特許第5854095号(P5854095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5854095耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物および耐熱コンベヤベルト
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  • 特許5854095-耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物および耐熱コンベヤベルト 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5854095
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物および耐熱コンベヤベルト
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20160120BHJP
   C08L 23/16 20060101ALI20160120BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20160120BHJP
   B65G 15/32 20060101ALI20160120BHJP
【FI】
   C08L23/08
   C08L23/16
   C08K5/14
   B65G15/32
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-152133(P2014-152133)
(22)【出願日】2014年7月25日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】鄒 徳慶
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−178917(JP,A)
【文献】 特開2000−169824(JP,A)
【文献】 特開平10−168257(JP,A)
【文献】 特開平08−059924(JP,A)
【文献】 特開平03−035041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/00−23/36
B65G 15/00−15/64
C08K 5/00−5/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
125℃におけるムーニー粘度が20以上である、エチレン・1−ブテン共重合体と、 125℃におけるムーニー粘度が20以上であり、エチレン含有量が40質量%以上60質量%未満であるエチレン・プロピレン共重合体と、を含有し、前記エチレン・1−ブテン共重合体と前記エチレン・プロピレン共重合体との質量比が、10/90〜90/10である、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項2】
前記エチレン・1−ブテン共重合体の125℃におけるムーニー粘度が、30以上である、請求項1に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項3】
さらに有機過酸化物を含有し、前記有機過酸化物の含有量が、前記エチレン・1−ブテン共重合体と前記エチレン・プロピレン共重合体との合計100質量部に対して、0.011〜0.020モル当量である、請求項1または2に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物を用いる耐熱コンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物および耐熱コンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の[請求項1]には「融点40℃以下のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物」が記載され、同[請求項2]には「エチレン含有量60〜80質量%のエチレン・プロピレン共重合体をさらに含有」することが記載され、同[請求項3]には「前記エチレン・α−オレフィン共重合体が、融点40℃以下のエチレン・1−ブテン共重合体である」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−178917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1に記載された耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物について検討を行ったところ、耐熱性が不十分であることが明らかとなった。具体的には、150℃での引張強さ(TB)が小さかったり、室温での引張強さと150℃での引張強さとの変化率(ΔTB)が大きかったりした。
【0005】
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れる耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、エチレン・1−ブテン共重合体のムーニー粘度を高くし、かつ、エチレン・プロピレン共重合体のエチレン含有量を少なくすることで、耐熱性が良化することを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)125℃におけるムーニー粘度が20以上であるエチレン・1−ブテン共重合体と、125℃におけるムーニー粘度が20以上であり、エチレン含有量が40以上60質量未満%であるエチレン・プロピレン共重合体と、を含有し、上記エチレン・1−ブテン共重合体と上記エチレン・プロピレン共重合体との質量比が、10/90〜90/10である、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
(2)上記エチレン・1−ブテン共重合体の125℃におけるムーニー粘度が、30以上である、上記(1)に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
(3)さらに有機過酸化物を含有し、上記有機過酸化物の含有量が、上記エチレン・1−ブテン共重合体と上記エチレン・プロピレン共重合体との合計100質量部に対して、0.011〜0.020モル当量である、上記(1)または(2)に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
(4)上記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物を用いる耐熱コンベヤベルト。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐熱性に優れる耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の耐熱コンベヤベルトの一実施形態の断面図である。
図2】本発明の耐熱コンベヤベルトの他の一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物、および、本発明の耐熱コンベヤベルトについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0011】
[耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物]
