【実施例1】
【0025】
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、
図1〜
図5を参照して説明する。この遊技機1は、
図1〜
図3に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。また、
図1に示すように、本遊技機1は「カード式の弾球遊技機」と称される所謂「CR機」であり、その左端側に配設されたCRユニット80とともに遊技機システム80Sを構成している。
【0026】
更に、本遊技機1は所謂「封入球式の遊技機」であり、当該遊技機1に予め封入された遊技球を循環させて遊技を行う。また、本遊技機1では、CRユニット80への現金の投入や予め度数が記憶されたカードを挿入すること等によって生ずる遊技価値情報(入金額情報)を、「遊技に使用可能な遊技球数を示す持ち球数に関する情報」に変換する。そして、この変換した情報に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能とされるとともに、発射した遊技球数に応じて持ち球数が減算され、発射された遊技球が入賞すると所定球数が持ち球数に加算される構成となっている。ここで、本遊技機1において「使用予定の遊技球」は、非磁性体を用いて構成されているため、磁石等によって吸引されることはない。
【0027】
外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、
図1〜
図3に示すように、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
【0028】
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4の下部に配置された膨出部5と、遊技盤10(
図2及び
図8を参照)と、裏機構盤102(
図3を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、
図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、前面枠4は「前扉」の具体例を構成する。また、
図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。
【0029】
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、
図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3M(
図2を参照)を備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の裏面部10Gに当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。また、
図2に示すように、本体枠3の左端上方側には、後述する誘導レール70を挿通するための挿通孔3Pが設けられている。
【0030】
図2に示すように、本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の表面部10Fに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(
図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
【0031】
図2に示すように、本体枠3の右端部の上下2カ所には貫通孔3g、3hが設けられている。これらの貫通孔3g、3hには、前面枠4を本体枠3に対して施錠するための係合部7K、7Kが挿入されている。また、貫通孔3g、3hは上下に長尺に構成され、係合部7K、7Kは貫通孔3g、3hに挿入されつつ上下動可能とされている。更に、本体枠3の前面部右上部には前面枠スイッチ4sが配設されている。この前面枠スイッチ4sは前面枠4の開閉状態(開放動作)を検知するための検知手段である。また、本体枠3の前面部であって、貫通孔3g、3hの側方に位置する部位には解錠阻止装置7Sが配設されている。なお、前面枠スイッチ4sおよび解錠阻止装置7の詳細に関しては後述する。
【0032】
前面枠4は、
図3〜
図5に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略長円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略卵形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
【0033】
前面枠4は、
図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(
図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1は、遊技に使用する遊技球を当該遊技機1内に封入するタイプであるため、遊技球を遊技者に対して露呈した状態で貯留する部材(皿部材)を有していない。また、
図5に示すように、枠本体41の後面部であって開口部41aの右側方に位置する部位には、上下に間隔をおいて2つの係合突起4K、4Kを備える。これらの係合突起4K、4Kは枠本体41の後面部から突出するとともに略L字状の板状体を用いて構成され、突端部を枠本体41の右側方に向けている。また、前面枠4の裏面部において、前述の前面枠スイッチ4sの配設位置と位置合わせされる箇所には、押圧突起4Xが突出している。
【0034】
図1に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、膨出部5の裏側には、球貸表示基板410(
図27参照)及び演出ボタン基板228(
図27参照)が設けられ、膨出部5の上面部には「演出ボタンSW」と、表示装置5aが配置されている(
図1〜
図3を参照)。
【0035】
図1に示すように、主要部の右端側には発射ハンドル9が設けられている。この発射ハンドル9は、遊技盤10の裏面部側に配置された発射装置8m(
図4及び
図5を参照)に電気的に接続されている。ここで、所定のブラケット(図示を省略)を用いて、遊技盤10の裏面部において上端側でかつ左端側に位置する部位に装着されている。この発射装置8mは、球循環機構(後述する。)を経て、その鉛直上方に到達し、球送り装置75(後述する)を用いて送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。
【0036】
この発射装置8mは、プランジャ型ソレノイドを用いて構成され、内蔵されたソレノイドへの通電によって、内蔵された可動鉄芯と接続された打撃槌(プランジャ)8nの突端部が原点位置から突出位置に移動するように、打撃槌(プランジャ)8nが突出する(
図11及び
図12を参照)。これにより、打撃槌(プランジャ)8nの突端部が誘導レール70(後述する。)の遊技球に打撃力を加えるため、遊技球が遊技領域11に向けて発射される。また、発射ソレノイドへの通電を停止すると、内蔵された復帰スプリングの付勢力によって、打撃槌(プランジャ)8nの突端部を原点位置に戻すように後退する(
図11及び
図12を参照)。
【0037】
本遊技機1では、発射ハンドル9の回転角度に応じて可変抵抗器(図示を省略)が調整され、発射装置8mの発射ソレノイドの励磁電流が変化する。つまり、発射ハンドル9はバネを用いて基準回転位置に付勢されているが、発射ハンドル9を右回転方向に回転させると、打撃槌(プランジャ)8nが遊技球に打撃力が加える動作を行う。この際、発射ハンドル9を右回転方向への回転量が多くなるほど、打撃槌(プランジャ)8nが遊技球に負荷する打撃力が大きくなる。
【0038】
発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を出力し、遊技者が発射ハンドル9に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を出力する。また、発射停止スイッチ9bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を出力する。
【0039】
本遊技機1では、遊技者が発射ハンドル9に触れており(タッチスイッチ9aが接触検知信号を出力しており)、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作していない(発射停止スイッチ9bが発射非停止信号を出力している)とともに、発射ハンドル9が必要量回転操作されると、遊技領域11に遊技球が発射される。一方、遊技者が発射ハンドル9に触れていない(タッチスイッチ9aが接触非検知信号を出力している)か、或いは、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作している場合(発射停止スイッチ9bが発射停止信号を出力している場合)、遊技領域11に遊技球が発射されることはない。
【0040】
図6に示すように、施錠装置7は、上下に長尺に構成されつつ本体枠3の裏面部に装着された支持部7Aと、支持部7Aによって上下動可能な状態に支持された前面枠施錠部7Bを備える。なお、施錠装置7は、本体枠3を外枠2に対して施錠するための本体枠施錠部(本体枠の施錠構造)等も備えるが、本実施例では、それらの図示と説明を省略する。
【0041】
前面枠施錠部7Bは、上下に長尺な略帯板状に構成されるとともに、支持部7Aとの間に介在されるバネ部材(図示を省略)によって上方に付勢されている。また、前面枠施錠部7Bは、その前端面から略フック形状の係合部7Kを突出させている。また、係合部7Kは、導入部7Mと係合本体部7Nとを前方から後方に、この順で備えている。このうち、導入部7Mでは、その上端面7Rを前端部に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」としている。また、係合本体部7Nは、導入部7Mに比べて凹んだ、係合用凹部7Pを用いて構成されている。
【0042】
本体枠3に対して開状態(以下、「開放状態」という。)にある前面枠4を、本体枠3に対して閉状態(以下、「閉鎖状態」という。)にすると、
図6(a)、(b)、
図7(a)に示すように、上下の係合部7K、7Kが係合突起4K、4Kに係合し、前面枠4は本体枠3に施錠される。つまり、前面枠4を開放状態から閉鎖状態に変化させる途中に、
図6(a)および(b)に示すように、上方の係合突起4Kは上方の係合部7Kに近づき、下方の係合突起4Kは下方の係合部7Kに近づく。そして、
図6(a)に示すように、前面枠4の閉鎖方向への回転量が所定量となると、上方の係合突起4Kの下端部4Dが上方の導入部7Nの上端面7Rに当接し、下方の係合突起4Kの下端部4Dが下方の導入部7Nの上端面7Rに当接する。
【0043】
更に、
図6(b)に示すように、前面枠4の閉鎖方向への回転量を増やすと、上方の係合突起4Kの下端部4Dが上方の導入部7Mの上端面7Rを摺動し、下方の係合突起4Kの下端部4Dが上方の導入部7Mの上端面7Rを摺動する。このとき、導入部7Mの上端面4Rは、前方に向かう「下り傾斜面」とれているため、前面枠4の閉鎖方向への回転量を更に増やし、前面枠4が閉鎖状態に近づくことで、係合部7K(前面枠施錠部7B)は下方に押圧される。つまり、前面枠施錠部7Bは、バネ部材の付勢力に対抗しつつ下方に移動(スライド)する。そして、各係合突起4Kが対応する導入部7Mを乗り越えたところで、係合部7K、7K(前面枠施錠部7B)はバネ部材の付勢力によって上昇し、係合部7Kが係合突起4Kに係合し、前面枠4が本体枠3に対して施錠された状態となる{
図7(a)を参照}。
【0044】
一方、前面枠4を解錠する場合、所定の鍵を用いて施錠装置7を操作し、前面枠施錠部7B(7K、7K)をバネ部材の付勢力に対抗しつつ下方に移動させ、係合部7Kの係合突起4Kに対する係合を解除する。この状態で、前面枠4を手前に引くと、前面枠4を本体枠3に対して開放状態とすることができる。なお、図示を省略するが、施錠装置7の鍵孔に鍵を差し込み、当該鍵を第1の回転方向に回転操作すると、施錠装置7が備えるカム機構によって前面枠施錠部7Bが下方に押圧され、前面枠4が解錠される。また、施錠装置7の鍵孔に鍵を差し込み、当該鍵を第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転操作すると、施錠装置7が備えるカム機構によって本体枠施錠部が上方に押圧され、本体枠3の外枠2に対する施錠が解除される。
【0045】
但し、本遊技機1は、前面枠4の解錠を阻止するための解錠阻止装置7Sを備える。この解錠阻止装置7Sは、
図7(b)に示すように、解錠阻止装置7Sは、
図7(b)に示すように、プランジャ型ソレノイドを用いて構成され、外郭7U体に設けられた軸受(図示を省略)によって移動可能に支持されたプランジャ7Tと、外郭体7Uの内側においてプランジャ7Tの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、プランジャ7Tの外郭体からの突出量が多くなるように付勢する付勢手段(コイルバネであって、図示を省略する。)とを備える。そして、ソレノイドコイルへの通電を行わないときに、プランジャ7Tは付勢手段の付勢力によって、外郭体7Uからの突出量を最大し、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ7Tへ、電流に比例した大きさの牽引力が与えられる。このため、プランジャ7Tは付勢手段の付勢力に対抗しつつ外郭体7Uからの突出量を最小とする。つまり、
図7(b)に示すように、ソレノイドコイルへの通電を行わないときに、プランジャ7Tの突端部の位置が突出位置となり、係合部7Kの真下にプランジャ7Tが位置するなるため、施錠装置7に対して前面枠4を解錠するための解錠操作を施すことができない。一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、プランジャ7Tの突端部の位置が待避位置となり、係合部7Kの真下にプランジャ7Tが存在しなくなるため、施錠装置7に対して前面枠4を解錠するための解錠操作を施すことができる。そして、本遊技機1では、前面枠4の解錠を許容する状態である場合には、プランジャ7Tの突端の位置が突出位置とされる。
【0046】
次に、前面枠スイッチ4sについて説明する。この前面枠スイッチ4sは「ON・OFF信号」を出力可能な「リミットスイッチ」を用いて構成されている。つまり、
図7(c)に示すように、この前面枠スイッチ4sは、支持体4tと、プランジャ4pと、プランジャ4pを前方に付勢するための付勢手段4v(バネ)と、を備えている。このうち、支持体4tは蓋付きの略円筒形状に構成され、開口部を後方に向け、蓋部41tを前方に向けた状態で本体枠3の前面部右上部に配設されている。また、プランジャ4pは、「蓋部41tを貫通する状態に形成された貫通孔4q」に挿通され、前後に向けられた軸心に沿って前後に進退可能とされている。また、このプランジャ4pに押圧力が加わらない場合には、付勢手段4vの付勢力によって前方に付勢された状態とされる。このとき、プランジャ4p側の接点が、支持体4tに設けられた接点に当接して、「ON信号」を出力する。一方、このプランジャ4pが後退し、両接点が離れると「OFF信号」を出力するものとされている。
【0047】
具体的には、前面枠4を本体枠3に対して閉鎖状態とするための動作を施すと、前面枠4の押圧突起4Xがプランジャ4pを後方に押し込む(
図4を参照)。このとき、前面枠スイッチ4sから「OFF信号」が出力されるため、パチンコホール側は、当該遊技機1(OFF信号の発信元)の前面枠4が閉鎖状態にあることを確認することができる。一方、閉鎖状態にある前面枠4に開放動作が施されると、前面枠4の押圧突起4Xの前面枠スイッチ4sに対する押圧が解除される(
図5を参照)。これにより、プランジャ4pが前方に移動するため、前面枠スイッチ4sから「ON信号」が出力される。よって、パチンコホール側は、当該遊技機1(ON信号の発信元)の前面枠4に開放動作が施されていることを認識することができる。
【0048】
次に、CRユニット(カード処理ユニット)80について説明する。このCRユニット(カード処理ユニット)80は、
図1に示すように、遊技機1の左端側に配設されつつ、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に設置されている。また、CRユニット80は、
図27及び
図28に示すように、遊技機1に電気的に接続され、この遊技機1と送受信可能な状態とされている。このCRユニット80は、上下方向に長尺に構成され、紙幣挿入口81と、カード出入口84とを前面側に開口させている。ここで、紙幣挿入口81への紙幣の挿入と、カード出入口84へのカード(但し、度数残高情報が記憶されたカード)の挿入と、のうちの少なくも何れかが行われると、CRユニット80に挿入(投入)された価値残高(有価残高)が残高表示部5r(
図1を参照)に表示される。この際、残高表示部5rには、価値残高(有価残高)が最大3桁の算用数字で表示される。
【0049】
残高表示部5rに必要な残高が表示されている場合に「貸出ボタン5c(
図1及び
図3を参照)」を押すと、1回の操作(つまり、貸出操作)で有効な度数(例えば、5度)分の個数(例えば、125個であって、1度分の基準個数の5倍である。)の遊技球が貸出球(後述する。)とされる。そして、1度分の基準個数の遊技球の貸出が完了する毎に、CRユニット80(度数残高情報が記憶されたカード)に記憶されている度数残高が貸出個数に応じて書き換えられ、その度数残高が残高表示部5rに表示される。
【0050】
ここで、CRユニット80は、
