(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記四角形棒状ゴム製弾性体を形成した前記ゴム製弾性板の両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体がベルトから受けるスラスト力によりベルト幅方向に倒れるのを防止するための倒れ防止板を設けたことを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
前記ゴム製弾性板の両端の四角形棒状ゴム製弾性体のベルト幅方向の側面と隣り合う前記倒れ防止板の側面に、肉厚部を設けるかもしくは補助板を取り付けていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のベルトクリーナ。
 
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベアは効率のよい大量運搬手段であることから、各種原料、燃料、処理済み材料、廃棄物などを搬送するために使用されている。一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻りベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻りベルト表面に付着した搬送物(付着物)が途中で落下し、戻りベルト下に堆積する問題があった。又、リターンローラやキャリアローラを摩耗させたり、ローラに付着し戻りベルトを蛇行させたりする問題があった。
【0003】
ベルトに搬送物が付着するとリターンベルト表面の付着物が落下し、戻りベルト下に堆積するが、特にスナッププーリ、テンションプーリ、リターンローラの下に選択的に落下・堆積しやすい。低床コンベアでは、堆積物を放置するとリターンローラや戻りベルトの高さ位置まで成長しこれらと接触し摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが、戻りベルトの全長に渡り落下しているので多大の労力と費用がかかっている。又、落鉱回収作業は機械化が困難で、人力に頼る必要があり3K作業の繰り返しとなっている。落下した落下物は回収して再利用する場合もあるが、土砂や小石などとの篩分けが必要となりコスト高となるため、廃棄処分する場合が多く資源の無駄遣いとなっている。このため、ベルトクリーナを用いて、できるだけホッパー内でまとめて掻き落とすことにより、コンベア全体に渡って発生する落鉱を削減する方法が採用されている。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻りベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻りベルトに接触させるブラシ方式や高圧の流体を吹き付けて付着物を除去する洗浄方式があるが、構造が簡単なことや整備性の優れたスクレーパ方式が多用されている。
【0004】
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では5〜6mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻りベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損したり、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために必須のアイテムではあるが、適切な取り付けや使用方法を間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
【0005】
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)確実に、長時間にわたり付着物を掻き取ることができる。(2)チップの交換が容易である。(3)掻き取り部のチップの寿命が長く調整周期や取り換え周期が長い。(4)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。(5)付着物が戻りベルトに強固に付着している場合やベルトのエンドレス部(接続部)に剥がれが生じている場合、チップが戻りベルトの搬送方向に大きく撓んで、これらの障害物をやり過ごすことによりベルトクリーナの破損を回避できる。(6)ベルトクリーナの構造がシンプルでコンパクトであり、ベルトクリーナの取り付け取り外しが容易である。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているがそれぞれ問題あり根本的な方法は具現化されていない。
【0006】
スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために特開2013−252976号広報において、四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体の隣り合う側面が摺動するように精度よく配列するのが困難であった。又、稼働中に四角形棒状ゴム製弾性体の間隔が次第に大きくなり、四角形棒状ゴム製弾性体の間にダストが侵入し、四角形棒状ゴム製弾性体同士が固着して円滑な搖動ができなくなる問題があった。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0201783号明細書0026、0027及び
図4には、短冊状の金属製板バネ(stainless steel製のmovable fingers 416)を、金属板(blade 418)の自由端末に切り込みを入れて形成し、前記金属板の固定端末は繋がっていることが記載されている。又、特願2014−143998号広報において、チップを短冊状金属製板バネの自由端末にネジ止めし、短冊状の金属製板バネの固定端末を固定して戻りベルトの幅方向に列設したベルトクリーナにおいて、金属板の自由端末に切り込みを入れて短冊状金属製板バネを形成したベルトクリーナが開示されている。この方法によれば短冊状金属製板バネの間隔を精度よく組み立てることが可能であり、稼働中に短冊状金属製板バネの間隔が広くなる問題も解消できる。しかしながら、これらの方法には以下の問題があった。(1)戻りベルトの進行方向の力(水平力)を受ける場合は、強固な付着物や戻りベルトのめくれなどの突起物がチップに衝突した際に、金属板が撓みすぎると塑性変形を生じ元の形状に復帰できず、掻き取り性能が低下してしまう。(2)戻りベルトが蛇行した場合は、チップや金属板は戻りベルトの幅方向の力(スラスト力)を受けるので、金属板が捩じれて塑性変形してしまう。金属板は水平力による撓み円滑であるが、スラスト力による撓みに対しては捩じれて簡単に塑性変形するので元の形状に復帰できず、掻き取り性能が低下してしまう。通常クリーナは水平力とスラスト力の合成力を受けている。即ち、金属板バネにスリットを設けた場合は、大きな変形や捩じれにより塑性変形するので掻き取り性能が極端に低下してしまう問題があった。
 
