(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、実装効率を高める観点から、より多くのヘッドがヘッドユニットに搭載される傾向がある。そのため、ベルト伝動機構については、より多くのヘッドを回転駆動することが求められる結果、伝動ベルトの長尺化が進んでいる。このような伝動ベルトの長尺化は、ベルト伸びを生じ易くし、例えばロストモーション等、回転誤差をもたらす原因となる。
【0005】
このようなベルト伸びに起因する回転誤差への影響は小さく、実装精度に直接影響を与えることは殆どない。しかし、ヘッド数の増加に伴い伝動ベルトの長尺化が進行すれば、例えば大型のパッケージ部品などは、ベルト伸びに起因する回転誤差が実装精度上無視できなくなることが考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、特に、複数のヘッドがヘッドユニットに搭載された部品実装装置において、ノズル回転駆動機構によるヘッドユニットの大型化や高重量化を抑制しながら、合理的な構成で実装精度を確保できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、垂直軸回りに回転可能な部品実装用の複数のヘッドが搭載されたヘッドユニットを備える部品実装装置において、
複数種類の部品が供給される部品供給部と、この部品供給部及び基板に対して前記ヘッドユニットを相対的に移動させる移動手段と、前記ヘッドユニットに搭載され、前記複数のヘッドを回転駆動するためのベルト伝動機構からなるヘッド回転駆動機構
と、前記ヘッドユニットの各ヘッドにより前記部品供給部から部品を保持して前記基板上に実装すべく前記移動手段を制御する制御手段とを備えており、
前記ヘッド回転駆動機構は、モータと、前記複数のヘッドのうち一乃至複数のヘッドからなる第1グループのヘッドと前記モータの出力軸とに掛け渡される第1伝動ベルトと、この第1伝動ベルトよりも全長が短く、かつ前記複数のヘッドのうち前記第1グループに属するヘッドとは別の一乃至複数のヘッドからなる第2グループのヘッドと前記出力軸とに掛け渡される第2伝動ベルトとを備え
、前記制御手段は、前記部品供給部の複数種類の部品のうち、予め定められた特定部品については、前記第2グループのヘッドのみによって当該特定部品が取り出されるように前記移動手段を制御するものである。
【0008】
この部品実装装置では、全てのヘッドが同一の伝動ベルトを介して回転駆動されるのではなく、第2グループについては、第1グループの各ヘッドを回転駆動する第1伝動ベルトよりも全長の短い第2伝動ベルトを介して各ヘッドが回転駆動される。この構成によれば、第2伝動ベルトを介して回転駆動される第2グループの各ヘッドについては、第1伝動ベルトよりも第2伝動ベルトのベルト長が短い分、第1グループの各ヘッドに比べてベルト伸びによる回転誤差を伴い難くなる。
そして、特定部品については、第2グループの各ヘッドのみを用いて部品供給部から部品が取り出されて基板上に実装されるため、実装精度が特に要求される部品を特定部品としておけば、ヘッドユニットに搭載される複数のヘッドを共通のモータで回転駆動する構成でありながらも、
当該特定部品の実装精度を確保することが可能となる。
【0011】
この場合、前記部品供給部が、前記複数種類の部品としてチップ部品及びパッケージ型部品を含む複数種類の部品を供給するものである場合には、前記制御手段は、前記パッケージ部品を特定部品として前記第2グループのヘッドのみによって当該特定部品の取り出しを行わせ、前記チップ部品については前記第1グループ及び第2グループの各ヘッドによって前記部品供給部から部品の取り出し行わせるように前記移動手段を制御するものであるのが好適である。
【0012】
すなわち、基板上への部品実装時には、予め定められた所定の回転角度で部品が基板上に実装されるが、最大寸法(基板面に沿った方向の最大寸法)がチップ部品に比べて大きいパッケージ型部品は、チップ部品に比べてヘッドの回転誤差による影響を受け易い(回転誤差による実装ずれが生じ易い)。上記構成によれば、パッケージ型部品については第2グループの各ヘッドのみを用いて部品の実装が行われ、チップ部品については両グループの各ヘッドを用いて部品実装が行われることで、パッケージ部品及びチップ部品それぞれについて要求される実装精度を確保しながら各部品の実装作業を進めることが可能となる。
【0013】
なお、上記のような部品実装装置において、前記ヘッドユニットは、特定方向に一列に並ぶ複数のヘッドをそれぞれ備え、かつ前記特定方向と直交する方向に並ぶ第1ヘッド列及び第2ヘッド列を含み、前記ヘッド回転駆動機構は、前記モータと前記第1ヘッド列とで前記第2ヘッド列を前記直交する方向に挟むように当該モータが配置され、前記第1ヘッド列の一乃至複数のヘッドを前記第1グループのヘッドとして当該ヘッドと前記モータの出力軸とに前記第1伝動ベルトが掛け渡されるとともに、前記第2ヘッド列の一乃至複数のヘッドを前記第2グループのヘッドとして当該ヘッドと前記モータの出力軸とに前記第2伝動ベルトが掛け渡されているのが好適である。
