特許第5854909号(P5854909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854909
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】作業装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
   H05K13/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-78411(P2012-78411)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-207286(P2013-207286A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(72)【発明者】
【氏名】亀田 真希夫
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】平野 克美
【審査官】 飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−85489(JP,A)
【文献】 特表2007−537962(JP,A)
【文献】 特開2010−192321(JP,A)
【文献】 実開平3−52928(JP,U)
【文献】 特開2004−336414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00−13/98
H05K 3/30
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の作業を行う作業ユニットを操作するために前側及び後側にそれぞれタッチパネルスイッチ付きの表示装置を備えた前面操作部及び後面操作部を備えた作業装置において、
前記前面操作部と前記後面操作部の各表示装置には、各操作部を意味する異なる色彩を第1表示部に表示させる共に、
前記前面操作部と前記後面操作部に対応して設けられて前記前面操作部又は前記後面操作部を操作可能とするために操作する各切替スイッチと、この各切替スイッチが操作されると各切替スイッチに対応する前記前面操作部の表示装置又は前記後面操作部の表示装置の第2表示部に対応する前記色彩を表示させるように制御する制御装置とを設けた
ことを特徴とする作業装置。
【請求項2】
所定の作業を行う作業ユニットを操作するために前側及び後側にそれぞれタッチパネルスイッチ付きの表示装置を備えた前面操作部及び後面操作部を備えた作業装置において、
前記前面操作部と前記後面操作部の各表示装置には、各操作部を意味する異なる標章を第1表示部に表示させる共に、
前記前面操作部と前記後面操作部に対応して設けられて前記前面操作部又は前記後面操作部を操作可能とするために操作する各切替スイッチと、この各切替スイッチが操作されると各切替スイッチに対応する前記前面操作部の表示装置又は前記後面操作部の表示装置の第2表示部に対応する前記標章を表示させるように制御する制御装置とを設けた
ことを特徴とする作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の作業を行う作業ユニットを操作する操作部が複数箇所に設置された作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、所定の作業を行う作業ユニットを操作する操作部が複数箇所に設置された作業装置にあっては、切替スイッチの操作で、操作側の前記操作部を選択している。この場合、どちらが操作側なのか、表示装置、例えば作業装置の前側及び後側に設けられているスタ−トスイッチの点灯、消灯で判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−39973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者は前記表示装置が目に入らない場合もあり、操作側がどちらなのか瞬時には判断できない場合もある。
【0005】
そこで本発明は、作業者が複数の操作部のうち、操作側がどちらなのか容易に判断でき、無駄な操作を省くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、所定の作業を行う作業ユニットを操作するために前側及び後側にそれぞれタッチパネルスイッチ付きの表示装置を備えた前面操作部及び後面操作部を備えた作業装置において、
前記前面操作部と前記後面操作部の各表示装置には、各操作部を意味する異なる色彩を第1表示部に表示させる共に、
前記前面操作部と前記後面操作部に対応して設けられて前記前面操作部又は前記後面操作部を操作可能とするために操作する各切替スイッチと、この各切替スイッチが操作されると各切替スイッチに対応する前記前面操作部の表示装置又は前記後面操作部の表示装置の第2表示部に対応する前記色彩を表示させるように制御する制御装置とを設けた
ことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、所定の作業を行う作業ユニットを操作するために前側及び後側にそれぞれタッチパネルスイッチ付きの表示装置を備えた前面操作部及び後面操作部を備えた作業装置において、
前記前面操作部と前記後面操作部の各表示装置には、各操作部を意味する異なる標章を第1表示部に表示させる共に、
前記前面操作部と前記後面操作部に対応して設けられて前記前面操作部又は前記後面操作部を操作可能とするために操作する各切替スイッチと、この各切替スイッチが操作されると各切替スイッチに対応する前記前面操作部の表示装置又は前記後面操作部の表示装置の第2表示部に対応する前記標章を表示させるように制御する制御装置とを設けた
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、作業者が複数の操作部のうち、操作側がどちらなのか容易に判断でき、無駄な操作を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子部品装着装置の平面図である。
