(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施の形態における生体試料測定装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
[生体試料測定装置の構成]
図1において、1は、直方体形状の本体ケースである。この本体ケース1は、
図2に示すように、下面側が開口した上ケース2と上面側が開口した下ケース3を、互いの開口部同士を合わせて結合することにより、構成されている。
【0013】
また、上ケース2の上面側には、例えば血糖値(生体情報の一例)を表示するための表示部4が設けられている。さらに、この上ケース2の先端側には、横長形状のセンサ挿入口5が設けられている。そして、
図7に示すように、センサ挿入口5の奥側には、センサが挿入される空間であるセンサ挿入部50が形成されている。尚、本実施の形態1では、上ケース2の上面側を上方(上側)とし、下ケース3の下面側を下方(下側)とする。又、センサ挿入口5が設けられている側を本体ケース1の前方(前側)とし、その反対側を後方(後側)とする。更に、センサが挿入される方向と直交する方向であって、表示部4が設けられている上面と平行な方向を横方向とする。
【0014】
また、本体ケース1の表面には、センサ排出機構の一部を構成する排出操作部が配置されている。
図13には、排出操作部の具体的な構成の一例として排出操作部6が示されている。
すなわち、下ケース3の下面側に、センサ挿入口5に向かって前後方向に摺動自在に構成された排出操作部6が設けられている。なお、この排出操作部6は上ケース2に設けられても良い。
【0015】
<シャッター7の構成>
さて、本実施の形態においては、
図2及び
図3に示すように、センサ挿入口5の奥側にシャッター7が開閉自在に設けられている。このシャッター7は、
図3〜
図6に示すように、センサ19の挿入及び排出の際に回動する回動部70と、回動部70に取り付けられるバネ11によって構成されている。そして、回動部70は、センサ挿入口5の両側に配置した軸部8及び軸部9と、これら両側の軸部8、9の間に設けられた横長形状の開閉板10と、センサ排出機構によって操作される被操作部12を有している。この開閉板10には、
図7に示すように、センサ挿入口5を閉じた状態において、センサ挿入口5を塞ぐようにセンサ挿入口5に対向して配置される開閉部13が形成されている。尚、バネ11は、開閉板10を、センサ挿入口5を閉じる方向に付勢するように、回動部70の軸部8及び軸部9に取り付けられている。
【0016】
開閉板10の開閉部13には、
図6(d)および
図7に示すように、センサ挿入口5の奥側に向けて傾斜する傾斜面13aが形成されている。この傾斜面13aは、センサ挿入口5を閉じた状態において、奥側に向かうに従って上ケース2の上面に近づくように傾斜している。
そして、被操作部12は、これら
図6(d)および
図7に示すように、開閉板10の開閉部13とは、軸部8、9を結ぶ線(回動部70の軸)を間にして、その反対側に設けられている。
【0017】
つまり、本実施の形態においては、
図7のように、センサ挿入口5の奥側にシャッター7が開閉自在に設けられ、このシャッター7の開閉部13は、バネ11によってセンサ挿入口5を閉じる方向に付勢された状態となっている。
以下、このシャッター7部分について、さらに詳細に説明を行う。
まず、
図3〜
図5(a)に示すように、上ケース2のセンサ挿入口5の奥側の両側には、シャッター7の軸部8が装着される軸支部14と、軸部9が装着される軸支部15が設けられている。これらの軸支部14、15にシャッター7の軸部8、9を軸支させる前に、軸部8、9には、
図4及び
図6に示すように、バネ11が装着される。
【0018】
<バネ11の構成>
このバネ11は、
図3(b)に示すように、軸部9に係合するように湾曲して、その一端側に形成された係合部11aと、回動部70の横方向に沿うように上ケース2側に形成された直線部分11bと、他端側、すなわち直線部分11bを挟んで係合部11aの反対側に、コイルバネ状に形成されたコイルバネ部11cとを有している。そして、バネ11は、係合部11aが軸部9に係合し、コイルバネ部11cの中心部を軸部8が貫通した状態で、回動部70に装着される。詳細に説明すると、係合部11aと直線部分11bの間には、直線部分11bから上ケース2の反対側(下方)に向かって垂直に形成された直線部分11fが形成され、コイルバネ部11cと直線部分11bの間には、直線部分11bから上ケース2の反対側(下方)に向かって形成された直線部分11dが形成されている。又、バネ11のコイルバネ部11cが形成されている側の先端には、後述する係合部18に係合される被係合部11eが形成されている。