図29に示すように、制御手段80Aと、記憶手段80Bと、カードリーダ80Cと、カード収納部80Dと、カード搬送繰出機構部80Eと、通信制御部80Fとを備える。このうち、通信制御部80Fは、CRユニット80と他の機器(本遊技機1、島コンピュタ等)との間の間で通信の制御を行うための処理部である。また、制御手段80AはCRユニット30の全体の制御を司り、記憶手段80Bは制御手段80Aによる各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納している。また、カードリーダ80Cは、カード出入口84に挿入されたプリペイドカードに記録された情報を読み込み、この読み込んだ情報を制御手段80Aに出力する。
【0051】
カード収納部80Dは、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部である。そして、遊技者がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、予め複数のプリペイドカードを収納している。例えば、遊技者が、紙幣挿入口81に紙幣を挿入すると、一枚がカードリーダ80Cの位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。また、カード搬送繰出機構部80Eは、プリペイドカードの搬送や繰出を行う機構部である。つまり、(i)カード出入口84から挿入されたプリペイドカードをカードリーダ80Cに搬送すること、(ii)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード収納部80Dに搬送すること、(iii)カード収納部80Dに収納されたプリペイドカード(残度数が価値付けられていないプリペイドカード)をカードリーダ80Cに繰り出すこと、(iV)カードリーダ80Cに保持されたプリペイドカードをカード出入口84に繰り出すること、を行う装置である。
【0052】
このCRユニット80では、度数残高が残高表示部5rに表示された状態で、返却ボタン5q(
図1及び
図3を参照)を押すと、カード出入口84からカード(度数残高情報が記憶されたカード)が排出される。つまり、このCRユニット80は、プリペイドカードの残度数が「0」でない場合、返却ボタン5qの押下操作に基づく返却要求を受け付ける。そして、この返却要求を受け付けると、制御手段80Aはカード搬送繰出機構部80Eに対してプリペイドカードの返却指示を行う。これにより、この返却指示に係るプリペイドカードは、カード出入口84から排出される。尚、本遊技機システムSでは、度数残高が「ゼロ」の場合、カードは排出されないが、排出されるものとしてもよい。
【0053】
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成等について
図8等を用いて説明する。この遊技盤10は遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(盤面レール12、メイン役物装置20等)等を備える。なお、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。また、遊技盤10は本体枠3に保持されつつ表面部(前面部)10Fを前方に向け、裏面部(後面部)10Gを後方に向けて配置される(
図3を参照)。
【0054】
遊技盤本体10Aは、正面視で略矩形状の合板を用いて構成されるとともに、左上の角部が切り欠かれ、後述する誘導レール70を挿通するための挿通部10Vを構成している。また、遊技盤本体10Aの表面部10Fには、帯状の金属板を用いて構成される盤面レール12が略U字状の経路を描く状態に配設されている。そして、遊技盤本体10Aの表面部10Fにおいて、盤面レール12を用いて構成される略U字状の壁体に取り囲まれた部位(領域形成部10B)が、遊技球が流下する遊技領域11とされている。また、遊技盤本体10Aの表面部10Fにおいて、遊技領域11の外側に位置する部位が領域外部10Cとされている。そして、本遊技機1においては、遊技領域11が上方に開口する略U字に構成され、上端部に横方向に幅の広い球進入口11Sを形成している。
【0055】
図8に示すように、領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、情報表示装置60と、2個の一般入賞装置45、46と、多数の障害釘(
図6では図示を省略)と、風車19等が配設されている。
【0056】
図8に示すように、メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。
【0057】
図8に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが設けられ、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部21Aが前方に突出する状態に装着されている。この装飾部21Aは取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
【0058】
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
【0059】
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入賞する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。
【0060】
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、本実施例では、情報表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が演出図柄を用いて図柄変動演出を行う。ここで、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。
【0061】
演出表示装置27の表示画面27aは、
図9(a)に示すように、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、表示画面27aの略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)や背景色(画面の地色)等を表示した状態とされる。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが設けられる。この演出図柄表示領域27bでは、演出図柄が横方向若しくは縦方向等に3つ並んで表示され、それら「演出図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(キャラクタ図柄)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。そして、これら「演出図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。なお、演出図柄表示領域27bにおいて「演出図柄」を変動表示しているときには、演出図柄表示領域27bを透かした状態で、背景図柄や背景色が視認可能となる。そして、これら「演出図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出」や「大当り演出」が実現される。
【0062】
また、
図9(a)に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。
【0063】
図9(a)に示すように、表示画面27aの縁部側には第1保留表示領域27Dと、第2保留表示領域27Eが設けられる。このうち、第1保留表示領域27Dでは、第1始動入賞装置17aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)が、「4個」を上限個数として表示され、第2保留表示領域27Eでは、第2始動入賞装置17bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)が「4個」を上限個数として表示される。そして、何れの保留表示領域27D、27Eも、始動入賞装置17a、17bへの入球に基づき取得されたが、未消化(処理条件が未成立)の入球情報(判定用乱数値)の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の入球情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示さる。なお、「入球情報の処理条件」は、入球情報を用いて当否判定(判定)や変動表示等の処理を開始する条件を指し、入球情報記憶手段(後述する第1判定用乱数値メモリや第2判定用乱数値メモリ)に記憶されたが、処理条件が未成立の入球情報の数が「保留数」である。なお、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞」と称し、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞」と称することがある。
【0064】
図8に示すように、第1始動入賞装置17aは非可変式の始動入賞装置であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させたポケット形状を備えている。また、第1始動入賞装置17aの開口部(遊技球受入口)の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。なお、第1始動入賞装置17aの内部には遊技球の通過を検知する第1始動口入球検知スイッチ17s(
図27参照)が配置されている。
【0065】
図8に示すように、第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、メイン役物装置20の右側方において、遊技盤10の表面部10Fに装着され、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17e、17fが開閉するべく形成されている。つまり、第2始動入賞装置17bは、この一対の可動翼片17e、17fを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(
図27参照)を備えている。また、第2始動入賞装置17bの内部には、第2始動入賞装置17bに入賞した遊技球を検知するための第2始動口入球検知スイッチ17tが配置されている(
図27参照)。
【0066】
そして、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行わないと、一対の可動翼片17e、17fが立設状態(
図8の実線を参照)とされる。これにより、一対の可動翼片17e、17f間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入球可能性が低い閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行うと、一対の可動翼片17e、17fが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し(
図8の破線を参照)、遊技球の入球可能性が高くなる開放状態(第2の態様)となる。ここで、本遊技機1では、第2始動入賞装置17bが第2の態様となる頻度が通常よりも高くなる高頻度状態を発生させる高頻度状態発生手段を備えており、この高頻度状態を第2始動入賞装置17bの開放時間を延長すること(遊技状態を開放延長状態とすること)で達成している。そして、遊技状態が開放延長状態である場合には、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、非開放延長状態(通常開放状態)である場合には、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。
【0067】
なお、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1の態様)になると、一対の可動翼片17e、17fの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部が形成されるが、この空間部の鉛直上方に障害部材や他の入賞装置(第1始動入賞装置17aや一般入賞装置45,46等)を配置し、空間部に向かって遊技球が進入することを妨げることとしてもよい。この場合、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1の態様)にあるとき、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球することが不可能され、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2の態様)になることで、第2始動入賞装置17bに遊技球が入球することが可能とされる。
【0068】
図8に示すように、第2始動入賞装置17bの左斜め下方には大入賞装置31が配置されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部で開口する大入賞口(可変入球口)31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(
図27参照)と、大入賞装置31に入球した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(
図27参照)とを備えている。
【0069】
この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞口31aへの遊技球の入球が不可能な状態(入球不能状態)となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるため、大入賞口31aへの遊技球の入球が可能な状態(入球可能状態)となる。このとき、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
【0070】
図8に示すように、情報表示装置60はメイン役物装置20の左斜め下方に配置されている。この下部表示装置60は、
図9(b)に示すように、遊技盤本体10Aの表面部10Fに取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
【0071】
図8(b)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは「第1始動入賞」に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると当否判定(第1当否判定)の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。また、第2特別図柄表示部62bでは「第2始動入賞」に基づいて第2特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると当否判定(第2当否判定)の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。なお、1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bにおいて表示される当否判定の結果と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
【0072】
普通図柄表示部63は、
図8(b)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。
【0073】
第1特別図柄保留表示部64a及び第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1始動入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を4個上限数として表示するとともに、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2始動入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を4個上限数として表示するとともに、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入球したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
【0074】
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
【0075】
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64b及び普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
【0076】
図8に戻り、2個の一般入賞装置45、46は、メイン役物装置20の左側に配置されている。そして、各一般入賞装置45、46の内部には遊技球の入球を検知するための一般入球検知スイッチ45s、46s(
図27参照)が配設されている。また、遊技領域11の再下部にはアウト口18が設けられ、アウト口18の内部には遊技球の入球を検知するためのアウト口入球検知スイッチ18sが配設されている。また、多数の障害釘は、各盤部品(メイン役物装置20、普通図柄作動ゲート16、第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31、情報表示装置60、一般入賞装置45、46、風車19)との位置バランスを考慮して、遊技領域11に配設されている。
【0077】
c.球発射機構の構成
