特許第5855575号(P5855575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5855575
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】画像群の可変速度の閲覧
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/93 20060101AFI20160120BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20160120BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20160120BHJP
   G03B 17/18 20060101ALI20160120BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20160120BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160120BHJP
   G06F 3/0485 20130101ALI20160120BHJP
【FI】
   H04N5/93 Z
   H04N5/225 F
   H04N5/91 J
   H04N5/91 Z
   G03B17/18 Z
   G03B17/02
   G06F3/048 620
   G06F3/048 656D
【請求項の数】21
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-546036(P2012-546036)
(86)(22)【出願日】2010年12月15日
(65)【公表番号】特表2013-515444(P2013-515444A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】US2010060396
(87)【国際公開番号】WO2011087674
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2013年12月16日
(31)【優先権主張番号】12/644,448
(32)【優先日】2009年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ティモシー ジョン
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−355617(JP,A)
【文献】 特開昭63−285588(JP,A)
【文献】 特開2009−128443(JP,A)
【文献】 特開2004−104594(JP,A)
【文献】 特開平08−251540(JP,A)
【文献】 特開2009−099067(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01947556(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B17/02
17/18−17/22
17/36
G06F3/01
3/048−3/0482
3/0485
3/0487−3/0489
3/14−3/153
H04N5/222−5/257
5/76
5/765
5/78−5/781
5/80−5/91
5/915
5/92
5/922
5/928−5/93
5/937−5/94
5/95−5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンユーザインターフェースを備える表示画面上でデジタル画像の一群を閲覧する方法であって、
順序づけられた一連のデジタル画像を形成するステップと、
画像レビューモードに入り、前記順序づけられた一連のデジタル画像の中の第1のデジタル画像を前記表示画面上に表示するステップと、
ユーザによる前記表示画面上のタッチスクリーンへのタッチに応答して順次画像表示プロセスを開始するステップと
を有し、
前記順次画像表示プロセスは、前記ユーザが前記タッチスクリーンをタッチするのを止める時点まで、前記順序づけられた一連のデジタル画像の中のデジタル画像を前記タッチスクリーン上に順次表示し、
順次的な画像の表示の間の時間インターバルは、前記ユーザが前記タッチスクリーンをタッチしている位置に応じて制御されるスクロール速度によって特定され、
前記スクロール速度が指定範囲内にある場合、前記順次画像表示プロセスの間、表示されるデジタル画像にテキスト情報をオーバレイする、
デジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項2】
前記スクロール速度は、前記ユーザが前記タッチスクリーンの中央に向かって前記タッチスクリーンをタッチしている場合に、より遅く、前記ユーザが前記タッチスクリーンの端に向かって前記タッチスクリーンをタッチしている場合に、より速い、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項3】
前記順次画像表示プロセスが前記順序づけられた一連のデジタル画像をスクロールする方向は、前記ユーザが前記タッチスクリーンをタッチしている位置に応答する、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項4】
前記順次画像表示プロセスは、前記ユーザが前記タッチスクリーンの第1の側をタッチしている場合には順方向において、前記ユーザが前記タッチスクリーンの第2の反対の側をタッチしている場合には逆方向において、前記順序づけられた一連のデジタル画像をスクロールする、
請求項3に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項5】
前記順次画像表示プロセスは、シングルフィンガー・タッチにより開始される、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項6】
前記順次画像表示プロセスは、マルチフィンガー・タッチにより開始される、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項7】
前記テキスト情報は、前記表示されるデジタル画像の画像捕捉日に関する情報を含む、 請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項8】
前記画像捕捉日に関する情報は、前記表示されるデジタル画像が捕捉された年及び月である、
請求項7に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項9】
前記テキスト情報は、前記表示されるデジタル画像のファイル名を含む、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項10】
前記テキスト情報は、前記表示されるデジタル画像に関連する画像捕捉場所を含む、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項11】
前記テキスト情報は、前記表示されるデジタル画像に含まれる人物の名を含む、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項12】
