(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、検証装置をプリンタとは別体として構成する場合には、印刷データをそのまま検証用のデータとして用いることができない。したがって、検証装置では、印刷媒体のどの位置に検証すべきバーコード等の検証すべき印刷表示がなされているかを把握できず、印刷媒体の全面を読み取る必要があり、読み取りに長い時間がかかってしまう場合があった。
【0007】
また、特許文献2に開示されている手法では、単に選択されたフォーマットのカードの予め登録してある内容と照合するというだけであり、照合する内容を選択しているに過ぎない。したがって、特許文献2に開示されている手法では、上述の読み取りに長い時間がかかってしまうという問題を解決することはできなかった。
【0008】
さらに、特許文献2に開示されている手法では、カードのチェックを行う度に、フォーマットを選択する必要があり、作業が繁雑であり、効率がよくないという問題があった。検証装置をプリンタに並べて使用する場面では、プリンタから次々に排出される媒体を、その排出速度に合わせて順次検証を実施することが望まれる。したがって、特許文献2に開示されている手法は、印刷媒体の検証装置には、適用できなかった。
【0009】
本発明の課題は、複数種類の媒体の検証を連続的に行う場合であっても、検証に必要な情報を簡単に指定できるとともに、効率よく検証処理を行うことができる検証装置、検証システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0011】
請求項1の発明は、検証対象である媒体(P,501,502)上の表示を読み取り手段(70)を制御して読みとり、前記媒体上の前記表示を検証する検証手段(101)と、少なくとも前記表示の前記媒体上における位置に関する情報であるフォーマットを含むフォーマット情報を複数管理可能であって、内蔵又は着脱可能に設けられた記憶手段(102a)に記憶された前記フォーマット情報を管理する管理手段(102)と、前記記憶手段から前記検証手段による検証に用いる前記フォーマット情報を少なくとも1つ指定する指定手段(106)と、を備え、
前記媒体は、コードや文字などが印刷表示され、前記検証手段が行う前記媒体上の表示の検証は、前記指定手段が指定した前記フォーマット情報に基づいて、
前記媒体に印刷表示された前記コードのみを検証し、前記コード以外の印刷表示は検証しないことで、検証が不要な部分に関する処理を簡素化して、又は、省略して行われること、を特徴とする検証装置(1)である。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の検証装置において、前記指定手段(106,106B)は、前記フォーマット情報と対応する検証対象である前記媒体の枚数を指定可能であること、を特徴とする検証装置(1)である。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の検証装置において、前記指定手段(106)は、検証対象の前記媒体(P)に対応する前記フォーマット情報を複数指定可能であり、検証を行う順番を指定可能であること、を特徴とする検証装置(1)である。
【0014】
請求項4の発明は、検証装置(1B)と、印刷装置(400)と、前記検証装置及び前記印刷装置と通信可能に接続された制御装置(300)と、を備える検証システムであって、前記制御装置は、前記印刷装置に対して媒体へ表示の印刷指示を行う印刷指示手段(301)と、前記印刷指示手段が印刷の指示を行った内容に対応する情報であって、少なくとも前記表示の前記媒体上における位置に関する情報であるフォーマットを含むフォーマット情報を指定するフォーマット指定情報を前記検証装置へ送信する情報送信手段(302)と、を備え、前記検証装置は、前記印刷装置により印刷された前記媒体上の表示を読み取る読み取り手段(70)と、検証対象である媒体上を前記読み取り手段を制御して読みとり、前記媒体上の前記表示を検証する検証手段(101)と、前記フォーマット情報を複数管理可能であって、内蔵又は着脱可能に設けられた記憶手段(102a)に記憶された前記フォーマット情報を管理する管理手段(102)と、前記制御装置から取得した前記フォーマット指定情報に基づいて、前記記憶手段から前記検証手段による検証に用いる前記フォーマット情報を少なくとも1つ指定する指定手段(106B)と、を備え、
前記媒体は、コードや文字などが印刷表示され、前記検証手段が行う前記読み取り手段の制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、前記指定手段が指定した前記フォーマット情報に基づいて、
前記媒体に印刷表示された前記コードのみを検証し、前記コード以外の印刷表示は検証しないことで、検証が不要な部分に関する処理を簡素化して、又は、省略して行われること、を特徴とする検証システム(1B,300B,400)である。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4に記載の検証システムにおいて、前記指定手段(106B)は、前記フォーマット情報と対応する検証対象である前記媒体(P)の枚数を指定可能であり、前記情報送信手段(302)は、前記印刷指示手段(301)が印刷の指示を行った内容に対応して検証対象である前記媒体の枚数に関する情報を前記検証装置(1B)へ送信すること、を特徴とする検証システム(1B,300B,400)である。