図10に示すように、本遊技機1の球発射機構は、前述の発射装置8mと、誘導レール70と、発射球貯留部材73と、球送り装置75(
図11を参照)とを備える。
【0078】
誘導レール70は、第1レール71と第2レール72とを備える。このうち、第1レール71は、遊技盤10の裏面部10G側において発射装置8mによって発射された遊技球を、遊技盤10の表面部10Fに誘導するためのレール部材であり、第2レール72は第1レール71が誘導した遊技球を受け取り、遊技領域に向かって落下させて放出するレール部材である。
【0079】
第1レール71は軸心を略U字状に湾曲させた筒体(例えば、円筒管)によって構成され、所定のブラケット(図示を省略)を用いて遊技盤10若しくは本体枠3に支持されている。この第1レール71の始端部(遊技球を受け入れる側の端部)71aは、遊技盤10における裏面部10Gの上方側左端の後方に配置され、第1レール71の終端部(遊技球を排出する側の端部)71bは、遊技盤10における前面部10Fの上方側左端の前方に配置されている。
【0080】
図11に示すように、第1レール71の始端部71aの底部(内壁の底部)71cは段差状に低くされ、後述する球送り装置75から1球ずつ送り出される遊技球を受け取る球受取部71dを構成する。そして、球受取部71dは遊技球の発射位置を構成する。また、第1レール71には、球受取部71dに遊技球が保持されていることを検出するためのセンサ71sが配置されている。このセンサ71sとしては、発光部と受光部とを備える光学センサを例示できる。更に、第1レール71において球受取部71dの右側に位置する部位には、中心部に貫通孔71yを備える略リング状の端壁71xが設けられている。
【0081】
発射装置8mは端壁71xの右側に配置されるとともに、発射装置8mを構成する打撃槌(プランジャ)8nの軸心の延長線が、貫通孔71yの中心位置と、第1レール71における始端部71a側の軸心位置と、を通過している。そして、発射装置8mに内蔵されたソレノイド(図示を省略)への通電が停止され、打撃槌(プランジャ)8nの突端部が原点位置にあると、
図11に示すように、打撃槌(プランジャ)8nの突端部は端壁71xの右側に位置する状態とされる。また、発射装置8mに内蔵されたソレノイドへの通電を行い、打撃槌(プランジャ)8nの突端部を原点位置から突出位置に移動させると、
図12(a)に示すように、この突端部は端壁71xの貫通孔71yを通過して端壁71xの左側に突出する。このように、打撃槌(プランジャ)8nの突端部が突出位置に移動したとき、球受取部71dに遊技球が保持されていれば、この遊技球には打撃力が加えられる。なお、以下の説明において、第1レール71の底部(内壁の底部)のうち、球受取部71dの除く部位を以下、転動底部71eと称する。なお、発射装置8mは「発射手段」の具体例を構成する。
【0082】
図11に示すように、第1レール71において球受取部71dと上下に対向する部位(球受取部71dの鉛直上方)には、球送り装置75が接続される接続口71wが設けられている。また、第1レール71において、球受取部71dと近接する部位には、球受取部71d(発射位置)から発射された遊技球を検知するための発射検知スイッチ71tが配置されている。この発射検知スイッチ71tとしても、発光部と受光部とを備える光学センサを例示できる。なお、球受取部71dによって「発射位置」の具体例が構成される。
【0083】
第1レール71の転動底部71eのうち、球受取部71dの左側に位置する部位の高さ位置は、球受取部71dの高さ位置よりも僅かに高く(例えば、約2mm高く)されているため、球受取部71dに保持された遊技球が何の理由もなく(発射装置8mで発射されることなく)、転動底部71eに移行することが防止されている。また、転動底部71eは、第1レール71の終端部71bに向かって下り傾斜となる下り傾斜面とされている。なお、本実施例では、
図12(b)に示すように、第1レール71を略管状(略円筒状)に構成する態様を例示するが、第1レール71を上方に開口する略樋形状に構成してもよい。また、
図12(c)に示すように、第1レール71を、側方に開口部を備える略樋形状に構成するとともに、この開口部を遊技盤10の裏面部10Gや遊技盤10の側端面に装着されるブラケット等で封止する構成(第1レール71と、その開口部を封止する部材とで、略トンネル構造を構成)する態様を例示することもできる。このように、本実施例では、第1レール71を略管状若しくは開口部が封止された略樋形状に構成を例示するが、これらの構成によると第1レール71を通過する遊技球が、遊技盤10の裏面部10G側や遊技盤10の側方において、第1レール71から落下すること(脱落すること)が防止される。
【0084】
第2レール72は、
図10及び
図13に示すように、軸心を略直線状としつつ略L字状の断面を備えるレールである。つまり、第2レール72は、横方向に長尺な略板状に構成される前板部72aと、前板部72aの後面部72cの下端側から後方に突出する突出底部72bとを備える。また、突出底部72bは略台形の断面を有しつつ前板部72aと同一の長手幅を有している。そして、第2レール72は、前板部72aの後面部72cのうち突出底部72bの突出部位よりも上方に位置する部位(以下、上方部位72dという。)と、突出底部72bの上面部72eとで、第1レール71から到達する遊技球を転動させる転動部72Tを構成する。つまり、この転動部72Tは、上方部位72dと上面部72eを用いた略「くの字状の屈曲面」によって構成されている。
【0085】
図15に示すように、第2レール72は、その前面部の両端部側が、前面枠4を構成する枠本体41の後面部に固定されるとともに、第2レール72の大部分が、視認窓41aを通じて前方から視認可能とされている。具体的には、枠本体41の後面部において、視認窓41aの上端寄りに位置する部位の両脇から、取付用突起41m、41nが突出している。そして、第2レール72を構成する前板部72aの前面部における一端側が一方の取付用突起41mに固定され、前板部72aの前面部における他端側が他方の取付用突起41nに固定されている。更に、第2レール72において、視認窓41aの後方に位置する部位が視認窓41aを通じて前方から視認可能とされている。なお、第2レール72の固定方法は特に問わず、接着、ビス止め等を例示できる。また、第2レール72を枠本体41とは別体の取付部材を介して枠本体41やガラス板43等に固定してもよいし、枠本体41やガラス板43等に直接固定してもよい。更に、第2レール72を前面枠4以外の遊技機部品、例えば、本体枠3や遊技盤10に固定することとしてもよい。
【0086】
図14に示すように、前板部72aにおいて取付用突起41m、41nの間に位置する部位721a(
図15を参照)と、ガラス板43の後面部との間には間隙Sが設けられている。また、突出底部72bの突出長dは遊技球の直径(約11mm)の半分以下の長さ(例えば、遊技球の直径の0.35〜0.48倍の長さのうちの何れかの長さ)とされ、上面部72eの最下部と前板部72aの上端部との距離が遊技球の直径よりも短くされている。更に、上面部72eは遊技盤10の表面部10F方向に向かって下る下り傾斜面とされ、突出底部72bの突端部と遊技盤10の表面部10Fとの距離Dは、遊技球の直径(約11mm)を僅かに超える距離(例えば、遊技球の直径の1.05〜1.20倍の距離の何れかの距離)とされている。なお、本実施例では、第2レール72を遊技盤10の前方に略水平に配置し、上面部72eの高さ位置は第2レール72の長手方向に沿って一定としているが、本実施例と異なり、この上面部72eの高さ位置を右方向に向かって徐々に低くしたり、徐々に高くしてもよい。また、第2レール72の軸心を略円弧状とし、上面部72eの高さ位置を第2レール72の長手方向に沿った中間部で最高若しくは最低となるように変化させてもよい。
【0087】
図15に示すように、第2レール72の左右方向に沿った全域が、遊技領域11の上端側の正面前方に位置し、「遊技盤10の裏面部10G側から誘導した遊技球を遊技領域11に向かって落下させて放出する球放出部72k」を構成している。
【0088】
本遊技機1においては、
図5に示すように、前面枠4を開放状態とすると、第1レール71の終端部71bと、第2レール72の始端部72fとは、遊技球の直径を超える距離だけ離間するため、第1レール71から第2レール72への遊技球の受け渡しが不可能となる。一方、
図4及び
図15に示すように、前面枠4を閉鎖状態とすると、第1レール71の終端部71bと、第2レール72の始端部72fとが近接(例えば、遊技球の直径の0.1倍以下の距離に近接)し、第1レール71から第2レール72への遊技球の受け渡しが可能となる。なお、第2レール72の終端部(右端部)には、遊技球が更に右方向に移動することを防止するための返し部材(例えば、返しゴム)72vが装着されている。
【0089】
このように、前面枠4が閉鎖状態にあるとき、球受取部71dに保持されている遊技球Yが発射装置8mを用いて発射されると、
図13(a)及び
図15に示すように、この遊技球Yは転動底部71eを転動した後、第2レール72に到達し、上面部72e上を転動する。そして、この遊技球Yが有している勢いに応じて、遊技領域11の所定の位置に落下して、流下することになる。
【0090】
つまり、打撃槌(プランジャ)8nから負荷された打撃力の大小に応じて、第2レール72の上面部72eに到達した遊技球Yの勢いが異なることになる。そして、遊技球Yの勢いが弱い場合には、球放出部72k(第2レール72)のより左端側に位置する部位から遊技領域11に放出され、遊技球Yの勢いが強い場合には、球放出部72k(第2レール72)のより右端側に位置する部位から遊技領域11に放出される。また、このような遊技球Yの放出は、第2レール72の特徴的な構造を利用して円滑に行われる。
【0091】
具体的には、突出底部72bの突出長dは遊技球の直径の半分以下の長さとされるとともに、突出底部72bの上面部72eが遊技盤10の表面部10F方向に向かって下る下り傾斜面とされている。このため、遊技球Yの勢いが弱い場合(遊技球Yに負荷されている遠心力が弱い場合)、球放出部72k(第2レール72)のより左端側に位置する部位において、上面部72eの下り傾斜を利用して遊技領域11に向かって放出(落下)する確率が高くなる。
【0092】
これに対して、遊技球Yの勢いが強い場合(遊技球Yに負荷されている遠心力が強い場合)、遊技球Yは球放出部72k(第2レール72)のより左端側に位置する部位において、その遠心力を利用して前板部72aに密着するような挙動を示すため、当該「左端側に位置する部位」において、遊技領域11に向かって放出(落下)する確率が低くなる。そして、遊技球Yは球放出部72k(第2レール72)を右方向に移動し、その勢いが低下したところで、遊技領域11に向かって放出(落下)する確率が高くなる。なお、遊技球Yの勢いが強過ぎて、球放出部72k(第2レール72)の右端側に到達した遊技球は返し部材72vに衝突して遊技領域11に向かって放出(落下)されるか、返し部材72vに衝突した後、球放出部72k(第2レール72)を左方向に逆進し、その勢いが低下したところで、遊技領域11に向かって放出(落下)する可能性が高くなっている。
【0093】
本遊技機1では、第1レール71の転動底部71eが、第1レール71の終端部71bに向かって下り傾斜となる下り傾斜面とされているため、球受取部71dから一旦発射された遊技球Yは、第1レール71を球受取部71dの位置まで逆進することはない。そして、第1レール71の終端部に到達した遊技球Yの勢いが弱い場合においても、この遊技球Yは転動底部71eの下り傾斜を利用して、第2レール72に移行することができる。また、レアケースであるが、遊技球Yの勢いが特に強く、当該遊技球Yが返し部材72vに衝突し、球放出部72k(第2レール72)を左方向に逆進して第1レール71に逆進する場合を生じたとしても、この遊技球の勢いは球放出部72k(第2レール72)を左右に移動した際に十分に低下している。そして、この遊技球Yが転動底部71eに到達した時点では、その勢いが十分に低下しているので、遊技球Yは転動底部71eの下り傾斜を利用して、第2レール72に移行し、遊技領域11に向かって放出(落下)される。従って、球受取部71dから一旦発射された遊技球Yが、ファール球となることが防止される。
【0094】
発射球貯留部材73は、発射装置8mによって発射する前の遊技球を貯留するためのものであり、
図16及び
図17に示すように、上方に開口する略容器形状に構成され、上部の開口が蓋体73gで封止されている。また、発射球貯留部材73は、平面形状が略矩形の部材本体73aと、部材本体73aの左端側前方に一体化された球整列部73bとを備える。なお、部材本体73aの左端側前方と、球整列部73bの始端部(部材本体73aの左端側前方と一体化される端部)とは連通した状態とされ、部材本体73aの左端側前方に到達した遊技球は、球整列部73bに進入可能とされている。また、
図5および
図10には、蓋体73gを取り外した状態の発射球貯留部材73が図示され、
図4には蓋体73gを取り付けた状態の発射球貯留部材73が図示されている。また、
図3では発射球貯留部材73の図示を省略している。
【0095】
球整列部73bは、1球の遊技球が通過可能な幅を有しつつ、部材本体73aの左端側前方を起点とする略L字状の経路を描いている。また、球整列部73bの底面731bにおける終端部(部材本体73aの左端側前方と離間する端部)には、遊技球を下方に向かって流出させる流出口732bが開口している。また、流出口732bは、1球ずつの遊技球が順次通過可能な開口面積を備える。
【0096】
ここで、
図16において、部材本体73aの底面部731aに図示した矢印A、Bは、当該底面部731aがこれらの矢印A、Bの方向に向かう下り傾斜を有することを示している。つまり、当該底面部731aが、前方に向かう下り傾斜と、左方に向かう下り傾斜とを有している。このため、部材本体73a内に遊技球は、これらの傾斜を利用して、球整列部73bの始端部に進入しようとする挙動を示すことになる。
【0097】
また、
図16において、球整列部73bの底面部731bに図示した矢印C、Dも、当該底面部731bが、この矢印C、Dの方向に向かう下り傾斜を有することを示している。つまり、当該底面部731bがその始端部側から終端部側に向かう下り傾斜を有している。このため、部材本体73aから球整列部73bの始端部に進入した遊技球は、この傾斜を利用して、球整列部73bの終端部に到達しようとする挙動を示すことになる。そして、流出口732bの開口位置の高さ位置が、球整列部73bの底面部731bにおいて最も低くされているため、球整列部73bの終端部に到達した遊技球は、流出口732bに進入しようとする挙動を示すことになる。
【0098】
更に、
図17に示すように、部材本体73aには、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が下限量に到達したことを検出するための下限センサ73Lと、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達したことを検出するための上限センサ73Hとが設けられている。これらのセンサ73L、73Hとしては、例えば、
図16に示すように、発光部731L、731Hと、受光部732L、732Hとを備える光学センサを例示できる。
【0099】
球送り装置75は、
図11に示すように、外郭体75aと、回転球送部材75bとを備える。そして、回転球送部材75bの回転と回転停止とを遊技球の発射に連動して繰り返すことで、発射装置8mに対して遊技球を間欠的に1球ずつ供給するものである。
【0100】
外郭体75aは、発射球貯留部材73の流出口732bに接続される上部接続口75cを上端に備え、第1レール71の接続口71wに接続される下部接続口75dを下端に備える。また、外郭体75aの内部における上下方向中間部には、回転球送部材75bを回転可能な状態に保持する保持室75eが設けられている。更に、外郭体75aの内部には、上部接続口75cと保持室75eの上端部との間を連絡する流入側通路75fが設けられている。また、外郭体75aの内部には、保持室75eの右側方側端部と下部接続口75dとの間を連絡する流出側通路75gが設けられている。ここで、流入側通路75f及び流出側通路75gの断面は、遊技球の直径よりも僅かに大きな直径(例えば、遊技球の直径の1.2倍よりも小さな直径)を有する円形とされるため、遊技球が1球ずつ順次進入可能とされている。
【0101】
また、流入側通路75fはその経路を鉛直方向に向けるとともに、発射球貯留部材73の流出口732bから流出する遊技球を1球ずつ受け入れ、鉛直下方向に整列させることができる。また、流出側通路75gは円弧状の経路を描きつつ、保持室75eから流出する遊技球を1球ずつ第1レール71の球受取部71dに到達させる流路である。
【0102】
回転球送部材75bは、保持室75e内に回転可能な状態に支持された略円板によって構成されている。この回転球送部材75bの回転軸心は横方向に向けられているとともに、その周方向に180度隔てた2カ所には凹部751e、751eが設けられている。これらの凹部751e、751eは、回転球送部材75bの外周面及び前後面で開口するとともに、回転球送部材75bの半径方向と交差する方向(半径方向とは一致しない方向)に向かって1球の遊技球を受け入れ可能なサイズを備える。また、両凹部751e、751eは、回転球送部材75bの軸心周りに回転対称な形状を備えている。そして、回転球送部材75bは、図示しない球送りモータ8t(
図28を参照)を用いて回転可能とされている。
【0103】
