(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、から構成される。
【0019】
第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、所定の口径を規定する開口絞りと、少なくとも1枚の負レンズを含み全体として正の屈折力を有する後群と、が配置されて構成されている。開口絞りを第1レンズ群内に配置することは、諸収差を適度に補正することのみならず、光学系全系において物体側に開口絞りが位置するので、前玉径を縮小することもできる。
【0020】
本発明のインナーフォーカス式レンズは、第1レンズ群と第3レンズ群を固定したまま、光学系内部に配置されている第2レンズ群を光軸に沿う方向に移動させることによってフォーカシングを行う。第2レンズ群は、負の屈折力を備えているため、光学系全系を通して光線を最も低い位置を通過させることができる。したがって、第2レンズ群を光学系全系中最も小さい口径のレンズにより構成することが可能になり、その重量も軽量化することができる。また、光学系内部に配置されている第2レンズ群でフォーカシングを行えば、フォーカシングの際に光学系全長が変化することがないため、光学系全長の短縮のためには好都合である。
【0021】
本発明では、35mmカメラ換算で45mm程度の焦点距離を有しながら、小型、広角、大口径で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを提供することを目的としている。そこで、かかる目的を達成するため、上記特徴に加え、以下に示すような各種条件を設定している。
【0022】
35mmカメラ換算で45mm程度の焦点距離を有するインナーフォーカス式レンズを想定して場合、物体距離変化によるピント移動量が、たとえば望遠レンズに比べて小さくなる傾向にあり、フォーカス群である第2レンズ群を単レンズで構成しても、良好な結像性能を維持することができる。また、第2レンズ群を単レンズで構成すれば、第2レンズ群をより軽量で簡易な構成とすることができる。そこで、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第2レンズ群を単レンズで構成することが好ましい。
【0023】
そして、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第2レンズ群の倍率をβ
2、第3レンズ群の倍率をβ
3、第1レンズ群の後群に含まれる
負レンズうち、少なくとも1枚の負レンズのd線に対する屈折率をnd
b1、
第2レンズを構成する単レンズのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率をndf、当該単レンズのd線に対するアッベ数をνdfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 3.6≦|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|≦7.7
(2) 1.9211≦nd
b1≦2.0007
(5) 1.592≦ndf≦1.8822
(6) 0.0149≦1/νdf≦0.0269
【0024】
条件式(1),(2)を満足することで、35mmカメラ換算で45mm程度の焦点距離を有しながら、小型、広角、大口径で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0025】
条件式(1)は、フォーカシング時におけるフォーカス群の移動量を抑制して光学系の全長の短縮を図るとともに、高い結像性能を維持するための条件を示すものである。条件式(1)においてその下限を下回ると、フォーカシング時におけるフォーカス群(第2レンズ群)の移動量が増加するため、光学系の全長が延び、光学系の小型化が困難になる。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、フォーカス群のパワーが強くなりすぎ、像面湾曲の発生が顕著になるため、好ましくない。
【0026】
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(1a) 3.8≦|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|≦7.4
この条件式(1a)で規定する範囲を満足すれば、より光学系の小型化と結像性能の向上を図ることができる。
【0027】
さらに、上記条件式(1a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(1b) 4.0≦|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|≦7.0
この条件式(1b)で規定する範囲を満足すれば、より一層光学系の小型化と結像性能の向上を図ることができる。
【0028】
条件式(2)は、光学系の小型化、広角化、大口径化を図るとともに、高い結像性能を維持するための条件を示すものである。特に、小型、広角で、Fナンバーが2.9以下の明るいレンズを実現しようとする場合、軸上マージナル光線の適切な補正が課題になる。条件式(2)を満足することで、マージナル光線高が最も高くなる第1レンズ群の後群に含まれる負レンズの像側面の曲率を適切に設定して、球面収差を良好に補正し、前記課題を達成することができる。
【0029】
条件式(2)においてその下限を下回ると、第1レンズ群の後群に含まれる負レンズの像側面の曲率が大きくなるため、マージナル光線の補正が過剰になって、球面収差がオーバー側に過大となる。特に、g線(λ=435.83nm)の球面収差がオーバー側に過大に発生して補正が困難になる。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、第1レンズ群の後群に含まれる負レンズの像側面の曲率が小さくなるため、マージナル光線の補正が不足して、球面収差がアンダー側に過大となる。
【0030】
また、前述のように、本発明のインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の後群に含まれる
負レンズのうち、少なくとも1枚の負レンズは球面収差の補正のために条件式(2)を満足する必要がある。これに従い、周辺のレンズもペッツバール和や、像面湾曲量、色収差を小さくするために最適な硝材を選ぶ必要がある。
そこで、第2レンズ群を構成する単レンズに求められる硝材の条件を定めたものが、条件式(5),(6)である。
【0031】
条件式(5)または条件式(6)において、いずれか一方でもその下限を下回ると、軸上色収差の補正には有利になるが、ペッツバール和が増大して像面湾曲の発生が著しくなり、その補正が困難になる。一方、条件式(5)または条件式(6)において、いずれか一方でもその上限を超えると、像面湾曲の補正には有利になるが、軸上色収差の補正が困難になる。特に、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまで軸上色収差の変動が大きくなってしまうため、好ましくない。
【0032】
また、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の前群が両面に非球面が形成された正レンズを含み構成されていることが好ましい。当該正レンズに非球面レンズを採用しない場合、複数枚のレンズで収差補正を行う必要があり、光学系の全長が延びる原因となる。
