特許第5855250号(P5855250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5855250イミダゾオキサジン化合物による抗腫瘍効果増強剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5855250
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】イミダゾオキサジン化合物による抗腫瘍効果増強剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5365 20060101AFI20160120BHJP
   C07D 498/14 20060101ALI20160120BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20160120BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160120BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160120BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160120BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20160120BHJP
【FI】
   A61K31/5365
   C07D498/14CSP
   C07D498/04 112Q
   A61K45/00
   A61P35/00
   A61P43/00 121
   A61K31/337
【請求項の数】11
【全頁数】68
(21)【出願番号】特願2014-523736(P2014-523736)
(86)(22)【出願日】2013年7月1日
(86)【国際出願番号】JP2013068054
(87)【国際公開番号】WO2014007217
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】特願2012-148850(P2012-148850)
(32)【優先日】2012年7月2日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-215902(P2012-215902)
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207827
【氏名又は名称】大鵬薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 恵
【審査官】 澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−535847(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/148916(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0319354(US,A1)
【文献】 LOPICCOLO,J. et al,Targeting the PI3K/Akt/mTOR pathway: effective combinations and clinical considerations,Drug Resist Updat,2008年,Vol.11,p.32-50
【文献】 HIRAI,H. et al,MK-2206, an allosteric Akt inhibitor, enhances antitumor efficacy by standard chemotherapeutic agent,Mol Cancer Ther,2010年 6月22日,Vol.9, No.7,p.1956-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D201/00−521/00,
A61K9/00−9/72,
A61K31/33−31/80,
A61K47/00−47/48,
A61P1/00−43/00
CAplus (STN),
REGISTRY(STN),
MEDLINE (STN),
EMBASE (STN),
BIOSIS (STN)
JSTPlus (JDreamIII),
JMEDPlus(JDreamIII),
JST7580 (JDreamIII),
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(式中、A、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示すか、或いは前記A、B、C、Dのうちいずれか1又は2つがN原子に置換されていることを示し、R1a、R1b、R1c、R1dのうち少なくとも2つが水素原子を示し、他方がそれぞれハロゲン原子;シアノ基;置換基としてヒドロキシル基を有してもよいC1-6アルキル基;C1-6アルコキシ基;置換基としてヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノ基又はモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノ基のいずれかを有するカルボニル基;若しくは不飽和複素環基を示し、
R2は、フェニル基、ピリジル基、又はチエニル基を示し、
R3は、水素原子、メチル基、エチル基、又はシクロプロピル基を示し、
R4は、水素原子、又はヒドロキシ基を示す。)
で表されるイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤。
【請求項2】
A、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示すか、或いは前記A、B、C、Dのうちいずれか1又は2つがN原子に置換されていることを示し、
R1a、R1b、R1c、R1dのうち少なくとも2つが水素原子を示し、他方がそれぞれ塩素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、エトキシアミノカルボニル基、ピラゾリル基を示し、
R2は、フェニル基、ピリジル基、又はチエニル基を示し、
R3は、水素原子、メチル基、エチル基、又はシクロプロピル基を示し、
R4は、水素原子、又はヒドロキシ基を示す、請求項1に記載の抗腫瘍効果増強剤。
【請求項3】
次の(a)〜(t)のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその塩を有効成分とする他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤。
(a)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(b)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(c)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(d)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(e)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(f)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(8-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(g)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(h)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(i)トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(j)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(k)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e] [1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(l)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(m)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(n)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(o)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラジノ[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(p)トランス-3-アミノ-3-(4-(9-(ヒドロキシメチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
(q)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボニトリル
(r)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-9-(1H-ピラゾール-5-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(s)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
(t)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
【請求項4】
他の抗腫瘍剤が、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、イリノテカン、ドキソルビシン、エベロリムス、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、メトフォルミン、ドセタキセル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍効果増強剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを組み合わせてなる抗腫瘍薬。
【請求項6】
他の抗腫瘍剤が、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、イリノテカン、ドキソルビシン、エベロリムス、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、メトフォルミン、ドセタキセル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤のいずれかである請求項5記載の抗腫瘍薬。
【請求項7】
他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤の製造のための請求項1〜3のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項8】
他の抗腫瘍剤と組み合わせてなる抗腫瘍薬の製造のための、請求項1〜3のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項9】
他の抗腫瘍剤が、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、イリノテカン、ドキソルビシン、エベロリムス、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、メトフォルミン、ドセタキセル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤のいずれかである請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む腫瘍の予防及び/又は治療のための医薬組成物。
【請求項11】
腫瘍を予防及び/又は治療する際に同時に、逐次的に、又は間隔をあけて使用するための組み合わせ製剤としての、請求項1〜3のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連分野の相互参照)
(技術分野)
本願は、2012年7月2日に出願した特願2012-148850号明細書及び2012年9月28日に出願した特願2012-215902の優先権の利益を主張するものである。これらの文献はその全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、抗腫瘍の効果増強剤、他の抗腫瘍剤と組み合わせてなる抗腫瘍薬に関する。
【背景技術】
【0003】
抗腫瘍剤のターゲットは多岐に亘っており、大きくは、アルキル化薬、白金化合物、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管阻害薬、抗腫瘍性抗生物質、分子標的薬等に分類される。そして近年では、抗腫瘍剤を単独で投与するのではなく、併用療法が広く行なわれるに至っている。
【0004】
AKTは受容体型チロシンキナーゼシグナルを受けて活性化するホスファチジルイノシトール3リン酸キナーゼ(PI3キナーゼ)の下流で働くセリンスレオニンキナーゼである。AKTは多くの癌(腎細胞癌、胃癌、乳癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、肝細胞癌、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病、頭頸部癌、メラノーマ等)において高頻度で活性化、もしくは高発現しており、一部の癌においては遺伝子の増幅や活性型変異も報告されている(非特許文献1)。AKTの機能として、AKTは細胞増殖、アポトーシス抵抗性、血管新生、転移及び浸潤、さらには糖代謝及び脂質代謝など腫瘍形成にとって重要な役割を担っていることが報告されている(非特許文献2)。AKTはさらには既存の抗腫瘍剤による治療に対して不応答、あるいは耐性を示す腫瘍においても高い発現が報告され、AKT阻害剤の分子標的抗腫瘍剤も含め既存の抗腫瘍剤との併用による効果が期待されている。(非特許文献3)
例えばAKT阻害剤であるMK-2206とドセタキセルとの併用療法が報告されている(非特許文献4、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開第2011/0319354号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Annals of Oncology 21,p683-691(2010)
【非特許文献2】Cell 129,p1261-1274(2007)
【非特許文献3】Drug Resistance Updates 11,p32-50(2008)
【非特許文献4】Mol.Cancer Ther. 9,p1956-1967(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いかなる抗腫瘍剤と抗腫瘍剤とを併用した場合に、それらの抗腫瘍効果が増強されるのか、あるいは抗腫瘍効果が増強される場合であっても、それぞれの毒性が増強されることがないのか等については全く不明であり、予測不可能である。
【0008】
本発明の課題は、2種の抗腫瘍剤の併用により、併用する抗腫瘍剤の副作用を顕著に増悪することなく、それらの抗腫瘍効果が増強される組み合わせを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、AKT阻害剤の一種に着目して、当該化合物と他の抗腫瘍剤とを併用した場合の作用を検討してきたところ、下記式(I)で表されるイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩が、強力なAKT阻害剤として作用し、他の抗腫瘍剤との併用において、優れた抗腫瘍効果増強作用によって効果域や抗腫瘍スペクトラムを拡大することを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明の一態様によれば、
一般式(I)
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、A、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示すか、或いは前記A、B、C、Dのうちいずれか1又は2つがN原子に置換されていることを示し、
R1a、R1b、R1c、R1dのうち少なくとも2つが水素原子を示し、他方がそれぞれ
ハロゲン原子;シアノ基;置換基としてヒドロキシル基を有してもよいC1-6アルキル基;C1-6アルコキシ基;置換基としてヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノ基又はモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノ基のいずれかを有するカルボニル基;若しくは不飽和複素環基を示し、
R2は、フェニル基、ピリジル基、又はチエニル基を示し、
R3は、水素原子、メチル基、エチル基、又はシクロプロピル基を示し、
R4は、水素原子、又はヒドロキシ基を示す。)
で表されるイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤が提供される。
【0013】
一つの実施形態では、A、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示すか、或いは前記A、B、C、Dのうちいずれか1又は2つがN原子に置換されていることを示し、
R1a、R1b、R1c、R1dのうち少なくとも2つが水素原子を示し、他方がそれぞれ塩素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、エトキシアミノカルボニル基、ピラゾリル基を示し、
R2は、フェニル基、ピリジル基、又はチエニル基を示し、
R3は、水素原子、メチル基、エチル基、又はシクロプロピル基を示し、
R4は、水素原子、又はヒドロキシ基を示す。
【0014】
別の実施形態では、次の(a)〜(t)のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその塩を有効成分とする他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤が提供される。
(a)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(b)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(c)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(d)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(e)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(f)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(8-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(g)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(h)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(i)トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(j)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(k)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e] [1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(l)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(m)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(n)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(o)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラジノ[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(p)トランス-3-アミノ-3-(4-(9-(ヒドロキシメチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
(q)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボニトリル
(r)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-9-(1H-ピラゾール-5-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(s)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
(t)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
別の実施形態では、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを組み合わせてなる抗腫瘍薬が提供される。
【0015】
別の実施形態では、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果を増強するための、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0016】
別の実施形態では、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤の製造のための上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の実施形態では、他の抗腫瘍剤と組み合わせてなる抗腫瘍薬の製造のための、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0017】
別の実施形態では、他の抗腫瘍剤が、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、イリノテカン、ドキソルビシン、エベロリムス、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、メトフォルミン、ドセタキセル、又はテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤のいずれかである。
【0018】
別の実施形態では、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む腫瘍の予防及び/又は治療のための医薬組成物が提供される。
【0019】
別の実施形態では、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩を、治療及び/又は予防に有効な量を患者に投与することからなる、抗腫瘍効果増強方法が提供される。
【0020】
別の実施形態では、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを組み合わせて、治療及び/又は予防に有効な量を患者に投与することからなる、腫瘍の予防及び/又は治療方法が提供される。
【0021】
別の実施形態では、腫瘍を予防及び/又は治療する際に同時に、逐次的に、又は間隔をあけて使用するための組み合わせ製剤としての、上記のいずれかに記載のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む製品が提供される。
【発明の効果】
【0022】
イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩は、各種の抗腫瘍剤と併用することにより、これら抗腫瘍剤の効果を増強する。すなわち、1)イミダゾオキサジン(I)は、併用する抗腫瘍剤単剤の副作用を顕著に増悪しないことから、併用する抗腫瘍剤の効果用量を減量することなく、それぞれの薬剤単剤における最大効果発揮用量同士での併用が可能であり、2)併用する抗腫瘍剤の薬剤感受性に関わらず、該併用薬剤の抗腫瘍効果を増強し、さらに3)その抗腫瘍効果は、イミダゾオキサジン化合物(I)自身が抗腫瘍効果を示さない低用量においても認められる。以上の結果、本発明は、癌治療効果域の拡大、治療効果の向上等、臨床上の有用性の高い治療方法の提供に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 8mg/kg/day、及び16mg/kg/day、及び24mg/kg/dayとパクリタキセルとの併用効果
図2】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 8mg/kg/day、及び16mg/kg/day、及び24mg/kg/dayとパクリタキセル併用時の体重変化
図3】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 8mg/kg/day、及び16mg/kg/day、及び24mg/kg/dayとパクリタキセルとの併用効果
図4】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 8mg/kg/day、及び16mg/kg/day、及び24mg/kg/dayとパクリタキセル併用時の体重変化
図5】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとカルボプラチンとの併用効果
図6】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとカルボプラチン併用時の体重変化
図7】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとラパチニブとの併用効果
図8】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとラパチニブ併用時の体重変化
図9】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとイリノテカンとの併用効果
図10】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとイリノテカン併用時の体重変化
図11】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとドキソルビシンとの併用効果
図12】ヒト卵巣癌株A2780皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとドキソルビシン併用時の体重変化
図13】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとエベロリムスとの併用効果
