特許第5854985号(P5854985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パンパシフィック・カッパー株式会社の特許一覧

特許5854985硫化レニウムからの過レニウム酸水溶液の製造方法
<>
  • 特許5854985-硫化レニウムからの過レニウム酸水溶液の製造方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5854985
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】硫化レニウムからの過レニウム酸水溶液の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 61/00 20060101AFI20160120BHJP
   C22B 1/02 20060101ALI20160120BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20160120BHJP
   C22B 5/12 20060101ALI20160120BHJP
   C01G 47/00 20060101ALI20160120BHJP
【FI】
   C22B61/00
   C22B1/02
   C22B3/44
   C22B5/12
   C01G47/00
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-288828(P2012-288828)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-129584(P2014-129584A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】500483219
【氏名又は名称】パンパシフィック・カッパー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】隅田 育伸
(72)【発明者】
【氏名】河野 雄仁
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼本 真
【審査官】 坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/115660(WO,A2)
【文献】 特開2012−149285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 61/00
C01G 47/00
C22B 1/02
C22B 3/44
C22B 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化し、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、若しくは、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工
含む過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項2】
1)亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を含有する硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを亜鉛及びビスマスの少なくとも一方と共に焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を焙焼残渣として分離し、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化し、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、若しくは、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工
含む過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項3】
焙焼残渣中のS品位が0.5〜20質量%の範囲にあるときに第一の焙焼を終了する請求項1又は2に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項4】
第一の焙焼が100〜350℃の炉内雰囲気温度で行われる請求項1〜3の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項5】
第二の焙焼が200〜600℃の炉内雰囲気温度で行われる請求項1〜4の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項6】
第一の焙焼及び第二の焙焼において、酸素含有気体は100℃以上に予熱されている請求項1〜5の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項7】
ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程は、随伴する硫黄酸化物をガス状態に保ちながら行われ、硫黄酸化物が固気分離される請求項1〜6の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項8】
ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程では、固化した酸化レニウムはレニウム酸に不溶性の材料上に回収される請求項1〜7の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、過レニウム酸カリウムを製造する方法。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、過レニウム酸アンモニウムを製造する方法。
【請求項11】
請求項1〜8の何れか一項に記載の過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、レニウムメタルを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫化レニウムからの過レニウム酸水溶液の製造方法に関する。とりわけ、本発明は硫化レニウムから過レニウム酸を経由して過レニウム酸アンモニウムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レニウムは、モリブデン原鉱の輝水鉛鉱や銅鉱石に僅かに随伴する希少金属であるが、触媒の添加元素、熱電対や超耐熱合金用添加元素、高真空電子管材料等に用いられる重要な金属である。
【0003】
レニウムを工業的に回収するための有望な原料の一つとして粗硫化レニウムがある。粗硫化レニウム中の不純物としては亜鉛、ビスマスなどが代表的である。
【0004】
従来、特開昭62−148327号公報(特許文献1)に記載されているように、粗硫化レニウムから過レニウム酸カリウムを製造する方法が知られている。当該文献では、粗硫化レニウムを過酸化水素等の酸化剤を使用して酸化浸出し、浸出後液中に硫化水素を添加することにより、後液中に純度の高い過レニウム酸を得た後、水酸化カリウムを添加することで過レニウム酸カリウムを製造している。過レニウム酸カリウムからは、特開平2−20575号公報(特許文献2)に記載のように、陽イオン交換樹脂と接触後にアンモニア水で中和して濾過する方法等によって、過レニウム酸アンモニウムを製造することができる。過レニウム酸アンモニウムは有価物として商取引可能であり、付加価値の高い形態である。
【0005】
また、特開昭47−21323号公報(特許文献3)には、レニウムを含有するモリブデン原鉱石を焙焼し、水で抽出し、この抽出液に塩化カリウムを加え、この際得られる沈澱を濃硫酸に解かし、硫酸濃度を1〜3モルに調節したのち、高分子量有機第三アミン濃度0.02モル以上で含む有機溶媒を用いて抽出し、次にこの抽出液をカセイカリ水溶液で逆抽出し、この抽出液を濃縮還元処理することを特徴とするレニウムの製造方法が記載されている。
【0006】
そして、特許文献3には、レニウムは硫化レニウムの形態で含有されており、焙焼によって硫化レニウムは酸化されて酸化レニウム(Re27)に変わり、150℃以上の温度で気化し、煙ジン中に蓄積されることが記載されている。煙ジンを水で抽出すると酸化レニウム(Re27)が水溶液中に吸収されること、及び、当該水溶液は多量の二酸化イオウや三酸化イオウを含むため強い酸性を示すことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−148327号公報
【特許文献2】特開平2−20575号公報
【特許文献3】特開昭47−21323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のように湿式プロセスにより粗硫化レニウムから過レニウム酸を製造する方法は知られているが、乾式プロセスにより粗硫化レニウムから過レニウム酸を製造する方法が提供されることも望ましい。この点、特許文献3には焙焼により硫化レニウムが酸化されて酸化レニウムに変わることや、酸化レニウムは150℃以上の温度で気化し、煙ジン中に蓄積されることが記載されているものの、不純物の除去に関しては改善の余地が残されている。
【0009】
そこで、本発明は硫化レニウムから乾式プロセスを用いて高純度の過レニウム酸を製造可能な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硫化レニウムを2段焙焼する方法が有効であることを見出した。すなわち、一段目の焙焼で硫黄等の不純物をガス化して排出し、レニウム、亜鉛及びビスマス等を不揮発成分として残渣側に残留させる。二段目の焙焼では亜鉛やビスマス等の不揮発成分を残渣として分離しながら、レニウムをガス化した酸化レニウムとして抜き取る。これにより回収される酸化レニウムの純度が上昇する。得られた酸化レニウムを水中に溶解すると高純度の過レニウム酸水溶液が得られる。
【0011】
本発明は不純物が含まれる硫化レニウムの他、不純物が実質的に含まれない高純度の硫化レニウムをも対象とすることができることが理解できる。すなわち、一段目の焙焼において硫化レニウムから硫黄酸化物が発生するが、焙焼を一段しか行わない場合にはこの硫黄酸化物が不純物となって酸化レニウム中に混入する。しかしながら、二段目の焙焼を行うことで、更に不純物を除去できるので、焙焼を一段しか行わない場合に比べて硫黄分の少ない高純度の酸化レニウムが得られる。
【0012】
従って、本発明は一側面において、
