(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854278
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】拘束型制振プレート及びこれを使用した床版
(51)【国際特許分類】
E04B 5/43 20060101AFI20160120BHJP
E04B 1/98 20060101ALI20160120BHJP
E04F 15/20 20060101ALI20160120BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20160120BHJP
【FI】
E04B5/43 H
E04B1/98 H
E04F15/20
F16F15/04 A
F16F15/04 P
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-153526(P2012-153526)
(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公開番号】特開2014-15757(P2014-15757A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2014年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(74)【代理人】
【識別番号】100084629
【弁理士】
【氏名又は名称】西森 正博
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昇司
(72)【発明者】
【氏名】永松 英夫
【審査官】
星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3380722(JP,B2)
【文献】
特開平01−229133(JP,A)
【文献】
特開2006−218965(JP,A)
【文献】
実開昭61−181410(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/43
E04B 1/98
E04F 15/20
F16F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床版(1)の基材(2)の下面に張り付けて使用される拘束型制振プレート(3)であって、
前記基材(2)の下面に重合接着される板状の制振材(11)と、
前記制振材(11)の下面に重合接着された板状の下面拘束材(12)とを備え、
前記下面拘束材(12)は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起(20)及び複数の開孔(21)が形成され、
前記下面拘束材(12)の突起(20)が、前記制振材(11)に食い込むとともに、前記下面拘束材(12)の開孔(21)に、前記制振材(11)の一部が嵌り込んだ状態とされ、
前記制振材(11)の上面に、上面下地材(10)が重合接着され、
前記制振材(11)が、前記上面下地材(10)を介して前記基材(2)の下面に重合接着され、
前記上面下地材(10)の剛性が前記下面拘束材(12)の剛性よりも低い
ことを特徴とする拘束型制振プレート。
【請求項2】
床版(1)の基材(2)の下面に張り付けて使用される拘束型制振プレート(3A)であって、
前記基材(2)の下面に重合接着される板状の制振材(11)と、
前記制振材(11)の下面に重合接着された板状の下面拘束材(12)と、
前記制振材(11)に埋設されて、前記下面拘束材(12)と略平行に配された板状の中間拘束材(30)(31)とを備え、
前記中間拘束材(30)(31)は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起(32)及び複数の開孔(33)が形成され、
前記中間拘束材(30)(31)の突起(32)が、前記制振材(11)に食い込むとともに、前記中間拘束材(30)(31)の開孔(33)に、前記制振材(11)の一部が嵌り込んだ状態とされ、
前記制振材(11)の上面に、上面下地材(10)が重合接着され、
前記制振材(11)が、前記上面下地材(10)を介して前記基材(2)の下面に重合接着され、
前記上面下地材(10)の剛性が前記下面拘束材(12)の剛性よりも低い
ことを特徴とする拘束型制振プレート。
【請求項3】