前記スクロール速度は、前記タッチスクリーンがタッチされる位置を前記ユーザが調整することによって、前記順次画像表示プロセスの間に調整される、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項13】
前記順序づけられた一連のデジタル画像は、デジタルビデオのフレームに対応する、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項14】
前記順次画像表示プロセスは、重要なデジタル画像が表示される場合に休止する、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項15】
前記重要なデジタル画像は、お気に入りであるとユーザによってタグ付けされたデジタル画像である、
請求項14に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項16】
前記重要なデジタル画像は、デジタルビデオにおいて識別されたキーフレームである、 請求項14に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項17】
前記デジタル画像は、デジタルカメラによって捕捉される、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項18】
前記順序づけられた一連のデジタル画像は前記デジタルカメラに記憶され、
前記タッチスクリーンユーザインターフェースを備える前記表示画面は、前記デジタルカメラに設けられる、
請求項17に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項19】
前記タッチスクリーンユーザインターフェースを備える前記表示画面は、デジタルピクチャフレームの構成要素として提供される、
請求項1に記載のデジタル画像の一群を閲覧する方法。
【請求項20】
画像センサと、
前記画像センサにおいてシーンの画像を形成する光学システムと、
タッチスクリーンユーザインターフェースを備える表示画面と、
データ処理システムと、
前記データ処理システムへ通信上接続され、該データ処理システムに、デジタルカメラにより捕捉されたデジタル画像の一群を閲覧する方法を実施させるよう構成される命令を記憶するメモリシステムと
を有し、
前記命令は、
順序づけられた一連の捕捉されたデジタル画像を形成する命令と、
ユーザによる前記表示画面上のタッチスクリーンへのタッチに応答して順次画像表示プロセスを開始する命令と
を有し、
前記順次画像表示プロセスは、前記ユーザが前記タッチスクリーンをタッチするのを止める時点まで、前記順序づけられた一連の捕捉されたデジタル画像の中のデジタル画像を前記タッチスクリーン上に順次表示し、
順次的な画像の表示の間の時間インターバルは、前記ユーザが前記タッチスクリーンをタッチしている位置に応じて制御されるスクロール速度によって与えられ、
お気に入りであるとユーザによってタグ付けされたデジタル画像が表示されるとき、前記順次画像表示プロセスが休止する、
デジタルカメラシステム。
【請求項21】
前記デジタルカメラは、デジタルビデオカメラであり、
前記順序づけられた一連の捕捉されたデジタル画像は、デジタルビデオのフレームに対応する、
請求項20に記載のデジタルカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像の一群の閲覧の分野、より具体的には、スクロール速度がタッチスクリーン上のタッチ位置によって制御される可変スクロール速度閲覧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは極めて一般的になってきており、大いに従来のフィルムカメラに取って代わっている。今日、ほとんどのデジタルカメラは、画像プレビューを可能にし且つカメラ設定を調整するユーザインターフェース要素を提供するよう、カメラの背面に表示スクリーンを組み込む。また、表示スクリーンは、デジタルカメラにより捕捉されてデジタルカメラのメモリに記憶された画像を閲覧するためにも使用され得る。この機能を使用するよう、ユーザは、通常、カメラをレビューモードに置き、ボタンを使って画像を1つずつスクロールする。より多くのデジタル画像がデジタルカメラに記憶されている場合、関心のある画像を見つけるために画像をスクロールすることは、時間を要する苛立たしい工程となりうる。
【0003】
タッチスクリーンディスプレイ及び他の形態のタッチに基づくユーザインターフェースは、音楽プレーヤや携帯電話、デジタルカメラ等の民生用デジタル機器にとってますます一般的になっている。タッチスクリーンは、システム設計者が新しく且つ革新的なユーザインターフェース設計を開発するめったにない機会を提供する。
【0004】
米国特許出願公開第2002/0176016号明細書(特許文献1)(Misawa等、発明の名称「Portable Electronic Apparatus」)は、表示スクリーンの周りに配置されたタッチパッドを有し、表示動作がタッチの位置及び動きに応じて制御され得るデジタルカメラを開示している。
【0005】
米国特許出願公開第2008/0165150号明細書(特許文献2)(Kwon、発明の名称「Data Scrolling Apparatus and Method for Mobile Terminal」)は、表示スクリーンの左右に位置するタッチストリップを有するデジタルカメラを教示している。装置動作は、タッチストリップにおけるスライド操作を検出することによって制御され得る。
【0006】
米国特許第7345675号明細書(特許文献3)(Minakuchi等、発明の名称「Apparatus for Manipulating an Object Displayed on a Display Device by Using a Touch Screen」)は、タッチスクリーンを有する表示装置に表示されるオブジェクトを操作する方法を教示している。
【0007】
米国特許第7355620号明細書(特許文献4)(Ikehata等、発明の名称「Digital Still Camera and User Instruction Input Method」)は、タッチパネルにおけるユーザの指先によるトレーシング動作の方向及び速度が判断され、動的画像再生処理がその方向及び速度に応じて実行されるデジタルスチルカメラを開示している。例えば、早送り動作は、左から右への長く且つ速いトレーシング動作に応答して実行され、巻き戻し動作は、右から左への長く且つ速いトレーシング動作に応答して実行される。
【0008】
米国特許第7430008号明細書(特許文献5)は、検出されるタッチパターンに従って、タッチスクリーン上で検出される画像を前進させ、後進させ又は削除する方法を開示している。
【0009】
米国特許第7479949号明細書(特許文献6)(Jobs等、発明の名称「Touch Screen Device, Method, and Graphical User Interface for Determining Commands by Applying Heuristics」)は、コンピュータ装置と情報をやり取りする方法であって、タッチスクリーン上で1又はそれ以上のタッチ位置を検出する方法を開示している。
【0010】
