【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、第1の主要な実施形態において、生成物を眼の中に(すなわち、眼の媒質中に、または眼の組織中に)注入するための注射装置を提案するものであり、前記装置は、
注射針と、
注射針がその上に固定される、または注射針の摺動運動を案内することのできる支持体とを備え、
前記装置は、表面と注射針が何らかの接触を行う前に、眼の表面の規定された支持部位と接触した状態で配置することができ、次いで、眼の前記表面を介して前記注射針を貫通させる段階中に、前記支持部位との接触状態を保つことができるように配置された位置決めマークを含む。
【0007】
後に本明細書中でより詳細に述べることになるが、位置決めマークにより、ユーザは、眼の表面を介して注射針の何らかの貫通を行う前に、注射装置を、非常に正確に眼の表面上で位置決めすることが可能になる。したがって、誤りを生ずる危険性が低下する、または実質的にその危険性がなくなる。
【0008】
一実施形態では、特に、硝子体腔中に注入するように意図される場合、位置決めマークは、眼の表面を介して注射針を貫通させる前記段階中に、眼の上の位置決めマークの支持部位と、眼の中への針の貫通点との間の距離(
図4の距離D
50、および
図8の距離D
50"に相当する)が、2mmを超え、3mmを超え、または3.5mmを超え、かつ/または6mm未満、5mm未満、または4.5mm未満であるように配置される。4mmの距離が理想的である。
【0009】
特に、装置が毛様体筋中に注入するように設計される場合、この距離は、1mmを超え、1.5mmを超え、かつ/または4mm未満、3mm未満、または2.5mm未満であるようにすることができる。2mmの距離が理想的である。
【0010】
さらに位置決めマークは、眼の表面を介して注射針を貫通させる間の少なくとも一部で、好ましくは、その全体で、支持部位との接触状態を保持できるように配置される。したがって、ユーザには、眼の中に注射針を貫通させる段階中、支持体の何らかの不適当な動きを制御し、かつ抑制するための有用な支援が提供される。特に、一実施形態では、位置決めマークは、注射針の貫通段階中に、支持部位に対して位置決めマークが動く可能性を制限する、またはさらになくすような方法で、支持部位と協動するように設計される。
【0011】
前記支持部位は、特に、角膜の縁部、すなわち、「角膜縁」と呼ばれる角膜と強膜の間で遷移する肩の一部を含む。
【0012】
この縁部上で5mmを超え、7mmを超え、または9mmを超える支持部位を保証する位置決めマークは、貫通段階中に装置の良好な安定化を可能にするので有利である。
【0013】
前記注射針は、その遠位端が、毛様体筋もしくは硝子体腔、または網膜下腔、または網膜、または網膜の色素上皮、または角膜の上皮もしくは間質もしくは内皮もしくは経角膜部(transcornea)、あるいは眼周囲筋に達するように設計することができる。この遠位端が、貫通段階中に、これらの要素を越えて係合できないことを保証する手段が提供されることが好ましく、その支持部位は、眼の角膜の縁部の少なくとも一部である。
【0014】
位置決めマークおよび注射針は、貫通の方向と、貫通点で眼の表面と直角をなす方向との間の角度が、貫通段階を通して、20°、15°、10°、または5°未満であるように構成することができる。その場合、眼の中に導入される注射針の長さが短くなり、有利である。
【0015】
針
注射針の外径は、0.2mmと0.4mmの間とすることができる。
【0016】
注射針の突出し部分、すなわち、支持体からの突出し部分は、2mmを超え、3mmを超え、または3.3mmを超え、かつ/または5mm未満、4mm未満、または3.7mm未満とすることができる。
【0017】
注射針の「遠位端」の先端は、眼の中へのその挿入を容易にするために、斜めに面取りすることができる。注射針は、その遠位端で、軸方向にかつ/または半径方向に開口することができる。注射針は軸方向に開口することが好ましい。針にテーパを付けること、すなわち、針の軸に沿って円錐形であり、軸方向に開口することがさらに好ましい。
【0018】
注射針の形状は、限定されない。
【0019】
注射針は、実質的に直線とすることができる。それはまた、特に、支持部位を中心とした支持体の回転によりその挿入を容易にするために、位置決めマーク上の点に中心がある円弧に沿って延びることもできる。
【0020】
注射針を効果的に固定するために、注射針のベース部を、支持体の主要部分と、支持体の前記主要部分に固定されたブロック部との間に挟むことができる。
【0021】
装置は、いくつかの注射針を備えることができ、また特に、3本、または3本を超える注射針を備えることができ、これらは、同一のもの、または異なるものである。
【0022】
注射針は、どの注射針を検討するにしても、同一の全長を有することができる。
【0023】
注射針の突出し部分は、同一に、または異なるようにすることもできる。それらは、特に、同じ長さのものとすることができる。
【0024】
注射針は、すべて同じ方法で支持体上に固定することができる。
【0025】
本発明の一変形形態では、1つまたは複数の注射針は支持体に固定されず、それに代えて、貫通段階中に、支持体の上を摺動することができる。これらの針は、取外し可能にすることができるが、あるいは支持体上で一体化されて、すなわち、支持体に結合されたままであるような方法で取り付けることができる。