以下、回転球送部材75bの外周面のうち、凹部751e、751eが設けられていない部分を阻止面75p、75pと称する。つまり、回転球送部材75bの外周を辿ると、2個の凹部751e、751eを挟み、2個の阻止面75p、75pを備えることになる。なお、球送りモータ8mはステッピングモータであり、発射制御基板260に接続され(
図28を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、発射制御基板220から送信される制御信号を用いて制御される(
図24を参照)。
【0104】
次に、
図18及び
図19を用いて、球送り装置75の駆動態様について説明する。先ず、
図18(a)は、第1レール71の球受取部71d(発射位置)に遊技球Y1が配置されている状態を示している。つまり、発射装置8mを用いて、遊技球Y1を発射する準備が完了した状態を示している。このとき、発射制御基板260は、センサ71sを用いて球受取部71d(発射位置)に遊技球Y1が配置されていることを検知している。また、回転球送部材75bの回転位置は、何れか一方の阻止面75pで流入側通路75fの下端部を閉鎖(後続する遊技球Y2、Y3等が保持室75e内に進入することを阻止するように閉鎖)する位置となる。
【0105】
次いで、
図18(b)に示すように、発射制御基板260が発射装置8mを駆動して、球受取部71d(発射位置)の遊技球Y1を発射すると、発射制御基板260は球受取部71d(発射位置)に遊技球が配置されていないことを検知する。これにより、発射制御基板260は球送りモータ8tを駆動するが、
図19(a)に示すように、回転球送部材75bを回転(正面視で時計回転方向に回転)させ、何れか一方の凹部751eを流入側通路75fの下端部に連通させた状態となると、後続する1球の遊技球Y2のみが、凹部751eに進入し、この遊技球Y2に後続する遊技球Y3は流入側通路75f内に止まる。
【0106】
更に、
図19(b)に示すように、回転球送部材75bの回転量を増やすと、遊技球Y2を保持する凹部751eが、流出側通路75gの上端部と連通する状態となる。そして、回転球送部材75bにおいて凹部751eを形作る面のうち、遊技球Y2の下方位置するもの(面部分75w)が、流出側通路75gの上端部に向かって下り傾斜となると、凹部751e内の遊技球Y2は流出側通路75gを経て、球受取部71d(発射位置)に到達する。このとき、発射制御基板260は、センサ71sを用いて球受取部71d(発射位置)に遊技球Y2が配置されていることを検知する。また、回転球送部材75bの回転位置は、何れか他方の阻止面75pで流出側通路75gの下端部を閉鎖(後続する遊技球Y3、Y4等が保持室75e内に進入することを阻止するように閉鎖)する位置となる。
【0107】
そして、球送り装置75が、回転球送部材75bの回転と回転停止とを遊技球の発射に連動して繰り返すことで、発射装置8mに対して遊技球を間欠的に1球ずつ供給すると、発射装置8mを用いて遊技球を連続発射することができる。
【0108】
d.球循環機構の構成
本遊技機1の球循環機構は、
図20に示すように、前述の発射球貯留部材73と、遊技盤10の裏面部10Gに装着される球集合ユニット91と、遊技盤10の裏面部10G側に配置された揚送ユニット92と、中継ユニット85とを備えている。そして、揚送ユニット92は、遊技盤10を流下してセーフ球となった遊技球とアウト球となった遊技球を遊技機1上部に揚送するためのものである。また、中継ユニット85は揚送ユニット92によって揚送された遊技球を、発射球貯留部材73に到達させたり、球循環機構外の遊技球を球循環機構内に補充したり、球循環機構外に排出するためのものである。ここで、「セーフ球」とは、何れかの入賞口(第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31若しくは一般入賞装置45、46)に入球した遊技球を指し、アウト球とは何れの入賞口にも入球せずにアウト口18に回収された遊技球を指す。なお、入賞口(第1始動入賞装置17aを構成する第1始動入賞口、第2始動入賞装置17bを構成する第2始動入賞口、大入賞装置31を構成する大入賞口、一般入賞装置45、46を構成する一般入賞口)およびアウト口18は「受入口」の具体例を構成する。また、本実施例では、球集合ユニット91と、揚送ユニット92と、中継ユニット85と、発射球貯留部材73と、球送り装置75とによって、遊技領域11から排出される遊技球を再び発射位置に誘導するための誘導手
段を構成する。
【0109】
球集合ユニット91は、前面部で開口する略容器形状に構成されるとともに、背板部91aに多数のリブ91bを突出させ、各入賞装置(第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31若しくは一般入賞装置40、41)に対応するセーフ球用の樋状通路A1〜A5と、アウト口18に対応するアウト球用の樋状通路B1と、全ての樋状通路A1〜A5、B1と合流する集合用の樋状通路91dとを形成している。なお、セーフ球用の樋状通路A1〜A5には対応する入賞装置(入賞口)に入球した遊技球を検知するための検知スイッチ(第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、大入賞口入球検知スイッチ31s、一般入球検知スイッチ45s、46s)が配設され、アウト球用の樋状通路B1には、アウト口18に入球したことを検知するためのアウト口入球検知スイッチ18sが配設されている。
【0110】
ここで、遊技盤10の裏面部10Gには、第1始動入賞装置17aに入球した遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路a1と、第2始動入賞装置17bに入球した遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路a2と、大入賞装置31に入球した遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路a3と、一般入賞装置40に入球した遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路a4と、一般入賞装置41に入球した遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路a5と、アウト口18に回収された遊技球を裏面部10G後方に導くための導出通路b1の端末部が開口している。
【0111】
これらの導出通路a1〜a5、b1は、遊技盤10を前後(表裏)に貫通しつつ、遊技盤10の表面部10Fの側から裏面部10Gに向かって若干下り傾斜となる状態に設けられている。また、各樋状通路A1〜A5、B1は、その経路が上下方向に向けられているため、各樋状通路A1〜A5、B1に流入した遊技球は、流入した樋状通路A1〜A5、B1内を流下することになる。ここで、本遊技機1は遊技領域11を流下した遊技球を受け入れ、遊技領域11から遊技球を排出(回収)するための受入口として、「第1始動入賞装置17aを構成する第1始動入賞口」、「第2始動入賞装置17bを構成する第2始動入賞口」、「大入賞装置31を構成する大入賞口」、「一般入賞装置45を構成する一般入賞口」、「一般入賞装置46を構成する一般入賞口」および「アウト口18」を備える。
【0112】
集合用の樋状通路91dは、何れの受入口に受け入られた遊技球も通過する共通路(所謂「集合樋」)を構成する。そして、
図20および
図21に示すように、集合用の樋状通路91dは、全ての樋状通路A1〜A5、B1の下端部と合流する本通路部91eと、本通路部91eの下部から突出する受渡通路部91gとを備える。また、本通路部91eの左右方向中間部は開口部91fとされるとともに、この開口部91fに受渡通路部91gの上端が一体化されている。また、受渡通路部91gは略L字状の経路を描くとともに、開口部91fの下方に垂下した後、右方向に屈曲して、下端を揚送ユニット92の下端側の側面に接続する構成を備えている。
【0113】
何れかの入賞口に入球するか、アウト口18に回収された遊技球は、対応する導出通路a1〜a5、b1を用いて遊技盤10の裏面部10G側に導出された後、対応する樋状通路A1〜A5、B1に流入する。この後、集合用の樋状通路91dの本通路部91gに流入し、更に受渡通路部91gに流入した後、受渡通路部91g内を揚送ユニット92の下端側に向かって流下する。
【0114】
図21に示すように、受渡通路部91gの底部91zであって開口部91f側に位置する部位には排出口91hが設けられている。また、排出口91hには排出樋91xの上端部が接続され、排出樋91xの下端部には貯留容器91nの開口部91pが接続されている。また、受渡通路部91gにおいて排出口91hの周縁に位置する部位には開閉部材91tが装着されている。この開閉部材91tは「切換手段」の具体例を構成するものであり、その一端部が軸支され、回動可能とされている。そして、この開閉部材91tは図示しないモータ91m(
図28を参照)の駆動力を用いて回動可能とされている。なお、本実施例では、このモータ91mとしてステッピングモータを使用している。また、このモータ91mは価値付与制御基板240(
図28を参照)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は価値付与制御基板240から出力される制御信号を用いて制御される。また、開閉部材91tを駆動するために、ソレノイド等のモータ以外のアクチュエータを用いることもできる。なお、貯留容器91nは「貯留手段」の具体例を構成する。
【0115】
モータ91mを駆動しないときには、
図22(a)に示すように、開閉部材91tが排出口91hを閉鎖するため、本通路部91eから受渡通路部91gに到達する遊技球は揚送ユニット92の下端側に向かって流下する。このため、この遊技球は球受取部71d(発射位置)に向かって誘導される。また、
図22(b)に示すように、モータ91mを駆動し、その駆動軸を所定方向に回転させると、排出口91hが開放状態とされるとともに、回転した開閉部材91tが、本通路部91eのうち、排出口91hよりも下方側を閉鎖する。このため、本通路部91eから受渡通路部91gに到達する遊技球は、排出樋91xを通じて、貯留容器91nに排出される(循環機構外に排出される)。そして、排出口91hが開放状態にあるとき、モータ91mを駆動し、その駆動軸を所定方向と反対方向に回転させると、排出口91hが閉鎖状態とされ、本通路部91eから受渡通路部91gに到達する遊技球は、揚送ユニット92の下端側に向かって誘導されることになる。
【0116】
後述するように、本遊技機1では、前面枠4が本体枠3に対して開放状態から閉鎖状態とされると、価値付与制御基板240(
図28を参照)、排出口91hを閉鎖状態とするように、モータ91mの駆動を制御する。また、前面枠4が本体枠3に対して閉鎖状態から開放状態とされると、価値付与制御基板240(
図28を参照)、排出口91hを開放状態とするように、モータ91mの駆動を制御する。
【0117】
図21に示すように、受渡通路部91gにおいて排出口91hよりも揚送ユニット92側に位置する部位には、受入口に受け入られた遊技球を検知するための受入検知スイッチ91wが設けられている。この受入検知スイッチ91wとしても、発光部と受光部とを備える光学センサを例示できる。そして、本実施例では、前述の発射検知スイッチ71tが遊技球を検知した回数(遊技球の発射個数)よりも、受入検知スイッチ91wが遊技球を検知した回数(遊技球の回収個数)が少なくなると、本遊技機1に封入されている遊技球の個数が規定数を下回った(球詰まりの作業等に伴って遊技球が機外に排出された)と判断される。
【0118】
揚送ユニット92は、
図20及び
図23に示すように、ケース95と、ケース95内に回転可能な状態で配置された揚送スクリュー96とを備える。このうち、ケース95は、軸心を上下に向けた略円筒状に構成されるケース本体95aを備える。また、ケース本体95aの下端側の左側面部には、受渡通路部91gの下端部が接続される接続口95cを備える。
【0119】
図23に示すように、ケース95の上端側の外周面には排出口95hが設けられ、この排出口95hには中継ユニット85の始端部85s(85e)が接続されている。このため、ケース95の上端側に揚送された遊技球は、中継ユニット85に進入するが、中継ユニット85の主要部が発射球貯留部材73に向かって下り傾斜となる略管状体で構成されるため、中継ユニット85に進入した遊技球は発射球貯留部材73に到達する。
【0120】
揚送ユニット92の上下両端には、揚送スクリュー96の端部を回転可能な状態に支持するための支持構造(図示を省略)が設けられている。このように、回転可能な状態に支持される揚送スクリュー96は、軸心を上下に設けた略円柱状の主軸96aと、主軸96aの外周面に設けられた螺旋状突部96bとを備える。また、主軸96aには、駆動ギア96cと、中間ギア96d、96eとを介して、駆動モータ96mの駆動力が伝達されるため、揚送スクリュー96はその軸心周りに回転可能とされている。この駆動モータ96mは価値付与制御基板240に接続され、この価値付与制御基板240によって駆動が制御される。
【0121】
螺旋状突部96bにおいて、その最下部に位置する部分961bと、それよりも一回転分上方にある部分962bとの間には板状のリブ96Rが掛け渡され、最上部に位置する963bと、それよりも一回転分下方にある部分964bとの間にも板状のリブ96Fが掛け渡されている。なお、下方のリブ96Rは、受渡通路部91gから到達する遊技球を、螺旋状突部96b上に受け入れる際に有効に作用し、上方のリブ96Fは、螺旋状突部96b上から中継ユニット85(排出口95h)に排出する際に有効に作用する。
【0122】
ここで、本実施例においては、揚送スクリュー96を、螺旋状突部96bが上がり傾斜方向する方向(
図23の揚送スクリュー96を上方から観察すると、反時計回転方向と認識される回転方向であって、以下、正回転方向という。)に向かって回転させると、受渡通路部91gの下り傾斜を利用して揚送スクリュー96の下端部に次々に到達する遊技球は、揚送スクリュー96の上向きの螺旋路に沿って、次々と押し上げられる。そして、揚送スクリュー96の上端に次々に到達する遊技球は、供給筒95bを通過して発射球貯留部材73の内部に貯留される。
【0123】
本実施例では、価値付与制御基板240が下限センサ73Lによって発射球貯留部材73に貯留された遊技球が下限量となったことを検知すると、駆動モータ96mを駆動して、揚送スクリュー96の正回転方向への回転を開始させ、球集合ユニット91内の遊技球を発射球貯留部材73に向かって揚送する。一方、発射制御基板260が上限センサ73Hによって発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量となったことを検知すると、駆動モータ96mの駆動を停止して、揚送スクリュー96の回転を停止させる。このため、発射球貯留部材73に貯留されている遊技球の量が適用に保たれる。
【0124】
次に、中継ユニット85について説明する。この中継ユニット85は、
図24に示すように、主管部86と補充部87とを備える。このうち、主管部86は1球の遊技球の通過を許容する内径を備える略管状体に構成され、ケース95から遠ざかる方向に下り傾斜する状態に配置される第1管状部86aと、ケース95から遠ざかる方向に下り傾斜する状態に配置される第2管状部86cと、を備える。また、第2管状部86cは第1管状部86aよりも長尺で、第1管状部86aよりも下方でしかも、ケース95から離れた位置に配置されるとともに、第1管状部86aのケース95から離間する位置の端部と、第2管状部86cのケース95に近接する位置の端部とは、垂下部86cによって接続されている。
【0125】
つまり、主管部86はケース95から遠ざかる方向に下り傾斜する状態に配置されるとともに、中間部を屈曲させている。また、第1管状部86aのケース95側に配置される端部85eは、前述の排出口95hに嵌入されているため、ケース95の上端側に揚送された遊技球を、第1管状部86aに受入可能となっている。また、第2管状部86cのケース95から離間する側に配置される端部は垂下部86eとされ、この垂下部86eが発射球貯留部材73の蓋部73gに設けられた接続口73hに嵌入されている。このため、主管部86に通過した遊技球は垂下部86eの下端の開口を通じて、発射球貯留部材73に進入可能とされている。
【0126】
補充部87は、
図25に示すように、予備球貯留部87aと球送り装置87cとを備える。このうち、予備球貯留部87aは、主管部86に補充する遊技球を貯留するための部材であり、上方に開口する略容器形状に構成される本体部871aと、本体部871aの開口部を封止する蓋体872aとを備える。また、本体部871aの周縁部と、蓋体872aの周縁部には重ね代873a、874aが設けられ、本体部871aを蓋体872aで封止する際に両重ね代873a、874aが重ね合わされる。そして、両重ね代873a、874aを貫通する状態に接続ピン875aが装着されている。更に、本遊技機1においては、その出荷時点に所定個数(例えば、200個の非磁性体の遊技球)が封入されている。
【0127】
そして、この接続ピン875aを破壊しなければ、本体部871aから蓋体872aを分離することが不可能とされている。また、両重ね代873a、874aには、封止シ−ル876aが貼着されており、本体部871aから蓋体872aを分離する際には、封止シ−ル876aを分断(重ね代873a、874aのところで分裂)するか、封止シ−ル876aを剥がすことが必要である。また、封止シ−ル876aを剥がすと、本体部871aおよび蓋体872aに封止シ−ル876aの接着剤(粘着剤)が残り易くなっている。よって、何者かが、事後的に予備球貯留部87aに磁性体の遊技球を補充する行為をしようとしたならば、予備球貯留部87aに補充の痕跡(接続ピン875aの破壊、接着剤(粘着剤)の痕等)が残る可能性が高く、当該行為を防止し易くなっている。なお、補充部87の本体部871a内の遊技球がなくなった場合には、管理者が接続ピン875aを破壊して、本体部871a内に非磁性体の遊技球を補充することとなる。