【0014】
この部品実装装置では、複数のヘッドが2列に振り分けられた状態でヘッドユニットに搭載され、これらヘッド列の並び方向の外側にモータが配置される。このような構成によれば、ヘッドユニットに多数のヘッドを搭載しながらも、ヘッドユニット自体がヘッドの並び方向(特定方向)に著しく大型化することを抑制することが可能となる。
【0015】
この場合、前記第2伝動ベルトが掛け渡される前記第2グループのヘッドは、前記第2ヘッド列のヘッドのみであるのが好適である。
【0016】
この構成によれば、ベルト長が短い方の第2伝動ベルトを、モータに近い側の第2ヘッド列のヘッドにのみに掛け渡すので、第2伝動ベルトのベルト長をより短くでき、第2伝動ベルトで駆動される第2ヘッド列のヘッドによる部品実装精度をより高めることが可能となる。
【0017】
なお、前記ヘッドユニットは、複数の前記ヘッド回転駆動機構を備えており、これらベルト回転駆動機構が、互いの前記モータ同士が前記特定方向に一列に並ぶように配置され、かつ、前記第1グループのヘッド及び前記第2グループのヘッドとして、互いに異なるヘッドを回転駆動するように構成されるものであってもよい。
【0018】
この構成によれば、一つのモータで駆動するヘッドの数を少なくできるので、モータを小型化でき、複数のヘッドが並ぶ特定方向と直交する方向にヘッドユニットをコンパクトにできる。なお、特定方向には複数のモータが並ぶことになるが、これはヘッドの並び方向であるため、モータが並ぶことによりヘッドユニットが大型化することはない。
【0019】
この場合、前記複数のベルト回転駆動機構はそれぞれ、前記第1グループのヘッドとして複数のヘッドに前記第1伝動ベルトが掛け渡されるものであり、かつ、各ベルト回転駆動機構に対応する前記第1グループのヘッドのうち前記特定方向の一方側の端部に位置するヘッド同士が各ベルト回転駆動機構の前記モータの配列方向に準じて並ぶとともに、他方側の端部に位置するヘッド同士が前記モータの配列方向に準じて並ぶように、各第1伝動ベルトが前記ヘッドに掛け渡されたものであるのが好適である。
【0020】
この構成によれば、各ベルト回転駆動機構の第1伝動ベルトは、これらをそれぞれ駆動するモータの並ぶ方向に互いにずれながら並ぶことになるので、各第1伝動ベルトの長さの間に大きな差がなくなり、かつ、何れも飛び抜けて長くなることがない。これにより、ヘッドの回転誤差の相互差が大きくなることが防止され、要求される実装精度を確保しながら各第1グループのヘッドによる部品の実装作業を進めることが可能となる。
【0021】
また、前記複数のヘッド回転駆動機構の各第2伝動ベルトは、互いに前記特定方向に重なることなく当該特定方向に並ぶように前記ヘッドに掛け渡されているのが好適である。
【0022】
この構成によれば、各ベルト回転駆動機構の第2伝動ベルトは、これらをそれぞれ駆動するモータの並ぶ方向に、互いに完全にずれながら並ぶことになるので、各第2伝動ベルトの長さの間に大きな差がなくなり、かつ、何れも飛び抜けて長くなることがない。これにより、ヘッドの回転誤差の相互差が大きくなることが防止され、要求される実装精度を確保しながら各第2グループのヘッドによる各部品の実装作業を進めることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明の部品実装装置によれば、複数のヘッドがヘッドユニットに搭載された部品実装装置において、ノズル回転駆動機構によるヘッドユニットの大型化や高重量化を抑制しながら、合理的な構成で実装精度を確保できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0026】
図1及び
図2は、本発明に係る部品実装装置を概略的に示しており、
図1は平面図で、
図2は正面図で、それぞれ部品実装装置を概略的に示している。
図1、
図2及び後に説明する図面には、各図の方向関係を明確にするためにXYZ直角座標軸が示されている。
【0027】
部品実装装置は、基台1と、この基台1上に配置されてプリント配線板(PWB;Printed
wiring board)等の基板3をX方向に搬送する基板搬送機構2と、部品供給部4、5と、部品実装用のヘッドユニット6と、このヘッドユニット6を駆動するヘッドユニット駆動機構と、部品認識のための撮像ユニット7等とを備える。
【0028】
前記基板搬送機構2は、基台1上において基板3を搬送する一対のコンベア2a、2aを含む。これらコンベア2a、2aは、同図の右側から基板3を受け入れて所定の実装作業位置(同図に示す位置)に搬送し、図略の保持装置により当該基板3を保持する。そして、実装作業後、当該基板3の保持を解除し、この基板3を同図の左側に搬出する。
【0029】