米国特許出願公開第2008/0163119号明細書(特許文献7)(Kim、発明の名称「Method for Providing Menu and Multimedia Device Using the Same」)は、ユーザが装置の動作を制御するためにメニューアイコンと相互に作用することを可能にするよう使用され得るタッチスクリーンを有するマルチメディア装置を開示している。
【0011】
米国特許出願公開第2008/0165141号明細書(特許文献8)(Christie、発明の名称「Gestures for Controlling, Manipulating and Editing of Media Files using Touch Sensitive Devices」)は、コンピュータ装置でメディアファイルを管理し編集するためにタッチ検知ディスプレイを使用する方法を開示している。
【0012】
米国特許出願公開第2008/0297484号明細書(特許文献9)(Park、発明の名称「Method and Apparatus for Providing Gesture Information Based on Touchscreen and Information Terminal Device Having the Apparatus」)は、タッチスクリーンに基づくユーザインターフェース・インタラクションを可能にする方法を開示している。この方法は、タッチスクリーンのタッチが検知される場合にガイド情報を表示する。
【0013】
米国特許出願公開第2009/0160778号明細書(特許文献10)(Nurmi等、発明の名称「Apparatus, Method and Computer Program Product for Using Variable Numbers of Tactile Inputs」)は、電子機器の種々の特性を操作するために可変数の接触性入力を使用する方法を教示している。特に、可変数の接触性入力は、電子機器に表示される画像の動きの速度を調整し、可変な特性を変更し、且つ電子機器を解除するために使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0176016号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0165150号明細書
【特許文献3】米国特許第7345675号明細書
【特許文献4】米国特許第7355620号明細書
【特許文献5】米国特許第7430008号明細書
【特許文献6】米国特許第7479949号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0163119号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2008/0165141号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2008/0297484号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0160778号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
依然として、タッチスクリーンを有するデジタル画像形成装置において画像群を閲覧するための効率的且つユーザフレンドリな方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーン上でデジタル画像の一群を閲覧する方法であって、
順序づけられた一連のデジタル画像を形成するステップと、
画像レビューモードに入り、前記順序づけられた一連のデジタル画像の中の第1のデジタル画像を前記表示スクリーン上に表示するステップと、
ユーザによる前記タッチスクリーンへのタッチに応答して順次画像表示プロセスを開始するステップと
を有し、
前記順次画像表示プロセスは、前記ユーザが前記タッチクスクリーンをタッチするのを止める時点まで、前記順序づけられた一連のデジタル画像の中のデジタル画像を前記タッチスクリーン上に順次表示し、
順次的な画像の表示の間の時間インターバルは、前記ユーザが前記タッチクスクリーンをタッチしている位置に応じて制御されるスクロール速度によって特定される、
デジタル画像の一群を閲覧する方法を示す。
【0017】
本発明は、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを有する表示装置で画像を閲覧する場合にスクロール速度を制御するための簡便な方法をユーザに提供する、という利点を有する。このアプローチは、ユーザが関心の低い画像を素早く飛ばして、より高い関心度を有する画像を見るために容易に速度を落とすことを可能にする。
【0018】
本発明は、ユーザが特定の画像を含む画像群の一部に直ちに飛び、次いで、特定の画像が見つけられるまでその特定の画像付近の画像をゆっくりと閲覧することを可能にすることによって、ユーザは関心のある特定の画像をより速く見つけることができる、という更なる利点を有する。
【0019】
本発明は、ユーザが関心のある特定のビデオセグメントを見つけるためにデジタルビデオを都合よく早送りする又は巻き戻すことを可能にするようデジタルビデオファイルの閲覧を制御するために使用され得る、という更なる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】先行技術のデジタルカメラシステムの構成要素を示すハイレベルの図である。
図2】本発明の好ましい実施形態に従うデジタル画像群の閲覧方法を説明するフロー図である。
図3A】本発明に従って使用され得るタッチスクリーンを備えるデジタルカメラを表す。
図3B】本発明の方法に従ってデジタル画像を閲覧するために使用されるデジタルカメラを表す。
図3C】日付テキストをオーバレイした表示デジタル画像を表す。
図3D】ファイル名をオーバレイした表示デジタル画像を表す。
図4】スクロール前方領域及びスクロール後方領域を有するタッチディスプレイを表す。
図5A】対応する座標系とともにタッチスクリーンを示す。
図5B】線形スクロール速度関数を表す。
図5C】速度がタッチスクリーンの境界近くで非線形に増大するスクロール速度関数を表す。
図5D】最低スクロール速度を有するスクロール速度関数を表す。
図6】ツーフィンガー・タッチを使用する本発明の代替の実施形態に従ってデジタル画像を閲覧するために使用されるデジタルカメラを表す。
図7】デジタルビデオの再生を制御するために使用され得るタッチスクリーン上の一連の領域を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面は本発明の概念を説明するためのものであり、実寸通りでない場合があることが理解されるべきである。
【0022】
以下の記載においては、本発明の好ましい実施形態が、任意にソフトウェアプログラムとして実施されるとの条件において記載される。当業者には容易に理解されるように、そのようなソフトウェアの同等品がハードウェアにおいても構成され得る。画像操作のアルゴリズム及びシステムはよく知られているので、本開示は、特に、本発明に従うシステム及び方法の一部を形成する、又はそれらと直接協働するアルゴリズム及びシステムを対象としている。そのようなアルゴリズム及びシステムの他の態様、並びにそれらに関連して画像信号を生成し且つ別なふうに処理するハードウェア又はソフトウェアは、当該技術で知られているそのようなシステム、アルゴリズム、コンポーネント及び要素から選択され得る。以下で本発明に従って記載されるシステムを前提として、本発明の実施にとって有用であるが本願では具体的に図示、示唆又は記載されていないソフトウェアは簡便であり且つ当該技術における通常の知識の範囲内にある。