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)戻りベルト表面の摩耗状況や付着物の付着力に応じて柔軟にチップが追随して確実に付着物を掻き取ることができるようにする。そのためにはチップの幅を小分割にして戻りベルトの小さな凹凸に細かに追随できるようにする。そのため、弾性体は四角形棒状ゴム製弾性体とし、戻りベルト幅方向のチップ幅や弾性体の幅の大きさを小さくする。(2)強固な付着物やエンドレスの剥がれなどの障害物に対してはチップが瞬時に逃げられるようにする。その手段として、チップを戻りベルトの搬送方向に大きく撓ませてこれらの障害物をやり過ごせるようにする。又、高速で衝突する障害物を瞬時に回避するためにチップの幅を極力小さくして軽量化し、チップ及び四角形棒状ゴム製弾性体のGD2を低減する。(3)複数の四角形棒状ゴム製弾性体の取り付け方法を簡便化し、取付け精度を向上させる。(4)両端周辺の四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側戻りベルトの蛇行により、戻りベルトの幅方向の力を受けた際に、戻りベルトの幅方向への倒れを防止する。
本発明は以上の課題を満足するベルトクリーナを具現化するものである。
 
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、チップ
が四角形棒状ゴム製弾性体の自由端末にネジ止め
され、前記複数の四角形棒状ゴム製弾性体
が戻りベルトの幅方向に配設した架台に列設して固定
されたベルトクリーナにおいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体はゴム製弾性板に複数の切り込み
が入れられて形成されており、前記ゴム製弾性板の幅方向において、前記ゴム製弾性板の中央部周辺は、前記切り込みを短くして、
前記四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
が短く形成され、前記ゴム製弾性板の両端側周辺の切り込みは長くして、
前記四角形棒状ゴム製弾性体
が長く形成されていることを特徴とするベルトクリーナである。
【0011】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体を形成した前記ゴム製弾性板の両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体がベルトから受けるスラスト力によりベルト幅方向に倒れるのを防止するための倒れ防止板を設けたことを特徴とするベルトクリーナである。
【0012】
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記倒れ防止板は前記四角形棒状ゴム製弾性体を形成しているゴム製弾性板と一体的に形成されていることを特徴とするベルトクリーナである。
【0013】
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記ゴム製弾性板の両端の四角形棒状ゴム製弾性体のベルト幅方向の側面と隣り合う前記倒れ防止板の側面に、肉厚部を設けるかもしくは補助板を取り付けていることを特徴とするベルトクリーナである。
 