図2】第1の実施形態の電子部品装着装置における前面操作部及び後面操作部の操作に係る制御ブロック図である。
図3】第1の実施形態の前面切替スイッチ、後面切替スイッチについての監視処理に係るフローチャートを示す図である。
図4】第2の実施形態の電子部品装着装置における前面操作部及び後面操作部の操作に係る制御ブロック図である。
図5】第1の実施形態の前面切替スイッチ、後面切替スイッチについての監視処理に係るフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、所定の作業を行う作業ユニットを操作する操作部が複数箇所に設けられた作業装置として、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置や、その他プリント基板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置、プリント基板に半田ペーストを塗布するスクリーン印刷機などがあるが、電子部品装着装置を例として以下説明する。
【0011】
作業装置である電子部品装着装置1の平面図である図1において、キャスタ付きの部品供給装置用一括台車A−1、A−2、B−1及びB−2が電子部品装着装置1の基台2に連結具を介して着脱可能に配設されており、これらの台車には種々の電子部品を夫々その部品取出位置(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給装置としての部品供給ユニット3が着脱可能に複数並設固定されている。
【0012】
そして、対向する部品供給ユニット3群の間には2つの位置決め部4が設けられ、上流より受けた基板としてのプリント基板Pをコンベア6を介して前記位置決め部4に搬送し、この位置決め部4で図示しない位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着される。
【0013】
この電子部品装着装置1には、左右にX方向に長い各一対のビーム5が夫々設けられ、各ビーム5は各Y方向リニアモータの駆動により左右一対のガイドに沿って前記各ビーム5に固定されたスライダが摺動して前記位置決め部4上のプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品取出位置(部品吸着位置)上方を個別にY方向に移動する。前記Y方向リニアモータは、前記基台2に固定された上下一対の固定子と、前記ビーム5の両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子とから構成される。
【0014】
また、各ビーム5にはその長手方向、即ちX方向にX方向リニアモータによりガイドに沿って移動する装着ヘッド体7が夫々設けられている。そして、前記X方向リニアモータは、ビーム5に固定された前後一対の固定子と、前記装着ヘッド体7に設けられた可動子とから構成される。
【0015】
各装着ヘッド体には、夫々バネにより上方へ付勢されている12本の吸着ノズル12が周縁部に所定間隔を存して配設された装着ヘッド8が設けられる。また、吸着ノズル12は前記装着ヘッド8に各θ軸駆動モータによりθ方向に回転可能に設けられると共に各上下軸駆動モータにより上下動可能に設けられている。
【0016】
9は部品認識カメラで、前記各装着ヘッド7に対応してそれぞれ1個ずつ計4個設けられ、電子部品が吸着ノズル12に対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために複数の前記吸着ノズル12に吸着保持された全ての電子部品を一括して撮像する。
【0017】
10、11は前面操作部(手前側)、後面操作部(奥側)で、電子部品装着装置1を動作させるための入力装置としての種々のタッチパネルスイッチが設けられた表示装置としてのモニタで構成され、前面操作部10には表示部10Aに自身が前面操作部10であるということを意味する赤色表示がされ、後面操作部11には表示部11Aに自身が後面操作部11であるということを意味する青色表示がされている。
【0018】
次に図2の電子部品装着装置における前面操作部及び後面操作部の操作に係る制御ブロック図に基づいて、以下説明する。21、22は前面切替スイッチ(手前側)、後面切替スイッチ(奥側)で、前面操作部10と後面操作部11のいずれかを有効とするためのものである。23は制御装置で、本電子部品装着装置1を統括的に制御する。24はタッチパネル切替機で、前面操作部10か後面操作部11かに切替するものである。
【0019】
なお、前記前面操作部10、後面操作部11と制御装置23とはディスプレイ表示ケーブル26で接続され、この制御装置23とタッチパネル切替機24とはタッチパネル制御ケーブル27及び前面/後面切替ケーブル28で接続され、またタッチパネル切替機24と前面操作部10、後面操作部11とは制御ケーブル29、30で接続されている。
【0020】
図3に基づき、前記前面切替スイッチ21、後面切替スイッチ22についての監視処理について、説明する。初めに、前面操作部10を有効とするために、即ち前面操作部10による各種操作を有効とするために、制御装置23はタッチパネル切替機24に前面/後面切替ケーブル28を介して前面操作部10へ切替え指示する(ステップS01)。
【0021】
次に、制御装置23は、タッチパネル切替機24を介して前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「赤色」を表示するように制御する(ステップS02)。そして、制御装置23は前面切替スイッチ21が操作されたか否かを判定する(ステップS03)。この場合、制御装置23が前面切替スイッチ21が操作されていないと判定するとステップS06へと進み、前面切替スイッチ21が操作されたと判定するとタッチパネル切替機24に前面操作部10に切替え指示し(ステップS04)、制御装置23は前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「赤色」を表示するように制御し(ステップS05)、ステップS06へと進む。