図14】ヒト胃癌株NCI-N87皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/dayとエベロリムス併用時の体重変化
図15】ヒト胃癌株4-1ST皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/day(A)、及び24mg/kg/day(B)とTS-1の併用効果
図16】ヒト胃癌株4-1ST皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/day(A)、及び24mg/kg/day(B)とTS-1併用時の体重変化
図17】ヒト胃癌株4-1ST皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/day(A)、及び24mg/kg/day(B)とトラスツズマブの併用効果
図18】ヒト胃癌株4-1ST皮下移植系(ヌードマウス)に対するcompound-I 16mg/kg/day(A)、及び24mg/kg/day(B)とトラスツズマブ併用時の体重変化
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で使用する用語「組み合わせ」とは、患者における腫瘍を予防及び/又は治療するのに十分なレベルで、本発明のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩と他の抗腫瘍剤とを、単一の組成物として又は2つの別々の組成物として同時に使用又は投与したり、2つの別々の組成物として逐次的に又は間隔をあけて使用又は投与したりできることを意味する。本発明のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩は、他の抗腫瘍剤の前、同時、又は後に使用又は投与されてもよい。
【0025】
下記式(I)で表される本発明のイミダゾオキサジン化合物又はその薬学的に許容される塩は、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強作用を有する。
【0026】
【化2】
【0027】
一般式(I)中、A、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示すか、或いは前記A、B、C、Dのうちいずれか1又は2つがN原子に置換されていることをそれぞれ示す(N原子に置換されていないA、B、C、及びDは、それぞれC-R1a、C-R1b、C-R1c、及びC-R1dを示す)。
【0028】
R1a、R1b、R1c、R1dのうち少なくとも2つが水素原子を示し、他方がそれぞれハロゲン原子;シアノ基;置換基としてヒドロキシル基を有してもよいC1-6アルキル基;C1-6アルコキシ基;置換基としてヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノ基又はモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノ基のいずれかを有するカルボニル基;若しくは不飽和複素環基を示す。
【0029】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、又はヨウ素原子が例示され、好ましくは塩素原子、又はフッ素原子である。
【0030】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表される「置換基としてヒドロキシル基を有してもよいC1-6アルキル基」のC1-6アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基等を示し、好ましくはC1-3アルキル基であり、より好ましくはメチル基である。ヒドロキシル基(置換基)の数は、0個〜2個、好ましくは0個又は1個である。
【0031】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表される「C1-6アルコキシ基」は、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、又はtert-ブトキシ基等を示し、好ましくはC1-3アルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基である。
【0032】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表される「置換基としてヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノ基、又はモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノ基のいずれかを有するカルボニル基」の「置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基」のモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基は、上記のC1-6アルキル基を1又は2個有するアミノカルボニル基を示し、好ましくはモノ又はジ(C1-3アルキル)アミノカルボニル基であり、より好ましくはメチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、又はエチルアミノカルボニル基である。置換基としては好ましくはヒドロキシル基である。置換基を有する場合、置換基の数は1個が好ましい。
【0033】
またモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノカルボニル基は、上記のC1-6アルコキシ基を1又は2個有するアミノカルボニル基を示し、好ましくはモノ又はジ(C1-3アルコキシ)アミノカルボニル基であり、より好ましくはエトキシアミノカルボニル基である。
【0034】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表される「置換基としてヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ又はジ(C1-6アルキル)アミノ基、又はモノ又はジ(C1-6アルコキシ)アミノ基のいずれかを有するカルボニル基」として特に好ましくは、カルボキシル基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、又はエトキシアミノカルボニル基である。
【0035】
R1a、R1b、R1c、又はR1dで表される「不飽和複素環基」としては、N、S、Oのいずれかのヘテロ原子を1〜4個有する単環性又は二環性の5〜10員の不飽和複素環基を示し、例えばイミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、又はキノキサリル基等が例示され、好ましくはピラゾリル基を示す。
【0036】
さらに、式(I)で表される化合物の好ましい具体例としては、次の化合物が挙げられる。
(a) トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(b)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(c)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(d)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(e)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(f)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(8-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(g)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(h)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(i)トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(j)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(k)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e] [1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(l)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(m)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(n)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(o)トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラジノ[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(p)トランス-3-アミノ-3-(4-(9-(ヒドロキシメチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
(q)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボニトリル
(r)トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-9-(1H-ピラゾール-5-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
(s)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
(t)2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
イミダゾオキサジン化合物(I)の薬学的に許容される塩は、イミダゾオキサジン化合物(I)の望ましい薬理活性を有する塩であって、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される塩基又は酸から調製される塩を意味する。
【0037】
イミダゾオキサジン化合物(I)の薬学的に許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、グルタミン酸などの有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの無機塩基や、メチルアミン、エチルアミン、メグルミン、エタノールアミンなどの有機塩基、又はリジン、アルギニン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩やアンモニウム塩が挙げられる。また、イミダゾオキサジン化合物(I)には、光学異性体も含まれ、水和物も含まれる。
【0038】
本発明により抗腫瘍効果増強作用を示すイミダゾオキサジン化合物(I)は、例えば下記の製造方法又は実施例に示す方法により製造することができる。ただし、本発明に係る化合物の製造方法はこれらの例に限定されるものではない。

本発明の化合物(I)は、例えば下記製造方法A、製造方法Bを用いて製造することができる。
<製造方法A>
【0039】
【化3】
【0040】
[式中、L1、L2、L3及びL4は、同一または異なって脱離基を示し、その他の記号は前記と同意義である]
【0041】
<第1工程>
本工程はアルデヒド化合物1から化合物2を得る方法である。
【0042】
出発化合物1は市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
第1工程は、文献記載の方法(例えば、J. Med. Chem., Vol.46, p.5416, 2003、J. Org. Chem.、Vol.68, p.5415、2003)それに準じた方法又はこれらと常法とを組み合わせることにより行うことができる。
【0043】
例えばアンモニア水、グリオキサール水溶液を用いた反応の場合、用いられるアンモニア水は、化合物1に対して、1〜10当量である。またグリオキサール水溶液の量は、化合物1に対して、1〜10当量である。
【0044】
溶媒としてはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、水などを単一又は混合して用いることができる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜100℃である。
【0045】
このようにして得られる化合物2は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0046】
<第2工程>
本工程は、塩基存在下、化合物2と化合物3とのアルキル化反応であり、化合物4を得る方法である。
【0047】
化合物3においてL1、L2は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示され、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
【0048】
化合物3は化合物2に対して1〜100当量用いることができ、好ましくは1〜10当量である。
【0049】
塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム等の無機塩基やトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4-(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が挙げられ、1〜100当量用いることができ、好ましくは2〜10当量である。
【0050】
溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、N−メチルピロリジン-2-オン、アセトニトリル、水などを単一又は混合して用いることができる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜100℃である。
【0051】
このようにして得られる化合物4は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0052】
<第3工程>
本工程は化合物5から化合物6を得る方法である。
【0053】
化合物5においてL3は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示され、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
【0054】
第3工程は、第1工程と同様の方法により行うことができる。
【0055】
<第4工程>
本工程は、塩基存在下、化合物6とホルムアルデヒドとの反応であり、化合物4を得る方法である。
【0056】
ホルムアルデヒドは化合物6に対して1〜100当量用いることができ、好ましくは1〜10当量である。ホルムアルデヒドは水溶液又はパラホルムアルデヒドを使用することができる。
【0057】
塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウム tert-ブトキシド等の塩基が挙げられ、1〜100当量用いることができ、好ましくは2〜10当量である。
【0058】
溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、N−メチルピロリジン-2-オン、アセトニトリル、水などを単一又は混合して用いることができる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜100℃である。
【0059】
このようにして得られる化合物4は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0060】
<第5工程>
本工程は化合物4に、例えばハロゲン化剤を作用させることによりハロゲン化し(L4=Cl,Br又はI)、化合物7を得る方法である。ハロゲン化の方法としては、通常公知の方法に準じて行うことができ、例えば、反応に悪影響を及ぼさない反応溶媒中で実施できる。このようにして得られる化合物7は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0061】
<第6工程>
本工程は、化合物7を、アリールボロン酸又はアリールボロン酸エステル、不飽和複素環−ボロン酸又は不飽和複素環−ボロン酸エステルとカップリング反応させることにより、化合物8を得る方法である。
【0062】
本工程は、通常公知の方法(例えば、Chemical Reviews, Vol.95, p.2457, 1995)に準じて行うことができ、例えば、遷移金属触媒及び塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施できる。
【0063】
アリールボロン酸又はアリールボロン酸エステル、不飽和複素環−ボロン酸又は不飽和複素環−ボロン酸エステルとしては、その使用量は、化合物7に対して、1〜10当量用いることができ、好ましくは1〜3当量である。
【0064】
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等)、ニッケル触媒(例、塩化ニッケル等)等が用いられ、必要に応じて、リガンド(例、トリフェニルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン等)を添加し、金属酸化物(例、酸化銅、酸化銀等)等を共触媒として用いても良い。遷移金属触媒の使用量は、触媒の種類により異なるが、化合物7(1モル)に対して、通常約0.0001〜1モル、好ましくは約0.01〜0.5モル程度、リガンドの使用量は、化合物7(1モル)に対して、通常約0.0001〜4モル、好ましくは約0.01〜2モル程度、共触媒の使用量は、化合物7(1モル)に対して、通常約0.0001〜4モル、好ましくは約0.01〜2モル程度である。
【0065】
塩基としては、例えば、有機アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザピシクロ[5,4,0]ウンデカ-7−エン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等)、アルカリ金属塩(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、金属水素化物(例、水素化カリウム、水素化ナトリウム等)、アルカリ金属アルコキシド、(例、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert− ブトキシド等)、アルカリ金属ジシラジド(例、リチウムジシラジド、ナトリウムジシラジド、カリウムジシラジド等)等が挙げられる。なかでも、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウム tert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン類等が好適である。塩基の使用量は、化合物7(1モル)対して、通常0.1〜10モル、好ましくは約1〜5モル程度である。
【0066】
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エーテル類(例、ジメトキエタン、テトラヒドロフラン等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水あるいはそれらの混合物等が挙げられる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0℃〜150℃である。
【0067】
このようにして得られる化合物8は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0068】
<製造方法B>
【0069】
【化4】
【0070】
[式中、L5は、同一または異なって脱離基を示し、Pは保護基を示し、その他の記号は前記と同意義である]
【0071】
<第7工程>
第7工程は、第5工程と同様の方法により行うことができる。
【0072】
<第8工程>
本工程は、化合物8のA〜Dのいずれかについて、通常公知の方法を用いてカップリング反応等を行い、A1〜D1のいずれかに変換する方法である。
【0073】
化合物8のA〜Dのいずれかが、ハロゲン等の脱離基を有する場合、遷移金属触媒下、カップリング反応させることによって、化合物10を得る。
【0074】
ハロゲン原子などの脱離基のシアノ基への変換の場合、シアン化亜鉛を使用する。芳香族環またはヘテロ芳香族環への変換の場合、市販品又は、公知の方法に準じて製造することができるボロン酸、又はボロン酸エステルを使用する。
【0075】
エステル基への変換の場合、一酸化炭素を使用する。
【0076】
このようにして得られる化合物10は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0077】
<第9工程>
第9工程は、第5工程と同様の方法により行うことができる。
【0078】
<第10工程>
本工程は、化合物9と化合物12とのカップリング反応により、化合物13を得る方法である。
【0079】
化合物12は、文献記載の方法(例えば、国際公開2008-070016号公報、国際公開2009-148877号公報、国際公開2009-148916号公報、国際公開2010-088177号公報、国際公開2010-114780号公報、国際公開2010-104933号公報)若しくはこれらの方法に準じる方法により製造することができる。
【0080】
本工程は、第6工程と同様の方法により行うことができる。
【0081】
このようにして得られる化合物13は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0082】
<第11工程>
本工程は、化合物9のA〜Dのいずれかを通常公知の方法を用いて官能基変換反応等を行い、A2〜D2のいずれかに変換する方法である。
【0083】
化合物9のA〜Dのいずれかがエステル基を有する場合、通常公知の還元反応を用いることにより、アルコール体に変換して化合物11を得る。
【0084】
このようにして得られる化合物11は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0085】
<第12工程>
第12工程は、第10工程と同様の方法により行うことができる。
【0086】
<第13工程>
本工程は、化合物13のA〜Dのいずれかがエステル基を有する場合、塩基性条件下、加水分解によって化合物14を得る方法である。
【0087】
塩基としては炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を1〜100当量用いることができ、好ましくは1〜30当量である。
【0088】
溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを単一又は混合して用いることができる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0℃〜100℃である。
【0089】
このようにして得られる化合物14は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0090】
<第14工程>
本工程は化合物14を、有機溶媒中、アミンとアミド化反応を行い、化合物13を得る方法である。
【0091】
アミド化の方法は、従来公知の方法によって行うことが可能であり、化合物14と対応するアミンとの縮合剤の存在下で反応させる方法が例示される。(「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫他、丸善株式会社、1983年)を参照)。このようにして得られる化合物13は、公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
【0092】
<第15工程>
本工程は、化合物13のアミノ基保護を脱保護して化合物(I)を得る方法である。脱保護の方法としては、通常公知の方法、例えばProtective Groups in Organic Synthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法、又はそれに準じる方法により行うことができる。
【0093】
保護基としてはtert-ブチルオキシカルボニル、フタルイミド等が例示される。例えば、保護基としてtert−ブチルオキシカルボニル基を用いた場合、酸性条件下での脱保護が好ましく、酸としては塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、トシル酸等が挙げられる。
【0094】
酸の使用量は、化合物12に対して、好ましくは約1〜100当量である。
【0095】
反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、アルコール類(例、メタノール等)炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなど)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、など)あるいはそれらの混合物が用いられる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0〜100℃であり、好ましくは0〜50℃である。
【0096】
また保護基としてフタルイミド基を用いた場合は、ヒドラジン処理を行うことができる。ヒドラジンの使用量としては化合物12に対して、好ましくは1〜100当量である。
【0097】
反応はマイクロウェーブ反応装置等を用いて加熱反応させることにより合成でき、反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリルなど)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなど)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、など)あるいはそれらの混合物が用いられる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0〜200℃であり、好ましくは0〜150℃である。
【0098】
このようにして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
【0099】
イミダゾオキサジン化合物(I)は、優れたAKT阻害作用を有し、副作用の軽減された抗腫瘍剤であるが、種々の他の抗腫瘍剤(以下、抗腫瘍剤Aという)と併用した場合に、顕著な毒性の増悪を示すことなく,その抗腫瘍剤Aの抗腫瘍効果を増強する作用を有する。
【0100】