【0033】
これに加え、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの
うち、少なくとも1枚の正レンズの物体側面の非球面変形量をasp2pf、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの
うち、少なくとも1枚の正レンズの像側面の非球面変形量をasp2pr、光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.0068≦|asp2pf|/f≦0.0124
(4) 0.0061≦|asp2pr|/f≦0.0151
【0034】
なお、非球面変形量(asp2p)は、曲率(1/R)をc、光軸からの光学有効径までの高さをh
max、円錐係数をk、4次,6次,8次、10次の非球面係数をそれぞれA
4,A
6,A
8,A
10とするとき、次の式によって表される。
【数2】
【0035】
条件式(3),(4)を満足することで、光学系全長の短縮を図りながら、軸上および周辺の結像性能を向上させることができる。
【0036】
条件式(3)においてその下限を下回ると、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの物体側面の非球面変形量が減少しすぎ、球面収差や非点収差の補正が困難になる。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの物体側面の非球面変形量が増加しすぎ、面偏芯敏感度が大きくなり、レンズ製造が困難になる。
【0037】
条件式(4)においてその下限を下回ると、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの像側面の非球面変形量が減少しすぎ、球面収差や非点収差の補正が困難になる。一方、条件式(4)においてその上限を超えると、第1レンズ群の前群に含まれる両面に非球面が形成された正レンズの像側面の非球面変形量が増加しすぎ、面偏芯敏感度が大きくなり、レンズ製造が困難になる。
【0038】
なお、上記条件式(3),(4)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(3a) 0.0071≦|asp2pf|/f≦0.0119
(4a) 0.0065≦|asp2pr|/f≦0.0144
この条件式(3a),(4a)で規定する範囲を満足することにより、光学系全長を短縮しつつ、より結像性能を向上させることができる。また、両面に非球面が形成された正レンズの面偏芯敏感度を抑えることができる。
【0039】
さらに、上記条件式(3a),(4a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる好ましい効果が期待できる。
(3b) 0.0075≦|asp2pf|/f≦0.0113
(4b) 0.0068≦|asp2pr|/f≦0.0137
この条件式(3b),(4b)で規定する範囲を満足することにより、光学系全長を短縮しつつ、より一層結像性能を向上させることができる。また、両面に非球面が形成された正レンズの面偏芯敏感度を抑えることができる。
【0041】
以上説明したように、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、開口絞りを第1レンズ群内に配置することで、諸収差を適度に補正することのみならず、光学系全系において物体側に開口絞りが位置するので、前玉径を縮小することもできる。また、フォーカシングをつかさどる第2レンズ群を単レンズで構成したことで、フォーカス群をより軽量で簡易な構成とすることができる。さらに、上記各条件式を満足することにより、小型、広角、大口径で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0042】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0043】
図1は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
13と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
13と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0044】
第1レンズ群G
11は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
11Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
11Rと、が配置されて構成される。前群G
11Fは、物体側から順に、負レンズL
111と、正レンズL
112と、が配置されて構成される。負レンズL
111の像面IMG側の面には、複合非球面が形成されている。また、正レンズL
112の両面に、非球面が形成されている。後群G
11Rは、物体側から順に、負レンズL
113と、正レンズL
114と、正レンズL
115と、が配置されて構成される。負レンズL
113と正レンズL
114とは、接合されている。正レンズL
115の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
11は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0045】
第2レンズ群G
12は、負レンズL
121により構成されている。負レンズL
121の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
12は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0046】
第3レンズ群G
13は、物体側から順に、正レンズL
131と、負レンズL
132と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
13も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0047】
以下、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0048】
(レンズデータ)
r
1=30000.000
d
1=0.700 nd
1=1.5928 νd
1=68.6
r
2=9.042
d
2=0.200 nd
2=1.5361 νd
2=41.2
r
3=8.881(複合非球面)
d
3=5.411
r
4=26.585(非球面)
d
4=3.745 nd
3=1.6889 νd
3=31.1
r
5=-25.035(非球面)
d
5=6.200
r
6=∞(開口絞り)
d
6=3.003
r
7=-10893.048
d
7=0.700 nd
4=2.0007 νd
4=25.5
r
8=12.220
d
8=5.544 nd
5=1.5928 νd
5=68.6
r
9=-39.418
d
9=1.4968
r
10=40.132(非球面)
d
10=4.908 nd
6=1.7550 νd
6=51.1
r
