特許第5854485号(P5854485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECディスプレイソリューションズ株式会社の特許一覧 ▶ NECエンジニアリング株式会社の特許一覧

特許5854485駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置
<>
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000002
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000003
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000004
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000005
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000006
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000007
  • 特許5854485-駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854485
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】駆動伝達機構および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/08 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
   G05G1/08 E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-545686(P2013-545686)
(86)(22)【出願日】2011年11月22日
(86)【国際出願番号】JP2011076917
(87)【国際公開番号】WO2013076810
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2014年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】NECディスプレイソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】303013763
【氏名又は名称】NECエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】守田 明生
(72)【発明者】
【氏名】宇治 潤一
【審査官】 稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−166127(JP,U)
【文献】 実開昭63−024809(JP,U)
【文献】 特開2009−211106(JP,A)
【文献】 実開昭60−062129(JP,U)
【文献】 実開昭54−078887(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された筐体内に回転可能に支持された駆動軸と、
前記筐体内に回転可能に収容されたダイヤルノブと、
前記ダイヤルノブを所定の方向へ付勢する付勢手段と、
前記ダイヤルノブの回転を前記駆動軸へ伝えるとともに、前記駆動軸およびダイヤルノブを、前記駆動軸の半径方向および軸方向に自由度を持つように連結する連結部材と、
前記ダイヤルノブを前記開口に対して位置決めして保持する保持部材と、を備え
前記筐体は、前記開口が形成された第1の筺体部材と、該第1の筺体部材を脱着可能に形成された第2の筺体部材と、を含み、
前記駆動軸が前記第2の筺体部材に配設されており、
前記保持部材が前記第1の筺体部材に設けられている、駆動伝達機構。
【請求項2】
前記第2の筺体部材は、前記第1の筺体部材が前記第2の筺体部材から取り外された際に前記所定の方向に付勢された前記ダイヤルノブの移動を規制する規制部材を有する、請求項1に記載の駆動伝達機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駆動伝達機構と、
前記筐体内に、前記ダイヤルノブに加えられた回転を前記駆動軸を介して伝達可能に設けられた鏡筒と、を備えた、投写型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤルノブの回転を被駆動ユニットへ伝達する駆動伝達機構、および該駆動伝達機構を備えた投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