【0026】
後者の場合、それらは、前記支持体中へと後退可能であると有利である。
【0027】
一実施形態では、注射針は、3mmを超え、3.5mmを超え、または4mmを超え、かつ/または6mm未満、5.5mm未満、または5mm未満の距離だけ、互いに、ペアごとに離間される。
【0028】
注射針は、実質的に平行、かつ/または同一平面内であることができる。
【0029】
注射針の遠位端は、例えば、対称の平面を示す線に沿って延びることができる。この線は、例えば、直線とすることができる。それはまた湾曲させる、例えば、円弧に従うことも可能である。特に、支持体が、後で述べるように、球体の当接面を備える場合、この線は、この当接面と同じ曲率半径を有することができ、または後者に対して同心とすることができる。
【0030】
注射針の遠位端は、その遠位端の領域における前記注射針の局所的な方向に対して直角をなす同一の平面に属しない可能性もある。
【0031】
一実施形態では、注射針の近位端、すなわち、遠位端とは遠隔にある端部は、すべての注射針に共通の配給チャネル中で開口しており、配給チャネルは、例えば、支持体中に形成される。その場合、支持体は、配給チャネルと、注入される生成物のソースとの間で流体連通を確立するための接続手段を有することができる。
【0032】
一実施形態では、装置はまた、1つまたは複数の、好ましくはすべての注射針の管腔を選択的に、または同時に、例えば、近位端の領域に、または配給チャネルの領域に差し込むための手段を有する。
【0033】
これらの手段は、特に、1つまたは複数の注射針を差し込むようにそれぞれが設計された1つまたは複数のストッパを備えることができる。
【0034】
一実施形態では、各注射針は、他のものとは独立して供給されうる。例えば、各針は、個々の管に接続することができる。したがって、それは、装置の異なる注射針を介して、異なる活性成分を注入することが可能になり有利である。
【0035】
この実施形態では、管を締め付けることにより、または挟むことにより、関連する注射針への供給を遮断することが可能である。
【0036】
すべての管はまた、主要な管に接続することができ、それにより、締め付けられ、または挟まれたとき、すべての管に対する供給が同時に遮断される。
【0037】
支持体
支持体は、装置を操作するために使用することができる。支持体は、特に、例えば、一方の手の親指と人差し指との間で注射装置を把持できるようにするハンドルを備えることができる。装置の操作は、このようにさらに容易になる。このハンドルは、特に、実質的に1つまたは複数の注射針に平行な共通の平面に沿って延びることができる。
【0038】
支持体の長さは、10mmもしくは30mmを超え、かつ/または100mm、50mm、または40mm未満とすることもできる。その横方向の幅は、10mmもしくは15mmを超え、かつ/または30mm、または25mm未満とすることができる。
【0039】
支持体は、ユーザが、針の貫通点をより容易に観察できるようにするために、透明な材料から作ることができる。
【0040】
一実施形態では、支持体は、注射針の貫通段階中に、眼瞼を開いたままに保つことができるように設計される。このために、それは、特に、例えば、0.5mm、1mm、2mm、または3mmを超える高さを有する側方の縁部を備えることができる。縁部上に眼瞼を保持することを改善するために、支持体はまた、前記眼瞼がその縁部上に支持される場合、眼の表面と眼瞼との間の位置を占めるように設計された隆起部を備えることもできる。
【0041】
支持体は、したがって、有利には、眼瞼を離間させる手段として働き、それは、最適な安全性を保証し、かつ注入中に眼瞼が突然閉じるなどどんな危険も回避することを保証する。
【0042】
当接手段
装置は、「使用位置」と呼ばれる規定された位置を越えて眼の中に1つまたは複数の注射針が貫通するのを阻止するように設計された当接手段を備えることができる。
【0043】
当接手段は、「支持体の当接手段」を含むことができ、それは、貫通段階中に、支持体の動きを制限するように設計される。特に、支持体が、貫通段階における動作中に設定された場合、支持体のこれらの当接手段は、規定された位置を越えて、例えば、支持体の当接面が眼の表面に適合する位置を越えてこの動きが継続するのを阻止することを可能にする。支持体の当接手段は、したがって、規定された位置で、または「支持体の当接位置」で、支持体を眼の上に位置決めすることができるように設計される。支持体の当接位置は、特に、位置決めマークが眼の角膜縁上で支持され、かつ支持体の当接面が眼の強膜に装着されたときに得られる。1つまたは複数の注射針が支持体上に固定されたとき、使用位置は、支持体の当接位置に相当する。
【0044】
注射針が、支持体上で摺動可能に取り付けられる実施形態では、当接手段はまた、針の遠位端で支持体から突き出すことのできる前記針の長さを、すなわち、針の突き出す部分の長さを制限するように設計された「針」の当接手段を備えることができる。注射針は、例えば、支持体に対して当接できる余分の太さの領域を有することができる。「針の当接位置」という表現は、針の突き出ている最大長に対応する針の位置、すなわち、針の当接手段が働いている位置を示す。この実施形態では、使用位置は、支持体が、その支持体の当接位置にあり、かつ注射針が、針の当接位置にある構成に対応することが好ましい。
【0045】