1)硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工程と、
4)酸化レニウムを固化した場合、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、又は、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程と、
を含む過レニウム酸水溶液の製造方法である。
【0013】
本発明は別の一側面において、
1)亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を含有する硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを亜鉛及びビスマスの少なくとも一方と共に焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を焙焼残渣として分離し、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工程と、
4)酸化レニウムを固化した場合、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、又は、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程と、
を含む過レニウム酸水溶液の製造方法である。
【0014】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の一実施形態においては、焙焼残渣中のS品位が0.5〜20質量%の範囲にあるときに第一の焙焼を終了する。
【0015】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の別の一実施形態においては、第一の焙焼が100〜350℃の炉内雰囲気温度で行われる。
【0016】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の更に別の一実施形態においては、第二の焙焼が200〜600℃の炉内雰囲気温度で行われる。
【0017】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の更に別の一実施形態においては、第一の焙焼及び第二の焙焼において、酸素含有気体は100℃以上に予熱されている。
【0018】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の更に別の一実施形態においては、ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程は、随伴する硫黄酸化物をガス状態に保ちながら行われ、硫黄酸化物が固気分離される。
【0019】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の更に別の一実施形態においては、ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程では、固化した酸化レニウムはレニウム酸に不溶性の材料上に回収される。
【0020】
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、過レニウム酸カリウムを製造する方法である。
【0021】
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、過レニウム酸アンモニウムを製造する方法である。
【0022】
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法によって得られた過レニウム酸水溶液を原料として、レニウムメタルを製造する方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、硫化レニウムから高純度の過レニウム酸を製造可能な乾式プロセスが提供される。本発明は硫化レニウムから過レニウム酸アンモニウムを製造する方法に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例の二段目焙焼に使用した焙焼設備の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の一実施形態においては、
1)硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工程と、
4)酸化レニウムを固化した場合、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、又は、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程と、
を含む。
【0026】
本発明に係る過レニウム酸水溶液の製造方法の別の一実施形態においては、
1)亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を含有する硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを亜鉛及びビスマスの少なくとも一方と共に焙焼残渣として得る工程と、