筺体内に収容されている被駆動ユニットに、筺体の外部から加えられた回転を伝達する駆動伝達機構が知られている。例えば、投写型表示装置の、フォーカスを調整する鏡筒を操作するための駆動伝達機構が挙げられる。このような駆動伝達機構の一例が特開2008−003539号公報(以下、特許文献1と称す)に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている駆動伝達機構について、図1および図2を用いて説明する。
【0004】
図1は、特許文献1に開示されている駆動伝達機構を備えた投写型表示装置の斜視図である。図1に示すように、投写型表示装置1は、互いに組み合わされて筐体2を形成する第1および第2の筺体部材3,4と、筐体2内に回転可能に設けられたダイヤルノブ5と、を備えている。
【0005】
第1の筺体部材3には、ダイヤルノブ5が配置される場所に対応して設計された開口6が形成されている。したがって、第1の筺体部材3が第2の筺体部材4に取り付けられている状態では、ダイヤルノブ5の一部は開口6から露出される。
【0006】
図2は、第1の筺体部材3を第2の筺体部材4から取り外し、ダイヤルノブ5の周辺を拡大した斜視図である。図2に示すように、第2の筺体部材4は、歯車7にリンクされた被駆動ユニット8と、被駆動ユニット8へ回転を伝達する駆動伝達機構9と、を備えている。
【0007】
駆動伝達機構9は、ダイヤルノブ5と、駆動軸10を介してダイヤルノブ5にリンクされた歯車(以下、伝達機構側歯車11)と、を含んでいる。伝達機構側歯車11は被駆動ユニット8の歯車7(以下、(以下、ユニット側歯車7)と噛合っている。したがって、ダイヤルノブ5が回されるとダイヤルノブ5の回転が駆動軸10、伝達機構側歯車11およびユニット側歯車7を介して被駆動ユニット8に伝えられ、被駆動ユニット8が操作される。
【0008】
投写型表示装置1のユーザは、ダイヤルノブ5の、開口6(図1)から露出されている部分を操作することによって、ダイヤルノブ5を回すことができる。すなわち、ユーザは、投写型表示装置1の第1の筺体部材3(図1)を取り外すことなく投写型表示装置1の内部の被駆動ユニット8を操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−003539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されている駆動伝達機構9では、次のような原因から、ダイヤルノブ5の位置が第1の筺体部材3の開口6(図1)の位置に対してずれてしまうことがあった。
【0011】
すなわち、駆動軸10を介してダイヤルノブ5と結合されている伝達機構側歯車11は、ユニット側歯車7の位置に対応して配置される。そのため、ダイヤルノブ5はユニット側歯車7や被駆動ユニット8の位置や駆動軸10の長さに対応した位置に配される。
【0012】
第1の筺体部材3の開口6は、ダイヤルノブ5が配される位置に対応してあらかじめ形成されている。したがって、ユニット側歯車7や被駆動ユニット8が所望の位置に配置されていない場合や駆動軸10が所望の長さを有していない場合には、ダイヤルノブ5の位置は開口6の位置に対してずれてしまう。
【0013】
開口6の位置に対してダイヤルノブ5の位置がずれていると、開口6の縁とダイヤルノブ5とが干渉し、第1の筺体部材3を第2の筺体部材4に取り付けることができない。また、ダイヤルノブ5が開口6の縁と干渉することによってダイヤルノブ5に回転トルクを加えることができなくなってしまう。
【0014】
開口6の寸法をより大きくして開口6の縁とダイヤルノブ5との干渉を防ぐことも可能であるが、開口6の寸法をより大きくした場合にはダイヤルノブ5と開口6の縁との間の隙間がより大きくなり投写型表示装置1の見栄えが低下する。また、ダイヤルノブ5と開口6の縁との間の隙間がより大きくなることによって、当該隙間から投写型表示装置1の筐体内部へ粉塵が流入しやすくなるとともに、当該隙間から投写型表示装置1の光がより多く漏れてしまう。
【0015】