11=-17.987(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=-2621.595(非球面)
d
12=0.800 nd
7=1.6188 νd
7=63.8
r
13=14.891(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=63.872
d
14=5.650 nd
8=1.6034 νd
8=38
r
15=-25.310
d
15=2.715
r
16=-28.264
d
16=1.200 nd
9=1.7234 νd
9=37.9
r
17=-116.035
d
17=19.358
r
18=∞
d
18=2.000 nd
10=1.5168 νd
10=64.1
r
19=∞
d
19=2.000
r
20=∞(像面)
【0049】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第3面)
k=0,
A
4=-1.2008×10
-4,A
6=-1.2634×10
-6,
A
8=2.7069×10
-9,A
10=-1.3493×10
-10
(第4面)
k=0,
A
4=-5.6790×10
-5,A
6=-2.9651×10
-7,
A
8=-5.3340×10
-9,A
10=6.4429×10
-11
(第5面)
k=0,
A
4=-4.2534×10
-5,A
6=-3.3767×10
-7,
A
8=-5.1848×10
-9,A
10=2.1450×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=-2.3388×10
-5,A
6=-2.8401×10
-8,
A
8=-3.1722×10
-10,A
10=0
(第11面)
k=0,
A
4=8.8926×10
-6,A
6=-1.2106×10
-7,
A
8=2.7289×10
-10,A
10=-6.5630×10
-12
(第12面)
k=0,
A
4=-5.0478×10
-6,A
6=-4.6546×10
-8,
A
8=4.9401×10
-11,A
10=0
(第13面)
k=0,
A
4=-1.9638×10
-5,A
6=-1.1380×10
-7,
A
8=-5.2485×10
-10,A
10=0
【0050】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(11) 1.205 5.537 8.718
D(13) 13.163 8.832 5.650
【0051】
f(光学系全系の焦点距離)=27.49
Fno.(Fナンバー)=2.60
2ω(画角)=55.11
【0052】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
12の倍率)=3.99
β
3(第3レンズ群G
13の倍率)=0.52
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=4.0
【0053】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
113のd線に対する屈折率)=2.0007
【0054】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
112の物体側面の非球面変形量)=-0.27
|asp2pf|/f=0.0098
【0055】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
112の像側面の非球面変形量)=-0.31
|asp2pr|/f=0.0111
【0056】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
121のd線に対する屈折率)=1.6188
【0057】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
121のd線に対するアッベ数)=63.8
1/νdf=0.0157
【0058】
図2は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【実施例2】
【0059】
図3は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
23と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
23と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0060】
第1レンズ群G
21は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
21Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
21Rと、が配置されて構成される。前群G
21Fは、物体側から順に、負レンズL
211と、正レンズL
212と、が配置されて構成される。負レンズL
211の像面IMG側の面には、複合非球面が形成されている。また、正レンズL
212の両面に、非球面が形成されている。後群G
21Rは、物体側から順に、負レンズL
213と、正レンズL
214と、正レンズL
215と、が配置されて構成される。負レンズL
213と正レンズL
214とは、接合されている。正レンズL
215の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
21は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0061】
第2レンズ群G
22は、負レンズL
221により構成されている。負レンズL
221の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
22は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0062】
第3レンズ群G
23は、物体側から順に、正レンズL
231と、負レンズL
232と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
23も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0063】
以下、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0064】
(レンズデータ)
r
1=10000
d
1=0.700 nd
1=1.5928 νd
1=68.6
r
2=9.392
d
2=0.200 nd
2=1.5361 νd
2=41.2
r
3=9.110(複合非球面)
d
3=5.268
r
4=29.493(非球面)
d
4=3.690 nd
3=1.6889 νd
3=31.1
r
5=-25.263(非球面)
d
5=7.920
r
6=∞(開口絞り)
d
6=2.611
r
7=95.869
d
7=0.700 nd
4=2.0007 νd
4=25.5
r
8=12.209
d
8=5.798 nd
5=1.5928 νd
5=68.6
r
9=-38.692
d
9=0.359
r
10=24.223(非球面)
d
10=5.115 nd
6=1.7550 νd