前記部品供給部4、5は、前記基板搬送機構2の両側(Y方向両側)に配置されている。これら部品供給部4、5のうち一方側の部品供給部4には、基板搬送機構2に沿ってX方向に並ぶ複数のテープフィーダ4aが配置されている。これらテープフィーダ4aは、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を収納、保持したテープが巻回されたリールを備え、このリールから間欠的にテープを繰り出しながら基板搬送機構2近傍の所定の部品供給位置に部品を供給する。一方、他方側の部品供給部5には、X方向に所定の間隔を隔ててトレイ5a、5bがセットされている。各トレイ5a、5bには、後述するヘッドユニット6による取出しが可能となるように、各々、QFP(Quad Flat Package)やBGA(Ball Grid Array)等のパッケージ型の部品が整列して載置されている。
【0030】
前記ヘッドユニット6は、部品供給部4、5から部品を取り出して基板3上に実装するものであり、基板搬送機構2および部品供給部4,5等の上方に配置されている。
【0031】
前記ヘッドユニット6は、前記ヘッドユニット駆動機構(本発明の移動手段に相当する)により一定の領域内でX方向およびY方向に移動可能とされている。このヘッドユニット駆動機構は、基台1上に設けられる一対の高架フレーム1a、1aにそれぞれ固定され、Y方向に互いに平行に延びる一対の固定レール9と、これら固定レール9に支持されてX方向に延びるユニット支持部材12と、このユニット支持部材12に螺合挿入されてY軸サーボモータ11より駆動されるボールねじ軸10とを含む。また、ユニット支持部材11に固定され、ヘッドユニット6をX方向に移動可能に支持する固定レール13と、ヘッドユニット6に螺合挿入されてX軸サーボモータ15を駆動源として駆動されるボールねじ軸14とを含む。つまり、ヘッドユニット駆動機構は、X軸サーボモータ15の駆動によりボールねじ軸14を介してヘッドユニット6をX方向に移動させる共に、Y軸サーボモータ11の駆動によりボールねじ軸10を介してユニット支持部材12をY方向に移動させ、その結果、ヘッドユニット6を一定の領域内でX方向およびY方向に移動させる。
【0032】
前記ヘッドユニット6は、当該ヘッドユニット6のフレームに昇降(Z方向の移動)及び回転(
図2中のR方向の回転)可能に支持される複数本の軸状の実装ヘッド16と、これら実装ヘッド16をヘッドユニット6に対して昇降させるためのヘッド昇降駆動機構と、前記実装ヘッド16を回転させるためのヘッド回転駆動機構等とを備える。
【0033】
前記ヘッドユニット6には、実装ヘッド16として合計10本の実装ヘッド16が搭載されている。これら10本の実装ヘッド16は、複数本ずつ前後2列に振り分けられた状態でヘッドユニット6に支持されている。具体的には、
図3に示すように、前列6本、後列4本に振り分けられ、列毎にX方向(本発明の特定方向に相当する)に一列に配列された状態でヘッドユニット6に支持されている。
【0034】
なお、以下の説明において特に各実装ヘッド16を区別する必要がある場合には、前列(本発明の第2ヘッド列に相当する)の各実装ヘッド16を右側(−X方向側)から順に第1前列ヘッド17a〜第6前列ヘッド17fと呼び、後列(本発明の第1ヘッド列に相当する)の各実装ヘッド16を右側から順に第1後列ヘッド18a〜第4後列ヘッド18dと呼ぶことにする。
【0035】
前記ヘッドユニット6に搭載される前列の各ヘッド17a〜17fは、第3前列ヘッド17cと第4前列ヘッド17dとのピッチが他より広く設定される以外、隣接するもの同士が互いに一定のピッチで並ぶように配列されている。そして、X方向において、第1〜第3の前列ヘッド17a〜17cのうち隣接するもの同士の間にそれぞれ第1、第2の後列ヘッド18a、18bが位置し、第4〜第6の前列ヘッド17d〜17fのうち隣接するもの同士の間にそれぞれ第3、第4の後列ヘッド18c、18dが位置するように、後列の各ヘッド18a〜ヘッド18dが配列されている。これにより、当例では、
図3に示すように、全体として、ヘッドユニット6の中間位置から右側の領域(−X方向側の領域)に5本の実装ヘッド16(ヘッド17a〜17c及び18a、18b)が千鳥状に配置されるとともに、これらに対して左右対称となるように、左側の領域(+X方向側の領域)に他の5本の実装ヘッド16(ヘッド17d〜17f及び18c、18d)が千鳥状に配置されている。
【0036】
各実装ヘッド16は、その先端(下端)に、部品を吸着、保持するためのノズルを備えている。各実装ヘッド16のノズルは、それぞれ電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置および大気の何れかに連通可能とされている。この構成により、前記ノズルに負圧が供給されることで当該ノズルによる部品の吸着保持が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0037】
前記ヘッド昇降駆動機構は、各実装ヘッド16の上端部にそれぞれ配置される図外のエアシリンダ、及び各エアシリンダへのエアの給排を切り換える電動切替弁等を含む。各実装ヘッド16は、それぞれ対応するエアシリンダのピストンロッドに連結されており、前記電動切替弁の切替え応じて昇降する。
【0038】
