(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、タクシーメータにおいては、タクシー車両に乗客が乗車してから目的地に到着するまでの間に、走行距離や乗車時間を計測し、予め定めた料金制と一致する計算式に基づいて運賃を自動的に算出し、乗務員や乗客に見えるように運賃を常時表示している。実際には、タクシーメータの操作ボタンに含まれる「実車」ボタンを乗務員が押下することにより、タクシーメータは空車状態から賃走状態に切り替わり運賃の計算および表示を開始する。また、タクシー車両が目的地に到着した時にタクシーメータの「支払」ボタンを乗務員が押下することにより、タクシーメータは計測を終了し、乗客が支払うべき運賃を表示する。
【0003】
このようなタクシーメータの運賃表示に関する従来技術としては、例えば特許文献1および特許文献2に開示された技術が知られている。
【0004】
特許文献1においては、その時の状況に合わせて通常の運賃に加算される固定料金、具体的には早朝予約料金「400円」等の数値を、乗務員の「早朝ボタン」等の操作により通常の運賃とは別の箇所に小さく表示することを開示している(段落「0019」、図面の
図4参照)。
【0005】
特許文献2においては、表示操作スイッチ16の操作に応じて、運賃の合計と、その運賃の内訳(料金制報知画面G2)とを切り替えて表示するタクシーメータが開示されている(明細書の段落「0043」、図面の
図5参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、実際の運賃は、事前に認可を受けた料金制の条件と一致するように実際の運行状況に応じて算出される。一般的には、料金制として距離制運賃や時間距離併用制運賃が適用される場合が多い。
【0008】
距離制運賃の場合、例えば走行距離が初乗距離(例えば2km)内であれば、算出される運賃は初乗運賃(例えば710円)になる。また、走行距離が初乗距離を超えると、算出される運賃には、加算距離(例えば288m)までを増すごとに加算運賃(90円)が加算される。
【0009】
時間距離併用制運賃の場合、乗客がタクシーに乗車中、信号待ちや渋滞などにより、走行速度が10km以下になった場合や、乗客の都合により、タクシーを待機させる場合に適用され、例えば1分45秒までごとに90円が加算される。
【0010】
時間制運賃は、おもに走行距離よりも時間拘束の割合が高い運送(観光地の周遊や冠婚葬祭など)に適用され、乗客の指定した場所にタクシーが到着したときから、運送を終了するまでの時間により、運賃が算出される。この場合の運賃は「初乗運賃」と「加算運賃」との合計として算出される。初乗運賃は、例えば1時間まで4550円として計算される。加算運賃は、例えば30分までごとに2050円として計算される。
【0011】
また、乗車地点と目的地とが事前に決まっているような場合には、予め決定された一定額を運賃として算出する定額料金が適用される場合もある。定額の料金制を適用することにより、乗客は乗車時間等の変化による運賃の変動を気にする必要がなくなる。
【0012】
上述のように、乗客の利便性や、タクシーを運行する会社および乗務員の都合や負担を考慮して、タクシーメータにおいては、様々な種類の料金制の計算式に基づいて運賃が算出される可能性がある。また、タクシー会社等の事業者は、計算式が異なる複数種類の料金制を状況に応じて選択的に適用することが可能である。
【0013】
しかしながら、もしも計算式が異なる複数種類の料金制のそれぞれについて算出した複数の運賃をタクシーメータで同時に表示すると、利用者(乗客)に対して料金の誤認を生じさせる虞がある。従って、このような表示はタクシーメータではできないように法律で規制されている。
【0014】
そのため、現状では、距離制運賃のような通常の運賃をタクシーメータの本体で表示し、それ以外の計算式で算出される運賃については、タクシーメータとは別の外付けの特別な料金器を利用して表示している。また、特別な料金制を適用する場合には、乗務員がテンキー等を用いて入力操作を行い、表示する運賃の金額を手動で入力し乗客に提示する場合もある。
【0015】
しかし、距離制運賃だけしか表示できないタクシーメータでは、該メータで表示できない別の運賃の支払いに対して、利用者に不信感を募らせてしまう。また、乗務員が面倒な入力操作を行わざるを得ず、タクシーメータの操作性が悪い。