【0016】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の検証システムにおいて、前記指定手段(106B)は、検証対象の前記媒体(P)に対応する前記フォーマット情報を複数指定可能であり、検証を行う順番を指定可能であり、前記情報送信手段(302)は、前記印刷指示手段(301)が印刷の指示を行った内容に対応して検証を行う順番に関する情報を前記検証装置(1B)へ送信すること、を特徴とする検証システム(1B,300B,400)である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、検証装置、及び、検証システムは、複数種類の媒体の検証を連続的に行う場合であっても、検証に必要な情報を簡単に指定できるとともに、効率よく検証処理を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明による検証装置1の第1実施形態を側面からみた透視図である。
図2は、検証装置1内の各部の関係を示すブロック図である。
図3は、検証装置1とともに用いられるコンピュータ300と印刷装置400との関係を簡単に示した本検証システムのブロック図である。
なお、これらの図を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、動作等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0021】
本実施形態の検証装置1は、下側本体2と、上側本体3と、挿入ガイド4とを備えている。
下側本体2は、検証装置1の略下半分を占める部分である。
上側本体3は、下側本体2の上方に設けられ、検証装置1の略半分を占める部分である。
挿入ガイド4は、印刷媒体を挿入部4aから検証装置1に挿入するときの案内をする部分であり、下側本体2から
図1中の右側へ突出して設けられている。
本実施形態の検証装置1は、市販されている汎用品のラベルプリンタ等の印刷装置400の直近に配置、又は接続して用いる。そして、検証装置1は、印刷装置400から連続的に排出される印刷済みのラベル連続体等の印刷媒体を、挿入ガイド4を用いて挿入部4aから挿入し、印刷されているバーコード等の各種情報を単体で検証可能である。
【0022】
検証装置1は、挿入センサ5と、上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30と、上流側移動検出部40と、下流側移動検出部50と、媒体位置検出部60と、スキャナ部70と、マーキング部80と、表示操作部90と、制御部100と、エンコーダEnと、モータMOとを備えている。
【0023】
挿入センサ5は、挿入部4aの搬送方向下流側の直近に設けられ、印刷媒体の先端を検出し、検出信号は、用紙検出制御回路204を介して制御部100に伝達する。
【0024】
上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30とは、いずれも、挿入部4aから挿入された印刷媒体を搬送する搬送部を構成する機構であり、対向するローラを有している。上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30とは、不図示のベルト及びプーリ等によりモータMOと接続されている。
モータMOは、上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30との駆動力を発生する駆動源であり、駆動制御回路206を介して制御部100により駆動を制御される。
【0025】
上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50は、搬送部(10,20,30)により搬送される印刷媒体の移動を検出する移動検出部である。上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50は、不図示のベルト及びプーリ等によりエンコーダEnと接続されている。
エンコーダEnは、上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50が検出した印刷媒体の移動を移動量に変換可能な形態で出力するロータリエンコーダである。エンコーダEnは、エンコーダ制御回路207を介して検出信号を制御部100へ送る。
【0026】
媒体位置検出部60は、印刷媒体の位置を検出する。本実施形態の媒体位置検出部60は、反射型光センサと、透過型光センサとを備えている。
反射型光センサは、印刷媒体の少なくとも一面に所定間隔で印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出することによって、基準位置を検出する。