本発明の耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」ともいう。)は、125℃におけるムーニー粘度が20以上であるエチレン・1−ブテン共重合体と、125℃におけるムーニー粘度が20以上であり、エチレン含有量が40〜60質量%であるエチレン・プロピレン共重合体と、を含有し、上記エチレン・1−ブテン共重合体と上記エチレン・プロピレン共重合体との質量比が、10/90〜90/10である、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物である。
【0012】
本発明のゴム組成物は、上記構成を採用することにより、耐熱性に優れる。
この理由は明らかではないが、ムーニー粘度が高いエチレン・1−ブテン共重合体と、エチレン含有量が少ないエチレン・プロピレン共重合体とを併用することで、加硫(架橋)後の熱時物性が最適化されるためと考えられる。もっともこのメカニズムは推定であり、これ以外のメカニズムであっても本発明の範囲内とする。
以下、本発明のゴム組成物に含有される各成分について説明する。
【0013】
〔エチレン・1−ブテン共重合体〕
本発明のゴム組成物は、125℃におけるムーニー粘度が20以上であるエチレン・1−ブテン共重合体(EBM)を含有する。
【0014】
上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)の125℃におけるムーニー粘度は、耐熱性がより優れるという理由から、30以上が好ましく、40以上がより好ましい。なお、上限値は特に限定されないが、70以下が好ましく、55以下がより好ましい。
【0015】
なお、125℃におけるムーニー粘度とは、JIS K6300−1−2001に準じて、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度125℃の条件で測定した粘度(ML1+4、125℃)のことである(以下、同様)。
【0016】
上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)のエチレン含有量は、特に限定されないが、60〜90質量%が好ましく、65〜85質量%がより好ましい。
【0017】
上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、125℃におけるムーニー粘度が47であるエチレン・1−ブテン共重合体(商品名「Engage 7487」)等が挙げられる。
なお、特許文献1の段落[0038]に記載されているエチレン・1−ブテン共重合体(商品名「Engage 7467」)の125℃におけるムーニー粘度は19である。
【0018】
〔エチレン・プロピレン共重合体〕
本発明のゴム組成物は、上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)のほかに、さらに、125℃におけるムーニー粘度が20以上であり、かつ、エチレン含有量が40〜60質量%であるエチレン・プロピレン共重合体(EPM)を含有する。
【0019】
上記エチレン・プロピレン共重合体(EPM)の125℃におけるムーニー粘度は、20以上であれば特に限定されないが、25以上がより好ましい。なお、上限値は特に限定されないが、50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
【0020】
上記エチレン・プロピレン共重合体(EPM)のエチレン含有量は、耐熱性がより優れるという理由から、40質量%以上60質量%未満が好ましく、45〜55質量%がより好ましい。
【0021】
上記エチレン・プロピレン共重合体(EPM)としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、125℃におけるムーニー粘度が26であり、エチレン含有量が52質量%であるエチレン・プロピレン共重合体(商品名「KEP−110」)等が挙げられる。
なお、特許文献1の段落[0038]に記載されているエチレン・プロピレン共重合体(商品名「VISTALON 706」)の125℃におけるムーニー粘度は42であり、エチレン含有量は65質量%である。
【0022】
〈質量比〉
上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)と上記エチレン・プロピレン共重合体(EPM)との質量比(EBM/EPM)は、10/90〜90/10であり、15/85〜70/30が好ましく、20/80〜50/50がより好ましい。
【0023】
〔有機過酸化物〕
本発明のゴム組成物は、さらに、架橋剤として、有機過酸化物を含有してもよい。
上記有機過酸化物としては、特に限定されず、従来公知のものを使用でき、その具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、4,4´−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレリック酸n−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機過酸化物の含有量は、特に限定されないが、上記エチレン・1−ブテン共重合体(EBM)と上記エチレン・プロピレン共重合体(EPM)との合計100質量部に対して、0.007〜0.024モル当量が好ましく、0.011〜0.020モル当量がより好ましい。
【0024】
上記有機過酸化物としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(商品名「パーカドックス14−40」、化薬アクゾ社製)等が挙げられる。
【0025】
〔任意成分〕
本発明のゴム組成物は、上記各成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、一般的に用いられるカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、オイル、可塑剤、上述した有機過酸化物以外の架橋剤等の添加剤を含有できる。これらの添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜決めることができる。
【0026】
本発明のゴム組成物の製造は、公知の条件および方法により行うことができる。例えば、本発明のゴム組成物は、上述した各成分を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を用いて混合することで製造できる。
【0027】
[耐熱コンベヤベルト]
次に、本発明の耐熱コンベヤベルトについて説明する。
本発明の耐熱コンベヤベルトは、本発明のゴム組成物を用いた耐熱コンベヤベルトである。その形状、製造方法等は公知の耐熱コンベヤベルトと同様である。
本発明の耐熱コンベヤベルトの具体的な構成としては、例えば、下記に示すようなものが挙げられる。
【0028】
本発明の耐熱コンベヤベルトの第1の実施形態を、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の耐熱コンベヤベルトの一実施形態の断面図である。図1に示すように、本発明の耐熱コンベヤベルトの第1の実施形態は、帆布1をコートゴム(接着ゴム)2で被覆して芯材層とし、その外周を上述した本発明のゴム組成物からなるカバーゴム3でカバーした耐熱コンベヤベルト4である。
