(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貫通孔の縁のうち前記入光面に近い側の光屈折面と前記入光面から遠い側の光屈折面との距離が、前記貫通孔の中央部で前記貫通孔の両端部よりも小さくなっていることを特徴とする、請求項1に記載のコリメート光源。
前記貫通孔の縁のうち前記入光面に近い側の光屈折面は、曲面、円弧状に湾曲した面又は複数の平面によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコリメート光源。
前記貫通孔の縁のうち前記入光面に近い側の光屈折面は、中央部が前記貫通孔内に向けて張り出すように膨らんでいることを特徴とする、請求項3に記載のコリメート光源。
前記貫通孔の縁のうち前記入光面から遠い側の光屈折面は、前記出光面に平行な平面と、前記出光面に対して傾いた傾斜面によって構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のコリメート光源。
側面から見たとき、前記光反射壁の前記入光面から遠い側の端は、前記貫通孔の前記入光面から遠い側の端よりも前記入光面から遠くに位置していることを特徴とする、請求項11に記載の面光源装置。
【背景技術】
【0002】
アミューズメント用機器などのディスプレイに用いられる面光源装置では、点灯する光源を切り替えて発光面の一部だけを光らせられるようにしたものがある。このような面光源装置では、導光板の端面に沿って複数個の光源を一列に並べて配置してある。その光源の一部だけを点灯した場合には、点灯した光源から出射した光が平行光として導光板内に導入される。このような面光源装置では、導光板内に入射した平行光が光源の前方へほぼまっすぐに導光されるので、任意の光源の前方だけを発光させることができ、光による様々な演出が可能になる。また、各光源の前方へまっすぐに光が導光されるので、他の光源の前方へ光が出射されて他の光源の前方を光らせにくく、光っている領域と光っていない領域との境界をくっきりさせることができる。さらに、各光源には、赤色光、緑色光、青色光のLEDチップが内蔵されており、点灯させるLEDチップを切り替えることにより、導光板を種々の色に発光させることができる。
【0003】
(特許文献1の面光源装置)
このようなタイプの面光源装置としては、たとえば特許文献1に開示されたものがある。
図1は特許文献1に記載された面光源装置11の斜視図である。この面光源装置11は、コリメート光源12と導光板13からなる。
【0004】
コリメート光源12は、赤色光、緑色光、青色光のLEDチップを内蔵した複数個の光源14とコリメートレンズアレイ15とからなる。コリメートレンズアレイ15は、複数個のコリメートレンズ16を横に並べて一体化したものであって、透明樹脂によって均一な厚みの板状に成形されている。
【0005】
このコリメートレンズアレイ15のうちの1つのコリメートレンズ16と1つの光源14を
図2に示す。コリメートレンズ16は、後端面が入光面17となっており、入光面17の中央部には拡散パターン領域18が形成されている。入光面17の両端から前方へ延びた側面部分は、それぞれ反射壁19とステップ面20からなる。反射壁19は前方へ向かうに従って外側へ広がった平らな面であり、ステップ面20は入光面17と平行な平らな面である。また、コリメートレンズ16の前面は、厚み方向から見て円弧状をした出射側レンズ21(凸レンズ)によって構成されている。
【0006】
導光板13は、高屈折率の透明樹脂によって平板状に成形されており、裏面13aの適宜箇所には光を全反射させて表面13b(光出射面)から出射させるための光出射パターン23(
図4参照)が形成されている。
【0007】
この面光源装置11では、
図1に示すように、コリメートレンズアレイ15は、各コリメートレンズ16の前端面を導光板13の光入射端面13cに当接させて位置決めされており、光源14は各コリメートレンズ16の入光面17に近接させて対向配置されている。
【0008】
面光源装置11においては、光源14から出射された光のうち入光面17の両端部(平坦な領域)からコリメートレンズ16に入射する光は、入光面17で屈折して前方へ向けて進む。また、拡散パターン領域18からコリメートレンズ16に入射する光は、拡散パターン領域18で拡散されて左右に広げられ、コリメートレンズ16の両側面へ向けて拡散された光は反射壁19で全反射して前方へ向けられる。そして、コリメートレンズ16から出射する光は、出射側レンズ21によってコリメート化され、ほぼ平行光となって出射側レンズ21から出射される。したがって、コリメートレンズ16の中央部では、拡散パターン領域18によって光が拡散するために配光される光量が少なくなり、コリメートレンズ16の両側部では拡散パターン領域18で拡散された光が分配されるために光量が増加し、コリメートレンズ16から出射する平行光の強度がコリメートレンズ16の全幅にわたってほぼ均一化される。コリメートレンズアレイ15から導光板13内に入射した光は、導光板13内を導光し、光出射パターン23で反射されると導光板13の表面13bから出射され、光出射パターン23の形成された領域が発光する。
【0009】
(特許文献1の面光源装置からの派生的形態)