【発明の効果】
【0014】
第1の解決手段による効果は以下である。ゴム製弾性板の中央部周辺に設けた切り込みは短いので四角形棒状ゴム製弾性体は短くなり撓みにくくなる。一方、両端側周辺に設けた切り込みは長いので四角形棒状ゴム製弾性体は長くなり大きく撓むことができる。従って、摩耗やトラフ癖など戻りベルトの中央部は凹量が大きいが、四角形棒状ゴム製弾性体はあまり大きく撓まないのでチップの押し付け力が大きくなり掻き取り効果が低下しない。又、戻りベルトの両端周辺では凹量は小さいので、四角形棒状ゴム製弾性体は大きく撓むことにより、チップの押し付け力を低減し且つ掻き取り力を維持できる。
【0015】
第2の解決手段による効果は以下である。ゴム製弾性板の両側に倒れ防止板を設けているので、戻りベルトが蛇行した際に四角形棒状ゴム製弾性体を戻りベルトの幅方向に倒す力が生じ四角形棒状ゴム製弾性体の隣り合う隙間が大きくなりこの部分にダストが入り込み固着して四角形棒状ゴム製弾性体の円滑な搖動運動ができなくなる問題があるが、倒れ防止板が両端側の四角形棒状ゴム製弾性体の倒れを防止するので、四角形棒状ゴム製弾性体の隣り合う隙間は小さいままでありダストが入り込んで固着することはない。
【0016】
第3の解決手段による効果は以下である。倒れ防止板は前記四角形棒状ゴム製弾性体を形成しているゴム製弾性板と一体的に形成されていることから、倒れ防止板とゴム製弾性板の間にガタが生じない。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体の戻りベルトの幅方向の撓みを完全に抑えることができるので、四角形棒状ゴム製弾性体の隣り合う隙間が広がることが無くダストの侵入もないので円滑な搖動運動を維持できる。
【0017】
第4の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体と接触する倒れ防止板の側面の幅は、該四角形棒状ゴム製弾性体の側面の幅よりも大きくしていることから、四角形棒状ゴム製弾性体が撓んだ場合に、四角形棒状ゴム製弾性体の上端部分が倒れ防止板の側面からはみ出すことが無いので、四角形棒状ゴム製弾性体の戻り側戻りベルトの幅方向の倒れを完全に防止できる。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を請求項と
図1〜
図9に基づいて説明する。
 
【0020】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、チップ20
が四角形棒状ゴム製弾性体31の自由端末31aにネジ20止め
され、前記複数の四角形棒状ゴム製弾性体31
が戻りベルト50の幅方向に配設した架台40に列設して固定
されたベルトクリーナ10において、前記四角形棒状ゴム製弾性体31はゴム製弾性板30に複数の切り込み32
が入れられて形成されており、前記ゴム製弾性板30の幅方向において、前記ゴム製弾性板30の中央部周辺は、前記切り込み32を短くして、
前記四角形棒状ゴム製弾性体31の長さ
が短く形成され、前記ゴム製弾性板30の両端側周辺の切り込み32は長くして、
前記四角形棒状ゴム製弾性体31
が長く形成されていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
 
 
【0021】
四角形棒状ゴム製弾性体31はチップ20を戻りベルト50に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻りベルト50の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体31を形成するゴム製弾性板30はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
 
【0022】
図1は、ゴム製弾性板30に切り込み32を入れて四角形棒状ゴム製弾性体31を形成し、四角形棒状ゴム製弾性体31の
自由端末31aにチップ20を取り付け、架台40に取り付けたベルトクリーナ10の全体図である。
図2は、ゴム製弾性板30に切り込み32を入れて四角形棒状ゴム製弾性体31を形成し、四角形棒状ゴム製弾性体31にチップ20を取り付け、架台40に取り付けたベルトクリーナ10を部分断面した斜視図である。
図3は、ゴム製弾性板30に均一な長さの切り込み32を入れて四角形棒状ゴム製弾性体31を形成し、四角形棒状ゴム製弾性体31の
自由端末31aにチップ20をネジ21止めしたものである。
 
【0023】
ゴム製弾性板30への切り込み32は、電動糸鋸、グラインダー、ナイフカッター、レーザー、ウォータージェット(高圧水切断機)などを使用できる。ゴム製弾性板30の厚みは5〜30mmがよい。5mmより薄いと撓みが大きくなり十分な掻き取り力を得られなくなる。30mmより厚いと剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻りベルト50の表面凹凸に柔軟に追随できず掻き取り残しが生じる。望ましくは10〜25mmである。四角形棒状ゴム製弾性体31の幅はゴム製弾性板30の厚みと略同等が望ましい。例えば、ゴム製弾性板30の厚みが15mmの場合、15mmにするのがよい。四角形棒状ゴム製弾性体31の横断面が略正方形の場合は、戻りベルト50から受ける水平力やスラスト力に対して四角形棒状ゴム製弾性体31が捩じれにくいからである。戻りベルト50の進行方向に受ける力を水平力、又、水平力による撓みを水平方向撓みという。戻りベルト50の幅方向に受ける力をスラスト力という。又、スラスト力による撓みをスラスト力による撓みという。四角形棒状ゴム製弾性体31が捩じれるとチップ20と戻りベルト50の当接状態が悪くなり掻き取り残しが発生する。特許文献2の米国特許出願公開第2006/0201783号広報や特許文献3の特願2014−143998号広報に示されているように、弾性板を短冊状金属製板バネで形成した場合は、短冊状金属製板バネがベルトから受けるスラスト力により簡単にねじれてしまい塑性変形してしまうので掻き取り残しが生じていた。ゴム製弾性板30への切り込み32の長さは、例えば、ゴム製弾性板30の厚みが15mmの場合、30〜150mmである。10mmより短いと四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みが小さく、戻りベルト50に精密に当接できなくなる。150mmより長いと剛性が低下し撓みが大きすぎて十分な掻き取り力を得られなくなる。望ましくは、50〜100mmである。
 