図1の耐熱コンベヤベルト4は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル等の合成繊維の織布よりなる帆布1を芯材とするものであり、帆布1の積層枚数、カバーゴム3の厚さやベルト幅等は使用目的に応じて適宜決定されるが、カバーゴム3の厚さT、Tは通常の場合、1.5〜20mm程度とされる。
【0029】
また、コートゴム2は、公知の耐熱コンベヤベルトに用いられているコートゴムを使用でき、例えば、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等をゴム成分とするゴム組成物が使用できる。
【0030】
次に、本発明の耐熱コンベヤベルトの第2の実施形態を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の耐熱コンベヤベルトの他の一実施形態の断面図である。
図2に示すように、本発明の耐熱コンベヤベルトの第2の実施形態は、スチールコード5をクッションゴム(接着ゴム)6で被覆して芯材層とし、その外周を上述した本発明のゴム組成物からなるカバーゴム7でカバーした耐熱コンベヤベルト8である。
図2の耐熱コンベヤベルト8は、直径0.2〜0.4mm程度の素線を複数本撚り合わせて直径2.0〜9.5mm程度のスチールコード5を50〜230本程度並列させて芯材とするものであり、一般に、耐熱コンベヤベルト8の総厚みTは10〜50mm程度とされる。
また、クッションゴム6は、例えば、公知のスチールコンベヤベルトに用いられている亜鉛メッキスチールコードに接着可能な接着ゴムを使用でき、具体的には、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等をゴム成分とするゴム組成物が使用できる。
【0031】
このような耐熱コンベヤベルトは、常法に従って、芯材となる帆布やスチールコードを本発明のゴム組成物で成形した未加硫のゴムシート間に介在させ、加熱加圧して加硫することにより容易に製造できる。なお、加硫条件は、通常120〜180℃前後、0.1〜4.9MPa程度で10〜90分程度である。
【0032】
本発明の耐熱コンベヤベルトは、上述した本発明のゴム組成物を用いているので、耐熱性等に優れる。
【実施例】
【0033】
以下に実施例を挙げ、本発明のゴム組成物についてさらに説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0034】
[ゴム組成物の調製]
下記第1表に示す各成分を、下記第1表に示す組成(架橋剤1のみモル当量、その他の成分は質量部)で配合し、各耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」という)を調製した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち架橋剤1および架橋剤2を除く成分をバンバリーミキサー(3.4リットル)で5分間混練し、160℃に達したときに放出し、マスターバッチを得た。次に、得られたマスターバッチに架橋剤1および架橋剤2をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
【0035】
[TB(常態)]
得られた各ゴム組成物を150℃のプレス成型機を用い、面圧3.0MPaの圧力下で45分間加硫して、2mm厚の加硫シートを作製した。このシートからJIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251:2010に準拠して行い、引張強さ(TB)[MPa]を室温にて測定した。結果を下記第1表に示す。
【0036】
[TB(熱時)]
上記加硫シートついて、上記と同様にして、引張強さ(TB)[MPa]を150℃の恒温槽にて測定した。TB(熱時)の値が4.8以上であれば、耐熱性に優れるものとして評価できる。結果を下記第1表に示す。
【0037】
[ΔTB
室温での引張強さ(TB(常態))と150℃での引張強さ(TB(熱時))との変化率(ΔTB)[%]を求めた。ΔTBの値が−70以上であれば、耐熱性に優れるものとして評価できる。結果を下記第1表に示す。
変化率(ΔTB)={(TB(熱時)−TB(常態))/TB(常態)}×100
【0038】
【表1】
【0039】
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・EBM1:125℃におけるムーニー粘度が19であり、エチレン含有量が74質量%であるエチレン・1−ブテン共重合体、商品名「Engage 7467」(ダウケミカル社製)
・EBM2:125℃におけるムーニー粘度が47であり、エチレン含有量が74質量%であるエチレン・1−ブテン共重合体、商品名「Engage 7487」(ダウケミカル社製)
・EPM1:125℃におけるムーニー粘度が26であり、エチレン含有量が52質量%であるエチレン・プロピレン共重合体、商品名「KEP−110」(KUMHO POLYCHEM社製)
・EPM2:125℃におけるムーニー粘度が42であり、エチレン含有量が65質量%であるエチレン・プロピレン共重合体、商品名「VISTALON 706」(Exxon Mobil Chemical社製)
【0040】
・カーボンブラック:商品名「ニテロン#300」(新日化カーボン社製)
・亜鉛華:商品名「酸化亜鉛3種」(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:商品名「ステアリン酸50S」(千葉脂肪酸社製)
・老化防止剤1:商品名「ノクラックMMB」(大内新興化学工業社製)
・老化防止剤2:商品名「ノンフレックスLAS−P」(精工化学社製)
・オイル:商品名「SUNPAR 2280」(日本サン石油社製)
・可塑剤:商品名「ルーカント HC−3000X」(三井化学社製)
・架橋剤1:商品名「パーカドックス14−40」(化薬アクゾ社製)
・架橋剤2:商品名「ハイクロスGT」(精工化学社製)
【0041】
上記第1表に示す結果から明らかなように、125℃におけるムーニー粘度が47であるEBM2と、エチレン含有量が52質量%であるEPM1とを併用した実施例1〜3は、ΔTBの値が−70以上であり、耐熱性に優れることが明らかとなった。
【0042】
これに対して、125℃におけるムーニー粘度が19であるEBM1と、エチレン含有量が65質量%であるEPM2とを併用した比較例1〜4は、TB(熱時)の値が4.8未満であり、かつ、ΔTBの値が−70未満であることから、耐熱性に劣ることが明らかとなった。なお、比較例1〜4は、特許文献1の実施例2〜5に相当する。
【0043】
また、EBM1とEPM1とを併用した比較例5〜6は、ΔTBの値が−70以上となったが、TB(熱時)の値が4.8未満であり、やはり、耐熱性に劣っていた。
【符号の説明】
【0044】
1:帆布
2:コートゴム
3,7:カバーゴム
4,8:耐熱コンベヤベルト
5:スチールコード
6:クッションゴム
【要約】
【課題】耐熱性に優れる耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】125℃におけるムーニー粘度が20以上であるエチレン・1−ブテン共重合体と、125℃におけるムーニー粘度が20以上であり、エチレン含有量が40〜60質量%であるエチレン・プロピレン共重合体と、を含有し、上記エチレン・1−ブテン共重合体と上記エチレン・プロピレン共重合体との質量比が、10/90〜90/10である、耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物。
【選択図】なし
図1
図2