前記下面拘束材(12)は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起(20)及び複数の開孔(21)が形成され、
前記下面拘束材(12)の突起(20)が、前記制振材(11)に食い込むとともに、前記下面拘束材(12)の開孔(21)に、前記制振材(11)の一部が嵌り込んだ状態とされた
請求項2記載の拘束型制振プレート。
【請求項4】
前記中間拘束材(30)(31)は、上下方向に間隔をあけて複数枚設けられ、
上下方向の隣接する中間拘束材(30)(31)の突起(32)及び開孔(33)が、互いに左右方向に位置ずれした状態とされた
請求項2又は3記載の拘束型制振プレート。
【請求項5】
前記制振材(11)は、粘弾性体からなり、
前記上面下地材(10)は、金属板からなる
請求項1乃至4のいずれかに記載の拘束型制振プレート。
【請求項6】
前記突起(20)(32)は、前記開孔(21)(33)を囲むように筒状に形成された
請求項1乃至5のいずれかに記載の拘束型制振プレート。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の拘束型制振プレート(3)(3A)を、基材(2)の下面に張り付けてなる
ことを特徴とする床版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の床版の基材下面に張り付けて使用される拘束型制振プレート及びこれを使用した床版に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の上層階から下層階へ伝搬する重量床衝撃音を低減するにあたって、例えば上層階の床版の重量を重くしたり、また上層階の床版に対して多数のダイナミックダンパーを取り付けるといった対策が一般的に採られている。
【0003】
しかしながら、床版の重量を重くする場合には、多大な重量付加を伴うことになり、構造躯体への負荷が大きくなるといった不具合があった。また、床版に対してダイナミックダンパーを取り付ける場合には、施工が面倒になるとともに、設備費も増大するといった不具合があった。
【0004】
これらの対策以外に、上層階の床版の基材下面に制振プレートを張り付けるといった対策も知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、構造躯体に大きな負荷をかけずに済み、しかも施工が簡単で、設備費も比較的安価に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3380722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
制振プレートとしては、粘弾性体からなる制振材と金属板からなる拘束材とを接着一体化した構造のものがあり、床版の基材下面に制振材を重合接着することで、床版の基材下面に張り付けられるようになっている。そして、床版上において子供が飛び跳ねる等して、基材が鉛直方向に振動すると、基材は撓んでその下面側が伸びようとするが、拘束材は殆ど撓むことなくその長さを維持しようとする。すると、基材と拘束材との間に位置する制振材は、上面側では基材の伸びに合わせて伸びることになるが、下面側では拘束材によって伸びが拘束されて、剪断変形することになる。これによって、振動エネルギーが吸収されて、重量床衝撃音が低減されるようになっている。
【0007】
しかしながら、この種の拘束型制振プレートは、木造住宅の床部に使用されることが多く、RC造や鉄骨造の住宅の床部に使用した場合、制振性能を十分に発揮することができず、重量床衝撃音の低減効果があまり期待できないことがあった。制振性能を高めるには、制振材の厚みを厚くすることが考えられるが、この場合、厚みを増しても制振材全体の剪断変形が生じることが難しく、制振性能が比例して向上しない。また、床版の重量が重くなるとともに、制振材の材料費も高騰してしまうといった不具合があった。
【0008】
この発明は、上記の不具合を生じることなく、制振性能の向上を図ることができる拘束型制振プレート及びこれを使用した床版の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の拘束型制振プレート3は、床版1の基材2の下面に張り付けて使用されるものであって、前記基材2の下面に重合接着される板状の制振材11と、前記制振材11の下面に重合接着された板状の下面拘束材12とを備え、前記下面拘束材12は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起20及び複数の開孔21が形成され、前記下面拘束材12の突起20が、前記制振材11に食い込むとともに、前記下面拘束材12の開孔21に、前記制振材11の一部が嵌り込んだ状態とされ