前記ヘッド回転駆動機構として、この部品実装装置は、第1、第2の2つのヘッド回転駆動機構を備えている。具体的には、
図3〜
図6に示すように、第1〜第3の前列ヘッド17a〜17c及び第1、第3の後列ヘッド18a、18cを一体的に回転駆動するための第1ヘッド回転駆動機構と、第4〜第6の前列ヘッド17d〜17f及び第2、第4の後列ヘッド18b、18dを一体的に回転駆動するための第2ヘッド回転駆動機構とを備えている。なお、
図5、
図6では、便宜上、一部の実装ヘッド16を省略して描いている。
【0039】
これら第1、第2の各ヘッド回転駆動機構は、それぞれR軸サーボモータとベルト伝動機構とから構成されている。第1ヘッド回転駆動機構は、第1R軸サーボモータ20を駆動源として、互いに長さの異なる2本の伝動ベルト(右側第1伝動ベルト26A、右側第2伝動ベルト26Bという;本発明の第1伝動ベルト及び第2伝動ベルトに相当する)を介して第1〜第3の前列ヘッド17a〜17c及び第1、第3の後列ヘッド18a、18cを一体に回転駆動するように構成されている。
【0040】
詳しく説明すると、前記第1R軸サーボモータ20は、ヘッドユニット6における第1〜第3のヘッド17a〜17cの前方(+Y方向側)に、出力軸20aを上向きにした状態で配置されている。すなわち、第1R軸サーボモータ20と第1、第3の後列ヘッド18a、18c(第1ヘッド列のヘッド)とで、第1〜第3の前列ヘッド17a〜17c(第2ヘッド列のヘッド)をY方向に挟むように、当該第1R軸サーボモータ20が配置されている。
図4、
図6に示すように、第1R軸サーボモータ20の出力軸20aには、上下2つの駆動プーリ22、23が固定され、これら駆動プーリ22、23のうち上側の駆動プーリ22と、第2前列ヘッド17b及び第1、第3の後列ヘッド18a、18cにそれぞれ固定される被駆動プーリ30と、所定位置に配置される従動プーリ36、38とに亘って右側第1伝動ベルト26Aが掛け渡されている。具体的には、時計回りに、駆動プーリ22、従動プーリ38、第3後列ヘッド18c(被駆動プーリ30)、第1後列ヘッド18a(被駆動プーリ30)、第2前列ヘッド17b(被駆動プーリ30)及び従動プーリ36の順番で当該駆動プーリ22等に右側第1伝動ベルト26Aが掛け渡されている。そして、第2前列ヘッド17bと第1後列ヘッド18aとの間の位置で、右側第1伝動ベルト26Aに対してその外側(外周側)からテンションプーリ40が圧接されることにより、右側第1伝動ベルト26Aの張力が所定値に調節されている。
【0041】
また、
図4、
図5に示すように、下側の駆動プーリ23と、第1前列ヘッド17a及び第3前列ヘッド17cにそれぞれ固定される被駆動プーリ30と、所定位置に配置される従動プーリ32とに亘って、前記右側第1伝動ベルト26Aよりも全長が短い右側第2伝動ベルト26Bが掛け渡されている。すなわち、右側第2伝動ベルト26Bが掛け渡されるヘッド(第2グループのヘッド)は、前列ヘッド17a、17c(本発明の第2ヘッド列のヘッドに相当する)のみとされている。具体的には、時計回りに、駆動プーリ23、第3前列ヘッド17c(被駆動プーリ30)、従動プーリ32及び第1前列ヘッド17a(被駆動プーリ30)の順番で当該駆動プーリ23等に右側第2伝動ベルト26Bが掛け渡されている。そして、駆動プーリ23と第3前列ヘッド17cとの間の位置で、右側第2伝動ベルト26Bに対してその外側(外周側)からテンションプーリ34が圧接されることにより、右側第2伝動ベルト26Bの張力が所定値に調節されている。
【0042】
なお、右側第1伝動ベルト26Aが掛け渡される従動プーリ36と、右側第2伝動ベルト26Bが掛け渡される従動プーリ32とは、共通の軸体に上下並んだ状態で回転自在に支持されている。
【0043】
前記第2ヘッド回転駆動機構も、第1ヘッド回転駆動機構と同様に、第2R軸サーボモータ21を駆動源とし、互いに長さの異なる2本の伝動ベルト(左側第1伝動ベルト27A、左側第2伝動ベルト27Bという;本発明の第1伝動ベルト及び第2伝動ベルトに相当する)を介して前列の第4〜第6のヘッド17d〜17f及び後列の第2、第4のヘッド18b、18dを一体的に回転駆動するように構成されている。
【0044】
詳しく説明すると、第2R軸サーボモータ21は、ヘッドユニット6における第4〜第6の前列ヘッド17d〜17fの前側(+Y方向側)に、出力軸21aを上向きにした状態で配置されている。すなわち、第2R軸サーボモータ21と第2、第4の後列ヘッド18b、18d(第1ヘッド列のヘッド)とで、第4〜第6の前列ヘッド17a〜17c(第2ヘッド列のヘッド)をY方向に挟み、かつ、Y方向における前記第1R軸サーボモータ20と同じ位置で当該第1R軸サーボモータ20に対してX方向に一列に並ぶように前記第2R軸サーボモータ21が配置されている。
図4、
