【実施例1】
【0028】
図2〜
図9は、本発明の実施例であるLNGモバイルサテライトの構成および搬送、運用時における状況を示す図であり、
図2は、本発明の実施例であるLNGモバイルサテライトの斜視図、
図3〜
図7は、それぞれタイプAユニットパッケージ10の構成を示す正面図、平面図、側面図、A−A断面図、B−B断面を示す図である。
図8は、LNGモバイルサテライトの搬送、配設時における状況を示す図である。
【0029】
図2に示されるように、LNG貯槽1が、長手方向横置きとされ、LNG貯槽、およびLNG蒸発器2およびその附属部品の長手方向の長さおよび横断面がコンテナ専用輸送車両20のコンテナサイズのフレーム4に収納可能な長さ内および横断面内とされて、コンテナ専用輸送車両20に固着されるフレームにLNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品が収納され、コンテナ輸送車両で搬送可能とされたユニットパッケージ10が構成される。その附属部品とは、特に圧力調整装置3を含む附属部品を意味する。
図2〜
図7において、タイプAユニットパッケージ10は、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7、および温水入口6A、温水出口6Bを備え、これらを配管8にて接続して構成される。圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ、および温水入口6A、温水出口6BがLNG蒸発器2の付属部品となる。他の計器が附属されることがある。これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化される。フレーム4は、LNG貯槽のタンクパッケージ収納領域配置のタンク部の左端からベーパーパッケージ収納領域のベーパー部の右端まで一体の形態で延在した一つの部分からなる。LNG貯槽1を載置する水平面部材とこの水平面部材の4辺から上方に延びる縦方向配置のフレームから構成される。フレームは、基本的に網状の金属フレームで構成することが出来るが周囲に板材を配置してもよい。また、周辺部およびフレーム最上面部は、平面板材40で構成される。全ての面を、一部の面を平面板材で形成してもよい。最上面は、上方に解放され、ユニットパッケージが積層、搬入、搬出可能とされる。
【0030】
LNG貯槽1が、長手方向横置きとされる。LNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品の長手方向の長さおよび横断面がコンテナ専用輸送車両20のコンテナサイズのフレームに収納可能な長さ内および横断面内とされる。フレーム4にLNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品が収納されてユニットパッケージ10が構成される。ユニットパッケージ10がコンテナ専用輸送車両20で搬送可能とされる。コンテナ専用輸送車両でなくてもよいが、以下コンテナ専用輸送車両を使用しての搬送の例を説明する。
【0031】
ユニットパッケージ10は、コンテナ専用輸送車両でけん引される時のコンテナパッケージとしてのユニットパッケージとLNGモバイルサテライトの土台ベースに固定されて消費者にLNGを供給する時のタンクパッケージとしてのユニットパッケージとしての二つの機能を有している。
【0032】
ユニットパッケージ10は、LNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレーム4に収納そのままの状態で、フレーム4を介してLNGモバイルサテライトの土台ベースに固定されたとき、LNGモバイルサテライトの主要部を構成する。固定状態が維持され、LNG送給が可能とされてLNGモバイルサテライトが構成される。
このLNGモバイルサテライトがLNGモバイルサテライトの土台ベースへの固定状態が解除されると、すなわちフレーム4の土台ベースからの固定状態が解除されると、LNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレーム4に収納そのままの状態で、ユニットパッケージ10としてコンテナ専用輸送車両20で他の場所に搬送、設置可能とされる。コンテナ専用輸送車両20による搬送時およびLNGモバイルサテライトの土台ベースへの設置、固定時にLNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレームに収納そのままの状態が維持されることを特徴とするパッケージ化されたLNGモバイルサテライト100が構成される。