、前記制振材11の上面に、上面下地材10が重合接着され、前記制振材11が、前記上面下地材10を介して前記基材2の下面に重合接着され、前記上面下地材10の剛性が前記下面拘束材12の剛性よりも低いことを特徴とする。
【0010】
別の発明の拘束型制振プレート3Aは、床版1の基材2の下面に張り付けて使用されるものであって、前記基材2の下面に重合接着される板状の制振材11と、前記制振材11の下面に重合接着された板状の下面拘束材12と、前記制振材11に埋設されて、前記下面拘束材12と略平行に配された板状の中間拘束材30、31とを備え、前記中間拘束材30、31は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起32及び複数の開孔33が形成され、前記中間拘束材30、31の突起32が、前記制振材11に食い込むとともに、前記中間拘束材30、31の開孔33に、前記制振材11の一部が嵌り込んだ状態とされ
、前記制振材11の上面に、上面下地材10が重合接着され、前記制振材11が、前記上面下地材10を介して前記基材2の下面に重合接着され、前記上面下地材10の剛性が前記下面拘束材12の剛性よりも低いことを特徴とする。
【0011】
また、上記の拘束型制振プレート3Aにおいて、下面拘束材12は、金属板からなり、その要所要所に複数の突起20及び複数の開孔21が形成され、前記下面拘束材12の突起20が、前記制振材11に食い込むとともに、前記下面拘束材12の開孔21に、前記制振材11の一部が嵌り込んだ状態とされている。
【0012】
さらに、上記の拘束型制振プレート3Aにおいて、前記中間拘束材30、31は、上下方向に間隔をあけて複数枚設けられ、上下方向の隣接する中間拘束材30、31の突起32及び開孔33が、互いに左右方向に位置ずれした状態とされている。
【0013】
また、上記の拘束型制振プレート3、3Aにおいて、前記制振材11は、粘弾性体からなり、
前記上面下地材10は、金属板からなる。さらに、前記突起20、32は、前記開孔21、33を囲むように筒状に形成されている。
【0014】
この発明の床版1は、上記の拘束型制振プレート3、3Aを、基材2の下面に張り付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明の拘束型制振プレートにおいては、制振材と下面拘束材とがしっかりと噛み合わされた状態となり、制振材に対して下面拘束材の拘束力を効果的に発揮させて、制振材の剪断変形に伴う振動エネルギーの吸収効果を促進させることができ、床版の重量増加や材料費の高騰を招くことなく、制振性能の向上を図ることができる。
【0016】
別の発明の拘束型制振プレートにおいては、下面拘束材に加えて中間拘束材を設けることで、制振材に対する拘束力を十分に高めて、制振性能のより一層の向上を図ることができる。さらに、上下方向の隣接する中間拘束材の突起及び開孔を、互いに左右方向に位置ずれさせることで、中間拘束材の拘束力を局部的に集中させずに満遍なく効かせることができ、制振性能の安定化を図ることができる。
【0017】
また、上記の拘束型制振プレートにおいて、粘弾性体からなる制振材を、金属板からなる上面下地材を介して基材の下面に重合接着することで、例えば基材としてALC等が使用されていても、基材の下面への安定した張り付けが可能となり、制振性能を良好に維持することができる。
【0018】
さらに、下面拘束材や中間拘束材における筒状の突起を、制振材に食い込ませることで、この筒状の突起によって制振材の下面側における面方向(あらゆる横方向)の伸びを効果的に規制することができ、制振材に対する拘束力を確実に発揮させて、制振性能の安定化を図ることができる。
【0019】
上記の拘束型制振プレートを備えた床版においては、構造躯体に大きな負荷をかけずに済み、しかも施工が簡単で、設備費も比較的安価に抑えながらも、重量床衝撃音の低減効果の高い床版とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の一実施形態に係る床版の斜視図である。
【
図6】基材の振動時の状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至
図3は、鉄骨造住宅の床部に設置された床版1を示している。この床版1は、基材2の下面に拘束型制振プレート3を張り付けることによって構成されている。なお、基材2の上面には、床仕上げ材4が敷設されている。
