特許第5853243号(P5853243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5853243
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 315A
【請求項の数】2
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2010-194767(P2010-194767)
(22)【出願日】2010年8月31日
(65)【公開番号】特開2012-50593(P2012-50593A)
(43)【公開日】2012年3月15日
【審査請求日】2013年8月29日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】内ヶ島 正規
【審査官】 酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009-112496(JP,A)
【文献】 特開2009-273499(JP,A)
【文献】 特開2009-261739(JP,A)
【文献】 特開2009-060967(JP,A)
【文献】 特開2011-083418(JP,A)
【文献】 特開2010-063668(JP,A)
【文献】 特開2007-000291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられ、入球が常に可能な第1始動口と、
遊技領域に設けられ、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能な第2始動口と、
前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、
前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、
前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、
前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、
該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に、大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技には、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、有利さ(大当り遊技となる確率が高くなる可能性の高さは除く)が同じものと、有利さが劣るものの少なくとも2種類の大当り遊技が存在し、前記第1始動口への入球に起因して大当りを発生させる際には、前記少なくとも2種類の大当り遊技の中から選択して大当りを発生させる大当り遊技発生手段と、
該大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段と、
を備えた遊技機において、
前記第1始動口は、前記第2始動口を狙うと、前記第1始動口への入球が不可能な位置に設けられており、
前記第1始動口への入球が発生すると、該入球に起因して発生された乱数値が前記当りと設定された特別図柄を確定表示させるものであるか否かを判定し、該判定が肯定された場合に当り情報を送信する当り情報送信手段と、
前記大当り遊技発生手段によって前記大当り遊技が発生されると、前記第1保留手段に記憶されている乱数値に対応する前記当り情報を受信しているか否かを判定し、受信していた場合には、前記受信していた旨を報知する演出画像を表示する報知画像モードに、前記大当り後の状態を移行する報知画像モード移行手段と
を備え
該前記報知画像モード移行手段は、前記大当り遊技発生手段によって前記大当り遊技が発生されると、前記第1保留手段に記憶されている乱数値の中に、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、有利さが劣る大当り遊技を発生させる乱数値が存在する場合にのみ、前記報知画像モードに移行するものである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技、または該大当り遊技と比較して、有利さが同じ大当り遊技において、味方キャラクタが敵キャラクタと戦うバトル演出を実行するバトル演出実行手段と、
前記バトル演出において前記味方キャラクタが前記敵キャラクタに勝利することにより、該バトル演出が実行された大当り遊技の終了後に、大当りとなる確率が高い確変状態になることを遊技者に報知する確変報知手段と、
を備え、
前記報知画像モード移行手段により前記報知画像モードに移行される場合には、前記大当りの終了後に確変状態となる場合でも、前記バトル演出で前記味方キャラクタを敗北させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものであり、より詳しくは、遊技領域に2種類の始動口を備え、それぞれに対応する特別図柄の変動を行い、当った際に発生する大当りは、一方の始動入賞に起因して発生したものよりも他方の始動入賞に起因して発生したものの方が、遊技者にとって有利なものとして設定されている遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技機は、遊技領域に2種類の始動口を備えたものがある。こうした遊技機では、各始動口に遊技球が入賞すると、それぞれ対応する特別図柄が変動し、所定の当り態様で停止すると、大当り遊技(単に大当りともいう)が発生する。こうした多くの遊技機では、一方の始動口(第1始動口)は常に入賞可能に構成され、他方の始動口(第2始動口)は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物として構成され、翼片が開放したときのみ入賞可能に構成されているものが主流である。それぞれの始動入賞にて発生する大当りとして、それぞれ複数の内容(例えばラウンド数や、期待できる出球数が異なる大当り)を持っている機種が多く、第1始動口への入賞により発生した大当りよりも、第2始動口への入賞により発生した大当りの方が、遊技者にとって有利な内容(ラウンド数が多い、期待できる出球数が多い等)のものが選択される確率が高く設定されている(例えば特許文献1)。しかも、大当りの終了後には、特別図柄が所定回数変動されるまで開放延長状態(第2始動口の翼片が開放状態となる時間・頻度が高まる状態)となる構成の機種が多く、開放延長状態においては第2始動口への入賞が極めて容易となる。これにより、大当りを得る前においては、遊技者にとって不利な大当りを得やすい状態で遊技が進行するが、ひとたび大当りを得ると、遊技者にとって有利な大当りを得やすい状態となるという、遊技者と遊技店との利益バランスを保ちつつ、メリハリのある遊技性を創出している。
【0003】
ただし、大当りを得た後であっても、第1始動口への入賞が発生し、これに対応する特別図柄の変動の結果、当選すると、遊技者にとって不利な大当りが発生する可能性がある。そこで、第1始動口へ入賞したという記憶(第1保留記憶という)と、第2始動口へ入賞したという記憶(第2保留記憶という)の双方がある場合は、第2保留記憶に基づく特別図柄の変動を優先的に行い、第2保留記憶がなくなって初めて第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なう構成(優先変動という)とした遊技機が多い。このように構成すると、第2始動口に入賞させ続け、第2保留記憶が存在する限り、第1始動口に係る特別図柄の変動は行なわれず、従って、遊技者にとって不利な大当りが発生しにくくなるという効果がある。反面、第1保留記憶に基づく特別図柄の変動を行なわせないためには、第2保留記憶がある状態を維持する必要があるので、遊技を中断できなくなるという欠点がある。これを防ぐために、第2保留記憶が少なくなった場合(例えば残り1個になった場合)には、特別図柄の変動時間を長くし、第2保留記憶が補充され易くするといった工夫がなされている。
【0004】