上記のような面光源装置11では、面光源装置11を機器に組み込んだ後に振動などによってコリメートレンズアレイ15と導光板13の間に位置ずれが発生する恐れがある。これを防ぐため、
図3及び
図4に示すようにコリメートレンズアレイ15と導光板13を一体化し、各コリメートレンズ16の前端面を導光板13の光入射端面13cと連続的に形成することがある。この場合には、コリメートレンズ16の出射側レンズ21のために、隣接するコリメートレンズ16の出射側レンズ21間に略三角形状の貫通孔22が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のような面光源装置においても、より高品質なものが求められるようになると、
図5に示すような放射状の輝度むらや縞状の色むらが問題となってくる。ここで言う放射状の輝度むらとは、各コリメートレンズ16の直前(導光板13の端部)において左右斜め方向の輝度が高くなるものである。このような放射状の輝度むらが発生する原因は、つぎのように考えられる。
【0012】
図3のようにコリメートレンズアレイ15と導光板13を射出成形により一体化した場合、射出成形の都合上、コリメートレンズ16の前端面と導光板13のつながった部分は、約3mmの幅を必要とする。
図3に示す光線L1のように、このつながった部分では出射側レンズ21が部分的に消失しているので、ここを通過する光線は、出射側レンズ21による屈折作用を受けない。そのため光線L1は平行光化されずに斜め方向へ出射し、導光板13の端部では光源14のまっすぐ前方が暗くなり、
図5のように前方斜め方向には光線L1による輝線が生じる。また、コリメートレンズ16と導光板13が一体化されていない特許文献1の面光源装置でも、コリメートレンズ16の前端面が導光板13の光入射端面13cに密着していると、同様な理由により、密着した部分を通過する光線は、出射側レンズ21によって平行光化されず、まっすぐ前方が暗くなり、前方斜め方向に輝線が生じる。
【0013】
また、縞状の色むらとは、赤色光、緑色光、青色光のLEDチップを点灯させて光源14を白色発光させても、導光板13の光入射端面13cの近傍(光入射端面13cから10−40mm程度の領域)で赤色(R)、緑色(G)、青色(B)にうっすらと色づいた縞模様が見えるものである。このような色むらは、特に導光板の光入射端面のすぐ近くで目立っている。縞状の色むらが発生する原因は、つぎのように考えられる。
【0014】
赤色光、緑色光、青色光のLEDチップを幅方向に並べて光源内に配置すると、導光板の光出射面に垂直な方向(厚み方向)から見たとき、導光板内における各色の平行光の角度がずれ、光入射端面から離れた箇所では各色のずれが大きくなる。そのため、
図4に示すように、光源14内においては、緑色光のLEDチップ24G、赤色光のLEDチップ24R、青色光の24Bは導光板13の厚み方向に沿って一列に配列されている。一方、コリメートレンズアレイ15を導光板13と一体化した場合、あるいは導光板13の光入射端面13cと密着させた場合には、隣り合ったコリメートレンズ16の出射側レンズ21間に比較的大きな貫通孔22が生じる。この貫通孔22は、厚み方向から見て略三角形状をしており、前後方向における最大の長さDが4mm程度ある。
【0015】
そのため、
図3に示す光線L2のように出射側レンズ21を通過する光は、平行光化されて導光板13内に入射するが、一部の光は
図4に示すように導光板13に入射することなく貫通孔22を通って上方へ漏れる。このようにして漏れる光は、
図4に示すようにLEDチップ24Gの緑色光(G)とLEDチップ24Rの赤色光(R)とLEDチップ24Bの青色光(B)でずれているため、
図5のような色むらとなって現れる。
【0016】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コリメート光源やコリメート光源を用いた面光源装置において、輝度むらや色むらの発生を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るコリメート光源は、
複数個の光源と、前記光源から放射された光を平行光化して出射する
複数個のコリメートレンズとを有するコリメート光源であって、前記コリメートレンズは、
それぞれ、前記光源からの光を導入する入光面と、前記入光面と反対側に位置する出光面と、前記入光面の両側から前記出光面へ向けて延出されていて、前記入光面から導入された光を反射させる光反射壁と、前記入光面と前記出光面の中間に形成された、前記コリメートレンズの厚み方向に貫通した貫通孔と、前記入光面から導入されて前記貫通孔を通過する光を平行光化するための、前記貫通孔の縁に形成された光屈折面とを備え
