(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記除草剤有効成分がシハロホップブチル、ペノキススラム、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロンまたはフェノキサプロップPエチルの少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【背景技術】
【0002】
農薬製剤は、一般的に、顧客ニーズおよび有効成分の生理化学的特性、例えば、水または非水性溶媒への有効成分の溶解度に基づいて設計される。固形製剤および液体製剤の製剤の2つの主要なカテゴリーが存在する。
【0003】
農業有効成分を含有する粒剤製品は、液体製剤と比較したこれらの相対的安全性ならびに包装および輸送におけるコスト節約に関してこれらが提供する利点のために現在使用が増加している固形製剤の1つの種類を表す。広域散布施用のための乳化性粒剤(EG)、顆粒水和剤(DG)および粒剤(GR)の形の粒剤製品は、昆虫、雑草、菌類病原体および線虫防除のために使用することができ、通常は土壌および水中環境に使用される。空中施用に使用される粒剤は、粒子重量のために、空中液体噴霧施用と比較して標的外へのドリフトの危険を低下させることができる。
【0004】
農業有効成分を含有する粉末または水和剤(WP)製品は、農業で使用され、主としてその粒径が小さい点で粒剤と異なる固形製剤の別の種類を表す。粒剤は、典型的には、200〜4000マイクロメートルの間のサイズ範囲を有し(Wikipedia:造粒−顆粒の製造)、粉末製剤の粒子よりもはるかに大きいので、呼吸の危険の減少をもたらす。粒剤製品は、造粒または凝集法で粉末または水和剤から製造することができる。
【0005】
固体または液体の形の有効成分は、粒剤として製剤化することができ、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤、殺線虫剤および植物成長調節剤を含むことができる。粒剤は、しばしば、使用前に水などの担体溶媒でさらに希釈されず、その代わりに例えば、土壌または水などの対象とする領域に直接施用されるので、粒剤製剤は、通常、比較的少量の有効成分を含有する。施用されると、粒剤に含有される有効成分は、典型的には水への暴露時に施用領域に放出される。
【0006】
有効成分を含有する農業粒剤はまた、希釈剤として働くおよび/または粒剤の安定な固形状態の維持に役立つことができる固形不活性成分を含有する。これらの固形不活性成分には、例えば、粘土、デンプン、シリカ、硫酸塩、塩化物、リグノスルホン酸塩、炭水化物、例えばデキストリン、アルキル化セルロース、キサンタンガムおよびグアシードガム(guaseed gum)、ならびに合成ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドンおよびPergoPak M(登録商標)(Albemarle Corporationの登録商標)のような尿素/ホルムアルデヒドポリマーが含まれ得る。粒剤に含有される有効成分(複数可)を液体に溶かし、溶媒に溶解させ、または液体に分散させることができ、次いで、これを固形不活性成分に噴霧し、または吸収させることができる。有効な固形不活性成分が存在しない場合、乾燥粒剤は、物理的に不安定で、固形粒子の場合、ゆっくり崩壊して粉塵もしくは粉末を形成し、または液体組み込みアジュバントを含有する粒剤の場合、ゆっくり崩壊してオストワルド熟成の結果として大型液滴を形成し得る。農業粒剤製剤に使用される多くの固形不活性成分は、一般的に優れた水溶解性または分散性を有する。
【0007】
アジュバントは粒剤の重要な成分であり、有効成分の生物学的活性を増加させることができるが、それ自体は有意に生物学的に活性でない物質と定義される。アジュバントは、例えば、除草剤の標的雑草植物中への送達および取り込みを改善することなどにより有効成分の効果を促進し、改善した生物学的防除をもたらす。
【0008】
固体または液体の形のアジュバントを、粒剤などの製剤化した農業製品に直接添加して、施用時の製品の性能を改善することができる。一般的に使用されているアジュバントには、例えば、界面活性剤、展着剤、石油および植物由来の油ならびに溶媒ならびに湿潤剤が含まれ得る。一般的に使用されているアジュバントの例としては、それだけに限らないが、パラフィン油、園芸用スプレーオイル(horticultural spray oil)(例えば、サマーオイル)、メチル化ナタネ油、メチル化ダイズ油、高精製植物油など、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、エトキシ化アルコール、アルキル多糖およびブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、ポリエチレングリコールエステル、有機ケイ素系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、エトキシ化アルキルアリールリン酸エステルなどが挙げられる。これらのおよび他のアジュバントは、Dept. of Plant, Soil and Agricultural Systems, Southern Illinois University MC-4415, 1205 Lincoln Drive, Carbondale, IL 62901のBryan Youngにより編集された「Compendium of Herbicide Adjuvants、第9版」に記載されており、これはhttp://www.herbicide−adjuvants.com/でインターネット上での閲覧が利用可能である。
【0009】
用語「組み込みアジュバント」とは、製品の使用時に例えば噴霧液に添加されるのではなく、製品の製造段階で粒剤または液体製剤などの特定の製剤に添加される1種または複数のアジュバントを指す。組み込みアジュバントの使用は、個別に測定および施用しなければならない成分の数を減らすことにより、最終消費者の農薬製品の使用を単純化する。
【0010】
イネは、世界の多くの地域で栽培されている重要な穀物作物であり、湿潤および乾燥条件下の両方で栽培されている。高レベルの農業生産性を維持するために、イネの雑草の防除は非常に重要である。湛水田および畑での雑草防除のための除草剤粒剤の使用は、多くのイネ栽培地域で非常に一般的な農耕学的慣習である。現在の製品に対して改善した性能を提供する新規な除草剤粒剤製品が必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、
a)総組成物に対して1グラム/キログラム(g/kg)〜200g/kgを含有するACCaseまたはALS酵素阻害剤の種類から選択される除草剤と;
b)総組成物に対して50g/kg〜750g/kgを含有する組み込みアジュバントと;
c)総組成物に対して10g/kg〜700g/kgを含有する固形炭水化物と;