こうした課題に鑑み、優先変動を行なわず(第1保留記憶・第2保留記憶の区別をせず、入賞が発生した順に保留記憶を消化する)、特許文献2のように第1始動口と第2始動口を遊技領域内で引き離して配置するという構成がある。このようにすると、一旦、開放延長状態となれば、遊技者は容易に入賞させることができる第2始動口を狙うので、第1始動口には新たな入賞が発生しなくなる。従って、第1特別図柄に係る大当りが発生せず、遊技者にとって有利な大当りを期待できる第2始動口を用いた遊技を享受できる。しかも、第1保留記憶がなくなるので、遊技者は第2保留記憶がなくなった時点でこの遊技を中断できる。そして、このように第2保留記憶がなくなっても構わないので、前述のように第2保留記憶が少なくなった場合に特別図柄の変動時間を長くする必要が無い。従って短時間で第2保留を消化するスピーディーな遊技を実現することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−057836号公報
【特許文献2】特開2006−263438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、優先変動を行なわず、第1始動口と第2始動口を引き離して配置した構成においても、第1特別図柄に係る大当りが発生する場合がある。それは、通常状態(ここでは特に、開放延長状態が発生していない状態)で大当り(いわゆる初当り)が発生した場合である。開放延長状態ではないので、殆どの始動入賞は第1始動口にて発生し、従ってこの大当りは、第1保留記憶はあるが、第2保留記憶はない状態で発生する。すると、この大当りの終了後に開放延長状態が発生し、それにより第2始動口への入賞が発生しても、それよりも先に発生した第1保留記憶に基づく図柄変動が優先して行なわれる。しかも第1保留記憶がなくなるまで繰り返し第1保留記憶に基づく図柄変動が行なわれる。これにより、大当りを得たにも拘らず、第1保留記憶に基づく不利な大当りを引き当ててしまう場合があり、第2保留記憶に基づく有利な大当りを得られると信じた遊技者が、違和感を抱くという欠点がある。
【0007】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、遊技領域に2種類の始動口を備え、一方の始動口に対する始動入賞に基づいて発生される大当りが、他方の始動口に対する始動入賞に基づいて発生される大当りよりも遊技者にとって有利に設定された遊技機において、遊技者が容易に遊技を中断でき、なおかつ遊技者にとって不利な大当りが発生する際に遊技者が抱く違和感が小さい遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1に記載の遊技機は、遊技領域に設けられ、入球が常に可能な第1始動口と、遊技領域に設けられ、前記第1始動口よりも入球が容易な開状態および前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態に変化可能な第2始動口と、前記第1始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第1保留手段と、前記第2始動口への入球に起因して発生された乱数値を複数記憶可能な第2保留手段と、前記各乱数値に基づいて、変動表示の後に確定表示する特別図柄を設定する特別図柄設定手段と、前記第1保留手段および前記第2保留手段に記憶されている乱数値を発生順に参照し、該各乱数値に基づいて前記特別図柄を前記変動表示させる特別図柄変動手段と、該特別図柄変動手段による変動表示の後に確定表示された特別図柄が、予め当りと設定された特別図柄であった場合に、大当り遊技を発生させるものであって、前記第1始動口への入球に起因して発生される大当り遊技には、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、有利さ(大当り遊技となる確率が高くなる可能性の高さは除く)が同じものと、有利さが劣るものの少なくとも2種類の大当り遊技が存在し、前記第1始動口への入球に起因して大当りを発生させる際には、前記少なくとも2種類の大当り遊技の中から選択して大当りを発生させる大当り遊技発生手段と、該大当り遊技発生手段によって発生された前記大当り遊技の終了後に、前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで、前記第2始動口が開状態となる期間を延長する開状態発生手段とを備えた遊技機において、前記第1始動口は、前記第2始動口を狙うと、前記第1始動口への入球が不可能な位置に設けられており、前記第1始動口への入球が発生すると、該入球に起因して発生された乱数値が前記当りと設定された特別図柄を確定表示させるものであるか否かを判定し、該判定が肯定された場合に当り情報を送信する当り情報送信手段と、前記大当り遊技発生手段によって前記大当り遊技が発生されると、前記第1保留手段に記憶されている乱数値に対応する前記当り情報を受信しているか否かを判定し、受信していた場合には、前記受信していた旨を報知する演出画像を表示する報知画像モードに、前記大当り後の状態を移行する報知画像モード移行手段とを備え、該前記報知画像モード移行手段は、前記大当り遊技発生手段によって前記大当り遊技が発生されると、前記第1保留手段に記憶されている乱数値の中に、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技と比較して、有利さが劣る大当り遊技を発生させる乱数値が存在する場合にのみ、前記報知画像モードに移行するものであることを特徴とする。
【0009】
ここで「前記第1始動口よりも入球が困難な閉状態」には、入球が不可能な状態も含まれる。また「前記特別図柄が予め定められた回数、変動表示されるまで・・・」の「回数」とは、100回、50回などの具体的な回数のみを指すのではなく、例えば「次回の大当りまで」のような不確定の回数も含むものとする。また、一定値でなくともよく、他の遊技条件(例えば確定表示された特別図柄の種類)に応じて、100回になったり、次回の大当りまでになったりする態様も含むものとする。また、100回、50回などの具体的な回数とした場合には、その回数を超えると第2始動口を開状態とする期間は短縮する(元に戻る)ことになる。また「前記第2始動口が開状態となる期間を延長する」とは、開状態となってから閉状態となるまでの時間を長くするという意味に留まらず、第2始動口が開状態となる確率を高める、単位時間あたりに第2始動口が開状態となる回数を増やすといったことや、これらの幾つか(全てを含む)を同時に行なうことも含む。
【0010】
また「前記第1始動口は、前記第2始動口を狙うと、前記第1始動口への入球が不可能な位置に設けられており」とは、第1始動口および第2始動口の配置によってのみ、第1始動口への入球が不可能(例えば、遊技領域の略中央に液晶表示装置があり、第1始動口は液晶表示装置の左側、第2始動口は液晶表示装置の右側に配置されている)となっていてもよいが、第1始動口および第2始動口以外の部材により、第1始動口への入球が不可能に構成されていてもよい(例えば、両始動口の間に障害釘を適宜植設することにより、第2始動口を狙って発射された遊技球が決して第1始動口に入球しないようにする)。
【0011】
大当り遊技の「有利さが劣る」とは、大当り遊技を構成するラウンド数が少ない、大入賞口が2個あってその内の期待できる賞球数が少ない方の大入賞口を用いる、大当り遊技の終了後に開状態となる期間が短い、などを挙げることができる(「再び大当り遊技となる確率が高くなる可能性が低い」は「有利さが劣る」に含まれないものとする)。もちろん、これらの内の幾つかを同時に備えた大当り遊技であっても良い。この「有利さが劣る大当り遊技」が選択される場合があることにより、第1大当り遊技は全体として第2大当り遊技よりも遊技者にとって不利な内容となっている。例えば、第1大当り遊技では15ラウンド大当りと2ラウンド大当りが60:40の割合で選択され、第2大当り遊技では全て15ラウンド大当りとしておけば、第1大当り遊技のラウンド数は平均15×0.6+2×0.4=9.8ラウンド、第2大当り遊技のラウンド数は15ラウンドなので、第2大当り遊技の方が有利な内容となっている。ここではラウンド数のみに注目したが、賞球数などを加味して有利さを算出しても勿論かまわない。
【0012】
なお「有利さが同じ」とは、その大当り遊技の内容が全く同じである必要はない。例えば画像表示装置に出力される演出用の画像は、第2大当り遊技の画像と異なっていても構わないし、賞球数が多少異なっていても構わない。