【0022】
基材2は、例えばALCからなり、平面視略長方形状に形成されていて、長手方向の長さが例えば約2000mm、短手方向の長さが例えば約500mm、厚さが例えば約100mmとされている。そして、床版1は、基材2の短手方向に沿った両端部がH形鋼からなる床梁5によって支持された状態で並置されている。
【0023】
拘束型制振プレート3は、
図4及び
図5に示すように、板状の上面下地材10と、板状の制振材11と、板状の下面拘束材12とを備え、上面下地材10と下面拘束材12とによって制振材11を挟み込むようにして、これらを接着一体化してなる。具体的に、上面下地材10は、平面視略長方形状の金属板からなり、制振材11は、平面視略長方形状の粘弾性体からなり、下面拘束材12は、平面視略長方形状の金属板からなる。そして、制振材11の粘着力によって、制振材11の上面に上面下地材10が重合接着され、制振材11の下面に下面拘束材12が重合接着されている。
【0024】
この拘束型制振プレート3は、全体的に基材2よりも一回り小さい平面視略長方形状に形成されていて、上面下地材10の短手方向に沿った両端部が、制振材11及び下面拘束材12の短手方向に沿った両端部よりも側方へ張り出した状態となっている。
【0025】
また、この拘束型制振プレート3において、上面下地材10は、基材2の下面への接着を良好に行うためのものであって、下面拘束材12のような拘束機能は必要ではなく、むしろ基材2の振動時の撓みに合わせて積極的に撓むことで、基材2の挙動を制振材11に伝えるようになっている。このため、上面下地材10は、その肉厚が下面拘束材12の肉厚よりも薄くなっていて、その剛性が下面拘束材12の剛性よりも低くなっている。
【0026】
さらに、この拘束型制振プレート3において、下面拘束材12には、その要所要所に例えばバーリング加工を施すことによって、複数の突起20及び複数の開孔21が形成されている。突起20は、開孔21を囲むようにして上方へ向けて突出した筒状に形成されている。そして、この下面拘束材12の突起20が、制振材11に食い込むとともに、下面拘束材12の開孔21に、制振材11の一部が嵌り込んだ状態となっている。これにより、制振材11と下面拘束材12との接触面積が増大して、制振材11と下面拘束材12とがしっかりと噛み合わされた状態となり、制振材11に対する下面拘束材12の拘束力が効果的に発揮されるようになっている。なお、突起20としては、上記のような筒状のものに限らず、例えば爪状や帯板状のものであっても良い。
【0027】
上記の拘束型制振プレート3は、以下のようにして床版1の基材2の下面に取り付けられている。すなわち、
図1乃至
図3に示すように、基材2の短手方向に沿った両端部を支持する床梁5を回避しながら、拘束型制振プレート3を、その長手方向に沿った両端部が基材2の長手方向に沿った両端部に沿うように配置した状態で、拘束型制振プレート3の上面下地材10を、接着剤25によって基材2の下面に重合接着するとともに、拘束型制振プレート3の複数箇所を、その下方からねじ込んだビス26によって基材2の下面にビス止めしている。なお、基材2の下面に上面下地材10を重合接着するための接着剤25としては、制振機能を有する弾性変形可能なものを用いるのが、制振性能を高める上で好ましい。
【0028】
拘束型制振プレート3の制振材11を、その粘着力によって基材2の下面に直接的に重合接着する場合、ALCからなる基材2と制振材11とのなじみが悪くて、接着が不安定になることがあるが、上記のように金属板からなる上面下地材10を基材2の下面に重合接着する(制振材11を上面下地材10を介して基材2の下面に間接的に重合接着する)ことで、接着を安定させるようにしている。また、このような接着だけでなく、ビス止めを併用することで、接着力の低下によって拘束型制振プレート3が基材2の下面から剥がれて落下するといった不具合をなくすようにしている。
【0029】
そして、上記のビス止めに際しては、拘束型制振プレート3の複数箇所のうちの一部において、上面下地材10のみを基材2の下面にビス止めしている。具体的には、拘束型制振プレート3の短手方向に沿った両端部付近において、上面下地材10の短手方向に沿った両端部の張出部分10aのみを基材2の下面にビス止めし、拘束型制振プレート3の長手方向の中央部付近において、上面下地材10、制振材11、下面拘束材12を一纏めにして基材2の下面にビス止めしている。すなわち、上面下地材10においては、その長手方向の中央及び両端が基材2の下面にビス止めされ、制振材11及び下面拘束材12においては、その長手方向の中央のみが基材2の下面にビス止めされた状態となっている。これにより、基材2と下面拘束材12とがビス26を介して完全に連結一体化した状態にならないようにして、基材2の振動時における基材2と下面拘束材12との間での相対的な横ズレを許容している。
