(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側枠溝部は、略鉛直方向に設けられた前記側枠の側壁と、前記側壁の上端部から略垂直に延びるように設けられた前記側枠の側壁上部片と、前記上部吸音パネルの上面とで形成されること
を特徴とする請求項3記載の車両走行路用ルーバーパネル。
前記足場部材支持金具は、前記上部吸音パネルの上方に設置される本体部材と、前記本体部材の前端及び後端から下方に延びるように設けられ、前記上部吸音パネルを枠体前後方向で挟み込む一対の位置保持片とを有し、前記上部吸音パネルを前記一対の位置保持片で挟み込んだ状態で前記側枠溝部へ嵌め込まれること
を特徴とする請求項3又は4記載の車両走行路用ルーバーパネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ルーバーパネル101は、その設置後に、外部からの飛来物の衝突や経年劣化等によって吸音パネルユニット120等が破損したり、外部からの飛来物等が網状部材130に捕持されることがある。このとき、このルーバーパネル101は、外部からの飛来物の衝突や経年劣化等による破損箇所や、網状部材130に捕持された飛来物等を発見するために、定期的な点検が必要となり、また、その破損箇所の修理や飛来物の除去等が必要となる。
【0007】
しかし、ルーバーパネル101が設置される場所は、非常に大きな地下構造物の天井部であるため、地下構造物の天井部の梁105からの点検では、吸音パネルユニット120等の破損箇所や網状部材130に捕持された飛来物等の発見が困難であり、また、その破損箇所の修理や飛来物の除去等も困難であった。
【0008】
従来においては、複数の吸音パネルユニット120及び枠体110の上方に常設の足場を設けるという発想は存在しなかった。したがって、従来のルーバーパネル101は、定期的な点検、修理等の際にルーバーパネル101の上方に足場を設け、点検、修理等を行い、点検、修理等の完了後に足場を撤去するという作業を繰り返す必要が生じており、この点検、修理等に多大な労力と時間とを要することになるという問題点があった。
【0009】
また、複数の吸音パネルユニット120及び枠体110の上方に、グレーチング等によって足場を設ける場合は、ボルトを用いて足場を設けることで、現場施工を容易にすることができる。しかし、従来のルーバーパネル101は、ボルトを用いて足場を設ける場合、複数の吸音パネルユニット120及び枠体110に、ボルトを通すためのボルト孔を新たに設ける必要が生じることになる。
【0010】
しかし、足場を設けることが必要となるルーバーパネル101は、必ずしも新設のルーバーパネル101に限らず、地下構造物の天井部に設置された既設のルーバーパネル101に対して、足場を後から設けることが必要となる場合がある。このとき、従来のルーバーパネル101は、既設の複数の吸音パネルユニット120及び枠体110にボルト孔を設けるための削孔作業が必要となり、削孔作業の際に地下構造物の天井部から下方道路に切り屑等が落下し、下方道路を走行する車両等に損傷を与えたり、交通事故を誘発する原因となるおそれがある。このため、既設のルーバーパネル101に足場を後から設ける場合に、車両等の交通事故を防止するために下方道路の車両通行を規制しなければならず、この通行規制を伴う削孔作業は、好ましくないという問題点がある。
【0011】
また、従来のルーバーパネル101は、既設のルーバーパネル101に対して、ボルトではなく溶接を用いて足場を設ける方法も考えられるが、溶接による火花やスパッタなどの飛散物が下方道路に落下し、下方道路を走行する車両等に損傷を与えたり、交通事故を誘発する原因となるおそれがある。このため、ボルト孔を削孔する場合と同様に、下方道路の車両通行を規制しなければならず、既設の複数の吸音パネルユニット120及び枠体110に溶接によって足場を設けることは好ましくないという問題点がある。
【0012】
そこで、本発明は、これらの問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、車両走行路用ルーバーパネルの点検、修理等に対して、多大な労力と時間とを要さないように、常設の足場が設けられた車両走行路用ルーバーパネルを提供することにある。また、本発明の目的は、特に、既設の車両走行路用ルーバーパネルに常設の足場を設ける際に、通行規制を伴う削孔、溶接作業を必要としない車両走行路用ルーバーパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記の車両走行路用ルーバーパネル及び足場部材支持金具を発明した。