当接手段は、注射針の貫通段階中に、1つまたは複数の注射針を眼の中に挿入できる長さ、または「挿入の最大長」を、特に網膜への注入に対して、20mm未満に、特に毛様体筋への注入に対して、7mm未満または3mm未満に、あるいは1mmまたは0.7mm未満に制限するように設計することが好ましい。挿入の最大長は、0.5mmを超え、かつ14mm未満であることが好ましい。
【0046】
支持体の当接手段は、当接面を備えることが好ましく、当接面は、眼の表面と接触するように設計され、また支持体の当接位置において、前記眼の形状に適合することができ、それにより、信頼性のある位置決めを保証できるように、この表面に合う形状、特に、眼の強膜に合う形状を有することが好ましい。
【0047】
当接面は、支持体の当接位置における装置の摺動運動を制限するように設計された滑り止め手段を備えることができる。
【0048】
一実施形態では、当接面は、4mm
2を超え、かつ/または21mm
2未満の表面積を有する。当接面は、中実にすることができるが、局所的に、穴を介在させることもできる。
【0049】
当接面は、球体の形状を有することができ、曲率半径Rは、特に、9mm、10mm、または11mmを超え、かつ/または14mm、13mm、または12mm未満である。11.75mmの曲率半径が理想的である。
【0050】
当接面は、側方に延びることが好ましく、それは、すなわち、正面から見てその最大寸法で、45°を超える扇形角α、好ましくは、60°、70°、75°、またはさらに80°を超え、かつ/または135°未満、好ましくは、120°、100°、95°、またはさらに90°未満の扇形角αにわたり延びることが好ましい。
【0051】
当接面は、高さ方向に延びていることが好ましく、それは、すなわち、正面から見てその最小寸法で、15°、25°またはさらに30°を超え、かつ/または55°、45°、またはさらに40°未満の扇形角θにわたり延びることが好ましい。
【0052】
当接面は、半球の四分の一を越えて延びないことが好ましい。
【0053】
正面から見て、当接面は、実質的に、平行六面体の輪郭、例えば、長方形の輪郭を有することができる。
【0054】
当接面は、2つの大きな辺と、2つの小さな辺を有することができる。大きな辺は、特に、小さな側面と共に丸みを付けたコーナを形成することができる。
【0055】
小さな辺の長さは、2mm以上、かつ/または3mm未満とすることができる。大きな辺の長さは、2mmを超え、かつ/または7mm未満とすることができる。
【0056】
当接面は、注射針を貫通段階の最後にだけ、眼の表面と接触状態になるように設計されることが好ましい。
【0057】
支持体の当接位置において、支持体が、当接面によってのみ眼の表面上で支持されることも好ましい。
【0058】
注射針が、同一平面にある場合では、針の平面は、大きな辺に対して実質的に平行であることができる。
【0059】
眼と接触状態になるように設計された当接面の主軸は、1つまたは複数の針の方向に対して、あるいはこれらの針が同一平面にある場合、それらが延びる平面に対して、20°を超え、かつ/または85°未満の角度δだけ傾斜させることができる。
【0060】
特に、注射装置が毛様体筋に注入するように設計される場合、角度δは、30°、40°、50°を超え、かつ/または80°、70°、60°未満とすることができる。約55°の角度が理想的である。
【0061】
一実施形態では、特に、注射針が、硝子体腔内に注入するように設計される場合、角度δは、1つまたは複数の注射針が、当接面が沿って延びる球形の外膜Sの中心Cを通る方向へと実質的に延びるように決定することができる。その場合、支持体の当接位置において、少なくとも1つの注射針が、眼の中心を通ることは、有利になるはずである。
【0062】
特に、装置が、硝子体腔中に注入するように設計される場合、角度δは、20°を超え、30°を超え、かつ/または45°未満、または40°未満とすることができ、約35°の角度が理想的である。
【0063】
一実施形態では、装置は、実質的に球形の外膜に沿って延びる当接面を備えており、また位置決めマークは、前記球形の外膜の中心をその軸が通る円弧の形状の位置決め線に沿って延びる。
【0064】
球形の外膜および円弧は、特に、使用位置において、当接面が、眼の強膜上で完全に支持され、また位置決めマークが、角膜の縁部上で完全に支持されるように決定することができる。
【0065】
一実施形態では、装置は、実質的に球形の外膜に沿って延びる当接面を備え、位置決めマークは、円弧の形状の位置決め線に沿って延び、少なくとも1つの針が、貫通点を介して球形の外膜中を貫通しており、また前記球形の外膜の中心を通り、前記貫通点を介し、かつ前記円弧と直角に交差する平面内で、前記貫通点と、前記平面が前記円弧とそれを介して交差する前記円弧の点との間の距離は、
(1)1mmを超え、好ましくは1.5mmを超え、さらに好ましくは1.8mmを超え、かつ3mm未満、好ましくは1.5mm未満、さらに好ましくは1.2mm未満であり、前記針が、前記球形の外膜の内側で、0.5mmを超え、好ましくは0.6mmを超え、さらに好ましくは0.8mmを超える深さまで、かつ1.5mm未満、好ましくは1.3mm未満、さらに好ましくは1.2mm未満の深さまで延びている、あるいは
(2)2mmを超え、好ましくは3mmを超え、かつ4.5mm未満、好ましくは4mm未満、または3.5mm未満であり、前記針が、前記球形の外膜の内側で、6mmを超え、好ましくは8mmを超える深さまで、かつ15mm未満、好ましくは13mm未満の深さまで延びている。