イミダゾオキサジン化合物(I)により、その作用が増強される抗腫瘍剤Aは特に限定されないが、例えばドキソルビシン、エピルビシン等の抗腫瘍性抗生物質;シクロフォスファミド、ニムスチン等のアルキル化剤;シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン等のプラチナ製剤;5−フルオロウラシル(5−FU)、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(すなわちテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含む配合剤)(TS−1、一般名「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤」(商品名:「ティーエスワン」))、テガフール・ウラシル(すなわちテガフール及びウラシルを含む配合剤)(UFT、一般名「テガフール・ウラシル配合剤」(商品名:「ユーエフティ」))、カペシタビン、ドキシフルリジン、5−フルオロ−2’−デオキシウリジン(FdUrd)、ゲムシタビン、シタラビン等のピリミジン系代謝拮抗剤;フルダラビン、クラドリビン、ネララビン等のプリン系代謝拮抗剤;ペメトレキセド、メトトレキサート等の葉酸代謝拮抗剤;パクリタキセル(商品名:「タキソール、アブラキサン」等)、ドセタキセル、イリノテカン、ビンクリスチン等の植物アルカロイド系抗腫瘍剤;ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、セルメチニブ、トラメチニブ、ソラフェニブ、アファチニブ、レゴラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ等の等の低分子分子標的薬;トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、ベルツズマブ、リツキシマブ等の抗体分子標的薬、メトフォルミン、デキサメサゾン、サリドマイド、レナリドマイド等が挙げられる。
【0101】
イミダゾオキサジン化合物(I)により、その作用が増強される抗腫瘍剤Aとしては、パクリタキセル、カルボプラチン、ラパチニブ、イリノテカン、ドキソルビシン、エベロリムス、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)、メトフォルミン、ドセタキセル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤が好ましい。
【0102】
イミダゾオキサジン化合物(I)が、その作用が増強される抗腫瘍剤Aと共に治療できる悪性腫瘍としては特に制限はないが、例えば頭頸部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝細胞癌、胆嚢及び胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨及び軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、並びに脳腫瘍等が挙げられる。
【0103】
一実施形態において、本発明は、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤に関する。
【0104】
別の実施形態において、本発明は、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤との組み合わせてなる抗腫瘍薬に関する。
【0105】
別の実施形態において、本発明は、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む腫瘍の予防及び/又は治療のための医薬組成物に関する。
【0106】
別の実施形態において、本発明は、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果を増強するための上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0107】
別の実施形態において、本発明は、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果増強剤の製造のための上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0108】
別の実施形態において、本発明は、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を、治療及び/又は予防に有効な量を患者に投与することからなる、抗腫瘍効果増強方法に関する。
【0109】
別の実施形態において、本発明は、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを組み合わせて、治療及び/又は予防に有効な量を患者に投与することからなる、腫瘍の予防及び/又は治療方法に関する。
【0110】
別の実施形態において、本発明は、腫瘍を予防及び/又は治療する際に同時に、逐次的に、又は間隔をあけて使用するための組み合わせ製剤としての、上記イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、他の抗腫瘍剤とを含む製品に関する。
【0111】
イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、抗腫瘍剤Aとを組み合わせれば、抗腫瘍効果が増強された抗腫瘍薬が得られる。このような新たな抗腫瘍薬の形態としては、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と、抗腫瘍剤Aとを含む一剤型の製剤形態でもよいし、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を含む製剤と、抗腫瘍剤Aを含む製剤とが別個の製剤形態であってもよい。またイミダゾオキサジン化合物(I)を含む組成物の投与手段と、抗腫瘍剤Aを含む組成物の投与手段は同一であってもよいし、相違していてもよい(例えば、経口投与と注射)。
【0112】
イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を医薬組成物に含有せしめる場合、必要に応じて薬学的担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられるが、経口剤が好ましい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
【0113】
薬学的担体は、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
【0114】
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味又は矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
【0115】
賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0116】
結合剤としては、水、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、α−デンプン液、ゼラチン液、D−マンニトール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0117】
崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
【0118】
滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0119】
着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
【0120】
矯味又は矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0121】
必要により、腸溶性コーティング又は、効果の持続を目的として、経口製剤に公知の方法により、コーティングを施すこともできる。このようなコーティング剤にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、Tween80(登録商標)等が挙げられる。
【0122】
経口用液体製剤を調製する場合は、イミダゾオキサジン化合物(I)に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味又は矯臭剤としては、前記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
【0123】
注射剤を調製する場合は、イミダゾオキサジン化合物(I)にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖、D−マンニトール、グリセリン等が挙げられる。
【0124】
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてTween80(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
【0125】
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0126】
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム或いは発泡体シートが適当である。
【0127】
本発明の薬剤は、ヒトを含む哺乳動物(例えばヒト、ウシ、ウマ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等)に用いることが可能であり、好ましくはヒトに用いられる。
【0128】
前記の各投与単位形態中に配合されるべきイミダゾオキサジン化合物(I)の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1,000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1,000mg程度である。
「イミダゾオキサジン化合物(I)自身が抗腫瘍効果を示さない低用量」としては、投与単位形態あたり、経口剤では約0.05 〜 20mg程度である。
【0129】
また、前記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人(体重50kg)1日あたり約0.05〜5,000mg程度であり、0.1〜1,000mgが好ましく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
【0130】
イミダゾオキサジン化合物(I)又はその塩を含む製剤と抗腫瘍剤Aを含む製剤とが別個の製剤である場合には、各製剤は同時に、又は一の成分の投与前、或いは後の任意の時期に他の成分を投与することが出来る。また、各製剤は同時に、逐次的に、又は間隔をあけて投与することが出来る。
【0131】
イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と抗腫瘍剤Aとの投与若しくは配合割合は、抗腫瘍効果の増強効果を奏する範囲であれば特に制限されないが、抗腫瘍剤A1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.001〜100モル程度、好ましくは0.005〜50モル程度とすればよい。
【0132】
例えば抗腫瘍剤Aがパクリタキセルである場合には、パクリタキセル1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.05〜50モル程度である。抗腫瘍剤Aがカルボプラチンである場合には、カルボプラチン1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.005〜5モル程度である。抗腫瘍剤Aがラパチニブである場合には、ラパチニブ1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.01〜20モル程度である。抗腫瘍剤Aがイリノテカンである場合には、イリノテカン1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.05〜30モル程度である。抗腫瘍剤Aがドキソルビシンである場合には、ドキソルビシン1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.05〜20モル程度である。抗腫瘍剤Aがエベロリムスである場合には、エベロリムス1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.05〜20モル程度である。抗腫瘍剤Aがボルテゾミブである場合には、ボルテゾミブ1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(II)又はその薬学的に許容される塩を1〜500モル程度である。抗腫瘍剤Aがエルロチニブである場合には、エルロチニブ1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(II)又はその薬学的に許容される塩を0.01〜10モル程度である。抗腫瘍剤Aがトラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)である場合には、トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.02〜20 モル程度である。抗腫瘍剤Aがメトフォルミンである場合には、メトフォルミン1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.00001〜0.01モル程度である。抗腫瘍剤Aがドセタキセルである場合には、ドセタキセル1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.001〜0.3モル程度である。抗腫瘍剤Aがテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤である場合には、テガフール1モルに対して、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩を0.05〜50モル程度である。
【実施例】
【0133】
以下に参考例、実施例、試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。また以下の試験例で示される、本発明化合物により抗腫瘍効果が増強される各種抗腫瘍剤の用量設定については、論文報告等によって示された最大耐用量(Maximum tolerated dose;MTD)或いは物性上投与可能な最大用量を用いた。
【0134】
抗腫瘍剤は最大薬効を示す用量と毒性発現用量が極めて近く、その薬剤が持つ最大抗腫瘍効果を動物モデルで評価するためにはMTD近傍において評価することが一般的であり、以下の試験例においては、MTDと最大効果発揮用量を同義としている。
【0135】
実施例で用いた各種試薬は、特に記載のない限り市販品を使用した。シリカゲルクロマトグラフィーには、昭光社製プリフパックSIまたはバイオタージ社製バイオタージSNAPカートリッジKP-Silまたは塩基性シリカゲルクロマトグラフィーには昭光社製プリフパックNHまたはバイオタージ社製バイオタージSNAPカートリッジKP-NHを用いた。
【0136】
分取用薄層クロマトグラフィーにはメルク社製KieselgelTM60F254,Art.5744または和光社製NH2シリカゲル60F254プレートワコーを用いた。分取用逆相高速液体クロマトグラフィーにはYMC社製CombiPrep Pro C18(φ30mmx50mm)を用いた。
【0137】
1H−NMRはJEOL社製AL400(400MHz)、Varian社製Mercury(400MHz)またはVarian社製Inova(400MHz)を使用し、テトラメチルシランを標準物質として測定した。またマススペクトルは、Waters社製MicromassZQまたはSQDを使用し、エレクトロスプレイイオン化法(ESI)もしくは大気圧化学イオン化法(APCI)で測定した。マイクロウェーブ反応は、バイオタージ社製Initiatorを用いて行った。
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
dd:ダブル ダブレット
dt:ダブル トリプレット
td:トリプル ダブレット
tt:トリプル トリプレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
ddt:ダブル ダブル トリプレット
dtd:ダブル トリプル ダブレット
tdd:トリプル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
CDCl3:重クロロホルム
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
WSC:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物
Pd(PPh3)4:テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
【0138】
参考例1
10-フルオロ-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
2-フルオロ-6-ヒドロキシベンズアルデヒド(500mg)のメタノール(7.0mL)溶液に、28%アンモニア水溶液(2.2mL)と40%グリオキサール水溶液(1.3mL)を加え、室温にて5時間攪拌した。反応混合物に水を加え希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するイミダゾフェノール体を得た。得られたイミダゾフェノール体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたイミダゾフェノール体のDMF(7.2mL)溶液に、炭酸カリウム(1.98g)とジヨードメタン(0.44mL)を加え、80℃にて3時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(415mg、収率61%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.32-7.22 (2H, m), 6.98-6.88 (3H, m), 5.82 (2H, s )
ESI-MS m/z191(MH+)
【0139】
参考例2
参考例2 (1) 2-ブロモ-3-(1H-イミダゾール-2-イル)ピリジン
2-ブロモニコチンアルデヒド(10g)のメタノール(90mL)溶液に、28%アンモニア水溶液(50mL)と40%グリオキサール水溶液(50mL)を加え、室温にて14時間攪拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(4.62g、収率38%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 10.71-10.28 (1H, br m), 8.61 (1H, dd, J = 7.8, 2.0 Hz), 8.35 (1H, dd, J = 4.6, 2.0 Hz), 7.40 (1H, dd, J = 7.8, 4.6 Hz), 7.30-7.23 (2H, br m)
ESI-MS m/z 224,226(MH+)
【0140】
参考例2 (2)5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン
参考例2(1)(44.8mg)の2-プロパノール(2.0mL)溶液に、水酸化カリウム(66mg)と37%ホルマリン水溶液(0.20mL)を加え、80℃にて14時間加熱攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(16.7mg、収率48%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.29-8.24 (2H, m), 7.27 (1H, s), 7.25 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 7.3, 5.1 Hz), 6.98 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.01 (2H, s).
ESI-MS m/z 174(MH+)
【0141】
参考例3−21
以下の第1表に示す化合物は参考例1又は2のいずれかの方法に準じて合成した。
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
なお前記第1表中、参考例20及び21は表中の市販品の原料、若しくは公知の方法によって合成できる原料を用いて、参考例あるいは2の方法に準じて、下記に示す方法により合成した。
【0145】
参考例20
参考例20 (1) 2-(1H-イミダゾール-2-イル)-3-メトキシピラジン
3-メトキシピラジン−2−カルボアルデヒド(480mg)のメタノール(7.5mL)溶液に40%グリオキサール水溶液(0.80mL)を加え、8℃にて28%アンモニア水(1.94mL)をゆっくり滴下した。反応溶液を10分間攪拌した後、室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣を塩基性シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、目的物(410mg、収率66%)を淡茶褐色アモルファスとして得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:10.52(1H,brs),8.25(1H,d,J=2.4Hz),8.10(1H,d,J=2.4Hz),7.38(1H,brs) ,7.21(1H,brs),4.20(3H,s).
ESI-MS m/z 177(MH+)
【0146】
参考例20 (2)5H−イミダゾ[1,2-c]ピラジノ[2,3-e][1,3]オキサジン
参考例20(1)(460mg)の5M塩酸(15mL)水溶液を、マイクロウェーブ反応装置を用いて、120℃にて30分間攪拌した。反応混合物を冷却し、エタノールで共沸後、減圧濃縮した。得られた残渣のDMF(50mL)溶液に、炭酸カリウム(1.79g)とジヨードメタン(0.42mL)を加え、80℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水とクロロホルムを加え希釈した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を分取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、目的物(36mg、収率8%)を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.43(1H,d,J=2.8Hz),8.19(1H,d、J=2.8Hz),7.41(1H,d,J=1.2Hz),7.06(1H,d、J=1.2Hz),6.11(2H,s).
ESI-MS m/z 175(MH+)
【0147】
参考例21
参考例21 (1) メチル 6-ブロモ-3-(メトキシメトキシ)ピコリネート
メチル 6-ブロモ-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボキシレート(970mg)のクロロホルム(20mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.46mL)を加え窒素雰囲気下にした後、反応溶液を0℃に冷却し、クロロメトキシメタン(0.38mL)を加えた。反応溶液を0℃にて5分間攪拌した後、室温にて1時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水を加え希釈した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(1.22g、収率100%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.54(1H,d,J=8.8Hz),7.51(1H,d,J=8.8Hz),5.26(2H,s),3.96(3H,s),3.51(3H,s).
ESI-MS m/z 276,278(MH+)
【0148】
参考例21 (2) 6-ブロモ-3-(メトキシメトキシ)ピコリンアルデヒド
参考例21(1)(1.22g)のTHF(20mL)溶液を窒素雰囲気下にした後、反応溶液を−78℃に冷却し、0.99M水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(5.08mL)を加えた。反応溶液を−78℃にて1時間攪拌した。さらに、0.99M水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.51mL)を加え、−78℃にて1時間攪拌した。反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加えた後、室温まで昇温し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、目的物(1.03g、収率100%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:10.20(1H,s),7.61(1H,d,J=8.8Hz),7.58(1H,d,J=8.8Hz),5.33(2H,s),3.52(3H,s).
ESI-MS m/z 246,248(MH+)
【0149】
参考例21 (3) 6-ブロモ-2-(1H-イミダゾール-2-イル)-3-(メトキシメトキシ)ピリジン 参考例21(2) (1.03g)のメタノール(16mL)溶液に40%グリオキサール水溶液(0.96mL)を加え、氷冷下で28%アンモニア水(2.32mL)をゆっくり滴下した。室温で4時間攪拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を塩基性シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、目的物(0.91g、収率77%)を淡黄褐色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:10.46(1H,brs),7.53(1H,d,J=8.8Hz),7.35(1H,d,J=8.8Hz),7.33(1H,brs),7.17(1H,brs),5.39(2H,s),3.54(3H,s).
ESI-MS m/z 284,286(MH+)
【0150】
参考例21 (4) 9-ブロモ-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン
参考例21(3)(0.91g)のクロロホルム(12mL)溶液に、氷冷下でトリフルオロ酢酸(6.0mL)を滴下した。室温で14時間攪拌した後、反応混合物をトルエン−クロロホルムで共沸、減圧濃縮した。得られた残渣にDMF(20mL)、炭酸カリウム(2.22g)、ジヨードメタン(0.52ml)を加え、80℃にて1時間半攪拌した。さらに炭酸カリウム(0.22g)と、ジヨードメタン(0.052mL)を加え、80℃にて30分間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水とクロロホルムを加え希釈した後、セライトろ過した。得られたろ液を10%メタノール−クロロホルム溶液で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、トルエン共沸及び減圧濃縮した。得られた残渣を塩基性シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、目的物(0.67g、収率82%)を淡褐色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.38(1H,d,J=8.8Hz),7.34(1H,d、J=1.2Hz),7.24(1H,d,J=8.8Hz),6.99(1H,d、J=1.2Hz),5.89(2H,s).