透過型光センサは、印刷媒体が台紙と、台紙上に仮着されたラベルとにより構成されている場合に、台紙上にラベルが仮着されている位置と台紙にラベルが仮着されていない位置との光の透過率の差によって基準位置を検出する。
媒体位置検出部60は、反射型光センサ又は透過型光センサにより検出した検出信号を、ピッチ検出制御回路205を介して制御部100へ送る。
なお、媒体位置検出部60は、位置検出マークの有無によって、反射型光センサ又は透過型光センサのいずれか一方を用いて印刷媒体の位置検出を行う。
【0027】
スキャナ部70は、搬送された印刷媒体に印刷された情報を読み取る読み取り手段である。スキャナ部70が読み取った情報は、スキャン制御回路202を介して制御部100へ送られる。具体的には、スキャナ部70は、不図示の照明部とセンサとを有し、照明部により照明された印刷媒体をセンサにより読み取り、印刷媒体上の情報を像の形態で取得する。そして、スキャナ部70は、この取得した像を制御部100へ送る。また、スキャナ部70から送られたイメージデータは、イメージRAM203上に一時的に記憶され、制御部100により利用される。
【0028】
マーキング部80は、マーキング制御回路208を介した制御部100からの指示に応じて、印刷媒体にマーキングを行う。具体的には、マーキング部80は、制御部100がスキャナ部70から得た情報に基づいて、印刷媒体上の印刷結果が所定の条件を満たさない不良品であると判断したときに、印刷媒体上に、例えば、「NG」と押印を行う。なお、マーキング部80としては、ハンコを用いずに、レーザやインクジェット等を用いてマーキングを行ってもよいし、印刷媒体の一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行ってもよい。
【0029】
表示操作部90は、検証装置1に関する各種操作を受け付ける操作部91と、各種情報の表示を行う表示部92とを有している。表示操作部90は、インタフェース(IF)201を介して制御部100により制御される。
【0030】
制御部100は、検証装置1の動作を統括して制御を行う制御回路であり、CPU103と、ROM104と、RAM105とにより構成されている。
また、制御部100には、検証部101と、管理部102と、指定部106と、インタフェース(IF)201と、スキャン制御回路202と、イメージRAM203と、用紙検出制御回路204と、ピッチ検出制御回路205と、駆動制御回路206と、エンコーダ制御回路207と、マーキング制御回路208とが設けられている。ここでは、検証部101と、管理部102と、指定部106と、インタフェース(IF)201と、スキャン制御回路202と、イメージRAM203と、用紙検出制御回路204と、ピッチ検出制御回路205と、駆動制御回路206と、エンコーダ制御回路207と、マーキング制御回路208とは、上述のCPU103と、ROM104と、RAM105とは独立した構成として説明を行う。しかし、例えば、検証部101と、管理部102と、指定部106との機能は、上述のCPU103と、ROM104と、RAM105等を利用して動作する検証装置1のコンピュータプログラムの一部の機能として実現してもよい。
【0031】
検証部101は、スキャナ部70から転送され、画像データとして取得した印刷媒体上の情報を検証する検証手段である。検証部101は、後述の指定部106により指定されたフォーマット情報に基づき、印刷媒体上の情報が、正しく印刷媒体上に印刷されているか否かを検証する。なお、検証する内容としては、印刷されるべき内容、印刷のかすれや欠け、汚れ、その他、適宜選択可能である。ここで、フォーマット情報とは、印刷媒体上に印刷されたバーコード等の表示されている位置に関する情報であるフォーマットを含む情報である。フォーマット情報の詳細については、後述する。
【0032】
管理部102は、記憶手段としてのメモリカード102aに記憶された複数のフォーマット情報を管理する。なお、記憶手段としては、メモリカード102aのような外部記憶媒体に限らず、検証装置1に内蔵されたメモリ等を利用する形態としてもよい。
【0033】
指定部106は、管理部102が管理する複数のフォーマット情報の中から、検証装置1による検証を行う印刷媒体に対応するフォーマット情報を指定する。指定部106は、フォーマット情報を指定する他、その枚数も指定可能である。さらに、指定部106は、複数のフォーマット情報を指定することも可能であり、その場合には、検証を行う順番も指定可能である。例えば、フォーマット情報を「FNo.」として示すとすると、指定部106は、最初にFNo.1を10枚検証し、それに続いて、FNo2を30枚検証する等の指定が可能である。
【0034】
コンピュータ300は、一般的なパーソナルコンピュータ等を利用した制御装置である。なお、コンピュータ300は、パーソナルコンピュータに限らず、本システム専用の制御装置としてもよい。コンピュータ300は、ソフトウェアがインストールされて、印刷装置400に印刷を実行させる印刷指示手段301としての機能を有する。
【0035】