d)総組成物に対して50g/kg〜700g/kgを含有する固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーと
を含み、但し、固形炭水化物ならびに固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーは、合わせて総組成物の少なくとも200g/kgを構成しなければならない、組み込みアジュバントを含有する安定な除草剤粒剤に関する。
【0015】
本発明は等しく同様に、組み込みアジュバントを含有する安定な除草剤粉末に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、
a)総組成物に対して1グラム/キログラム(g/kg)〜200g/kgを含有する、式
【0017】
【化1】
(式中、Arは、ハロゲン、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、C
2〜C
4アルコキシアルキル、C
2〜C
6アルキルカルボニル、C
1〜C
6アルキルチオ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ハロアルコキシ、C
2〜C
4ハロアルコキシアルキル、C
2〜C
6ハロアルキルカルボニル、C
1〜C
6ハロアルキルチオ、−OCH
2CH
2−、−OCH
2CH
2CH
2−、−OCH
2O−または−OCH
2CH
2O−から独立に選択される1個〜4個の置換基により置換されているフェニル基を表し;
RはHまたはFを表し;
XはClまたはビニルを表し;
YはCl、ビニルまたはメトキシを表す)
の化合物、ならびにこれらの塩およびエステルから選択される除草剤と;
b)総組成物に対して50g/kg〜750g/kgを含有する組み込みアジュバントと;
c)総組成物に対して10g/kg〜700g/kgを含有する固形炭水化物と;
d)総組成物に対して50g/kg〜700g/kgを含有する固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーと
を含み、但し、固形炭水化物および固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーは、合わせて総組成物の少なくとも200g/kgを構成しなければならない、組み込みアジュバントを含有する安定な除草剤固形組成物に関する。
【0018】
本発明の別の態様は、湛水田および畑の改善した雑草防除などの農業用途のための除草剤固形組成物または除草剤固形組成物由来の噴霧液を使用することにより、水中環境において望ましくない植生を防除する方法に関する。
【0019】
本発明の別の態様は、粒剤または粉末であり得る除草剤固形組成物を調製する方法に関する。
【0020】
低水溶性の農業有効成分は、時に、有害生物を排除するために作物に有効に施用することが困難となることがある。この状況は、例えば、除草剤粒剤製品を湛水水稲の雑草を防除するために使用する場合など、有効成分を植物葉に直接施用しない場合に特に課題となる。湛水水稲に施用される除草剤粒剤は、通常、水稲の水に直接添加され、施用中に植物葉とほとんど直接接触しない。例えば、シハロホップブチルは、粒剤で水に施用する場合、標的雑草中への除草剤の必要な送達および取り込み、ならびに許容できるレベルの雑草防除の発現を提供するための組み込みアジュバントの使用を必要とする除草剤有効成分である。高レベルの組み込みアジュバントを含有することができる粒剤は、1ヘクタール当たりの有効成分のグラム(gai/ha)基準で、例えば、湛水水稲などの水中環境の改善した雑草防除を提供することができる。
【0021】
本発明の固形組成物は、有効成分および不活性成分を含有する固形農業組成物であり、粒剤、分散性粒剤、乳化性粒剤、粉末、水和剤などを含む。
【0022】
安定な固形組成物は、一般的に、製造および貯蔵される環境に対して物理的および化学的に安定であるものと定義される。安定性には、固形組成物に含有される成分、特に、液体有効成分または液体組み込みアジュバントなどの液体成分の漏出または損失の抑制が含まれる。
【0023】
本発明の固形組成物は、共に調製および貯蔵中に固形組成物を安定化する固形炭水化物と1種もしくは複数の固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーの組み合わせを使用することにより、高レベルの組み込みアジュバントを含有することができる。
【0024】
本発明の固形組成物は、除草剤有効成分と、組み込みアジュバントと、固形炭水化物と、固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーとから構成される。
【0025】
本発明の除草剤有効成分は、ACCase(アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ)酵素阻害剤類の除草剤またはALS(アセト乳酸シンターゼ)酵素阻害剤類の除草剤から選択され得る。「fop」および「dim」除草剤として当技術分野で知られているACCase阻害除草剤有効成分には、それだけに限らないが、シハロホップブチル、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フルアジホップPブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップRメチル(haloxyfop-R-methyl)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップPエチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップPテフリル(quizalofop-P-tefuryl)およびプロホキシジム(profoxydim)が含まれる。ALS阻害除草剤有効成分には、それだけに限らないが、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、ジクロスラム(diclosulam)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルメツラム(flumetsulam)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メトスラム(metosulam)、メトスルフロン(metsulfuron)、ペノキススラム(penoxsulam)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピロクススラム(pyroxsulam)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザモックス(imazamox)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)およびこれらの誘導体が含まれる。本発明の除草剤有効成分は、一般的に、環境pH条件(6.5〜7.5のpH)で3000百万分率(ppm)未満、好ましくは1000ppm未満、最も好ましくは100ppm未満の水溶解度を有する。除草剤有効成分は、総組成物に対して1g/kg〜200g/kg、好ましくは2g/kg〜75g/kgを含有する。