【0014】
請求項に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第2始動口への入球に起因して発生される大当り遊技、または該大当り遊技と比較して、有利さが同じ大当り遊技において、味方キャラクタが敵キャラクタと戦うバトル演出を実行するバトル演出実行手段と、前記バトル演出において前記味方キャラクタが前記敵キャラクタに勝利することにより、該バトル演出が実行された大当り遊技の終了後に、大当りとなる確率が高い確変状態になることを遊技者に報知する確変報知手段とを備え、前記報知画像モード移行手段により前記報知画像モードに移行される場合には、前記大当りの終了後に確変状態となる場合でも、前記バトル演出で前記味方キャラクタを敗北させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の遊技機によれば、開状態発生手段により第2始動口が開状態となる期間が延長されていない状態では、第1始動口を狙った方が有利であるため、第1始動口への入球が発生し、第2始動口への入球は発生しない。このため、第1保留手段に記憶されている乱数値に基づく特別図柄(以下、第1特別図柄という。同様に第2始動口に対応する特別図柄を第2特別図柄という)の変動表示が行なわれ、大当り発生手段が発生させる大当り遊技は、第1大当り遊技となり、第2大当り遊技に比べ、遊技者にとって不利なものとなる。ひとたび大当り遊技発生手段により当り遊技が発生すると、開状態発生手段により、第2始動口が開状態となる期間が延長されるので、第2始動口を狙った方が有利となる。第2始動口を狙うと第1始動口への入球が発生しないように両始動口が配置されているため、新たに乱数値が第1保留手段に記憶されることがなくなり、遊技者にとって有利な内容の第2大当り遊技を期待できる状況となる。
【0016】
ただし、特別図柄変動手段が、第1保留手段および第2保留手段に記憶された乱数値をその発生順に参照するので、たとえ開状態の期間が延長されても、第1保留手段に乱数値が記憶されている間は第1特別図柄の変動表示が行なわれ、第1大当り遊技が発生する可能性がある。そこで、第1始動口への入球が発生すると、この入球に起因して発生された乱数値が、当りと設定された特別図柄を確定表示させるものである場合に、当り情報送信手段が当り情報を送信する。大当り遊技が発生されると、この当り情報(当該大当り遊技に対応するものは除く)を受信していた(つまり第1保留手段に、当りとなる乱数が記憶されている)か否かを判定し、受信していた場合は、報知画像モード移行手段が、その大当りの終了後に、報知画像モードに移行させる。
【0017】
この報知画像モードに移行されることにより、遊技者は終了したばかりの大当り遊技の後に、更に第1大当り遊技が発生することを予め知ることができる。従って、大当り遊技を得て、第2始動口が開状態となる期間が延長されたことにより、本来ならば第2大当り遊技が発生するはずが、第1大当り遊技が発生することに対する違和感を軽減することができる。また、報知画像モードでは、一般的な大当り終了後の画像とは異なり、当り情報を受信していた旨を報知するための演出画像が表示されることとなるため、遊技者は報知動作を見逃す可能性が極めて低く、第1大当り遊技が発生することによる違和感が発生する可能性を着実に小さくすることができる。
【0018】
そして、報知画像モードに移行されるのは、第1大当りの中でも、有利さが第2大当りに比べて劣るものが発生する場合のみとなっている。このように構成すると、第2大当りと有利さが同じ第1大当りが発生する際には報知動作を行なわないので、報知画像モードに移行する頻度を下げることができる。なお、第1大当り遊技として、第2大当り遊技と内容の有利さが同じものが選択された際には、この第1遊技が発生しても、有利さが第2遊技と大差がないため、報知画像モードに移行されなくても遊技者が違和感を抱くことは少ないと考えられる。
【0019】
請求項に記載の遊技機においては、大当り遊技を得た後に第1大当り遊技が発生することになった場合に、大当り終了後に確変状態になるにも拘らず味方キャラクタが敗北する。請求項に記載の遊技機によれば、このような従来のバトル演出とは異なる演出を用いることで遊技者を楽しませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施例のパチンコ機50の正面図
図2】パチンコ機50の遊技盤10の正面図
図3】パチンコ機50の背面図
図4】パチンコ機50の電気構成図
図5】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
図6】主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
図7】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
図11】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
図14】主制御装置80が実行する先読み判定処理のフローチャート
図15】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出設定処理のフローチャート
図16】サブ統合制御装置83が実行するバトル演出設定処理のフローチャート
図17】サブ統合制御装置83が実行する2R大当り演出設定処理のフローチャート
図18】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出終了処理のフローチャート1
図19】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出終了処理のフローチャート2
図20】(a)はパチンコ機50の基本的仕様を示すテーブル、(b)は第1始動口への入球に起因して発生する大当りの種類を示すテーブル、(c)は第2始動口への入球に起因して発生する大当りの種類を示すテーブル
図21】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出の説明図1
図22】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出の説明図2
図23】サブ統合制御装置83が実行する大当り演出の説明図3
図24】大当り後の各モードにおいてサブ統合制御装置83により表示される画面の説明図
図25】リベンジモードにおいて当りが発生した際にサブ統合制御装置83により表示される画面の説明図
図26】第2実施例の主制御装置80が実行する先読み判定処理のフローチャート
図27】第2実施例のサブ統合制御装置83が実行するバトル演出設定処理のフローチャート
図28】第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する2R大当り演出設定処理のフローチャート1
図29】第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する2R大当り演出設定処理のフローチャート2
図30】第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する2R大当り演出設定処理のフローチャート3
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0022】
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0023】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0024】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0025】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0026】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
【0027】
センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0028】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、大入賞口14の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0029】
第1左入賞口31の左上には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10が配置されている。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、および第2特別図柄保留数表示装置19は、演出図柄表示装置6の下部に配置されている。
【0030】
パチンコ遊技機50の裏面は図3に示すとおり、遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0031】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0032】
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0033】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
【0034】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0035】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0036】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0037】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0038】
また、払出制御装置81は遊技球等貸出装置接続端子24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0039】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0040】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0041】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0042】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0043】
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0044】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0045】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0046】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「399」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「399」までの400個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0047】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「399」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「399」までの400個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「399」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0048】
なお、大当り決定用乱数が1巡(400回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「399」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0049】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常状態時は1(値は「3」)、時短状態時は5となっている(値は「0」「1」「2」「3」「4」)。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0050】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0051】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0052】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をあわせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0053】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の不正監視処理(S60)が実行される。
不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0054】
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0055】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜399の400通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/400である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0056】
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0057】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。そして先読み判定処理(S115。詳しくは後述)を行なった後、S120に移行する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS120へ直行する。
【0058】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS120に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S120:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S125)。
【0059】
第2保留記憶が満杯でなければ(S125:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S130)。既に4個の第2保留記憶があれば(S125:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S120:no)も、本処理を終了する。
【0060】
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、図8のS200に移行し、保留記憶(上記S110またはS130による保留記憶)があるか否かを判断する。
【0061】
この保留記憶があれば(S200:yes)、一番古い保留記憶が第2保留であるか否かを判定し(S205)、肯定判断であれば、第2保留記憶数をデクリメントし(S210)、S220に進む。一番古い保留記憶が第2保留でなければ、すなわち第1保留であれば(S205:no)、第1保留記憶数をデクリメントし(S215)、S220に進む。
【0062】
S220では第2保留記憶(S215から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S220:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブル(高確テーブルとも言う)に記録されている当り値と照合する(S225)。ここで当り値の数は10で、5〜7、31〜33、175〜176、275〜276である。つまり当り確率は1/40となる。否定判断であれば(S220:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブル(低確テーブルとも言う)に記録されている当り値と照合する(S230)。ここで当り値の数は1で、7のみである。つまり当り確率は1/400となる。そして大当り後に高確率状態になる割合は80%と設定されている。