【0014】
第1発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、複数の吸音パネルユニットが枠体の一対の側枠間に枠体前後方向に間隔を空けて架設された車両走行路用ルーバーパネルであって、前記複数の吸音パネルユニット及び前記枠体の上方に設けられた足場部材と、前記足場部材を前記一対の側枠に固定するための支持固定部を有する一対の足場部材支持金具とを備え、前記一対の側枠は、それぞれ開口が互いに向かい合う態様の一対の側枠溝部を有し、前記一対の足場部材支持金具は、前記一対の側枠溝部にそれぞれ
嵌合により取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
第2発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、
複数の吸音パネルユニットが枠体の一対の側枠間に枠体前後方向に間隔を空けて架設された車両走行路用ルーバーパネルであって、前記複数の吸音パネルユニット及び前記枠体の上方に設けられた足場部材と、前記足場部材を前記一対の側枠に固定するための支持固定部を有する一対の足場部材支持金具とを備え、前記一対の側枠は、それぞれ開口が互いに向かい合う態様の一対の側枠溝部を有し、前記一対の足場部材支持金具は、前記一対の側枠溝部にそれぞれ嵌め込まれて、前記足場部材は、前記複数の吸音パネルユニット及び前記枠体の上方を通行するための通路材と、前記一対の足場部材支持金具の支持固定部に前記通路材を固定するための支持梁材とを有することを特徴とする。
【0016】
第3発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、
複数の吸音パネルユニットが枠体の一対の側枠間に枠体前後方向に間隔を空けて架設された車両走行路用ルーバーパネルであって、前記複数の吸音パネルユニット及び前記枠体の上方に設けられた足場部材と、前記足場部材を前記一対の側枠に固定するための支持固定部を有する一対の足場部材支持金具とを備え、前記一対の側枠は、それぞれ開口が互いに向かい合う態様の一対の側枠溝部を有し、前記一対の足場部材支持金具は、前記一対の側枠溝部にそれぞれ嵌め込まれて、前記吸音パネルユニットは、前記一対の側枠の上端側に架設された上部吸音パネルを有し、前記足場部材支持金具が前記側枠溝部に嵌め込まれる位置は、前記上部吸音パネルの上方であることを特徴とする。
【0017】
第4発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、第3発明において、前記側枠溝部は、略鉛直方向に設けられた前記側枠の側壁と、前記側壁の上端部から略垂直に延びるように設けられた前記側枠の側壁上部片と、前記上部吸音パネルの上面とで形成されることを特徴とする。
【0018】
第5発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、第3発明又は第4発明において、前記足場部材支持金具は、前記上部吸音パネルの上方に設置される本体部材と、前記本体部材の前端及び後端から下方に延びるように設けられ、前記上部吸音パネルを枠体前後方向で挟み込む一対の位置保持片とを有し、前記上部吸音パネルを前記一対の位置保持片で挟み込んだ状態で前記側枠溝部へ嵌め込まれることを特徴とする。
【0019】
第6発明に係る車両走行路用ルーバーパネルは、第3発明〜第5発明の何れかにおいて、前記足場部材支持金具の本体部材は、前記上部吸音パネルの上面と略平行な平板状の本体部材下部片を有することを特徴とする。
【0020】
第7発明に係る足場部材支持金具は、第3発明〜第6発明の何れかの車両走行路用ルーバーパネルの側枠溝部へ嵌め込まれる足場部材支持金具であって、前記上部吸音パネルの上方に設置される本体部材と、前記本体部材から上方に延びるように設けられ、前記足場部材を前記側枠に固定するための支持固定部と、前記本体部材の前端及び後端から下方に延びるように設けられ、前記上部吸音パネルを枠体前後方向で挟み込む一対の位置保持片とを備え、前記本体部材は、略鉛直方向に設けられた平板状の本体部材側壁と、前記本体部材側壁の上端部から略垂直に延びるように設けられ、前記側枠の側壁上部片と略平行な平板状の本体部材上部片と、前記本体部材側壁の下端部から略垂直に延びるように設けられ、前記上部吸音パネルの上面と略平行な平板状の本体部材下部片とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1発明又は第2発明によれば、複数の吸音パネルユニット及び枠体に常設の足場を設けることができ、点検、修理等に対して、多大な労力と時間とを要さない車両走行路用ルーバーパネルを提供することが可能となる。