【0024】
チップ20の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。チップ20の幅Wは10〜30mmがよい。10mmより小さいと四角形棒状ゴム製弾性体31の剛性が小さくなり撓みが大きすぎる問題がある。30mmより大きいと戻りベルト50の小さな凹凸に追随できず掻き取り性能が低下する。
 
【0025】
四角形棒状ゴム製弾性体31の横断面は、
図2、
図8に示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体31は水平力やスラスト力を受ける。チップ及び四角形棒状ゴム製弾性体は、四角形棒状ゴム製弾性体31は常に水平力とスラスト力の合成した力を受けているので、捻じれの力が作用することから、正方形もしくは正方形に近い棒状が望ましい。
図2において、四角形棒状ゴム製弾性体31の縦横の長さB1とB2は略等しくするのが望ましい。四角形棒状ゴム製弾性体31の捩じれを防止することにより隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体31同士の摺動性が円滑になり、四角形棒状ゴム製弾性体31の間に隙間が生じることがないのでダストが侵入して四角形棒状ゴム製弾性体31同士が互いに固着することがない。
 
【0026】
図2の部分斜視図で示すように、チップ20には貫通孔20bを設けてネジ21を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体の
自由端末31aにチップ20の後面20aをネジ21止めする。
自由端末31aとは戻りベルト50の進行方向に対向する面である。チップ20の後面20aとは戻りベルト50の進行方向を向いた面である。特開2013−252976号広報のようにチップ20を端末端面31cに取り付ける方法もあるが、四角形棒状ゴム製弾性体31の端末にチップ20を取り付けた構造であれば本発明の範囲である。チップの貫通孔20b及び四角形棒状ゴム製弾性体の貫通孔31bはネジ21によってチップ20を四角形棒状ゴム製弾性体31に固定するためのものである。チップの貫通孔20bは段付きやテーパ状でもよい。ネジ21がチップ20の表面から突き出ないようにするためである。ネジ21がチップ20の表面から突き出ると掻き取った付着物が付着したり摩耗したりする問題を解消できる。
 
【0027】
ネジ21の材質は炭素鋼、SUS、チタンなどの金属を使用できる。更に、ネジ21の摩耗を防止するためにはセラミックス、超硬、サーメットなどが使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体31は厚みを厚くできるので強固にネジ21止めできる。チップ20はネジ21止めしてさらに接着剤で接合することにより接合強度がアップすると同時にネジ21に水分の浸入を防止できる。
 
【0028】
図2において、チップ21の幅Wと四角形棒状ゴム製弾性体31の横幅B2は等しくするか、チップ20の幅Wを大きくする。四角形棒状ゴム製弾性体31の横幅21とは戻りベルト50の幅方向の幅である。チップ20の幅Wが四角形棒状ゴム製弾性体31の横幅B2よりも小さいと、隣り合うチップ同士の隙間が大きくなり隙間が生じるので、筋状の掻き取り残しが発生するからである。
 
【0029】
四角形棒状ゴム製弾性体31は付着物を確実に掻き取れるように、戻りベルト50を数ミリから十数ミリ程度押圧するように高さ調整する。そのため、
図9に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体31は戻りベルト50の水平力により戻りベルト50の進行方向に撓んだ状態になり、チップ20が鋭く戻りベルト50を押圧し付着物を強力に掻き取ることができる。大きな付着物や戻りベルト50のエンドレスの剥がれや強固に付着した付着物に対しては、四角形棒状ゴム製弾性体31が大きく撓むことにより付着物を回避できるようにしている。四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みは、四角形棒状ゴム製弾性体の縦幅B1、横幅B2やスリット32の長さなどによって決定される。
 