【0066】
すべての針が、同時に条件(1)を満たすことが好ましく、この実施形態は、眼の毛様体筋中に注入するために特に理想的なものであり、あるいは条件(2)を満たすことが好ましく、この実施形態は、硝子体中に注入するために特に理想的なものである。
【0067】
深さは、球形の外膜の表面と、当該の針の遠位端との間の最小距離、すなわち、通常、球形の外膜Sの半径上で測定された、この表面とこの遠位端との間の距離である。
【0068】
すべての針は、球形の外膜の内側で同一の深さまで延びることが好ましい。
【0069】
1つまたは複数の注射針は、位置決めマークに関して、当接手段と同じ側の支持体上で係合されることが好ましい。
【0070】
一実施形態では、1つまたは複数の注射針は当接面を通らない。それらは、特に、支持体の当接位置において眼と接触していない「挿入面」から突き出すことができる。眼と挿入面の間の間隔により、ユーザは、針の貫通点の近傍の眼の表面を観察することが可能になり有利である。それはまた、支持体の位置決めを容易にする。
【0071】
挿入面は、当接面より後退させて設定することができ、また例えば、支持体の当接位置において、それは、1mmを超え、かつ/または1cm未満の距離だけ、眼の表面から離間されるように設計することができる。
【0072】
支持体の当接手段は、支持体上に固定するか、あるいはそれと一体に形成することができる。
【0073】
支持体の当接手段は、支持体の当接位置において、1つまたは複数の針が、事前定義の方向に傾斜され、また眼の表面に対して好ましくは不動化されるように決定されることが好ましい。
【0074】
支持体が、注射針の摺動運動を案内するために、注射針の案内手段を備える場合、この注射針の展開された位置で突き出る注射針の長さを制限するために、有利には、針の当接手段が設けられる。
【0075】
当然であるが、本発明による装置は、支持体上に固定された1つまたは複数の注射針と、前記支持体上を摺動することのできる1つまたは複数の注射針とを備えることができる。
【0076】
位置決めマーク
位置決めマークは、かなり形状が変化する可能性がある。特に、位置決めマークは、1つの点、少なくとも2つの点、少なくとも3つの点により形成され、または「位置決め線」と呼ばれる線のすべてもしくは一部により形成され、あるいは表面により形成されうる。
【0077】
一実施形態では、装置は、眼の表面、例えば、角膜の縁部に適合することのできる位置決め線を含む。それは、5mmまたは6mmを超え、かつ/または8mmまたは7mm未満の半径を有する円弧に従うことができ、6.58mmの半径が理想的である。
【0078】
好ましくは、位置決め線は、支持体における針の挿入点の方向に少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、凸形である。位置決め線が円弧に従う場合では、前記挿入点は、位置決め線をその大円が含む仮想の球面の外側にあることが好ましい。
【0079】
当接手段が、実質的に球形の当接面を含む場合、支持体における針の挿入点、および好ましくは、すべての針のすべての挿入点が、当接面がその上を延びる仮想の球面の外側にあることが好ましい。
【0080】
眼の表面と接触状態にある位置決め線の長さは、1つまたは複数の注射針の貫通の程度に依存することができる。例えば、貫通段階の開始時では、位置決め線は、1つまたは複数の点、またはこの線の1つまたは複数の断片を介して、眼の表面と接触状態にあるはずであり、次いで、貫通中に、この接触の性質が変化する可能性がある。
【0081】
位置決めマークの長さは十分に短く、眼に可撓性がある場合、貫通段階を通して、位置決めマークが、その全体の長さに沿って、眼の角膜の縁部と接触したままであることを保証することが好ましい。注射針の貫通段階を通して、位置決めマークを角膜の縁部と接触状態に保つことをより簡単にするために、位置決めマークは、この縁部の20mm未満、17mm未満、または15mm未満の長さに沿って支持されるだけであるように設計することが好ましい。
【0082】
位置決めマークは、支持体上に、当接手段上に、または支持体に堅く結合された任意の他の要素上に固定することができる。しかし、それは、少なくとも貫通段階中、好ましくは恒久的に、支持体に対して不動化する必要がある。
【0083】
位置決めマークは、例えば、1つまたは複数の注射針により、または適切な場合、1つまたは複数の侵襲性のもしくは非侵襲性の電極により担持することができる。
【0084】
一実施形態では、位置決めマークは、当接手段により、例えば、当接面の大きな辺により担持され、また特に、正面から見て実質的に長方形の形状の当接面の場合には、注射針から最も遠い大きな辺により担持される。
【0085】
位置決めマークは、非侵襲性の電極の縁部により担持され、または実際に、それにより形成することができる。
【0086】
位置決めマークは、眼の表面と接触状態で配置されるように設計されるので、それは滑らかな表面を有することが好ましく、特に、貫通段階中に眼の表面を損傷させる可能性のある鋭利な先端またはエッジの形の何らかの粗さを有することのない表面を有することがさらに好ましい。それは、可撓性のある材料、すなわち、眼の表面に対して侵襲的ではない材料、例えば、シリコーンのポリマー、導電性のあるスポンジ、特に合成スポンジのポリマー、ポリエステルのポリマー、ポリオルトエステルのポリマー、ポリメタクリル酸メチルのポリマー、または任意の他の可撓性のある医療グレードのポリマーから作成することができ、半透明であることが好ましい。