、複数個の前記コリメートレンズは幅方向に並べて配置され、隣接するコリメートレンズは互いに側面の一部が連続していることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るコリメート光源にあっては、入光面からコリメートレンズ内に導入されて横に広がった光は、光反射壁によって反射され、前方へ向けて出光面から出射される。また、入光面からほぼ前方へ向けてコリメートレンズ内に導入された光は、貫通孔を通過することによって平行光化され、前方へ向けて出光面から出射される。しかも、このコリメート光源にあっては、通過する光を平行光化するための貫通孔を入光面と出光面の中間に形成しているので、コリメート光源の出射面が導光板の入射面に密着していたり、導光板と一体に形成されていたりした場合でも、光線を平行光化するための貫通孔の縁の光屈折面が消失することがなく、導光板の端部に輝度むらが生じにくくなる。また、貫通孔を入光面と出光面の間に配置することで、入光面に垂直な方向における貫通孔の長さを短くすることができるので、貫通孔から光が漏れにくくなり、輝度むらも軽減される。
さらに、本発明に係るコリメート光源では、コリメートレンズが幅方向に並べて配置され、隣接するコリメートレンズは互いに側面の一部が連続しているので、複数個のコリメートレンズが一体化されており、その取り扱いが容易になる。
【0019】
本発明に係るコリメート光源のある実施態様は、前記貫通孔の縁のうち前記入光面に近い側の光屈折面と前記入光面から遠い側の光屈折面との距離が、前記貫通孔の中央部で前記貫通孔の両端部よりも小さくなっていることを特徴とする。かかる実施態様では、コリメートレンズの厚み方向から見たとき、貫通孔の形状が略凹状となっていて光学的には凸レンズとして機能するので、通過する光を平行光化することが可能になる。また、貫通孔の中央部で、入光面に垂直な方向における貫通孔の長さが短くなるので、貫通孔の中央部における光の漏れが小さくなる。
【0020】
本発明に係るコリメート光源の別な実施態様は、前記貫通孔の縁のうち前記入光面に近い側の光屈折面が、曲面、円弧状に湾曲した面又は複数の平面によって構成されていることを特徴とする。かかる実施態様によれば、貫通孔の縁のうち入光面に近い側の面に形成された光屈折面によって光を屈折させることができるので、貫通孔の入光面に近い側の光屈折面を適宜形状の面、たとえば中央部が貫通孔内に張り出すようにして膨らんだ面とすることにより、光を平行光化することができる。
【0021】
さらに、当該実施態様においては、前記貫通孔の縁のうち前記入光面から遠い側の光屈折面が、前記出光面に平行な平面と、前記出光面に対して傾いた傾斜面によって構成されていることが望ましい。このような構成によれば、入光面から遠い側の光屈折面でも光を屈折させて平行光化することができるので、入光面に近い側の光屈折面の形状をシンプルにすることができる。特に、前記貫通孔の縁のうち前記入光面から遠い側の光屈折面の中央部は、前記出光面に平行な平面となり、前記貫通孔の縁のうち前記入光面から遠い側の光屈折面の両側部が、前記中央部に近い端が前記入光面に近く、前記中央部から遠い端が前記入光面から遠くなるように傾いた傾斜面となっていることが望ましい。
【0022】
本発明に係るコリメート光源のさらに別な実施態様は、前記光反射壁が、前記コリメートレンズの外側へ向けて膨らんだ曲面又は複数の平面によって構成されていることを特徴とする。かかる実施態様によれば、光反射壁をほぼ放物面鏡状もしくは凹面鏡状とすることができるので、前方へ向けて反射する光を平行光化できる。
【0023】
本発明に係るコリメート光源のさらに別な実施態様は、前記入光面が、拡散パターンを設けた領域と、拡散パターンを設けられていない平坦な領域とを有することを特徴とする。かかる実施態様によれば、拡散パターンを設けた領域に入射した光は拡散パターンによって拡散され、平坦面に入射した光は拡散されることなく入光面を通過するので、拡散パターンを設ける領域を調整することにより、光源からコリメートレンズに入る光の分布を適正化できる。たとえば、前記拡散パターンとしては、前記コリメートレンズの厚み方向に伸びた凹溝又は凸条を設ければよい。
【0026】
本発明に係る
第1の面光源装置は、導光板と、前記導光板の光入射端面に沿って配置された本発明に係る上記コリメート光源とからなり、上記コリメート光源の出光面が前記導光板の光入射端面に接合又は一体的に形成されていることを特徴とする。かかる面光源装置によれば、複数個のコリメートレンズが一体化されているので、面光源装置を組み立てる際の取り扱いが容易になる。また、導光板の端部に生じる輝度むらや色むらを低減することができる。
【0027】
本発明に係る
第2の面光源装置は、
複数個の光源と、導光板と、前記導光板の端部と一体的に形成されていて前記光源から放射された光を平行光化して前記導光板へ入射させる
複数個のコリメートレンズとを有する面光源装置であって、
複数個の前記コリメートレンズ及び導光板が一体化された部材は、前記光源からの光を導入する入光面と、前記入光面の両側から前記導光板側へ向けて延出されていて、前記入光面から導入された光を反射させる光反射壁と、前記コリメートレンズの厚み方向に貫通した貫通孔と、前記入光面から導入されて前記貫通孔を通過する光を平行光化するための、前記貫通孔の縁に形成された光屈折面とを備え
、複数個の前記コリメートレンズは幅方向に並べて配置され、隣接するコリメートレンズは互いに側面の一部が連続していることを特徴とする。かかる面光源装置では、複数個のコリメートレンズと導光板が一体となっているので、コリメートレンズと導光板との間にずれが生じることがなく、またコリメートレンズを導光板に取り付ける手間を省ける。また、導光板の端部に生じる輝度むらや色むらを低減することができる。