2)前記焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を焙焼残渣として分離し、ガス化した酸化レニウムを回収する工程と、
3)ガス化した酸化レニウムを冷却して固化する工程、又は、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を得る工程と、
4)酸化レニウムを固化した場合、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、又は、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る工程と、
を含む。
【0027】
(硫化レニウム)
本発明が処理対象とする硫化レニウムは不純物を含有しない硫化レニウムであってもよく、不純物を含有する粗硫化レニウムであってもよい。典型的には亜鉛及びビスマスの少なくとも一方を含有する粗硫化レニウムであり、より典型的には両方を含有する粗硫化レニウムである。本発明において、「硫化レニウム」とは不純物を含有する粗硫化レニウム及び不純物を実質的に含有しない硫化レニウムの両方を指すものとする。粗硫化レニウムの由来に制限はないが、以下に由来する粗硫化レニウムを典型例として挙げることができる。
【0028】
銅等の非鉄金属の製錬工程から発生する亜硫酸ガスを水洗浄することにより得られる廃酸には、原鉱石中に含まれていたレニウムが不純物と共に混入している。このような廃酸中には、一般に、レニウム、ビスマス、亜鉛、水銀、砒素、鉄、銅等が含まれている。廃酸中のレニウムはレニウム酸(HReO4)の形態で存在している。廃酸中のレニウムを硫化水素と反応させることで、硫化レニウムが生成するので、固液分離により粉体として回収することができる。このとき、亜鉛やビスマスは硫化水素と反応しないので、液側に分離することができる。
【0029】
不純物の少ない硫化レニウムとするために以下のような方法で不純物を除去することもできる。例えば、キレート樹脂や強塩基性陰イオン交換樹脂のような水銀に対する吸着力の強い樹脂に廃酸を通すことで脱水銀することができる。また、脱水銀後の廃酸を陰イオン交換樹脂に通液して、廃酸中のレニウム及びビスマスを該樹脂に選択的に吸着させることで、樹脂に吸着しない砒素、鉄及び銅を除去することができる。レニウム及びビスマスが吸着した陰イオン交換樹脂に塩酸等の溶離液を通液してレニウム及びビスマスを陰イオン交換樹脂から溶離させることができる。レニウムからのビスマスの分離はクロマトグラフィーで行うことが可能である。
【0030】
典型的な実施形態においては、粗硫化レニウム中には、化学分析によると(水銀以外はICP−OESにより分析し、水銀は還元気化吸光光度法により分析した。)、レニウム:30〜62質量%、硫黄:20〜38質量%、亜鉛:0.01〜1.0質量%、ビスマス:0.01〜1.0質量%、水銀:0.01〜1.0質量%が含まれ、より典型的な実施形態においては、粗硫化レニウム中には、レニウム:35〜50質量%、硫黄:25〜32質量%、亜鉛:0.01〜0.5質量%、ビスマス:0.01〜0.7質量%、水銀:0.01〜0.7質量%が含まれる。レニウムは、一部が酸化レニウムとして存在する場合もある。
【0031】
(工程1)
工程1では、硫化レニウムに対して酸素含有気体の存在下で第一の焙焼を行い、酸化レニウム及び硫黄酸化物を生成させ、硫黄酸化物はガス化して排出し、酸化レニウムを焙焼残渣として得る。また、硫化レニウム中に亜鉛及びビスマスの少なくとも一方が含まれる場合、これらは酸化レニウムと共に焙焼残渣中に回収することが好ましい。
【0032】
第一の焙焼を実施するための炉の種類としては、特に制限はなく、キルン炉、流動床炉、管状炉等が挙げられるが、回転による攪拌作用があり酸素との反応効率が高いのでキルン炉がより好ましい。
【0033】
第一の焙焼では、硫化レニウムが以下の反応式に従って酸化レニウムに転換すると考えられる。
Re27(s)+21/2O2→Re27(s)+7SO2(g)・・・(式1)
SO2(g)+1/2O2(g)→SO3(g)
第一の焙焼では、生成した硫黄酸化物をガス化させ、酸化レニウムから分離することを目的としているので、硫黄酸化物をガス化させてガス配管等で炉外に排出しながら、酸化レニウムをガス化せずに炉内に留める条件で焙焼を実施することが、不純物の除去効率及びレニウム回収効率の観点から好ましい。すなわち、加熱温度が高くなりすぎるとガス化によって失われる酸化レニウムの比率が高くなる一方で、加熱温度が低すぎると副生成した硫黄酸化物の除去率が低下する。なお、硫化レニウム中に不純物として水銀や砒素が含まれる場合、これらも同様に第一の焙焼で除去処理が可能である。
【0034】
本発明者の検討結果によれば、焙焼残渣中のS品位が好ましくは0.5〜20質量%の範囲にあるときに、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲にあるときに、更により好ましくは0.5〜5質量%にあるときに第一の焙焼を終了することで、不純物を効果的に除去しながら高いレニウムの回収率が得られる。
【0035】
そのような焙焼残渣中のS品位を上記範囲に収めるためには、焙焼炉の雰囲気温度を100〜350℃として第一の焙焼を行うことが好ましく、焙焼炉の雰囲気温度を200〜350℃として第一の焙焼を行うことが更により好ましい。また、焙焼時間としては、焙焼炉の規模や構造にもよるが、長すぎるとレニウムのガス化が進展してしまう一方で短すぎると酸化反応が十分に起きないので、例えば30〜240分とすることができ、120〜180分とすることが好ましい。