【0030】
戻りベルト50の表面状態は戻りベルト50の幅方向に対して均一ではなく一般的には中央部の摩耗が最大になる。即ち、戻りベルト50は幅方向で摩耗量に差があるため厚みが均一ではなく、又、線状の掻き疵や材料の落下疵あるいは高温材料による焼き疵などにより部分的なくぼみが生じている。又、戻りベルト50の中央近辺は搬送物の積載圧力が大きくなるので摩耗が大きく無数の微細疵が生じており、付着物が付着しやすくしかも強固に付着する傾向がある。又、戻りベルト50は原材料を搬送する際にトラフ角を形成するので、戻りベルト50は中央部が凸上に変形する。又、強固な付着物やエンドレス部(戻りベルト繋ぎ部)のめくれなどの突起が生じている。従って、チップ20の幅Wが大きすぎるとチップが戻りベルト50表面に精密に当接できなくなり、チップ20全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナは、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップを取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻りベルト表面に均一当接することは不可能であり、必然的に掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するためにクリーナを戻りベルトに無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻りベルトを摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するにはチップの幅Wをできるだけ小さくしてチップが均一に戻りベルト表面を押圧するようにすることが必須である。
 
【0031】
四角形棒状ゴム製弾性体31の撓み量は、片持ち梁モデルにおいて、長さLの3乗に比例し、縦幅B1、横幅B2(四角形の1辺の長さに相当、通常B1=B2とするのがよい。)の4乗に反比例することから、L=5B1がよい。Lが5B1より小さいと弾性体22の撓みが小さくなり強固な付着物を回避できず戻りベルトを損傷する。Lが10B1より大きいと撓み量が大きくなり掻き取り力が低下する。
 
【0032】
本発明では、四角形棒状ゴム製弾性体31の
自由端末31aにチップ20を取り付けることで、四角形棒状ゴム製弾性体31の断面寸法(B1×B2)が小さくなっても剛性を確保することができる。即ち、弾性体形状を四角形棒状31とすることでチップ20の幅Wを小さくして、剛性と柔軟性を併せ持つ構造を実現できたことから、戻りベルト50の表面状況に応じて精密に当接可能にすることを具現化した。そのためのチップ20の幅Wは特開2013−252976号広報に示すように、30mm以下でなければならない。30mmより大きいと戻りベルト50幅方向の摩耗や付着物の状況変化に追随できず掻き取り残しが生じる。戻りベルト50のくぼみや線状疵の幅は通常30mm以下であることから、チップ20の幅Wは30mm以下でなければならない。チップ20の幅Wが30mm以下であれば戻りベルト50の変化に柔軟に追随可能である。又、前述したように、四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みはB1(もしくはB2)の4乗に反比例するので、四角形棒状ゴム製弾性体31が30mm以上になると急速に撓み量が小さくなってしまう。このことからも四角形棒状ゴム製弾性体31やチップ20の幅は30mm以下でなければならない。
 
【0033】
高速で衝突する強固な付着物やエンドレス部のめくれなどの障害物は衝突の瞬間にチップ20に大きな衝撃を与えるので、チップ20を破損したり、逆にエンドレス部のめくれや疵を大きくしたりして戻りベルト50を損傷する危険性がある。この対策として、チップ20や四角形棒状ゴム製弾性体31の慣性モーメントをできるだけ小さくして、障害物が衝突した瞬間に大きく撓んで衝撃力を回避することが極めて重要である。従来のベルトクリーナにおいては、チップやチップを取り付けている掻き板の慣性モーメントを小さくして衝突時の衝撃を瞬時に回避するという概念がなかった。このため、度々重大なベルト損傷事故を発生し生産障害となっていた。
 
【0034】
ゴム製弾性体30は
図1、
図2、
図9、
図10、
図11に示すように架台40に設けた長溝40aに挿入されている。長溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。押し側板41にはナット46が取り付けられ、押し付けボルト45が転動自在に取り付けてあり、押え板44を押し付けることによりゴム製弾性板30を受け側板42に押し付けて固定している。
 