【0016】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計算式の異なる複数種類の料金制のそれぞれに対応すると共に、利用者に誤認を生じさせることなく適用される料金制の正しい運賃を提示することが可能なタクシーメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、本発明に係るタクシーメータは、下記(1)〜(
2)
を特徴としている。
(1)
乗務員によって操作され、第1の料金制に基づく運行の要求、前記第1の料金制とは異なる第2の料金制に基づく運行の要求、及び、運賃の支払いの要求、を選択的に入力する操作部と、
前記第1の料金制に基づく運行の要求の入力又は前記第2の料金制に基づく運行の要求の入力があった第1時点から、前記運賃の支払いの要求の入力があった第2時点までの運賃演算期間に亘って、前記第1時点からの走行距離及び経過時間を逐次演算していく演算部と、
前記運賃演算期間に亘って、前記第1、第2の料金制のうち前記第1時点にて運行要求の入力があった一方の料金制に対応する算出式と、前記第1時点からの現在の前記走行距離及び前記経過時間とに基づいて、前記一方の料金制に基づく現在の運賃を逐次更新していく制御部と、
前記運賃演算期間に亘って、前記逐次更新されていく前記一方の料金制に基づく現在の運賃を表示する表示部と、
を備えたタクシーメータであって、
前記制御部は、前記運賃演算期間の途中にて前記第1、第2の料金制のうち前記一方の料金制と異なる他方の料金制に基づく運行の要求の入力があった場合、その入力があった第3時点から前記第2時点までに亘って、前記他方の料金制に対応する算出式と、前記第1時点からの現在の前記走行距離及び前記経過時間とに基づいて、前記他方の料金制に基づく現在の運賃を逐次更新していき、
前記表示部は、前記第3時点から前記第2時点までに亘って、前記逐次更新されていく前記他方の料金制に基づく現在の運賃を表示すること。
(2) 上記(1)に記載のタクシーメータであって、
前記表示部は、現在表示されている運賃に対応する料金制の種類を表す可視情報を表示すること。
【0018】
上記(1)の構成のタクシーメータによれば、計算式が異なる二つの運賃を同時に出力することを回避できるとともに、支払等の際にいずれか一方の運賃を表示させることで、利用者に対して支払い金額に対する不信感を与えるのを防ぐことができる。
更には、異なる算出式に基づく2つの運賃を、簡易な操作で切り替えて表示することができる。
上記(
2)の構成のタクシーメータによれば、運賃だけでなく表示している運賃の種類を乗客や乗務員が認識できるので操作や支払いの間違いが生じにくい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、計算式の異なる複数種類の料金制のそれぞれに対応すると共に、利用者に誤認を生じさせることなく適用される料金制の正しい運賃を提示することが可能になる。
【0020】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のタクシーメータに関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0023】
<構成の説明>
本実施形態のタクシーメータ10の構成例が
図2に示されている。
図2に示すように、タクシーメータ10の本体には、マイクロコンピュータ(CPU)11、内部記憶部(RPM/RAM)12、カードインタフェース13、表示器(LCD)14、インタフェース15、16、時計回路(RTC)17、インタフェース18、および操作部19が備わっている。
【0024】
マイクロコンピュータ11は、予め用意されたプログラムを実行することにより、タクシーメータ10に必要とされる機能を実現する。すなわち、マイクロコンピュータ11は演算部および制御部として機能する。具体的な動作については後で説明する。
【0025】
内部記憶部12は、マイクロコンピュータ11からアクセス可能な半導体メモリ回路であり、データの読み書きが自在なメモリ(RAM)と、読み出し専用メモリ(ROM)とを備えている。
【0026】