【0019】
すなわち、バネ11は、
図3に示すように、その一端側が軸部9に係合させられ、また開閉板10の上ケース2側の直線部分ののちに存在する他端側がコイルバネ状に形成され、その中心部を軸部8が貫通した状態で、回動部70に装着されている。
【0020】
<シャッター7の装着>
以上の構成において、シャッター7を軸支部14、15に装着する時には、まず、
図4に示すように、回動部70にバネ11が装着される。続いて、軸部8を軸支部14に軸支させるに際し、
図5(b)に示すように、バネ11の直線部11bの他端側(軸部8側)が、軸支部14の上ケース2側に設けられた突起16、17間を通され、突起17の上ケース2側に引っ掛けた状態とされ、続いて、軸部8が軸支部14に軸支される。ここで、軸支部14は、軸部8のコイルバネ部11cが装着されている部分の外側で、軸部8を支持する。この軸部8のコイルバネ部11cが装着される部分が、
図3において8aで示されており、コイルバネ装着部の一例に対応する。
尚、
図5(b)は、
図5(a)を前側から見た透視図であり、突起16、17とバネ11の状態を説明するために回動部70を省略した模式図である。
【0021】
ここで、突起16、17について、説明する。
まず、突起16は、上ケース2及び下ケース3の縦方向(本体ケース1の厚み方向)に設けられたものであり、
図5(b)に示すように、バネ11の直線部11bと直線部11dが当接することで、シャッター7はセンサ挿入口5を閉じる方向に付勢されている。また、このようなシャッター7に対する付勢を行わせるために、
図6(b)に示すように、バネ11の他端部、すなわち被係合部11eは、係合部18に係合されている。
【0022】
さらに、
図3及び
図5(b)で示すように、突起17は、センサ挿入口5の上方であって、センサ挿入口5の横方向に沿うように内側に突出して形成されており、バネ11の直線部分11bと干渉することによって、バネ11が上ケース2とは反対側(下方)に抜け出るのを止めるものである。
最後に、シャッター7の軸部9を軸支部15に軸支させることで、
図5(a)に示すように、シャッター7は、センサ挿入口5の奥側に開閉自在に装着された状態となる。この状態を断面で示したものが
図7である。
図7に示すように、センサ挿入口5を形成する本体ケース1の内側の開口部には、上ケース2側が後方、下ケース3側が前方となる傾斜が設けられている。
【0023】
すなわち、センサ挿入口5の傾斜とは、センサ挿入口5を形成する上方の縁5aの位置が、下方の縁5bの位置よりも奥側に位置していることである。
図14(a)の模式図に、センサ挿入口5の上方の縁5a及び下方の縁5bが示されている。
このように傾斜したセンサ挿入口5をシャッター7の開閉部13が、
図7及び
図8に示すように、開閉自在に覆っている。
【0024】
このため、
図7に示すように、開閉部13も、上ケース2側が後方、下ケース3側が前方となる傾斜面13aが、設けられた形状となっている。つまり、センサ挿入口5は、シャッター7の開閉部13で閉じられた状態となっているので、本実施の形態の生体試料測定装置は、センサ挿入口5からの埃や液体の不用意な浸入を抑制する事が出来る構成となっている。
【0025】
[生体試料測定装置の動作]
さて、このような構成において、
図9と
図11は、センサ挿入口5からセンサ19を挿入することで、例えば血糖値を測定しようとしている状態を示している。
<センサ挿入時の動作>
この時、まず、センサ19を、その後端部に設けた電極部側をセンサ挿入口5から本体ケース1内に押込むと、センサ挿入口5を覆っていたシャッター7の開閉部13が、その傾斜方向にセンサ19によって押されて開くこととなる。詳細には、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、センサ19をセンサ挿入口5へ挿入する(矢印A参照)と、センサ19の後端部が、開閉部13の傾斜面13aに当接する。そして、傾斜面13aの傾斜に沿うようにセンサ19が押し込まれると、
図14(c)に示すように、開閉部13は回動(矢印B参照)し、センサ挿入口5が開く。ここで、
図14(a)〜(c)に、開閉部13を有している回動部70の回動軸が70aで示されている。
【0026】
その結果、センサ19の電極部は、本体ケース1内のセンサ挿入口5の奥側に設けた接続端子20に電気的に接続された状態となる。尚、接続端子20は弾性部材であり、その弾性力によって、接続端子20はセンサ19の電極部と電気的に接続されている。