【0026】
本発明の別の除草剤有効成分は、例えば、US7314849 B2、US7300907 B2、US7786044 B2およびUS7642220 B2に開示されている、式
【0027】
【化2】
(式中、Arは、ハロゲン、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、C
2〜C
4アルコキシアルキル、C
2〜C
6アルキルカルボニル、C
1〜C
6アルキルチオ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ハロアルコキシ、C
2〜C
4ハロアルコキシアルキル、C
2〜C
6ハロアルキルカルボニル、C
1〜C
6ハロアルキルチオ、−OCH
2CH
2−、−OCH
2CH
2CH
2−、−OCH
2O−または−OCH
2CH
2O−から独立に選択される1個〜4個の置換基により置換されているフェニル基を表し;
RはHまたはFを表し;
XはClまたはビニルを表し;
YはCl、ビニルまたはメトキシを表す)
の化合物、ならびにこれらの塩およびエステルを含む。この種類の特に適当な除草剤は、化合物
【0028】
【化3】
およびそのC
1〜C
6アルキルエステルまたは塩誘導体、例えば、本明細書で化合物Aと呼ぶメチルエステルである。
【0029】
本発明の組み込みアジュバントは、液体または固体の形をとることができ、非イオン性界面活性剤または水非混和性液体の1種または複数を含むことができる。本発明の組み込みアジュバントとして使用することができる非イオン性界面活性剤には、それだけに限らないが、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、ポリエトキシ化アルコール、アルキル多糖、例えば、アルキルポリグリコシドおよびそのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、有機ケイ素系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、エトキシ化アルキルアリールリン酸エステルおよび脂肪酸のスクロースエステルが含まれる。
【0030】
組み込みアジュバントとして使用することができる水非混和性液体は、一般的に、1vol%未満の水への溶解度を有し、これらには、それだけに限らないが、石油留分または炭化水素、例えば、鉱物油、灯油、パラフィン油、混合ナフタレンおよびアルキルナフタレン留分、芳香族溶媒、特に、アルキル置換ベンゼン、例えば、キシレンまたはプロピルベンゼン留分など;植物由来油、例えば、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油など;上記植物由来油のエステル、例えば、ステアリン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコールなど;ならびに二酸のエステル、例えば、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジトリデシルなどが含まれ得る。
【0031】
好ましい組み込みアジュバントには、石油留分または炭化水素、例えば、鉱物油、パラフィン油、およびキシレン、プロピルベンゼン留分、アルキルナフタレン留分のような芳香族溶媒など;植物由来油、例えば、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油など;植物由来油のC
1〜C
6エステル、例えば、メチル化種子油;二酸のエステル、例えば、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジトリデシルなど;ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシ化エステル、ポリエトキシ化アルコール、アルキル多糖、例えば、アルキルポリグリコシドおよびそのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、有機ケイ素系界面活性剤、エチレン酢酸ビニルターポリマー、エトキシ化アルキルアリールリン酸エステルおよび脂肪酸のスクロースエステルの1種または複数が含まれる。
【0032】
本発明の組み込みアジュバントは、総組成物に対して50g/kg〜750g/kg、好ましくは200g/kg〜600g/kg、最も好ましくは300g/kg〜600g/kgを含有する。
【0033】
本発明の固形炭水化物には、優れた水溶解性または分散性を有する単糖、二糖もしくは多糖、およびこれらの混合物が含まれる。固形炭水化物には、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロース、ラクトースおよびマルトース、デキストリン、デンプン、加工デンプン、加工セルロース、例えば、アルキル化およびカルボキシアルキル化セルロース、天然ガム、例えば、グアーガム、キサンタンガムおよびグアシードガムなど、ならびにこれらの混合物が含まれる。本発明の好ましい固形炭水化物は、単糖および二糖である。
【0034】
本発明の固形炭水化物は、総組成物に対して10g/kg〜700g/kg、好ましくは10g/kg〜500g/kg、最も好ましくは10g/kg〜400g/kgを含有することができる。
【0035】
本発明の固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーには、周囲温度で水に膨潤する、分散するまたは溶解する、合成もしくは部分合成ポリマーまたはオリゴマーの1種または複数が含まれる。典型的な固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーには、リグノスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドンならびにこれらの共重合体、誘導体および混合物が含まれる。
【0036】
本発明の好ましい固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーには、87〜99%の加水分解度で変化するポリ酢酸ビニルの加水分解により得られるポリビニルアルコール(Celvol(登録商標)205(Sekisui Chemical Co.,Ltd.の登録商標)が例である)、リグノスルホン酸塩(Borresperse(登録商標)NA(Borregaard LignoTechの登録商標)が例である)およびアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物(Morwet(登録商標)D425(Akzo Nobelの登録商標)が例である)、ならびにこれらの共重合体、誘導体および混合物が含まれる。