内部記憶部12内のRAMは、一時的なデータの格納に利用される。内部記憶部12内のROMは、マイクロコンピュータ11が実行するプログラム及びタクシーメータ10の機能を実現するために必要な固定データを予め保持している。この固定データの中には、タクシー運賃を算出する際の計算式を決定する予め認可された料金制と対応するデータも含まれている。また、本実施形態においては、複数種類の計算式のデータ、例えば距離制運賃、定額運賃、時間制運賃等のそれぞれの計算式のデータが予め保持されている。
【0027】
カードインタフェース13は、不揮発性メモリであるメモリカード21をタクシーメータ10に接続するためのインタフェースであり、メモリカード21を装着可能なスロットを備えている。マイクロコンピュータ11は、カードインタフェース13を介してメモリカード21にアクセスし、データの読み出し及び書き込みを行うことができる。
【0028】
マイクロコンピュータ11は、タクシーの運行業務に関する様々な情報を収集しメモリカード21に書き込む。例えば、タクシーメータの状態、時刻、乗車位置、降車位置、走行距離、運賃などの情報がメモリカード21に登録される。
【0029】
表示器14は、液晶表示デバイス(LCD)などにより構成され、例えば
図3に示すように、数値や文字列などの可視情報を表示する機能を有している。表示器14の表示内容はマイクロコンピュータ11により制御される。この表示器14は、タクシーメータ10の筐体の前面パネル上に設けられ、表示内容が乗客やタクシー乗務員から見えるように配置される。
【0030】
インタフェース15は、外部機器24をタクシーメータ10に接続するために利用される。具体的な外部機器24としてはプリンタがある。プリンタは、領収書の発行等のために利用される。
【0031】
インタフェース16は、GPS(Global Positioning System)受信機22をタクシーメータ10に接続するために利用される。GPS受信機22を用いて複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、受信地点の車両の現在位置を計算により求めることができる。
【0032】
時計回路17は、現在時刻や経過時間の情報を出力する時計の機能を備えた集積回路(IC)である。マイクロコンピュータ11は、時計回路17にアクセスし、現在時刻や経過時間の情報を取得することができる。
【0033】
インタフェース18は、ETC(電子料金収受:Electronic Toll Collection)車載器23をタクシーメータ10に接続するために利用される。すなわち、高速道路などの有料道路をタクシー車両が通行する際に、タクシーメータ10は通行料金の情報をETC車載器23から取得して運賃に反映することができる。
【0034】
操作部19は、乗務員が操作できるようにタクシーメータ10の筐体の前面パネル上に設けられており、タクシーメータの状態を切り替えるための多数の操作ボタンを有している。本実施形態においては、「定額」ボタン、「実車」ボタン、「支払」ボタン、「空車」ボタン等が備わっている。
【0035】
また、車両の移動に伴って生成されるパルス状の車速信号が、車両側からマイクロコンピュータ11のスピード入力端子に入力される。マイクロコンピュータ11は、この車速信号を監視し、所定の計算を実施することにより、タクシー車両の移動距離や、移動速度を把握できる。
【0036】
<動作の説明>
本実施形態におけるタクシーメータ10の主要な動作が
図1に示されている。また、このタクシーメータ10の画面表示例が
図3に示されている。
【0037】
タクシー車両が運行業務を開始する時にタクシーメータ10の電源が投入されると、マイクロコンピュータ11は所定の初期化を実施した後、
図1のステップS11に進む。ステップS11では、「空車」状態であることをタクシーメータ10の表示器14に表示する。また、この時には車外の歩行者等から見える箇所にも「空車」を表示する。
【0038】
マイクロコンピュータ11は、操作部19にある各操作ボタンの状況を常時監視している。そして、「定額」ボタンの押下を検出した場合はステップS12からS13に進み、「実車」ボタンの押下を検出した場合はステップS17からS18に進み、「支払」ボタンの押下を検出した場合はステップS23からS24に進む。
【0039】