【0036】
また、雰囲気温度が急激に上昇した場合に反応を抑制するため、窒素、アルゴン等の不活性ガスを炉内に供給できるようにしておくことが望ましい。
【0037】
酸素含有気体としては、酸素、空気、酸素と不活性ガスの混合物等が挙げられるが、コストが高くなることから空気とするのが好ましい。ここでいう酸素含有気体には、当初から気体で存在する酸素含有気体の他、加熱時に酸素を発生するような固体や液体(例えば、塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム)を使用することによって生じた酸素含有気体も含まれる。酸素含有気体は、反応効率の観点から、上記(式1)で必要とされる理論当量以上の酸素を供給することが好ましく、例えば1.2以上とすることができ、1.8以上とすることがより好ましい。
【0038】
酸素含有気体は焙焼炉に供給する前に予熱しておくことが望ましい。酸素含有気体を予熱しておくことで、焙焼炉の内壁温度を低く設定することが可能となり、酸化レ二ウムのガス化率を下げられる。すなわち、酸素含有気体を予熱しない場合は、熱伝達の問題から、酸素含有気体と硫化レニウムの界面で酸化反応が十分進行する温度に到達するために必要な焙焼炉の内壁温度の設定値を高くしておかなければならない。これは、焙焼炉の内壁温度が酸化反応に本来必要とされる以上の温度になるということであり、内壁近傍の酸化レニウムのガス化が進行してしまう。一方、酸素含有気体を予熱しておくことで、必要以上に焙焼炉の内壁温度を高くする必要がなくなるため、酸化レニウムのガス化を抑制することができる。
【0039】
上記の観点からみて、酸素含有気体は炉内雰囲気温度と同温度に予熱しておくことが好ましい。ただし、必要以上に予熱するとエネルギーのロスとなる。
【0040】
(工程2)
工程2では、工程1で得られた焙焼残渣に対して酸素含有気体の存在下で第二の焙焼を行い、ガス化した酸化レニウムを回収する。焙焼残渣中に亜鉛及びビスマスの少なくとも一方が含まれる場合、これらは焙焼残渣として酸化レニウムから分離することが好ましい。
【0041】
第二の焙焼を実施するための炉の種類は、第一の焙焼と同様に特に制限はなく、キルン炉、流動床炉、管状炉等が挙げられるが、残渣の飛散による回収時のコンタミ低減、費用の理由により管状炉が好ましい。
【0042】
焙焼残渣は第一の焙焼で使用した炉からいったん取り出して、別の焙焼炉で第二の焙焼を実施することもでき、第一の焙焼と同一の焙焼炉を使用することもできる。コンタミを抑制する観点では別の焙焼炉を使用することが望ましい。同一の焙焼炉を使用する場合、反応管等の反応容器を炉に装入して第一の焙焼終了後、室温まで冷却して残渣を取り出し別の反応容器に移し替えた上で炉に戻して第二の焙焼を実施することにより、コンタミを防止することが高純度の酸化レニウムを得る上で望ましい。
【0043】
第二の焙焼では、酸化レニウムを積極的にガス化するという目的があるため、通常は第一の焙焼よりも高い温度に焙焼炉の炉内雰囲気温度を設定して実施する。ただし、過度に高い温度を設定すると亜鉛分やビスマス分もガス化するおそれがあるので、焙焼炉の雰囲気温度を200〜600℃として第二の焙焼を行うことが好ましく、300〜550℃として第二の焙焼を行うことがより好ましく、焙焼炉の雰囲気温度を350〜500℃として第二の焙焼を行うことが更により好ましい。また、焙焼時間としては、焙焼炉の規模や構造にもよるが、長すぎるとエネルギーロスが大きくなる一方で短すぎると未揮発が多くなるので、例えば30〜240分とすることが好ましく、120〜180分とすることがより好ましい。
【0044】
第一の焙焼で硫化レニウムの酸化反応及び硫黄酸化物の除去が十分に完了していれば、第二の焙焼で必要とされる雰囲気ガスはガス化した酸化レニウムを輸送するためのキャリアガスとしての役割を果たせば十分である。しかしながら、第一の焙焼での硫化レニウムの酸化反応及び硫黄酸化物の除去が完全ではない可能性もあるので、本発明では第二の焙焼においても、酸素含有気体を使用することとしている。
【0045】
第二の焙焼においても、酸素含有気体は焙焼炉に供給する前に予熱しておくことが望ましい。酸素含有気体を予熱しておくことで、炉内反応の均一化のメリットが得られる。
【0046】
ガス化した酸化レニウムの輸送は、ガス配管を使用すればよい。また、同一の焙焼炉を使用する場合、第一の焙焼時のガス配管と異なるガス配管でガス化した酸化レニウムを回収することが、不純物の混入を防止する観点から好ましい。
【0047】
ガス配管は保温し、輸送途中で酸化レニウムが配管内壁に固着するのを防止することが好ましい。保温時の配管内温度は低すぎると酸化レニウムが固化するおそれがあるので300℃以上とするのが好ましく、エネルギー消費の観点から必要以上に温度を高くする必要もないので、典型的には500℃以下、より典型的には400℃以下である。
【0048】
(工程3)