【0037】
本発明の固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーは、総組成物に対して50g/kg〜700g/kg、好ましくは100g/kg〜600g/kg、最も好ましくは150g/kg〜600g/kgを構成し、但し、固形炭水化物ならびに固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーは、合わせて総組成物の少なくとも200g/kgを構成しなければならない。
【0038】
本発明の固形組成物を調製するための典型的な手順では、水相は、水中で、それだけに限らないが、固形水溶性ポリマーまたはオリゴマー、固形炭水化物、および任意選択により任意の油不溶性有効成分および他の不活性成分を含む水溶性または水分散性成分を混合することにより調製する。油相は、それだけに限らないが、組み込みアジュバントおよび油溶性有効成分を含む任意の油溶性成分を共に混合することにより調製する。所望の混合物が得られるまで、高せん断均質化下で油相を水相にゆっくり添加する。次いで、混合物を乾燥させて、直接粒剤として固形組成物を得るか、または乾燥をして本発明の粉末を得ることができ、任意選択により、これをさらに加工して本発明の粒剤を得ることができる。
【0039】
組み込みアジュバントを含有する本発明の安定な除草剤固形組成物の例は、
a)総組成物に対して2g/kg〜75g/kgのシハロホップブチルを含む除草剤有効成分と;
b)総組成物に対して300g/kg〜600g/kgのダイズ油脂肪酸メチル(methyl soyate)を含む組み込みアジュバントと;
c)総組成物に対して10g/kg〜400g/kgのスクロースを含む固形炭水化物と;
d)総組成物に対して10g/kg〜100g/kgの86〜89%加水分解されたポリビニルアルコールを含む固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーと;
e)総組成物に対して150g/kg〜600g/kgのリグノスルホン酸ナトリウムを含む固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーと;
f)任意選択により、他の不活性製剤成分と
を含む。
【0040】
本発明の別の態様は、望ましくない植生を防除するために、水田、池、湖および小川などの水中環境中に、除草剤固形組成物を広域散布もしくは添加する、または除草剤固形組成物から作られた水溶液もしくは混合物を噴霧することにより、雑草を防除する方法に関する。この態様では、除草有効量の除草剤固形組成物または除草剤固形組成物から作られた水性噴霧液もしくは混合物を、望ましくない雑草植物を適当に防除するために水の領域に施用する。除草剤固形組成物または除草剤固形組成物から作られた噴霧液は、湛水田または畑のイネ科草本、広葉およびカヤツリグサ科雑草を防除するのに特に有用である。
【0041】
本発明の別の態様は、除草剤固形組成物を調製する方法に関する。粒剤製剤は、以下の加工法の1つまたは複数を使用して製造することができる:(1)パン造粒(pan granulation)、(2)混合凝集(mixing agglomeration)、(3)押し出し造粒(extrusion granulation)、(4)流動層造粒(fluid bed granulation)、(5)噴霧造粒(spray granulation)もしくは凝集、および(6)ドラム造粒(drum granulation)。また、ペレットプレスを使用した粒剤の調製を使用することもできる。使用する方法を選択する場合に、有効成分および添加剤の物理化学的特性を考慮することが重要である。「Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations」、D. A. Knowles、編者、(Kluwer Academic Publishers、1998)、41〜114頁で、G. A. BellおよびD. A. Knowlesは、農業化学製剤で使用される粒剤の型を記載しており、これらの固形製剤の製造に多く言及している。粉末製剤は、真空乾燥、ロータリーエバポレーター乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥または当業者によく知られている他の加工法により製造することができる。本明細書に記載する加工法のいずれにおいても、加工を改善するまたは粒剤もしくは粉末の最終品質もしくは安定性を改善するために、加工の前、間または後に任意の不活性成分を組成物に添加することができる。これらの任意の不活性成分には、それだけに限らないが、流動性添加剤および固化防止剤、例えば、親水性沈降シリカ、親水性フュームドシリカおよび粘土、消泡剤、湿潤剤、結合剤、分散剤、固形希釈剤および担体が含まれ得る。
【0042】
加工中に固形添加剤を使用して水不溶性液体を安定化させて安定な粉末を作る多くの例が存在する。このような添加剤の例としては、ゼラチン、グリシン、カゼイン、水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、ならびに多糖が挙げられる。これらの適用のいくつかは、例えば、US4,244,836およびWO2006/076943に記載されている。しかしながら、加工中に組み込みアジュバントを安定化させて農業粒剤または粉末を製造するための努力は非常に限られてきた。
【0043】
高レベルの組み込みアジュバントを含有することができる本発明の安定な除草剤固形組成物を調製する方法は、
(1)水中で固形水溶性ポリマーまたはオリゴマーおよび固形炭水化物成分の全てを混合して水相を形成するステップと;
(2)組み込みアジュバントおよび油溶性または油分散性有効成分を混合して油相を形成するステップと;
(3)高せん断均質化下で、ステップ(2)で調製した油相をステップ(1)で調製した水相に添加して混合物を得るステップと;
(4)(3)で調製した混合物を乾燥させて本発明の安定な粒剤または粉末を得るステップと
を含む。上記方法を実施して本発明の安定な除草剤固形組成物を調製する最適な方法は、当業者により容易に決定され得る。
【0044】
高レベルの組み込みアジュバントを含有することができる本発明の安定な除草剤粒剤または粉末を調製する好ましい方法は、本明細書に記載する調製法のステップ3で得られた混合物を取り出すステップと、これを噴霧乾燥して本発明の安定な粉末を得て、次いで、これを低せん断造粒法、例えば、パン造粒、流動層凝集または噴霧凝集を使用して安定な粒剤にさらに加工することができるステップとを含む。このような低せん断加工法の使用は、粒剤への機械的損傷および組み込みアジュバントの損失を最小化するために必要である。
【0045】
本発明の別の態様は、1種または複数の殺有害生物剤有効成分、植物成長調節剤または解毒剤を本発明の除草剤固形組成物に添加することに関する。これらの殺有害生物剤有効成分、植物成長調節剤および解毒剤には、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、植物成長調節剤または除草剤解毒剤の1種または複数が含まれ得る。