ESI-MS m/z 252,254(MH+)
【0151】
参考例22
参考例22 (1) 3-ブロモ-10-フルオロ-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例1で得られた化合物(349mg)のクロロホルム(7.0mL)溶液を0℃に冷却し、N-ブロモスクシンイミド(343mg)を加え、0℃にて1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(360mg、収率73%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.32-7.26 (1H, m), 7.25 (1H, s), 6.99-6.91 (2H, m), 5.78 (2H, s).
ESI-MS m/z269,271(MH+).
【0152】
参考例22 (2) 2-ブロモ-10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例22(1)(513mg)の1,4-ジオキサン(10mL)、水(1.3mL)溶液に、フェニルボロン酸(349mg)と炭酸セシウム(1.55g)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(221mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するカップリング体を得た。得られたカップリング体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたカップリング体のクロロホルム(5.0mL)溶液を0℃に冷却し、N-ブロモスクシンイミド(380mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(602mg、収率91%)を無色固体物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.55-7.42 (5H, m), 7.32-7.27 (1H, m), 6.99-6.94 (1H, m), 6.92-6.89 (1H, m), 5.73 (2H, s).
ESI-MS m/z345,347(MH+).
【0153】
参考例23
参考例23 (1)3,9-ジブロモ-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例22(1)と同様にして、参考例15(300mg)を反応させることにより、目的物(389mg、収率98%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.03 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 8.8, 2.4 Hz), 7.16 (1H, s), 6.96 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.76 (1H, s)
ESI-MS m/z 331(MH+)
【0154】
参考例23 (2)9-ブロモ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例23(1)(9.44g)の1,4-ジオキサン(250mL)、水(40mL)溶液に、フェニルボロン酸(3.35g)と炭酸セシウム(23.3g)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(3.30g)を加え、室温にて14時間、50℃にて5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(7.32g、収率78%)を無色固体物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.11 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.50-7.32 (6H, m), 7.28 (1H, s), 6.95 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.84 (2H, s)
ESI-MS m/z327,329(MH+)
【0155】
参考例23 (3) メチル 3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキシラート
参考例23(2)(5.0g)のDMF(30mL)、メタノール(30mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(8.0mL)と[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(1.38g)を加え一酸化炭素雰囲気下にした後、70℃にて28時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(2.12g、45%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.70 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.02 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.52-7.46 (2H, m), 7.44-7.36 (3H, m), 7.31 (1H, s), 7.13 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.93 (2H, s), 3.93 (3H, s).
ESI-MS m/z307(MH+).
【0156】
参考例23 (4) メチル 2-ブロモ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキシラート
参考例23(3)(1.0g)のクロロホルム(16mL)溶液にN-ブロモスクシンイミド(754mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をろ過し、残渣をクロロホルムで洗浄し、目的物(800mg、収率64%)を無色固体として得た。
1H-NMR (cdcl3) δ: 8.71 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.04 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.56-7.42 (5H, m), 7.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.80 (2H, s), 3.93 (3H, s).
ESI-MS m/z385,387(MH+)
【0157】
参考例24
(2-ブロモ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-イル)メタノール
参考例23(4)(550mg)の塩化メチレン(14mL)溶液を0℃に冷却し、0.99M水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(4.3mL)を加え、0℃にて1時間攪拌した。反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、さらに室温にて2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(397mg、収率78%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.98 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.55-7.42 (5H, m), 7.37 (1H, dd, J = 8.3, 2.2 Hz), 7.07 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.73 (2H, s), 4.74-4.70 (2H, br m)
ESI-MS m/z357, 359(MH+)
【0158】
参考例25
2-ブロモ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボニトリルの合成
窒素雰囲気下、参考例23(2)(500mg)の1,4-ジオキサン(3.0mL)とDMF(3.0mL)溶液に、シアン化亜鉛(360mg)とジ-tert-ブチルパラジウム(78.2mg)を加え、100℃にて3時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、酢酸エチルを加え希釈した後、ろ過した。ろ液を順次飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するシアノ体を得た。シアノ体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたシアノ体のクロロホルム(8.0mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(352mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をろ過し、残渣をクロロホルムで洗浄することによって、目的物(207mg、収率36%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.26 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.58 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.53-7.40 (5H, m), 7.14 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.80 (2H, s).
ESI-MS m/z352,354(MH+).
【0159】
参考例26
2-ブロモ-3-フェニル-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例23(2)(100mg)の1,4-ジオキサン(3.0mL)、水(0.5mL)溶液に、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(198mg)と炭酸セシウム(250mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(35.4mg)を加え、100℃にて1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するカップリング体を得た。得られたカップリング体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたカップリング体のクロロホルム(3.0mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(65.4mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(150mg、収率93%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.16 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.70 (1H, dd, J = 8.3, 2.2 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.54-7.42 (5H, m), 7.15 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.45 (1H, d, J = 1.7 Hz), 5.77 (2H, s), 5.45 (2H, s), 3.77-3.71 (2H, m), 0.99-0.94 (2H, m), 0.00 (9H, s).
ESI-MS m/z525,527(MH+).
【0160】
参考例27
2-ブロモ-3-フェニル-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン
参考例23(2)(100mg)の1,4-ジオキサン(3.0mL)、水(0.5mL)溶液に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(148mg)と炭酸セシウム(250mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(35.4mg)を加え、100℃にて1.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するカップリング体を得た。得られたカップリング体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたカップリング体のクロロホルム(3.0mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(60.0mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(120mg、収率75%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.12 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.86-7.85 (2H, m), 7.55-7.43 (6H, m), 7.09 (1H, d, J= 8.5 Hz), 5.75 (2H, s), 5.46 (2H, s), 3.64-3.58 (2H, m), 0.97-0.92 (2H, m), 0.00 (9H, s).
ESI-MS m/z525,527(MH+).
【0161】
参考例28
9-メチル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン
参考例21(4)(50mg)の1,4-ジオキサン(2.0mL)、水(0.32mL)溶液に、メチルボロン酸(17.8mg)と炭酸セシウム(162mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(22.9mg)を加え、80℃にて4時間攪拌した。反応混合物にメチルボロン酸(17.8mg)を加え、110℃にて2時間攪拌,、さらに、メチルボロン酸(17.8mg)を加え、110℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え希釈した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(15.2mg、収率41%)を無色油状物として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.30(1H,d,J=1.2Hz),7.26(1H,d、J=8.4Hz),7.08(1H,d,J=8.4Hz),6.97(1H,d、J=1.2Hz),5.84(2H,s),2.60(3H,s).
ESI-MS m/z 188(MH+)
【0162】
参考例29
9-メトキシ-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン
参考例21(4)(80mg)のメタノール(2.0mL)溶液に、25wt%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.36mL)を加え、110℃にて22時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水とクロロホルムを加え希釈した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を分取用薄層塩基性シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、目的物(58.4mg、収率91%)を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.32(1H,d,J=8.8Hz),7.31-7.30(1H,m),6.96(1H,d,J=0.8Hz),6.71(1H,d、J=8.8Hz),5.81(2H,s),4.05(3H,s).
ESI-MS m/z 204(MH+)
参考例30−55
以下の第2表に示す化合物は参考例21〜25のいずれかの方法に準じて合成した。
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】
参考例56
参考例56 (1) 1-(4-ブロモフェニル)シクロブタンカルボニトリル
水酸化カリウム(56.5g)とテトラブチルアンモニウムブロミド(2.92g)のトルエン(400mL)と水(30mL)溶液を70℃に加温した後、順次1,3-ジブロモプロパン(39.0g)と2-(4-ブロモフェニル)アセトニトリル(35.5g)を加え、100℃にて3時間攪拌した。反応混合物を80℃まで冷却した後、ヘプタン(100mL)を加え、さらに室温まで冷却した。反応混合物をろ過、ヘキサンで洗浄後、有機層を分離した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(24.0g、収率56%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.53 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.8 Hz), 2.87-2.79 (2H, m), 2.63-2.54 (2H, m), 2.50-2.38 (1H, m), 2.13-2.03 (1H, m)
ESI-MS m/z236,238(MH+)
【0167】
参考例56 (2) 1-(4-ブロモフェニル)シクロブタンカルボン酸
参考例56(1) (24.0g)のブタノール(100mL)溶液に、50%水酸化ナトリウム水溶液(35mL)を加え、120℃にて14時間攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物に水(100mL)を加え、エーテルで洗浄後、エーテル層をさらに1N水酸化ナトリウム水溶液(50mL)で2回抽出した。合わせた水層に5M塩酸を加えpHを2にした後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣にヘキサンを加え、ろ過することによって、目的物(20.4g, 収率79%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.45 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 2.88-2.79 (2H, m), 2.53-2.43 (2H, m), 2.15-2.02 (1H, m), 1.93-1.81 (1H, m)
ESI-MS m/z255,257(MH+)
【0168】
参考例56 (3) tert-ブチル 1-(4-ブロモフェニル)シクロブチルカルナメート
参考例56(2) (12.7g)のTHF (150mL)溶液に、順次ジ-tert-ブトキシジカルボネート(12.0g)、アジ化ナトリウム(11.3g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.41g)、亜鉛化ジトリフラート(181mg)を加えた後、14時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水を加え希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(14.7g、収率91%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.45 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.08 (1H, br s), 2.56-2.43 (4H, m), 2.16-2.04 (1H, m), 1.91-1.79 (1H, m), 1.37 (9H, s)
ESI-MS m/z326,327(MH+)
【0169】
参考例56 (4) tert-ブチル1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチルカルバマート
参考例56(3) (3.21g)のDMF(25mL)溶液に、順次酢酸カリウム (2.41g)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン) (6.25g)を加え窒素雰囲気下にした後、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(360mg)を加え80℃にて10時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(3.20g、収率87%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.79 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.43 (2H, d, J = 8.0 Hz), 5.07 (1H, br s), 2.59-2.31 (4H, m), 2.14-2.03 (1H, m), 1.90-1.78 (1H, m), 1.36 (9H, s), 1.34 (23H, s)
ESI-MS m/z374(MH+)
【0170】
参考例57
参考例57 (1)シス-1-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシシクロブタンカルボン酸 2Mイソプロピルマグネシウムクロライド テトラヒドロフラン溶液(560mL)に、氷冷撹拌下で4-ブロモフェニル酢酸(107.8g)のTHF(100mL)溶液を滴下し、室温に昇温して1時間撹拌した。生じた懸濁液に、室温でエピクロロヒドリン(73mL)を滴下し、反応熱により26℃まで昇温させ、冷却してその温度を保ちながら3時間撹拌した。得られた暗褐色の反応液に、室温で2MイソプロピルマグネシウムクロライドのTHF溶液(560mL)を滴下し、水浴上でさらに終夜撹拌した。反応混合物に、氷冷下、2M塩酸(900mL)を注意深く加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1M塩酸で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて懸濁させ、固体を濾取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥させて、目的物(91.46g、収率68%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CD3OD) δ: 7.49 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.8 Hz), 4.01 (1H, quintet, J = 7.3 Hz), 2.88 - 2.80 (2H, m), 2.69 - 2.61 (2H, m).
ESI-MS m/z 269 and 271 (MH-)
【0171】
参考例57 (2)メチル シス-1-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシレート
参考例57(1)(116.0g)を、メタノール(500mL)に溶解し、室温で濃硫酸(3.5mL)を加えて終夜加熱還流させた。反応混合物を減圧濃縮してメタノールを減らし、水を加えて希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して、目的物(112.5g、収率99%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.47 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.19 (1H, m), 3.64 (3H, s), 2.93 - 2.85 (2H, m), 2.76 - 2.69 (2H, m), 2.21 (1H, d, J = 6.3 Hz).
【0172】
参考例57 (3)メチル 1-(4-ブロモフェニル)-3-オキソシクロブチルカルボキシレート
参考例57(2)(112.5g)を、クロロホルム(500mL)に溶解し、N-メチルモルホリン-N-オキシド(63.3g)、粉末状モレキュラーシーブス4A(120g)を加えた。混合物を氷冷し、テトラ-n-プロピルアンモニウムパールテネート(2.76g)を加えた後、室温まで昇温しながら24時間撹拌した。反応液をヘキサンで希釈し、シリカゲル上に吸着させてから、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)の混合溶媒で溶出し、溶出液を減圧濃縮した。得られた淡黄色固体をヘキサンに懸濁させ、固体を濾取、ヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥させて目的物(83.4g、収率69%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.52 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.8 Hz), 3.95 - 3.87 (2H, m), 3.71 (3H, s), 3.57 - 3.49 (2H, m)
【0173】
参考例57 (4)トランス-3-アミノ-3-(4-ブロモフェニル)-1-シクロプロピルシクロブタノール
参考例57(3)(18.57g)のトルエン(200mL)溶液を−40℃に冷却し、0.7MシクロプロピルマグネシウムブロミドのTHF溶液(310ml)を滴下した。-40℃で15分間、0℃で3時間撹拌後、反応混合物に注意深く、氷、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、1,4-ジオキサン(100ml)に溶解し、室温にて1M水酸化ナトリウム水溶液(150ml)を加えて終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、1,4-ジオキサンを除去し、水層をトルエンで洗浄した。得られた水溶液に2M塩酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣を、1,4-ジオキサン(215mL)に溶解し、室温でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.60ml)、ジフェニルリン酸アジド(8.77ml)を加え、室温にて4時間、次いで63℃で4時間撹拌後、室温まで冷却した。得られた反応溶液を、激しく撹拌させた0.5M塩酸(1000ml)に滴下し、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで洗浄後、得られた水溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、飽和するまで食塩を溶解させた後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して、目的物(5.52g、収率30%)を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) d: 7.46 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.8 Hz), 2.60 - 2.54 (2H, m), 2.31 - 2.26 (2H, m), 1.36 - 1.29 (1H, m), 0.61 - 0.55 (2H, m), 0.47 - 0.42 (2H, m)
ESI-MS m/z 282 and 284 (MH+)
【0174】
参考例57 (5)2-(トランス-1-(4−ブロモフェニル)-3-シクロプロピル-3-ヒドロキシシクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
参考例57(4)(882mg)のクロロホルム(15.6mL)溶液に、トリエチルアミン(0.52mL)とN-エトキシカルボニルフタルイミド(683mg)を加え、70℃にて38時間撹拌した。反応混合物を冷却後、水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(1.18g、収率92%)を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.77-7.73(2H,m),7.70-7.66(2H,m),7.60-7.56(2H,m),7.47-7.43(2H,m),3.11-2.99(4H,m),1.49(1H,s),1.16-1.12(1H,m),0.51-0.45(2H,m),0.32-0.27(2H,m)
【0175】
参考例57 (6)2-(トランス-3-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
参考例57(5)(1.26g)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液に、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.14g)、酢酸カリウム(883mg)及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(245mg)を加え、窒素雰囲気下80℃にて16時間撹拌した。反応混合物を冷却後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、減圧濃縮した。得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンで洗浄することにより、目的物(1.12g、収率81%)を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.81-7.63(8H,m),3.14-3.05(4H,m),1.49(1H,s),1.32(12H,s),1.16-1.10(1H,m),0.50-0.44(2H,m),0.33-0.28(2H,m).