【0035】
図1に示すように、架台40の両側にはフランジ47が取り付けられ、フランジ47に丸型の支持軸48が取り付けられている。側戻りベルト50の幅方向の両端には支持金具60が配設されており、前記丸型支持軸48には角型パイプ49が嵌装されており、角型パイプは溝型受け具60に載置されている。溝型受け具60はコンベアフレームに取り付けられたベルトクリーナ取付架台61に取り付けられている。受け金具前記支持金具60に高さ調節可能に取り付けられた溝型受け具60に挿入されており、該溝型受け具60には前記架台40の高さを調整するためのアジャストボルト62と前記架台40を固定するための側面固定ボルト63が取り付けられている。角型パイプ49と回転止めボルト62は、チップ20の取付け角度をセットするためのものである。溝型受け具60と位置決めボルト63はチップと戻りベルトの押し付け量を調整するものである。溝型受け具60と固定ボルト64はチップ20のスラスト方向の動きを固定するためのものである。
 
【0036】
四角形棒状ゴム製弾性体31は戻りベルト50との摩擦により戻りベルト50の進行方向に撓みながら付着物を掻き取る。付着力が強くて掻き取れない付着物やエンドレスの剥離部分は凸量が大きくなりチップ20や四角形棒状ゴム製弾性体31に大きな反力を与えるので、四角形棒状ゴム製弾性体31は大きく撓んで過負荷をやり過ごすことが必要である。このような場合、四角形棒状ゴム製弾性体31は隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体31に関係なく単独に撓めるほうが、大きく撓めると同時に瞬時に撓めるので大きな付着物や戻りベルト50のエンドレスの剥がれを柔軟にやり過ごすことができる。このような障害物をまともに受けると大きな過負荷を受けるのでベルトクリーナ10や戻りベルト50そのものの損傷に繋がる。
 
【0037】
図4に示すように、1ゾーンは中央部周辺である。3ゾーンは両端側周辺である。2ゾーンは中間部周辺である。中央部周辺の1ゾーンは、戻りベルト50の中央部周辺に当接する部分である。戻りベルト50の中央部周辺は通常、凸状のトラフ癖や摩耗が大きくなるためチップ50が当接しにくい形状となっている。一方、戻りベルト50の両端側周辺の2ゾーンは、凸状変形や摩耗が小さいため、チップ20は戻りベルト50に当接しやすい形状になっている。従って、四角形棒状ゴム製弾性体31の長さが同じ場合は、戻りベルト50の中央周辺部では、チップ20の押し付け力は弱く、両端側周辺ではチップの押し付け力が大きくなることから、戻りベルト50の幅方向で掻き取り斑が生じることになる。これを解消するために、ゴム製弾性板30の中央部周辺の切り込み32の長さを短くして、四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みを小さくすることにより押し付け力を大きくする。反対に、ゴム製弾性板30の両端側周辺の切り込み32を長くして、四角形棒状ゴム製弾性体31の撓みを大きくすることにより押し付け力を小さくする。
 
【0038】
1ゾーンの切り込み量L1、2ゾーンの切り込み量L2,3ゾーンの切り込み量をL3とした場合、例えば、L1は30〜50mm、L2は50〜70mm、L3は70〜100mm程度がよい。L1、L2、L3の長さは、戻りベルト50の状態によって適宜決定するのがよい。例えば、使用期間の短いベルトでは、中央部周辺と両端側周辺の摩耗差が小さいので、切り込み32量の差は小さくなり、使用期間の長いベルトでは、摩耗差が大きいので、切り込み32量の差は大きくなる。
 