【0030】
このようにして、基材2の下面に拘束型制振プレート3を張り合わせるように取り付けた床版1上において、子供が飛び跳ねる等して、基材2が鉛直方向に振動すると、
図6に示すように、基材2は撓んでその下面側が伸びようとするが、拘束型制振プレート3の下面拘束材12は殆ど撓むことなくその長さを維持しようとする。すなわち、基材2と下面拘束材12との間での相対的な横ズレが生じる。すると、基材2と下面拘束材12との間に位置する制振材11は、上面側では基材2の伸びに合わせて伸びることになるが、下面側では下面拘束材12によって伸びが拘束されて、剪断変形することになる。このとき、上記のように制振材11と下面拘束材12とはしっかりと噛み合わされた状態となっていて、制振材11に対する下面拘束材12の拘束力が効果的に発揮されることから、制振材11の剪断変形に伴う振動エネルギーの吸収効果が促進されて、重量床衝撃音が効率良く低減される。なお、
図6においては、拘束型制振プレート3の制振動作を容易に把握するために、各部材の挙動を実際よりも誇張して記載してある。
【0031】
図7は、他の拘束型制振プレート3Aを示している。この拘束型制振プレート3Aにおいては、制振材11に金属板からなる複数枚(例えば3枚)の中間拘束材30、31が埋設されている。これら中間拘束材30、31は、上下方向に間隔をあけるようにして、下面拘束材12と略平行に配されている。
【0032】
また、
図8に示すように、それぞれの中間拘束材30、31には、下面拘束材12と同様に、その要所要所に例えばバーリング加工を施すことによって、複数の突起32及び複数の開孔33が形成されている。突起32は、開孔33を囲むようにして下方へ向けて突出した筒状に形成されている。そして、上下方向の隣接する中間拘束材30、31の突起32及び開孔33は、互いに左右方向に位置ずれした状態で配置されていて、それぞれの中間拘束材30、31の突起32が、制振材11に食い込むとともに、それぞれの中間拘束材30、31の開孔33に、制振材11の一部が嵌り込んだ状態となっている。これにより、制振材11と中間拘束材30、31との接触面積が増大して、制振材11と中間拘束材30、31とがしっかりと噛み合わされた状態となり、制振材11に対する中間拘束材30、31の拘束力が効果的に発揮されるようになっている。
【0033】
なお、この拘束型制振プレート3Aにおいて、下面拘束材12は、突起20及び開孔21が形成されていない単なる平板状であっても良い。また、制振材11に埋設する中間拘束材30、31は、複数枚に限らず、例えば1枚であっても良い。さらに、上下方向の隣接する中間拘束材30、31の突起32及び開孔33は、必ずしも互いに左右方向に位置ずれさせなくても良く、上下方向に重なるように配置しても良い。さらにまた、中間拘束材30、31の突起32は、必ずしも下方へ向けて突出させなくても良く、上方へ向けて突出させたり、或いは、上方へ向けて突出させたものと下方へ向けて突出させたものを混在させても良い。また、突起32としては、上記のような筒状のものに限らず、例えば爪状や帯板状のものであっても良い。
【0034】
上記の拘束型制振プレート3Aにおいては、制振材11に中間拘束材30、31を埋設することで、下面拘束材12だけの場合と比べて、制振材11に対する拘束材12、30、31の拘束力をより効果的に発揮させて、制振性能のより一層の向上を図ることができる。その他の構成及び作用効果は、上記の拘束型制振プレート3の場合と同様である。
【0035】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、拘束型制振プレート3、3Aの制振材11を、その粘着力によって基材2の下面に直接的に重合接着しても、接着を安定させることが可能であれば、拘束型制振プレート3、3Aにおいて上面下地材10を廃止しても良い。
【符号の説明】
【0036】
1・・床版、2・・基材、3、3A・・拘束型制振プレート、10・・上面下地材、11・・制振材、12・・下面拘束材、20・・下面拘束材の突起、21・・下面拘束材の開孔、30、31・・中間拘束材、32・・中間拘束材の突起、33・・中間拘束材の開孔