【0176】
参考例58
参考例58 (1)トランス-1-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブタンカルボン酸
参考例57(3)(11.62g)のTHF(210ml)溶液を-40℃に冷却し、3MメチルマグネシウムクロライドのTHF溶液(48ml)を滴下した。-40℃で15分間、0℃で2時間撹拌後、反応混合物に注意深く、氷、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を、1,4-ジオキサン(60ml)に溶解し、室温にて1M水酸化ナトリウム水溶液(62ml)を加えて終夜撹拌した。得られた反応液を減圧濃縮して1,4-ジオキサンを除去し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液に注いで酢酸エチルで水層を洗浄した。得られた塩基性水溶液に2M塩酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をクロロホルム:ヘキサンの混合溶媒から結晶化し、目的物(5.92g、収率51%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.45 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 3.09 - 3.04 (2H, m), 2.62 - 2.56 (2H, m), 1.43 (3H, s).
ESI-MS m/z 283 and 285 (MH-)
【0177】
参考例58 (2)トランス-3-アミノ3-(4-ブロモフェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例58(1)(4.28g)の1,4-ジオキサン(60mL)溶液にトリエチルアミン(2.20mL)とジフェニルホスホリルアジド(3.40mL)を加え、80℃にて2時間間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、氷冷した1M塩酸(60mL)に加え、室温にて2時間間攪拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで洗浄し、5M水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、目的物(3.23g、収率84%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.49-7.43 (2H, m), 7.27-7.22 (2H, m), 2.64-2.57 (2H, m), 2.40-2.33 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 256,258(MH+)
【0178】
参考例58 (3)tert-ブチル トランス-1-(4-ブロモフェニル)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチルカルバマート
参考例58(2)(3.23g)の1,4-ジオキサン(63mL)溶液にジtert-ブチルジカルボナート(3.30g)を加え、70℃にて3時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、ヘキサン−酢酸エチルから再結晶を行い、目的物(3.50g、収率78%)を無色固体物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.47-7.42 (2H, m), 7.28 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.96 (1H, br s), 2.77-2.47 (4H, m), 1.67 (1H, s), 1.58 (3H, s), 1.38 (9H, br s).
ESI-MS m/z 356,358(MH+)
【0179】
参考例58 (4)tert-ブチル トランス-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチルカルバマート
参考例58(3)(3.74g)のDMF(42mL)溶液に、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.47g)と酢酸カリウム(3.09g)を加え窒素雰囲気下にした後、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.43g)を加え、80℃にて5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(3.39g、収率80%)を無色固体物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.78 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.1 Hz), 4.95 (1H, br s), 2.78-2.49 (4H, m), 1.65 (1H, s), 1.58 (3H, s), 1.37 (9H, br s), 1.34 (12H, s).
ESI-MS m/z 404(MH+)
【0180】
参考例59
tert-ブチル トランス-3-エチル-3-ヒドロキシ-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチルカルバマート
参考例58と同様にして、参考例58(1)のメチルマグネシウムクロライドに代えて、エチルマグネシウムブロマイドを用いることにより、参考例57(3)を反応させることにより、目的物を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.78(2H,d,J=7.8Hz),7.43(2H,d,J=7.8Hz),4.92(1H,brs),2.80-2.45(4H,m),1.83(2H,q,J=7.2Hz),1.53(1H,s),1.45-1.25(9H,m),1.34(12H,s),0.97(3H,t,J=7.2Hz)
ESI-MS m/z 418(MH+)
【0181】
実施例1
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例22(2)(15.0mg)の1,4-ジオキサン(1.0mL)、水(0.13mL)溶液に、参考例57(6)(30.0mg)と炭酸セシウム(35.4mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(5.0mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するカップリング体を得た。得られたカップリング体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたカップリング体のエタノール(2.0mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.5mL)を加え、マイクロウェーブ反応装置を用いて110℃にて20分間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで希釈した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣を分取用逆相高速液体クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸、アセトニトリル/水)にて精製し、減圧濃縮した。次いでバリアン社ボンドエルート(登録商標)(メタノール)を用いて脱塩処理することによって、表題化合物(16.8mg、収率83%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60
(2H, d, J = 8.3 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 5.0, 3.0 Hz), 7.38-7.32 (3H, m), 7.28-7.23 (1H, m), 7.08 (1H, dd, J = 5.0, 1.3 Hz), 6.99-6.93 (1H, m), 6.92-6.88 (1H, m), 5.69 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.33-2.27 (2H, m), 1.34 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.59-0.53 (2H, m), 0.48-0.43 (2H, m).
ESI-MS m/z 468(MH+)
【0182】
実施例2
トランス-3-アミノ-3-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例22(2)(15.0mg)の1,4-ジオキサン(1.0mL)、水(0.13mL)溶液に、参考例58(4)(28.3mg)と炭酸セシウム(35.4mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(5.0mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応するカップリング体を得た。得られたカップリング体はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られたカップリング体のクロロホルム(1.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を分取用逆相高速液体クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸、アセトニトリル/水)にて精製し、減圧濃縮した。次いでバリアン社ボンドエルート(登録商標)(メタノール)を用いて脱塩処理することによって、表題化合物(15.2mg、収率79%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57-7.53 (2H, m), 7.50-7.42 (3H, m), 7.38-7.33 (2H, m), 7.28-7.20 (3H, m), 6.99-6.93 (1H, m), 6.91-6.87 (1H, m), 5.65 (2H, s), 2.63-2.58 (2H, m), 2.39-2.32 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 442(MH+)
【0183】
実施例3
1-(4-(10-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例22(2)を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.57 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.51-7.44 (3H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.30-7.22 (3H, m), 7.00-6.94 (1H, m), 6.92-6.88 (1H, m), 5.66 (2H, s), 2.57-2.48 (2H, m), 2.17-1.99 (3H, m), 1.78-1.69 (1H, m).
ESI-MS m/z 412(MH+)
【0184】
実施例4
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-(チオフェン-3-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール参考例30を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 5.0, 3.0 Hz), 7.38-7.32 (3H, m), 7.28-7.23 (1H, m), 7.08 (1H, dd, J = 5.0, 1.3 Hz), 6.99-6.93 (1H, m), 6.92-6.88 (1H, m), 5.69 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.33-2.27 (2H, m), 1.34 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.59-0.53 (2H, m), 0.48-0.43 (2H, m).
ESI-MS m/z 474(MH+)
【0185】
実施例5
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-フルオロ-3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例31を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.71 (2H, d, J = 6.1 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.37 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.33-7.24 (3H, m), 7.01-6.91 (2H, m), 5.74 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.34-2.28 (2H, m), 1.35 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.60-0.54 (2H, m), 0.49-0.44 (2H, m).
ESI-MS m/z 469(MH+)
【0186】
実施例6
トランス-3-アミノ-3-(4-(10-フルオロ-3-(チオフェン-3-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例30を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.59 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 4.9, 2.9 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 3.0, 1.3 Hz), 7.29-7.23 (3H, m), 7.08 (1H, dd, J = 4.9, 1.3 Hz), 6.99-6.93 (1H, m), 6.92-6.88 (1H, m), 5.69 (2H, s), 2.66-2.60 (2H, m), 2.41-2.34 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 448(MH+)
【0187】
実施例7
トランス-3-アミノ-3-(4-(10-フルオロ-3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例31を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.68 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.51 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.32-7.22 (5H, m), 7.00-6.90 (2H, m), 5.73 (2H, s), 2.66-2.60 (3H, m), 2.41-2.35 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 443(MH+)
【0188】
実施例8
トランス-3-アミノ-3-(4-(9-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例32を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.80-7.76 (1H, m), 7.55-7.43 (5H, m), 7.37-7.33 (2H, m), 7.25-7.21 (2H, m), 7.05-6.96 (2H, m), 5.65 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.38-2.32 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 443(MH+)
【0189】
実施例9
トランス-3-アミノ-3-(4-(8-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例33を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.07 (1H, dd, J = 8.5, 6.1 Hz), 7.55-7.33 (7H, m), 7.24 (2H, d, J = 8.3 Hz), 6.92 (1H, td, J = 8.7, 2.4 Hz), 6.84-6.79 (1H, m), 5.68 (2H, s), 2.65-2.59 (2H, m), 2.39-2.34 (2H, m), 1.63 (3H, s).
ESI-MS m/z 443(MH+)
【0190】
実施例10
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(7-フルオロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例34を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.88-7.85 (1H, m), 7.55 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.51-7.45 (3H, m), 7.38-7.32 (4H, m), 7.15-7.10 (2H, m), 5.73 (2H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.32-2.27 (2H, m), 1.34 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.59-0.53 (2H, m), 0.48-0.43 (2H, m).
ESI-MS m/z 468(MH+)
【0191】
実施例11
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例35を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.09 (1H, dd, J = 7.7, 1.6 Hz), 7.58-7.29 (10H, m), 7.21-7.16 (1H, m), 7.07 (1H, dd, J = 8.0, 1.0 Hz), 5.67 (2H, s), 2.62-2.56 (2H, m), 2.31-2.25 (2H, m), 1.33 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.58-0.52 (2H, m), 0.42-0.47 (2H, m).
ESI-MS m/z 450(MH+)
【0192】
実施例12
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例35を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.09 (1H, dd, J = 7.7, 1.6 Hz), 7.56-7.43 (5H, m), 7.37-7.29 (3H, m), 7.25-7.16 (3H, m), 7.06 (1H, dd, J = 8.3, 1.0 Hz), 5.67 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.38-2.32 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 424(MH+)
【0193】
実施例13
1-(4-(3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例35を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.09 (1H, dd, J = 7.7, 1.6 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.50-7.43 (3H, m), 7.39-7.27 (5H, m), 7.22-7.17 (1H, m), 7.07 (1H, dd, J = 8.0, 1.0 Hz), 5.68 (2H, s), 2.58-2.49 (2H, m), 2.19-2.00 (3H, m), 1.79-1.71 (1H, m).
ESI-MS m/z394(MH+)
【0194】
実施例14
1-(4-(3-(チオフェン-3-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例36を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.07 (1H, dd, J = 8.0, 1.6 Hz), 7.59-7.57 (2H, m), 7.47 (1H, dd, J = 4.8, 2.8 Hz), 7.34-7.30 (4H, m), 7.21 (1H, ddd, J = 7.6, 7.6, 1.2 Hz), 7.10-7.06 (2H, m), 5.71 (2H, s), 2.58-2.51 (2H, m), 2.17-2.03 (3H, m), 1.79-1.70 (1H, m).
ESI-MS m/z 400 (MH+)
【0195】
実施例15
1-(4-(3-(ピリジン-4-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例37を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.69 (2H, dd, J = 4.4, 1.6 Hz), 8.09 (1H, dd, J = 7.6, 1.6 Hz), 7.52 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.38-7.34 (3H, m), 7.27-7.26 (2H, m), 7.21 (1H, ddd, J = 7.6, 7.6, 1.2 Hz), 7.10 (1H, dd, J = 7.6, 1.2 Hz), 5.76 (2H, s), 2.58-2.52 (2H, m), 2.19-2.02 (3H, m), 1.79-1.70 (1H, m).
ESI-MS m/z 395 (MH+)
【0196】
実施例16
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例36を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.59 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.49-7.43 (3H, m), 7.38-7.35 (2H, m), 7.32-7.23 (3H, m), 6.77 (1H, dd, J = 8.5, 0.7 Hz), 6.72 (1H, dd, J = 8.0, 0.7 Hz), 5.58 (2H, s), 4.06 (3H, s), 2.62-2.56 (2H, m), 2.31-2.25 (2H, m), 1.33 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.58-0.42 (4H, m).
ESI-MS m/z 480(MH+)
【0197】
実施例17
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例39を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.61-7.53 (3H, m), 7.50-7.41 (3H, m), 7.39-7.31 (4H, m), 7.00 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 9.0, 2.9 Hz), 5.63 (2H, s), 3.89 (3H, s), 2.64-2.57 (2H, m), 2.33-2.26 (2H, m), 1.38-1.29 (1H, m), 0.60-0.42 (4H, m).
ESI-MS m/z 480(MH+)
【0198】
実施例18
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(8-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例40を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.00 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.49-7.40 (3H, m), 7.38-7.30 (4H, m), 6.76 (1H, dd, J = 8.7, 2.3 Hz), 6.62 (1H, d, J = 2.2 Hz), 5.64 (2H, s), 3.85 (3H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.32-2.26 (2H, m), 1.38-1.28 (1H, m), 0.59-0.42 (4H, m).
ESI-MS m/z 480(MH+)
【0199】
実施例19
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(7-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例41を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.71 (1H, dd, J = 7.8, 1.0 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.50-7.41 (3H, m), 7.38-7.30 (4H, m), 7.18-7.11 (1H, m), 6.95 (1H, dd, J = 8.3, 1.2 Hz), 5.71 (2H, s), 3.93 (3H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.32-2.26 (2H, m), 1.38-1.29 (1H, m), 0.59-0.42 (4H, m).
ESI-MS m/z 480(MH+)
【0200】
実施例20
トランス-3-アミノ-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例39を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.59 (1H, d, J = 2.9 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.49-7.42 (3H, m), 7.37-7.32 (2H, m), 7.25 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.99 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 9.0, 2.9 Hz), 5.62 (2H, s), 3.88 (3H, s), 2.65-2.59 (2H, m), 2.41-2.35 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 454(MH+)
【0201】
実施例21
トランス-3-アミノ-3-(4-(8-メトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例40を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.00 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.52 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.48-7.40 (3H, m), 7.36-7.32 (2H, m), 7.24 (2H, d, J = 8.3 Hz), 6.76 (1H, dd, J = 8.5, 2.4 Hz), 6.61 (1H, d, J = 2.4 Hz), 5.63 (2H, s), 3.84 (3H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.39-2.33 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 454(MH+)
【0202】
実施例22
ランス-3-アミノ-3-(4-(10-クロロ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-シクロプロピルシクロブタノール
参考例42を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.51-7.44 (3H, m), 7.39-7.30 (4H, m), 7.27-7.18 (2H, m), 7.00 (1H, dd, J = 7.9, 1.3 Hz), 5.62 (2H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.33-2.27 (2H, m), 1.33 (1H, tt, J = 8.5, 5.6 Hz), 0.58-0.52 (2H, m), 0.47-0.42 (2H, m).