【0128】
予備球貯留部87aの底部には排出口878aが設けられるとともに、底部の上面は、排出口878a側に向かう下り傾斜面されている。また、貯留口878aは底部を上下に貫通する状態に設けられ、排出口878aから排出される遊技球が球送り装置87cに進入する。
【0129】
球送り装置87cは、前述の球送り装置75(
図11等を参照)と同様な構成を備えるため、球送り装置75(
図11等を参照)の構成部材と同一の構成部材について同一符号を付して説明する。つまり、この球送り装置87cも、外郭体75aと、回転球送部材75bとを備える。そして、回転球送部材75bの回転と回転停止とを行うことで、主管部86に対して遊技球を間欠的に1球ずつ供給することができる。そして、外郭体75aおよび回転球送部材75bは、前述の球送り装置75を構成する外郭体75aおよび回転球送部材75bと同様な構成を備える。
【0130】
但し、球送り装置87cにおいては、その上部接続口75cが予備球貯留部87aの排出口878aに接続され、下部接続口75dが主管部86の接続口86mに接続される。また、外郭体75dの内部にも保持室75eが設けられるとともに、上部接続口75cと保持室75eの上端部との間を連絡する流入側通路75fが設けられ、保持室75eの側端部と下部接続口75dとの間を連絡する流出側通路75gが設けられている。ここで、流入側通路75f及び流出側通路75gの断面は、遊技球の直径よりも僅かに大きな直径(例えば、遊技球の直径の1.2倍よりも小さな直径)を有する円形とされるため、遊技球が1球ずつ順次進入可能とされている。なお、流出側通路75gの内部には、遊技球が主管部86に向かって通過すること(遊技球が主管部86に補充されること)を検知するためのセンサ(以下、「補充センサ」という。)87sが配設されている。この補充センサ87sとしては、発光部と、受光部とを備える光学センサを例示できる。この補充センサ87sは、後述する価値付与制御基板240に接続されている(
図28を参照)。ここで、
図25に示す接続口86m(主管部86の接続口86m)は「球補充部」の具体例を構成し、予備球貯留部87aは予備球(機内を循環使用可能な遊技球の球数に不足を生じたときに補充される遊技球を、予備球という。)を貯留する予備球貯留手段を構成する。また、球送り装置87cは「予備球として貯留されている遊技球を球補充部に送り出す送出手段」の具体例を構成する。
【0131】
また、流入側通路75fはその経路を鉛直方向に向けるとともに、予備球貯留部87aの排出口878aから流出する遊技球を1球ずつ受け入れ、鉛直下方向に整列させることができる。また、流出側通路75gは円弧状の経路を描きつつ、保持室75eから流出する遊技球を主管部86に到達させる流路である。なお、主管部86の接続口86mは、第2管状部86bにおけるケース95に近接する側の端部寄りに位置する上面において開口している。
【0132】
球送り装置87cの回転球送部材75bは、保持室75e内に回転可能な状態に支持された略円板によって構成されている。この回転球送部材75bの回転軸心は前後方向に向けられているとともに、その周方向に180度隔てた2カ所には凹部751e、751eが設けられている。これらの凹部751e、751eは、回転球送部材75bの外周面及び前後面で開口するとともに、回転球送部材75bの半径方向と交差する方向(半径方向とは一致しない方向)に向かって1球の遊技球を受け入れ可能なサイズを備える。また、両凹部751e、751eは、回転球送部材75bの軸心周りに回転対称な形状を備えている。そして、回転球送部材75bは球送りモータ8T(
図28を参照)を用いて回転可能とされている。
【0133】
この回転球送部材75bにも阻止面75p、75pが設けられており、回転球送部材75bの外周を辿ると、2個の凹部751e、751eを挟み、2個の阻止面75p、75pを備えることになる。なお、球送りモータ8Tはステッピングモータであり、価値付与制御基板240に接続され(
図30を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、価値付与制御基板240から送信される制御信号を用いて制御される(
図28を参照)。
【0134】
次に、
図25及び
図26を用いて、球送り装置87cの駆動態様について説明する。先ず、
図25は、回転球送部材75bの回転位置は、何れか一方の阻止面75pで流入側通路75eの下端部を閉鎖(後続する遊技球Y12、Y13等が保持室75e内に進入することを阻止するように閉鎖)する位置となる。次いで、所定条件の下、補充ボタンB(
図43を用いて後述する。)が押下されると、価値付与制御基板240が球送りモータ8Tを駆動するが、
図26(a)に示すように、回転球送部材75bを回転(正面視で時計回転方向に回転)させ、何れか一方の凹部751eを流入側通路75fの下端部に連通させた状態となると、1球の遊技球Y11のみが凹部751eに進入し、この遊技球Y11に後続する遊技球Y12は流入側通路75f内に止まる。
【0135】
更に、
図26(b)に示すように、回転球送部材75bの回転量を増やすと、遊技球Y11を保持する凹部751eが、流出側通路75gの上端部と連通する状態となる。そして、回転球送部材75bにおいて凹部751eを形作る面のうち、遊技球Y11の下方位置するもの(面部分75w)が、流出側通路75gの上端部に向かって下り傾斜となると、凹部751e内の遊技球Y11は流出側通路75gを経て、主管部86(球循環機構内)に到達する。このとき、価値付与制御基板240は、補充センサ87cを用いて、遊技球が主管部86(球循環機構内)に補充されることを検知する。また、回転球送部材75bの回転位置は、何れか他方の阻止面75pで流出側通路75gの下端部を閉鎖(後続する遊技球Y12、Y13等が保持室751e内に進入することを阻止するように閉鎖)する位置となる。そして、球送り装置87cが、回転球送部材75bの回転と回転停止とを繰り返すことで、主管部86(球循環機構内)に対して遊技球を間欠的に1球ずつ供給することができる。
【0136】
本遊技機1は以上の球発射機構と球循環機構とを備えるため、予め本遊技機1に封入された遊技球を循環させて遊技を行うことができる。
【0137】
(2)制御回路の構成
次に、
図27〜
図28を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)価値付与制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球に関する制御を司る価値付与制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
【0138】
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算及び算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、
図27及び
図28の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、
図27においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
【0139】
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16s、始動口入球検知スイッチ17s、17t、一般入球検知スイッチ45s、46s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、価値付与制御部240A(価値付与制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。更に、主制御部200A(主制御基板200)には、アウト口入球検知スイッチ18sも接続されている。
【0140】
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や価値付与制御基板240に対してそれぞれ送信される。
【0141】
サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220Aには、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0142】
また、図示を省略するが、サブ制御基板220は、CPUと、RAMと、ROMとを備えている。また、サブ制御基板220のCPUは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROMには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROMに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPUは、このCPUにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
【0143】
図示を省略するが、アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。更に、演出ボタン基板228には演出ボタンSWが電気的に接続されている。
【0144】
価値付与制御部240Aには、
図27及び
図28に示すように、発射制御部260A等が接続されている。また、価値付与制御部240AにはCRユニット80が双方向通信可能な状態に接続されるとともに、球貸表示基板410を介して、貸出ボタン5cと返却ボタン5qと表示装置5rが接続されている。また、価値付与制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
【0145】
この価値付与制御部240Aは、所謂、貸球や遊技価値の付与に関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から価値付与制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて球貸情報が取得し、持ち球数に加算する。ここで、「持ち球数」とは遊技者が発射可能な遊技球数である。また、主制御部200Aが賞球情報を出力すると、この賞球情報を価値付与制御部240Aが受け取って、持ち球数に加算する。更に、
図28に示すように、価値付与制御部240Aを構成する価値付与制御基板240には、補充センサ87s、下限センサ73L、上限センサ73H、球送りモータ8T、モータ91m、前面枠スイッチ4s、解錠阻止装置7S、エラー報知装置4E、受入検知スイッチ91w等が接続されている。
【0146】
図28に示すように、この価値付与制御基板240には、発射制御部260Aを構成する発射制御基板260が接続され、発射制御基板260には、発射ソレノイド8mと、タッチスイッチ9aと、発射停止スイッチ9b、球送りモータ8t、駆動モータ96m、発射検知スイッチ71t等が接続されている。そして、タッチスイッチ9aは、遊技者が発射ハンドル9に接触している場合に接触検知信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が発射ハンドル8に接触していない場合に接触非検知信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。また、発射停止スイッチ8bは、遊技者が操作していない(押していない)場合に発射非停止信号(オン信号)を発射制御部260Aに出力し、遊技者が操作している(押している)場合に発射停止信号(オフ信号)を発射制御部260Aに出力する。
【0147】
発射制御部260Aは、タッチスイッチ9aが接触検知信号(オン信号)を出力し、発射停止スイッチ9bが発射非停止信号(オン信号)を出力しているとともに、発射ハンドル9が回転操作されると、発射ソレノイド8mを駆動する。これにより、遊技者が発射ハンドル9に加えた回転量に応じて、打撃力が打撃槌8nから遊技球(発射位置の遊技球)に加えられる。一方、発射ハンドル9が回転操作された状態であっても、遊技者が発射停止スイッチ9bを操作すると(発射停止スイッチ9bが発射停止信号(オフ信号)を出力すると)、発射制御部260Aは発射ソレノイド8mの駆動を停止させる。
【0148】
前面枠スイッチ4sは価値付与制御基板240に接続されている。しかも、価値付与制御基板240と主制御基板200とが双方向通信可能な状態に接続されている。このため、前面枠スイッチ4sから出力される検知信号(前面枠4に開放動作が施されたことを示す検知信号)は、価値付与制御基板240とを介して、主制御基板200に送信される。
【0149】
(3)遊技機1による遊技の概要
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、
図30〜
図32を用いて簡単に説明する。
【0150】
a.普通図柄変動遊技
普通図柄変動遊技は、
図30に示すように、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することを基づいて開始される(S1、S2)。この普通図柄変動遊技は、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行することを内容とする遊技であり、普通図柄表示部63に停止図柄が確定表示されることで終了する。そして、普通図柄表示部63に確定表示される停止図柄が当り図柄である場合には(S3)、普通図柄変動遊技の結果が当りであり、第2始動入賞装置17bが一定時間開放状態(第2状態)となり(S4)、普通図柄表示部63に確定表示される停止図柄が外れ図柄である場合には(S5)、普通図柄変動遊技の結果が外れであり(S6)、第2始動入賞装置17bは閉鎖状態(第1状態)を維持する。
【0151】
ここで、普通図柄表示部63に確定表示される停止図柄が当り図柄である場合において、開放延長機能が作動しない通常開放モードである場合には、第2始動入賞装置17bの開放時間が短く(例えば、0.2秒)される。このため、遊技者が遊技領域11における左側の領域(メイン役物装置20よりも左側)に向かって遊技球を発射する傾向(左打ちを行う傾向)が強くなる。例えば、発射ハンドル9の操作量(回転操作量)を少なくして、球放出部72kにおけるより左端寄りに位置する箇所から、遊技球を遊技領域11に落下させ、遊技領域11における左側の領域(メイン役物装置20よりも右側)で流下させた後に、メイン役物装置20の下方の第1始動入賞装置17aに入球させることを試みる。
【0152】
普通図柄表示部63に確定表示される停止図柄が当り図柄である場合において、開放延長機能が作動する開放延長モードである場合には、第2始動入賞装置17bの開放時間が長く(例えば、5秒)される。しかも、普通図柄作動ゲート16が、遊技者が遊技領域11における右側の領域(メイン役物装置20よりも右側)に配置されるため、遊技者が遊技領域11における右側の領域(メイン役物装置20よりも右側)に向かって遊技球を発射する傾向(右打ちを行う傾向)が強くなる。例えば、発射ハンドル9の操作量(回転操作量)を多くして、球放出部72kにおけるより右端寄りに位置する箇所から、遊技球を遊技領域11に落下させ、遊技領域11における右側の領域(メイン役物装置20よりも右側)で流下させることで、普通図柄作動ゲート16の通過頻度を高めるとともに、メイン役物装置20の右側の第2始動入賞装置17bに入球させることを試みる。
【0153】
更に、本遊技機1では、大入賞装置31が、遊技者が遊技領域11における右側の領域(メイン役物装置20よりも右側)に配置されるため、大当り遊技中においては、遊技者が遊技領域11における右側の領域(メイン役物装置20よりも右側)に向かって遊技球を発射する傾向(右打ちを行う傾向)が強くなる。
【0154】
b.特別図柄変動遊技
特別図柄変動遊技は、
図31に示すように、遊技球が第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに入球(以下、始動入賞という。)することに基づいて開始される(S11、S12)。この特別図柄変動遊技は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて特別図柄の変動表示を実行することを内容とする遊技であり、対応する特別図柄表示部62a、62bに停止図柄が確定表示されることで終了する。そして、特別図柄表示部62a、62bに確定表示される停止図柄が大当り図柄である場合には(S14)、大入賞装置31が開放状態(第2状態)となる大当り遊技が実行される(S15)。また、特別図柄表示部62a、62bに確定表示される停止図柄が外れ図柄である場合には(S17)、外れであり(S18)、大当り遊技は実行されない。
【0155】
また、大当り遊技を終了すると(S16)、終了した大当り遊技の実行契機となった大当りが「確変大当り」である場合には、「大当りの発生確率が高確率(1/40)で、しかも開放延長機能が作動する高確率開放延長モード」が、次回の大当りを発生するまで継続する。また、その実行契機となった大当りが「通常大当り」である場合には、「大当りの発生確率が低確率(1/400)で、しかも開放延長機能が作動する低確率開放延長モード」が、特別図柄変動遊技を「100回」行うまで継続し、その後、「大当りの発生確率が低確率(1/400)となる低確率で、開放延長機能が作動しない低確率通常開放モード」が開始される。
【0156】