6=51.1
r
11=-19.154(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=-144.314(非球面)
d
12=0.800 nd
7=1.7550 νd
7=51.1
r
13=12.274(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=46.929
d
14=6.177 nd
8=1.6034 νd
8=38
r
15=-25.100
d
15=3.750
r
16=-26.188
d
16=1.000 nd
9=1.7292 νd
9=54.6
r
17=-89.251
d
17=15.922
r
18=∞
d
18=2.000 nd
10=1.5168 νd
10=64.1
r
19=∞
d
19=2.000
r
20=∞(像面)
【0065】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第3面)
k=0,
A
4=-1.1170×10
-4,A
6=-1.2858×10
-6,
A
8=5.1439×10
-9,A
10=-6.6767×10
-11
(第4面)
k=0,
A
4=-6.5442×10
-5,A
6=-2.7176×10
-7,
A
8=-9.5313×10
-9,A
10=1.0803×10
-10
(第5面)
k=0,
A
4=-5.3116×10
-5,A
6=-3.6420×10
-7,
A
8=-6.3377×10
-9,A
10=2.3071×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=-3.1843×10
-5,A
6=-6.2770×10
-8,
A
8=-4.4446×10
-10,A
10=2.9048×10
-12
(第11面)
k=0,
A
4=2.2599×10
-5,A
6=-1.7743×10
-7,
A
8=-4.1941×10
-14,A
10=-9.4788×10
-13
(第12面)
k=0,
A
4=-5.5862×10
-7,A
6=5.3755×10
-8,
A
8=-2.3992×10
-9,A
10=1.2637×10
-11
(第13面)
k=0,
A
4=-4.4615×10
-5,A
6=-1.5421×10
-7,
A
8=-4.3843×10
-9,A
10=8.8985×10
-12
【0066】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(11) 1.206 3.719 5.488
D(13) 12.785 10.272 8.503
【0067】
f(光学系全系の焦点距離)=28.48
Fno.(Fナンバー)=2.60
2ω(画角)=52.96
【0068】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
22の倍率)=6.26
β
3(第3レンズ群G
23の倍率)=0.43
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=7.0
【0069】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
213のd線に対する屈折率)=2.0007
【0070】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
212の物体側面の非球面変形量)=-0.32
|asp2pf|/f=0.0113
【0071】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
212の像側面の非球面変形量)=-0.39
|asp2pr|/f=0.0137
【0072】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
221のd線に対する屈折率)=1.7550
【0073】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
221のd線に対するアッベ数)=51.1
1/νdf=0.0195
【0074】
図4は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【実施例3】
【0075】
図5は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
33と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
33と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0076】
第1レンズ群G
31は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
31Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
31Rと、が配置されて構成される。前群G
31Fは、物体側から順に、負レンズL
311と、正レンズL
312と、が配置されて構成される。負レンズL
311の像面IMG側の面には、複合非球面が形成されている。また、正レンズL
312の両面に、非球面が形成されている。後群G
31Rは、物体側から順に、負レンズL
313と、正レンズL
314と、正レンズL
315と、が配置されて構成される。負レンズL
313と正レンズL
314とは、接合されている。正レンズL
315の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
31は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0077】
第2レンズ群G
32は、負レンズL
321により構成されている。負レンズL
321の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
32は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0078】
第3レンズ群G
33は、物体側から順に、正レンズL
331と、負レンズL
332と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
33も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0079】
以下、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0080】
(レンズデータ)
r
1=30000.000
d
1=0.700 nd
1=1.6180 νd
1=63.3
r
2=9.293
d
2=0.200 nd
2=1.5361 νd
2=41.2
r
3=8.966(複合非球面)
d
3=4.116
r
4=21.948(非球面)
d
4=3.467 nd
3=1.6889 νd
3=31.1
r
5=-24.914(非球面)
d
5=6.143
r
6=∞(開口絞り)
d
6=3.324
r
7=159.866
d
7=0.700 nd
4=2.0007 νd
4=25.5
r
8=11.402
d
8=4.736 nd
5=1.5928 νd