図5に示すように、第2R軸サーボモータ21の出力軸21aには、軸方向に並ぶように上下2つの駆動プーリ24、25が固定され、これら駆動プーリ24、25のうち下側の駆動プーリ25と、第5前列ヘッド17e及び第2、第4の後列ヘッド18b、18dにそれぞれ固定される被駆動プーリ30と、所定位置に配置される従動プーリ46、48とに亘って左側第1伝動ベルト27Aが掛け渡されている。具体的には、時計回りに、駆動プーリ25、従動プーリ46、第5前列ヘッド17e(被駆動プーリ30)、第4後列ヘッド18d(被駆動プーリ30)、第2後列ヘッド18b(被駆動プーリ30)及び従動プーリ48の順番で当該駆動プーリ25等に左側第1伝動ベルト27Aが掛け渡されている。そして、第5前列ヘッド17eと第4後列ヘッド18dとの間の位置で、左側第1伝動ベルト27Aに対してその外側(外周側)からテンションプーリ50が圧接されることにより、左側第1伝動ベルト27Aの張力が所定値に調節されている。なお、左側第1伝動ベルト27Aが掛け渡される従動プーリ48と、前記右側第1伝動ベルト26Aが掛け渡される従動プーリ38とは、共通の軸体に上下並んだ状態で回転自在に支持されている。
【0045】
また、
図4、
図6に示すように、上側の駆動プーリ24と、第4前列ヘッド17d及び第6前列ヘッド17fにそれぞれ固定される被駆動プーリ30と、所定位置に配置される従動プーリ42とに亘って、前記左側第1伝動ベルト27Aよりも全長が短い左側第2伝動ベルト27Bが掛け渡されている。すなわち、左側第2伝動ベルト27Bが掛け渡されるヘッド(第2グループのヘッド)は、前列ヘッド17a、17c(本発明の第2ヘッド列のヘッドに相当する)のみとされている。具体的には、時計回りに、駆動プーリ24、第6前列ヘッド17f(被駆動プーリ30)、従動プーリ42及び第4前列ヘッド17d(被駆動プーリ30)の順番で当該駆動プーリ24等に左側第2伝動ベルト27Bが掛け渡されている。そして、駆動プーリ24と第4前列ヘッド17dとの間の位置で、左側第2伝動ベルト27Bに対してその外側(外周側)からテンションプーリ44が圧接されることにより、左側第2伝動ベルト27Bの張力が所定値に調節されている。
【0046】
なお、左側第1伝動ベルト27Aが掛け渡される従動プーリ46と、左側第2伝動ベルト27Bが掛け渡される従動プーリ42とは、共通の軸体に上下並んだ状態で回転自在に支持されている。
【0047】
この構成により、第1ヘッド回転駆動機構は、第1R軸サーボモータ20の駆動により、右側第1伝動ベルト26Aを介して第2前列ヘッド17b、第1及び第3の後列ヘッド18a、18c(本発明の第1グループの各ヘッドに相当する)を回転させるとともに、この右側第1伝動ベルト26Aよりも全長が短い右側第2伝動ベルト26Bを介して第1及び第3の前列ヘッド17a、17c(本発明の第2グループの各ヘッドに相当する)をそれぞれ回転させる。また、第2ヘッド回転駆動機構は、第2R軸サーボモータ21の駆動により、左側第1伝動ベルト27Aを介して第5前列ヘッド17e、第2及び第4の後列ヘッド18b、18d(本発明の第1グループの各ヘッドに相当する)を回転させるとともに、この左側第1伝動ベルト27Aよりも全長の短い左側第2伝動ベルト27Bを介して第4及び第6の前列ヘッド17d、17f(本発明の第2グループの各ヘッドに相当する)をそれぞれ回転させるようになっている。すなわち、第1ヘッド回転駆動機構及び第2ヘッド回転駆動機構は、互いに、右側第1伝動ベルト26Aが掛け渡される実装ヘッド16と左側第1伝動ベルト27Aが掛け渡される実装ヘッド16とが異なり、同様に右側第2伝動ベルト26Bが掛け渡される実装ヘッド16と左側第2伝動ベルト27Bが掛け渡される実装ヘッド16とが異なるように構成されている。
【0048】
なお、各実装ヘッド16は、上記の通りヘッドユニット6において左右対称に配列されている。そして、第1ヘッド回転駆動機構と第2ヘッド回転駆動機構とも、
図4及び
図5に示に示すように左右対称は構成、つまり、第1ヘッド回転駆動機構を構成する第1R軸サーボモータ20の配置及び伝動ベルト26A、26Bの掛け渡し構造と、第2ヘッド回転駆動機構を構成する第2R軸サーボモータ21の配置及び伝動ベルト27A、27Bの掛け渡し構造は左右対称であり、従って、右側第1伝動ベルト26Aと左側第1伝動ベルト27Aとは互いに同じ長さであり、右側第1伝動ベルト26Aと左側第2伝動ベルト27Bとは互いに同じ長さである。
【0049】
また、第1ヘッド回転駆動機構の右側第1伝動ベルト26Aは、第2前列ヘッド17b、第1及び第3の後列ヘッド18a、18cに掛け渡されており、従って、これらのうち右方端(−X方向端)の実装ヘッド16は第1後列ヘッド18aであり、左方端(+X方向端)の実装ヘッド16は第3後列ヘッド18cである。一方、第2ヘッド回転駆動機構の左側第1伝動ベルト27Aは、第5前列ヘッド17e、第2及び第4の後列ヘッド18b、18dに掛け渡されおり、従って、これらのうち右方端の実装ヘッド16は第2後列ヘッド18bであり、左方端の実装ヘッド16は第4後列ヘッド18dである。つまり、右側に位置する(第1R軸サーボモータ20が右側に位置する)第1ヘッド回転駆動機構の右方端の第1後列ヘッド18aの左側に、左側に位置する(第2R軸サーボモータ21が左側に位置する)第2ヘッド回転駆動機構の右方端の第2後列ヘッド18bが並び、右側の第1ヘッド回転駆動機構の左方端の第3後列ヘッド18cの左側に、左側の第2ヘッド回転駆動機構の左方端の第4後列ヘッド18dが並んでいる。また、第1ヘッド回転駆動機構の右側第2伝動ベルト26Bに対し、第2ヘッド回転駆動機構の左側第2伝動ベルト27Bは、X方向に重なることなく左側(−X方向)に並んでいる。