この状態において、センサ19の先端側に設けた点着部(図示せず)に血液を点着すれば、血糖値が測定され、その血糖値は表示部4に表示される。
【0027】
<センサ排出時の動作>
そして、この血糖値の測定が終了すると、センサ19の排出が行われる。このセンサ19の排出は、
図13に示す排出操作部6を前方(センサ挿入口5側、矢印H参照)に押すことによって行われる。この排出操作部6は、図示しない連結部によってレバー21(
図11参照)と接続されている。このため、排出操作部6を前方に押せば、本体ケース1内において、それに連動するレバー21、21aが、
図11から
図10及び
図12に示すように、前方に動き、このレバー21、21aの動作によってセンサ19の排出動作が行われる。尚、
図10から
図12に示すように、レバー21は、レバー21aを挟むように形成されており、レバー21を前方に動かすと、レバー21aも同時に前方に移動することになる。
【0028】
具体的には、レバー21aの操作部22は、センサ19の後端側に当接しているので、排出操作部6によって、レバー21aの操作部22を前方に移動させれば、センサ19は、センサ挿入口5から本体ケース1外へと、
図10及び
図12に示すように、移動される。又、
図17及び
図18に示すように、センサ19が挿入される空間であるセンサ挿入部50の下面には、前後方向にスリット51が形成されている。そして、レバー21aには、レバー21aからスリット51を通ってセンサ挿入空間50に突出した操作部22(
図11参照)が設けられている。
【0029】
本実施の形態においては、この
図10及び
図12の状態からセンサ19を本体ケース1外へと排出するに先立ち、シャッター7の開放動作が行われる。つまり、センサ19がセンサ挿入口5から本体ケース1内に挿入された状態(
図11参照)から、センサ19が前方に移動された状態(
図10及び
図12参照)においては、センサ19の下面側にシャッター7の開閉部13が当接した状態となっている。
【0030】
しかも、この時、開閉部13は、
図10、
図12、及び
図14(c)に示すように、その上方側がセンサ19に当接し、下方側が上方側よりも前方側に位置する傾斜状態となっている。このため、レバー21aの操作部22を前方に移動させることで、センサ19をセンサ挿入口5から本体ケース1外に排出させる前に、センサ19から開閉部13を離間させて、シャッター7の開閉部13を開放させる必要がある。つまり、シャッター7を開放しなければ、センサ19の排出動作が阻害されるおそれがあるので、この排出時には、シャッター7を開放する動作が行われる。
【0031】
そこで、本実施の形態においては、レバー21のセンサ挿入口5側に操作部23が設けられている。この操作部23により、
図12に示すように、シャッター7の被操作部12を前方側に押せば、シャッター7の開閉部13は、反時計方向に回動し、これによりシャッター7が開放される。
このため、レバー21aの操作部22で、センサ19の後端を前方に押すことにより、センサ19をセンサ挿入口5から本体ケース1外に容易に排出することが出来る。
【0032】
詳細に説明すると、
図15(a)に示すように、回動部70はバネ11(
図4参照)によってセンサ挿入口5を閉じる方向(矢印C方向)に付勢されているため、センサ19は、開閉部13によって下方から押圧されている。これにより、センサ挿入口5からセンサ19が抜け落ちることが抑制されている。尚、
図15(a)において、開閉部13のセンサ19に当接している部分が、当接部13bとして示されている。一方、センサ19を排出する際に、排出操作部6を前方に移動させると、レバー21aの操作部23によってセンサ19が前方に移動する。そして、このようにセンサ19を前方に移動させていくと、
図15(b)に示すように、操作部23が、シャッター7の被操作部12に当接する。更に、排出操作部6を前方に移動させると、
図15(c)に示すように、回動部70の被操作部12が、レバー21の操作部23により前方に押されるため、回動部70が矢印B方向に回動し、開閉部13によるセンサ19の押圧が解除される。更に、排出操作部6を前方に移動させることにより、センサ19を排出することが出来る。
【0033】
尚、センサ19の押圧が解除されるタイミングは、センサ19が接続端子20から離れた後の方が好ましい。センサ19が接続端子20から離れる際に、接続端子20による弾性力によってセンサ19が本体ケース1から飛び出す場合があるが、開閉部13によってセンサ19が押圧されていると、このようなセンサの飛び出しを抑制することが出来るためである。
【0034】
[他の特徴点]
次に、本実施の形態における他の特徴点について説明する。