【0023】
また更に、本願で使用されるように、本発明の方法を実行するためのコンピュータプログラムは、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に記憶され得る。そのような記憶媒体には、例えば、磁気ディスク(例えば、ハードドライブ又はフロッピーディスク(登録商標))又は磁気テープ、光学式記憶媒体(例えば、光ディスク、光テープ又は機械により読み取り可能なバーコード)、ソリッドステート式電子記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出専用メモリ)、あるいは、本発明に従う方法を実施するよう1又はそれ以上のコンピュータを制御する命令を有するコンピュータプログラムを記憶するために用いられるその他の物理的なデバイス又は媒体がある。
【0024】
画像形成装置と、信号の捕捉及び収集並びに露光制御のための関連する回路とを有するデジタルカメラはよく知られているので、本明細書は、特に、本発明に従う方法及び装置の一部を形成する、又はそれらとより直接的に協働する要素を対象とする。ここで具体的に図示又は記載されていない要素は、当該技術で知られているものから選択される。記載される実施形態の特定の態様はソフトウェアにおいて提供される。以下で本発明に従って図示及び記載されるシステムを前提として、本発明の実施にとって有用であるが本願では具体的に図示、記載又は示唆されていないシステムは簡便であり且つ当該技術における通常の知識の範囲内にある。
【0025】
ここで図1を参照して、本発明を具現するデジタル画像形成装置のブロック図が示されている。この例において、デジタル画像形成装置はデジタルカメラとして示されている。なお、ここではデジタルカメラが説明されるが、本発明は明らかに他のタイプのデジタル画像形成装置にも適用可能である。開示されるデジタルカメラにおいて、対象シーン10からの光が画像形成段11に入力される。画像形成段11で、光はレンズによって集束され、固体状態カラーフィルタアレイ画像センサ20に画像を形成する。カラーフィルタアレイ画像センサ20は、ピクチャ素子(ピクセル)ごとに入射光を電気信号に変換する。好ましい実施形態のカラーフィルタアレイ画像センサ20は、電荷結合デバイス(CCD)タイプ又はアクティブピクセルセンサ(APS)タイプである。(APSデバイスは、相補形金属酸化膜半導体プロセスにおいてそれらを製造する機能のために、しばしばCMOSセンサと呼ばれる。)ピクセルの2次元配列を有する他のタイプの画像センサも、それらが本発明のパターンを用いるという条件で、使用され得る。本発明で使用されるカラーフィルタアレイ画像センサ20は、図1が記載された後に本明細書において後に明らかになるカラーのパンクロマティック・ピクセルの2次元配列を有する。
【0026】
カラーフィルタアレイ画像センサ20に達する光の量は、開口を変化させる虹彩(iris)ブロック14と、光学経路において介在する1又はそれ以上の減光フィルタ(neutral density(ND) filter)を有するNDフィルタブロック13とによって調整される。また、全体の光レベルを調整するのは、シャッター18が開いている時間である。露光コントローラ40は、輝度センサブロック16によって測定されるシーンにおいて得られる光の量に応答し、それらの調整機能の3つ全てを制御する。
【0027】
特定のカメラ構成に係る上記の記載は当業者によく知られており、多くの変形及び付加的な特徴が存在することは自明である。例えば、自動焦点システムが追加されてよく、あるいは、レンズは取り外し可能であり且つ交換可能であってよい。本発明はあらゆるタイプのデジタルカメラに適用され得、同様の機能は代替の構成要素によって提供されることが理解されるであろう。例えば、デジタルカメラは比較的簡単な自動焦点・自動露出のカメラであってよく、シャッター18は、より複雑な焦点面配置に代えて、比較的簡単な可動羽根式シャッター等である。本発明は、携帯電話及び自動車等のカメラ以外の装置に含まれる画像形成部を用いても実施され得る。
【0028】
カラーフィルタアレイ画像センサ20からのアナログ信号は、アナログ信号プロセッサ22によって処理され、アナログ−デジタル(A/D)コンバータ24に入力される。タイミング発生器26は、行及びピクセルを選択するよう様々なクロック信号を生成し、アナログ信号プロセッサ22及びA/Dコンバータ24の動作を同期させる。画像センサ段28は、カラーフィルタアレイ画像センサ20、アナログ信号プロセッサ22、A/Dコンバータ24、及びタイミング発生器26を有する。画像センサ段28の構成要素は、別々に製造された集積回路であってよく、あるいは、それらは、CMOS画像センサにより一般的に行われているように単一の集積回路として製造され得る。A/Dコンバータ24から結果として得られるデジタルピクセル値のストリームは、デジタル信号プロセッサ(DSP)36に付随するDSPメモリ32に記憶される。
【0029】
DSP36は、システムコントローラ50及び露光コントローラ40に加えて、本実施形態における3つのプロセッサ又はコントローラのうちの1つである。複数のコントローラ及びプロセッサの間のカメラ機能制御のこのような分割は一般的であるが、それらのコントローラ又はプロセッサは、本発明の用途及びカメラの機能動作に影響を及ぼすことなく様々に組み合わされ得る。それらのコントローラ又はプロセッサは、1又はそれ以上のデジタル信号プロセッサ装置、マイクロコントローラ、プログラム可能な論理デバイス、又は他のデジタル論理回路を有することができる。そのようなコントローラ又はプロセッサの組み合わせが記載されているが、当然のことながら、1つのコントローラ又はプロセッサが、必要とされる機能の全てを実行するよう設計され得る。それらのバリエーションの全てが同じ機能を実行することができ、本発明の適用範囲内にあり、語「処理段」は、例えば、図1における処理段38において見られるように、1語にこの機能の全てを包含するために必要に応じて使用される。
【0030】
表される実施形態において、DSP36は、プログラムメモリ54に恒久的に記憶されており、画像捕捉の間の実行のためにDSPメモリ32にコピーされるソフトウェアプログラムに従って、DSPメモリ32内のデジタル画像データを処理する。DSP36は、記載される画像処理を実行するために必要なソフトウェアを実行する。DSPメモリ32は、あらゆるタイプのランダムアクセスメモリ(例えば、SDRAM)であってよい。アドレス及びデータ信号のための経路を含むバス30は、DSP36をその関連するDSPメモリ32、A/Dコンバータ24及び他の関連する装置へ接続する。
【0031】