その後、ガス化した酸化レニウムを冷却して固化することができる。この際、ガス化した酸化レニウムに随伴する硫黄酸化物をガス状態に保ちながら酸化レニウムを冷却して固化することで、硫黄酸化物を固気分離することが、酸化レニウムの純度を高める上では好ましい。所定の冷却場所(配管内でも出入口のある容器内でもよい。)で冷却して固化させることが作業効率の向上の点で望ましい。このとき、随伴してくる硫黄酸化物は沸点の違いによりそのまま気体として冷却場所を通り抜けていくので、固気分離によって、酸化レニウムの純度が向上する。コンタミ防止の観点から、固化した酸化レニウムはレニウム酸に不溶性の材料、石英又はガラス上に回収するのが好ましく、内壁の材質が石英である配管内や容器内に回収することができる。固気分離の際、レニウムの回収率を上げるためにフィルターを設置しても良い。冷却は、自然放冷、熱交換による方法等が挙げられるが、装置の簡略化の理由により自然放冷の方法を実施することが好ましい。
【0049】
100℃以下、好ましくは80℃以下に冷却することで酸化レニウムを完全に固化することができる。必要以上に低温にすると焙焼炉から酸化レニウムに一緒に流れてくる可能性のある硫黄酸化物まで液化又は固化して回収されてしまうので、硫黄酸化物を完全に除外するためにはSO3の沸点以上である50℃以上の温度に冷却することが好ましいが、通常、発生する硫黄酸化物の形態はSO2となるのでSO2の沸点以上である常温(例:5〜30℃)まで冷却してもよい。
【0050】
別法として、ガス化した酸化レニウムを水冷しながら水中に溶解させることで過レニウム酸水溶液を直接得ることもできる。このときの反応式は工程4において説明するのと同じである。水冷しながら水中に溶解させる方法としては、焙焼炉から排出されたガス化した酸化レニウムを湿式スクラバーで捕集する方法や、湿式ろ過、湿式電気集塵機による方法が挙げられる。湿式スクラバーを使用する場合は、気液接触面積を多くするためにペレット状、筒状又はハニカム状などの充填物を装入することが好ましい。当該方法は、酸化レニウムを固化する工程を経ないので簡便性の高い方法であるが、酸化レニウムと一緒に硫黄酸化物までが水中に溶解するので、純度の観点では酸化レニウムを固化する方法よりも劣る。例示的には、酸化レニウムを水中へ溶解する方法だと、酸化レニウムを固化する方法に比べて、過レニウム酸水溶液中のS品位が5〜10倍程度増加する。
【0051】
(工程4)
酸化レニウムを固化した場合、工程4において、固化した酸化レニウムを水中に溶解させるか、又は、固化した酸化レニウムを加熱してガス化した後に水中に溶解させることで、過レニウム酸水溶液を得る。酸化レニウムは以下の反応式に従って過レニウム酸に転換すると考えられる。
Re27(s又はg)+H2O(l)→2HReO4(l)・・・(式2)
酸化レニウムは容易に水に解けるが、あまり水溶液中の濃度が高いと反応効率が落ちると考えられる。一方、濃度が低すぎると水使用量が増え、操業時のハンドリング性が悪化し、その後に濃縮工程が必要となる。そこで、酸化レニウムの水への投入量は50〜500g/Lが好ましく、150〜250g/Lがより好ましい。
【0052】
固化した酸化レニウムを固液接触させることで水中に溶解させる方法が簡便な方法であるが、固化した酸化レニウムを加熱して再度ガス化した後にスクラバー等で気液接触させて水中に溶解させる方法も可能である。但し、この方法だと未回収ロスが発生するので、前者の方法がより好ましい。
【0053】
過レニウム酸水溶液からは、公知の任意の方法により、過レニウム酸カリウムを製造することができ、更には過レニウム酸アンモニウムを製造することができる。例えば、過レニウム酸水溶液に水酸化カリウムを添加してpHを11〜13程度に調整することで、過レニウム酸カリウムを析出させ、固液分離によってこれを回収することができる。また、過レニウム酸カリウムは重く沈降しやすいので、浮上しやすい不純物を分離してから固液分離することが好ましい。また、水簸等によって純度を高めることもできる。過レニウム酸カリウムを水素等で還元することにより、レニウムメタルを製造することができる(例えば、特開昭62−124240号公報参照)。
【0054】
また、過レニウム酸水溶液にアンモニア水を添加してpHを7〜12程度に調整することで過レニウム酸アンモニウムを析出させ、固液分離することにより過レニウム酸アンモニウムを製造することができる。精製を繰り返すことにより、純度は更に高めることが可能である。精製方法としては例えば、純水への再溶解及び晶析を行う方法が挙げられる。中和後、固液分離する前に90〜105℃に加熱して濃縮することが好ましい。過レニウム酸アンモニウムを水素等で還元することにより、レニウムメタルを製造することができる(例えば、特開昭62−146227号公報参照)。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は例示目的であって発明が限定されることを意図しない。
【0056】
(第一焙焼による効果の検証)
表1に記載の分析値を有する粗硫化レニウムを用意した。各成分の含有率は化学分析(ICP−OESにより分析した。)により測定した。
【表1】
【0057】
当該粗硫化レニウム500gに対して、種々のキルン炉雰囲気温度条件で120〜140分間第一の焙焼を行い、その後、室温まで炉冷した。焙焼炉としてはキルン炉を使用し、酸素含有気体としては空気を使用した。何れの例も酸素当量は1.9〜2.2の範囲とした。また、所定温度(ここでは140℃とした。)まで空気を予熱してからキルン炉に供給する方が炉内雰囲気温度が安定し硫黄の揮発率が上昇する傾向にあることが分かった。試験後の残渣の重量を測定し、また、該残渣の化学分析を実施した。残渣の重量と各元素分析結果から各元素の含有量(g)を求め、試験前後の含有量(g)の差からガス化率を求めた。