【0022】
第3発明〜第6発明によれば、第1発明又は第2発明の効果に加えて、削孔、溶接作業を必要としないので、特に、既設の車両走行路用ルーバーパネルに常設の足場を設ける際に、通行規制を必要としない車両走行路用ルーバーパネルを提供することが可能となる。
【0023】
第7発明によれば、複数の吸音パネルユニット及び枠体に常設の足場を設けることができ、削孔、溶接作業を必要としないので、特に、既設の車両走行路用ルーバーパネルに足場を設ける際に、通行規制を必要とせずに足場を設けることのできる足場部材支持金具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るルーバーパネルが設置された地下構造物の構成を模式的に示す斜視断面図である。
【
図2】本発明に係るルーバーパネルを示す斜視図である。
【
図3】本発明に係るルーバーパネルに用いられる枠体に複数の吸音パネルユニットが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明に係るルーバーパネルを示す平面図である。
【
図6】本発明に係るルーバーパネルを示す右側面断面図である。
【
図7】本発明に係るルーバーパネルに用いられる吸音パネルの構成を示す部分断面斜視図である。
【
図8】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の左側支持金具を示す斜視図である。
【
図9】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の右側支持金具を示す斜視図である。
【
図10】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の左側支持金具について、(a)は、その右側面図であり、(b)は、その左側面図である。
【
図11】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の右側支持金具について、(a)は、その右側面図であり、(b)は、その左側面図である。
【
図12】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の
図8〜
図11とは異なる他の実施例について、(a)は、左側支持金具を示す斜視図であり、(b)は、右側支持金具を示す斜視図である。
【
図13】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材支持金具の
図8〜
図12とは異なる他の実施例について、(a)は、左側支持金具を示す斜視図であり、(b)は、右側支持金具を示す斜視図である。
【
図14】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材の通路材を示す斜視図である。
【
図15】本発明に係るルーバーパネルに用いられる足場部材の支持梁材を示す斜視図である。
【
図16】本発明に係るルーバーパネルの左側枠溝部を示す拡大斜視図である。
【
図17】本発明に係るルーバーパネルの左側枠溝部に左側支持金具が嵌め込まれた状態を示す拡大斜視図である。
【
図18】本発明に係るルーバーパネルの右側枠溝部に右側支持金具が嵌め込まれた状態を示す拡大斜視図である。
【
図19】本発明に係るルーバーパネルの左側枠溝部に左側支持金具が嵌め込まれ、支持梁材が固定された状態を示す拡大斜視図である。
【
図20】本発明に係るルーバーパネルの右側枠溝部に右側支持金具が嵌め込まれ、支持梁材が固定された状態を示す拡大斜視図である。
【
図21】本発明に係るルーバーパネルの左側枠溝部に左側支持金具が嵌め込まれ、支持梁材が固定され、さらに、通路材が固定された状態を示す拡大斜視図である。
【
図22】従来のルーバーパネルの構成を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を適用した車両走行路用ルーバーパネルを実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
ルーバーパネル1は、
図1に示すように、車両走行路2が敷設された地下構造物3の天井部3aに用いられる。地下構造物3は、例えば、その天井部3aにおいて車両走行方向Xに沿ってスリット状の開口部3bが設けられた半地下構造物として構成される。ルーバーパネル1は、このような地下構造物3の天井部3aにおいて、車両走行方向Xや走行路幅方向Yと平行に架設された縦梁4、及び、横梁5間に設置される。また、ルーバーパネル1は、地下構造物3の開口部3bを塞ぐように、車両走行方向Xや走行路幅方向Yに並べて設置される。