【0050】
前記撮像ユニット7は、実装ヘッド16による部品の保持状態を画像認識するために、部品供給部4、5から取り出された部品を実装に先立ち撮像するものであり、前記基台1上であって前記トレイ5a、5bの間の位置に配置されている。この撮像ユニット7は、基台1上に固定的に配置されており、実装ヘッド16に保持された部品をその下側から撮像するカメラと、部品に対して撮像用の照明を与える照明装置とを備えており、部品供給部4、5からの部品吸着後、前記ヘッドユニット6が当該撮像ユニット7の上方を移動する際に、各実装ヘッド16の保持部品を撮像し、その画像データを後記コントローラ60(画像処理部63)に出力する。
【0051】
この部品実装装置は、その動作を統括的に制御するコントローラ60(
図2に示す)をさらに備えている。このコントローラ60は、論理演算を実行するCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを記憶するROM、種々のデータを一時的に記憶するRAMおよびHDD等から構成されている。
【0052】
このコントローラ60は、その機能構成として、駆動制御部61(本発明の制御手段に相当する)、記憶部62及び画像処理部63等を含んでおり、駆動制御部61が、記憶部62に記憶されている実装プログラムに従い、各駆動機構等(サーボモータ11、15、20、21等)を統括的に制御すると共に、前記撮像ユニット7から画像処理部63に入力される画像データに基づき、実装ヘッド16に保持された部品の画像認識や各種演算処理等を行うことにより、所定の実装作業を進めるように構成されている。
【0053】
特に、前記実装ヘッド16による部品供給部4、5からの部品の取り出しの際には、前記実装ヘッド16のうち、部品毎に予め定められた実装ヘッド16により当該部品が吸着されるように、前記記憶部62に記憶されている部品データに基づき駆動制御部61がヘッドユニット6等の駆動を制御する。すなわち、前記記憶部62には、部品毎にその部品を吸着(保持)するのに適した実装ヘッド16を定めた部品/ヘッド対応データが記憶されており、駆動制御部61は、この部品/ヘッド対応データに基づきヘッドユニット6等の駆動を制御する。当例では、部品供給部4(テープフィーダ4a)により供給されるチップ部品については、全ての実装ヘッド16(前列ヘッド17a〜17f及び後列ヘッド18a〜18d)を用いる一方、部品供給部5(トレイ5a、5b)により供給されるパッケージ型部品については、第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fのみを用いるように前記部品/ヘッド対応データが定められている。つまり、チップ部品よりも大きいパッケージ型部品は、チップ部品に比べて実装ヘッド16の回転誤差による影響を受け易い(実装ずれを生じ易い)。そのため、パッケージ部品については、第1伝動ベルト26A、27Aよりも全長が短い第2伝動ベルト26B、27Bを介して回転駆動される第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17f、つまり、10本の実装ヘッド16のうちで、よりベルト伸びによる回転誤差を伴い難いヘッドのみを用いて部品実装が行われるように部品/ヘッド対応データが定められている。
【0054】
次に、この駆動制御部61の制御に基づく一連の実装動作について説明する。
【0055】
この部品実装装置では、まず、ヘッドユニット6が部品供給部4、5上に移動し、各実装ヘッド16により部品が吸着されることにより、当該部品供給部4、5から部品が取り出される。この際、上記の通り、記憶部62に記憶されている部品/ヘッド対応データに基づきヘッドユニット6等が駆動制御部61により制御されることで、チップ部品については、全ての実装ヘッド16(前列ヘッド17a〜17f及び後列ヘッド18a〜18d)を用いられて当該チップ部品の取り出しが行われる一方で、パッケージ型部品については、第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fのみが用いられて当該パッケージ型部品の取り出しが行われる。
【0056】