そこで、本発明の目的の一例は、駆動軸が所定の位置に配置されていなくても、ダイヤルノブを筐体の開口の位置に対応した位置に配置することができる駆動伝達機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る駆動伝達機構の一つの態様は、駆動軸と、ダイヤルノブと、付勢手段と、連結部材と、保持部材と、を備える。この態様において、駆動軸は、開口が形成された筐体内に回転可能に支持されている。ダイヤルノブは、筐体内に回転可能に収容されている。付勢手段は、ダイヤルノブを所定の方向へ付勢する。連結部材は、ダイヤルノブの回転トルクを駆動軸へ伝達するとともに、駆動軸およびダイヤルノブを、駆動軸の半径方向および軸方向に自由度を持つように連結する。保持部材は、ダイヤルノブを開口に対して位置決めして保持する。筐体は、開口が形成された第1の筺体部材と、該第1の筺体部材を脱着可能に形成された第2の筺体部材と、を含み、駆動軸が前記第2の筺体部材に配設されており、保持部材が前記第1の筺体部材に設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、駆動軸が所定の位置に配置されていなくても、ダイヤルノブを筐体の開口の位置に対応した位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】特許文献1に開示されている駆動伝達機構を備えた投写型表示装置の斜視図である。
図2図1に示す投写型表示装置内の駆動伝達機構の周辺を拡大した斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る駆動伝達機構を備える投写型表示装置の斜視図である。
図4】第1の筺体部材を第2の筺体部材から取り外し、ダイヤルノブの周辺を拡大した斜視図である。
図5】駆動軸およびダイヤルノブ軸を連結している連結部材の拡大図である。
図6】第1の筺体部材が第2の筺体部材に取り付けられた状態の、ダイヤルノブの周辺を回転軸方向から透視した側面図である。
図7】第1の筺体部材が第2の筺体部材から取り外された状態の、ダイヤルノブの周辺を回転軸方向から透視した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に係る駆動伝達機構を備える投写型表示装置の斜視図である。
【0021】
なお、ここでは投写型表示装置に適用された駆動伝達機構ついて説明するが、本発明を適用することができる装置は投写型表示装置に限られない。すなわち、本発明は回転トルクが作用することによって駆動する被駆動ユニットを筐体の内部に備える装置に適用することができる。
【0022】
図3に示すように、投写型表示装置12は、開口13が形成された筐体14と、筐体14内に回転可能に設けられたダイヤルノブ15と、を備えている。筐体14は、第1の筺体部材16と、第1の筺体部材16を脱着可能に形成された第2の筺体部材17と、を含んでいる。第1の筺体部材16に開口13が形成されており、ダイヤルノブ15の一部が開口13から露出されている。
【0023】
図4は、第1の筺体部材16を第2の筺体部材17から取り外し、ダイヤルノブ15の周辺を拡大した斜視図である。図4に示すように、投写型表示装置12は、筐体14(図3)内に、歯車18を備えた被駆動ユニット19と、被駆動ユニット19へ回転トルクを伝達する駆動伝達機構20と、を備えている。
【0024】
被駆動ユニット19は、第2の筺体部材17に固定されている。被駆動ユニット19としては、投写型表示装置12によって投影される画像のフォーカスを調整する鏡筒が挙げられる。もちろん、被駆動ユニット19は鏡筒に限られるものではなく、回転トルクを利用して駆動される機構であれば適用可能である。
【0025】
駆動伝達機構20は、ダイヤルノブ15と、歯車(以下、伝達機構側歯車21)と、駆動軸22と、連結部材23と、を含んでいる。伝達機構側歯車21は、被駆動ユニット19の歯車18(以下、ユニット側歯車18)と噛合っているとともに、駆動軸22の一端に固定されている。駆動軸22は、駆動軸22の両端付近に配設された第1および第2のベアリング24,25を用いて第2の筺体部材17に回転可能に支持されている。
【0026】
ダイヤルノブ15は、ダイヤルノブ15の回転軸方向X1に向かって延びるダイヤルノブ軸26を有している。ダイヤルノブ軸26は、ダイヤルノブ15の回転を駆動軸22へ伝える連結部材23を介して駆動軸22と連結されている。したがって、ダイヤルノブ15が回されるとダイヤルノブ15の回転が連結部材23、駆動軸22、伝達機構側歯車21およびユニット側歯車18を介して被駆動ユニット19に伝えられる。
【0027】
本実施形態では、連結部材23は、駆動軸22およびダイヤルノブ軸26を、駆動軸22の半径方向および軸方向に自由度を持つように連結している。連結部材23による駆動軸22およびダイヤルノブ軸26の連結構造の一例について、図5を用いて詳細に説明する。
【0028】
