技術分野
新菌株、該新菌株を有効成分とする根頭がんしゅ病防除剤及び/又は植物種子発芽率向上剤、該新菌株を用いた根頭がんしゅ病防除方法及び/又は植物種子発芽率向上方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
拮抗微生物による根頭がんしゅ病防除手段として、の生物的手段が種々提案されているが、そのほとんどは研究段階に留まり、実用化されていない。
これは、これら拮抗微生物による防除手段の多くが、根頭がんしゅ病防除効果が実験室内での実験において確認されたに留まり、農業生産上最も重要な自然環境下における実際の作物生産現場での安定的な防除効果を認めた事例がほとんどないことによると考えられる。
例えば、特許文献1において、個々の拮抗細菌株の拮抗能力には非常にばらつきがあり、これら拮抗細菌の混合培養物を用いる方法は、実用段階で培養物の性質および品質を安定的に保つ生産方法について課題がある。また、実施例において、実験室内で防除効果を確認した植物が根頭がんしゅ病による被害が農業上全く問題となっていないタバコのみであることもまた、本技術を適用できる植物の範囲について大きな問題を残している。
非特許文献3において、非病原性アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)K84株は既に実用化されているが、ブドウで発生する根頭がんしゅ病には全く防除効果がないという大きな問題がある。それは、ブドウに感染する根頭がんしゅ病菌であるリゾビウム・ヴィティス(Rhizobium vitis)に対して、K84株はまったく抗菌活性を持たないためである。ブドウは醸造用、生食用として世界的に非常に重要な果樹であり、根頭がんしゅ病はブドウに対し、深刻な被害をもたらすため、現在なお大きな農業生産上の問題を抱えている。さらにK84株の抗菌活性に感受性を示さない菌株が自然界に多く存在しており、防除効果が低下する事例が既に存在している。
非特許文献1において、ラネルア・アクアティリス(Rahnella aquatilis)HX2株はブドウ根頭がんしゅ病に対して発病を抑制する効果を示すが、ブドウ以外の植物に対する防除効果が未知であり、本技術を適用できる植物の範囲について大きな問題を残している。
これに対し、非特許文献2において、非病原性リゾビウム・ヴィティス(Rhizobium vitis)VAR03−1株はブドウ根頭がんしゅ病だけでなく、他の植物の根頭がんしゅ病に対しても防除効果を示す事例があるが、実際の生産現場で防除効果が認められたのはブドウのみであることから、現在においてなお、実用性について課題を残している。
特許文献2において、Trifolitoxin(TFX)という抗菌物質を合成する外来遺伝子を遺伝子組み換え技術により人工的に導入した遺伝子組み換え生物アグロバクテリウム・ヴィティスF2/5(pT2TFXK)株を作出し、根頭がんしゅ病に対する拮抗細菌として用いる方法が開示されている。しかし、実施例において、実際に多く発病する部分である根や地際の主幹部位に対する防除効果を示しておらず、また、ブドウ以外の植物についても防除効果は未知であり、実用性に乏しい。さらに、遺伝子組み換え生物を自然界で使用することには、生態系に著しい混乱を招くことが懸念される。
そこで、本発明は、実際の作物生産現場において安定的な根頭がんしゅ病防除効果を発揮し、生物農薬として使用可能な非病原性菌を提供することを目的とする。さらには、安定的な根頭がんしゅ病防除効果を発揮するだけでなく、他の植物育種に有用な機能も併せ持った、実用性の高い高機能非病原性菌を提供することも目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明の本発明者らは、根頭がんしゅ病防除効果を発揮する生物農薬としての新規な非病原性菌を見いだすべく、根頭がんしゅ病の防除に有効な微生物を鋭意探索した結果、ブドウ中から分離された非病原性リゾビウム・ヴィティス(Rhizobium vitis)に属する新規の菌株が、根頭がんしゅ病の防除に顕著な効果を示すことを見いだし、また実際の作物生産現場の試験でも高い防除効果を発揮すること、及び、植物種子・・・ 続きを
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この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 ARK−1菌株による根頭がんしゅ病の発病抑制効果を示す図(図面代用写真)である。図1のAは、病原性リゾビウム・ヴィティスG−Ag−27株のみをブドウ苗木に接種した結果を示し、矢印で示すようにがんしゅ形成が認められた。図1のBは、ARK−1菌株の菌液と病原性リゾビウム・ヴィティスG−Ag−27の菌液との混合物をブドウ苗木に接種した結果を示し、がんしゅの形成は認められなかった。
【図2】 ARK−1菌株による根頭がんしゅ病の発病抑制効果を示す図(図面代用写真)である。図2のAは、汚染土壌にブドウ苗木をそのまま定植したものを6か月後に掘り起こしたブドウ苗木の写真であり、矢印で示すようにがんしゅ形成が認められた。図2のBは、ブドウ苗木の根をあらかじめARK−1の菌液に浸漬した後に汚染土壌に定植したものを6か月後に掘り起こしたブドウ苗木の写真であり、がんしゅ形成が認められなかった。
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