なお、「空車」状態で新たに乗客がタクシーに乗車した時には、乗務員は「実車」ボタン又は「定額」ボタンを押下する。これにより、タクシーは「実車」状態になり運行が開始される。また、「実車」状態で走行後に目的地に到着すると、乗務員は「支払」ボタンを押下して運賃の精算が可能な状態にする。
【0040】
ステップS13では、マイクロコンピュータ11は「定額運賃」の料金制を選択していることを表す「定額フラグ」をオンにする。なお、この「定額フラグ」の内容は内部メモリ上に予め確保された領域に記憶される。
【0041】
ステップS14では、マイクロコンピュータ11は距離および時間の演算を開始する。すなわち、乗客がタクシーに乗車して、「実車」ボタン又は「定額」ボタンが押下されてからのタクシーの走行距離や経過時間に関する情報を計算する。
【0042】
ステップS15では、マイクロコンピュータ11は、事前に認可された料金制の情報と、ステップS14で開始した演算により把握している走行距離及び経過時間と、選択している料金制の種類とに基づいて、現在の運賃を算出し、表示器14の画面上に表示する。具体的には、
図3中の「表示例1」の表示画面14Aのように表示する。
【0043】
この場合は、例えば設定された「距離制運賃」にて料金演算を行い、次の計算式により運賃を算出する。
(第1の算出式)
運賃=「710円:初乗運賃」+「90円×距離の値」+「時間×0円」
距離の値=初乗距離(2km)を超えてから一定距離(274m)走行毎に1を加算
【0044】
つまり、表示画面14Aのように金額表示部33に第1の算出式の計算結果である「1230円」を表示する。なお、この場合は定額料金制表示部34の表示は消去する。また、金額種類表示部32には「運賃」を表示し、タクシーメータ状態表示部31には「賃走(深夜割増時間帯は“割増”)」の文字31Aを表示する。
【0045】
ステップS16では、「定額」ボタンに内蔵された図示しない発光ダイオード(LED)を点灯し、この照明光により「定額運賃」の料金制を現在選択していることを明示する。
【0046】
ステップS18では、マイクロコンピュータ11は前述の「定額フラグ」の状態を参照し、「定額フラグ」がオンであればステップS19に進み、オフであればステップS21に進む。
【0047】
ステップS19では、マイクロコンピュータ11は「定額フラグ」をオフに切り替える。これにより、「定額運賃」の料金制の選択が終了した状態を記憶する。また、次のステップS20では、「定額」ボタンに内蔵された図示しない発光ダイオードを消灯し、「定額運賃」の料金制の選択が解除されていることを明示する。
【0048】
ステップS21では、マイクロコンピュータ11は距離および時間の演算を開始する。すなわち、乗客がタクシーに乗車して、「実車」ボタン又は「定額」ボタンが押下されてからのタクシーの走行距離や経過時間に関する情報を計算する。
【0049】
ステップS22では、マイクロコンピュータ11は、事前に認可された料金制の情報と、ステップS14又はS21で開始した演算により把握している走行距離及び経過時間と、選択している料金制の種類とに基づいて、現在の運賃を算出し、表示器14の画面上に表示する。具体的には、
図3中の「表示例1」の表示画面14Aのように表示する。
【0050】
この場合は、段落[0043]で説明した第1の算出式にて計算を行う。すなわち、例えば設定された「距離制運賃」にて料金演算を行い、次の計算式により運賃を算出する。
(第1の算出式)
運賃=「710円:初乗運賃」+「90円×距離の値」+「時間×0円」
距離の値=初乗距離(2km)を超えてから一定距離(274m)走行毎に1を加算
【0051】
表示画面についても、段落[0044]にて説明した内容にて表示を行う。すなわち、表示画面14Aのように金額表示部33に第1の算出式の計算結果である「1230円」を表示する。なお、この場合は定額料金制表示部34の表示は消去する。また、金額種類表示部32には「運賃」を表示し、タクシーメータ状態表示部31には「賃走(深夜割増時間帯は“割増”)」の文字31Aを表示する。
【0052】
ステップS24では、マイクロコンピュータ11は前述の「定額フラグ」の状態を参照し、「定額フラグ」がオンであればステップS25に進み、オフであればステップS26に進む。
【0053】