図5は、駆動軸22およびダイヤルノブ軸26を連結している連結部材23を、回転軸方向X1と交わる方向から見た拡大図である。図5に示すように、連結部材23は、連結部材本体27と、連結部材本体27のダイヤルノブ軸26側に設けられた第1のフック28と、連結部材本体27の駆動軸22側に形成された第2のフック29と、を含んでいる。このような連結部材23としては、引張コイルバネが挙げられる。
【0029】
ダイヤルノブ軸26の、連結部材本体27側の端面には、回転軸方向X1と交わる方向Y1に延びる溝30が形成されている。第1のフック28は、第1のフック28の湾曲部分で囲まれた仮想面が方向Y1に沿うように、溝30に差し込まれている。したがって、ダイヤルノブ軸26が回転軸方向X1の周りを所定の方向に回転すると、溝30の側面が第1のフック28に当たり、連結部材23が当該所定の方向に回転する。
【0030】
駆動軸22の、連結部材本体27側の端面には、駆動軸22の軸方向X2と交わる駆動軸22の半径方向Y2に延びる溝32が形成されている。第2のフック29は、第2のフック29の湾曲部分で囲まれた仮想面が半径方向Y2に沿うように、溝32に差し込まれている。したがって、連結部材23が軸方向X2の周りを所定の方向に回転すると、第2のフック29が溝32の側壁に当たり、駆動軸22が当該所定の方向に回転する。すなわち、ダイヤルノブ軸26の回転トルクは、連結部材23を介して駆動軸22へ伝達される。
【0031】
また、ダイヤルノブ軸26は、第1のフック28の湾曲部分で囲まれた仮想面および溝30を貫通する第1のピン31を備えている。第1のフック28が第1のピン31に引っ掛かっているため、第1のフック28は溝30から抜けない。
【0032】
第1のピン31の外径は、第1のフック28の湾曲部分の直径よりも小さい。したがって、第1のフック28は溝30内を回転軸方向X1および方向Y1へ移動することができるとともに、第1のピン31を中心に回転することができる。
【0033】
駆動軸22は、第2のフック29の湾曲部分で囲まれた仮想面および溝32を貫通する第2のピン33を備えている。第2のフック29が第2のピン33に引っ掛かっているため、第2のフック29は溝32から抜けない。
【0034】
第2のピン33の外径は、第2のフック29の湾曲部分の直径よりも小さい。したがって、第2のフック29は溝32内を軸方向X2および半径方向Y2へ移動することができるとともに、第2のピン33を中心に回転することができる。
【0035】
また、第1および第2のフック28,29は、それぞれのフック28,29の湾曲部分で囲まれた仮想面の延長部分が交わるように形成されている。したがって、駆動軸22およびダイヤルノブ軸26が連結部材23を介して連結されている状態では、ダイヤルノブ軸26の溝30が延びる方向Y1は、駆動軸22の溝32が延びる半径方向Y2と交わっている。
【0036】
なお、方向Y1と半径方向Y2との間の角度は略90度が好ましい。
【0037】
以上のような連結部材23を用いてダイヤルノブ15(図4)が駆動軸22と連結されている。したがって、ダイヤルノブ15は、駆動軸22に対して、回転軸方向X1,X2、回転軸方向X1と交わる方向Y1、並びに軸方向X2および方向Y1と交わる半径方向Y2へ移動することができる。
【0038】
連結部材23は、引張コイルバネといった、第1および第2のフック28,29を備える部材に限られない。連結部材23は、ダイヤルノブ15を駆動軸22に対して3方向に対して移動可能にかつダイヤルノブ15に加えられる回転トルクを駆動軸22へ伝達可能に連結するものであればよい。
【0039】
例えば、連結部材23に形成された溝に駆動軸22およびダイヤルノブ軸26に形成された凸形状を差し込むことによって駆動軸22とダイヤルノブ15を連結する構造が挙げられる。
【0040】
次に、図6および図7を用いて、ダイヤルノブ15を開口13(図3)の位置に対応した位置に配置する構造について説明する。図6は、第1の筺体部材16が第2の筺体部材17に取り付けられた状態の、ダイヤルノブ15の周辺を回転軸方向X1から透視した側面図である。図7は、第1の筺体部材16が第2の筺体部材17から取り外された状態の、ダイヤルノブ15の周辺を回転軸方向X1から透視した側面図である。
【0041】
図6および図7に示すように、第2の筺体部材17は、所定の方向へ向かってダイヤルノブ15を付勢する付勢部材34を備えている。本実施形態では、付勢部材34としてトーションスプリングが用いられている。
【0042】
また、第1の筺体部材16には、ダイヤルノブ15と当接することによってダイヤルノブ15を開口13(図3)の位置に対応した位置に保持する保持部材35が形成されている。
【0043】