【0027】
ルーバーパネル1は、
図2に示すように、枠体10と、複数の吸音パネルユニット20と、足場部材支持金具30と、足場部材40とを備える。ルーバーパネル1は、これに限らず、さらに、隣り合う複数の吸音パネルユニット20間の開口部20aを覆うようにして金網80を備えるものとすることができる。
【0028】
枠体10は、
図3に示すように、鋼板等の複数の板材が矩形状に組まれ、上面、及び、下面のそれぞれが開口され、前枠部材11と、後枠部材12と、左側枠13と、右側枠14とを備える。左側枠13は、
図4に示すように、略鉛直方向に設けられた左側壁15と、少なくとも吸音パネルユニット20が取り付けられる内側に向けて、左側壁15の上端部から略垂直に延びるように設けられた左側壁上部片16とを備える。右側枠14は、
図4に示すように、略鉛直方向に設けられた右側壁17と、少なくとも吸音パネルユニット20が取り付けられる内側に向けて、右側壁17の上端部から略垂直に延びるように設けられた右側壁上部片18とを備える。
【0029】
図4に示すように、左側枠溝部71は、左側壁上部片16の下面161と、後述する上部吸音パネル22の上面221と、左側壁15とによって、枠体10の内側に向けて開口するように形成される。右側枠溝部72は、右側壁上部片18の下面181と、後述する上部吸音パネル22の上面221と、右側壁17とによって、枠体10の内側に向けて開口するように形成される。
【0030】
複数の吸音パネルユニット20は、
図5に示すように、一対の左側枠13と右側枠14との間に、枠体前後方向Aに間隔を空けて架設される。吸音パネルユニット20は、
図6に示すように、鉛直方向と略平行に設けられた中部吸音パネル21と、中部吸音パネル21の上部から略水平方向に延びるように設けられた上部吸音パネル22と、中部吸音パネル21の下部から略水平方向に延びるように設けられた下部吸音パネル23とを備える。上部吸音パネル22と下部吸音パネル23とは、それぞれ水平方向に対して若干の角度だけ傾斜して設けられる。これにより、各吸音パネル22、23の上面に雨水等の水滴が付着した場合に、その水滴を傾斜勾配に沿って流すことによりルーバーパネル1の下方まで案内し、水滴が残留することによる吸音パネル22、23の腐食を防止することが可能となる。
【0031】
各吸音パネル21、22、23は、
図6に示すように、矩形状の箱体24と、箱体24の内部空間に充填された吸音材27とを備える。各吸音パネル21、22、23は、
図5に示す左側枠13、及び、右側枠14に対してドリルネジ等により接合されたり、左側枠13、及び、右側枠14に取り付けられた図示しないブラケットを介してドリルネジ等により接合されることによって、枠体10に取り付けられる。
【0032】
箱体24は、
図7に示すように、その一つの外面が開口された有底状に形成されており、その開口部は、パンチング加工等により複数の透孔25aが形成された孔付き板25により閉塞されている。
図6に示す各吸音パネル21、22、23は、その孔付き板25の表面が、車両の走行に伴い発生する騒音を吸収するための吸音面となっている。吸音材27は、ガラスウール、ロックウール、ポリエステル繊維等の吸音性のある材料から構成される。
【0033】
本発明においては、
図6に示すように、中部吸音パネル21の吸音面が上部吸音パネル22側を向くように設置され、上部吸音パネル22の吸音面が下側を向くように設置され、下部吸音パネル23の吸音面が下側を向くように設置されており、地下構造物3内での騒音を効果的に吸音可能となっている。
【0034】
吸音パネルユニット20は、遮音性、換気性、調光性を発揮し得るように構成されるものであり、そのような目的が達成されれば、その具体的な構造、断面形状について図示のものに特に限定するものではなく、様々なものを用いることができる。図示の例においては、吸音パネルユニット20が複数の吸音パネル21、22、23を有するものとして構成される場合を例示したが、単一の吸音パネルから構成されてもよい。
【0035】
足場部材支持金具30は、
図5に示すように、左側支持金具31と、右側支持金具32とを備える。左側支持金具31は、
図8に示すように、左側本体部材33と、左側位置保持片34と、左側支持固定部35とを備える。右側支持金具32は、
図9に示すように、右側本体部材36と、右側位置保持片37と、右側支持固定部38とを備える。