【0046】
本発明の除草剤固形組成物に添加することができる適当な除草剤には、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)+イソキシジフェンエチル(isoxidifen-ethyl)、ピノキサデン(pinoxaden)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、2,4−Dエステルおよびアミン、2,4−MCPA、2,4−MCPAエステルおよびアミン、アセトクロル(acetochlor)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アラクロール(alachlor)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミノトリアゾール(aminotriazole)、チオシアン酸アンモニウム、アニリホス(anilifos)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンタゾン(bentazon)、ベンタゾンナトリウム(bentazone-sodium)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ビフェノックス(bifenox)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ブロモブチド(bromobutide)、ブタクロール(butachlor)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、クロリムロン(chlorimuron)、クロルプロファム(chlorpropham)、シノスルフロン(cinosulfuron)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロピラリド(clopyralid)、クミルロン(cumyluron)、ダイムロン(daimuron)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジクワット(diquat)、ジチオピル(dithiopyr)、EK2612、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、ET−751、エトベンザニド(ethbenzanid)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェントラザミド(fentrazamide)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルアジホップ(fluazifop)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロキシピルエステルおよび塩、ホメサフェン(fomesafen)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートP(glufosinate-P)、グリホサート(glyphosate)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、インダノファン(indanofan)、イオキシニル(ioxynil)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、イソキサベン(isoxaben)、MCPB、メフェナセット(mefenacet)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソトリオン(mesotrione)、メトラクロール(metolachlor)、モリネート(molinate)、モノスルフロン(monosulfuron)、MSMA、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジクロメホン(oxazichlomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、パラコート(paraquat)、ペンジメタリン(pendimethalin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ペトキサミド(pethoxamid)、ピクロラム(picloram)、ピペロホス(piperophos)、プレチラクロル(pretilachlor)、プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione-calcium)、プロパクロル(propachlor)、プロパニル(propanil)、プロピソクロル(propisochlor)、プロピザミド(propyzamide)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラブチカルブ(pyrabuticarb)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、キノクラミン(quinoclamine)、キンクロラック(quinclorac)、S−3252、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryne)、s−メトラクロール(s-metolachlor)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホサート(sulfosate)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テニルクロール(thenylchlor)、チアゾピル(thiazopyr)、チオベンカルブ(thiobencarb)、トリアファモン(triafamone)、トリクロピル(triclopyr)、トリクロピルエステルおよびアミン、トリフルラリン(trifluralin)、トリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl)およびトリトスルフロン(tritosulfuron)が含まれる。
【0047】