保持部材35は、半円形状を有する切り欠き部35aが形成された部材である。ダイヤルノブ15は、切り欠き部35の半円形状にあわせて形成された円環部材36を備えている。
【0044】
付勢部材34は、円環部材36を切り欠き部35aへ当接させる方向にダイヤルノブ15を付勢している。すなわち、ダイヤルノブ15の円環部材36が切り欠き部35aに当接されることによって、ダイヤルノブ15の、付勢部材34によって付勢されている方向の位置が決定される。
【0045】
なお、円環部材36が切り欠き部35aへ容易に導かれるように、切り欠き部35の開口部は切り欠き部35から離れるにつれて広がっている形状を備えていることが好ましい。
【0046】
保持部材35は、付勢部材34がダイヤルノブ15を付勢する方向と交わる方向にダイヤルノブ15を挟み込むように形成されている。したがって、保持部材35にダイヤルノブ15が当接されることによって、ダイヤルノブ15の、当該方向への移動が規制される。
【0047】
以上のように、ダイヤルノブ15が保持部材35へ付勢されることによって、ダイヤルノブ15は開口13(図3)の位置に対応した位置に配置される。
【0048】
本実施形態に係る駆動伝達機構によれば、ダイヤルノブ15は、駆動軸22に対して移動可能に駆動軸22に連結されている。そのため、ユニット側歯車18や被駆動ユニット19が所望の位置に配置されていない場合や駆動軸22が所望の長さを有していない場合であっても、ダイヤルノブ15を所望の位置に移動させることができる。また、開口13の位置に対応した位置にダイヤルノブ15を保持する保持部材35へダイヤルノブ15が付勢されることによって、当該位置にダイヤルノブ15が配置される。
【0049】
第1の筺体部材16は、第2の筺体部材17を製作する工程や第2の筺体部材17に被駆動ユニット19や駆動軸22を取り付ける工程とは別の工程で製作される。そのため、開口13(図3)が、第1の筺体部材16の所定の位置に形成されないことがある。
【0050】
本実施形態では、保持部材35が第1の筺体部材16に設けられている。したがって、第1の筺体部材16を製作する工程において、開口13に対する保持部材35の位置のずれを抑制することができる。すなわち、開口13が駆動軸22に対して所定の位置に形成されていなくても、ダイヤルノブ15を開口13の位置に対応した位置に配置させることが可能になる。
【0051】
ダイヤルノブ15が開口13の位置に対応して配置されることによって、開口13の縁とダイヤルノブ15との干渉が抑制される。したがって、開口13の縁とダイヤルノブ15との間の隙間をより小さくすることができる。当該隙間が縮小されることによって、投写型表示装置1の見栄えが向上するとともに、当該隙間からの粉塵の流入や光の漏れを抑制することが可能になる。
【0052】
さらに、本実施形態では、第2の筺体部材17は、第1の筺体部材16が第2の筺体部材17から取り外された際にダイヤルノブ15の移動を規制する規制部材37を備えている。具体的には、規制部材37には穴37aが形成されており、穴37aにダイヤルノブ軸26が挿通されている。
【0053】
穴37aの内径はダイヤルノブ軸26の外径よりも大きく、第1の筺体部材16が第2の筺体部材17に取り付けられている状態では、ダイヤルノブ軸26は穴37aの縁に接触していない(図6)。
【0054】
第1の筺体部材16が第2の筺体部材17から取り外された際には、ダイヤルノブ15は付勢部材34によって付勢されている方向に移動し、ダイヤルノブ軸26が穴37aの縁に接触する。その結果、ダイヤルノブ15の移動が規制される。
【0055】
規制部材37がない場合には、第1の筺体部材16を第2の筺体部材17から取り外した際にダイヤルノブ15が付勢部材34によって飛ばされ、ダイヤルノブ15を紛失する虞がある。規制部材37によってダイヤルノブ15が飛ばされなくなるため、ダイヤルノブ15の紛失を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る駆動伝達機構は、回転トルクが作用することによって駆動する被駆動ユニットを筐体の内部に備える装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
12 投写型表示装置
13 開口
14 筐体
15 ダイヤルノブ
16 第1の筺体部材
17 第2の筺体部材
18 ユニット側歯車
19 被駆動ユニット
20 駆動伝達機構
21 伝達機構側歯車
22 駆動軸
23 連結部材
34 付勢部材
35 保持部材
35a 切り欠き部
36 円環部材
37 規制部材
37a 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7