さらに、本発明に係る面光源装置では、コリメートレンズが幅方向に並べて配置され、隣接するコリメートレンズは互いに側面の一部が連続しているので、複数個のコリメートレンズが一体化されており、その取り扱いが容易になる。
【0028】
本発明に係る
第2の面光源装置のある実施態様は、側面から見たとき、前記光反射壁の前記入光面から遠い側の端が、前記貫通孔の前記入光面から遠い側の端よりも前記入光面から遠くに位置していることを特徴とする。かかる実施態様によれば、貫通孔を通過しない光をより確実に光反射壁で前方へ向けて反射させることができる。
【0029】
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、特許文献1に開示された面光源装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されたコリメートレンズアレイのうちの1つのコリメートレンズと1つの光源を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の面光源装置においてコリメートレンズアレイと導光板を一体化したものを示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図3の面光源装置に生じる輝度むらと色むらを模式的に表した説明図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態1に係るコリメート光源の平面図である。
【
図8】
図8は、
図6のコリメート光源に用いられているコリメートレンズアレイを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、コリメートレンズアレイのうちの1つのコリメートレンズを示す拡大平面図である。
【
図10】
図10Aは、コリメートレンズの入光面の構造を示す斜視図である。
図10Bは、コリメートレンズの入光面の異なる構造を示す斜視図である。
【
図11】
図11Aは、コリメートレンズアレイがクサビ状をした実施形態1のコリメート光源を表す。
図11Bは、比較例によるコリメート光源を表す。
【
図12】
図12Aは、光源から出射した光が光反射壁と貫通孔により平行光化される様子を示した光線図である。
図12Bは、光源から出射した光が貫通孔により平行光化される様子を示した光線図である。
【
図13】
図13Aは、光反射壁や貫通孔で影響されることなく出光面に達する光を説明する図である。
図13Bは、光反射壁や貫通孔で影響されることなく出光面に達する光をなくした改良例を説明する図である。
【
図14】
図14は、実施形態1のコリメート光源において、光源から出射される光線の軌跡をシミュレーションした図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態1による面光源装置を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、実施形態1による面光源装置の平面図である。
【
図17】
図17は、従来例及び実施形態1の面光源装置において、いずれかの光源を点灯させ、点灯している光源の前方における導光板端部での指向特性を測定した結果を示す図である。
【
図18】
図18は、従来例及び実施形態1の面光源装置において、隣り合う光源を点灯させ、点灯している光源の中間の前方における導光板端部での指向特性を測定した結果を示す図である。
【
図19】
図19Aは、従来例の面光源装置において、導光板の端部における発光時の輝度分布を表した図である。
図19Bは、本発明の実施形態1の面光源装置において、導光板の端部における発光時の輝度分布を表した図である。
【
図21】
図21Aは、本発明の実施形態2によるコリメート光源を示す平面図である。
図21Bは、当該コリメート光源の断面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態2による面光源装置72の平面図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態3による面光源装置81を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
【0032】
(実施形態1)
以下、
図6−
図20を参照して本発明の実施形態1によるコリメート光源と面光源装置を説明する。
【0033】
図6は、本発明の実施形態1によるコリメート光源31を示す平面図であって、コリメート光源31は、コリメートレンズアレイ32と光源33からなる。
図7は、
図6のQ−Q線に沿った断面を示す拡大図である。
図8は、コリメートレンズアレイ32の斜視図である。
図9は、コリメートレンズアレイ32のうちの1つのコリメートレンズ34を示す拡大平面図である。
図10Aは、コリメートレンズ34の入光面35の構造を示す斜視図、
図10Bは、コリメートレンズ34の入光面35の異なる構造を示す斜視図である。
【0034】
図6に示すように、コリメート光源31は、コリメートレンズアレイ32と複数個の光源33によって構成されている。コリメートレンズアレイ32は、複数個の同一形状をしたコリメートレンズ34を横一列に並べて一体成形したものである。