本実施の形態においては、
図7及び
図8において上述したように、センサ挿入口5をシャッター7の開閉部13が、開閉自在に覆っている。つまり、センサ挿入口5は、シャッター7の開閉部13で閉じられた状態となっているので、本実施の形態の生体試料測定装置は、センサ挿入口5からの埃や液体の不用意な浸入を抑制する事が出来る構成となっている。
【0035】
このシャッター7によってセンサ挿入口5が閉じられた状態において、
図16及び
図17に示すように、センサ挿入口5の奥側に、シャッター7の開閉板10と上ケース2が当接、または近接することによって、閉成部D、Eが形成される。
これらの閉成部D、Eは、
図18からも示されるように、開閉板10の長手方向にわたって形成される。この横長形状の開閉板10は、横長形状のセンサ挿入口5よりも横方向の寸法が大きくなるように形成されている。尚、
図18に、開閉板10の横方向の長さがL1で示され、センサ挿入口5の横方向の長さがL2で示されている。
【0036】
また、この横長形状の開閉板10の横方向の寸法L1は、
図18からも示されるように、接続端子20の横方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。
なお、本実施の形態においては、接続端子20は、
図18に示すように、3本の接続端子20をセンサ挿入口5の横長方向に並べて配置した構成としているので、接続端子20の横方向の寸法とは、左右の接続端子20間の寸法を示すものである。この接続端子20の横方向の寸法が、
図18にL3として示されている。
【0037】
つまり、本実施の形態におけるシャッター7の開閉板10の横方向の寸法L1は、横長形状のセンサ挿入口5の横方向の寸法L2よりも大きいので、センサ挿入口5からの液体の流入を抑制する事が出来る。
また、このようにシャッター7によって、センサ挿入口5からの液体の流入を抑制したとしても、
図16及び
図17に示したように、シャッター7の開閉板10は、センサ挿入口5の奥側において、上ケース2に当接、または近接する閉成部D、Eを形成するので、この部分に形成されている毛細管部分には、センサ挿入口5から流入した液体の一部が付着する場合がある。
【0038】
この閉成部D、Eに付着した液体は、毛細管を伝って横長形状の開閉板10の横方向の両側に広がることになる。ここで、開閉板10は、
図18において上述したように、その横方向の寸法L1が接続端子20の横方向の寸法L3よりも大きくなるように形成されているので、閉成部D、Eに付着し、開閉板10の横方向の両側に広がった液体は、接続端子20の外方にまで導かれることになる。
【0039】
つまり、閉成部D、Eに付着した液体が、接続端子20部分に滴り落ちる事を抑制できる。その結果として、接続端子20が汚れることが出来るだけ低減でき、測定精度に対する信頼性の低下を抑制することが出来る。
また、本実施の形態においては、次の点からも測定精度に対する信頼性低下を抑制する事が出来る。
【0040】
すなわち、センサ挿入口5から流入した液体の一部は、上述のように、開閉板10の閉成部D、Eを伝って外方(
図19の矢印F、G方向参照)に広がるが、このように外方に広がった液体は、次に、
図18及び
図19に示すように、バネ11を伝ってさらにその外方へと流出させる事が出来る。この点を具体的に説明すると、バネ11には、コイルバネ部11cが形成されており、このコイルバネ部11cは、シャッター7の軸部8の外周に装着されている。
【0041】
つまり、閉成部D、Eを伝って、外方に広がった液体は、次に、コイルバネの線間に形成される毛細管を伝って、さらにその外方に広がる。軸部8のバネ11が装着されている部分の外方は、軸支部14によって軸支されており、この構成により、軸支部14と軸部8の間で毛細管が形成される。
そして、軸支部14と軸部8の間の部分の毛細管を伝って、さらに外方へと液体は移動する。この結果として、閉成部D、Eに付着した液体が、接続端子20部分に滴り落ち、接続端子20が汚れることが抑制される。これにより、測定精度に対する信頼性が低下することも抑制される。
【0042】
なお、本実施の形態においては、開閉板10と軸部8、9は合成樹脂により形成されているが、コイルバネ部11cを有しているバネ11は、金属により形成されている。
そして、このコイルバネ部11cを有しているバネ11の表面は、金属面を表出させた構成としている。
つまり、コイルバネ部11cを有しているバネ11部分の毛細管作用を強く発揮させるため、本実施の形態では、樹脂よりも濡れ性の高い金属でバネ11を形成し、この金属面を表出させている。このように構成することで、バネ11部分における毛細管作用が強く発揮される。