本発明の除草剤固形組成物に添加することができる適当な殺虫剤には、アバメクチン(abamectin)、アセフェート(acephate)、アセタミプリド(acetamiprid)、アクリナトリン(acrinathrin)、α−シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、α−エンドスルファン(alpha-endosulfan)、アザジラクチン(azadirachtin)、アジンホスエチル(azinphos-ethyl)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンスルタップ(bensultap)、β−シフルトリン(beta-cyfluthrin)、β−シペルメトリン(beta-cypermethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン(buprofezin)、ブタカルブ(butacarb)、カズサホス(cadusafos)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、カルタップ(cartap)、カルタップ塩酸塩(cartap hydrochloride)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロチアニジン(clothianidin)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、ジメトエート(dimethoate)ジノテフラン(dinotefuran)、ジスルホトン(disulfoton)、エマメクチン(emamectin)、エマメクチン安息香酸塩(emamectin benzoate)、エンドスルファン(endosulfan)、エンドチオン(endothion)、エンドリン(endrin)、EPN、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エタホス(etaphos)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン(ethion)、エチプロール(ethiprole)、エトアートメチル(ethoate-methyl)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェナミホス(fenamiphos)、フェナザフロル(fenazaflor)、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンスルホチオン(fensulfothion)、フェンチオン(fenthion)、フェンチオンエチル(fenthion-ethyl)、フェンバレレート(fenvalerate)、フィプロニル(fipronil)、フロニカミド(flonicamid)、フルベンジアミド(flubendiamide)、フルシトリネート(flucythrinate)、ホノホス(fonofos)、フフェノジド(fufenozide)、フラチオカルブ(furathiocarb)、γ−シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、γ−HCH、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘプテノホス(heptenophos)、ヒキンカルブ(hyquincarb)、イミダクロプリド(imidacloprid)、インドキサカルブ(indoxacarb)、イサゾホス(isazofos)、イソベンザン(isobenzan)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソフェンホスメチル(isofenphos-methyl)、イソプロカルブ(isoprocarb)、イソチオエート(isothioate)、イソキサチオン(isoxathion)、キノプレン(kinoprene)、λ−シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、レピメクチン(lepimectin)、ルフェヌロン(lufenuron)、マラチオン(malathion)、メタミドホス(methamidophos)、メソミル(methomyl)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メビンホス(mevinphos)、メキサカルベート(mexacarbate)、ミルベメクチン(milbemectin)、モノクロトホス(monocrotophos)、ニテンピラム(nitenpyram)、ノバルロン(novaluron)、オメトエート(omethoate)、オキサミル(oxamyl)、オキシデメトンメチル(oxydemeton-methyl)、オキシデプロホス(oxydeprofos)、オキシジスルホトン(oxydisulfoton)、パラチオン(parathion)、パラチオンメチル(parathion-methyl)、ペンフルロン(penfluron)、ペルメトリン(permethrin)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスホラン(phosfolan)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ピリメタホス(pirimetaphos)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミホスエチル(pirimiphos-ethyl)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プリミドホス(primidophos)、プロフェノホス(profenofos)、プロフルトリン(profluthrin)、プロメカルブ(promecarb)、プロパホス(propaphos)、プロポクスル(propoxur)、プロチオホス(prothiofos)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、ピリプロール(pyriprole)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スルホクサフロール(sulfoxaflor)、スルプロホス(sulprofos)、τ−フルバリネート(tau-fluvalinate)、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメチルフルトリン(tetramethylfluthrin)、θ−シペルメトリン(theta-cypermethrin)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チクロホス(thicrofos)、チオシクラム(thiocyclam)、チオシクラムシュウ酸塩(thiocyclam oxalate)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオメトン(thiometon)、チオスルタップ(thiosultap)、チオスルタップ二ナトリウム(thiosultap-disodium)、チオスルタップ一ナトリウム(thiosultap-monosodium)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トリアゾホス(triazophos)、トリフルムロン(triflumuron)およびζ−シペルメトリン(zeta-cypermethrin)が含まれる。