【0033】
タイプAユニットパッケージ10を天然ガス消費場所の土台ベース上に設置し、タイプA LNGモバイルサテライト100Aとした場合、その外部で近接して、温水(蒸気)供給設備(図示せず)が設置される。温水供給設備からの温水あるいは蒸気が温水入口6Aから取り入れられ、使用後温水出口6Bから排出される。圧力調整装置3で調整された天然ガスは、供給ガス設備を介して、天然ガス供給系統に送出される。この温水供給設備もタイプAユニットパッケージ10の一部構成としてコンテナサイズのフレーム4のベーパーパッケージ収納領域内に収納載置するようにしてもよい。
【0034】
ユニットパッケージ10のコンテナサイズのフレーム4の寸法は、輸送上の制約を受けないよう現行法で定められているコンテナサイズとされる。搬送される時に、LNG貯槽内部にLNGを貯蔵しない。
【0035】
タイプAユニットパッケージ10、すなわちユニットパッケージは、金属製のフレームからなるコンテナサイズのフレーム4とこのフレーム4に収納載置されたLNG貯槽1、および長手方向横置きのLNG蒸発器2およびその附属部品が一体として構成される。コンテナサイズのフレーム4は、コンテナ専用輸送車両20に収納載置、固着され、天然ガス消費場所に搬送され、天然ガス消費場所に固定された時にタイプA LNGモバイルサテライト100Aと呼ばれる。
【0036】
コンテナサイズのフレーム4、コンテナサイズのフレーム4内で配管にて接続して構成された、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7からなる装置が一体化されたタイプAユニットパッケージ10により、タイプA LNGモバイルサテライト100Aが構成される。
【0037】
上述したように、LNG貯槽1が、長手方向横置きとされ、
図3、
図4に示すように、長手方向の長さおよび横断面がタイプAユニットパッケージ10に収納可能な長さおよび横断面とされて、コンテナ専用輸送車両20に載置される。
【0038】
タイプAユニットパッケージ10が、収納そのままの固定状態で、固定されて、タイプA LNGモバイルサテライト100Aの主要部を構成する。タイプA LNGモバイルサテライト100を構成するタイプAユニットパッケージ10が、LNG供給時そのままの固定状態で、タイプAユニットパッケージ10としてコンテナ専用輸送車両20で他の場所に搬送、設置可能とされる。
【0039】
LNG貯槽1の外面に、シャックル等の吊り具取り付け用の取付け部を備える。金属製のコンテナサイズのフレーム4の外面に、アイボルト等の吊リ具を取り付けるための取付け部を備えるようにしてもよい。LNG貯槽1には、側面にLNG受入れ充填口41が設けられる。
【0040】
LNG貯槽1へのLNG受入れ充填に必要なバルブ・計器類7等の付帯設備並びにLNG払い出しに必要なバルブ・計器類7等の付帯設備、さらにはLNG貯槽1からのLNG払い出し能力をアップする場合のために貯槽内LNG液面加圧用加圧蒸発器接続を想定した接続口等を備える。なお、貯槽内LNG液面加圧用加圧蒸発器(図示せず)をタイプAユニットパッケージ10の一部構成としてコンテナサイズのフレーム4のベーパー部収納領域内に収納載置するようにしてもよい。
【0041】
タイプAユニットパッケージ10は、バルブ・計器類、供給ガス圧力調整装置廻りのバルブ・計器7等を備える。
【0042】
また、LNG受入れ充填口41以外にも、天然ガス出口50(
図5)、LNG蒸発器用の温水入口6Aならびに出口6B等、各ラインの接続端部分を備える。底部に固定用の足部が設けられる。
このようにして、タイプAユニットパッケージ10を備えたタイプA LNGモバイルサテライトシステムが構成される。
【0043】
実施例1の場合、タイプA LNGモバイルサテライト100Aは、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズの一つ部分の形態のフレーム4に収納配置されて一体化されたタイプAユニットパッケージ10で構成される。
【0044】
LNG蒸発器2は、立て型配置とされ、その高さは、横置きされたフレーム横断面の高さと同一あるいはそれ以下とされる。LNG蒸発器2は、立て型配置以外の、例えば横置きとされてもよい。LNG蒸発器2は、任意方向の配置とすることができるが、図に示したように立て型配置にするのが望ましい。
【0045】
タイプAユニットパッケージ10には、上述したように温水入口6Aおよび温水出口6Bが配置される。温水入口6Aおよび温水出口6Bは、配管8を介してLNG蒸発器2に接続され、LNG蒸発器2は、配管を介して圧力調整装置3に接続される。温水入口6Aから導入された温水は、LNG蒸発器2で、LNGと熱交換され、LNGをガス化する。ガス化された天然ガスは、圧力調整されて、天然ガス送出系統に送出される。