ESI-MS m/z 484(MH+)
【0203】
実施例23
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(10-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例43を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.50-7.41 (3H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.22 (1H, dd, J = 8.4, 8.2 Hz), 6.75 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.2 Hz), 5.55 (2H, s), 4.28 (2H, q, J = 7.0 Hz), 2.62-2.56 (2H, m), 2.32-2.26 (2H, m), 1.63 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.37-1.28 (1H, m), 0.57-0.42 (4H, m).
ESI-MS m/z 494(MH+)
【0204】
実施例24
トランス-3-アミノ-3-(4-(10-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例43を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.60 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.50-7.42 (3H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.25-7.19 (3H, m), 6.76 (1H, dd, J = 8.4, 0.8 Hz), 6.70 (1H, dd, J = 8.2, 0.8 Hz), 5.55 (2H, s), 4.28 (2H, d, J = 7.0 Hz), 2.64-2.59 (2H, m), 2.38-2.32 (2H, m), 1.63 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.62 (3H, s)
ESI-MS m/z 468(MH+)
【0205】
実施例25
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(8,10-ジメトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例44を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.56-7.52 (2H, m), 7.46-7.41 (3H, m), 7.35-7.24 (4H, m), 6.32 (1H, d, J = 2.2 Hz), 6.27 (1H, d, J = 2.2 Hz), 5.56 (2H, s), 3.98 (3H, s), 3.84 (3H, s), 2.64-2.56 (2H, m), 2.38-2.30 (2H, m), 1.35-1.25 (1H, m), 0.55-0.49 (2H, m), 0.46-0.40 (2H, m)
ESI-MS m/z 510(MH+)
【0206】
実施例26
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(7-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例45を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.93 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.56 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.49-7.42 (3H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.33 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.19-7.16 (1H, m), 7.11-7.06 (1H, m), 5.69 (2H, s), 2.62-2.57 (2H, m), 2.32-2.27 (2H, m), 1.34 (1H, tt, J = 8.0, 5.4 Hz), 0.59-0.53 (2H, m), 0.48-0.43 (2H, m)
ESI-MS m/z 464(MH+)
【0207】
実施例27
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例46を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.49 (1H, dd, J = 4.8, 1.6 Hz), 7.68 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.52-7.48 (3H, m), 7.41-7.38 (3H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.25 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 5.71 (2H, s), 2.62-2.58 (2H, m), 2.31-2.28 (2H, m), 1.38-1.31 (1H, m), 0.58-0.53 (2H, m), 0.47-0.44 (2H, m)
ESI-MS m/z 451 (MH+)
【0208】
実施例28
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例46を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.49 (1H, dd, J = 4.8, 1.6 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.52-7.48 (3H, m), 7.42-7.37 (3H, m), 7.26-7.20 (3H, m), 5.71 (2H, s), 2.63-2.60 (2H, m), 2.38-2.34 (2H, m), 1.64 (3H, s)
ESI-MS m/z 425 (MH+)
【0209】
実施例29
1-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例46を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.49 (1H, dd, J = 4.8, 1.3 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.52-7.47 (3H, m), 7.43-7.36 (3H, m), 7.28-7.22 (3H, m), 5.71 (2H, s), 2.57-2.49 (2H, m), 2.16-2.00 (3H, m), 1.79-1.69 (1H, m)
ESI-MS m/z 395(MH+)
【0210】
実施例30
トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例46を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例59を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.49 (1H, dd, J = 4.4, 1.6 Hz), 7.67 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.52-7.48 (3H, m), 7.41-7.36 (3H, m), 7.29-7.21 (3H, m), 5.71 (2H, s), 2.57-2.54 (2H, m), 2.37-2.34 (2H, m), 1.91 (2H, q, J = 7.2 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz)ESI-MS m/z 439 (MH+)
【0211】
実施例31
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例47を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.49 (1H, dd, J = 4.8, 1.6 Hz), 7.68 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.52-7.48 (3H, m), 7.41-7.38 (3H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.25 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 5.71 (2H, s), 2.62-2.58 (2H, m), 2.31-2.28 (2H, m), 1.38-1.31 (1H, m), 0.58-0.53 (2H, m), 0.47-0.44 (2H, m)
ESI-MS m/z 451 (MH+)
【0212】
実施例32
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e] [1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例47を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 9.26(1H,s),8.49(1H,d,J=5.6Hz)7.58-7.44(5H,m),7.40-7.33(2H,m),7.29-7.22(2H,m),6.99(1H,d,J=5.6Hz),5.76(2H,s),2.66-2.58(2H,m),2.40-2.33(2H,m),1.64(3H,s),1.61(3H,brs).
ESI-MS m/z 425(MH+)
【0213】
実施例33
1-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例47を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.27 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.58 (5H, m), 7.40-7.25 (4H, m), 7.00 (1H, d, J = 5.6 Hz), 5.76 (2H, s), 2.59-2.48 (2H, m), 2.20-1.98 (3H, m), 1.82-1.69 (1H, m)
ESI-MS m/z 395(MH+)
【0214】
実施例34
トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例47を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例59を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.27 (1H, s), 8.49 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.59-7.44 (5H, m), 7.40-7.34 (2H, m), 7.29 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.00 (1H, d, J = 5.6 Hz), 5.76 (2H, s), 2.60-2.53 (2H, m), 2.40-2.33 (2H, m), 1.90 (2H, q, J = 7.3 Hz), 1.62 (3H, br s), 0.97 (3H, t, J = 7.3 Hz)
ESI-MS m/z 439 (MH+)
【0215】
実施例35
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例48を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.26 (1H, s), 8.49 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.59-7.43 (5H, m), 7.40-7.32 (4H, m), 6.99 (1H, d, J = 5.6 Hz), 5.76 (2H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.33-2.26 (2H, m), 1.61 (3H, br s), 1.34 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.61-0.41 (4H, m)
ESI-MS m/z 451 (MH+)
【0216】
実施例36
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例48を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.45-8.45 (1H, m), 8.42 (1H, dd, J = 4.9, 1.0 Hz), 7.91 (1H, dd, J = 4.9, 0.7 Hz), 7.54-7.47 (5H, m), 7.38-7.34 (2H, m), 7.27-7.23 (2H, m), 5.74 (2H, s), 2.64-2.59 (2H, m), 2.39-2.32 (2H, m), 1.63 (3H, s)
ESI-MS m/z 425(MH+)
【0217】
実施例37
1-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例48を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.47 (1H, d, J = 0.6 Hz), 8.45 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 5.1, 0.6 Hz), 7.56-7.47 (5H, m), 7.40-7.36 (2H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.75 (2H, s), 2.57-2.49 (2H, m), 2.18-2.00 (3H, m), 1.79-1.70 (1H, m)ESI-MS m/z 395(MH+)
【0218】
実施例38
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例49を、実施例1と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.40 (1H, dd, J = 7.6, 2.0 Hz), 8.26 (1H, dd, J = 5.0, 2.0 Hz), 7.56-7.45 (5H, m), 7.39-7.32 (4H, m), 7.20 (1H, dd, J = 7.6, 5.0 Hz), 5.85 (2H, s), 2.63-2.57 (2H, m), 2.32-2.26 (2H, m), 1.33 (1H, tt, J = 8.3, 5.4 Hz), 0.59-0.53 (2H, m), 0.48-0.42 (2H, m).
ESI-MS m/z 451(MH+)
【0219】
実施例39
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例49を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.30 (1H, dd, J = 7.3, 2.0 Hz), 8.26 (1H, dd, J = 4.9, 2.0 Hz), 7.56-7.49 (3H, m), 7.45-7.39 (4H, m), 7.33-7.28 (3H, m), 5.96 (2H, s), 4.74 (1H, s), 2.39-2.33 (2H, m), 2.18-2.13 (2H, m), 1.48 (3H, s)
ESI-MS m/z 425(MH+)
【0220】
実施例40
1-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタンアミン
参考例49を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例56(4)を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.41 (1H, dd, J = 7.6, 2.0 Hz), 8.27 (1H, dd, J = 4.9, 2.0 Hz), 7.55-7.45 (5H, m), 7.40-7.36 (2H, m), 7.33-7.29 (2H, m), 7.20 (1H, dd, J = 7.6, 4.9 Hz), 5.86 (2H, s), 2.58-2.48 (2H, m), 2.18-1.99 (4H, m), 1.79-1.69 (1H, m)
ESI-MS m/z 395(MH+)
【0221】
実施例41
トランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラゾ[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例50を、実施例1と同様にして、表題化合物を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.46 (1H, d, J = 2.8 Hz), 8.19 (1H, d, J = 2.8 Hz), 7.65 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.53-7.50 (3H, m), 7.42-7.40 (2H, m), 7.32 (2H, d, J = 8.4 Hz), 5.92 (2H, s), 2.62-2.58 (2H, m), 2.31-2.28 (2H, m), 1.38-1.30 (1H, m), 0.58-0.54 (2H, m), 0.47-0.43 (2H, m).
ESI-MS m/z 452 (MH+)
【0222】
実施例42
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラゾ[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例50を、実施例2と同様にして、表題化合物を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.46 (1H, d, J = 2.8 Hz), 8.19 (1H, d, J = 2.8 Hz), 7.64 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.54-7.52 (3H, m), 7.42-7.40 (2H, m), 7.23 (2H, d, J = 8.4 Hz), 5.92 (2H, s), 2.63-2.60 (2H, m), 2.37-2.34 (2H, m), 1.64 (3H, s)
ESI-MS m/z 426 (MH+)
【0223】
実施例43
トランス-3-アミノ-1-エチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピラゾ[3,2-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例50を、実施例2と同様にして、参考例58(4)に代えて、参考例59を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.47 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.20 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.65 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.54-7.52 (3H, m), 7.43-7.40 (2H, m), 7.30-7.23 (2H, m), 5.92 (2H, s), 2.57-2.54 (2H, m), 2.37-2.34 (2H, m), 1.91 (2H, q, J = 7.6 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.6 Hz).
ESI-MS m/z 440 (MH+)
【0224】
実施例44
トランス-3-アミノ-3-(4-(9-(ヒドロキシメチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例24を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.10 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.56-7.44 (5H, m), 7.38-7.23 (5H, m), 7.06 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.66 (2H, s), 4.72 (2H, s), 2.65-2.60 (2H, m), 2.39-2.33 (2H, m), 1.63 (3H, s).
ESI-MS m/z 454(MH+)
【0225】
実施例45
トランス-3-アミノ-3-(4-(8-(ヒドロキシメチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例52を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.06 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.50-7.42 (3H, m), 7.38-7.34 (2H, m), 7.24 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 7.8, 1.5 Hz), 7.10 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.66 (2H, s), 4.72 (2H, s), 3.49 (1H, s), 2.65-2.60 (2H, m), 2.39-2.33 (2H, m), 1.63 (3H, s).
ESI-MS m/z 454(MH+)
【0226】
実施例46
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボニトリル
参考例25を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.28 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.85 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.57-7.29 (10H, m), 5.94 (2H, s), 2.39-2.32 (2H, m), 2.17-2.11 (2H, m), 1.50 (3H, s).
ESI-MS m/z 449(MH+)
【0227】
実施例47
-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボニトリル
参考例53を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.03 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.72 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.55-7.49 (3H, m), 7.45-7.38 (4H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.90 (2H, s), 2.36-2.30 (2H, m), 2.15-2.10 (2H, m), 1.48 (3H, s).
ESI-MS m/z 449(MH+)
【0228】
実施例48
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-9-(1H-ピラゾール-5-イル)-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例26を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.47 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.62 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.50-7.43 (3H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.27-7.23 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.70 (1H, d, J = 2.2 Hz), 5.70 (2H, s), 2.66-2.60 (2H, m), 2.41-2.35 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 490(MH+)
【0229】
実施例49
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボニトリル
参考例27を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.23 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.94-7.93 (2H, m), 7.56 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.50-7.44 (4H, m), 7.39-7.36 (2H, m), 7.28-7.24 (2H, m), 7.09 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.69 (2H, s), 2.66-2.60 (2H, m), 2.40-2.34 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 490(MH+)
【0230】
実施例50
トランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(9-メチル-3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノール
参考例54を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.65(2H,d,J=8.0Hz),7.52-7.48(3H,m),7.40-7.38(2H,m),7.28-7.26(1H,m),7.21(2H,d,J=8.0Hz),7.10(1H,d、J=8.4Hz),5.67(2H,s),2.65(3H,s),2.63-2.60(2H,m),2.38-2.34(2H,m),1.64(3H,s).
ESI-MS m/z 439(MH+)
【0231】
実施例51
トランス-3-アミノ-3-(4-(9-メトキシ-3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[2,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)-1-メチルシクロブタノール
参考例55を、実施例2と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.60(2H,d,J=8.0Hz),7.52-7.46(3H,m),7.38-7.36(2H,m),7.32(1H,d,J=8.8Hz),7.22(2H,d,J=8.0Hz),6.72(1H,d,J=8.8Hz),5.65(2H,s),4.11(3H,s),2.63-2.60(2H,m),2.38-2.34(2H,m),1.64(3H,s).
ESI-MS m/z 455(MH+)
【0232】
実施例52
実施例52(1)メチル 2-(4-(トランス-1-(tert-ブトキシカルボニルアミン)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキシレート
参考例23(4)(148mg)の1,4-ジオキサン(2.4mL)、水(0.4mL)溶液に、tert-ブチル トランス-3-ヒドロキシ-3-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブチルカルバマート(125mg)と炭酸セシウム(194mg)を加え窒素雰囲気下にした後、Pd(PPh3)4(27.5mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルを加え希釈した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、目的物(191mg、収率71%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.79 (1H, d, J = 2.2 Hz), 8.02 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.57-7.19 (7H, m), 7.11 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.75 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.73 (2H, s), 5.23-5.13 (1H, br m), 3.94 (4H, s), 2.79-2.60 (4H, m), 1.56 (3H, s), 1.44-1.29 (9H, br m).