システムコントローラ50は、プログラムメモリ54に記憶されているソフトウェアプログラムに基づいてカメラの全体的な動作を制御する。プログラムメモリ54には、フラッシュEEPEOM又は他の不揮発性メモリがある。このメモリは、画像センサ較正データ、ユーザ設定選択、及びカメラがオフされる場合に保存されるべき他のデータを記憶するためにも使用され得る。システムコントローラ50は、上述されたようにレンズ12、NDフィルタ13、虹彩ブロック14、及びシャッター18を動作させるよう露光コントローラ40に指示し、カラーフィルタアレイ画像センサ20及び関連する要素を動作させるようタイミング発生器26に指示し、捕捉された画像データを処理するようDSP36に指示することによって、画像捕捉の手順を制御する。画像が捕捉され処理された後、DSP32に記憶される最終の画像ファイルは、ホストインターフェース57を介してホストコンピュータへ転送され、リムーバブルメモリカード64又は他の記憶装置に記憶され、且つ画像表示部88でユーザのために表示される。
【0032】
システムコントローラバス52は、アドレス、データ及び制御信号のための経路を有し、システムコントローラ50をDSP36、プログラムメモリ54、システムメモリ56、ホストインターフェース57、メモリカードインターフェース60及び他の関連する装置へ接続する。ホストインターフェース57は、表示、記憶、操作又は印刷のための画像データの転送のためにパーソナルコンピュータ(PC)又は他のホストコンピュータへの高速接続を提供する。このインターフェースは、IEEE1394若しくはUSB2.0シリアルインターフェース又はその他の適切なデジタルインターフェースであってよい。メモリカード64は、通常、メモリカードソケット62に挿入されてメモリカードインターフェース60を介してシステムコントローラ50へ接続されるコンパクトフラッシュ(CF)カードである。利用され得る他のタイプの記憶装置には、無制限に、PCカード、マルチメディアカード(MMC)、又はセキュアデジタル(SD)カードがある。
【0033】
処理される画像は、システムメモリ56内の表示バッファにコピーされ、続けて、ビデオ信号を生成するためにビデオエンコーダ80を介して読み出される。この信号は、外部モニタでの表示のためにカメラから直接出力され、又は表示コントローラ82によって処理されて画像表示部88で提示される。この表示部は、通常、アクティブマトリクス型カラー液晶ディスプレイ(LCD)であるが、他のタイプのディスプレイも使用される。
【0034】
ビューファインダ表示部70、露光表示部72、ステータス表示部72、画像表示部88及びユーザ入力部74の全て又はいずれかの組み合わせを含むユーザインターフェース68は、露光コントローラ40及びシステムコントローラ50で実行されるソフトウェアプログラムの組み合わせによって制御される。ユーザ入力部74は、通常、ボタン、ロッカースイッチ、ジョイスティック、回転ダイアルの何らかの組み合わせを有する。本発明に従って、ユーザ入力部74は、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える少なくとも1つの表示スクリーンを有する。露光コントローラ40は光度計測、露光モード、オートフォーカス及び他の露光機能を操作する。システムコントローラ50は、表示部の1又はそれ以上で(例えば、画像表示部88で)提示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を管理する。GUIは、通常、様々なオプション選択を行うためのメニューと、捕捉された画像を調べるためのレビューモードとを有する。
【0035】
露光コントローラ40は、露光モード、レンズ開口、露光時間(シャッタースピード)、及び露光インデックス又はISO速度定格を選択するユーザ入力を受け取り、その後の捕捉のために然るべくレンズ12及びシャッター18に指示する。輝度センサブロック16は、シーンの輝度を測定するために用いられ、ISO速度定格、開口及びシャッタースピードを手動設定する場合にユーザが参照する露光メータ機能を提供する。この場合に、ユーザが1又はそれ以上の設定を変更すると、ビューファインダ表示部70で提示される光度計インジケータは、画像がどの程度露出過度又は不測になるかをユーザに伝える。自動露光モードにおいて、ユーザは1つの設定を変更し、露光コントローラ40は正確な露光を保つよう他の設定を自動変更する。例えば、所与のISO速度定格に関し、ユーザがレンズ露光を低減する場合に、露光コントローラ40は、全体的な露光を同じに保つよう露光時間を自動的に増大させる。
【0036】
デジタルカメラについての上記の説明は、当業者によく知られている。この実施形態に対する、費用を削減し、機能を付加し又はカメラの性能を改善するために選択される可能な変形例が多数存在することは、自明である。以下の説明は、本発明に従うカメラで捕捉及び記憶される一群のデジタル画像を閲覧する方法を詳細に開示する。この説明はタッチスクリーン・ユーザインターフェースを有するデジタルカメラを参照するが、当然のことながら、本発明は、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンを組み込むあらゆるタイプの画像閲覧システムに適用される。例えば、本発明は、タッチスクリーンディスプレイを有するデジタルピクチャフレームシステム、画像形成キオスク、携帯型民生電子機器又は携帯電話に使用され得る。
【0037】
本発明は、ここで記載される実施形態の組み合わせを含む。「特定の(一)実施形態」等との言及は、本発明の少なくとも1つの実施形態において存在する特徴に言及する。「実施形態」又は「特定の(複数の)実施形態」等の別の言及は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。なお、そのような実施形態は、そのように示されない限り、又は容易に当業者に認識されない限り、相互排他的ではない。「(1つの)方法」又は「(複数の)方法」等と言及する際の単数及び複数の使用は限定ではない。別なふうに明示的に述べられ又は文脈によって必要とされない限り、語「若しくは」「又は」「あるいは」は、本開示では非排他的な意味で使用される。
【0038】
ここで使用される用語「デジタル画像」又は「デジタル画像ファイル」は、あらゆるデジタル画像ファイル(例えば、デジタルスチル画像又はデジタルビデオファイル)に言及する。
【0039】
ここで、本発明は、図2を参照して記載される。図2は、本発明の好ましい実施形態に従う、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンを有する装置でデジタル画像群100を閲覧する方法を説明するフロー図を表す。ステップ105は、デジタル画像群100からの画像を用いて順序づけられた一連のデジタル画像110を形成する。次に、ユーザは、順序づけられた一連のデジタル画像110に含まれるデジタル画像を閲覧するために、画像レビューモードに入るステップ115を開始する。例えば、ユーザは、適切なユーザインターフェースボタンを叩くこと又はユーザインターフェースメニューからオプションを選択することによって、画像レビューモードに入るステップ115を開始することができる。ステップ115が開始される場合に、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の第1のデジタル画像が表示スクリーンに表示される。順序づけられた一連のデジタル画像110に含まれるデジタル画像をスクロールするよう、ユーザは、最初のタッチ及び保持のステップ120により、順次画像表示プロセス125を開始する。最初のタッチ及び保持のステップ120は、ユーザが一般的に指を用いて表示スクリーンにタッチし、そして表示スクリーンへのタッチを保つことによって、トリガされる。