5=68.6
r
9=-34.525
d
9=2.007
r
10=29.538(非球面)
d
10=4.162 nd
6=1.7550 νd
6=51.1
r
11=-17.533(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=-141.357(非球面)
d
12=0.800 nd
7=1.7290 νd
7=54
r
13=12.358(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=36.106
d
14=6.016 nd
8=1.5814 νd
8=40.8
r
15=-30.784
d
15=5.451
r
16=-27.081
d
16=1.200 nd
9=1.5168 νd
9=64.1
r
17=-353.086
d
17=14.385
r
18=∞
d
18=2.000 nd
10=1.5168 νd
10=64.1
r
19=∞
d
19=2.000
r
20=∞(像面)
【0081】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第3面)
k=0,
A
4=-1.3455×10
-4,A
6=-1.9822×10
-6,
A
8=2.5419×10
-8,A
10=-2.3740×10
-10
(第4面)
k=0,
A
4=-6.5947×10
-5,A
6=-7.1210×10
-7,
A
8=-2.9640×10
-9,A
10=8.9674×10
-11
(第5面)
k=0,
A
4=-4.1311×10
-5,A
6=-7.1480×10
-7,
A
8=-3.5544×10
-9,A
10=6.7022×10
-12
(第10面)
k=0,
A
4=-3.1498×10
-5,A
6=-1.0889×10
-7,
A
8=2.0918×10
-10,A
10=0
(第11面)
k=0,
A
4=1.6740×10
-5,A
6=-2.3368×10
-7,
A
8=7.9978×10
-10,A
10=-7.2509×10
-12
(第12面)
k=0,
A
4=-1.5677×10
-5,A
6=1.7018×10
-7,
A
8=-1.4292×10
-9,A
10=0
(第13面)
k=0,
A
4=-6.6475×10
-5,A
6=2.4376×10
-8,
A
8=-4.1140×10
-9,A
10=0
【0082】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(11) 1.501 4.460 6.537
D(13) 12.093 9.134 7.057
【0083】
f(光学系全系の焦点距離)=29.98
Fno.(Fナンバー)=2.88
2ω(画角)=50.69
【0084】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
32の倍率)=6.82
β
3(第3レンズ群G
33の倍率)=0.37
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=6.3
【0085】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
313のd線に対する屈折率)=2.0007
【0086】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
312の物体側面の非球面変形量)=-0.22
|asp2pf|/f=0.0075
【0087】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
312の像側面の非球面変形量)=-0.23
|asp2pr|/f=0.0076
【0088】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
321のd線に対する屈折率)=1.7290
【0089】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
321のd線に対するアッベ数)=54
1/νdf=0.0185
【0090】
図6は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【実施例4】
【0091】
図7は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
41と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
42と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
43と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
43と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0092】
第1レンズ群G
41は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
41Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
41Rと、が配置されて構成される。前群G
41Fは、物体側から順に、負レンズL
411と、正レンズL
412と、が配置されて構成される。負レンズL
411の像面IMG側の面には、複合非球面が形成されている。また、正レンズL
412の両面に、非球面が形成されている。後群G
41Rは、物体側から順に、負レンズL
413と、正レンズL
414と、正レンズL
415と、が配置されて構成される。負レンズL
413と正レンズL
414とは、接合されている。正レンズL
415の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
41は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0093】
第2レンズ群G
42は、負レンズL
421により構成されている。負レンズL
421の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
42は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0094】
第3レンズ群G
43は、物体側から順に、正レンズL
431と、負レンズL
432と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
43も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0095】
以下、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0096】
(レンズデータ)
r
1=30000.000
d
1=0.700 nd
1=1.59282 νd
1=68.6
r
2=9.074
d
2=0.200 nd
2=1.53610 νd
2=41.2
r
3=8.644(複合非球面)
d
3=4.598
r
4=17.662(非球面)
d
4=3.848 nd
3=1.68893 νd
3=31.1
r
5=-27.810(非球面)