【0043】
[作用効果]
以上のように、センサ19を挿入する際の操作性が向上し、使い勝手が良い生体試料測定装置を提供することが出来る。
すなわち、本体ケース1内に開閉自在なシャッター7が設けられているので、使用時において不用意にシャッター7に手が触れることを抑制でき、その結果として使い勝手が向上する。
【0044】
センサ排出機構によって開放駆動される構成としたので、センサ19の排出時には、このシャッター7を開放し、センサ19をセンサ挿入口5から本体ケース1の外に排出することが出来、この点からも使い勝手が向上する。尚、このセンサ排出機構の一例は、本実施の形態の排出操作部6、レバー21、21a、及び排出操作部6とレバー21を連結する連結部等に対応する。
【0045】
開閉板10は、バネ11によってセンサ挿入口5を閉じる方向に付勢されているため、センサ19を抜いた後、自動的にセンサ挿入口5が閉じた状態となり、埃などの進入を防ぐことが出来る。このように、ユーザーが意識的にシャッターを閉じる必要がないため、使い勝手を向上させることが出来る。
センサ19は、挿入された状態では開閉部13によって上方に押圧されているため、センサ19が本体ケース1から不用意に抜け落ちることを抑制することが出来る。
【0046】
センサ19を本体ケース1から排出する動作において、センサ19が接続端子20から外れる際にも、開閉部13によってセンサ19が上方に押圧されているため、接続端子20の弾性力によりセンサ19がセンサ挿入口5から急に飛び出したりすることを抑制することが出来る。
更に、センサ19を本体ケース1から排出する際には、センサ排出機構によって上記押圧が解除されるため、スムーズにセンサ19を本体ケース1から排出することが出来る。
【0047】
開閉部13は、センサ挿入口5の奥側に向けて傾斜した傾斜面13aを有していることにより、センサ19を挿入する際に、センサ19に当接してスムーズに回動してセンサ挿入口5を開放することが出来る。特に、本実施の形態では、傾斜面13aは、回動軸70a方向から見て、その外周側の端が内周側の端よりも、センサ挿入口5を開放する際の回動部70の回転方向側に位置するように傾斜されている。
【0048】
開閉板10の横方向の寸法を、センサ挿入口5の横方向の寸法よりも長くすることにより、毛細管現象により開閉板10の左右方向に伝わった液体が、接続端子20に落下することを抑制することが出来る。
コイルバネ部11cが軸部8の外周に装着されていることにより、閉成部D,Eを伝って外方に広がった液体が、コイルバネ部11cの線間に形成される毛細管を伝って、更に外方に広がることになるため、接続端子20への液体の落下をより抑制することが出来る。
バネ11を金属で形成することにより、毛細管作用を強く発揮させることが出来、更に、金属面を表出させることにより、より強く毛細管作用を発揮させることが出来る。
【0049】
(実施の形態2)
[生体試料測定装置の構成]
図20において、101は、直方体形状の本体ケースを示している。この本体ケース101の前面側にはセンサ102を挿入するためのセンサ挿入口103が設けられている。また、この本体ケース101の上面には、測定した血糖値(生体情報の一例)を表示する表示部104が設けられている。
【0050】
尚、本明細書の本体ケース101では、本体ケース101の表示部104が設けられている面側を上方(上側)とし、表示部104の反対面側を下方(下側)とし、センサ挿入口103が設けられている側を前方(前側)とし、その反対側を後方(後側)とする。また、センサ102が挿入される方向と直交する方向であって、表示部104が設けられている上面と平行な方向を横方向とする。
【0051】
さらに、本体ケース101の側面には、操作体挿入部の一例として円筒状のジャック105が設けられている。
本体ケース101内のセンサ挿入口103の奥側には、
図22、及び
図23に示すように、接続端子106が設けられ、この接続端子106には、制御部(図示せず)が接続されている。
また、
図21、及び
図22に示すように、本体ケース101内のセンサ挿入口103と接続端子106間には、センサ挿入口103を開閉するシャッター107が設けられている。
【0052】
<シャッター107の構成>
このシャッター107は、
図22、
図23及び
図26に示すように、一枚の板状の部材を折り曲げた形状であり、側面視において略L字形状に形成されている。
【0053】
本体ケース101の前方から見た場合、センサ挿入口103と同じ形状の凹部107aが設けられている。