【0040】
タッチ位置監視ステップ130は、ユーザが表示スクリーンにタッチしているタッチ位置135を決定するために使用される。次いで、スクロール速度計算ステップ140は、タッチ位置135に応じてスクロール速度145を決定するために使用される。順次画像表示プロセス125は、その後に、順序づけられた一連のデジタル画像110に含まれるデジタル画像を表示する。このとき、順次的な画像の表示の間の時間インターバルは、スクロール速度145によって特定される。順次画像表示プロセス125は、ユーザが表示スクリーンへのタッチを保つ限り、順序づけられた一連のデジタル画像110をスクロールし続ける。順次画像表示プロセス125が実行されている間にユーザが表示スクリーンにタッチしている位置を調整する場合、タッチ位置監視ステップ130は新たなタッチ位置135を検知し、スクロール速度145は然るべく調整される。タッチ及び保持終了ステップ150は、ユーザが表示スクリーンにタッチするのを止める場合にトリガされる。これは、次いで、順次画像表示プロセス125を終了する順次画像表示プロセス終了ステップ155を開始する。
【0041】
図2に示される本発明の様々な態様は、ここでより詳細に記載される。本発明の好ましい実施形態において、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンは、デジタルカメラにおける表示スクリーンである。この場合に、デジタル画像群100は、一般的に、デジタルカメラを用いて捕捉されてデジタルカメラ内のメモリに記憶されているデジタル画像の組である。メモリは内部メモリであってよく、あるいは、SDカードのようなリムーバブルメモリモジュールであってよい。デジタル画像群100は、デジタルスチル画像及びデジタルビデオの両方を含むことができる。
【0042】
図3Aは、タッチスクリーン205を有するデジタルカメラ200の一例を示す。本発明の好ましい実施形態において、タッチスクリーン205は、タッチ検知オーバレイを有するLCD表示スクリーンである。タッチスクリーンオーバレイを形成するための、当業者に知られている多くの方法が存在する。本発明の一実施形態において、タッチ検知オーバレイは、容量型タッチスクリーン技術を使用する。本発明に従って使用され得る他のタイプのタッチスクリーンには、抵抗方式、赤外線方式、又は表面弾性波方式を用いるものがある。
【0043】
本発明の代替の実施形態において、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンは、デジタルピクチャフレームにおける表示スクリーンである。この場合に、デジタル画像群100(図2)は、一般的に、デジタルピクチャフレーム内のメモリ、又はイーサネット(登録商標)若しくはWi−Fi無線ネットワークインターフェースのようなネットワークインターフェースを介してデジタルピクチャフレームによってアクセス可能なメモリに記憶される。他の実施形態においては、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンは、画像形成キオスク、携帯型民生電子機器又は携帯電話のような他のタイプのデジタル画像形成システムの構成要素であってよい。夫々の場合において、デジタル画像群100は、デジタル画像形成システムによってアクセス可能なメモリに記憶される。
【0044】
図2の議論に戻ると、順序づけられた一連のデジタル画像110を形成するステップ105は、多種多様な方法で働くことができる。例えば、本発明がデジタルカメラのユーザインターフェースの一部として実施される場合に関し、順序づけられた一連のデジタル画像110は、デジタルカメラのメモリに記憶されているデジタル画像の全てを含むことができる。この場合に、ステップ105は、例えば、デジタル画像が捕捉された順序に従って全てのデジタル画像を順序づけることができる。一般的に、デジタルカメラは、逐次ファイル命名システムによりデジタル画像に名を付けるので、順序づけられた一連のデジタル画像110は、単純にファイル名を昇順にソートすることによって形成され得る。代替的に、デジタル画像ファイルに記憶される捕捉日時メータデータが、デジタル画像をソートするために使用されてよい。画像が順序づけられた一連のデジタル画像110内で置かれている順位は、他の方法によっても決定され得る。例えば、ユーザは手動で順序を特定することができ、あるいは、ファイルサイズ、ファイルタイプ又は題材のような何らかの他の属性に従って画像をソートすることができる。
【0045】
幾つかの場合において、デジタル画像群100のサブセットのみを含む順序づけられた一連のデジタル画像110を形成することが好ましいことがある。例えば、順序づけられた一連のデジタル画像110は、ユーザがお気に入りであるとタグ付けした画像、又は特定の日に捕捉された画像、又は顔検出アルゴリズムにより特定の個人を含むと判断された画像のみを含むことができる。当業者には明らかなように、デジタル画像群100に含まれるデジタル画像のサブセットが順序づけられた一連のデジタル画像を本発明に従って形成するよう選択されて順序づけられる多数の方法が存在する。
【0046】
本発明の代替の実施形態において、順序づけられた一連のデジタル画像110は、デジタルビデオのフレームに対応する。この場合に、デジタルビデオの夫々のフレームは、順序づけられた一連のデジタル画像110における個々のデジタル画像として扱われ得る。次いで、タッチ位置135に応答してスクロール速度145を調整する機能が、デジタルビデオの再生の速度及び方向を制御するために使用され得る。
【0047】
画像レビューモードに入るステップ115は、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の第1のデジタル画像210(図3A)をタッチスクリーン205(図3A)に表示することをもたらす。第1のデジタル画像210として使用される、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の特定の画像は、様々な方法において選択され得る。本発明の好ましい実施形態において、ユーザが画像レビューモードに入る場合に、最も最近に捕捉されたデジタル画像が第1のデジタル画像210として使用される。本発明の代替の実施形態において、第1のデジタル画像210は、順序づけられた一連のデジタル画像110をサムネイル表示において表示して、例えば画像を叩くことによって、ユーザに画像の1つをインタラクティブに選択してもらうことによって、選択され得る。
【0048】
順次画像表示プロセス125は、ユーザがタッチスクリーン205にタッチして、タッチスクリーンへのタッチを保つ場合に、最初のタッチ及び保持のステップ120によって開始される。例えば、図3Bは、タッチ位置135でタッチスクリーン205にタッチする指215を示す。順次画像表示プロセス125(図2)は、ユーザがタッチスクリーン205にタッチするのを止める時点まで、順序づけられた一連のデジタル画像110(図2)の中のデジタル画像を順次表示することによって、表示デジタル画像225を更新する。本発明の好ましい実施形態において、ユーザがタッチスクリーン205にタッチするタッチ位置135は、表示デジタル画像225を表示するために使用される範囲内にある。なお、代替の実施形態において、タッチ位置135は、表示スクリーンの他の領域内にあってよい。例えば、長方形の領域が、順次画像表示プロセス125を制御するために使用され得るタッチスクリーン205の一端に沿って定義されてよい。