d
5=5.495
r
6=∞(開口絞り)
d
6=2.561
r
7=2416.653
d
7=0.700 nd
4=1.92119 νd
4=24
r
8=9.817
d
8=4.732 nd
5=1.59282 νd
5=68.6
r
9=-78.987
d
9=1.757
r
10=29.361(非球面)
d
10=4.120 nd
6=1.80139 νd
6=45.4
r
11=-17.036(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=-116.177(非球面)
d
12=0.800 nd
7=1.729030 νd
7=54.0
r
13=13.185(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=39.026
d
14=5.877 nd
8=1.60342 νd
8=38
r
15=-30.298
d
15=4.455
r
16=-30.165
d
16=1.200 nd
9=1.72916 νd
9=54.6
r
17=-89.251
d
17=15.503
r
18=∞
d
18=2.000 nd
10=1.51680 νd
10=64.1
r
19=∞
d
19=2.000
r
20=∞(像面)
【0097】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第3面)
k=0,
A
4=-1.7572×10
-4,A
6=-1.4501×10
-6,
A
8=5.6322×10
-9,A
10=-2.2623×10
-10
(第4面)
k=0,
A
4=-7.9744×10
-5,A
6=-3.6768×10
-7,
A
8=-3.6940×10
-9,A
10=6.8100×10
-11
(第5面)
k=0,
A
4=-4.0215×10
-5,A
6=-3.1121×10
-7,
A
8=-5.6981×10
-9,A
10=5.4098×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=-4.6175×10
-5,A
6=1.0670×10
-8,
A
8=-3.1579×10
-9,A
10=2.0816×10
-11
(第11面)
k=0,
A
4=9.0572×10
-6,A
6=-1.5109×10
-7,
A
8=-2.0974×10
-9,A
10=5.0631×10
-13
(第12面)
k=0,
A
4=2.3785×10
-5,A
6=-7.9083×10
-7,
A
8=1.0384×10
-8,A
10=-6.3431×10
-11
(第13面)
k=0,
A
4=-1.3471×10
-5,A
6=-9.5975×10
-7,
A
8=8.9121×10
-9,A
10=-6.1988×10
-11
【0098】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(11) 1.501 4.722 7.003
D(13) 12.953 9.731 7.451
【0099】
f(光学系全系の焦点距離)=29.99
Fno.(Fナンバー)=2.88
2ω(画角)=50.79
【0100】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
42の倍率)=6.38
β
3(第3レンズ群G
43の倍率)=0.38
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=5.8
【0101】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
413のd線に対する屈折率)=1.9212
【0102】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
412の物体側面の非球面変形量)=-0.28
|asp2pf|/f=0.0094
【0103】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
412の像側面の非球面変形量)=-0.20
|asp2pr|/f=0.0068
【0104】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
421のd線に対する屈折率)=1.72903
【0105】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
421のd線に対するアッベ数)=54.0
1/νdf=0.0185
【0106】
図8は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【実施例5】
【0107】
図9は、実施例5にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
51と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
52と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
53と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
53と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0108】
第1レンズ群G
51は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
51Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
51Rと、が配置されて構成される。前群G
51Fは、物体側から順に、負レンズL
511と、正レンズL
512と、が配置されて構成される。負レンズL
511の像面IMG側の面には、複合非球面が形成されている。また、正レンズL
512の両面に、非球面が形成されている。後群G
51Rは、物体側から順に、負レンズL
513と、正レンズL
514と、正レンズL
515と、が配置されて構成される。負レンズL
513と正レンズL
514とは、接合されている。正レンズL
515の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
51は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0109】
第2レンズ群G
52は、負レンズL
521により構成されている。負レンズL
521の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
52は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0110】
第3レンズ群G
53は、物体側から順に、正レンズL
531と、負レンズL
532と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
53も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0111】
以下、実施例5にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0112】