【0046】
図8において、LNGモバイルサテライト基地30で、LNGモバイルサテライトタイプAユニットパッケージ10は、フレーム4を介して積層され得る。この例では積層した例を示す。一基のユニットパッケージ10がコンテナ専用輸送車両20の荷台に載置、固着される。
【0047】
図8は、ユニットパッケージ10使用状態を示す。
図8は、このようにタイプAユニットパッケージ10が、コンテナ専用輸送車両20によって搬送される、搬送形態のユニットパッケージ10、および天然ガス消費場所の土台ベース21に固定されLNGモバイルサテライトを構成する状態を示す。
【0048】
図8(a)において、タイプA LNGモバイルサテライト100Aを構成するLNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化されたタイプAユニットパッケージ10は、タイプA LNGモバイルサテライト100AとしてLNG供給時そのままの固定状態で、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管8にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置される。
【0049】
一体化されたタイプAユニットパッケージ10としてコンテナ専用輸送車両20で他の場所に搬送される。
【0050】
図8(b)において、この状態で、ユニットパッケージ10が天然ガス消費場所へ搬送される。この設置場所への運搬がなされ、荷降ろしがなされ、ユニットパッケージ10の設置、固定がなされる。
【0051】
コンテナ専用輸送車両20によって搬送されたLNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管8にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化されたタイプAユニットパッケージ10として、土台ベース21上に設置、固定される。
構成されたユニットパッケージ10が、LNGモバイルサテライトの主要部を構成する、LNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレーム4に収納そのままの状態で、コンテナ専用輸送車両20で搬送され、フレーム4を介して天然ガス消費場所の土台ベース21に固定されて、固定状態が維持されるLNGモバイルサテライト100を構成する。
【0052】
図8(C)において、LNGモバイルサテライトが、LNGローリー車20からLNGの供給を受ける。温水入口から導入された温水は、LNG蒸発器2で、LNGと熱交換され、LNGをガス化する。ガス化された天然ガスは、圧力調整されて、天然ガス送出系統に送出可能とされる。
図8(d)において、ガス化された天然ガスは、消費者に供給される。
【0053】
フレーム4の土台ベース21への固定状態が解除されると、ユニットパッケージ構成のLNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレーム4に収納そのままの状態で、LNGモバイルサテライト100をコンテナ専用輸送車両20で他の場所に搬送、設置することで運用可能なユニットパッケージとされる。
【0054】
このようにして、コンテナ専用輸送車両20による搬送時、LNGモバイルサテライトの土台ベースへの固定構成時、更なるにコンテナ専用輸送車両20による搬送時おけるLNG貯槽1、およびLNG蒸発器2およびその附属部品をフレームに収納そのままの状態が維持され、LNG供給を受けるパッケージ化されたLNGモバイルサテライト100が構成される。
【0055】
図9は、本発明の実施例の運用フローを示す。
【0056】
図9は、LNGタンカーで移送されてきたLNGがLNG基地に一旦貯蔵され、一部のLNGがパイプラインによる天然ガス(都市ガス)の直送により消費者1)2)3)に供給され、他のLNGがLNGローリー車200で搬送され、パッケージ化されたLNGモバイルサテライト100から消費者A、B、C・・・に送出されることが、ユニットパッケージ10を構成することで可能になることを示す。消費者へのパイプラインによる天然ガス(都市ガス)供給開始後は、LNGモバイルサテライトを次の消費地(消費者)へ移動して再度使用される。これが繰り返される。一部の消費者、図では消費者Aにパイプラインによる天然ガス(都市ガス)の直送によるLNGの送出が可能になったとする。