図6では4個のコリメートレンズ34が一体化されているが、コリメートレンズアレイ32は導光板の幅に応じて多数個のコリメートレンズ34が一体化されている場合もある。コリメートレンズアレイ32は、ポリカーボネイト樹脂(PC)やアクリル樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PS)などの屈折率の大きな透明樹脂を原料として射出成形により作製される。また、コリメートレンズアレイ32は、切削加工によって作製することも可能である。
【0035】
図8に示すように、コリメートレンズアレイ32は、各コリメートレンズ34の端面に、光源33を対向配置させるための入光面35を備えており、入光面35の反対側の端面に入光面35と平行な出光面36を備えている。出光面36はコリメートレンズアレイ32の端から端まで連続した平坦面となっている。また、コリメートレンズアレイ32は、出光面36の厚み(高さ)hが後述する導光板の光入射端面の厚みと等しくなっており、入光面35の厚みHが出光面36の厚みhよりも大きくなっている。したがって、コリメートレンズアレイ32は、
図7に示すように、前後方向の断面(後述のXZ平面と平行な断面)がクサビ状となっていて、表裏両面40b、40aがいずれも傾斜面となっている。なお、以下においては、出光面36に垂直な方向にX軸方向を定め、X軸方向に直交するコリメートレンズアレイ32の幅方向にY軸方向を定め、X軸方向及びY軸方向に直交するコリメートレンズアレイ32の厚み方向にZ軸方向を定めるものとする。
【0036】
図8及び
図9に示すように、入光面35の中央部には拡散パターン領域37が形成されており、拡散パターン領域37の両側にはパターンのない平坦面領域45が形成されている。
図10Aを参照すると、入光面35の左右両端部は平滑な平坦面領域45となっており、左右の平坦面領域45の間に拡散パターン領域37が形成されている。拡散パターン領域37は、コリメートレンズアレイ32の厚み方向に伸びたV溝状の拡散パターン47を形成された領域である。拡散パターン領域37は、さらに2つの領域に分かれている。拡散パターン領域37の中央部は拡散パターン47の密度の小さい領域46aとなっており、ここでは拡散パターン47と短冊状の平面48とが交互に、かつ規則的に配列されている。この領域46aと平坦面領域45の間は、拡散パターン47の密度の大きい領域46bとなっており、ここには拡散パターン47が隙間なく配列されている。
【0037】
なお、拡散パターン領域37は、
図10AのV溝状の拡散パターン47に代えて、
図10Bに示すように、コリメートレンズアレイ32の厚み方向に伸びたプリズム状や半円筒状などの凸条からなる拡散パターン49を設けてあってもよい。
【0038】
図9に示すように、各コリメートレンズ34の両側面は、入光面35の両端から出光面36へ向けて延びた光反射壁38によって形成されており、隣接するコリメートレンズ34どうしは、光反射壁38の先端部分に設けられた連続部分41によって互いに連続していて一体となっている。隣接する光反射壁38の端部どうしは曲面によって滑らかにつながっている。光反射壁38は、コリメートレンズ34の幅方向外側へ向けて膨らんでいる。たとえば、光反射壁38は、Z軸方向から見て円弧状、放物線状などの曲面によって構成された湾曲面でもよく、複数の平面によって構成されていてZ軸方向から見て折れ線状に屈曲していてもよい。また、左右の光反射壁38間の距離(出光面36と平行な方向の距離)は、出光面36へ向かうに従って広くなっている。
【0039】
入光面35と出光面36の中間、特に入光面35と出光面36のX軸方向の中央よりも入光面35に近い箇所には、各コリメートレンズ34の厚み方向(Z軸方向)に貫通した略凹形状をした貫通孔39が開口されている。貫通孔39の入光面35に近い側の縁は、中央部が貫通孔39内へ張り出すように膨らんだほぼ円弧状の第1光屈折面42となっている。第1光屈折面42は、Z軸方向から見て円弧状となるように湾曲していてもよく、複数の平面によって折線状に屈曲していてもよい。また、貫通孔39の出光面36に近い側の縁も、中央部が貫通孔39内へ張り出すように突出した第2光屈折面43となっている。第2光屈折面43は、中央部がX軸方向に垂直な平面43aとなっており、平面43aの両側は、平面43aに近い部分ほど出光面36から遠くなるように傾いた傾斜面43bとなっている。こうして、貫通孔39のX軸方向の長さは、貫通孔39の中央で最も短くなっている。貫通孔39の最短長さDは、貫通孔39からの光漏れを最小限にするためには、できるだけ短くする必要がある。射出成形による量産を想定した場合には、金型の耐久性を考慮すれば、貫通孔39の最短長さDは約1mm程度必要となる。
【0040】
貫通孔39の両側面44は、光反射壁38とほぼ平行となるように傾いた平面となっている。貫通孔39の側面44と光反射壁38との距離は、射出成形によりコリメートレンズアレイ32を量産することを想定した場合には、最低でも1.5mm程度は必要となる。
【0041】