ステップS25では、「定額運賃」の料金制を選択しているので、マイクロコンピュータ11は、例えば次の計算式により運賃を算出する。
(第2の算出式)
運賃=「6000円:定額」+「距離×0円」+「時間×0円」
第2の算出式にて算出した運賃に基づいて、表示器14の画面上に表示する。具体的には、
図3中の「表示例2」の表示画面14Bのように表示する。
【0054】
つまり、表示画面14Bのように金額表示部33に「6000円」を表示し、定額料金制表示部34に「定額料金」の文字を表示する。また、金額種類表示部32には「運賃」を表示し、タクシーメータ状態表示部31には「支払」の文字31Bを表示する。
【0055】
ステップS26では、マイクロコンピュータ11は、事前に認可された料金制の情報と、ステップS14又はS21で開始した演算により把握している走行距離及び経過時間と、選択している料金制の種類とに基づいて、前述の(第1の算出式)から現在の運賃を算出し、表示器14の画面上に表示する。具体的には、
図3中の「表示例3」の表示画面14Cのように表示する。
【0056】
つまり、表示画面14Cのように金額表示部33に第1の算出式の計算結果である「1230円」を表示する。なお、この場合は定額料金制表示部34の表示は消去する。また、金額種類表示部32には「運賃」を表示し、タクシーメータ状態表示部31には「支払」の文字31Cを表示する。
【0057】
図1に示す動作例においては、「実車」ボタンの押下をステップS17で検出すると、定額フラグの状態に応じてステップS18で制御を切り替えている。このため、「定額運賃」の料金制を選択して既に実車走行している時であっても、支払い前に乗務員が「実車」ボタンを押下すれば、「距離制運賃」の料金制に切り替えることができる。
【0058】
従って、例えば実車走行中に乗客の意志により目的地が変更され、「定額運賃」の金額が「距離制運賃」よりも明らかに割高になることが判明したような場合には、「定額運賃」から「距離制運賃」に切り替えることが可能であり、乗客が割高な運賃を支払う必要がなくなる。
【0059】
いずれにしても、複数種類の計算式に従って算出される運賃をボタン操作で選択することができ、単一の運賃だけを表示できるので、表示される運賃の誤認が生じる虞はなくなる。また、金額を乗務員が手作業で入力する必要がないので、乗客が提示された運賃の金額に対して不信感を抱くこともなくなる。
【0060】
<変形例>
なお、
図1に示す動作例においては、「距離制運賃」と「定額運賃」とのいずれかを選択する場合を想定しているが、同じように、その他の料金制、例えば「時間制運賃」、「距離時間併用制運賃」等に適用することも可能である。また、3種類以上の料金制を選択できるように変更しても良い。
【0061】
また、
図1に示す動作例においては、「定額運賃」の場合の金額が「6000円」の1種類だけの場合を想定しているが、乗務員の入力操作により複数種類の金額を選択できるように変更しても良い。その場合、例えば前述の「定額」ボタンを押下する毎に、事前に決定した複数種類の金額の中から順番に1つずつ選択し、「1000円」、「2000円」、「3000円」、「4000円」、「5000円」、「6000円」、「1000円」、「2000円」、・・・のように金額を切り替えることが想定される。
【0062】
また、
図1に示す動作例には示されていないが、ETC車載器23が検出する有料道路の通行料金や、障害者割引等の金額を、「定額運賃」の場合の表示金額に反映させるように制御しても良い。その場合、図示しない「合計」ボタンの操作で、「定額運賃」とそれ以外の料金とを合算した金額を表示し、更に図示しない「累計」ボタンの操作で、合算表示した金額の明細、すなわちそれに含まれる項目毎の金額を表示又は印刷することが想定される。
【0063】
なお、
図3に示した表示画面14B中の定額料金制表示部34の表示内容については、「定額運賃」だけでなく、タクシー業者等が必要に応じて決定した文字等に変更できるように制御しても良い。
【0064】
また、
図1に示した動作においては、「実車」ボタンの押下後に「定額」ボタンを押下する場合を想定していないが、「実車」の後で「定額」に切り替えできるように変更しても良い。例えば、
図1において、距離・時間演算が既に(S21で)開始されている場合には、ステップS14の開始処理を省略するように変更することが考えられる。