【0039】
図5に示すように、1ゾーンは中央部周辺である。3ゾーンは両端側周辺である。2ゾーンは中間部周辺である。1ゾーンから3ゾーンにかけて階段状に徐々に四角形棒状ゴム製弾性体31の高さを低くしている。中央部周辺の1ゾーンは、戻りベルト50の中央部周辺に当接する部分である。戻りベルト50の中央部周辺は通常、凸状のトラフ癖や摩耗が大きくなるためチップ20が当接しにくい形状となっている。一方、戻りベルト50の両端側周辺は、凸状変形や摩耗が小さいため、チップ20は戻りベルト50に当接しやすい形状になっている。従って、四角形棒状ゴム製弾性体31の長さが同じ場合は、戻りベルト50の中央周辺部では、チップ20の押し付け力は弱く、両端側周辺ではチップ20の押し付け力が大きくなることから、戻りベルト50の幅方向で掻き取り斑が生じることになる。これを解消するために、ゴム製弾性板30の中央部周辺の四角形棒状ゴム製弾性体31の長さは長く、両端側周辺の四角形棒状ゴム製弾性体31の長さを短くする。中央部周辺の四角形棒状ゴム製弾性体31の長さを長くすることにより、戻りベルトの中央部の凸型トラフ形状や摩耗量に合わせてチップ20の当接状態を向上させることができる。両端側周辺の戻りベルト50の表面はトラフ癖や摩耗量は中央部周辺より小さいので、中央部周辺に比べて、四角形棒状ゴム製弾性体の長さは短くする。
 
【0040】
図5に示すh1は、1ゾーンと2ゾーンの四角形棒状ゴム製弾性体31の長さの差である。h2は、2ゾーンと3ゾーンの四角形棒状ゴム製弾性体31の長さの差である。1ゾーンの中央部周辺の四角形棒状ゴム製弾性体31の長さは3ゾーンの両端側周辺よりもh1+h2だけ長くなっている。通常、戻りベルト50の中央部周辺と両端側周辺の摩耗量の差は最大10mm前後になる場合がある。そのため、h1+h2は、最大10mm程度は必要である。1ゾーンから3ゾーンまでなだらかに四角形棒状ゴム製弾性体の長さを変更するため、例えば均等にh1は5mm、h2は5mmにするのがよい。
図5では、ベルトクリーナのチップ20を1ゾーン、2ゾーン、3ゾーンとして5つのゾーンに分けているが、戻りベルトの幅や摩耗量、トラフ癖などを考慮してさらに7ゾーン、9ゾーンに分割してなだらかに四角形棒状ゴム製弾性体31の長さを形成する方法もある。
 
【0041】
図6は、四角形棒状ゴム製弾性体31の高さを中央部周辺が高く、両端側周辺が低くなるように円弧状に滑らかに変化させたものである。戻りベルト50は使用期間が長くなるにつれて、中央部周辺の摩耗が両端側周辺より大きくなるので、チップ20に対して円弧状に膨らんだ形状となる。戻りベルト50の円弧状の摩耗形状に合わせるために、四角形棒状ゴム製弾性体31の高さを中央部周辺が高く、両端側周辺が低くなるように円弧状に変化させる。四角形棒状ゴム製弾性体31の高さを円弧状にすることにより、チップ20と戻りベルト50の表面の当接状態が戻りベルト50の幅全体に渡り均一化できるので、掻き取り状態も均一になる。
 
【0042】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体31を形成した前記ゴム製弾性板30の両側に、前記四角形棒状ゴム製弾性体31がベルト50から受けるスラスト力によりベルト幅方向に倒れるのを防止するための倒れ防止板33を設けたことを特徴とするベルトクリーナ10である。
 
【0043】
図7は、倒れ防止板33を単独に形成した場合の倒れ防止板33とゴム製弾性板30の正面図である。倒れ防止板33はゴム製弾性板30と同じ長溝40aに載置して固定する。倒れ防止板33はゴム製弾性板30と密着させるためにボルト34で固定するのがよい。倒れ防止板33の高さは、四角形棒状ゴム製弾性体31の撓み量を考慮して、チップ20の取付け高さよりも低くするのがよい。四角形棒状ゴム製弾性体31が撓んだ際に倒れ防止板33が戻りベルト50に接触しないようにするためである。倒れ防止板34の厚みはゴム製弾性板30と略同等もしくは厚くするのがよい。四角形棒状ゴム製弾性体31が撓んだ際に、チップ20が倒れ防止板34の側面から外れない程度の厚みを確保する。
 