【0036】
左側本体部材33は、
図8に示すように、略鉛直方向に設けられた平板状の左側本体部材側壁331と、左側本体部材側壁331の上端部から略垂直に、吸音パネルユニット20側に向けて延びるように設けられた平板状の左側本体部材上部片332と、左側本体部材側壁331の下端部から略垂直に、吸音パネルユニット20側に向けて延びるように設けられた平板状の左側本体部材下部片333とを備える。左側本体部材上部片332は、略水平となっており、
図4に示す左側枠溝部71の幅と略同一の幅を有する。左側本体部材側壁331は、
図10に示すように、
図4に示す左側枠溝部71の高さと略同一の高さを有する。左側本体部材下部片333は、
図4に示す左側枠溝部71の幅と略同一の幅を有し、後方から前方にかけて下方に向けて傾斜し、
図6に示す上部吸音パネル22の上面221と略平行となっている。なお、上部吸音パネル22の上面221は、図示しない凸部が存在する場合があり、この凸部との干渉を避けるために、左側本体部材下部片333に図示しない削孔部分を設けてもよい。
【0037】
左側位置保持片34は、
図10に示すように、左側本体部材下部片333の前端から、下方に延びるように設けられた前方左側位置保持片341と、左側本体部材下部片333の後端から、下方に延びるように設けられた後方左側位置保持片342とを備える。
【0038】
左側支持固定部35は、
図10に示すように、左側本体部材側壁331の略中央にリベット351により取り付けられる。このリベット351は、左側支持金具31と、
図9に示す右側支持金具32とを取り違えることのないように、目印として用いることもできる。左側支持固定部35は、リベット351の代わりにボルト、ネジ等を用いて取り付けられてもよい。左側支持固定部35は、
図8に示すように、左側短辺部分352と左側長辺部分353とを有するL型の板材が用いられる。左側短辺部分352は、左側本体部材側壁331への取付箇所から吸音パネルユニット20側に向けて、左側本体部材側壁331に対して略垂直に延びるように設けられる。左側長辺部分353は、左側本体部材上部片332の右端に接するようにして、左側短辺部分352の右端部から上方に延びるように設けられる。左側支持固定部35は、左側長辺部分353の上部において、上下方向に長い左側長孔354を有する。
【0039】
右側本体部材36は、
図9に示すように、略鉛直方向に設けられた平板状の右側本体部材側壁361と、右側本体部材側壁361の上端部から略垂直に、吸音パネルユニット20側に向けて延びるように設けられた平板状の右側本体部材上部片362と、右側本体部材側壁361の下端部から略垂直に、吸音パネルユニット20側に向けて延びるように設けられた平板状の右側本体部材下部片363とを備える。右側本体部材上部片362は、略水平となっており、
図4に示す右側枠溝部72の幅と略同一の幅を有する。右側本体部材側壁361は、
図11に示すように、
図4に示す右側枠溝部72の高さと略同一の高さを有する。右側本体部材下部片363は、
図4に示す右側枠溝部72の幅と略同一の幅を有し、後方から前方にかけて下方に向けて傾斜し、
図6に示す上部吸音パネル22の上面221と略平行となっている。なお、上部吸音パネル22の上面221は、図示しない凸部が存在する場合があり、この凸部との干渉を避けるために、右側本体部材下部片363に図示しない削孔部分を設けてもよい。
【0040】
右側位置保持片37は、
図11に示すように、右側本体部材下部片363の前端から、下方に延びるように設けられた前方右側位置保持片371と、右側本体部材下部片363の後端から、下方に延びるように設けられた後方右側位置保持片372とを備える。
【0041】
右側支持固定部38は、
図11に示すように、右側本体部材側壁361の略中央にリベット381により取り付けられる。このリベット381は、右側支持金具32と、
図8に示す左側支持金具31とを取り違えることのないように、目印として用いることもできる。右側支持固定部38は、リベット381の代わりにボルト、ネジ等を用いて取り付けられてもよい。右側支持固定部38は、
図9に示すように、右側短辺部分382と右側長辺部分383とを有するL型の板材が用いられる。右側短辺部分382は、右側本体部材側壁361への取付箇所から吸音パネルユニット20側に向けて、右側本体部材側壁361に対して略垂直に延びるように設けられる。右側長辺部分383は、右側本体部材上部片362の左端に接するようにして、右側短辺部分382の左端から上方に延びるように設けられる。右側支持固定部38は、右側長辺部分383の上部において、上下方向に長い右側長孔384を有する。