このような場合には、消費者Aのために設置されていたLNGモバイルサテライト100は、LNGモバイルサテライト100を構成するLNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管8にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化されたタイプAユニットパッケージ10が、LNG供給時そのままの固定状態で、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化されたユニットパッケージ10としてコンテナ専用輸送車両20で他の場所、即ち消費者Dへの消費基地に搬送され、設置され、固定される。
【0057】
このように、上述したLNGモバイルサテライト100が、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管8にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズのフレーム4に収納配置されて一体化されたタイプAユニットパッケージ10としてコンテナ専用輸送車両20によって他消費地へ搬送される。
【実施例2】
【0058】
図10〜
図20は、実施例2を示す。実施例1と同一の構成については同一の番号が付してあり、実施例1についての説明を援用し、実施例1にない構成を中心にして説明する。
【0059】
図10は、タイプBタンクパッケージの斜視図、
図11〜
図19は、本発明の実施例であるLNGモバイルサテライトの構成および設置状況を示す図であり、その内、
図11〜
図13はタイプBタンクパッケージの正面図、平面図、側面図を示し、
図14は、タイプBベーパーパッケージの斜視図、
図15〜
図18はタイプBベーパーパッケージの正面図、平面図、左側面図、右側面図を示す。
図19は、
図14に示すタイプBベーパーパッケージの変形例についての斜視図である。
【0060】
図10および
図14に示されるように、LNG貯槽が、長手方向横置きとされ、LNG貯槽、およびLNG蒸発器およびその附属部品の長手方向の長さおよび横断面がコンテナ輸送車両のコンテナサイズのフレームに収納可能な長さ内および横断面内とされて、コンテナ輸送車両に固着されるフレームにLNG貯槽、およびLNG蒸発器およびその附属部品が収納され、コンテナ輸送車両で搬送可能とされたユニットパッケージが構成される。
【0061】
実施例1にあっては、ユニットパッケージ10は、LNG貯槽1、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、降圧装置5、付随するバルブ・計器類7を備え、これらを配管8にて接続して構成され、これらの装置が金属製のコンテナサイズの一つの部分からなるフレーム4に収納配置されて一体形態で構成された。
【0062】
実施例2にあっては、
図10〜
図13および
図14〜
図18に示すように、ユニットパッケージ10は、LNG貯槽1および該LNG貯槽1を収納載置するタイプBタンクパッケージ11およびLNG蒸発器2および該LNG蒸発器2を収納載置したタイプBベーパーパッケージ12が別体形態で構成され、一体化される。フレーム4は、二つの部分からなり、一方がフレーム部4Aとなり、他方がフレーム部4Bとなる。フレーム4Bとフレーム4Aの形状は高さ、横断面とも同一であり、横方向長さのみがことなり、フレーム部4Aの長さはフレーム部4Bの長さよりも長い。
【0063】
図12、
図13に示されるように、LNG貯槽1には、LNG受け入れ充填口41、降圧装置5への接続口51、LNG払出し口52等、各ラインの接続端部分が設けられる。
LNG貯槽1は、フレーム部4Aに載置、収納され、LNG蒸発器およびその附属部品は、フレーム部4Bに載置、収納される。
【0064】
LNG貯槽1、コンテナサイズのフレーム4、LNG蒸発器2、圧力調整装置3、バルブ・計器類、各種配管の構成、配置方法は実施例1と同様である。
【0065】
別体形態であるが、LNG貯槽1の構成、LNG貯槽1を載置するタイプBタンクパッケージ11およびLNG蒸発器2およびLNG蒸発器2の附属部品を載置したタイプBベーパーパッケージ12が別体としてフレーム部4A,4Bに載置、収納されることが異なり、構成、配置方法は実施例1に示される構成と同様である。別体形態とされ、切り離しされる構成とすることによって、ユニットパッケージ10の構成に汎用性が増すことになる。 別体形態とすることで、LNG蒸発器2を予め事前に複数用意しておくことが出来るようになる。これにより、天然ガス使用量に応じた最適な仕様のタイプBベーパーパッケージ12として選択、接合することが出来るようになる。