ESI-MS m/z 582(MH+)
【0233】
実施例52 (2)2-(4-(トランス-1-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボン酸
実施例52(1)(140mg)のメタノール(2.5mL)溶液に、2M水酸化カリウム水溶液(0.6mL)を加え、室温にて5時間攪拌した。反応混合物に0.5M硫酸水素カリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、目的物(120mg、収率88%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 9.14 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.03 (1H, dd, J = 8.4, 1.8 Hz), 7.60 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.47-7.06 (7H, m), 6.71 (1H, d, J = 8.4 Hz), 5.71 (2H, s), 5.11-4.89 (1H, br m), 2.76-2.45 (4H, m), 1.53 (3H, s), 1.45-1.24 (9H, br m).
ESI-MS m/z 568(MH+)
【0234】
実施例52 (3) 2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52(2)(20mg)のDMF(0.5mL)溶液にメチルアミン塩酸塩(5.0mg)、トリエチルアミン(0.025mL)、WSC塩酸塩(13.5mg)、HOBt(10.8mg)を加え、室温にて2時間、90℃にて1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水をを加え希釈した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、対応する化合物を得た。得られた化合物はさらに精製することなく次の反応に用いた。得られた化合物のクロロホルム(1.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、表題化合物(14.8mg、収率87%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.37 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.91 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.51-7.44 (5H, m), 7.37-7.32 (2H, m), 7.23-7.18 (2H, m), 7.11 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.67-6.57 (1H, br m), 5.70 (2H, s), 2.99-2.94 (3H, m), 2.63-2.56 (2H, m), 2.37-2.30 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 481(MH+)
【0235】
実施例53
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、28%アンモニア水を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.45 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.55-7.44 (5H, m), 7.39-7.34 (2H, m), 7.28-7.24 (2H, m), 7.16 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.74 (2H, s), 2.66-2.60 (2H, m), 2.39-2.33 (2H, m), 1.63 (3H, s).
ESI-MS m/z 467(MH+)
【0236】
実施例54
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N,N-ジメチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、ジメチルアミン塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.14 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.55-7.42 (6H, m), 7.38-7.34 (2H, m), 7.23 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.10 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.69 (2H, s), 3.16-3.02 (6H, m), 2.64-2.58 (2H, m), 2.38-2.32 (2H, m), 1.62 (3H, s).
ESI-MS m/z 495(MH+)
【0237】
実施例55
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、エチルアミン塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.38 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.93 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.52-7.44 (5H, m), 7.38-7.33 (2H, m), 7.25-7.21 (2H, m), 7.13 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.60-6.50 (1H, m), 5.71 (2H, s), 3.54-3.45 (2H, m), 2.64-2.58 (2H, m), 2.38-2.32 (2H, m), 1.62 (3H, s), 1.27 (3H, t, J = 7.3 Hz).
ESI-MS m/z 495(MH+)
【0238】
実施例56
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-メチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
実施例52と同様にして、参考例23(4)に代えて、参考例51を反応させることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.56-7.45 (7H, m), 7.39-7.35 (2H, m), 7.28-7.23 (2H, m), 6.18-6.11 (1H, m), 5.71 (2H, s), 3.04 (3H, d, J = 4.9 Hz), 2.65-2.60 (2H, m), 2.39-2.34 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 481(MH+)
【0239】
実施例57
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N,N-ジメチル-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、ジメチルアミン塩酸塩を用いることにより、また参考例23(4)に代えて、参考例51を反応させることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.10 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.56-7.44 (5H, m), 7.38-7.35 (2H, m), 7.28-7.21 (3H, m), 7.16 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.69 (2H, s), 3.13 (3H, s), 3.03 (3H, s), 2.65-2.60 (2H, m), 2.40-2.35 (2H, m), 1.64 (3H, s).
ESI-MS m/z 495(MH+)
【0240】
実施例58
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、2−アミノエタノールを用いることにより、また参考例23(4)に代えて、参考例51を反応させることにより、
表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3-CD3OD) δ: 8.09 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.62-7.57 (2H, m), 7.52-7.44 (5H, m), 7.36-7.31 (2H, m), 7.29-7.25 (2H, m), 5.70 (2H, s), 3.81-3.75 (2H, m), 3.61-3.54 (2H, m), 2.69-2.64 (2H, m), 2.43-2.37 (2H, m), 1.60 (3H, s).
ESI-MS m/z 511(MH+)
【0241】
実施例59
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、O-エチルヒドロキシアミン塩酸絵塩を用いることにより、また参考例23(4)に代えて、参考例51を反応させることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3-CD3OD) δ: 8.04-8.00 (1H, m), 7.52-7.43 (7H, m), 7.33-7.23 (4H, m), 5.66 (2H, s), 4.08 (2H, q, J = 7.1 Hz), 2.69-2.63 (2H, m), 2.42-2.35 (2H, m), 1.59 (3H, s), 1.34 (3H, t, J = 7.1 Hz).
ESI-MS m/z 511(MH+)
【0242】
実施例60
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、2−アミノエタノールを用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3-CD3OD) δ: 8.35 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.99-7.94 (1H, m), 7.50-7.43 (5H, m), 7.35-7.26 (4H, m), 7.15 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.72 (2H, s), 3.83-3.78 (2H, m), 3.63-3.58 (2H, m), 2.70-2.65 (2H, m), 2.43-2.37 (2H, m), 1.60 (3H, s).
ESI-MS m/z 511(MH+)
【0243】
実施例61
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-N-エトキシ-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、O-エチルヒドロキシアミン塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3-CD3OD) δ: 8.19 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 8.8, 2.0 Hz), 7.50-7.42 (5H, m), 7.35-7.27 (4H, m), 7.17 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.72 (2H, s), 4.11 (2H, q, J = 7.1 Hz), 2.71-2.65 (2H, m), 2.44-2.37 (2H, m), 1.61 (3H, s), 1.38 (3H, t, J = 7.1 Hz).
ESI-MS m/z 511(MH+)
【0244】
実施例62
-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボキサミド
実施例52と同様にして、実施例52(3)のメチルアミン塩酸塩に代えて、28%アンモニア水を用いることにより、また参考例23(4)に代えて、参考例51を反応させることにより、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.05 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.55-7.42 (7H, m), 7.34-7.29 (2H, m), 7.22 (2H, d, J = 8.3 Hz), 6.62-6.35 (1H, br m), 6.14-5.82 (1H, br m), 5.65 (2H, s), 2.64-2.58 (2H, m), 2.36-2.31 (2H, m), 1.61 (3H, s)
ESI-MS m/z 467(MH+)
【0245】
実施例63
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-9-カルボン酸 塩酸塩
実施例52(2)(19.5mg)の酢酸エチル(1.0mL)溶液に4M塩酸の酢酸エチル溶液(0.5mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応混合物をろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄することによって、表題化合物(6.0mg、収率35%)を無色固体物として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.69-8.59 (3H, br m), 8.58 (1H, d, J = 2.2 Hz), 8.00 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.59-7.47 (9H, m), 7.31 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.94 (2H, s), 2.71-2.59 (4H, m), 1.42 (3H, s).
ESI-MS m/z 468(MH+)
【0246】
実施例64
2-(4-(トランス-1-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボン酸 塩酸塩
実施例52と同様にして、参考例23(4)に代えて、参考例51を用いることにより、2-(4-(トランス-1-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)フェニル)-3-フェニル-5H-ベンゾ[e]イミダゾ[1,2-c][1,3]オキサジン-8-カルボン酸を得た。
次いで、実施例63と同様にして、表題化合物を無色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.68-8.57 (3H, br m), 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, dd, J = 8.0, 1.5 Hz), 7.62 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.58-7.45 (9H, m), 5.90 (2H, s), 2.69-2.58 (4H, m), 1.41 (3H, s).
ESI-MS m/z 468(MH+)
化合物一覧を下記第3表に示す。
【0247】
【0248】
【0249】
【表8】
【0250】
【表9】
【0251】
試験例
以下の試験例において、compound-Iは上記実施例32のトランス-3-アミノ-1-メチル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[3,4-e] [1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノールを指し、compound-IIは上記実施例35のトランス-3-アミノ-1-シクロプロピル-3-(4-(3-フェニル-5H-イミダゾ[1,2-c]ピリド[4,3-e][1,3]オキサジン-2-イル)フェニル)シクロブタノールを指す。
【0252】
試験例1 パクリタキセルに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト卵巣癌由来A2780株を生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl-nu/nuマウスの右側体側皮下に移植した。腫瘍移植後に腫瘍の長径(mm)及び短径(mm)を測定し、腫瘍体積(tumor volume;TV)を算出後、各群の平均TVが均等になるように各群にマウスを割り付け、この群分け(n=5)を実施した日をday 0とした。
【0253】
パクリタキセル(和光純薬株式会社)単独群の被験液は、パクリタキセル投与用量として60mg/kg/dayとなるよう10%エチルアルコール/10%クレモフォール/80%生理食塩水に希釈し調製した。またcompound-I単独群の被験液は、8mg/kg/day、16mg/kg/day、24mg/kg/dayとなるよう0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)に希釈し調製した。compound-Iはday 1から14日間、1日1回、経口投与し、パクリタキセルはday1及びday 8にマウス尾静脈より投与した。単独群はvehicleとして10%エチルアルコール/10%クレモフォール/80%生理食塩水、もしくは0.5%HPMCをパクリタキセル又はcompound-Iの代わりに投与した。併用投与群では、compound-Iを8mg/kg/day、16mg/kg/day、24mg/kg/dayとパクリタキセルを60mg/kg/dayで投与した。
【0254】
抗腫瘍効果の指標として、各薬剤投与群でday 15におけるTVを測定し、下記式により、day 1に対する相対腫瘍体積(relative tumor volume:RTV)、及びT/C(%)を算出して抗腫瘍効果を評価した。併用効果の評価判定は、併用投与群の平均RTV値が個々の単独投与群の平均RTV値より統計学的に有意に小さい場合(Welch’s Intersection-Union test)に併用効果ありとして判定した。図中、*印は単独群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
結果を図1及び表10に示す。
TV(mm3)=(長径×短径)/2
RTV=(day 15におけるTV)/(day 1におけるTV)
T/C(%)=(被験液投与群の平均RTV値)/(対照群の平均RTV値)×100
また毒性の指標として経時的に体重を測定し、day 1に対するday 15までの平均体重変化率[body weight change:BWC(%)]を下記式により算出した(n:2回/週で実施する体重測定日であり,最終測定日は最終評価日であるday 15に該当する)。結果を図2に示す。
BWC(%)=[(day nにおけるBW)−(day 1におけるBW)]/(day 1におけるBW)×100
【0255】
【表10】
【0256】
試験例2 パクリタキセルに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト胃癌株(NCI-N87)を、生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl- nu/nuマウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。
【0257】
パクリタキセル(和光純薬株式会社)単独群の被験液は、パクリタキセル投与用量として60mg/kg/dayとなるよう調製した。またcompound-I単独群の被験液は、8mg/kg/day、16mg/kg/day、24mg/kg/dayとなるよう調製した。compound-Iはday1から14日間、1日1回、経口投与し、パクリタキセルはday1及び day 8にマウス尾静脈より投与した。単独群は試験例1と同様にvehicleをパクリタキセル又はcompound-Iの代わりに投与した。併用投与群では、compound-Iを8mg/kg/day、16mg/kg/day、24mg/kg/dayとパクリタキセルを60mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。また試験例1と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
結果を図3及び表11に示す。
また、毒性の指標である経時的な体重変化についても試験例1と同様に評価した。結果を図4に示す。
【0258】
【表11】
【0259】