【0044】
チップ20を付けた四角形棒状ゴム製弾性体31には、戻りベルト50からの水平力とスラスト力が作用する。スラスト力により、四角形棒状ゴム製弾性体31はスラスト方向に倒れる傾向にある。四角形棒状ゴム製弾性体31が戻りベルト50の幅方向に倒れると、四角形棒状ゴム製弾性体31同士の隙間が大きくなり、筋状の掻き取り残しが生じるため掻き取り性能が低下する。又、隙間にダストが堆積し、四角形棒状ゴム製弾性体31同士を固着させるので、四角形棒状ゴム製弾性体31の円滑な搖動ができなくなり、戻りベルト50に対して柔軟な追随ができなくなる。倒れ防止板34は四角形棒状ゴム製弾性体31の戻りベルト50の幅方向の倒れを防止するためのものである。
 
【0045】
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記倒れ防止板33は前記四角形棒状ゴム製弾性体31を形成しているゴム製弾性板30と一体的に形成されていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
 
【0046】
図8は、倒れ防止板34をゴム製弾性板30と一体的に形成した場合のゴム製弾性板30の正面図である。倒れ防止板34をゴム製弾性板30と一体的に形成することにより倒れ防止板33の剛性が向上し、四角形棒状ゴム製弾性体32のスラスト方向への倒れを防止できる。
 
【0047】
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記ゴム製弾性板30の両端の四角形棒状ゴム製弾性体31のベルト幅方向の側面31dと隣り合う前記倒れ防止板33の側面33aに、肉厚部33bを設けるかもしくは補助板35を取り付けていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
 
【0048】
図9は、四角形棒状ゴム製弾性体31が大きく撓んだ際に、チップ20が倒れ防止板33から外れないように、倒れ防止板33に肉厚部33bを設けた場合を示している。
図7のように、ゴム製弾性板30と倒れ防止板33を分離して形成した場合は、倒れ防止板33に肉厚部33bを設けて部分的に厚くして製作することが可能である。倒れ防止板33に肉厚部33bを設けて、部分的に厚く(B3)することにより、四角形棒状ゴム製弾性体31が撓んだ場合に、四角形棒状ゴム製弾性体31のスラスト方向への倒れを確実に支持することができる。
図9の場合は、倒れ防止板33の上部は四角形棒状ゴム製弾性体31を支えるために厚く(B3)なるが、下部は長溝に挿入するため薄く(B1)する。
 
【0049】
図10は、倒れ防止板33とゴム製弾性板30を一体的に形成した場合を示している。
図8、
図10のように、倒れ防止板33とゴム製弾性板30を一体的に形成した場合は、倒れ防止板33の肉厚を部分的に厚くするのは困難である。そのため、補助板35をボルト36で倒れ防止板33に取り付けている。補助板35は倒れ防止板33を補強する役割も有している。
図11は、四角形棒状ゴム製弾性体31が大きく撓んだ際の補助板35と四角形棒状ゴム製弾性体31の位置関係を示している。補助板35によって四角形棒状ゴム製弾性体31のスラスト方向の倒れを防止できる。ゴム製弾性板30の幅と補助板35の幅を合わせた幅はB3であり、四角形棒状ゴム製弾性体31が撓んだ場合でも四角形棒状ゴム製弾性体31の側面31dを確実に支持することができる。
 
 
【課題】チップを取り付ける四角形棒状ゴム製弾性体を組み立てる際は、筋状の掻き取り残しを最小限に抑えるため、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の隙間を正確にセットする必要があるが、四角形棒状ゴム製弾性体の製作精度のバラツキや四角形棒状ゴム製弾性体の押し付け力のセットにバラツキがあり高精度の組立が困難であった。又、四角形棒状ゴム製弾性体に作用するスラストのため、四角形棒状ゴム製弾性体間に隙間が生じて、筋状の掻き取り残しが発生していた。
【解決手段】ゴム製弾性板に切り込みを入れ複数の四角形棒状ゴム製弾性体を形成することで、チップ保持用四角形棒状ゴム製弾性体の製作精度が向上した。又、切り込み長さや四角形棒状ゴム製弾性体の長さ加工が自在になり、チップとベルトの当接精度が向上した。更に、倒れ防止板により、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向の撓みを防止でき筋状の掻き取り残しが解消した。