【0063】
図8に戻る。S225またはS230の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S235)、肯定判定であれば(S235:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S240)。この当り図柄は大当り図柄決定用乱数が「0」または「1」のときは通常図柄(第1保留ならば2R通常大当りとなる図柄、第2保留ならば15R通常大当りとなる図柄)となり、大当り図柄決定用乱数が「2」〜「9」のいずれかであれば確変図柄(第2保留ならば15R確変大当りとなる図柄、第1保留ならば更に大当り図柄決定用乱数の値によって分かれ、「2」または「3」であれば2R確変大当りとなる図柄となり、「4」〜「9」のいずれかであれば15R確変大当りとなる図柄)となる。大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S245)、大当り設定処理を行う(S250)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0064】
S235において外れと判定された場合は、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S255)。こうして変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S260)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0065】
S250又はS260に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S270)、特別遊技処理を行なう。なお、S270の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0066】
図7のS205において特別図柄が変動中(S155:yes)と判定された場合には、図9のS300に移行し、図柄変動時間(S245、又はS255の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S300:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S305)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0067】
図7のS160において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S350:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
【0068】
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0069】
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
【0070】
S430では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
【0071】
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S500:no)は、そのまま本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了する。
【0072】
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に9個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では9個だが、10個、8個等でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に9個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に9個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
【0073】
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0074】
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。
【0075】
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。S635で設定する時短回数は、通常状態では図20(a)に示したとおり100回であるが、確変状態においては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。
【0076】
図6のS115に示した先読み判定処理の概要を図14に示す。本処理が起動されると、まず当否および変動パターン(リーチ演出の有無・種類を含む)を判定するためのテーブルとして低確テーブルを選択する(S700)。そして直前にS110(図6参照)で保留記憶した乱数で当否判定(S705)を行い、大当りと判定された場合(S705:yes)は、大当り情報送信処理(S710)を実行してその先読み結果が大当りである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。一方、大当りでないと判定された場合(S705:no)は、判定結果がリーチハズレであるか否かを判定(S715)し、リーチハズレであれば(S715:yes)、リーチハズレ情報送信処理(S720)を実行して、その先読み結果がリーチハズレである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。S710およびS715の処理により送信される情報は、低確率時の先読み演出に用いられる。リーチハズレではない(すなわちただのハズレ)と判定された場合(S715:no)は、S725に移行する。S710,またはS720を実行した後もS725に移行する。
【0077】
S725では、当否および変動パターンを判定するためのテーブルとして高確テーブルを選択する。そして直前にS110(図6参照)で保留記憶した乱数で当否判定(S730)を行い、大当りと判定された場合(S730:yes)は、高確大当り情報送信処理(S735)を実行してその先読み結果が高確大当りである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。なお、この信号には、その先読み結果が保留されている乱数のうちのどれに対応するものであるかを示す情報も含まれており、この信号を受け取ったサブ統合制御装置83は、その信号に対応する演出図柄の変動が開始されるまで記憶し、該変動が開始されると消去する。一方、大当りでないと判定された場合(S730:no)は、そのまま当処理を終了する。
【0078】
図15にサブ統合制御装置83により実行される大当り演出決定処理の概要を示す。当処理は、サブ統合制御装置83が主制御装置80から大当り開始コマンドを受信する(S750:yes)と起動される。大当り開始コマンドとは、図10のS395の大当り開始演出処理で送信されるものである。大当り開始コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、その大当りは15ラウンド(図15ではRと表記)か否かを判定する(S755)。肯定判定なら(S755:yes)、バトル演出設定処理(S760)を行ない、否定判定なら(S755:no)、2R大当り演出設定処理(S765)を行なう。こうしてS760またはS765により演出の設定が行なわれると、大当り演出開始処理(S770)を行い、当処理を終了(リターン)する。
【0079】