【0087】
位置決めマークは、例えば、当接手段の、または非侵襲性の電極の縁部に沿って、例えば、その全長に沿って延びる、1.5mmを超え、かつ/または5mm未満の幅を有する可撓性のある材料の帯により特に形成されうる。
【0088】
位置決めマークは、特にシリコーンまたは発泡体の縁部(bead)により形成することができる。角膜縁(角膜の縁部)に傷を付ける危険性が、それにより低減されるので有利である。
【0089】
当接面および/または位置決めマークはまた、支持体の当接位置において、眼の表面上に固定するための吸引手段を備えることもできる。これらの手段は、受動的なもの(多数の連続気泡、吸盤を提示する発泡体)とすることができ、それは、すなわち、この表面に対して単に押し付けるだけで眼の表面にそれ自体を固定することができる。それらはまた、能動的なもの、すなわち、吸引を必要とするものにすることもできる。
【0090】
これらの吸引手段は、支持体を、その当接位置に安定化させることに寄与するので有利である。
【0091】
位置決めマークおよび/または支持体の当接手段は、眼の表面上における摺動運動を制限することのできる滑り止め材料により形成され、またはそれにより少なくとも部分的に覆うことができる。
【0092】
上記で説明してきたように、位置決めマークは、眼の表面を介して1つまたは複数の注射針を貫通させる間に、眼の表面と接触したままであるように配置される。
【0093】
一実施形態では、位置決めマークは、眼の表面との接触状態を維持しつつ、眼の中へ1つまたは複数の注射針を貫通させることを案内するように設計される。特に、位置決めマークは、前記貫通させる間、1つまたは複数の注射針に対する回転点として働くことができる。前記貫通中に、眼の表面と接触状態にある位置決めマークの表面を増加させることはまた、この貫通の正確さを改善することができる。
【0094】
案内手段
注射針は、支持体上に固定することができる、すなわち、支持体上で恒久的に不動のものとすることができ、あるいは代替的に、解放可能もしくは解放不能のいずれかで、支持体上に移動可能に取り付けることもできる。
【0095】
このために、支持体は、案内手段を、例えば、支持体上で、注射針の案内された摺動運動を可能にするスライドレールの形で有することができる。スライドレールは、特に、受け入れるように意図された注射針の断面に適合した横断面を有する貫通孔とすることができる。案内手段は、針の湾曲に沿った動作で注射針を案内することができる。直線的な針の場合、注射針は、その軸に沿って案内される。その軸を中心とする回転は、可能なままである。
【0096】
代替的には、ガイドレールはまた、このような回転を阻止することもできる。
【0097】
ガイドレールのスパン、すなわち、ガイドレールの2つの最も遠い点の間の距離は、2mm、3mm、4mm、または5mmを超えることができる。大きなスパンは、効率的な案内を可能にするので有利である。
【0098】
注射針は、解放可能とすることができる、すなわち、任意選択で、支持体から完全に接続を解除することができる。
【0099】
したがって、本発明はまた、必ずしも注射針を備えていない本発明による装置にも関係する。特に、本発明は、支持体が、少なくとも2mm、3mm、5mm、7mm、9mm、もしくは11mmの長さを有する接触線に沿って、眼の角膜縁と接触状態で配置され、次いで、支持体により案内されて、注射針および/または侵襲性の電極が移動する間、角膜縁上で支持される位置に保持されうるように配置された位置決めマークを備える支持体を提案する。
【0100】
支持体は、本発明による装置の支持体の1つまたは複数の任意選択の機能、または必要な機能を有することができる。特に、それは、眼の表面に適合する形状を有する当接面を備えることができる。
【0101】
一実施形態では、支持体は、注射針または侵襲性のある電極を眼と接触状態にさせることを必要とせずに、
・位置決めマークを、前記接触線に沿って、眼の角膜縁と接触状態で配置できる、
・当接面を、眼の表面上で支持されて配置できる
ように設計される。
【0102】
電極
一実施形態では、装置は、少なくとも1つの侵襲性のまたは非侵襲性の電極を備える。好ましくは、装置は、電気的な発生器の第1の端子および第2の端子に、それぞれ、電気的に接続されるように設計された第1および2の組の電極から構成された電極の組立体を備える。
【0103】
電極の組立体は、特に、1つまたは複数の注射針から放出される生成物の移送を容易にする電気穿孔法を保証するような方法で配置された電極を備える。
【0104】
特定の実施形態では、装置の注射針の少なくとも1つの放出孔が、前記電極により生成された電界によりカバーされうるゾーン中で、注射器から生成物を出すことができるように、第1の組の電極と、第2の組の電極との間で開口する。
【0105】
一実施形態では、1つまたは複数の侵襲性の電極、またはすべての侵襲性の電極は、その長さの少なくとも一部の上を、例えば、絶縁カバーにより電気的に絶縁される。特に、突出し部分の電気的に絶縁された部分は、特に、侵襲性の電極が毛様体筋に挿入されるように設計される場合、0.5mmと3mmの間の長さ、例えば、約1mmだけ、あるいは特に、侵襲性の電極が、硝子体腔中に挿入されるように設計される場合、10mmと14mmの間、または11mmと13mmの間の長さ、例えば、約12mmの長さだけ、あるいはより一般的に、0.5mmもしくは1mmと30mmの間の長さだけ支持体から延びることができる。突出し部分の全体を、電気的に絶縁することもできる。