試験例3 カルボプラチンに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト卵巣癌株(A2780)を生後7週齢の雌性ヌードラットの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。カルボプラチンはパラプラチン注(ブリストルマイヤーズスクイブ社製、50mg/5mL)を生理食塩水で2倍希釈し、投与量が50mg/kg/dayとなるよう調製した。またcompound-Iの被験液は、16 mg/kg/dayとなるよう調製した。
【0260】
compound-Iはday 1から14日間、1日1回、経口投与した。カルボプラチンはday 1とday 8にマウス尾静脈より投与した。単独投与群ではvehicleとして0.5% HPMC又は生理食塩水をcompound-I又はカルボプラチンの代わりにそれぞれ投与した。
【0261】
併用投与群では、compound-Iを16mg/kg/dayと、カルボプラチンを50mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。結果を図5及び表12に示す。また、毒性の指標である経時的な体重変化についても試験例1と同様に評価した。統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
結果を図6に示す。
【0262】
【表12】
【0263】
試験例4 ラパチニブに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト胃癌株(NCI-N87)を、生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl- nu/nu マウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。ラパチニブは100mg/kg/dayとなるように調製した。またcompound-Iの被験液は、16mg/kg/dayとなるよう調製した。ラパチニブ及びcompound-Iのvehicleには0.5%HPMC/0.1%Tween80及び、0.5%HPMCをそれぞれ使用した。
【0264】
単独投与群は、compound-Iは16mg/kg/dayで、ラパチニブは100mg/kg/dayで、day 1から14日間、1日1回、経口投与した。併用投与群では、compound-Iを16mg/kg/dayと、ラパチニブを100mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。試験例1と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。結果を図7及び表13に示す。また、毒性の指標である経時的な体重変化についても試験例1と同様に評価した。結果を図8に示す。
【0265】
【表13】
【0266】
試験例5 イリノテカンに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト卵巣癌株(A2780)を、生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl- nu/nuマウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。イリノテカンはカンプト点滴静注(ヤクルト社製、100mg/5mL)を生理食塩水で希釈し投与量が75mg/kg/dayとなるよう調製した。またcompound-Iの被験液は、16mg/kg/dayとなるよう調製した。イリノテカン及びcompound-Iのvehicleには生理食塩水、0.5%HPMCをそれぞれ使用した。
【0267】
単独投与群は、compound-Iは16mg/kg/dayでday 1から14日間、1日1回、経口投与した。イリノテカンは75mg/kg/dayでday 1とday 8にマウス尾静脈から投与した。併用投与群では、compound-Iを16mg/kg/dayと、イリノテカンを75mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。試験例1と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。結果を図9及び表14に示す。また、毒性の指標である経時的な体重変化についても試験例1と同様に評価した。結果を図10に示す。
【0268】
【表14】
【0269】
試験例6 ドキソルビシンに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト卵巣癌株(A2780)を、生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl- nu/nu マウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。
【0270】
ドキソルビシン(アドリアシン注、協和発酵工業株式会社製)単独群の被験液は、ドキソルビシン投与量として7mg/kg/dayとなるよう生理食塩水で希釈して調製した。 compound-I単独群の被験液は、16mg/kg/dayとなるよう0.5%HPMCで希釈して調製した。併用投与群では、compound-Iを16mg/kg/dayとドキソルビシンを7mg/kg/dayで投与した。compound-Iはday 1から14日間連日経口投与し、ドキソルビシンはday 1とday 8に経口投与し、試験例1と同様に評価した。試験例1と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。結果を図11及び表15に示す。
【0271】
また毒性の指標である経時的な体重変化についても、試験例1と同様に評価した。結果を図12に示す。
【0272】
【表15】
【0273】
試験例7 エベロリムスに対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト胃癌株(NCI-N87)を、生後7週齢の雌性BALB/cA Jcl- nu/nuマウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。
【0274】
エベロリムス(IS Chemical社製)単独群の被験液は、エベロリムス投与量として5mg/kg/dayとなるよう調製した。vehicleには5%エチルアルコール/5% PEG400/4% Tween20/86%蒸留水を用いた。compound-I単独群の被験液は、16mg/kg/dayとなるよう0.5%HPMCで希釈して調製した。併用投与群では、compound-Iを16mg/kg/dayとエベロリムスを5mg/kg/dayで投与した。compound-I、エベロリムスの両薬剤ともにday 1から14日間、1日1回、経口投与し、試験例1と同様に評価した。結果を図13及び表16に示す。
【0275】
併用効果の評価判定は、併用投与群の平均RTV値が個々の単独投与群の平均RTV値より統計学的に有意に小さい場合(Welch’s Intersection-Union test, overall maximum p<0.05)に併用効果ありとして判定した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
【0276】
また毒性の指標である経時的な体重変化についても、試験例1と同様に評価した。結果を図14に示す。
【0277】
【表16】
【0278】
試験例8 TS-1に対する抗腫瘍効果増強作用
ヒト胃癌株(4-1ST)を、生後6週齢の雄性BALB/cA Jcl- nu/nuマウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。
【0279】
TS-1は,FT(テガフール、大鵬薬品工業株式会社製)、CDHP(ギメラシル、大鵬薬品工業株式会社製)及びOxo(オテラシルカリウム、大鵬薬品工業株式会社製) をモル比で1:0.4:1 となるように秤量したものを混合し、0.5%(w/v)HPMC 水溶液をFTの濃度が1.66 mg/mL になるように適量添加し超音波処理を施すことにより均一な懸濁液した(8.3 mg/kg/day 群の2 倍濃度投与液)。この懸濁液を0.5%(w/v) HPMC水溶液にて2 倍希釈し0.83 mg/mL とし、8.3 mg/kg/day 群投与液とした。またcompound-Iの被験液は、compound-Iを16及び24mg/kg/dayとなるよう調製した。
【0280】
compound-I及びTS-1をday 1から14日間、1日1回、経口投与した。併用投与群では、compound-Iを16及び24mg/kg/dayと、TS-1を8.3mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。結果を図15A,B及び表17に示す。
【0281】
試験例7と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
【0282】
また毒性の指標である経時的な体重変化についても、試験例1と同様に評価した。結果を図16A,Bに示す。
【0283】
【表17】
【0284】
試験例9 ボルテゾミブに対するがん細胞増殖抑制効果増強作用
ヒト多発性骨髄腫由来細胞株MM.1S又はMM.1Rは10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地で継代及び培養した。MM.1S又はMM.1R細胞を384ウェルマイクロプレートに1500 cells/20 μL/wellで播種し、37℃、5%CO2、湿度100%の条件のインキュベーターで一晩培養した。プレートを取り出しDMSO溶媒及び10%牛胎児血清含むRPMI-1640培地用いて最終濃度7.8, 15.6, 31.3, 62.5, 125, 250, 500, 1000, 2000 nMになる様に希釈したcompound-IIを、各濃度あたり4ウェルに5 μLずつ添加した。ボルテゾミブはDMSO溶媒及び10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地を用いて最終濃度7.8, 15.6, 31.3, 62.5, 125, 250, 500, 1000, 2000 nMになる様に希釈し、各濃度あたり4ウェルに5 μLずつ添加した。併用群としてcompound-II及びボルテゾミブを上記の最終濃度のすべての組み合わせで希釈し、各組み合わせあたり4ウェルに5 μLずつ添加した。コントロールとして10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地を用いて希釈したDMSOをコントロール測定用の16ウェルに5 μLずつ添加した。プレートをインキュベーターにもどし、さらに3日間培養した。3日後に、CellTiter- GloTM (Promega)を1ウェルあたり25 μL添加し、細胞数測定を実施した。compound-II単独処理、ボルテゾミブ単独処理及び両薬剤の併用によって得られた細胞増殖抑制効果のデータをCalcuSyn Version 2.1 (Biosoft)を用いてChouとTalalayによってAdv Enzyme Regul 1984;22:27-55に示されたMedian effect法に基づいて解析し、併用効果の指標となるCombination Index(CI)を得た。CI 値が 1.2以上の場合は拮抗的、1.2より小さく0.85以上の場合は相加的、CI値が0.85より小さい場合に相乗的と判断した。以下の表に、Combination Indexを示す。CI値はMM.1Sにおいて0.71から1.0、MM.1Sにおいて0.60から1.13であり、compound-IIはボルテゾミブと相加的あるいは相乗的な細胞増殖抑制効果を示した。
【0285】
【表18】
【0286】
試験例10 エルロチニブに対するがん細胞増殖抑制効果増強作用
ヒト胃癌由来細胞株NCI-N87は10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地で継代及び培養した。NCI-N87細胞を96ウェルマイクロプレートに3750 cells/100 μL/wellで播種し、37℃、5%CO2、湿度100%の条件のインキュベーターで一晩培養した。compound-II は最終濃度が0 (DMSOのみ), 10, 30, 100, 300, 1000, 3000, 10000 nMになるように調製した200倍DMSO溶液希釈系列と、エルロチニブは最終濃度がcompound-IIに対して0.1, 0.3, 1, 3, 10倍となる希釈系列を調製した。プレートを取り出し、上記のDMSO溶液の希釈系列を10%牛胎児血清含むRPMI-1640培地用いて最終濃度の4倍濃度になるよう希釈し、併用群としてcompound-II及びエルロチニブを最終濃度のすべての組み合わせになるようにそれぞれウェルあたり50 μLずつ添加した。このときウェルの総培地容量は200 μLになる。コントロールとして10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地を用いて希釈したDMSOをウェルに100 μLずつ添加した。プレートをインキュベーターにもどし、さらに3日間培養した。3日後、プレートを室温に取り出し培養上清のみを100 μL 除去した後、CellTiter- GloTM (Promega)を1ウェルあたり50 μL添加し、細胞数測定を実施した。compound-II単独処理、エルロチニブ単独処理及び両薬剤の併用によって得られた細胞増殖抑制効果のデータから試験例9と同じ方法により併用効果の指標となるCombination Index(CI)を得た。CI 値が 1.2以上の場合は拮抗的、1.2より小さく0.85以上の場合は相加的、CI値が0.85より小さい場合に相乗的と判断した。以下の表19に、Combination Indexを示す。CI値はNCI-N87細胞株において0.25から0.52であり、compound-IIはエルロチニブと相乗的な細胞増殖抑制効果を示した。
【0287】
【表19】
【0288】
試験例11 トラスツズマブ(ハーセプチン、Herceptin)に対するがん細胞増殖抑制効果増強作用
ヒト胃癌株(4-1ST) を、生後6週齢の雄性BALB/cA Jcl- nu/nuマウスの右側体側皮下に移植し、試験例1と同様に用いた。
トラスツズマブ(Roche Pharma)は添付文書に従い150 mg を含むバイアルに滅菌注射筒を用いて7.2 mLの注射用水を添加し,21 mg/mL 溶液として凍結保存した.使用時に4.75 mL の生理食塩液を加えてトラスツズマブの濃度が2.0 mg/mL となるように10.5 倍希釈し,20 mg/kg/day の投与用液とした.またcompound-Iの被験液は、compound-I 16及び24mg/kg/dayとなるよう調製した。
【0289】
Compound-I及びトラスツズマブをday 1から14日間、1日1回投与した。併用投与群では、compound-Iを16及び24mg/kg/dayと、トラスツズマブを20 mg/kg/dayで投与し、試験例1と同様に評価した。結果を図17A,B及び表20に示す。媒体及びCompound I 投与群は1日1回の経口投与、トラスツズマブは1日一回の腹腔内投与により連日投与を行った.
試験例7と同様に統計学的に併用効果の判定を実施した。図及び表中、*印は単剤群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
【0290】
また毒性の指標である経時的な体重変化についても、試験例1と同様に評価した。結果を図18A,Bに示す。
【0291】
【表20】
【0292】
図1、3、5、7、9、11、13、15及び17から明らかなように、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩は、各種の抗腫瘍剤の抗腫瘍効果を顕著に増強した。その効果はイミダゾオキサジン化合物(I)の低用量(抗腫瘍効果を示さない用量、図1、表11)である8mg/kg/dayより認められ、ヌードマウスでの高用量(最大効果発揮用量)である24mg/kg/dayでは、併用することにより顕著な腫瘍の縮小を誘導した(表11及び13)。また併用する抗腫瘍剤の単独投与が示す体重減少に対して併用投与でも顕著な体重減少の増悪は認められなかった(図2、4、12及び14)。このことから本発明化合物は各種の抗腫瘍剤の毒性を増強することなく抗腫瘍効果の増強作用を示すことが示唆された。
【0293】
また例えば図1図3の比較で示されるように、パクリタキセルでは同一投与量を用いても腫瘍によってその抗腫瘍効果(薬剤感受性)に違いが認められるが、イミダゾオキサジン化合物(I)と併用することによりいずれも効果の増強が認められている。つまり併用薬剤であるパクリタキセルに対して感受性が低い腫瘍においても、イミダゾオキサジン化合物(I)と併用することにより、パクリタキセルの腫瘍増殖抑制効果を増強することが期待される。このことはイミダゾオキサジン化合物(I)の併用により、他の抗腫瘍剤の抗腫瘍スペクトラムが拡大することを意味する。
【0294】
つまり、イミダゾオキサジン化合物(I)又はその薬学的に許容される塩と各種抗腫瘍剤の併用では、顕著な毒性の増悪を示さず、抗腫瘍効果の増強を示し、抗腫瘍スペクトラムを拡大することが認められた。
【0295】
試験例12 メトフォルミンに対するがん細胞増殖抑制効果増強作用
ヒト卵巣癌由来細胞株A2780は10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地で継代及び培養した。A2780細胞を96ウェルマイクロプレートに2000 cells/100 μL/wellで播種し、37℃、5%CO2、湿度100%の条件のインキュベーターで一晩培養した。Compound-Iは最終濃度が0 (DMSOのみ), 10, 30, 100, 300, 1000, 3000, 10000 nMになるように200倍DMSO溶液希釈系列を調整した.メトフォルミンは最終濃度がCompound-Iに対して1000, 3333, 10000倍となるように10%牛胎児血清含むRPMI-1640培地により調製した。プレートを取り出し、上記のCompound-Iとメトフォルミンとの併用群として、Compound-Iおよびメトフォルミンを、最終濃度のすべての組み合わせになるように各ウェルに添加した。このときウェルの総培地容量は200 μLになる。コントロールとして10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地を用いて最終濃度0.5%となるように希釈したDMSOをウェルに100 μLずつ添加した。プレートをインキュベーターにもどし、さらに3日間培養した。3日後、プレートを室温に取り出し培養上清のみを150 μL 除去した後、CellTiter- GloTM (Promega)を1ウェルあたり50 μL添加し、細胞数測定を実施した。Compound-I単独処理、エルロチニブ単独処理および両薬剤の併用によって得られた細胞増殖抑制効果のデータから試験例9と同じ方法により併用効果の指標となるCombination Index(CI)を得た。CI 値が 1.2以上の場合は拮抗的、1.2より小さく0.85以上の場合は相加的、CI値が0.85より小さい場合に相乗的と判断した。以下の表に、Combination Indexを示す。CI値はA2780細胞株において0.08から0.96であり、Compound-Iはメトフォルミンと相加的あるいは相乗的な細胞増殖抑制効果を示した。
【0296】
【表21】
【0297】
試験例13 ドセタキセルに対するがん細胞増殖抑制効果増強作用
ヒト卵巣癌由来細胞株A2780は10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地で継代及び培養した。A2780細胞を96ウェルマイクロプレートに2000 cells/150 μL/wellで播種し、37℃、5%CO2、湿度100%の条件のインキュベーターで一晩培養した。Compound-Iは最終濃度が0 (DMSOのみ), 10, 30, 100, 300, 1000, 3000, 10000 nMになるように200倍DMSO溶液希釈系列を調製した.ドセタキセルは最終濃度がCompound-Iに対して0.01, 0.03倍となるように10%牛胎児血清含むRPMI-1640培地により調製した。プレートを取り出し、上記のCompound-Iとドセタキセルとの併用群として、Compound-Iおよびドセタキセルを、最終濃度のすべての組み合わせになるように各ウェルに添加した。このときウェルの総培地容量は200 μLになる。コントロールとして10%牛胎児血清を含むRPMI-1640培地を用いて最終濃度0.5%となるように希釈したDMSOをウェルに50 μLずつ添加した。プレートをインキュベーターにもどし、さらに3日間培養した。3日後、プレートを室温に取り出し培養上清のみを150 μL 除去した後、CellTiter- GloTM (Promega)を1ウェルあたり50 μL添加し、細胞数測定を実施した。Compound-I単独処理、ドセタキセル単独処理および両薬剤の併用によって得られた細胞増殖抑制効果のデータから試験例9と同じ方法により併用効果の指標となるCombination Index(CI)を得た。CI 値が 1.2以上の場合は拮抗的、1.2より小さく0.85以上の場合は相加的、CI値が0.85より小さい場合に相乗的と判断した。以下の表に、Combination Indexを示す。CI値はA2780細胞株において0.33から0.67であり、Compound-Iはドセタキセルと相加的あるいは相乗的な細胞増殖抑制効果を示した。
【0298】
【表22】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18