ここで、特別図柄変動遊技の結果が大当りとなるか否か、換言すると、始動入賞に基づいて実行される当否判定は、始動入賞時に取得される判定用乱数を用いた乱数抽選により実行され、大当りの種類(確変大当りか、通常大当りか等)は始動入賞時に取得される図柄決定用乱数を用いた乱数抽選により決定される。
【0157】
つまり、本遊技機1では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が導出されると、「大当り」を発生して大当り遊技が実行される。この大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態(第2状態)に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態(第1状態)に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入球数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
【0158】
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、本実施例では、
図34に示すように、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(ラウンド遊技)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。ここで、以下の説明において、「16R確変大当り」及び「16R通常大当り」はラウンド遊技を「16ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技A」という。)の開始契機となる大当りであり、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」はラウンド遊技を「8ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技B」という。)の開始契機となる大当りである。そして、何れの大当り遊技においても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入球数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球に相当する遊技価値が遊技者に付与されるため、「大当り遊技A」において付与を予定する遊技価値は「2,400個の賞球分の遊技価値(持ち球)」、「大当り遊技B」において付与を予定する遊技価値は「2,400個の賞球分の遊技価値(持ち球)」とされている。
【0159】
第1始動入賞に基づく当否判定(以下、第1当否判定という。)によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(つまり、振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、
図32の上覧(特
図1大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R通常大当り」、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」のうちの何れかに決定される。「振分抽選」を行うための乱数(以下、「図柄決定用乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
【0160】
第2始動入賞に基づく当否判定(以下、第2当否判定という。)によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、
図32の下覧(特
図2大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」及び「8R通常大当り」のうちの何れかに決定される。この「振分抽選」を行うための「図柄決定用乱数」も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
【0161】
「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定(第1当否判定及び第2当否判定)の結果が大当りとなる確率が高確率とされるとともに、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで継続される。但し、遊技機(パチンコ機)において通常定められる大当りの当選確率(大当り確率)を考慮すると、この「10,000回」になるまで開放延長モードが継続することは、実質的に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続すること」を意味する。よって、以下、当該ケースに関しては単に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続する」と表現する(
図32を参照)。
【0162】
一方、「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定(第1当否判定及び第2当否判定)の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。そして、この開放延長モードは対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。
【0163】
(4)主制御部200Aによる遊技制御
図33は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球付与処理(S10)、普通図柄遊技処理(S20)、普通電動役物遊技処理(S30)、特別図柄遊技処理(S40)、大当り遊技処理(S50)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、
図33のS10〜S50の処理を実行するように構成されている。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、
図33に示す処理のうち、賞球付与処理(S10)のみについて説明する。
【0164】
図34に示すように、主制御基板200に搭載されたCPU201は、入賞装置(第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31若しくは一般入賞装置40、41)への遊技球の入球に基き、遊技者に遊技価値を付与するための処理を行う(S10)。すなわち、CPU201は、「始動口入球検知スイッチ17s、17t」、「一般入球検知スイッチ45s、46s」、「大入賞口入球検知スイッチ31s」の状態に基づいて遊技球が入球したか否かを判断する(S11、S13、S15)。そして、遊技球が入球していた場合は、入球していた入賞装置17a、17b、40、41、31に対応する入賞情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する(S12、S14、S16)。
【0165】
つまり、始動入賞装置17a、17bに入球した場合には(S11;YES)、始動入賞装置に対応する入賞情報を記憶し(S12)、一般入賞装置45、41、46に入球した場合には(S13;YES)、一般入賞装置45、46に対応する入賞情報を記憶する(S14)。また、大入賞装置31に入球した場合には(S15;YES)、大入賞装置31に対応する入賞情報を記憶する(S16)。
【0166】
そして、CPU201はRAM202上に記憶されている入賞情報に基づいて、遊技価値の付与信号を価値付与制御基板240に向かって出力する(S17)。また、RAM202上に、始動口入球検知スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な付与個数を指定して、付与信号を出力する。ここで、始動入賞装置17a、17bに入球した場合には「持ち球数を6個加算することを指定する付与信号」が出力され、一般入賞装置45、46に入球した場合には「持ち球数を10個加算することを指定する付与信号」が出力される。また、大入賞装置31に入球した場合には「持ち球数を15個加算することを指定する付与信号」が出力される。ここで、「持ち球数」とは、発射装置8mによって発射することを許容された遊技球の個数を示している。
【0167】
(5)発射制御部260Aによる発射制御制処理(S100)
次に、
図35を用いて、発射制御部260Aを構成する発射制御基板260が行う発射制御処理について説明する。なお、この発射制御制処理(S100)は、所定周期(例えば、2msec周期)で繰り返し実行される。
【0168】
発射制御制処理(S100)が起動すると、発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、「補充フラグが解除(OFFに設定)されるとともに、前面枠スイッチ4sからOFF信号が出力されている状態」であるか否かを判断する(S101)。ここで、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)の遊技球が存在しないと判断すると、補充フラグをセット(ONに設定)する{
図42(a)のS575の処理を参照}。そして、補充フラグがセット(ONに設定)されたこと特定する情報(データ)や、補充フラグが解除(OFFに設定)されたことを特定する情報(データ)は、価値付与制御基板240から発射制御基板260に送信される。そして、発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、これらの情報(データ)に基づいて、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)の遊技球が存在するか否かを判断することができる。
【0169】
また、前面枠4が本体枠3に対して閉鎖状態となると、前面枠スイッチ4sからOFF信号が出力され、前面枠4が本体枠3に対して開放状態となると、前面枠スイッチ4sからON信号を出力される。そして、このOFF信号やON信号を特定する情報(データ)は、価値付与制御基板240から発射制御基板260に送信されるため、発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、これらの情報(データ)に基づいて、前面枠4が本体枠3に対して閉鎖状態にあるか否かを判断することができる。そして、前面枠4が本体枠3に対して閉鎖状態とされるとともに、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)の遊技球が存在する場合にはS101において肯定的に判断される。
【0170】
発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)がS101の処理で否定的な判断を行うと、発射制御制処理(S100)をそのまま終了する。つまり、前面枠4が本体枠3に対して開放状態とされていることと、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)の遊技球が存在しないことと、のうちの少なく一方を充足する場合には、S105の処理を行うことなく、発射制御制処理(S100)を終了する。これに対して、発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)がS101の処理で否定的な判断を行うと、S105以降の処理に移行する。
【0171】
発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、S105の処理において、持ち球が存在するか否かを判断する(S105)。そして、持ち球が存在しない場合には(S105;NO)、発射制御制処理(S100)をそのまま終了する。一方、持ち球が存在する場合には(S105;YES)、S110の処理に移行する。なお、本実施例と異なり、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)の遊技球が存在しない場合においても、遊技球を発射可能としてもよい(S101の処理で肯定的な判断を行うこととしてもよい。)。また、遊技機1の機内に規定数(例えば、200個)を超える遊技球が存在する場合には、遊技球を発射不可能とすることとしてもよい(S101の処理で否定的な判断を行うこととしてもよい。)。
【0172】
持ち球が存在する場合には(S105;YES)、球受取部71dに遊技球が存在するか否かを判断し(S110)、球受取部71dに遊技球が存在する場合には(S110;YES)、そのままS130の処理に移行する。ここで、S110及び後述するS120の処理においては、センサ71sが遊技球を検出していれば肯定的に判断され、検出していなければ否定的に判断される。
【0173】
S110の処理において、球受取部71dに遊技球が存在しないと判断される場合には(S110;NO)、球送りモータ8mを駆動し、球受取部71dに遊技球を送り出す処理を行った後(S115)、球受取部71dに遊技球が存在するか否かを判断する(S120)。そして、球受取部71dに遊技球が存在していれば(S120;YES)、S130の処理に移行し、遊技球が存在していなければ(S120;NO)、エラー報知を行う(S125)。なお、S120においては、遊技球が存在していないと判断される場合としては、発射球貯留部材73内に遊技球が存在しないため、球送りモータ8mを駆動しても、球受取部71dに遊技球を送り出すことができない場合を例示できる。
【0174】
S130の処理では、発射ハンドル9が操作された否かを判断し(S130)、操作が施された場合には(S130;YES)、発射装置8mを構成する発射ソレノイドを駆動して(発射ソレノイドへの通電を行い)、球受取部71dの遊技球を転動底部71eに向かって発射する(S135)。そして、球受取部71dの遊技球を発射すると(S135)、発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、遊技球の発射を完了したか否かを判断する(S140)。具体的には、センサ71sが遊技球を検出しなければ遊技球の発射を完了したと判断される(S140;YES)。
【0175】
発射制御基板260に搭載されたCPU(図示を省略)は、S140の処理において、遊技球の発射を完了したと判断すると(S140;YES)、発射信号を主制御部200に送信する(S145)。
【0176】
(6)価値付与制御部240Aによる主要な処理
図36は、価値付与制御部240Aを構成する価値付与制御基板240が行う価値付与制御処理(S180)の大まかな流れを示すフローチャートである。この価値付与制御処理(S180)は、価値付与基本処理(S200)、遊技開始関連処理(S280)、揚送開始処理(S300)、揚送終了処理(S350)、遊技停止関連処理(S400)、前面枠開閉関連処理(S450)、差球数加算処理(S500)、差球数減算処理(S520)、差球数関連処理(S550)、排出口開閉処理(S600)、補充管理処理(S550)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、
図36の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。
【0177】
a.価値付与基本処理(S200)
図37に示すように、価値付与基本処理(S200)が起動すると、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、CRユニット80から「入金情報」を受信したか否かを判断する(S205)。そして、「入金情報」を受信している場合には(S205;YES)、入金情報を価値付与制御基板240に搭載されたRAM(図示を省略)の所定の記憶領域に保存(記憶)した後(S210)、S220の処理に移行し、「入金情報」を受信していない場合には(S205;NO)、そのままS220の処理に移行する。ここで、「入金情報」とは、紙幣挿入口81に挿入された紙幣の金額に対応する度数情報若しくはカード出入口84に挿入されたカードに記憶された度数情報を指す。
【0178】
S220の処理では、CRユニット80から「貸球情報」を受信したか否かを判断する(S220)。そして、「貸球情報」を受信している場合には(S220;YES)、残金額を算出し、表示装置5aに表示する処理と、持ち球数に「貸球情報が特定する球数」加算し、価値付与制御基板240に搭載されたRAMの所定の記憶領域(以下、「持ち球数メモリ」という。)に記憶する処理と、球数を加算した後の持ち球数を表示装置5aに表示する処理とを行った後(S230)、S235の処理に移行する。また、「貸球情報」を受信していない場合には(S220;NO)、そのままS235の処理に移行する。
【0179】
S235の処理では、発射制御基板260から発射信号を受信しているか否かを判断し(S235)、受信している場合には(S235;YES)、前述の「持ち球数メモリ」に記憶されている持ち球数を「−1」する処理と、表示装置5aに「−1」された後の新たな持ち球数を表示する処理を行った後、S250の処理に移行する。一方、発射信号を受信していない場合には(S235;NO)、そのままS250の処理に移行する。
【0180】
S250の処理では、主制御基板200から付与信号を受信しているか否かを判断し(S250)、受信している場合には(S250;YES)、前述の「持ち球数メモリ」に記憶されている持ち球数を加算する処理と、表示装置5aに加算された後の新たな持ち球数を表示する処理を行った後(S240)、S260の処理に移行する。一方、発射信号を受信していない場合には(S250;NO)、そのままS260の処理に移行する。
【0181】
ここで、付与信号とは、入賞装置(第1始動入賞装置17a、第2始動入賞装置17b、大入賞装置31若しくは一般入賞装置40、41)への入球に基づいて生ずる信号(