図22に示すように、センサ挿入口103にセンサ102を挿入する時には、センサ挿入口103と凹部107aが合致し、その結果として、センサ102を接続端子106に向けて挿入することが出来る。尚、センサ102の一端側には、電極部102aが設けられている。このセンサ102を電極部102a側から本体ケース101内に挿入すると、電極部102aが接続端子106によって上方から押さえられる。このように電極部102aが接続端子106によって上方から押さえられることにより、電極部102aと接続端子106が電気的に接続されると共に、センサ102が本体ケース101に保持される。
【0054】
<シャッター107及びシャッター駆動機構108の構成>
図21から
図26に示すように、本体ケース101内には、シャッター107を開閉させるシャッター駆動機構108が設けられている。
具体的には、シャッター107は、
図22に示すように、板バネ109によって常時上方に付勢されており、その状態において、シャッター107の後端には、シャッター駆動機構108の駆動部110が当接している。駆動部110の先端部の下側には、後方から前方へ向けて、下方から上方に傾斜した傾斜部111が設けられており、この傾斜部111の上端が通常使用状態においては、シャッター107の後端に当接した状態となっている。
【0055】
更に詳細に説明すると、
図23に示すように、側面視L字形状のシャッター107は、センサ102の挿入方向と実質上平行に配置され、後述するバネ109に下方から支持されている支持部122と、支持部122の前端から下方に向かって配置された開閉部123とを有している。この支持部122に駆動部110が当接している。又、開閉部123の下端部に、上述した凹部107aが形成されている。
【0056】
図23に示すように、駆動部110の先側の傾斜部111の上端には、前方に向かって突出した突出部120が形成されている。通常使用状態では、この突出部120の下面120aとシャッター107の支持部122の上面122aが当接することにより、シャッター107の板バネ109による上方への移動が規制されている。また、シャッター107の支持部122の後端部の上側には、後方から前方へ向けて、下方から上方に傾斜した傾斜部121が設けられており、この傾斜部121に、上方から傾斜部111が当接している。尚、通常使用状態とは、センサ102を挿入して生体情報の一例である血糖の測定を行っている状態をいう。
【0057】
つまり、この状態においては、
図22及び
図23に示すように、シャッター107は、板バネ109によって上方に付勢され、その結果として、シャッター107の凹部107aとセンサ挿入口103が合致し、これにより、センサ102を接続端子106にスムーズに挿入することが出来る。
また、
図21、
図25、及び
図26に示すように、駆動部110の後端側には、軸112を介して二つのレバー113、114が連結されている。これら二つのレバー113、114は、軸112を中心にして回動可能に構成されている。この内、レバー113の後端には、連結部材124を介してコイルバネ115が連結されている。このコイルバネ115は、シャッター107を開放方向へ付勢する付勢体の一例に対応し、その一端が連結部材124に連結されており、他端が本体ケース101の内側面に固定されている。また、レバー114の後端には、外部電送ピン116(後述する)をジャック105に挿入した際に、外部電送ピン116によって本体ケース101の内側方向に押される被操作部117が連結されている。
【0058】
このような構成により、
図26に示すように、レバー113ならびに突起113aは、コイルバネ115の圧縮方向へと引っ張られ、それに伴い、軸112を介して駆動部110の先端側が、
図22の状態(後方)に引っ張られる。その結果として、上述のように、シャッター107の凹部107aとセンサ挿入口103が合致する。これにより、センサ102を接続端子106にスムーズに挿入することが出来るようになる。
【0059】
尚、
図21に示すように、レバー113の上面にはレバー113のコイルバネ115側をセンサ挿入口103に対して直交し、本体ケース101の上面と平行な方向(横方向)に移動させるための突起113aが設けられており、この突起113aは本体ケース101に設けた案内溝211a内を移動するように構成されている。又、被操作部117の前側と後側には、横方向に被操作部117を案内するための案内部材125が設けられており、被操作部117が、センサ102の挿入方向に対して直行し、本体ケース101の上面と平行な方向(横方向)に移動するように構成されている。
【0060】
[生体試料測定装置の動作]
さて、本実施の形態における円筒状のジャック105には、