【0049】
1つの表示デジタル画像225から次のデジタル画像への遷移は、当業者に知られている何らかの方法により達成され得る。例えば、出現(appear)モードが使用されてよく、次の画像は単純に前の画像に取って代わる。代替的に、ワイプ(wipe)モード、頁めくり(page turn)モード、ディゾルブ(dissolve)モード、又はフライイン(fly in)モードのような他のモードが使用され得る。それらのオプション及び多くの他の遷移モードは当業者によく知られている。本発明の一実施形態において、ユーザは、利用可能なオプションのメニューから好ましい遷移モードを選択することができる。
【0050】
順次画像表示プロセス125が順序づけられた一連のデジタル画像110をスクロールする場合に、その一連のデジタル画像110における最初又は最後のデジタル画像に到達することがある。本発明の好ましい実施形態において、循環動作が使用され、画像の順次表示は、順序づけられた一連のデジタル画像110の他端で再開する。例えば、順次画像表示プロセス125が順序づけられた一連のデジタル画像110を順方向で進み、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の最後のデジタル画像に到達する場合に、表示されうる次の画像は、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の最初のデジタル画像である。同様に、順次画像表示プロセス125が順序づけられた一連のデジタル画像110を逆方向で進み、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の最初の画像に到達する場合に、表示されうる次の画像は、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の最後のデジタル画像である。代替的に、順次画像表示プロセス125は、順序づけられた一連のデジタル画像110の中の最初又は最後の画像に到達する場合に停止するよう構成され得る。この動作は、一般的に、順序づけられた一連のデジタル画像110がデジタルビデオ画像のフレームに対応する場合に望ましい。本発明の一実施形態において、ユーザは、利用可能なオプションのメニューから好ましい循環動作を指定することができる。
【0051】
本発明の一実施形態において、オーバレイされるテキストは、順次画像表示プロセス125の間、表示デジタル画像225に付加される。図3Cは、オーバレイされる日付テキスト230が、表示デジタル画像225の画像捕捉日に関する情報を与えるよう表示デジタル画像225に付加される例を示している。これは、特に、順次画像表示プロセス125が速い速度で表示デジタル画像225を前進している場合に、ユーザが順序づけられた一連のデジタル画像をナビゲートするのを助けることができる。図3Cに示されている例では、オーバレイされる日付テキスト230は、表示デジタル画像225が捕捉された年及び月を含む。代替的に、オーバレイされる日付テキスト230は、例えば、“22 Jun 2009”、“June 22,2009”、“06/22/09”又は“2009”のような他のフォーマットにおいて日付情報を表示することができる。本発明の一実施形態において、ユーザは、利用可能なオプションのメニューから好ましい日付フォーマットを指定することができる。
【0052】
当業者に明らかなように、オーバレイされるテキストは他のタイプの情報を更に含むことができる。例えば、図3Dは、オーバレイされるファイル名テキスト235が、表示デジタル画像225のファイル名を示すよう含まれている例を示す。付加され得る他のタイプのオーバレイされるテキストには、表示デジタル画像内の人物の名又は画像捕捉場所を特定する情報がある。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、ユーザがタッチスクリーン205にタッチするタッチ位置135は、スクロール速度145(図2)及びスクロール方向の両方を計算するために使用される。図4に示されるように、タッチスクリーンの2つの領域が指定され、異なるスクロール方向に対応する。タッチ位置135がタッチスクリーン205の右半分に対応するスクロール前方領域300内にある場合に、順次画像表示プロセス125は、順方向において、順序づけられた一連のデジタル画像110をスクロールする。すなわち、表示される次のデジタル画像は、順序づけられた一連のデジタル画像110における次のデジタル画像である。タッチ位置135がタッチスクリーン205の左半分に対応するスクロール後方領域305内にある場合に、順次画像表示プロセス125は、逆方向において、順序づけられた一連のデジタル画像110をスクロールする。すなわち、表示される次のデジタル画像は、順序づけられた一連のデジタル画像110における前のデジタル画像である。任意に、休止領域が、スクロール後方領域305とスクロール前方領域300との間のタッチスクリーン205の中央に定義されてよく、この領域において、順次画像表示プロセス125はスクロール速度145をゼロに設定し、現在表示されているデジタル画像225で休止する。
【0054】
スクロール速度計算ステップ140(図2)は、タッチ位置135に応じてスクロール速度145を計算する。タッチ位置135は、表示スクリーンの水平方向及び垂直方向に対応する2次元座標系を定義することによって都合よく表され得る。図5Aは、タッチスクリーン205に対して定義された座標系の例を示す。“x”座標値は、水平方向における位置を特定し、“y”座標値は、垂直方向における位置を特定する。本発明の一実施形態において、0とNとの間のx座標値及び0とNとの間のy座標値を与える検知可能な整数個の離散位置が存在し、N及びNは、夫々、水平方向及び垂直方向において検知され得る最大離散位置である。
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、x座標は、スクロール速度を決定するために使用される。図5Bは、x座標値の関数としてスクロール速度を決定するために線形関係を用いる線形スクロール速度関数400の例を示すグラフを表す。この特定の線形スクロール速度関数400は、次の式:

R=Rmax(2x/N−1) (1)

によって記述され得る。Rはスクロール速度であり、xはタッチ位置135のx座標値であり、Rmaxは最大スクロール速度である。タッチスクリーン205の右半分におけるタッチ位置135に関し、スクロール速度は、順スクロール方向に対応して正である。タッチスクリーン205の左半分におけるタッチ位置135に関し、スクロール速度は、逆スクロール方向に対応して負である。タッチスクリーン205の左端でのタッチ位置135に対応してx=0である場合に、スクロール速度は−Rmaxである。タッチスクリーン205の中央におけるタッチ位置135に対応してx=N/2である場合に、スクロール速度は0であり、順次画像表示プロセス125の休止に対応する。タッチスクリーン205の右端でのタッチ位置135に対応してx=Nである場合に、スクロール速度はRmaxである。