(レンズデータ)
r
1=30000.000
d
1=0.700 nd
1=1.61800 νd
1=63.4
r
2=8.965
d
2=0.200 nd
2=1.53610 νd
2=41.2
r
3=8.616(複合非球面)
d
3=4.112
r
4=20.177(非球面)
d
4=3.740 nd
3=1.68893 νd
3=31.2
r
5=-24.740(非球面)
d
5=5.228
r
6=∞(開口絞り)
d
6=3.189
r
7=92.784
d
7=0.700 nd
4=2.00060 νd
4=25.5
r
8=10.295
d
8=5.005 nd
5=1.59282 νd
5=68.6
r
9=-62.980
d
9=1.575
r
10=29.790(非球面)
d
10=4.776 nd
6=1.72903 νd
6=54.0
r
11=-15.330(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=-98.273(非球面)
d
12=0.800 nd
7=1.59201 νd
7=67.0
r
13=11.544(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=32.648
d
14=6.635 nd
8=1.54814 νd
8=45.8
r
15=-27.769
d
15=2.311
r
16=-29.170
d
16=1.200 nd
9=1.61800 νd
9=63.4
r
17=-6623.436
d
17=16.282
r
18=∞
d
18=2.000 nd
10=1.51680 νd
10=64.2
r
19=∞
d
19=2.000
r
20=∞(像面)
【0113】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第3面)
k=0,
A
4=-1.7375×10
-4,A
6=-1.3944×10
-6,
A
8=3.3163×10
-9,A
10=-7.1006×10
-11
(第4面)
k=0,
A
4=-9.5393×10
-5,A
6=-4.2872×10
-7,
A
8=-1.1898×10
-8,A
10=1.6606×10
-10
(第5面)
k=0,
A
4=-6.1712×10
-5,A
6=-5.1898×10
-7,
A
8=-9.1205×10
-9,A
10=4.4237×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=-4.2765×10
-5,A
6=-8.8699×10
-8,
A
8=-3.2943×10
-10,A
10=0
(第11面)
k=0,
A
4=2.0448×10
-5,A
6=-2.2488×10
-7,
A
8=4.7921×10
-10,A
10=-1.4699×10
-11
(第12面)
k=0,
A
4=6.2426×10
-6,A
6=-1.8088×10
-7,
A
8=4.1809×10
-10,A
10=0
(第13面)
k=0,
A
4=-4.7401×10
-5,A
6=-4.5431×10
-7,
A
8=-2.8916×10
-9,A
10=0
【0114】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(11) 1.501 4.699 6.998
D(13) 13.0455 9.848 7.549
【0115】
f(光学系全系の焦点距離)=29.98
Fno.(Fナンバー)=2.89
2ω(画角)=51.08
【0116】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
52の倍率)=5.00
β
3(第3レンズ群G
53の倍率)=0.49
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=5.8
【0117】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
513のd線に対する屈折率)=2.00060
【0118】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
512の物体側面の非球面変形量)=-0.28
|asp2pf|/f=0.0104
【0119】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
512の像側面の非球面変形量)=-0.29
|asp2pr|/f=0.0104
【0120】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
521のd線に対する屈折率)=1.59201
【0121】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
521のd線に対するアッベ数)=67.0
1/νdf=0.0149
【0122】
図10は、実施例5にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【実施例6】
【0123】
図11は、実施例6にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
61と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
62と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
63と、が配置されて構成される。また、第3レンズ群G
63と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは必要に応じて配置されるものであり、不要な場合は省略可能である。なお、像面IMGには、CCDやCMOSなどの撮像素子の受光面が配置される。
【0124】
第1レンズ群G
61は、物体側から順に、負の屈折力を有する前群G
61Fと、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、正の屈折力を有する後群G
61Rと、が配置されて構成される。前群G
61Fは、物体側から順に、負レンズL
611と、正レンズL
612と、が配置されて構成される。負レンズL
611の両面および正レンズL
612の両面には、それぞれ非球面が形成されている。後群G
61Rは、物体側から順に、負レンズL
613と、正レンズL
614と、正レンズL
615と、が配置されて構成される。負レンズL
613と正レンズL
614とは、接合されている。正レンズL
615の両面には、非球面が形成されている。なお、第1レンズ群G
61は固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0125】
第2レンズ群G
62は、負レンズL
621により構成されている。負レンズL
621の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
62は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から撮影倍率等倍となる近距離物体合焦状態に至るまでのフォーカシングを行う。
【0126】
第3レンズ群G