部品供給部4、5からの部品の取り出しが完了すると、ヘッドユニット6が撮像ユニット7上をX方向に沿って通過することで、各実装ヘッド16にそれぞれ保持されている部品が撮像ユニット7により撮像され、駆動制御部61により、当該画像に基づき各実装ヘッド16に保持された部品の吸着状態が認識される。そして、各実装ヘッド16に保持された部品のなかに不良部品や補正不可能な吸着状態のものがある場合には、前記駆動制御部61により、当該部品が廃棄対象として登録された上で、ヘッドユニット6が基板3上に移動し、前記廃棄対象以外の部品が順次基板3上に実装される。部品実装時には、部品毎にヘッドユニット6の位置および各実装ヘッド16の回転角度などが駆動制御部51により制御されるが、この際、部品の認識結果に応じてヘッドユニット6の位置および各実装ヘッド16の回転角度が補正されることで、基板3上の各搭載点に部品が正確に実装されることとなる。
【0057】
こうして基板3上に部品が実装されると、ヘッドユニット6が図外の部品廃棄ボックス上へ移動し、上記廃棄対象の部品を廃棄する。これにより実装動作の一サイクルが終了し、必要に応じてこの動作が繰り返されることで所要の部品が基板3上に実装される。
【0058】
以上説明したように、この部品実装装置は、10本の実装ヘッド16のうち5本の実装ヘッド16(第1〜第3の前列ヘッド17a〜17cと第1、第3の後列ヘッド18a、18c)を第1R軸サーボモータ20で回転駆動する第1ノズル回転駆動機構と、残りの5本の実装ヘッド16(第4〜第6の前列ヘッド17d〜ヘッド17fと、第2、第4の後列ヘッド18b、18d)を第2R軸サーボモータ21で回転駆動する第2ノズル回転駆動機構とを備えているので、複数の実装ヘッドについてR軸サーボモータが共通化され、これにより、ヘッドユニット6の大型化や高重量化が効果的に抑制される。
【0059】
しかも、第1ノズル回転駆動機構については、第1〜第3の前列ヘッド17a〜17c及び第1、第3の後列ヘッド18a、18cが同一の伝動ベルトを介して回転駆動されるのではなく、これらのヘッド17a〜17c、18a、18cが2つのグループに分けられた上で、グループ毎に互いに長さの異なる2本の伝動ベルト26A、26Bを介して回転駆動するように当該第1ノズル回転駆動機構が構成されている。また、第2ノズル回転駆動機構についても同様に、第4〜第6の前列ヘッド17d〜17f及び第2、第4の後列ヘッド18b、18dが2つのグループに分けられた上で、グループ毎に互いに長さの異なる2本の伝動ベルト27A、27Bを介して当該ヘッドを回転駆動するように当該第2ノズル回転駆動機構が構成されている。そしてその上で、パッケージ型部品の実装時には、前列ヘッド17a〜17fのうち第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fのみを用いるように、上記部品/ヘッド対応データに基づいて駆動制御部61がヘッドユニット6等を制御するように構成さているので、この部品実装装置によれば、チップ部品及びパッケージ部品それぞれについて、要求される実装精度を合理的な構成で良好に確保することができるという利点がある。すなわち、チップ部品よりも大きいパッケージ型部品は、チップ部品に比べて実装ヘッド16の回転誤差による影響を受け易い(実装ずれを生じ易い)が、この部品実装装置によれば、上記の通り、パッケージ部品は、第1伝動ベルト26A、27Aよりも全長が短い第2伝動ベルト26B、27Bを介して回転駆動される第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17f、つまり、10本の実装ヘッド16のうちでベルト伸びによる回転誤差を伴い難いヘッドのみを用いて部品実装が行われるため、当該パッケージ部品の実装精度を確保し易くなり、従って、チップ部品及びパッケージ部品のそれぞれについて、要求される実装精度を良好に確保することができる。
【0060】
また、この部品実装装置では、複数(10本)の実装ヘッド16を2つのノズル回転駆動機構で回転駆動する構成であるため、一つのR軸サーボモータで駆動する実装ヘッド16の数を少なくできる。しかも、この部品実装装置では、複数(10本)のヘッド16が2列に振り分けられた状態でヘッドユニット6に搭載され、さらにこれらヘッド列同士の並び方向の外側(当例では前側(+Y方向))に各ノズル回転駆動機構のR軸サーボモータ20、21が配置され、かつこれらR軸サーボモータ20、21がX方向に一列に並ぶように配置されている。従って、ヘッドユニット6に多数の実装ヘッド16が搭載される構成でありながらも、ヘッドユニット6自体が実装ヘッド16の並び方向(X方向)に著しく大型化することが効果的に抑制されるという利点もある。すなわち、この種の部品実装装置は、他の部品実装装置やスクリーン印刷装置等の関連装置と共にX方向に直列に連結され、システムの一つとして使用される場合が多い。そのため、システムの省スペース化の観点から、装置全体をX方向にコンパクト化しつつヘッドユニット6の可動範囲を広く確保することが求められるが、この点、上記の部品実装装置によれば、ヘッドユニット6がX方向へ大型化することを抑制することができるので、装置全体をX方向にコンパクト化しつつヘッドユニット6の可動範囲を広く確保することに寄与し得る。
【0061】
