
【0072】
処理例2が処理例1と相違する点は、SPM液膜形成工程におけるウエハWの回転速度(液吐出時回転速度)を、SPM液膜加熱工程におけるウエハWの回転速度(薄膜保持回転速度。たとえば15rpm)よりも速く、SPM液膜薄化工程におけるウエハWの回転速度である薄化回転速度(第1回転速度。たとえば150rpm)よりも遅い速度(第3回転速度。たとえば20rpm)に設定した点である。
【0073】
なお、
図10に二点鎖線で示すように、液吐出時回転速度を、薄膜保持回転速度よりも遅い速度(第4回転速度。たとえば10rpm)に設定するようにしてもよい。
図11は、本発明に係るレジスト除去処理の第3処理例を説明するためのタイムチャートである。
処理例3では処理例1と同様、SPM液膜形成工程(
図7に示すステップS3)、SPM液膜薄化工程(
図7に示すステップS4)、SPM液膜加熱工程(
図7に示すステップS5)、中間リンス工程(
図7に示すステップS6)、SC1供給工程(
図7に示すステップS7)および最終リンス工程(
図7に示すステップS8)およびスピンドライ処理(
図7に示すステップS9)の各処理が、この順に実行される。
【0074】
処理例3が処理例1と相違する点は、SPM液膜形成工程におけるウエハWの回転速度(液吐出時回転速度)を、SPM液膜薄化工程におけるウエハWの回転速度である薄化回転速度(第1回転速度。たとえば150rpm)と同じ速度に設定した点である。
図12は、本発明に係るレジスト除去処理の第4処理例を説明するためのタイムチャートである。
【0075】
処理例4が処理例1と相違する点は、SPM液膜加熱工程の実行中において、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置(
図5に実線で示す位置)からエッジ近接位置(
図5に二点鎖線で示す位置)に変位させ、当該エッジ近接位置で静止させる構成(間欠移動)でなく、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置とエッジ近接位置との間で往復移動させる構成とする点である。
【0076】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば第1〜第3処理例では、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置からエッジ近接位置に移動させ、その後エッジ近接位置に静止させる場合を例に挙げて説明したが、逆に、ヒータヘッド35を、エッジ近接位置からミドル近接位置に移動させ、その後ミドル近接位置に静止させるようにしてもよい。
【0077】
また、第1〜第3処理例において、ヒータヘッド35の移動を、SPM液膜加熱工程だけでなく、SPM液膜形成工程の実行中やSPM液膜薄化工程の実行中に行うようにしてもよい。
また、第4処理例において、ヒータヘッド35の往復移動を、SPM液膜加熱工程の開始から移動開始させるようにしてもよい。
【0078】
また、第4処理例において、ヒータヘッド35の往復移動を、SPM液膜加熱工程だけでなく、SPM液膜形成工程やSPM液膜薄化工程と並行して行ってもよい。
また、第1〜第4処理例では、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置とエッジ近接位置との間で移動させているが、ヒータヘッド35を、エッジ近接位置とセンター近接位置との間で移動させてもよい。この一例として、たとえば、ヒータヘッド35を、エッジ近接位置とセンター近接位置との間で往復移動させる場合を想定することができる。また、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置とセンター近接位置との間で移動させてもよい。この一例として、たとえば、ヒータヘッド35を、ミドル近接位置とセンター近接位置との間で往復移動させる場合を想定することができる。
【0079】
また、赤外線ランプ38として、1つの円環状ランプを備えるものを例に挙げたが、これに限られずに、同心円状の複数の円環状ランプを備えるものとすることもできる。また、赤外線ランプ38として、水平面に沿って互いに平行に配置された複数本の直線状ランプを備えるものを採用することもできる。
また、ランプハウジング40として円筒状のものを採用したが、角筒状(たとえば四角筒状)のものを採用することもできる。この場合、底板部52の形状が矩形板状になる。
【0080】
また、ランプハウジング40の底板部52とは別に、ウエハWの表面に対向する対向面を有するたとえば円板状や矩形板状の対向板を設けるようにしてもよい。この場合には、対向板の材料として、石英を採用することができる。
また、ステップS3のSPM液膜形成工程において、ヒータヘッド35による加熱を行わないようにすることもできる。また、ステップS3のSPM液膜形成工程およびステップS4のSPM液膜薄化工程において、ヒータヘッド35による加熱を行わないようにすることもできる。
【0081】
また、剥離液ノズル4からのSPM液の供給中において、剥離液ノズル4を移動(たとえば往復移動)させてもよい。また、剥離液ノズル4は必ずしも移動ノズルである必要はなく、剥離液ノズル4として、その吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて固定的に配置された固定ノズルを採用することもできる。
また、剥離液ノズル4は、ストレートノズルではなく、斜めノズルを使用してもよい。
【0082】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。