印刷装置400は、コンピュータ300と通信可能に接続されたラベルプリンタ等のプリンタである。印刷装置400は、例えば、サーマルヘッドとプラテンローラ等からなる印刷手段401を有している。印刷装置400は、印刷指示手段301からの指示にしたがって、印刷媒体Pの印刷を実行する。
【0036】
図4は、本実施形態の検証装置1が検証を行う印刷媒体であるラベルの一例を示す図である。
図4に示すラベル501の表面に印刷された表示内容は、領域Aから領域Eの5つの領域に分けることができる。
領域Aは、一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Bは、領域Aとは異なる一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Cは、QRコード(登録商標)で示された二次元コードが印刷された領域である。
領域Dは、文字が表示された領域である。
領域Eは、シリアルナンバーが表示された領域である。
【0037】
図5は、本実施形態の検証装置1が検証を行う印刷媒体であるラベルの他の例を示す図である。
図5に示すラベル502の表面に印刷された表示内容は、領域Fから領域Mの8つの領域に分けることができる。
領域Fは、一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Gは、領域Fとは異なる一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Hは、領域F及び領域Gとは異なる一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Iは、QRコード(登録商標)で示された二次元コードが印刷された領域である。
領域J及び領域Kは、空白領域である。
領域L及び領域Mは、文字が表示された領域である。
【0038】
本実施形態では、ラベル501の上記領域Aから領域Eまでのうち、コードが印刷された領域A,領域B,領域Cの3領域の検証を行う。したがって、領域Dと領域Eについては、スキャナ部70による読み込みを必要としない。
同様に、ラベル502については、コードが印刷された領域F,領域G,領域H,領域Iの4領域の検証を行う。したがって、領域J,領域K,領域L,領域Mについては、スキャナ部70による読み込みを必要としない。
【0039】
そこで、本実施形態の検証装置1は、ラベル501については、領域A,領域B,領域Cの3領域のラベル501上における位置に関するフォーマット情報を利用して、不要な領域Dと領域Eとを読み込まないようにして、検証動作の高速化を図っている。
同様に、検証装置1は、ラベル502については、領域F,領域G,領域H,領域Iの4領域のラベル502上における位置に関するフォーマット情報を利用して、不要な領域J,領域K,領域L,領域Mを読み込まないようにして、検証動作の高速化を図っている。
【0040】
検証装置1は、複数種類の印刷媒体の検証に対応可能である。したがって、フォーマット情報は、検証装置1が検証対象とする印刷媒体の種類に対応する数が必要となる。ここでは、
図4のラベル501に対応するフォーマット情報を“FNo.1”とし、
図5のラベル502に対応するフォーマット情報を“FNo.2”として説明する。
【0041】
先にも説明したように、フォーマット情報とは、印刷媒体上に印刷されたバーコード等の表示されている位置に関する情報であるフォーマットを含む情報である。フォーマット情報には、このフォーマットのみを含む形態としてもよいし、フォーマットに加えて、印刷枚数等、他の情報を含む形態としてもよい。本実施形態では、検証を行う印刷媒体上に印刷されたバーコード及び2次元コードの位置情報であるフォーマットのみを含むものとして説明を行う。
【0042】
フォーマット情報“FNo.1”には、
図4に示すように、矩形の領域Aの2つの角部分の座標(xA1,yA1)と座標(xA2,yA2)が含まれている。よって、検証部101は、フォーマット情報から、領域Aの範囲を確定可能である。同様に、フォーマット情報には、領域Bに対応する座標(xB1,yB1)及び座標(xB2,yB2)と、領域Cに対応する座標(xC1,yC1)及び座標(xC2,yC2)とが含まれている。
これと同様に、フォーマット情報“FNo.2”には、
図5に示した領域F,領域G,領域H,領域Iの範囲をそれぞれ確定可能な座標が含まれている。
【0043】
本実施形態の検証装置1では、フォーマット情報を検証装置1に入力する手法として、以下の2つの手法を利用可能である。
フォーマット情報の入力方法の1つ目は、検証装置1の表示操作部90を直接操作して、入力を行う方法である。
フォーマット情報の入力方法の2つ目は、検証装置1とは独立した外部の装置、例えば、コンピュータ300を利用して、フォーマット情報を外部で作成し、そのフォーマット情報を、検証装置1に入力する方法である。コンピュータ300は、印刷媒体Pを印刷するための印刷データを有している。よって、コンピュータ300を利用することにより、この印刷データを利用して容易にフォーマット情報を作成可能である。本実施形態では、外部で作成された検証情報は、メモリカード102aに記憶され、このメモリカード102aを、不図示のカード挿入口から挿入することにより、検証装置1に対して入力することが可能である。なお、外部で作成された検証情報は、外部から通信を介して入力されるようにしてもよい。