【0066】
図19は、タイプBベーパーパッケージの変形例を示す。この例では、温水(蒸気)供給装置50がタイプBベーパーパッケージ12に載置された例の構成を示す。このように、温水供給装置50をタイプBベーパーパッケージ12上に載置してこのタイプBベーパーパッケージ12を構成してもよい。この例は、実施例1についても適用することが出来る。
【0067】
図20は、
図8に対応し、タイプBタンクパッケージ11およびタイプBベーパーパッケージ12からなるユニットパッケージ10が、コンテナ専用輸送車両20によって搬送される、搬送形態のユニットパッケージ、および天然ガス消費場所の土台ベース21に固定されLNGモバイルサテライト100Bを構成する状態を示す。
【0068】
図20(a)は、LNG貯槽1を載置するタイプBタンクパッケージ11およびLNG蒸発器2を載置するタイプBベーパーパッケージ12の搬送時における状況を示し、説明は、
図8(a)に記載したと同様であるが、別体のタイプBベーパーパッケージ12がタイプBタンクパッケージ11に近接して配置されること、タイプBタンクパッケージ11がコンテナ専用輸送車両20によって搬送され、タイプBベーパーパッケージ12がコンテナ専用輸送車両20によって別々に搬送されることにおいて異なる。LNG貯槽1を載置するタイプBタンクパッケージ11およびLNG蒸発器2を載置するタイプBベーパーパッケージ12がそれぞれ別体のコンテナサイズのフレーム部4Aおよびフレーム部4Bでそれぞれ構成されたものである。
【0069】
図20(b)において、近接配置されたタイプBベーパーパッケージ12がタイプBタンクパッケージ11に連結される。両パッケージは、共通のベースまたは土台ベース21上に、同一水平高さに設置、固定されたフレーム部4A,4B上に設置、固定される。
【0070】
図20(c)、
図20(d)の構成は、
図8(c)、
図8(d)に記載したと同様である。
【0071】
実施例1および実施例2の双方を採用可能にしておくことによって、シェールガス革命により、安価で大量の天然ガスの安定供給が可能になったことに対応し、天然ガスのガス使用量や設置スペースの条件に応じていずれか適切な方を選択する、あるいは複合化、ユニット化することが容易に出来ることになる。
【0072】
次に、上述したユニットパッケージを用いる本実施例の従来システムに比して優れた点を説明する。
【0073】
1)建設・輸送について
大きい工事を要せず、建設のためのコストが小さい。また、一体型構造で、金属製フレームが採用できるので、積載・固定・輸送が容易であり、コストが少なくて済む。設置先においてレイアウト変更が生じた時に、変更に対応しやすく、対応に要する期間は短くて済む。
【0074】
2)設置スペース・積み重ねについて
コンパクト化されるため、設置スペースを少なくすることが出来、建設しようとする場所の選択が容易になる。未使用の保管時には、積み重ねておくことが出来るので、省スペース化を図ることが出来る。
【0075】
3)設置、建設期間について
LNGモバイルサテライトを構成する各パッケージ部は、工場において製作できるので、現地工事をほとんど要せず、現地工事を短くすることが出来る。
【0076】
4)天然ガス消費量増加に伴う設備の増設について
天然ガス消費量に増加が生じた場合、LNGモバイルサテライトの増設を極めて容易に行うことが出来る。
【0077】
5)移設・再運用について
LNGモバイルサテライトの構成要素は、基本的にすべて高圧ガス保安法の定置式設備に関する制約を受けるため、従来の定置式の装置にあっては設備一式を移設して他の場所で再運用することは一部の機器を除いて出来ないが、本実施例になるLNGモバイルサテライトは、LNG貯槽、LNG蒸発器を含めて可搬式一体型構造構成であるので、移動式製造設備として製作する。天然ガス消費場所への設置においては第一種貯蔵所として申請し、日常の保安管理は消費先事業者の責務として運営する。移動式製造設備として要求される保安検査等は、移動式製造設備としての製造者(所有者)の責務として行う。このような高圧ガス保安法に基づく申請をすることによって、ユニットパッケージになるLNGモバイルサテライトとしての移設が可能であり、再運用により資源活用がなされることになる。
【0078】
6)パイプラインによる天然ガス(都市ガス)の直送が可能になった場合の撤去について
天然ガス消費者が、LNGモバイルサテライトからパイプラインに切り替えを行う時に、LNGモバイルサテライトを新規の天然ガス消費者のために撤去、移設することが可能である。