【0056】
スクロール速度は、関係:

T=|1/R| (2)

を用いて順次的な画像の表示の間の時間インターバルTに関係してよい。スクロール速度が速ければ速いほど、順次的な画像の表示の間の時間インターバルは小さくなる。スクロール方向は、次の関係:

方向=順方向(R≧0の場合)又は逆方向(R<0の場合) (3)

を用いて定義されてよい。
【0057】
先に述べられたように、特に、スクロール速度が速い場合に、画像捕捉日を示すテキスト情報をオーバレイすることが有用でありうる。日付表示領域405は、オーバレイされる日付テキスト230が表示デジタル画像225にオーバレイするために使用されるタッチ位置の領域を特定するよう定義され得る。代替的に、オーバレイされる日付テキスト230を表示すべきか否かを決定するようスクロール速度に対してテストが実行されてよい:

日付表示=真(|R|≧Rの場合)又は偽(|R|<Rの場合) (3)

“日付表示”は、オーバレイされる日付テキスト230が表示されるべきか否かを示すブール変数であり、Rはスクロール速度閾値である。
【0058】
当業者には当然のことながら、図5Bに示される線形スクロール速度関数400の他に、スクロール速度関数に関して他の形が使用されてよい。例えば、図5Cは、タッチ位置がタッチスクリーン205の左又は右境界のいずれか一方に近い場合に速度が非線形に増大するスクロール速度関数410を示す。これは、順序づけられた一連のデジタル画像110の他の部分へのジャンプを始めるよう直ちに多数の画像を飛び越えることが望ましい場合に、有用でありうる(図2)。同様に、図5Dは、最低スクロール速度Rminを有するスクロール速度関数415を示す。タッチ位置135がタッチスクリーン205の中心を横切って移動する場合に、スクロール速度Rは、最低逆スクロール速度−Rminから最低順スクロール速度Rminへジャンプする。
【0059】
まさに記載される例において、順次画像表示プロセス125の挙動は、タッチ位置135のy座標値とは無関係である。本発明の代替の実施形態では、順次画像表示プロセス125は、タッチ位置135のy座標値が特定の範囲内にある場合にのみ、動作する。例えば、制御領域は、タッチスクリーン205の下端に沿って設けられてよく、適切なユーザインターフェース要素が、その制御領域を定義するよう設けられてよい。タッチ位置135がこの領域の外にある場合、順次画像表示プロセス125は開始されない。
【0060】
本発明の代替の実施形態では、順次画像表示プロセス125の挙動は、タッチ位置135のx座標値及びy座標値の両方に応答する。例えば、x座標値は、上述されたようにスクロール速度145を制御するために使用されてよく、y座標値は、順次画像表示プロセス125の何らかの他の属性を制御するために使用されてよい。例えば、y座標値は、タッチ位置135がより高い位置に動かされるにつれて表示デジタル画像225がより大きく拡大されるように、表示デジタル画像225の倍率値を制御するために使用されてよい。代替的に、y座標値は、オーバレイされる日付テキスト230が表示されるかどうか、又は順次的な画像の間を移動するために使用される遷移モード等の、順次画像表示プロセス125の何らかの他の態様を制御するために使用されてよい。
【0061】
本発明の好ましい実施形態において、タッチ位置135は、1本の指がタッチスクリーン205にタッチしている位置に対応する。本発明の代替の実施形態では、本発明を実施するデジタルイメージング装置のユーザインターフェースは、タッチスクリーンがシングルフィンガー・タッチ又はマルチフィンガー・タッチによりタッチされるかどうかに依存して異なる機能を実行するようプログラムされ得る。例えば、シングルフィンガー・タッチは、画像編集モードを起動し、ツーフィンガー・タッチは、本発明の方法に従う順次画像表示プロセス125を起動してよい。図6は、ツーフィンガー・タッチが順次画像表示プロセス125を制御するために使用される例を示す。この場合に、第1の指500及び第2の指505は、順次画像表示プロセス125を制御するために使用されるツーフィンガー・タッチ位置510を生成するようタッチスクリーン205にタッチするために使用される。
【0062】
先に述べられたように、順序づけられた一連のデジタル画像110は、デジタルビデオのフレームに対応してよい。デジタルビデオは、静止画像モード又はビデオモードにおいて使用可能なデジタルカメラによって捕捉されるモーションシーケンスであってよい。代替的に、それは、デジタルビデオカメラを用いて捕捉されたデジタルビデオであってよい。この場合に、タッチスクリーン・ユーザインターフェースを備える表示スクリーンは、デジタルビデオカメラの構成要素であってよい。図7は、本発明が表示デジタルビデオ600を閲覧するために使用される場合に使用可能な代替の構成を示す。この場合に、連続する領域が、タッチ位置の領域に対応するよう定義される。夫々の領域は、異なる再生モードに対応することができる。例えば、タッチ位置135が1×前進表示モード領域625内であると検出される場合に、順次画像表示プロセス125は、通常の再生速度(すなわち、スクロール速度)によりデジタルビデオのフレームを表示することができる。タッチ位置135が2×前進表示モード領域630又は4×前進表示モード領域635へと右に移動するにつれて、再生速度は夫々通常再生速度の2倍又は3倍であるよう調整される。タッチ位置135が休止モード領域620内にあると検出される場合に、スクロール速度はゼロに設定され、デジタルビデオの再生は休止される。同様に、タッチ位置135が4×後進表示モード領域605、2×後進表示モード領域610又は1×後進表示モード領域615にあると検出される場合に、デジタルビデオは夫々通常の再生速度の4倍、2倍又は1倍の再生速度で逆方向において再生される。
【0063】
幾つかのデジタルビデオ構成において、キーフレームがデジタルビデオシーケンス内で特定され得る。例えば、キーフレームは、規則的なインターバルでサンプリングされるフレーム、又は重要な場面コンテンツを含むと特定されたビデオフレーム、又はビデオクリップを構成する夫々異なった場面内の代表フレームに対応することができる。キーフレームは、手動でユーザによって特定されてよく、あるいは、自動アルゴリズムにより決定されてよい。そのようなキーフレームが特定されている場合に、順次画像表示プロセス125は、キーフレームの1つに遭遇する場合に一時的に休止するよう構成され得る。
【0064】
同様のアプローチは、順序づけられた一連のデジタル画像110が一群のデジタル静止画像に対応する場合に、使用され得る。この場合に、重要なデジタル画像は、高価値の画像であると特定された画像に対応することができる。例えば、多くのデジタルカメラは、ユーザが“お気に入り”として画像にタグ付けすることを可能にする。代替的に、自動アルゴリズムがデジタル画像の美的な資質を推定するために使用され得ることは、当業者によく知られている。そのようなアルゴリズムは、特に高品質画像を重要な画像としてタグ付けされるよう特定するために使用されてよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7