【0048】
本発明の除草剤固形組成物に添加することができる適当な殺真菌剤には、トリシクラゾール(tricyclazole)、フタリド(phthalide)、カルプロパミド(carpropamide)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、プロベナゾール(probenazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプロベンホス(iprobenfos)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、カスガマイシン(kasugamycin)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、ペンシクロン(pencycuron)、ポリオキシン(polyoxins)、バリダマイシン(validamycin)、トクロホスメチル(toclophos-methyl)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、チフルザミド(thifluzamide)、ビキサフェン(bixafen)、フルオピラム(fluopyram)、イソピラザム(isopyrazam)、プロピコナゾール(propiconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、メタミノストロビン(metaminostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)およびアシベンゾラルSメチル(acibenzolar-S-methyl)が含まれる。真菌病伝播および成長周期が標的となる雑草成長周期に一致しないことがあるため、これらの殺真菌剤のいくつかは、除草剤粒剤施用のタイミングで施用すると病気の防除に有効とならないことがある。これらの殺真菌剤の有効な使用および施用タイミングは、当業者により容易に決定され得る。
【0049】
本発明の除草剤固形組成物に添加することができる適当な除草剤解毒剤には、ベノキサコル(benoxacor)、ベンチオカルブ(benthiocarb)、クロキントセットメキシル(cloquintocet-mexyl)、ダイムロン(daimuron)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonon)、ジメピペレート(dimepiperate)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、ハルピンタンパク質(Harpin protein)、イソキサジフェンエチル(isoxadifen-ethyl)、メフェンピルジエチル(mefenpyr-diethyl)、メフェナート(mephenate)、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル(oxabetrinil)、R29148およびN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドが含まれる。
【0050】
本発明の除草剤固形組成物に添加することができる適当な植物成長調節剤には、2,4−D、2,4−DB、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、キネチン、ゼアチン、エテホン、アビグリシン、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)、エテホン、ジベレリン、ジベレリン酸、アブシジン酸、アンシミドール(ancymidol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、メフルイジド(mefluidide)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、テトシクラシス(tetcyclacis)、ウニコナゾール(uniconazole)、ブラシノリド(brassinolide)、ブラシノリドエチル(brassinolide-ethyl)およびエチレンが含まれる。
【0051】
上記組成物および使用に加えて、本発明はまた、1種または複数の追加の適合性成分と組み合わせた組成物および除草剤固形組成物の使用も包含する。他の追加の適合性成分には、例えば、1種または複数の農薬有効成分、界面活性剤、色素、肥料および微量栄養素、フェロモンおよび機能的有用性を提供する多くの他の追加の成分、例えば、安定剤、芳香剤および分散剤が含まれ得る。本発明の組成物を追加の有効成分と組み合わせて使用する場合、現在請求している組成物を、除草剤固形組成物として他の有効成分(単数または複数)と共に製剤化する、噴霧施用用に他の有効成分(単数または複数)と水中でタンク混合する、または別の固形もしくは噴霧施用で他の有効成分(単数または複数)と順番に施用することができる。
【0052】
さらに、本発明の除草剤固形組成物を、任意選択により、追加の有効成分を含有する他の固形組成物とブレンドして、例えば、粒剤の物理的に均一なブレンドまたは粉末の物理的に均一なブレンドを含有する組成物を形成することができる。固形組成物のこのブレンドを使用して、水中環境、例えば、湛水田および畑の望ましくない雑草を防除することができる。
【0053】
製剤の分野で慣用的に使用されており、任意選択により、本製剤に使用することができる界面活性剤は、特に、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publishing Corp.、Ridgewood、New Jersey、1998および「Encyclopedia of Surfactants」、第I-III巻、Chemical publishing Co.、New York、1980-81に記載されている。これらの表面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性の特性であってよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、または他の目的のために使用することができる。典型的な表面活性剤には、硫酸アルキルの塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、例えば、ノニルフェノール−C
18エトキシレート;セッケン、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;第四級アミン、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体;モノおよびジアルキルリン酸エステルの塩が含まれる。
【0054】