【0044】
次に、本実施形態の検証装置1の動作について説明する。
図6は、検証装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0045】
ステップ(以下、Sとする)101では、指定部106は、利用者からフォーマット情報の指定を受ける。この指定は、利用者が表示操作部90を直接操作して行われる。フォーマット情報の指定が行われると、管理部102は、メモリカード102aから指定されたフォーマット情報を読み出す。
【0046】
S102では、指定部106は、利用者からフォーマット情報の順番と枚数の指定を受ける。この指定についても、利用者が表示操作部90を直接操作して行われる。ここでは、一例として、FNo.1を10枚検証し、それに続いて、FNo.2を30枚検証すると指定されたものとする。
【0047】
S103では、検証部101は、スキャナ部70により印刷媒体P(ラベル501)の読み込みを行う。ここで、検証部101は、S101及びS102において指定されたフォーマット情報及び順番を参照して、その時点でスキャナ部70に搬送されているべきであるラベル501上の不要な領域Dと領域Eとを読み込まないようにして、ラベル501の全体を読み込む場合よりも高速に読み込み動作を行う。
また、検証部101は、領域A,領域B,領域Cの読み込みをスキャナ部70に実行させて、これらの部分に印刷されているコードを検証する処理を行う。検証の結果、不合格の場合には、マーキング部80によりマーキングを行う。
【0048】
S104では、S103で読み込んだ印刷媒体Pがフォーマット情報FNo.1に対応するものであるか否かの判断を行う。S103で読み込んだ印刷媒体Pがフォーマット情報FNo.1に対応するものである場合には、S105へ進み、それ以外の場合には、S112へ進み、エラー処理の後、動作を終了する。検証装置1は、コンピュータ300及び印刷装置400とは独立して設けられており、通信も行わないので、利用者の不注意等によって、謝ったラベルが挿入されてしまう場合もある。そのような場合に、このステップによりエラー処理を行えるようになる。
【0049】
S105では、n=n+1として、カウントアップを行う。なお、nは、印刷媒体の枚数を計数するための変数であり、1枚目をスキャンするときに0にリセットされているものとする。
【0050】
S106では、指定枚数に達したか否かを判断する。この例では、10枚に達したか否かを判断する。指定枚数に達している場合には、S107へ進み、まだ指定枚数に達していない場合には、S103へ戻る。
【0051】
S107では、別のFNo.が有るか否かの判断を行う。別のFNo.が有る場合には、S108へ進み、無い場合には、動作を終了する。ここでは、FNo.2が指定されているので、S108へ進む。
【0052】
S108では、検証部101は、スキャナ部70により1枚目の印刷媒体Pの読み込みを行う。ここで、検証部101は、S101及びS102において指定されたフォーマット情報及び順番を参照して、その時点でスキャナ部70に搬送されているべきであるラベル502上の不要な領域J,領域K,領域L,領域Mをいずれも読み込まないようにして、ラベル501の全体を読み込む場合よりも高速に読み込み動作を行う。
また、検証部101は、領域F,領域G,領域H,領域Iの読み込みをスキャナ部70に実行させて、これらの部分に印刷されているコードを検証する処理を行う。検証の結果、不合格の場合には、マーキング部80によりマーキングを行う。
【0053】
S109では、S108で読み込んだ印刷媒体Pがフォーマット情報FNo.2に対応するものであるか否かの判断を行う。S103で読み込んだ印刷媒体Pがフォーマット情報FNo.2に対応するものである場合には、S110へ進み、それ以外の場合には、S112へ進み、エラー処理の後、動作を終了する。
【0054】
S110では、n=n+1として、カウントアップを行う。なお、nは、FNo.2に対応する1枚目をスキャンするときに0にリセットされているものとする。
【0055】
S111では、指定枚数に達したか否かを判断する。この例では、30枚に達したか否かを判断する。指定枚数に達している場合には、動作を終了し、まだ指定枚数に達していない場合には、S108へ戻る。
【0056】
S112では、エラー表示を表示操作部90に行い、その後、動作を終了する。
【0057】
以上説明したように、第1実施形態によれば、検証装置1は、複数のフォーマット情報を記憶し、その指定と、順番と枚数の指定とを行えるようにしている。よって、複数種類の印刷媒体Pの検証を連続的に行う場合であっても、検証に必要な情報を簡単に指定できる。また、検証装置1は、フォーマット情報に基づいて、検証が不要な部分に関する読み込み処理を省略するので、効率よく高速に検証処理を行うことができる。