焙焼時間はキルン炉内の雰囲気温度が所定の温度に到達してから冷却を開始するまでの時間である。酸素当量は、粗硫化レニウムに含まれるレニウム及び硫黄がRe27であるか、又は酸化物以外の形態で存在すると仮定し、全てのレニウムがRe27まで、及び全ての硫黄がSO3まで反応するまでの理論酸素当量を1として算出した。
その結果、キルン炉雰囲気温度が100℃以上200℃未満のときはReのガス化率は10%以上20%未満程度であり、キルン炉雰囲気温度が200℃以上のときは20%以上となり、キルン炉雰囲気温度が350℃を超えると40%を超えた。Sのガス化率は、キルン炉雰囲気温度が100℃以上で10%以上であり、300℃以上で80%以上であった。なお、Zn及びBiのガス化率については、キルン炉雰囲気温度が600℃未満においては実質的に0%であった。
【0058】
(二段階焙焼による効果の検証:ガス化した酸化レニウムを固化してから過レニウム酸水溶液を製造する場合)
表3に記載の分析値を有する粗硫化レニウムを用意した。各成分の含有率は化学分析(ICP−OESにより分析した。)により測定した。
【表2】
【0059】
当該粗硫化レニウム150gに対して、表3−1に記載の条件で第一の焙焼を行い、その後、室温まで炉冷した。焙焼炉としては管状炉を使用し、酸素含有気体としては空気を使用した。上記の例と同様に、Sガス化率、焙焼残渣中のS品位、Reガス化率、Znガス化率、Biガス化率を求めた。結果を表3−2に示す。
【0060】
【表3-1】
【0061】
【表3-2】
【0062】
次に、第一の焙焼で得られた残渣133gに対して、表4−1に記載の条件で図1に記載の焙焼設備を用いて第二の焙焼を行った。焙焼炉としては第一の焙焼と別の管状炉10を使用し、空気16を1.5L/minの流量で供給した。ガス化した酸化レニウムを含む成分は300℃に保温した管状炉外部反応管保温部14においてガス化した状態で一定距離輸送した後、内壁が石英製の反応管13の保温されていない部分において冷却され固体状の酸化レニウム18として析出させた。なお、ガス温度は保温部からスクラバーに至る途中で室温(約30℃)まで冷却された状態であった。反応管を出たガスはスクラバー15にて硫黄酸化物を吸収しガスを無害化して排出した。酸化レニウム18が析出した反応管13を取り外し、常温の水を反応管13内に通液して酸化レニウムを溶解し、過レニウム酸水溶液を得た。得られた過レニウム酸水溶液中の各成分濃度を化学分析により(ICP−OESにより分析した。)測定し、第二焙焼前の残渣を基準(100%)としたときの各成分の回収率を求めた。結果を表4−2及び表4−3に示す。
【0063】
【表4-1】
【0064】
【表4-2】
【0065】
【表4-3】
【0066】
得られた過レニウム酸水溶液に対して、アンモニウム水をpHが9になるまで添加して中和し、その後、固液分離することにより過レニウム酸アンモニウム(APR)の粉末を得た。過レニウム酸アンモニウムの分析結果を表5に示す。分析はGDMSにより行った。高純度の過レニウム酸アンモニウムが得られたことが分かる。
【0067】
【表5】
【0068】
(比較例)
表6に記載の分析値を有する粗硫化レニウムを用意した。各成分の含有率は化学分析(ICP−OESにより分析した。)により測定した。
【表6】
【0069】
当該粗硫化レニウム531gに対して、表7−1に記載の条件で図1に記載の焙焼設備を用いて焙焼を行った。その後、室温まで炉冷した。焙焼炉としては管状炉10を使用し、酸素含有気体としては空気16を1.5L/minの流量で供給した。上記の例と同様に、Sガス化率、焙焼残渣中のS品位、Reガス化率、Znガス化率、Biガス化率を求めた。結果を表7−2に示す。
【0070】
【表7-1】
【0071】
【表7-2】
【0072】
次いで、ガス化した酸化レニウムを含む成分は300℃に保温した管状炉外部反応管保温部14においてガス化した状態で一定距離輸送した後、内壁が石英製の反応管13の保温されていない部分において冷却され固体状の酸化レニウム18として析出させた。なお、ガス温度は保温部からスクラバーに至る途中で室温(約30℃)まで冷却された状態であった。反応管を出たガスはスクラバー15にて硫黄酸化物を吸収しガスを無害化して排出した。酸化レニウム18が析出した反応管13を取り外し、常温の水を反応管13内に通液して酸化レニウムを溶解し、過レニウム酸水溶液を得た。得られた過レニウム酸水溶液中の各成分濃度を化学分析により(ICP−OESにより分析した。)測定し、粗硫化レニウム中の濃度を基準(100%)としたときの各成分の回収率を求めた。結果を表8−1及び表8−2に示す。
【0073】
【表8-1】
【0074】
【表8-2】
【0075】
得られた過レニウム酸水溶液に対して、アンモニウム水をpHが9になるまで添加して中和し、その後、固液分離することにより過レニウム酸アンモニウム(APR)の粉末を得た。過レニウム酸アンモニウムの分析結果を表9に示す。分析はGDMSにより行った。
【0076】
【表9】
【符号の説明】
【0077】
10 管状炉
11 試料
12 試料置場
13 反応管
14 反応管保温部
15 スクラバー
16 空気
17 排気
18 酸化レニウム
図1