さらに、第1光屈折面42と側面44の間のコーナー部や、傾斜面43bと側面44の間のコーナー部は適宜曲率で湾曲している。これはコリメートレンズアレイ32を射出成形する場合には、射出成形用金型の耐久性を考慮すれば、貫通孔39のコーナー部にあたる箇所に半径0.2mm程度のアールが必要となるので、コリメートレンズアレイ32を成形すると、貫通孔39のコーナー部が曲面となるのである。
【0042】
光源33内には、
図7に示すように、発光色が緑色のLEDチップ51G、赤色のLEDチップ51R、青色のLEDチップ51Bが実装されており、各LEDチップ51G、51R、51Bは透明樹脂52内に封止されている。これらのLEDチップ51G、51R、51Bは、Z軸方向に沿って配列されている。さらに透明樹脂52は、前面を除く外周面を白色樹脂からなる被覆部53によって覆われており、前面の透明樹脂52が露出した部分が光を出射させるための出射窓54となっている。しかして、この光源33は、各LEDチップ51G、51R、51Bを同時に点灯させることによって白色光を出射窓54から出射し、また任意の1個又は2個のLEDチップを発光させることにより、色づいた光を出射する。光源33は、コリメートレンズ34の入光面35に近接させて対向配置されている。光源33の出射窓54の高さは、コリメートレンズ34の入光面35の高さよりも小さくなっている。
【0043】
ここで、コリメートレンズアレイ32を構成するコリメートレンズ34の寸法例を述べておく(
図9参照)。ただし、この寸法は一例であって、これらの寸法に限るものではない。
コリメートレンズ34の配列ピッチ: 10.8mm
コリメートレンズ34の幅W: 10.8mm
コリメートレンズ34の長さS: 9mm
光源33の出射窓54の幅: 2.5mm
入光面35の幅w: 4.4mm
拡散パターン密度の小さな領域46aの幅M: 2.2mm
領域46aにおける拡散パターン密度(面積密度): 50%
拡散パターン47の頂角: 80度
光反射壁38の曲率半径: 約27mm
貫通孔39の中央の長さD: 1mm程度
第1光屈折面42の曲率半径: 約2.3mm
第2光屈折面43における傾斜面43bの傾きθ: 約21度
【0044】
つぎに、
図11−
図13を参照しながら、上記のような構造を有する実施形態1のコリメート光源31の作用効果を説明する。
図11Aは、コリメートレンズアレイ32がクサビ状をした実施形態1のコリメート光源31を表し、
図11Bは実施形態1のコリメート光源31との比較例を表す。
【0045】
図11Bに示す比較例では、コリメートレンズアレイ32は均一な厚みを有している。この比較例のようにコリメートレンズアレイ32の厚みが均一であると、導光板の厚みを薄くした場合には、コリメートレンズアレイ32の厚みも薄くなる。そのため、コリメートレンズアレイ32の入光面35の厚みが光源33の出射窓の高さよりも薄くなり、
図11Bに示すように、光源33から出射する光の一部が入光面35に入射しなくなり、光の利用効率が低下する。また、発光色の異なるLEDチップ51G、51R、51Bを厚み方向に配列している場合には、光源33を白色発光させようとしても、一部の光(たとえば、緑色や青色の光の一部)が入光面35に入射しなくなることにより入光面35に入射する光の色バランスが崩れ、コリメートレンズアレイ32から出射する光が色づくことになる。
【0046】
これに対し、実施形態1のコリメート光源31の場合には、コリメートレンズアレイ32がクサビ状をしているので、導光板の厚みが薄くなっても入光面35の厚みを光源33の出射窓の高さよりも大きくすることができる。そのため、
図11Aに示すように、光源33から出射する光の漏れが小さくなり、光の利用効率が向上する。また、発光色の異なるLEDチップ51G、51R、51Bを厚み方向に配列していても、いずれの発光色の光も入光面35から漏れにくくなるので、コリメートレンズアレイ32に入射する光の色バランスが崩れて出射光が色づくのを防ぐことができる。
【0047】
また、入光面35は、
図10Aのような構造を有しているので、入光面35から入射する光は拡散パターン領域37によって幅方向へ広げられる。すなわち、光源33から出射される光は、光源33の前方では輝度が高く、左右斜め方向では輝度が低くなっている。しかし、光源33から前方へ出射された光は拡散パターン47によって散乱されるので、入光面35の中央部に入射した光はコリメートレンズ34の端へも送られる。一方、光源33から左右斜め方向へ出射された光は、入光面35の側端部にある平坦面領域45からコリメートレンズ34内に入射する。この結果、コリメートレンズ34内に入射する光の、幅方向における強度分布が均一化される。
【0048】
拡散パターン47の配置は、入光面35を通過した光の強度分布がY軸方向でほぼ均一になるように適宜設計すればよい。実施形態1では、拡散パターン領域37の中央の領域46aは、拡散パターン領域37の両端部の領域46bよりも拡散パターン密度が小さくなっており、コリメートレンズ34から出射する光の強度が中心部(光源33のまっすぐ前方)で小さくなり過ぎないようにしている。
【0049】
こうしてコリメートレンズ34内に入射した光線L3は、
図11Aに示すように、コリメートレンズ34の裏面40aと表面40bで全反射しながら導光し、出光面36から出射する。第1光屈折面42は凸レンズとして働くので、この光線L3のうち第1光屈折面42の中央部に入射した光線L3aは、