63は、物体側から順に、正レンズL
631と、負レンズL
632と、が配置されて構成される。この第3レンズ群G
63も固定されており、フォーカシング時に移動しない。
【0127】
以下、実施例6にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0128】
(レンズデータ)
r
1=-19.740(非球面)
d
1=0.700 nd
1=1.55332 νd
1=71.7
r
2=9.029(非球面)
d
2=0.700
r
3=13.627(非球面)
d
3=4.297 nd
2=1.90270 νd
2=31.0
r
4=5000.000(非球面)
d
4=9.256
r
5=∞(開口絞り)
d
5=1.997
r
6=66.544
d
6=0.700 nd
3=2.00060 νd
3=25.5
r
7=20.008
d
7=4.260 nd
4=1.49700 νd
4=81.6
r
8=-23.276
d
8=0.548
r
9=27.075(非球面)
d
9=5.300 nd
5=1.59201 νd
5=67.0
r
10=-13.673(非球面)
d
10=D(10)(可変)
r
11=2882.159(非球面)
d
11=0.800 nd
6=1.88202 νd
6=37.2
r
12=14.711(非球面)
d
12=D(12)(可変)
r
13=50.721
d
13=5.429 nd
7=1.68893 νd
7=31.2
r
14=-29.577
d
14=4.958
r
15=-27.387
d
15=1.200 nd
8=1.59349 νd
8=67.0
r
16=187.474
d
16=14.225
r
17=∞
d
17=2.000 nd
9=1.51680 νd
9=64.2
r
18=∞
d
18=2.000
r
19=∞(像面)
【0129】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第1面)
k=0,
A
4=2.7691×10
-4,A
6=-5.2868×10
-6,
A
8=7.4288×10
-8,A
10=-4.2327×10
-10
(第2面)
k=0,
A
4=-1.5571×10
-4,A
6=1.0136×10
-6,
A
8=-3.4594×10
-8,A
10=-1.3359×10
-9
(第3面)
k=0,
A
4=9.3330×10
-5,A
6=5.6509×10
-6,
A
8=-3.3455×10
-8,A
10=-1.6857×10
-10
(第4面)
k=0,
A
4=-2.9773×10
-5,A
6=-5.4394×10
-8,
A
8=5.6441×10
-10,A
10=0
(第9面)
k=0,
A
4=9.6261×10
-6,A
6=-2.0962×10
-7,
A
8=-3.2381×10
-11,A
10=-1.3598×10
-11
(第10面)
k=0,
A
4=7.4024×10
-5,A
6=-9.0175×10
-8,
A
8=9.0193×10
-10,A
10=4.2593×10
-12
(第11面)
k=0,
A
4=1.4659×10
-5,A
6=-1.5980×10
-7,
A
8=-1.6332×10
-10,A
10=0
(第12面)
k=0,
A
4=-2.34856×10
-6,A
6=-1.40346×10
-7,
A
8=-1.98458×10
-9,A
10=0
【0130】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 0.6倍 近距離(1.0倍)
D(10) 1.205 4.043 6.053
D(12) 15.425 12.587 10.577
【0131】
f(光学系全系の焦点距離)=29.98
Fno.(Fナンバー)=2.89
2ω(画角)=50.82
【0132】
(条件式(1)に関する数値)
β
2(第2レンズ群G
62の倍率)=5.56
β
3(第3レンズ群G
63の倍率)=0.47
|(1−(β
2)
2)×(β
3)
2|=6.5
【0133】
(条件式(2)に関する数値)
nd
b1(負レンズL
613のd線に対する屈折率)=2.00060
【0134】
(条件式(3)に関する数値)
asp2pf(正レンズL
612の物体側面の非球面変形量)=0.32
|asp2pf|/f=0.0105
【0135】
(条件式(4)に関する数値)
asp2pr(正レンズL
612の像側面の非球面変形量)=0.30
|asp2pr|/f=0.0100
【0136】
(条件式(5)に関する数値)
ndf(負レンズL
621のd線に対する屈折率)=1.88202
【0137】
(条件式(6)に関する数値)
νdf(負レンズL
621のd線に対するアッベ数)=37.2
1/νdf=0.0269
【0138】
図12は、実施例6にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。球面収差図において、gはg線(λ=435.84nm)、eはe線(λ=546.07nm)、CはC線(λ=656.28nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図および歪曲収差図は、e線(λ=546.07nm)に相当する波長の収差を表す。なお、非点収差図におけるS、Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を示している。
【0139】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r
1,r
2,・・・・はレンズ、絞り面などの曲率半径、d
1,d
2,・・・・はレンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd
1,nd
2,・・・・はレンズなどのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd
1,νd
2,・・・・はレンズなどのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位は最短撮影距離に関しては「m」、それ以外はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0140】
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率(1/R)をc、光軸からの高さをh、円錐係数をk、4次,6次,8次、10次,12次の非球面係数をそれぞれA
4,A
6,A
8,A
10とするとき、以下に示す式により表される。
【0141】
【数3】
【0142】
以上説明したように、上記各実施例のインナーフォーカス式レンズは、開口絞りを第1レンズ群内に配置することで、諸収差を適度に補正することのみならず、光学系全系において物体側に開口絞りが位置するので、前玉径を縮小することもできる。また、フォーカシングをつかさどる第2レンズ群を単レンズで構成したことで、フォーカス群をより軽量で簡易な構成とすることができる。さらに、上記各条件式を満足することにより、より小型、広角、大口径で、優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。また、等倍マクロ撮影にも好適なレンズとなる。