図36のS17を参照)であって、この信号によって、加算される持ち球数が特定される。
【0182】
S260の処理では、返却ボタン5qが操作されたか否かを判断し(S260)、操作されていない場合には(S260;NO)、そのまま価値付与制御処理(S200)を終了する。一方、返却ボタン5qが操作されると(S260;YES)、「遊技終了時情報」をCRユニット80に送信した後、価値付与制御処理(S200)を終了する。ここで、「遊技終了時情報」とは遊技終了時における「持ち球数」を示す情報(「持ち球数メモリ」に記憶されている持ち球数を特定する情報)である。
【0183】
なお、本実施例は、ファール球を生ずることがない遊技機1を例示したが、ファール球を生ずる遊技機に対しても本発明を適用できる(実施例3を参照)。この場合、遊技機にファール球を検出するファール球センサを設ける。そして、遊技球が発射される毎に「持ち球数」が「−1」されるが、ファール球センサが遊技球を検出した場合には「持ち球数」が「+1」される。
【0184】
b.遊技開始関連処理(S280)
図38(a)に示すように、遊技開始関連処理(S280)が起動すると、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、前面枠スイッチ4sに基づいて発信される信号が、ON信号からOFF信号に切り替わったか否か(切り替わりが実行されるタイミングであるか否か)を判断する(S282)。つまり、開放状態とされていた前面枠4が閉鎖状態となり、前面枠スイッチ4sが出力する信号がON信号からOFF信号に切り替わるタイミングが到来したか否かが判断される(S282)。そして、S282の処理で否定的な判断がなされる場合には(S282;NO)、そのまま遊技開始関連処理(S280)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0185】
一方、S282の処理で肯定的な判断がなされる場合には(S282;YES)、前述の解錠阻止機構7Sを解錠阻止状態とし、前面枠4の解錠を阻止することを行う(S286)。具体的には、解錠阻止機構7Sを構成するプランジャ7Tの突端部の位置を突出位置とし(プランジャ7Tの突出量を最大量とし)、係合部7Kの下方への移動を規制する。これにより、施錠装置7に対して、前面枠4の解錠するための操作を施すことができない状態となり、S450の処理(
図40を参照)が実行されるまで、プランジャ7Tの突端部の位置が突出位置に維持される。そして、S286の処理を終了すると、遊技開始関連処理(S280)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。なお、本実施例では、係合部7Kの下方への移動を拘束して、前面枠4の解錠を阻止することを行うが、例えば、(i)施錠装置7を構成するカム(前面枠施錠部7Bを下方に押圧するためのカム)をロック(回転を拘束)して、前面枠4の解錠を阻止する態様や、(ii)前面枠スイッチ4sからOFF信号が発信されることに伴って出現するシャッター等によって施錠装置7の鍵孔を封止し、前面枠4の解錠を阻止する態様(解錠を隠してしまう態様)等を例示できる。
【0186】
c.揚送開始処理(S300)
図38(b)に示すように、揚送開始処理(S300)が起動すると、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、揚送ユニット92が揚送を停止しているか否かを判断する(S305)。そして、揚送中であれば(S305;NO)、揚送開始処理(S300)をそのまま終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰し、揚送を停止していれば(S305;YES)、S315以降の処理に移行する。なお、揚送中であるか否かは、駆動モータ96m(
図28を参照)が駆動中であるか否かによって判断することができる。
【0187】
S315の処理では、下限センサ73Lが発射球貯留部材73に貯留された遊技球が下限量に到達したことを検知しているか否かを判断する(S315)。つまり、下限センサ73Lが遊技球を検知していない場合には(S315;YES)、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が下限量に到達したと判断される。そして、下限センサ73Lが発射球貯留部材73に貯留された遊技球が下限量に到達していない場合には(S315;NO)、揚送開始処理(S300)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、下限量に到達している場合には(S315;YES)、揚送を開始させた後(S320)、揚送開始処理(S300)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0188】
d.揚送終了処理(S350)
図39(a)に示すように、揚送終了処理(S350)が起動すると、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、揚送ユニット92が揚送中か否かを判断する(S355)。そして、揚送中でなければ(S355;NO)、揚送終了処理(S350)をそのまま終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰し、揚送中であれば(S355;YES)、S360以降の処理に移行する。
【0189】
S360の処理では、上限センサ73Hが発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達したことを検知しているか否かを判断する(S360)。つまり、上限センサ73Hが遊技球を検知している場合には(S360;YES)、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達したと判断される。そして、上限センサ73Hが発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達していることを検知しない場合には(S360;NO)、揚送終了処理(S300)を一旦終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、上限量に到達している場合には(S360;YES)、揚送を停止させた後(S320)、揚送終了処理(S350)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0190】
e.遊技停止関連処理(S400)
図39(b)に示すように、遊技停止関連処理(S400)が起動すると、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、タッチスイッチ9aがOFFになったか否か(タッチスイッチ9aが接触検知信号を出力する状態から接触非検知信号を出力する状態に変化したか否か)を判断する(S401)。そして、タッチスイッチ9aがONの場合(接触検知信号を出力している場合)には、そのまま遊技停止関連処理(S400)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。なお、タッチスイッチ9aがON(接触検知信号)であることを示す情報(データ)や、タッチスイッチ9aがOFF(非接触検知信号)であることを示す情報(データ)は発射制御基板260から価値付与制御基板240からに送信されるため、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、これらの情報(データ)に基づいて、タッチスイッチ9aのON・OFFの切り替わりを把握できる。
【0191】
一方、タッチスイッチ9aがOFFになった場合には(S401;YES)、タッチスイッチ9aがOFFになっている時間を計測するためのタイマをセットする(S405)。そして、タッチスイッチ9aがOFFのままである場合には(S407;NO)、遊技停止関連処理(S400)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。また、タイマをセットした後(S405)、タッチスイッチ9aがONなると(タッチスイッチ9aが接触非検知信号を出力する状態から接触検知信号を出力する状態になると)、タイマをリセット(初期化)した後、S413の処理に移行する。
【0192】
S413の処理では、解錠阻止機構500が解錠許容状態に移行しているか否かを判断する(S413)。具体的には、解錠阻止機構7Sを構成するプランジャ7Tの突出量が最小となっているか否か(プランジャ7Tが係合部7Kの下方から待避し、係合部7Kの下方への移動を許容する状態となっているか否か)、つまり、施錠装置7に前面枠4を解錠するための操作を実行可能な状態となっているか否かを判断する(S413)。そして、解錠阻止機構7Sが解錠規制状態にある場合には(S413;NO)、そのまま遊技停止関連処理(S400)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。これに対して、解錠阻止機構7Sが解錠許容状態にある場合には(S413;YES)、解錠阻止機構7Sを解錠規制状態とした後(S418)遊技停止関連処理(S400)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0193】
f.前面枠開放関連処理(S450)
図40に示すように、前面枠開放関連処理(S450)が起動すると、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、前面枠スイッチ4sによってOFF信号が出力されているか否かを判断する(S455)。つまり、前面枠4が本体枠3に対して閉鎖状態にあるか否かを判断し(S455)、前面枠4が開放状態にあるときには(S455;NO)、そのまま前面枠開放関連処理(S450)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0194】
これに対して、前面枠4が閉鎖状態にあるときには(S455;YES)、タッチスイッチ9aがOFFになっているか否かを判断する(S460)。つまり、遊技者が遊技を停止しているか否かを判断し(S460)、停止していない場合(タッチスイッチ9aがONになっている場合)には(S460;NO)、前面枠開放関連処理(S450)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0195】
S460の処理で、タッチスイッチ9aがOFFになっていると判断すると(S460;YES)、前述のタイマ(
図39のS405の処理を参照)を参照し、タッチスイッチ9aがOFFになってからの経過時間を取得する(S465)。ここで、本実施例では、球受取部71d(発射位置)から発射された遊技球が、受入検知スイッチ91wに検知されるまでの時間の最大時間を「15秒」に設定している。よって、タッチスイッチ9aがOFFになってから「15秒」未満の時間には、球受取部71d(発射位置)が遊技領域11内に存在する可能性がある。このため、本実施例では、タッチスイッチ9aがOFFになってから、当該「15秒」を超える時間(所定時間であって、例えば、20秒)を経過するまで前面扉4が開放状態となることを規制することとしている。
【0196】
価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、S465の処理を行った後、タッチスイッチ9aがOFFになってからの経過時間が所定時間(例えば、20秒)になったか否かを判断する(S470)。そして、所定時間(例えば、20秒)になっていない場合には(S470;NO)、そのまま前面枠開放関連処理(S450)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、所定時間(20秒)になった場合には(S470;YES)、前述のタイマ(
図39のS405の処理を参照)をリセットする処理を行った後(S475)、現在揚送中か否かを判断する(S480)。そして、揚送中である場合には(S480;YES)、揚送を停止させた後(S482)、S485の処理に移行し、揚送中でない場合には(S480;NO)、そのままS485の処理に移行する。
【0197】
S485の処理では、解錠阻止機構500を解錠許容状態とする処理である。そして、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、S485の処理を実行すると、前面枠開放関連処理(S450)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。ここで、S485の処理では、解錠阻止機構7Sを解錠許容状態とするため、前面枠4を解錠状態とすることが可能となる。このため、パチンコホールの店員等が、前面枠4を開放状態とすることが可能となる。
【0198】
g.差球数加算処理(S500)および差球数減算処理(S520)
価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、
図41(a)に示す差球数加算処理(S500)と、
図41(b)に示す差球数減算処理(S520)によって、機内に封入されている遊技球数の変更(差球の発生の有無)を把握する。ここで、価値付与制御処理(S180)に搭載されたRAM(図示を省略)には差球数カウンタが設けられているが、この差球数カウンタの値は球受取部71d(発射位置)から1球の遊技球が発射されると「+1」され、遊技領域11から1球の遊技球が排出されると「−1」される。具体的には、球受取部71d(発射位置)から発射される遊技球が、発射検知スイッチ71tで検知される毎に「+1」され、この発射された遊技球が受入検知スイッチ91wに検知される毎に「−1」される。
【0199】
つまり、差球数加算処理(S500)が起動すると、発射検知スイッチ71tが遊技球を検知したか否かを判断し(S505)、検知しない場合には(S505;NO)、そのまま差球数加算処理(S500)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、検知した場合には(S505;YES)、差球数カウンタの値を「+1」した後(S510)、差球数加算処理(S500)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。なお、発射検知スイッチ71tが遊技球を検知したことを特定する情報(データ)は発射制御基板260から価値付与制御基板240からに送信される。このため、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、これらの情報(データ)に基づいて、発射検知スイッチ71tが遊技球を検知したことを把握できる。
【0200】
また、差球数減算処理(S520)が起動すると、受入検知スイッチ91wが遊技球を検知したか否かを判断し(S525)、検知しない場合には(S525;NO)、そのまま差球数減算処理(S520)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、検知した場合には(S525;YES)、差球数カウンタの値を「−1」した後(S510)、差球数減算処理(S520)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0201】
h.差球数関連処理(S550)
図42(a)に示すように、差球数関連処理(S550)が起動すると、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、前面枠スイッチ4sによってON信号が出力されているか否かを判断する(S555)。つまり、前面枠4が開放状態にあるか否かを判断し(S555)、前面枠4が閉鎖状態にあるときには(S555;NO)、そのまま差球数関連処理(S550)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。
【0202】
これに対して、前面枠4が開放状態にあるときには(S555;YES)、差球数カウンタからその時点の差球数を取得した後(S560)、差球数カウンタに記憶されている差球数(差球数カウンタのカウント値)が「ゼロ」であるか否かを判断する(S560)。そして、「ゼロ」である場合には(S560;YES)、そのまま差球数関連処理(S550)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。また、「ゼロ」でない場合には(S560;NO)、補充フラグをセット(ONに設定)する処理と、前述のエラー報知装置4Eを発光させてエラー報知を行う処理を行った後(S575)、差球数関連処理(S550)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。なお、エラー報知装置4EをLED表示装置(ドットLED表示装置、7セグメント表示装置)、液晶表示装置等で構成することができる。また、S575の処理では、エラー報知信号を出力するとともに、このエラー報知信号を、主制御基板200を介してサブ制御基板220に送信し、演出表示装置27やスピーカSP1〜SP4を用いてエラー報知を実行したり、演出表示装置27に差球数を表示することとしてもよい。なお、S560およびS570の処理は、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)が行う「球数特定手段」としての処理の具体例を構成し、S575の処理は当該CPUが行う「報知手段」としての処理の具体例を構成する。
【0203】