【0058】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態の検証装置1Bとともに用いられるコンピュータ300Bと印刷装置400との関係を簡単に示した本検証システムのブロック図である。
第2実施形態の検証装置1Bは、フォーマット情報の指定方法が第1実施形態と異なる他は、第1実施形態の検証装置1と同様な形態をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0059】
第2実施形態のコンピュータ300Bと検証装置1Bとは、通信可能なように接続されている。
コンピュータ300Bは、ソフトウェアがインストールされて、印刷指示手段301としての機能と、情報送信手段302としての機能とを有する。
印刷指示手段301は、印刷装置400に印刷を実行させる指示を行う。
情報送信手段302は、印刷指示手段301が行った印刷実行の指示に対応する情報を検証装置1Bへ送信する。具体的には、情報送信手段302は、印刷の指示を行った印刷媒体Pに対応するフォーマット情報を特定する情報(フォーマット指定情報)と、その順番と、枚数とを、検証装置1Bへ送信する。印刷を指示した内容は、そのまま、検証装置1Bにより検証を行うべき内容と対応するからである。なお、フォーマット情報を特定する情報とは、管理部102が管理しているフォーマット情報を特定する番号や記号等である。ここの例では、FNo.が相当する。例えば、情報送信手段302は、最初にFNo.1を10枚検証し、それに続いて、FNo2を30枚検証する等の情報を検証装置1Bへ送信する。
【0060】
第2実施形態の指定部106Bは、管理部102が管理する複数のフォーマット情報の中から、コンピュータ300Bから送信されたフォーマット情報を特定する情報(FNo.)に対応するフォーマット情報を指定する。また、指定部106Bは、検証の順番と枚数についても、コンピュータ300Bから送信された情報にしたがって指定を行う。
【0061】
次に、本実施形態の検証装置1Bの動作について説明する。
図8は、検証装置1Bの動作の流れを示すフローチャートである。
なお、
図8に示す検証装置1Bの動作は、S100からS102の動作が、第1実施形態の
図6に示した動作と異なる他は、第1実施形態における検証装置1の動作と同様である。
【0062】
S100では、コンピュータ300Bの情報送信手段302は、フォーマット情報を特定する情報(FNo.)と、その順番と、枚数とを、検証装置1Bへ送信する。
【0063】
S101では、指定部106Bは、S100でコンピュータ300Bから受信した情報にしたがって、フォーマット情報の指定を行う。フォーマット情報の指定が行われると、管理部102は、メモリカード102aから指定されたフォーマット情報を読み出す。
【0064】
S102では、指定部106Bは、S100でコンピュータ300Bから受信した情報にしたがって、フォーマット情報の順番と枚数の指定を行う。ここでは、一例として、FNo.1を10枚検証し、それに続いて、FNo.2を30枚検証すると指定されたものとする。
【0065】
これ以降、S103からS112までの動作については、第1実施形態の
図6の場合と同様である。
【0066】
以上説明したように、第2実施形態によれば、検証装置1Bは、複数のフォーマット情報を記憶し、その指定と、順番と枚数の指定とを、コンピュータ300Bからの情報にしたがって行う。よって、印刷装置400が印刷を行う印刷媒体Pのフォーマットや、順番、枚数等と、検証装置1Bに対して指定されるフォーマットや、順番、枚数等が不注意等によりずれてしまうことを防止できる。また、指定操作自体も簡略化されるので、作業効率も向上する。
【0067】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0068】
各実施形態において、検証部101は、フォーマット情報を参照して、検証が不要な領域の読み込みを行わない、すなわち、不要な領域についての読み込み処理を省略した例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、検証部101は、検証が不要な領域の読み込みの解像度を低くして処理速度を向上させる、すなわち、不要な領域についての読み込み処理を簡素化するようにしてもよい。
【0069】
第2実施形態において、情報送信手段302は、フォーマット情報を特定する情報を検証装置1Bへ送る例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、情報送信手段302は、フォーマット情報自体を送信するようにしてもよい。
【0070】
各実施形態において、検証部101は、フォーマット情報に基づいて、スキャナ部70による読み込み処理の省略を行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、検証部101は、フォーマット情報に基づいて、読み込み後の画像処理や、画像処理を利用した検証処理自体についても、省略したり、簡素化したりしてもよい。
【0071】
なお、第1実施形態、第2実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。