図24に示すように、この生体試料測定装置の測定データを外部に電送するための外部電送ピン(操作体の一例)116が挿入される。
この時は、すでにセンサ102による血糖値の測定が終了しているので、ジャック105に外部電送ピン116を挿入する動作は、センサ挿入口103からセンサ102は抜き去られた状態で行われる。
【0061】
図24に示すように、この生体試料測定装置の測定データを外部に電送するための外部電送ピン(操作体の一例)116が、ジャック105に挿入されると、外部電送ピン116の先端によって、レバー114に連結した被操作部117が押される(矢印S参照)。この押された状態が、
図26に示す状態(図面の煩雑化を避けるために外部電送ピン116は図示せず)であり、この結果、レバー114は押され、それに伴い駆動部110が、
図26に示すように、前方に押される(矢印T参照)。この時、コイルバネ115は伸長する。
【0062】
一方、外部電送ピン116がジャック105から引き抜かれ、外部伝送ピン116による被操作部117への付勢が解除された時には、コイルバネ115の付勢力により駆動部110は後方に引き戻される。
つまり、駆動部110の先端には傾斜部111が設けられており、シャッター107の後端には、傾斜部121が設けられているので、駆動部110が前方に押されると、傾斜部111によって、シャッター107は下方に板バネ109を圧縮しながら移動させられる。この結果として、この
図27に示すように、センサ挿入口103は、シャッター107によって閉じられる。尚、駆動部110の前後方向への移動量によって、シャッター107の開閉(上下)方向へのストロークが決定される。すなわち、外部電送ピン116をジャック105に挿入した際の駆動部110の前方への移動量が多くなるように構成すると、シャッター107の下方への移動量が多くなり、開閉方向へのストロークが長くなる。
【0063】
また、
図24に示すように、ジャック105の本体ケース101の開口部105aは、外部電送ピン116によって覆われた状態となる。すなわち、開口部105aは、挿入された状態における外部電送ピン116の本体ケース101外に配置している部分116aによって覆われる。
【0064】
[作用効果]
すなわち、本実施の形態においては、本体ケース101内のセンサ挿入口103と接続端子106間に、シャッター107を設けたので、このセンサ挿入口103にセンサ102を挿入する時に、シャッター107に手が触れることを抑制でき、センサ挿入操作性が向上し、結論として、使い勝手がよくなる。
【0065】
また、本実施の形態においては、本体ケース101内に設けたシャッター駆動機構108を駆動させる外部電送ピン(操作体の一例)116を、本体ケース101外から挿入するジャック(操作体挿入部の一例)105を設けたので、シャッター107を閉成する作業は、ジャック(操作体挿入部の一例)105に外部電送ピン(操作体の一例)116を挿入するだけで行うことができ、この点からも使い勝手が良くなる。
【0066】
さらに、本実施の形態においては、ジャック(操作体挿入部の一例)105の本体ケース101外における開口部105aは、このジャック(操作体挿入部の一例)105に挿入される外部電送ピン(操作体の一例)116の本体ケース101の外側に配置される部分116aによって覆われる構成としたので、センサ挿入口103だけでなく、ジャック(操作体挿入部の一例)105も覆われた状態となる。この結果、本体ケース101を、消毒液で洗浄を行う時に、その消毒液が本体ケース101内に浸入することも抑制できる。
【0067】
[他の実施の形態]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施の形態1では、
図6に示すように、被操作部12は、開閉板10に設けられていたが、この構成に限らなくても良く、軸部8、9等に設けられていても良い。
【0068】
上記実施の形態2では、操作体の一例として外部電送ピン116が挙げられているが、外部電送ピン116に限らなくても良い。すなわち、外部電送の機能を有しておらず、被操作部117を押すことが可能な部材であればよく、更に開口部105aを覆うことが可能な部材である方がより好ましい。又、操作体の開口部105aを覆う部分に、開口部105aの縁を封止するシール部材が設けられていても良い。シール部材を設けることで、消毒液などの浸入をより抑制することが出来る。
【0069】
又、実施の形態2では、シャッター107の後端の傾斜部121が形成されていると説明したが、形成されていなくてもよい。ただし、駆動110及びシャッター107の移動をよりスムーズに行うために、傾斜部121が形成されていた方がより好ましい。