図12Aに示すように、貫通孔39を通過する際に、第1光屈折面42で屈折して平行光化される。そして、第2光屈折面43の平面43aをそのまま透過し、出光面36からX軸方向で平行光化された光線L3aが出射される。
【0050】
また、第1光屈折面42の端部に入射した光線L3bは、
図12Bに示すように、貫通孔39を通過する際に、第1光屈折面42で屈折して平行光化される。しかし、第1光屈折面42で平行光化された光線はX軸方向から傾いているが、第2光屈折面43の傾斜面43bで屈折することによってX軸方向と平行な方向へ曲げられ、出光面36から平行光化された光線L3bが出射される。
【0051】
また、貫通孔39から外れた方向へ導光された光線L3cは、
図12Aに示すように光反射壁38に入射し、光反射壁38で全反射されて平行光化され、出光面36から平行光化された光線L3cが出射される。このようにして、出光面36のほぼ全体から出射される光の大部分が平行光化される。
【0052】
なお、貫通孔39の両側面44は、光反射壁38とほぼ平行に傾斜しているので、光反射壁38へ向かう光を妨げにくくなっている。また、円弧状の第1光屈折面42の端における傾斜が出光面と直交する方向に近づくにつれて、第1光屈折面42の端に入射する光が全反射してロス光となる割合が増加するので、第1光屈折面42の端の形状は全反射ロスがないような緩やかな傾斜となるようにしている。
【0053】
このような構造のコリメートレンズ34では、光反射壁38と貫通孔39の位置関係によっては、
図13Aに示すように、貫通孔39にも光反射壁38にも当たらないままで出光面36から出射する光線L4が生じることがある。たとえば、上記寸法例のコリメートレンズ34の場合では、X軸方向に対して20−32度の角度をなす方向へ出射された光は、貫通孔39にも光反射壁38にも当たらないまま出光面36から出射される。このような光は出射方向を制御することができないので、このような非制御光が発生すると、隣合った光源33を異なる色で発光させたとき、導光板内において異なる色の光が混じりあってしまい、演色性が損なわれる。
【0054】
このような場合には、
図13Bに示すように、コリメートレンズ34の幅を大きくして(たとえば、前記寸法例では、幅Wを10.8mmから11.8mmに広げる。)光反射壁38の端が出光面36により近くなるようにし、光源33の出射窓の端から出た光線のうち貫通孔39に接する光線が光反射壁38で反射されるようにすればよい。こうすれば、非制御光の発生を抑制し、上記のような光線L4も平行光化することができる。また、光反射壁38や貫通孔39の形状を設計変更することによって非制御光を抑制できるようにしてもよい。
【0055】
図14は、光源33から出射される光線の軌跡をシミュレーションしたものである。この図からは、出光面36から出射される光が、完全な平行光ではないにしても、かなり良く平行光化されていることが分かる。
【0056】
図15は本発明の実施形態1による面光源装置61を示す斜視図、
図16は面光源装置61の平面図である。この面光源装置61は、導光板62と、実施形態1の上記コリメート光源31からなる。導光板62は、屈折率の高い透明樹脂によって射出成形されており、光入射端面63cから入射した光を導光させ、裏面63aの適宜箇所に設けた光出射パターンで光を反射させることによって光出射面63bから光を出射させるものである。
【0057】
コリメートレンズアレイ32と導光板62は、同じ屈折率を有する透明樹脂の成形品である。コリメートレンズアレイ32は、その出光面36と導光板62の光入射端面63cとの間に空気を挟み込まないように密着させて、導光板62の光入射端面63cに接合されている。たとえば、コリメートレンズアレイ32の出光面36を、コリメートレンズアレイ32及び導光板62と同じ屈折率の透明な紫外線(UV)硬化型の光学用接着剤を用いて導光板62の光入射端面63cに接着している。あるいは、コリメートレンズアレイ32の出光面36を、コリメートレンズアレイ32及び導光板62と同じ屈折率の光学用オイルを用いて導光板62の光入射端面63cに貼り付けてもよい。
【0058】
よって、この面光源装置61にあっては、コリメート光源31から出射されたほぼ平行光化された光は、光入射端面63cから導光板62内に入射する。導光板62内に入射した光は、導光板62内をほぼX軸方向に沿って導光され、各コリメート光源31の前方を個々に発光させる。たとえば、各光源33を異なる色に発光させると、導光板62は各色で区分的に発光するので、面光源装置61に演色性や演出性を持たせることができる。
【0059】
また、この面光源装置61では、光を平行光化するための貫通孔39が入光面35と出光面36の中間に設けられているので、コリメート光源31を面光源装置61に接合させて一体化しても貫通孔39の形状が損なわれない。そのため、従来例のような輝度むらを解消させることができる。
【0060】
図17は、いずれかの光源を点灯させ、点灯している光源の前方(たとえば、
図16のE部分)における導光板端部での指向特性を測定した結果を示す図である。横軸は、X軸方向から測った角度を示し、縦軸は輝度を示す。また、破線は