【0022】
このように、前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「赤色」が表示されると、その一部10Bの上部の表示部10Aにも赤色が表示されているので、作業者はこの前面操作部10において操作しようとした際に、この前面操作部10が有効に操作ができるものと容易に判断できる。
【0023】
このステップS06においては、制御装置23は後面切替スイッチ22が操作されたか否かを判定する。この場合、制御装置23が後面切替スイッチ22が操作されていないと判定するとステップS03へと戻る。また、後面切替スイッチ22が操作されたと判定するとタッチパネル切替機24に後面操作部11に切替え指示し(ステップS07)、制御装置23は後面操作部11のモニタの画面の一部11Bに「青色」を表示するように制御し(ステップS08)、ステップS03へと戻る。
【0024】
このように、後面操作部11のモニタの画面の一部11Bに「青色」が表示されると、その一部11Bの上部の表示部11Aにも青色が表示されているので、作業者はこの後面操作部11において操作しようとした際に、この後面操作部11が有効に操作ができるものと容易に判断できる。
【0025】
次に、図4及び図5に基づき、第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態が前面操作部10と後面操作部11に色彩を表示するようにしたが、第12実施形態は前面操作部10と後面操作部11に文字、図形、記号などの標章としての数字を表示するようにした点にあり、以下詳述する。先ず、前記前面操作部10の表示部10Aには自身が前面操作部10であるということを意味する「1」が表示され、前記後面操作部11の表示部11Aには自身が後面操作部11であることを意味する「2」が表示されている。
【0026】
初めに、前面操作部10を有効とするために、即ち前面操作部10による各種操作を有効とするために、制御装置23はタッチパネル切替機24に前面/後面切替ケーブル28を介して前面操作部10へ切替え指示する(ステップS11)。
【0027】
次に、制御装置23は、タッチパネル切替機24を介して前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「1」を表示するように制御する(ステップS12)。そして、制御装置23は前面切替スイッチ21が操作されたか否かを判定する(ステップS13)。この場合、制御装置23が前面切替スイッチ21が操作されていないと判定するとステップS16へと進み、前面切替スイッチ21が操作されたと判定するとタッチパネル切替機24に前面操作部10に切替え指示し(ステップS14)、制御装置23は前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「1」を表示するように制御し(ステップS15)、ステップS16へと進む。
【0028】
このように、前面操作部10のモニタの画面の一部10Bに「1」が表示されると、その一部10Bの上部の表示部10Aにも「1」が表示されているので、作業者はこの前面操作部10において操作しようとした際に、この前面操作部10が有効に操作ができるものと容易に判断できる。
【0029】
このステップS16においては、制御装置23は後面切替スイッチ22が操作されたか否かを判定する。この場合、制御装置23が後面切替スイッチ22が操作されていないと判定するとステップS13へと戻る。また、後面切替スイッチ22が操作されたと判定するとタッチパネル切替機24に後面操作部11に切替え指示し(ステップS17)、制御装置23は後面操作部11のモニタの画面の一部11Bに「2」を表示するように制御し(ステップS18)、ステップS13へと戻る。
【0030】
このように、後面操作部11のモニタの画面の一部11Bに「2」が表示されると、その一部11Bの上部の表示部11Aにも「2」が表示されているので、作業者はこの後面操作部11において操作しようとした際に、この後面操作部11が有効に操作ができるものと容易に判断できる。
【0031】
以上の構成により、以下電子部品装着動作について説明する。先ず、プリント基板Pを図示しない上流装置より位置決め部4に搬入し、位置決め機構により位置決め動作を開始する。
【0032】
そして、プリント基板Pの装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及び配置番号等が指定された装着データ等に従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき該電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出す。具体的には、各装着ヘッド体7の各装着ヘッド8が装着すべき電子部品を収納する各部品供給ユニット3上方に位置するよう移動するが、Y方向はY方向リニアモータが駆動して一対のガイドに沿って各ビーム5が移動し、X方向はX方向リニアモータが駆動してガイドに沿って各装着ヘッド体7が移動する。
【0033】
そして、既に所定の各供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、上下軸駆動モータの駆動により前記吸着ノズル12を所定ストローク降下させ、当該部品供給ユニット3から電子部品を吸着し、更に上昇する。
【0034】
そして、前述の如く、装着ヘッド8をXY方向に移動させて、部品認識カメラ9の上方に移動させて、吸着部品の撮像及びその画像取込を実行し、部品認識処理装置により部品認識処理を開始する。装着すべき電子部品の認識結果に基づき、制御装置23がY方向リニアモータ、X方向リニアモータ、θ軸駆動モータを制御してXYθ補正して、電子部品をプリント基板P上に装着する。
【0035】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0036】
1 電子部品装着装置
10 前面操作部
11 後面操作部
21 前面切替スイッチ
22 後面切替スイッチ
23 制御装置
24 タッチパネル切替機
図1
図2
図3
図4
図5