(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854911
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】部品供給ユニット
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-83229(P2012-83229)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-214572(P2013-214572A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋之
(72)【発明者】
【氏名】大山 和義
(72)【発明者】
【氏名】冨田 悠貴
(72)【発明者】
【氏名】千田 穣
【審査官】
飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/191033(US,A1)
【文献】
特開平10−315187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/00−23/16
B65H 23/24−23/34
B65H 27/00
H05K 3/30
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り機構により収納テープを送り、前記収納テープからカバーテープC2を剥離し、カバーテープを回収する回収ボックス26は、内部の収納空間の幅を調節可能な幅調整板を着脱自在に備えたことを特徴とする部品供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ送り機構により収納テープから電子部品を供給できるようにした部品供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を供給する部品供給ユニットは、例えば特許文献1などに開示されており、テープ送り装置により順次繰り出される収納テープからカバーテープを剥離し、部品取出し位置まで間欠送りする。そして、剥離されたカバーテープは、カバーテープ回収ボックスに送られ、収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−67933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、収納テープの幅が狭くなり、カバーテープの幅も狭くなり、カバーテープ回収ボックスの内部の幅が、カバーテープの幅より大き過ぎると、入ってきたカバーテープが回収ボックスのテープ入口付近で様々な方向へ移動し、回収ボックスの側壁に摩擦が大きくなり、奥への移動が妨げられて、この結果、カバーテープが滞留して、カバーテープの回収動作が妨げられるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、収納テープの幅が狭くなり、カバーテープの幅も狭くなった場合においても、容易に対応できるカバーテープ回収ボックスを備え、カバーテープ回収ボックスの奥へのカバーテープの移動をスムーズにし、カバーテープの滞留を回避して、回収動作をスムーズに行うことができる部品供給ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、送り機構により収納テープを送り、前記収納テープからカバーテープを剥離し、剥離したカバーテープを回収ボックスに回収し、電子部品を供給できるようにした部品供給ユニットにおいて、前記回収ボックスは、内部の収納空間の幅を調節可能な幅調整板を着脱自在に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、カバーテープ回収ボックス内でのカバーテープの移動をスムーズにし、カバーテープの滞留を回避して、回収動作をスムーズに行うことができる部品供給ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】部品供給ユニットの要部拡大縦断面図である。
【
図4】
図3に示した部品ユニットのA−A断面図である。
【
図5】
図3に示した部品ユニットのB−B断面図である。
【
図6】サプレッサを外した状態の部品供給ユニット前部の平面図である。
【
図8】カバー及び第1の幅調整板を外した状態のカバーテープ回収ボックスの断面図である。
【
図10】カバー及び第1の幅調整板を外した状態のカバーテープ回収ボックスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1乃至
図10に基づいて、部品供給ユニット1について説明する。この部品供給ユニット1はユニット本体であるユニットフレーム21と、図示しない収納テープ供給リールに巻回した状態で順次繰り出された収納テープCを電子部品のピックアップ位置PU(部品取出位置)まで間欠送りするテープ送り機構でありスプロケット(テープ送り装置)22と、電子部品のピックアップ位置の手前で収納テープCのカバーテープCaを引き剥がすための対向して設けられたギア27、27を備えたカバーテープ剥離機構20とを備えている。
【0010】
図2に示すように、前記収納テープ供給リールから繰り出された収納テープCは、ピックアップ位置PUの手前のテープ経路に配設したサプレッサ23の下側を潜るようにして、ピックアップ位置PUに送り込まれる。このサプレッサ23にはピックアップ用の凹部23Aが形成されている。
【0011】
また、前記サプレッサ23の前部は、
図4に示したように、支持部となる両垂直片31、31とスプロケット22の歯に送り孔が噛み合った収納テープCが外れないように上方から押さえる水平片32とから構成され、概ね断面がコ字形状を呈している。また、サプレッサ23の後部は、
図5に示したように、収納テープCのガイドとなる垂直片33と、この垂直片33の内側に固定されたガイド板34と、収納テープCが外れないように上方から押さえる水平片35とから構成されている。ガイド板34は、後述するテープのシュート24の側壁にテープの搬送方向に形成された窪み41との空間に対応して設けられている。