図3の従来例の場合を示し、実線は実施形態1の面光源装置61の場合を示す。
図17によれば、従来例も実施形態1の場合もほぼ同様な指向特性を示し、幅方向における指向性半値角は約6度となっている。
【0061】
図18は、隣り合う光源を点灯させ、点灯している光源の中間の前方(たとえば、
図16のF部分)における導光板端部での指向特性を測定した結果を示す図である。横軸は、X軸方向から測った角度を示し、縦軸は輝度を示す。また、破線は
図3の従来例の場合を示し、実線は実施形態1の面光源装置61の場合を示す。
図18から分かるように、従来例の場合には±10度あたりに2つの大きな輝度のピークを示し、顕著な輝度むらが見られる。これに対し、実施形態1の場合には、X軸方向(角度0°)のピークの両側にもピークが見られるが、従来例に比較してかなり小さくなっていて輝度むらが低減されている。
【0062】
図19Aは、
図3のような従来例の面光源装置において、導光板の端部における発光時の輝度分布を表した図(導光板の写真に光源とコリメートレンズを書き加えたもの)である。また、
図19Bは、本発明の実施形態1の面光源装置61において、導光板の端部における発光時の輝度分布を表した図(導光板の写真に光源とコリメートレンズを書き加えたもの)である。
図19A及び
図19Bに示す観察領域は、いずれも幅方向(Y軸方向)がコリメートレンズ2個分(21.6mm)の幅で、長さ方向(X軸方向)が光入射端面から測って45mmの長さの矩形領域である。
【0063】
光入射端面から測って30mm以下の領域では、
図19Aより求めた従来例の輝度むらは約50%であるのに対し、
図19Bから求めた実施形態1の輝度むらは約80%となっており、実施形態1により輝度むらが改善されている。また、光入射端面から測って30mm以上の領域では、
図19Aより求めた従来例の輝度むらと、
図19Bから求めた実施形態1の輝度むらは、いずれも約80%となっている。これは、光入射端面から30mm以上の領域では、もともと従来例でも輝度むらが大きくないためである。なお、ここでいう輝度むらとは、
〔(最小輝度)/(最大輝度)〕×100%
で定義されるものである。
【0064】
図20は、
図19A及び
図19Bに基づいて、光入射端面から10mmの位置において、Y軸方向に沿った輝度の変化を求めたものである。横軸は、コリメートレンズ2個分におけるY軸方向の位置を示し、縦軸が輝度を示す。また、破線は
図19Aに基づいて求めた従来例の輝度分布を示し、実線は
図19Bに基づいて求めた実施形態1の輝度分布を示す。この
図20からも、本発明の実施形態1による輝度むらの改善効果は明らかである。
【0065】
つぎに、色むらについていうと、従来例においては、貫通孔22の中央部で開口長さDが4mm程度あったのに対し、実施形態1では、貫通孔39の中央部で開口長さDが1mm程度まで狭くすることができるので、従来例に比べて実施形態1では貫通孔39からの光の漏れを少なくでき、それによって色むらの発生を抑制することができる。
【0066】
(実施形態2)
図21Aは、本発明の実施形態2によるコリメート光源71を示す平面図である。
図21Bは、コリメート光源71の断面図である。このコリメート光源71は、1つの光源33と、1つの独立したコリメートレンズ34によって構成されている。この実施形態2のコリメートレンズ34も、実施形態1のコリメートレンズアレイ32の一部を構成するコリメートレンズ34と同じ形状及び構造を有しているので、詳細は省略する。ただし、実施形態2のコリメートレンズ34では、光反射壁38が入光面35の両端から出光面36まで延びている点で、実施形態1のコリメートレンズ34と異なっている。
【0067】
図22は、本発明の実施形態2による面光源装置72の平面図である。この面光源装置72では、導光板62の光入射端面63cに沿って複数個のコリメート光源71が配列されており、各コリメート光源71のコリメートレンズ34の出光面36が導光板62の光入射端面63cに接合されている。
【0068】
実施形態2のような面光源装置72では、各コリメートレンズ34が独立しているので、コリメートレンズ34内の光が隣接するコリメートレンズ34内へ漏れて異なる色の光が混じり合うのを防ぐことができる。
【0069】
(実施形態3)
図23は、本発明の実施形態3による面光源装置81を示す平面図である。この面光源装置81では、実施形態1で説明したような構造を有する複数個のコリメートレンズ34(コリメートレンズアレイ32)と導光板62を射出成形により一体成形している。
【0070】
また、この面光源装置81では、コリメートレンズ34と導光板62を側面から見た場合、光反射壁38の入光面35から遠い側の端(
図23に示すJ点)は、貫通孔39の入光面35から遠い側の端(
図23に示すK点)よりも入光面35から遠くに位置している。このような構成によれば、貫通孔39を通過しない光をより確実に光反射壁38で前方へ向けて反射させることができる。
【0071】
この面光源装置81では、複数個のコリメートレンズ34と導光板62を一体成形しているので、組み立てる手間が省けて量産性が向上する。また、コリメートレンズ34と導光板62との間に位置ずれが発生する恐れもない。