【0106】
「挿入部分」と呼ばれる、支持体と接触状態にある侵襲性の電極の部分は、10mmと20mmの間、例えば、約15mmの長さを有することができる。挿入部分は、支持体から電気的に絶縁されることが好ましい。
【0107】
注射針は、少なくとも部分的に、または全体的に、侵襲性の電極を構成するように導電性のある材料から作成することができる。装置が、いくつかの注射針を備える場合、1つまたは複数のこれらの注射針、またはこれらの注射針のすべてが、侵襲性の電極を構成することができる。第1の組および第2の組の電極は、例えば、注射針により形成することができる。
【0108】
装置の1つまたは複数の注射針に関する上記で述べた1つまたは複数の任意選択の機能は、これらが注射針であるかどうかにかかわらず、装置の1つまたは複数の侵襲性の電極に適用することができる。
【0109】
一実施形態では、装置は、流体連通しており、かつ同一の組の電極に属する3つの注射針を備える。
【0110】
他の組の電極を、例えば、装置に属することも、属さない可能性もある1つまたは複数の非侵襲性の電極により形成することができる。
【0111】
好ましくは、装置は、1つまたは複数の非侵襲性の電極を備える。非侵襲性の電極は、可撓性を有することも剛性を有することもできる。
【0112】
一実施形態では、装置は、眼の表面と接触状態になるように設計された、かつ好ましくは眼の形状に適合するように構成された導電性の要素を有する、剛性のある非侵襲性の電極を備える。
【0113】
好ましくは、導電性の要素は、上記で述べた当接面の少なくとも一部を、好ましくはそのほとんどすべてを覆う導電性材料から作られたカバーを備える、またはカバーにより形成される。
【0114】
導電性のカバーは、例えば、上記で規定したように、位置決めマークとして働くように設計され、かつ好ましくは、可撓性のある材料により形成された、縁部を除く当接面全体にわたり延びることができる。導電性の要素はまた、互いに電気的に接続され、かつ好ましくは、当接面の接触表面上に規則的に配置された複数のピンを備え、またはそれにより形成されうる。
【0115】
導電性の要素を担持する当接面は、上記で述べた当接手段の当接面の1つまたは複数の任意選択の機能を有することができる。
【0116】
一実施形態では、支持体は、正面から見て長方形の形状を有する、実質的には球面である凹面を有しており、前記表面は、当接手段として働くように設計され、かつ電極として働くことのできる導電性のカバーにより、少なくとも一部が、またはほとんど全体が覆われている。
【0117】
装置は、電気的な接続手段、特に、電気的な接続端子をさらに備え、1つまたは複数の前記電極を電気的な発生器の端子に電気的に接続することを可能にする。
【0118】
装置は、注入される生成物の貯蔵器、特に、支持体と一体の貯蔵器と、この貯蔵器から生成物を1つまたは複数の注射針へと移送するための手段とを備えることができる。
【0119】
第2の主要な実施形態では、本発明は、生成物を眼の中に注入するための注射装置に関し、前記装置は支持体および注射針を備え、注射針は前記支持体上に固定され、または支持体が、前記針の摺動運動を案内することができ、前記支持体は、半球の四分の一を越えないで延びるように設計されかつ眼の表面の形状、特に、実質的に強膜の球面に合うように適合された凹形の接触表面を有する。この接触表面は、当接面として、かつ/または1つまたは複数の電極、特に、非侵襲性の電極のための基部(substrate)として、かつ/または位置決めマークのための基部として働くことができる。
【0120】
上記で述べた第1の主要な実施形態の装置の、おそらく任意選択の他の機能、および特に、注射針および電極の数に関係する、その形状および構成に関係する、当接面の、もしくは位置決めマークの形状に関係する機能は、任意選択で、第2の主要な実施形態の装置に適用することができる。
【0121】
第3の主要な実施形態では、本発明は、
・注射針方向に方向付けられた注射針と、
・前記注射針が固定される、または注射針の摺動運動を案内できる支持体と、
・注射針の貫通を前記注射針方向に制限することができ、好ましくは、実質的に球体形状の当接面を有する当接手段と
を備える注射装置に関し、
前記装置は、注射針および当接面の主軸が平行な平面内で延びること、またこれらの平面の1つにおける投影において、注射針の方向は、当接面の主軸と20°を超える、かつ/または85°未満の角度δを形成することにより特徴付けられる。
【0122】
おそらく任意選択であるが、上記で述べた第1および第2の実施形態の装置の他の機能は、第3の主要な実施形態による装置に対して、任意選択で適用されうる。
【0123】
第4の主要な実施形態では、本発明は、眼の中に生成物を導入するための電気穿孔装置に関し、前記装置は、
・侵襲性の電極と、
・侵襲性の電極が固定される、または前記侵襲性の電極の摺動運動を案内できる支持体とを備え、
前記装置は、前記表面と侵襲性の電極が何らかの接触をする前に、眼の表面の規定された支持部位と接触状態で配置でき、次いで、眼の前記表面を介して前記侵襲性の電極の正常な貫通中に前記支持部位と接触状態を保つことができるような方法で配置された位置決めマークを有する。
【0124】