S760のバトル演出設定処理の概要を図16に示す。当処理が起動されると、まずS800にて大当りが確変大当り(大当り終了後に高確率状態となるもの)か否かを判定する。バトル演出設定処理は15Rと判定された場合に行なわれる処理なので、S800では、15R確変大当りか15R通常大当りかを判定していることになる。肯定判断された場合(S800:yes)には、高確大当り情報を受信しているか否かを判定する(S805)。否定判断された場合(S805:no)には、バトル勝利演出設定処理(S815)を行なって、当処理を終了(リターン)する。肯定判断された場合(S805:yes)には、S810にてリベンジモード移行フラグをセット(1にする)してからバトル敗北演出設定処理(S820)を行なって、当処理を終了する。なお、S800で大当りが確変ではない(すなわち15R通常大当り)と判定された場合(S800:no)は、そのままバトル敗北演出設定処理(S820)を行なって、当処理を終了する。
【0080】
S765の2R大当り演出設定処理の概要を図17に示す。当処理が起動されると、まずS850にて、現在がバトルモード中であるか否かを判定する。肯定判断された場合(S850:yes)には、特別バトル敗北演出設定処理(S855)を行なって、当処理を終了(リターン)する。否定判断された場合(S850:no)には、現在がチャンスモード中であるか否かを判定する(S860)。肯定判断された場合(S860:yes)には、チャンスモード継続演出設定処理(S865)を行なって、当処理を終了する。否定判断された場合(S860:no)には、現在がリベンジモード中であるか否かを判定する(S870)。肯定判断された場合(S870:yes)には、リベンジ失敗演出設定処理(S875)を行なって、当処理を終了する。否定判断された場合(S870:no)には、潜伏演出設定処理(S880)を行なって、当処理を終了する。
【0081】
サブ統合制御装置83によって実行される大当り演出終了処理の概要を図18に示す。当処理は、サブ統合制御装置83が主制御装置80から大当り終了演出コマンドを受信する(S900:yes)と起動される。大当り終了演出コマンドとは、図12の大当り終了演出処理(S580)で送信されるものである。大当り終了演出コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、その大当りは15ラウンドか否かを判定する(S905)。肯定判定なら(S905:yes)、バトルの結果が敗北だったか否かを判定(S910)し、否定判断すなわち勝利なら(S910:no)、バトルモードに移行させるためのバトルモード設定処理(S915)を行い、大当り終了演出開始処理(S940)を行なって当処理を終了(リターン)する。バトルの結果が敗北だった場合(S910:yes)は、リベンジモード移行フラグが0か否かを判定(S920)し、肯定判断ならば(S920:yes)、チャンスモードに移行させるためのチャンスモード設定処理(S925)を行い、大当り終了演出開始処理(S940)を行なって当処理を終了する。リベンジモード移行フラグが0でなければ(S920:no)、リベンジモードに移行させるためのリベンジモード設定処理(S930)を行い、リベンジモード移行フラグを0にし(S935)、大当り終了演出開始処理(S940)を行なって当処理を終了する。
【0082】
S905で大当りが15ラウンドではないと判定された場合には、図19のS950に移行し、時短作動中の当りか否かを判定する。ここで時短作動中とは、バトルモード、チャンスモード、リベンジモードのいずれかの状態にあることをいう。肯定判断の場合(S950:yes)は、チャンスモード設定処理(S955)を行い、大当り終了演出開始処理(S940)を行なって当処理を終了する。否定判断(S950:no)の場合は、潜伏モード設定処理(S960)を行い、大当り終了演出開始処理(S940)を行なって当処理を終了する。
【0083】
以上の処理に基づいてパチンコ機50にて行なわれる大当り演出を図21〜23に示す。大当り演出は大当り遊技中に演出図柄表示装置6に表示されるもので、大当りの第1ラウンドでは図21(a)に示すように、画面の中央に敵キャラクタ(向かって左側)と遊技者に対応する自キャラクタ(向かって右側)が表示される。サブ統合制御装置83が主制御装置80から高確大当り情報を受信しておらず(S805:no)、且つ15R確変大当りの場合には、第3ラウンドにて図21(c)のように、自キャラクタがアップで表示され、第5ラウンドで図21(e)のように、敵キャラクタにキックをあびせ、第7ラウンドで、図22(g)のように、「バトルモード突入!!」と表示されて、大当り遊技の終了後に確変状態となることが報知される。これがS815のバトル勝利演出設定処理により設定された結果、行なわれる大当り演出である。バトルモードに移行すると、図24(a)のような画面となる。
【0084】
また、第3ラウンドにて図21(b)のように、敵キャラクタがアップで表示される大当り演出もあり、この演出では、第5ラウンドで図21(d)のように、敵キャラクタからキックをくらい、第7ラウンドで図22(f)のように、自キャラクタがしゃがみこみ、第10ラウンドで図22(h)のように自キャラクタがダウンする。この画面では、「連打で復活させろ!」という文字と円の中に「PUSH」と記された図案が表示され、遊技者に演出ボタン67を連打することを促す。なお、「PUSH」の左に記されている5個の正方形が縦に並んだものは自キャラクタの生命力を示すゲージで、演出ボタン67を連打すると生命力が増えていく。このゲージを満タンにするのに成功すると、第12ラウンドで図22(j)に示すように自キャラクタが起き上がり、「復活! バトルモード突入!!」と表示されて、大当り遊技の終了後に確変状態となることが報知される。これもS815のバトル勝利演出設定処理により設定された結果、行なわれる大当り演出であり、後述する図23(m)の画像が表示される大当り演出も同様である。これらに図22(g)に至る大当り演出を加えた3種類の演出のうち、どれが実行されるかは、乱数により振り分けられる。なお、図22(h)の画面が表示された後に演出ボタン67が連打されなくても、時間経過と共にゲージが回復していき、第12ラウンドで図22(j)の画像が表示される。
【0085】
更に、サブ統合制御装置83が主制御装置80から高確大当り情報を受信している場合(S805:yes)には、図22(i)のように第12ラウンドにて、ゲージが回復せず「敗北・・・」と表示される。これがS820のバトル敗北演出設定処理により設定された結果、行なわれる大当り演出である。この演出が行なわれると、その後、15ラウンドまで自キャラクタが倒れたままとなり(図23(k))、演出ボタン67を押すと、図23(m)、図23(l)、図23(n)のいずれかの画面が表示される。なお、前述したように図23(m)の画像はS815のバトル勝利演出決定処理の結果、表示されるものであり、この演出を行なうために、バトルモードに移行するにも拘らず、図22(i)、図23(k)の画像を出力し、図23(m)の画像を出力した後、図24(a)のような画面となる。また、演出ボタン67を押さなくても、図23(k)の画面が表示されてから所定時間が経過すると図23(m)、図23(l)、図23(n)のいずれかの画面が表示される。図23(l)の画面は、S925のチャンスモード設定処理により表示される画面であり、「チャンスモード突入!!」と表示され、大当りの終了後は図24(b)に示すような画面となる。この画面は、敵キャラクタを探し回っている様子を示しており、図柄変動中にこの映像が展開される。2R大当りでチャンスモードに突入した場合は、確変状態となるか否かが報知されないので潜伏状態となり、時短が終了するとチャンスモードも終了する。図23(n)の画面は、S930のリベンジモード設定処理により表示される画面であり、図23(l)の画面に似ているが、「リベンジモード突入!!」と表示される点が異なる。リベンジモードに突入すると図24(c)のような画面となる。
【0086】