ここで、本実施例では、原則として遊技領域11に遊技球が存在しない(球詰まり等の不具合が無ければ、遊技領域11に遊技球が存在しない)ケースに前面枠4を閉鎖状態から開放状態に変化可能としている(
図40のS470の肯定的な判断を経たS485の処理を参照)。そして、前面枠4が開放状態のとき、差球数を算出することとするため(S555の処理の肯定的な判断を経たS560、S570の処理を参照)、この算出を正確に行うことができる。また、補充フラグは機内に遊技球を補充することが必要な状態であることを示すフラグである。つまり、機内で循環可能な遊技球数(機内に存在する遊技球数)が規定数(200)よりも不足すると、補充フラグがセット(ONに設定)され、機内で循環可能な遊技球数(機内に存在する遊技球数)が規定数(200)を充足すると、補充フラグが解除(OFFに設定)される(
図43のS685の処理を参照)。なお、機内で循環可能な遊技球数(機内に存在する遊技球数)が規定数(200)よりも不足する場合、S560で取得される差球数は「正数」となる。
【0204】
i.排出口開閉処理(S600)
図42(b)に示すように、排出口開閉処理(S600)が起動すると、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、前面枠スイッチ4sが出力する信号がOFF信号からON信号に切り替わったか否かを判断する(S605)。つまり、前面枠4が閉鎖状態から開放状態に変化したか否かを判断する(S605)。そして、肯定的な判断を行う場合には(S605;YES)、モータ91mを駆動し、開閉部材91tの状態を、排出口91hを閉鎖する状態から、排出口91hを開放する状態に変化させ(S610)、排出口開閉処理(S600)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。これにより、本通路部91eのうち、排出口91hよりも下方側が閉鎖され、本通路部91eから受渡通路部91gに到達する遊技球は、排出樋91xを通じて貯留容器91nに排出される(誘導手段外に排出される)。
【0205】
また、S605の処理で否定的な判断がなされる場合には(S605;NO)、前面枠スイッチ4sが出力する信号がON信号からOFF信号に切り替わったか否かを判断する(S615)。つまり、前面枠4が開放状態から閉鎖状態に変化したか否かを判断する(S615)。そして、肯定的な判断を行う場合には(S615;YES)、モータ91mを駆動し、開閉部材91tの状態を、排出口91hを開放する状態から、排出口91hを閉鎖する状態に変化させ(S620)、排出口開閉処理(S600)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。これにより、排出口91hが閉鎖状態とされ、本通路部91eから受渡通路部91gに到達する遊技球は、揚送ユニット92の下端側に向かって誘導されることになる(誘導手段内での誘導が継続される。)。
【0206】
更に、前面枠スイッチ4sが出力する信号が、OFF信号からON信号に切り替わるタイミングでも、ON信号からOFF信号に切り替わるタイミングでもない場合には(S605;NO、615;NO)、そのまま排出口開閉処理(S600)を終了して
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。つまり、前面枠4が開放状態を維持していれば排出口91hの状態を開放状態に維持し、前面枠4が閉鎖状態を維持していれば排出口91hの状態を閉鎖状態に維持する。
【0207】
j.補充処理(S650)
図43(a)に示すように、補充処理(S650)が起動すると、補充フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S652)。そして、補充フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S652;NO)、補充処理(S650)をそのまま終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。また、補充フラグがセット(ONに設定)されている場合(S652;YES)、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達したことを検知しているか否かを判断する(S655)。
【0208】
このS655の処理では、上限センサ73Hが遊技球を検知している場合(S655;YES)、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達したと判断される。そして、上限センサ73Hが発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達していることを検出する場合には(S655;YES)、補充部87から球循環機構(主管部86)に遊技球を補充できないと判断されるため、エラー報知を行う(S660)。但し、補充フラグがセット(ONに設定)されている場合には、機内に存在する遊技球が不足しているため、原則的には上限センサ73Hが遊技球を検知しないはずである。そして、補充フラグがセット(ONに設定)されているにもかかわらず、発射球貯留部材73に貯留された遊技球が上限量に到達している場合としては、発射球貯留部材73内等で球詰まりを生じているケース等が想定される。この場合、パチンコホールの店員等が手作業によって、このエラーを解消することになるが、この解消作業を完了すると、上限センサ73Hが遊技球を検知しない状態となる。
【0209】
価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)が、S655の処理で上限センサ73Hが遊技球を検知していないと判断すると(S655;NO)、補充ボタンBが押下されたか否かを判断し(S665)、押下されない場合には(S665;NO)、一旦補充処理(S650)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、押下された場合には(S665;YES)、補充部87から主管部86に1球の遊技球を補充する処理を行った後(S670)、差球数カウンタの値を「−1」した後(S675)、差球数カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S680)。なお、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)は、補充センサ87sが補充される遊技球を検知する毎に、S680の処理を行うこととしてもよい。また、遊技盤10の前面部10Fの隅、本体枠3の前面部若しくは遊技盤10の裏面部G等には、
図43(b)に示すように、補充ボタンBが配設され、この補充ボタンBはS665の処理に基づいて遊技球の補充を行うときに押下される。
【0210】
差球数カウンタの値が「ゼロ」になった場合には(S680;YES)には、補充フラグを解除する処理と、エラー報知(S575の処理のエラー報知)を終了する処理とを行った後(S685)、補充処理(S650)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。一方、差球数カウンタの値が「ゼロ」になっていない場合には(S680;NO)、一旦補充処理(S650)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。そして、価値付与制御基板240に搭載されたCPU(図示を省略)が、
図36の価値付与制御処理(S180)を繰り返し行い、S675およびS675の処理を所定回数行ったところで、差球数カウンタの値が「ゼロ」になると(S680;YES)、S685の処理を行い、補充処理(S650)を終了して、
図36に示す価値付与制御処理(S180)に復帰する。なお、S575の処理で、差球数の表示等を行う場合には、これらをS685の処理で終了する。
【0211】
また、各実施例では、球送り装置87cで遊技球を補充する態様を例示するが、後述するように作業者が補充口等を通じて手作業で補充する態様も例示できる。更に、各実施例では、作業者がボタンBに施す操作に応じて球送り装置87cを駆動し、遊技球を補充する態様を例示したが、価値付与制御処理(S180)のCPU等が所定の制御プログラムに基づいて球送り装置87cの駆動を制御し、遊技球を補充する態様を例示することもできる。例えば、
図43(a)のS665の代わりに差球数を特定する処理を行い、球送り装置87cを差球数に対応する数だけ遊技球を補充するように駆動する処理を実行する。そして、補充される遊技球の数の分だけ、差球数カウンタの値を減算する処理を行い、S680の処理で肯定的な判断がなされると、S685の処理に移行することとしてもよい。
【0212】
(7)CRユニットによるカード情報管理処理(S1000)
次に、
図44を用いて、CRユニット80の制御手段80Aを構成するCPU(図示を省略)が実行するカード情報管理処理(S1000)について説明する。なお、カード情報管理処理(S1000)は所定周期(例えば、2msec周期)で繰り返し実行される。
【0213】
カード情報管理処理(S1000)が起動すると、制御手段80Aを構成するCPUは、紙幣挿入口81への紙幣の挿入と、カード出入口84へのカード(但し、度数残高情報が記憶されたカード)の挿入と、のうちの少なくも何れかが行われたか否かを判断する(S1005)。そして、S1005において肯定的な判断がなされると(S1005;YES)、入金情報を遊技機へ送信する処理(S1010)と、紙幣挿入口81に挿入された紙幣の金額に対応する度数情報若しくはカード出入口84に挿入されたカードに記憶された度数情報(度数残高情報)を、CRユニット80を構成する記憶手段80Bに保存(記憶)した後、一旦カード情報管理処理(S1000)を終了する。なお、この際、残高表示部5rには、価値残高(有価残高)が最大3桁の算用数字で表示される。
【0214】
制御手段80Aを構成するCPUは、S1005において否定的な判断を行うと(S1005;NO)、貸出ボタン5cが操作されたか否かを判断し(S1020)、操作されている場合には(S1020;YES)、記憶手段80Bに必要な残り度数(球貸を行う上で必要な残り度数であって、本実施例では5度)が記憶されているか否かを判断し(S1022)、否定的な判断がなされる場合には(S1022;NO)、カード情報管理処理(S1000)をそのまま終了する。
【0215】
記憶手段80Bに必要な残り度数が記憶されている場合には(S1022;YES)、記憶手段80Bに保存(記憶)されている度数情報(度数残高情報)を更新する(貸球とした分だけ、減算する)処理(S1025)と、貸出情報を遊技機1に送信する処理(S1030)とを行った後、一旦、カード情報管理処理(S1000)を終了する。ここで、貸出ボタン5cを有効な操作が1回行われる毎に「5度分の個数(例えば、125個)」の遊技球が貸出球とされ、この貸出球の個数を特定するための情報(貸球情報)が遊技機1に送信される。
【0216】
そして、遊技機1においてはCRユニット80から送信される貸球情報を受信すると、当該貸球情報によって特定される個数の遊技球が持ち球数に加算される(
図32のS230を参照)。つまり、加算される持ち球数の分だけ、発射装置8mによって発射可能な遊技球の個数が増加する。また、貸球情報が遊技機1に送信されると、この貸球情報によって特定される個数に対応した度数情報(度数残高情報)分だけ、度数残高情報が減少する(
図33のS1025)。
【0217】
制御手段80Aを構成するCPUは、S1020において否定的な判断を行うと(S1020;NO)、遊技機1から遊技終了情報を受信したか否かを判断する(S1060)。そして、遊技終了情報を受信していない場合には(S1060;NO)、カード情報管理処理(S1000)をそのまま終了する。また、遊技終了情報を受信している場合には(S1060;YES)、遊技終了情報で特定される持ち球に関するデータを、カードの度数情報に反映させる処理を行う(S1065)。そして、カードの度数情報が「ゼロ度」である場合には(S1070;NO)、遊技者にカードを返却することなく、カード情報管理処理(S1000)を終了する。これに対して、カードの度数情報が「ゼロ度」でない場合には(S1070;YES)、カードをカード出入口84から排出した後(S1075)、カード情報管理処理(S1000)を終了する。
【0218】
(8)実施例の効果
本遊技機1によると、遊技領域11で球詰まり等の不具合を生じたため、前面枠(前扉)4を開放状態としつつ、この不具合を解消する作業を行っているときに、受入口に不正球を進入させる行為が行われたとしても、この不正球を誘導手段(球集合ユニット91、揚送ユニット92、中継ユニット85、発射球貯留部材73、球送り装置75)外に排出することができる。また、不正行為者が前面枠(前扉)4を意図的に開放状態とし、受入口に不正球を進入させる行為が行われた場合も、この不正球を誘導手段外に排出することができる。従って、本遊技機1によると、不正球を用いた不正行為が行われることを抑制することができる。
【0219】
また、本遊技機1では、前面枠4が開放状態であるときには、集合樋(集合用の樋状通路91d)に設けた切換手段(開閉部材91t)によって遊技球の誘導先が誘導手段外に切り換えられる。つまり、遊技球の誘導先を誘導手段内若しくは誘導手段外に切り換える切換手段を集合樋(集合用の樋状通路91d)に設け、何れの受入口で受け入れられた遊技球に対しても、共通的に使用するため、不正行為が行われること抑制するための構成を簡易に得ることができる。また、本遊技機1は、誘導手段外に排出された遊技球を貯留する貯留手段(貯留容器91n)を備えるため、誘導手段外に誘導された遊技球が飛散したり、紛失することを防止できる。また、前面枠(前扉)4が開放状態であるときに受入口に受け入れられた遊技球が、不正球であるか否かを確認することができるため、不正行為が行われようとした形跡が存在するか否かを判断することができる。よって、不正行為の未然防止を図りつつ、当該不正行為が行われることを更により確実に抑制することができる。また、球詰まり等の不具合を解消する作業等に伴って、機内に封入された遊技球に不足等を生じた場合、その旨が報知されるため、パチンコホールの管理者等が公正な遊技球を補充することができる。更に、遊技球の球数の不足を生じたときに、その旨が報知されるため、管理者等が球数の不足の発生を把握することが容易である。このため、球数の不足等を生じたことに乗じて、不正行為者が不正球を補充すること等を確実に防止することを通じて、不正行為が行われることを抑制できる。
【0220】
なお、実施例1では、中継ユニット85に補充部87を設ける態様を例示したが、
図45の変形例1に示すように、球集合ユニット91に補充部87を設ける態様も例示できる。この変形例1では、受渡通路部91gにおいて、排出口91hよりも、揚送ユニット92側の部位に補充部87を接続する態様を例示している。また、この変形例1では、補充部87が受渡通路部91gに向かって遊技球を補充する部位が、受渡通路部91gにおいて排出口91hと、受入検知スイッチ91wとの間とされているため、補充部87によって補充される遊技球は受入検知スイッチ91wによって検知される。よって、補充部87によって遊技球が補充される毎に、差球数カウンタの値が「−1」されるため{
図41(b)のS530の処理で対応できるため}、
図43からS675の処理を省略することができる。また、変形例1においても、実施例1と同様に、排出口91hが開放状態とされると、回転した開閉部材91tによって、本通路部91eのうち、排出口91hよりも下方側と上流側とが分離されるため、補充部87によって補充される遊技球が誤って排出口91hから排出されることもない。
【0221】
また、実施例1では、前面枠4が開放状態となることを条件に循環使用可能な遊技球数を特定し、その特定された遊技球数が規定数を下回ると判断されると(差球数カウンタの値が正数であると判断されると)、補充フラグをセットし、報知を行う態様を例示した。但し、
図46に示す変形例2のように、前面枠4が閉鎖状態にあるときに、循環使用可能な遊技球数を特定する処理や、補充フラグをセットする処理等を行ってもよい。ここで、変形例2では、
図40および
図42(a)の代わりに
図46を用いる点が実施例1と異なる。
【0222】
変形例2の前面枠開放関連処理(S450)においても、S455、S460、S465、S470、S475の処理に関しては、実施例1の前面枠開放関連処理(S450)と同様である。但し、変形例2の前面枠開放関連処理(S450)においては、S475の処理に続いて、S476以降の処理を行う。つまり、S476の処理において、価値付与制御処理(S180)に搭載されたCPU(図示を省略)は、差球数カウンタからその時点の差球数を取得する(S476)。次いで、差球数カウンタに記憶されている差球数(差球数カウンタのカウント値)が「ゼロ」であるか否かを判断し(S477)、「ゼロ」である場合には(S477;YES)、そのままS480の処理に移行する。一方、「ゼロ」でない場合には(S560;NO)、補充フラグをセット(ONに設定)する処理と、エラー報知信号を出力する処理とを行った後(S478)、S480の処理に移行する。そして、S480以降の処理に関しては、実施例1の前面枠開放関連処理(S450)と同様である。
【0223】
変形例2では、前面枠4が閉鎖状態であるときに、循環使用可能な遊技球数が特定され、循環使用可能な遊技球数が不足すると、エラー報知がなされる。このため、遊技中に「ブドウ等の球詰まり」を生じたり、意図的に「ブドウ等の球詰まり」を生じさせる行為が行われると、前面枠4を開放状態にしなくても(例えば、不正行為者による不正行為が進行中であったり、遊技者による遊技が続行中であっても)が、これを発見したり、報知することができる。