【0042】
図示の例においては、
図6に示す上部吸音パネル22の上面221が後方から前方にかけて下方に向けて傾斜している場合を例示したが、上部吸音パネル22の上面221が前方から後方にかけて下方に向けて傾斜している場合は、
図12に示すように、左側本体部材下部片333、及び、右側本体部材下部片363を、前方から後方にかけて下方に向けて傾斜するものとしてもよい。また、上部吸音パネル22の上面221が略水平となっている場合は、
図13に示すように、左側本体部材下部片333、及び、右側本体部材下部片363を略水平としてもよい。
【0043】
足場部材40は、
図2に示すように、枠体前後方向Aに長い通路材60と、枠体左右方向Bに長い支持梁材50とを備える。通路材60は、
図14に示すように、例えば、外部用のキャットウォーク等に用いられる2列の床材61を並行させて構成される。通路材60は、これに限らず、床材61の代わりにあらゆる板材を用いてもよく、また、いかなる列数によって構成されてもよい。支持梁材50は、
図15に示すように、前方に開口されたC形部材が用いられる。支持梁材50は、これに限らず、後方に開口されたC形部材を用いてもよく、管体、H形部材等を用いることもできる。
【0044】
このようなルーバーパネル1は、本発明において、枠体左右方向Bが走行路幅方向Yと平行となるように設けられ、枠体前後方向Aが車両走行方向Xと平行となるように設けられる。
【0045】
次に、本発明に係るルーバーパネル1において、足場部材支持金具30と、足場部材40とを取り付ける方法について説明する。
【0046】
左側枠溝部71は、
図16に示すように、上部吸音パネル22の上面221の上方に形成され、左側本体部材33は、
図17に示すように、上部吸音パネル22の上面221と、左側本体部材下部片333とが接するように、上部吸音パネル22の上方に設置される。このとき、左側支持金具31は、前方左側位置保持片341と後方左側位置保持片342とによって、上部吸音パネル22の上面221から略鉛直下方に延びるように設けられた前端部分と後端部分とを挟み込んだ状態となる。これにより、左側支持金具31は、上部吸音パネル22の上面221における枠体前後方向Aに対する固定が可能となる。
【0047】
次に、左側支持金具31は、
図17に示すように、上部吸音パネル22を挟み込んだ状態で左側枠溝部71へ嵌め込まれる。これにより、左側支持金具31は、左側壁上部片16の下面161と上部吸音パネル22の上面221とによって左側本体部材33が挟まれるため、枠体上下方向Cに対する固定が可能となる。また、左側支持金具31は、左側本体部材側壁331が左側壁15に接することにより、上部吸音パネル22の上面221における枠体左右方向Bの左方向に対する固定が可能となる。
【0048】
右側本体部材36は、
図18に示すように、上部吸音パネル22の上面221と、右側本体部材下部片363とが接するように、上部吸音パネル22の上方に設置される。このとき、右側支持金具32は、前方右側位置保持片371と後方右側位置保持片372とによって、上部吸音パネル22の上面221から略鉛直下方に延びるように設けられた前端部分と後端部分とを挟み込んだ状態となる。これにより、右側支持金具32は、上部吸音パネル22の上面221における枠体前後方向Aに対する固定が可能となる。
【0049】
次に、右側支持金具32は、
図18に示すように、上部吸音パネル22を挟み込んだ状態で右側枠溝部72へ嵌め込まれる。これにより、右側支持金具32は、右側壁上部片18の下面181と上部吸音パネル22の上面221とによって右側本体部材36が挟まれるため、枠体上下方向Cに対する固定が可能となる。また、右側支持金具32は、右側本体部材側壁361が右側壁17に接することにより、上部吸音パネル22の上面221における枠体左右方向Bの右方向に対する固定が可能となる。
【0050】
支持梁材50は、
図19に示すように、左側壁上部片16の上面162に左端部分が設置され、支持梁材50の側面においてあらかじめ設けられている図示しないボルト孔と左側長辺部分353の左側長孔354とにボルト355を用いることによって、左側支持固定部35に取り付けられて固定される。支持梁材50は、ボルト355の代わりにリベット、ネジ等を用いて左側支持固定部35に取り付けられてもよい。
【0051】
支持梁材50は、