侵襲性の電極は、特に、注射針とすることができる。
【0125】
第5の主要な実施形態では、本発明は、眼の中に生成物を導入するための電気穿孔装置に関し、前記装置は、支持体と侵襲性の電極とを備えており、侵襲性の電極は、前記支持体に固定され、または支持体が、前記針の摺動運動を案内することができ、前記支持体が、半球の四分の一を越えないで延びるように設計され、かつ眼の表面の形状に、特に、強膜の実質的に球面に合うように適合された凹形の接触表面を有する。この接触表面は、当接面として、かつ/または1つまたは複数の電極、特に、非侵襲性の電極のための基部として、かつ/または位置決めマークの基部として働くことができる。
【0126】
第6の主要な実施形態では、本発明は、
・侵襲性の電極方向へと方向付けられた侵襲性の電極と、
・前記侵襲性の電極が固定される、または侵襲性の電極の摺動運動を案内できる支持体と、
・前記侵襲性の電極方向へと侵襲性の電極の貫通を制限することのできる、好ましくは、支持体と一体化された当接手段であって、好ましくは実質的に球体形状の当接面を有する当接手段とを備える電気穿孔装置に関し、
前記装置は、侵襲性の電極および当接面の主軸が、平行面内でまたは同一面内で延びること、またこれらの平面の1つへの投影において、侵襲性の電極の方向が、当接面の主軸と20°を超え、かつ/または85°未満の角度を形成することにより特徴付けられる。
【0127】
おそらく任意選択であるが、上記で述べた3つの最初の主要な実施形態の装置の機能は、第4、第5、および第6の主要な実施形態の装置に対して任意選択で適用することができる。
【0128】
特に、侵襲性の電極は、本発明の3つの最初の主要な実施形態による装置の注射針の1つまたは複数の機能を有することができる。
【0129】
装置は、特に、電気的な発生器の同一の端子に電気的に接続できる3つの侵襲性の電極を備え、これらの3つの侵襲性の電極が、本発明の3つの最初の主要な実施形態の注射針と同様に設計され、かつ構成されることが可能である。
【0130】
本発明はまた、少なくとも2つの電極を有する本発明による注射装置と、前記電極間に電界を生成することができるように、前記電極に電気的に接続された電気的な発生器とを備える電気穿孔装置に関する。電気的な発生器は、前記注射装置により眼の中に注入される生成物の電気穿孔を促進するように設計されることが好ましい。その場合、注射装置は、少なくとも1つの侵襲性の電極と1つの非侵襲性の電極を備えることが好ましい。
【0131】
本発明はまた、本発明の第1の主要な実施形態による装置により、眼の中へ生成物を注入するための方法に関し、前記方法は、以下の連続するステップ、すなわち、
a)位置決めマークを、眼の表面の支持部位と接触した状態で配置するステップと、
b)前記位置決めマークを前記支持部位と接触した状態に保ちながら、1つまたは複数の注射針を眼の中に貫通させるステップと
を含む。
【0132】
支持部位は、特に、角膜と強膜との間の境界にある角膜の縁部とすることができる。
【0133】
一実施形態では、ステップb)で、1つまたは複数の注射針は、支持部位を中心として回転される。
【0134】
1つまたは複数の注射針が、支持体に対して摺動する一実施形態では、ステップb)は、支持体に対するこれらの注射針の摺動運動から得られるものであり、支持体は、眼の表面上に押し付けられることにより不動化される。特に、この不動化は、位置決めマークと眼の角膜縁との相補的な形状から得ることができる。
【0135】
本発明はまた、上記で述べた第4の主要な実施形態による装置により、眼の中に生成物を導入するための電気穿孔法に関し、前記方法は、以下の連続するステップ、すなわち、
a)位置決めマークを、眼の表面の支持部位と接触した状態で配置するステップと、
b)前記位置決めマークを前記支持部位と接触した状態に保ちながら、1つまたは複数の侵襲性の電極を眼の中に貫通させるステップと、
c)前記侵襲性の電極と、他の電極、例えば、電気穿孔装置にさらに固定された非侵襲性の電極との間で電界を生成するステップであり、電界は、前記電気穿孔法を促進するように適合されるステップと
を含む。
【0136】
支持部位は、特に、角膜の縁部とすることができる。
【0137】
一実施形態では、ステップb)で、1つまたは複数の侵襲性の電極は、支持部位を中心として回転される。
【0138】
1つまたは複数の侵襲性の電極が、支持体に対して摺動する一実施形態では、ステップb)は、支持体に対するこれらの侵襲性の電極の摺動運動から得られるものであり、支持体は、眼の表面上に押し付けられることにより不動化される。特に、この不動化は、位置決めマークと眼の角膜縁との相補的な形状から得ることができる。
【0139】
好ましい実施形態では、1つまたは複数の侵襲性の電極は、注射針を構成しており、また電気穿孔法は生成物を注入するステップを含む。この注入ステップは、ステップc)の前に、その間に、またはその後に行うことができる。
【0140】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を調べることにより明らかとなろう。
[付記項1]
眼の中に生成物を注入するための注射装置であって、
注射針(141、142、143; 141'、142'、143')と、
前記注射針がその上に固定された支持体(12)とを備え、