リベンジモード移行フラグは、前述のように高確大当り情報を主制御装置80がサブ統合制御装置83に送信した場合に設定(S810)されるものであり、主制御装置80が高確大当り情報を送信するのは、第1保留記憶を先読みして高確テーブルで判定した場合に大当りと判定された場合であるから、現在おこなわれている大当り演出の最中に第1保留記憶の中に、確変時に大当りとなるものが存在することを意味する。また、パチンコ機50では、保留記憶は入賞順に判定され、特別図柄の変動が行なわれ、且つ通常状態においては、第2始動口12が殆ど開放しないので、遊技者は専ら第1始動口11を狙って遊技球を発射することとなる。この結果、通常状態では第2保留記憶がなく、第1保留記憶のみが存在する状態となるので、通常状態において大当りが発生(この大当りを初当りともいう)した場合、その大当りは第1保留記憶に基づくものとなる。
【0087】
第1特別図柄に係る大当りは図20(b)のようになっており、初当りが15R確変大当りであると、大当り終了後に時短が発生し、第2始動口12が長時間開放して容易に第2始動口12に遊技球が入賞可能となる。この結果、遊技者は右打ちを開始することとなり、第2保留記憶が発生し、既存の第1保留記憶が全て消化された後に、第2保留記憶が消化されていく。第1保留記憶の最大値は4なので、図24(c)のような画面が表示されるリベンジモードにおいて、第1特別図柄が高々4回変動されると、再び大当りが発生する。リベンジモード中の大当りが15R確変大当りであり、且つ第1保留中になおも大当りを発生させる乱数が存在しない場合には、図25(a)のような画面が表示され、バトルモードに移行する。また、リベンジモード中の大当りが2R確変大当りまたは2R通常大当りであった場合は、図25(b)のような画面が表示され、チャンスモードに移行する。図25(b)の画面は、リベンジ失敗演出設定処理(S875)が実行される結果、表示されるものである。なお、2R確変大当りまたは2R通常大当りの場合は、その終了後に時短状態とならないが、時短状態において2R確変大当りが発生した場合には、次回の大当りまで時短が付き、時短状態において2R通常大当りが発生した場合には、100回の時短がつく。リベンジモードは、初当りが15R確変大当りであった場合のみ発生するので時短状態であり、リベンジモードで2R大当りで当った場合も、その2R大当りが終了したのちには第2始動口が長時間開放される状態となり、第1保留記憶がなくなった後に、第2始動口を用いた遊技が行なわれる。
【0088】
第2特別図柄に係る大当りは図20(c)のようになっており、15R大当りのみとなっている。図20(b)に示した第1特別図柄に係る大当りは20+20=40%の確率で2R大当りが発生するので、平均すると第2特別図柄に係る大当りよりも期待できる賞球が少なくなる。従って、第2特別図柄に係る大当りは、遊技者にとって有利な内容となる。第2特別図柄に係る大当りが発生する状態は、遊技者が15R通常大当りを引き、その大当りの終了後に付与される時短状態で特別図柄が100回変動された場合に終了する。なお、初当りが2R確変大当りまたは2R通常大当りであった場合は、図16のバトル演出設定処理が実行されないので、バトル演出とはならず、図17の2R大当り演出設定処理のS870で否定判断されて潜伏演出設定処理(S880)が実行される。
【0089】
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、第1始動口11と第2始動口12とが離れており、しかも入賞に伴って発生・記憶された当否判定乱数を入賞順に判定して行くので、一旦、時短状態となり、第2始動口12を用いた遊技が発生すると、第1特別図柄に係る大当り(遊技者にとって不利な2R大当りが40%の確率で発生する:図20(b)参照)が発生しなくなるので、遊技者は大当り中を除き、いつでも遊技を中断できる。しかも、ゲート17およびも大入賞口14が第2始動口12と同じく遊技領域3の右側に配置されているため、遊技者は右打ちをしているだけで、大入賞口14への入賞、第2始動口12の開放に必要なゲート17通過、および第2始動口への入賞を発生させることができる。
【0090】
なお、入賞順に保留記憶を消化する場合、初当り後は最高4回まで第1保留記憶に係る特別図柄の変動が行なわれる可能性が高い。本来、初当りとして15R確変大当りを引いた場合には、以降、バトルモードが終わるまでの間は第2特別図柄による大当り、すなわち15R大当りのみを引き続けることとなるが、入賞順に保留記憶を消化する結果、初当り後、最高4回、第1特別図柄が変動する間に2R大当りが発生する可能性がある。遊技者から見れば、せっかく15R確変大当りを引いて15Rのみの大当り連荘を期待していたのに、早々に2R大当りが発生するという事態に遭遇する可能性がある。
【0091】
この点、パチンコ機50によれば、初当りが15R確変大当りであった場合に、第1保留記憶中に15R確変大当り、2R確変大当り、2R通常大当りのいずれかがあった場合には、リベンジモードという特別なモードに移行するので、遊技者に2R大当りの発生に対する心構えを促すことができる。その一方で、リベンジモードになった際には、第1特別図柄により15R確変大当りとなる可能性もあるため、2R大当りになるか、15R大当りになるかという関心を遊技者に持たせることができる。
【0092】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110の処理が本発明の「第1保留手段」に相当し、S120の処理が本発明の「第2保留手段」に相当し、S250およびS260の処理が本発明の「特別図柄設定手段」に相当し、S275の処理が本発明の「特別図柄変動手段」に相当し、特別遊技処理が本発明の「大当り遊技発生手段」に相当し、S630〜S640の処理が本発明の「開状態発生手段」に相当し、S930の処理が本発明の「報知画像モード移行手段」に相当し、リベンジモードが本発明の「報知画像モード」に相当し、図24(c)の画像が本発明の「当り情報を受信していた旨を報知するための演出画像」に相当し、S815の処理が本発明の「バトル演出実行手段」に相当し、S915の処理が本発明の「確変報知手段」に相当し、S735の処理が本発明の「当り情報送信手段」に相当する。
[実施例2]
【0093】
本発明の第2実施例について図26〜30を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
【0094】
第2実施例において主制御装置80が実行する先読み判定処理の概要を図26に示す。本処理が起動されると、まず当否および変動パターン(リーチ演出の有無・種類を含む)を判定するためのテーブルとして低確テーブルを選択する(S1000)。そして直前にS110(図6参照)で保留記憶した乱数で当否判定(S1005)を行い、大当りと判定された場合(S1005:yes)は、大当り情報送信処理(S1010)を実行してその先読み結果が大当りである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。一方、大当りでないと判定された場合(S1005:no)は、判定結果がリーチハズレであるか否かを判定(S1015)し、リーチハズレであれば(S1015:yes)、リーチハズレ情報送信処理(S1020)を実行して、その先読み結果がリーチハズレである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。リーチハズレではない(すなわちただのハズレ)と判定された場合(S1015:no)は、S1025に移行する。S1010,またはS1020を実行した後もS1025に移行する。
【0095】
S1025では、当否および変動パターンを判定するためのテーブルとして高確テーブルを選択する。そして直前にS110(図6参照)で保留記憶した乱数で15ラウンド大当りか否かを判定し(S1030)、15ラウンド大当りと判定された場合(S1030:yes)は、高確15R大当り情報送信処理(S1035)を実行してその先読み結果が高確15ラウンド大当りである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。一方、15ラウンド大当りでないと判定された場合(S1030:no)は、前記乱数が2ラウンド大当りか否かを判定(S1040)し、肯定判定(S1040:yes)であれば、高確2R大当り情報送信処理(S1045)を実行してその先読み結果が高確2ラウンド大当りである旨を示す信号をサブ統合制御装置83に送信する。一方、2ラウンド大当りでないと判定された場合(S1040:no)は、そのまま当処理を終了する。