また、ノズル回転駆動機構の伝動ベルトのうち、短い方の第2伝動ベルト26B、27Bについては、これら第2伝動ベルト26B、27Bは、各R軸サーボモータ20、21に近接する前列のヘッド(第1及び第3の前列ヘッド17a、17c及び第4、第6の前列ヘッド17d、17f)のみに掛け渡されているので、これら第2伝動ベルト26B、27Bのベルト長が非常に短いものとなる。従って、第2伝動ベルト26B、27Bを介して駆動される第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fは、ベルト伸びによる回転誤差をより伴い難いものとなり、従って、当該各前列ヘッド17a、17c、17d、17fにより部品実装が行われる部品、当例では上記パッケージ型部品の実装精度を良好に確保することができるという利点がある。
【0062】
また、この部品実装装置の各ベルト回転駆動機構では、第1伝動ベルト26A、27Aが掛け渡される実装ヘッド16のうちX方向の一方側(−X方向側)の端部(−X方向側)に位置する実装ヘッド16同士(すなわち第1後列ヘッド18a及び第2後列ヘッド18b)がR軸サーボモータ20、21の配列方向に準じて並ぶ一方、他方側(+X方向)の端部に位置する実装ヘッド16同士(すなわち第3後列ヘッド18c及び第4後列ヘッド18d)がR軸サーボモータ20、21の配列方向に準じて並ぶように、各第1伝動ベルト26A、27Aが実装ヘッド16に掛け渡されている。つまり、各ベルト回転駆動機構の第1伝動ベルト26A、27Aは、これらをそれぞれ駆動するR軸サーボモータ20、21が並ぶ方向に互いにずれながら並んでいる。そのため、第1伝動ベルト26A、27Aのベルト長に大きな差がなくなり、かつ、何れも飛び抜けて長くなることがない。従って、これら第1伝動ベルト26A、27Aにより駆動される実装ヘッド16の回転誤差、すなわち、第2前列ヘッド17b及び第1、第3の各後列ヘッド18a、18cと第5の各前列ヘッド17e及び第2、第4の各後列ヘッド18b、18dとの回転誤差が大きくなることが防止され、当該実装ヘッドを用いて実装される部品(当例ではチップ部品)の実装作業をより精度良く進めることが可能になるという利点がある。
【0063】
また、この部品実装装置では、各ベルト回転駆動機構の各第2伝動ベルト
26B,
27Bが互いにX方向に重なることなく同方向に並ぶように実装ヘッド16に掛け渡されているので、各第2伝動ベルト
26B,
27Bのベルト長に大きな差がなくなり、かつ、何れも飛び抜けて長くなることがない。従って、これら第2伝動ベルト
26B、27Bにより駆動される実装ヘッド16相互の回転誤差、すなわち、第1、第3の各前列ヘッド17a、17cと第4、第6の各前列ヘッド17d、17fとの回転誤差が大きくなることが防止され、当該実装ヘッドを用いて実装される部品(当例ではパッケージ型部品)の実装作業をより精度良く進めることが可能になるという利点がある。
【0064】
ところで、以上説明した部品実装装置は、本発明にかかる部品実装装置の好ましい実施形態の一例であって、その具体的な構成、特に、実装ヘッド16の数、配置及びノズル回転駆動機構の具体的な構成については、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
例えば、上記実施形態では、10本の実装ヘッド16が前後2列に振り分けられた状態でヘッドユニット6に搭載されているが、実装ヘッド16の配列は一列であってもよいし、又3列以上であってもよい。また、上記実施形態では、10本の実装ヘッド16を2つのR軸サーボモータ20、21を用いてそれぞれ5本ずつ駆動するようにノズル回転駆動機構が構成されているが、ノズル回転駆動機構は、勿論、10本の実装ヘッド16を一つのR軸サーボモータで駆動する構成であってもよい。要するに、ノズル回転駆動機構は、一つのR軸サーボモータの回転駆動力を互いに長さの異なる2本の伝動ベルトを介してそれぞれ一乃至複数の実装ヘッド16に伝達するように構成されていればよい。この構成によれば、部品に応じて実装ヘッド16を使い分けることで、上記実施形態の部品実装装置と同様の作用効果を享受することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、R軸サーボモータ20、21は、ヘッドユニット6における実装ヘッド16の前側(+Y方向側)の位置に配置されているが、勿論、X方向における実装ヘッド16の両外側の位置に配置するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、チップ部品については全ての実装ヘッド16(前列ヘッド17a〜17f及び後列ヘッド18a〜18d)を用い、パッケージ型部品については第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fのみを用いるように部品/ヘッド対応データが定められた例について説明したが、勿論、部品/ヘッド対応データの具体的な内容はこれに限定されるものではない。要は、部品供給部4、5により供給される部品のうち、より実装精度が求められる部品の実装が第1、第3、第4、第6の各前列ヘッド17a、17c、17d、17fによって行われるように部品/ヘッド対応データが定められていればよい。