図20に示すように、右側壁上部片18の上面182に右端部分が設置され、支持梁材50の側面においてあらかじめ設けられている図示しないボルト孔と右側長辺部分383の右側長孔384とにボルト385を用いることによって、右側支持固定部38に取り付けられて固定される。支持梁材50は、ボルト385の代わりにリベット、ネジ等を用いて右側支持固定部38に取り付けられてもよい。
【0052】
支持梁材50は、左右の両端において、
図19に示すように、枠体左右方向Bの左方向に対して固定された左側支持金具31の左側支持固定部35と、
図20に示すように、枠体左右方向Bの右方向に対して固定された右側支持金具32の右側支持固定部38とに取り付けられて固定され、支持梁材50の軸圧縮方向(枠体左右方向B)の剛性によって、枠体左右方向Bに対する支持梁材50の固定が可能となる。
【0053】
また、支持梁材50は、左右の両端において、
図19に示すように、枠体前後方向A、枠体上下方向Cに対して固定された左側支持金具31の左側支持固定部35と、
図20に示すように、枠体前後方向A、枠体上下方向Cに対して固定された右側支持金具32の右側支持固定部38とに取り付けられて固定されるため、枠体前後方向A、枠体上下方向Cに対する固定が可能となる。
【0054】
通路材60は、
図21に示すように、支持梁材50の上面51に設置され、通路材60の側端部62と支持梁材50の上面51とにおいてあらかじめ設けられている図示しないボルト孔に、L形金具52を介してボルト53を用いることにより、支持梁材50に固定される。これにより、通路材60は、枠体前後方向A、枠体左右方向B、及び、枠体上下方向Cに固定され、吸音パネルユニット20及び枠体10の上方における安定した通行を確保することが可能となる。なお、本発明に係る足場部材40は、必ずしも支持梁材50を要さず、
図19に示す左側支持固定部35、及び、
図20に示す右側支持固定部38に、通路材60を直接固定して、足場部材40とすることもできる。
【0055】
図2に示すように、左側支持金具31は、
図4に示す左側枠溝部71に嵌め込まれて固定され、右側支持金具32は、
図4に示す右側枠溝部72に嵌め込まれて固定されることから、左側枠13、右側枠14、及び、吸音パネルユニット20に対するボルト孔の削孔や溶接を必要とせずに、左側枠13、及び、右側枠14に、足場部材支持金具30を固定することが可能となる。このため、切り屑やスパッタ等の下方道路への落下がなく、特に、既設の吸音パネルユニット20と枠体10とにおいて、後から足場部材支持金具30を取り付ける場合に、下方道路の通行規制が必要となることを避けることが可能となる。
【0056】
図4に示すように、左側枠溝部71は、左側壁上部片16の下面161と、上部吸音パネル22の上面221と、左側壁15とによって形成されるものであるが、これに限らず、左側壁15の上端部に図示しないC形部材等を用いることにより、枠体10の内側に向けて開口する左側枠溝部71を設けてもよい。
図4に示すように、右側枠溝部72は、右側壁上部片18の下面181と、上部吸音パネル22の上面221と、右側壁17とによって形成されるものであるが、これに限らず、右側壁17の上端部にC形部材等を用いることにより、枠体10の内側に向けて開口する右側枠溝部72を設けてもよい。
【0057】
本発明に係るルーバーパネル1は、全ての左側支持金具31、及び、右側支持金具32を、左側枠溝部71、及び、右側枠溝部72に嵌め込む場合に限らず、一部の左側支持金具31、右側支持金具32を、枠体10にあらかじめ削孔された既設のボルト孔を利用して左側枠溝部71、右側枠溝部72にボルト固定する箇所を適宜設けるものとしてもよい。これにより、本発明に係るルーバーパネル1は、左側支持金具31、右側支持金具32が嵌め込まれた箇所とボルト孔を利用してボルト固定された箇所とを、適宜組み合わせることができ、施工状況に応じた柔軟な設計変更に対応することが可能となる。
【0058】
本発明に係るルーバーパネル1は、枠体10、複数の吸音パネルユニット20、足場部材支持金具30、及び、足場部材40に、専ら金属製のものが用いられるが、これに限らず、いかなる材質のものを用いてもよい。
【0059】
本発明に係るルーバーパネル1は、
図2に示すように、さらに、金網80を備えるものとした場合に、隣り合う複数の吸音パネルユニット20間の開口部20aが金網80により覆われるため、落葉等の落下物や動物等が、その開口部20aを通してルーバーパネル1内に侵入するのを防止することが可能となる。
【0060】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、前述した実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。