つまり当処理によれば、第1実施例とは異なり、先読み判定処理で高確テーブルで当りと判定された場合には、15R大当りか2R大当りかを識別可能にサブ統合制御装置83に情報が送信される。
【0096】
先読み判定処理がこのように変更されたことに対応して、バトル演出設定処理は図27のようになる。当処理が起動されると、まずS1050にて大当りが確変大当りか否かを判定する。肯定判断された場合(S1050:yes)には、高確大当り情報を受信しているか否かを判定する(S1055)。否定判断された場合(S1055:no)には、バトル勝利演出設定処理(S1085)を行なって、当処理を終了(リターン)する。肯定判断された場合(S1055:yes)には、高確15R大当り情報を受信しているか否かを判定する(S1060)。肯定判断の場合(S1060:yes)は、高確2R大当り情報を受信しているか否かを判定し(S1065)、否定判断された場合(S1065:no)には、バトル勝利演出設定処理(S1085)に移行する。肯定判断の場合(S1065:yes)は、高確15R大当り情報よりも高確2R大当り情報を先に受信しているか否かを判定する(S1070)。否定判断された場合(S1070:no)には、バトル勝利演出設定処理(S1085)に移行する。肯定判断の場合(S1070:yes)は、S1080にてリベンジモード移行フラグをセット(1にする)してからバトル敗北演出設定処理(S1090)を行なって、当処理を終了する。S1060において高確15R大当り情報を受信していないと判定された場合はS1080に直行する。なお、S1050で大当りが確変ではない(すなわち15R通常大当り)と判定された場合は、そのままバトル敗北演出設定処理(S1090)を行なって、当処理を終了する。
つまり当処理によれば、第1実施例とは異なり、リベンジモード移行フラグが1となるのは、第1保留記憶の中に2R大当りがある場合のみとなる。なお、2R大当りと15R大当りの双方が第1保留記憶の中にある場合は、2R大当りの方が先に発生する場合のみ、リベンジモード移行フラグが1となる。
【0097】
先読み判定処理が図26のように変更されたことに対応して、2R大当り演出設定処理は図28,29のようになる。当処理が起動されると、まずS1100にて、現在がバトルモード中であるか否かを判定する。肯定判断された場合(S1100:yes)には、特別バトル敗北演出設定処理(S1105)を行なって、当処理を終了(リターン)する。否定判断された場合(S1100:no)には、現在がチャンスモード中であるか否かを判定する(S1110)。肯定判断された場合(S1110:yes)には、チャンスモード継続演出設定処理(S1115)を行なって、当処理を終了する。否定判断された場合(S1110:no)には、現在がリベンジモード中であるか否かを判定する(図29のS1150)。否定判断された場合(S1150:no)には、潜伏演出設定処理(S1185)を行なって、当処理を終了する。リベンジモード中と判定された場合(S1150:yes)には、S1155にて2ラウンド確変大当りか否かを判定し、否定判断された場合(S1155:no)には、リベンジ失敗演出設定処理(S1180)を行なって、当処理を終了する。2ラウンド確変大当りと判定された場合(S1155:yes)は、高確率2ラウンド大当り情報を受信しているか否かを判定する(S1160)。肯定判断された場合(S1160:yes)には、リベンジモード移行フラグを1にし(1165)、リベンジ継続演出設定処理(S1170)を行なって、当処理を終了する。高確率2ラウンド大当り情報を受信していないと判定された場合(S1160:no)は、リベンジ成功演出設定処理(S1175)を行なって、当処理を終了する。
つまり当処理によれば、第1実施例とは異なり、リベンジ失敗演出設定処理が実行されるのは、S1155で否定判断されたとき、すなわち2R通常大当りの場合のみとなり、2R確変大当りの場合は更に高確2R大当り情報を受信している場合はリベンジ継続演出を設定し、2R大当り情報を受信していない場合は、リベンジ成功演出を設定する処理となっている。
【0098】
また、大当り演出終了処理(図18)において、その大当りが15ラウンドではなかった場合(S905:no)には、図19の処理に替えて図30の処理を行なう。15ラウンドではなかった場合(S905:no)は、S1200にて大当り演出がリベンジ成功演出であったか否かを判定し、肯定判断(S1200:yes)ならバトルモード設定処理(S1205)を行ない、大当り終了演出開始処理(図18のS940)を行なって大当り演出終了処理を終了する。否定判断(S1200:no)なら大当り演出がリベンジ継続演出であったか否かを判定し、肯定判断(S1210:yes)ならリベンジモード設定処理(S1215)を行ない、リベンジモード移行フラグをゼロにし(S1220)、大当り終了演出開始処理(図18のS940)に移行する。
大当り演出がリベンジ継続演出でなかった場合(S1210:no)は、S1225にて大当り演出は潜伏演出だったか否かを判定し、肯定判断なら(S1225:yes)、潜伏モード設定処理を行なって、大当り終了演出(図18のS940)を行なって大当り演出終了処理を終了する。否定判断なら(S1225:no)、チャンスモード設定処理(S1235)を行ない、大当り終了演出(図18のS940)を行なって大当り演出終了処理を終了する。
つまり当処理によれば、リベンジ成功演出を行なう場合は、バトルモードを設定し、リベンジ継続演出を行なう場合はリベンジモードを再度設定する処理となっている。
【0099】
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、第1保留記憶の中に2R大当りがある場合のみ、リベンジモードに移行するので、15R確変大当りに対する期待度はないものの、初当りで15R確変大当りを得た遊技者が抱く、2R大当りに対する違和感を効果的に低減することができる。また、第1保留記憶の中に2R大当りが2個以上あり、先に発生する大当りが2R確変大当りであった場合(後に発生する2R大当りは任意)には、再度、リベンジモードを設定(リベンジ継続)するので、特徴的な遊技性を持った遊技機となっている。
[他の実施例]
【0100】
前記実施例では、いずれの先読み判定処理でも第1始動口11のみ先読みを行なったが、バトルモード中に第2始動口12の先読みも行って、その結果をサブ統合制御装置83に送り、先読み演出を実行したり大当り演出を変更する構成としても良い。また、15R確変大当りの場合は、チャンスモードに移行しない構成であったが、バトルに負けてチャンスモードに行く構成としても良い。
【0101】
また、本発明を、小当りを有する遊技機に適用しても良い。小当りとは、最大2秒の大入賞口14の開放を2回行なうもので、その発生の前後で、遊技状態が変化しない。例えば、確率変動機能、時間短縮機能、及び開放延長機能のいずれかが小当りの発生前に作動していれば、小当りの終了後にも同じ機能が作動し、小当りの発生前に作動していない機能は、小当りの終了後にも作動しない。この小当りを有する遊技機に本発明を適用する場合は、第1保留記憶の中に小当りがある場合でもリベンジモードに移行することとしても良い。
【0102】
先読み情報の結果に当りとなるものが無い場合でも、第1始動口11の保留があるとリベンジモードに移行する場合があっても良い。このように構成すると、リベンジモードに移行したことにより2R大当りの発生を覚悟した遊技者に対して、2R大当りが発生することなく、第2特別図柄に係る大当りを狙える遊技に移行するという喜びを付与することができる。この場合、第1始動口11の保留が無くなったらバトルモードに移行する構成にするのが望ましい。
【符号の説明】
【0103】
6:演出図柄表示装置
7:普通図柄表示装置
8:普通図柄保留数表示装置
9:第1特別図柄表示装置
10:第2特別図柄表示装置
11:第1始動口
12:第2始動口
12:普通電動役物
14:大入賞口
17:ゲート
18:第1特別図柄保留数表示装置
19:第2特別図柄保留数表示装置
50:パチンコ機
67:演出ボタン
80:主制御装置
82:演出図柄制御装置
83:サブ統合制御装置
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