位置決めマーク(50)が、前記注射針(141、142、143; 141'、142'、143')が眼(O)の表面と接触する前に、眼(O)の前記表面の規定された支持部位(E)と接触して配置され、次いで、前記注射針が、前記眼の前記表面を介して貫通する段階中に、前記支持部位との接触状態を保つことのできるように、5mmを超え、8mm未満の半径を有する円弧に沿って前記支持体上に固定されかつ配置される前記位置決めマーク(50)を備え、前記支持部位が、前記眼(O)の角膜の縁部(E)の少なくとも一部であり、前記貫通が、前記注射針が前記支持体(12)上に固定される場合、前記位置決めマーク(50)を中心とする前記支持体(12)の回転から得られることを特徴とする装置。
[付記項2]
前記注射針(141、142、143; 141'、142'、143')が、前記眼の中への前記注射針の前記貫通段階を通して、前記眼(O)の中への前記貫通点(P1)における前記注射針の局所的な方向(Dneedle)が、前記貫通点(P1)における貫通方向(V14)と、常に、15°の最大のスペーシング角βmax未満である角度β(β1、β2、β3)を形成するように設計される、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記注射針が、その遠位端(171)が、前記注射針の前記貫通段階中に、前記眼(O)の毛様体筋に達することができるように設計される、付記項1から2のいずれか一項に記載の装置。
[付記項4]
前記注射針が、少なくとも部分的に、導電性材料から作成され、前記装置が、前記注射針を電気的な発生器に電気的に接続することを可能にする接続手段を備える、付記項1から3のいずれか一項に記載の装置。
[付記項5]
前記貫通段階中に、前記支持体の移動を制限できる前記支持体の当接手段を備え、前記当接手段が、前記貫通段階中に、前記眼の中へ挿入できる前記注射針の長さを、20mm未満に制限するように設計される、付記項1から4のいずれか一項に記載の装置。
[付記項6]
前記当接手段が、前記貫通段階中に、前記眼の中へ挿入できる前記注射針の長さを、3mm未満に制限するように設計される、付記項5に記載の装置。
[付記項7]
前記当接手段が、球形状を有する当接面(40)を備え、曲率半径Rが9mmを超え、14mm未満である、付記項5から6のいずれか一項に記載の装置。
[付記項8]
前記当接面(40)が、半球の四分の一を越えて延びることがない、付記項7に記載の装置。
[付記項9]
同一の深さまで、前記球形の外膜の内側に延びる複数の注射針を備える、付記項7から8のいずれか一項に記載の装置。
[付記項10]
前記当接手段が、球形の外膜(S)に沿って延びる当接面を備え、また前記位置決めマークが、円弧(F50)の形状の位置決め線であり、前記円弧の軸(Dco)が、前記球形の外膜(S)の中心(C)を通る、付記項5から9のいずれか一項に記載の装置。
[付記項11]
前記支持体における前記注射針の挿入点が、前記位置決めマークを、その大円が含む仮想的な球体表面の外側にある、付記項1から10のいずれか一項に記載の装置。
[付記項12]
前記当接手段が、実質的に球形の外膜(S)に沿って延びる当接面を備え、前記位置決めマークが、円弧(F50)の前記形状の位置決め線に沿って延び、少なくとも1つの注射針が、貫通点(Pi)を介して前記球形の外膜中を貫通しており、また前記球形の外膜(S)の前記中心(C)を通り、前記貫通点(Pi)を介し、かつ前記円弧(F50)と直角に交差する平面(Pli)内で、前記貫通点(Pi)と、前記平面(Pli)が前記円弧(F50)とそれを介して交差する前記円弧の点(Qi)との間の距離(li)が、
(1)1mmを超え、3mm未満であり、前記注射針が、前記球形の外膜の内側で、0.5mmを超え、1.5mm未満である深さ(Δi)まで延びており、または
(2)2mmを超え、4.5mm未満であり、前記注射針が、前記球形の外膜の内側で、6mmを超え、15mm未満である深さ(Δi)まで延びている、付記項10に記載の装置。
[付記項13]
電気的な発生器の第1の端子および第2の端子に、それぞれ、電気的に接続されるように設計された電極の第1の組(141、142、143; 141'、142'、143')、および第2の組(52)から構成された電極の組立体を備え、前記1つまたは複数の注射針が、電極の前記第1の組の侵襲性の電極を構成する、付記項1から12のいずれか一項に記載の装置。
[付記項14]
電極の前記第2の組が、導電性のカバー(52)を備え、また前記カバー(52)が、少なくとも部分的に、当接面(40)を覆っている、付記項13に記載の装置。
[付記項15]
前記位置決めマークが、前記角膜の前記縁部の5mmを超える部分で支持されるように設計される、付記項1から14のいずれか一項に記載の装置。
[付記項16]
少なくとも3つの注射針を備え、前記注射針の遠位端が、その遠位端の領域における前記注射針の局所的な方向に直角である平面に属していない円弧に沿って延びている、付記項1から15のいずれか一項に記載の装置。
[付記項17]
付記項1から付記項16のいずれか一項に記載の注射装置を具備してなる電気穿孔装置であって、
少なくとも2つの電極と、前記電極間に電界を生成することができるように前記電極に電気的に接続された電気発生器と、を備え、
前記電気発生器は、前記注射装置により眼の中に注入される生成物の電気穿孔を促進するように構成されていることを特徴とする電気穿孔装置。
[付記項18]
前記注射装置の前記注射針の少なくとも1つの放出孔が、第1の組の電極と、第2の組の電極との間で開口していることを特徴とする付記項17に記載の電気穿孔装置。