【0012】
また、サプレッサ23は、前記ユニットフレーム21に係止されると共に、この係止が解除されると垂直片31、31が後部のピン25を支点として回動可能に支持される。そして、このサプレッサ23の前部がロックされると、このサプレッサ23は下方に付勢されて、サプレッサ23は収納テープCやカバーテープ剥離後のキャリアテープCcを上方から後述するシュート24に常時押圧し、スプロケット38のテープ送り歯からキャリアテープC1の送り孔が抜けて外れないように作用する。
【0013】
また、サプレッサ23には、スリット23Bが形成されており、このスリット23Bを介して収納テープCのカバーテープC2がカバーテープ剥離機構20によりキャリアテープCcから剥離され、収納空間Sを有するカバーテープ回収ボックス26内に収納される。即ち、カバーテープ剥離機構20によりカバーテープC2が剥離された状態で、キャリアテープC1の部品収納部C3に搭載した電子部品Dは送り機構22によりピックアップ位置36まで送られ、凹部23Aを介して図示しない電子部品装着装置の吸着ノズル18によりピッアップされることとなる。
【0014】
次に、収納テープCを下方から支持するシュート24について、
図3乃至
図6に基づいて説明する。
【0015】
シュート24の上面には、キャリアテープC1の収納部に対応して窪んだ溝が収納テープCの送り方向に形成され、また、シュート24の前部の上面には、開口23Aより前方で、更にスプロケット22の位置より前方の位置であり、開口23Aとサプレッサ23の前端とのほぼ中間位置に、対向して前部テープガイド42、43が形成されている。前部テープガイド42、43はキャリアテープC1の送り方向に沿って並行に設けられ、前部テープガイド42と前部テープガイド43との間隔は、キャリアテープC1の幅より僅かに広く形成されている。また、サプレッサ23の前部の水平壁32の下面には、それぞれの前部テープガイド42、43に対応して凹部36、37が形成されている。したがって、上述したように、サプレッサ23の前部がロックされ、サプレッサ23が下方に付勢されると、
図4に示したように、前部テープガイド42及び前部テープガイド43の上部は、凹部36及び凹部37に入り込み、サプレッサ23によりキャリアテープC1を上方からシュート24に確実に常時押圧することができ、スプロケット38のテープ送り歯からキャリアテープC1の送り孔が抜けることを確実に回避することができる。
【0016】
また、シュート24の上面のスプロケット22、ピックアップ位置35及びスリット23Bより後方の位置には、上面より上方へ突出した後部テープガイド45が形成されている。そして、後部テープガイド45とテープガイド板34の上部との間隔は収納テープCの幅より僅かに大きい。
【0017】
以下、カバーテープの回収ボックス26について
図7及び
図8に基づいて説明する。
【0018】
回収ボックス26は、電子部品供給ユニット1の後部のユニットフレーム21に着脱自在に設けられ、位置側面が開口した内部がカバーテープC2の収納空間Sとなる回収ボックス本体51と、回収ボックス本体51に複数本のビス52により着脱自在に取り付けられたカバー53と、回収ボックス本体51内に複数本のビス52により着脱自在に取り付けられた第1の幅調整板54とから構成されている。回収ボックス本体51は、その一側面に形成された開口55の周囲に形成され複数のビス穴56が形成された周壁57と、複数のビス穴58が形成された側壁59とから構成されている。
【0019】
また、カバー53は外板60と、外板60の内面に例えば溶接により固定されて第1の幅調整板54と共に収納空間Sの幅を調節する第2の幅調整板61とから構成されている。そして、収納空間Sの幅62が、例えば4mm幅の収納テープC1に対応し、4mmより僅かに大きくなるように、第1の幅調整板54と第2の幅調整板61の厚さが設定されている。
【0020】
したがって、剥離されてギア27、27により入口70から回収ボックス26内に送られて来たカバーテープC2は第1の幅調整板54と第2の調整板61との間、即ち、収納空間Sを第1の幅調整板54及び第2の幅調整板61の壁面に案内されてスムーズに回収ボックス26の奥へ送られるので、カバーテープC2が入口70付近で滞留することを回避でき、カバーテープC2の回収動作をスムーズに行うことができる。
【0021】
なお、
図9及び
図10に示した回収ボックス71は、2つの並行したテープ送り機構を備えた所謂ディルレーンの部品供給ユニットに対応したもので、
図9及び
図10において、
図7に示した回収ボックス26の構成部品と同様のものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0022】
回収ボックス本体72には開口73が両側面に形成され、中央の側壁74には、第1の幅調整板54、54が複数のビス52により着脱自在に取り付けられる。また、周壁75、75には、複数本のビス52により第2の幅調整板61を備えたカバー53、53が着脱自在に取り付けられる。
【0023】
したがって、回収ボックス26と同様に、カバーテープC2は左右両収納空間S、Sを第1の幅調整板54、54及び第2の調整板61、61の壁面に案内されてスムーズに回収ボックス71の奥へ送られ、カバーテープC2が入口61付近で滞留することを回避でき、カバーテープC2の回収動作をスムーズに行うことができる。
【0024】
また、部品供給ユニット1に幅の広い8mm幅のテープを取り付ける場合には、回収ボックス26及び回収ボックス71には、第1の幅調整板54を取り付けないで、第2の調整板61が設けられていなく外板60のみのカバー53取り付けることにより、回収ボックス本体51及び回収ボックス本体72は兼用して、回収ボックス26及び回収ボックス71内の幅を広げることができ、8mm幅のテープに容易に対応することができる。
【0025】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0026】
6 部品供給ユニット
22 送り機構
26 回収ボックス
51 回収ボックス本体
53 カバー
54 第1の幅調整板
61 第2の幅調整板