しばしば、これらの界面活性剤のいくつかを、農業アジュバントとして、液体担体として、または表面活性剤として互換的に使用することができる。
【実施例1】
【0056】
フラットパン上でオーブン乾燥されるシハロホップブチルを含有する本発明の粒剤の調製
シハロホップブチル1.8グラムをダイズ油脂肪酸メチル(Agnique(登録商標)ME18S−U;Cognisの登録商標)43.2グラムに溶解することにより、油相を調製する。スクロース32グラム、Celvol(登録商標)205(ポリビニルアルコール;Sekisui Chemical Co.,Ltd.の商標)水中20%(w/w)溶液10グラム、およびリグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse(登録商標)NA;Borregaard LignoTechの登録商標)21グラムを水71グラムに溶解することにより、水相を調製する。次いで、約11000rpmで、30分間Silverson高せん断ミキサーで混合しながら、油相を水相にゆっくり添加して、1〜2ミクロンの体積平均径を有する水中に分散した油滴の混合物を得る。所望の液滴直径が得られたら、混合物を60℃のオーブンの平皿で乾燥させて、総試料重量に関して2〜3重量%の残留水分含量を有する粒剤A(表1)の乾燥した固体を得る。粒剤Aから製造される固形粒子の体積平均径は、水に再分散すると2〜4ミクロンに及ぶ。ここに記載するのと同様の方法で、粒剤BおよびC(表1)も調製した。
【0057】
【表1】
【実施例2】
【0058】
ペノキススラム、ベンスルフロンメチル、フェノキサプロップPエチル、化合物A、アジムスルフロンまたはイマゾスルフロンを含有する本発明の粒剤の調製
粒剤D、EおよびG:表2に示す成分を使用して、表2に示す重量比で20mlプラスチックボトル中に技術的有効成分、Morwet D425およびPluronic P105を含有する25%固形溶液であって、この25%固形溶液の9〜10倍の重量の鋼ビーズを含有する溶液を一晩振盪させることにより、有効成分を含有する水性懸濁製剤(SC)を調製する。スクロース1グラム、Celvol(登録商標)205(ポリビニルアルコール;Sekisui Chemical Co.,Ltd.の商標)水中20%(w/w)溶液10グラム、およびリグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse(登録商標)NA;Borregaard LignoTechの登録商標)約51.7グラムを水96グラムに溶解することにより、水相を調製する。次いで、約11000rpmで、30分間Silverson高せん断ミキサーで混合しながら、油相(例えば、ダイズ油脂肪酸メチル44g−Agnique(登録商標)ME18S−U;Cognisの登録商標)を水相にゆっくり添加して、1〜3ミクロンの体積平均径を有する水中に分散した油滴の混合物を得る。所望の液滴直径が得られたら、有効成分の懸濁製剤を混合物中に添加して、有効成分1グラムを含有する最終水性混合物を調製する。SilversonまたはIKAミキサーを使用して低せん断(1000〜2000rpm)で穏やかに混合して、300ml/時間の送り速度で135℃の入口温度および90℃の出口温度を有するBUCHI190噴霧乾燥機中で水性混合物を噴霧乾燥させて、総試料重量に関して2〜3重量%の残留水分含量を有する固形粉末を得る。調理用ミキサー(Black & Decker Handy Chopper HC2000)および結合剤としての水12wt%を使用して、噴霧乾燥した粉末を造粒する。調理用ミキサーの刃をプラスチックテープで包んで、噴霧乾燥した粉末に対して刃により及ぼされるせん断を減少させる。全体の水分レベルが試料重量の3%に達するまで、顆粒を30〜50℃で乾燥させることにより、最終生成物を得る。
【0059】
粒剤F:表2に示す成分を使用して、スクロース1グラム、Celvol(登録商標)205(ポリビニルアルコール;Sekisui Chemical Co.,Ltd.の商標)水中20%(w/w)溶液10グラム、およびリグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse(登録商標)NA;Borregaard LignoTechの登録商標)51.95グラムを水96.5グラムに溶解することにより、水相を調製する。フェノキサプロップPエチル1グラムをダイズ油脂肪酸メチル(Agnique(登録商標)ME18S−U;Cognisの登録商標)44グラムに溶解することにより、油相を調製する。次いで、約11000rpmで、30分間Silverson高せん断ミキサーで混合しながら、油相を水相にゆっくり添加して、1〜3ミクロンの体積平均径を有する水中に分散した油滴の混合物を得る。所望の液滴直径が得られたら、300ml/時間の送り速度で135℃の入口温度および90℃の出口温度を有するBUCHI190噴霧乾燥機中で水性混合物を噴霧乾燥させて、総試料重量に関して2〜3重量%の残留水分含量を有する固形粉末を得る。本明細書に記載する調理用ミキサーおよび結合剤としての水12wt%を使用して、粉末を造粒する。調理用ミキサーの刃をプラスチックテープで包んで、噴霧乾燥した粉末に対して刃により及ぼされるせん断を減少させる。全体の水分レベルが試料重量の3%に達するまで、顆粒を30〜50℃で乾燥させることにより、最終生成物を得る。
【0060】
粒剤HおよびI:表2に示す成分を使用して、50wt%有効成分の市販の粒剤(例えば、Brazzos WGおよびGulliver WG製剤)2グラムを水8グラム中に混合することにより、有効成分を含有する懸濁製剤を調製して、それぞれの約20%固形溶液を調製する。スクロース1グラム、Celvol(登録商標)205(ポリビニルアルコール;Sekisui Chemical Co.,Ltd.の商標)水中20%(w/w)溶液10グラム、およびリグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse(登録商標)NA;Borregaard LignoTechの登録商標)約51グラムを水95グラムに溶解することにより、水相を調製する。次いで、約11000rpmで、30分間Silverson高せん断ミキサーで混合しながら、油相(例えば、ダイズ油脂肪酸メチル44グラム−Agnique(登録商標)ME18S−U;Cognisの登録商標)を水相にゆっくり添加して、1〜3ミクロンの体積平均径を有する水中に分散した油滴の混合物を得る。所望の液滴直径が得られたら、有効成分の懸濁製剤を混合物中に添加して、有効成分1グラムを含有する最終水性混合物を調製する。SilversonまたはIKAミキサーを使用して低せん断(1000〜2000rpm)で穏やかに混合して、300ml/時間の送り速度で135℃の入口温度および90℃の出口温度を有するBUCHI190噴霧乾燥機中で水性混合物を噴霧乾燥させて、総試料重量に関して2〜3重量%の残留水分含量を有する固形粉末を得る。本明細書に記載する調理用ミキサーおよび結合剤としての水12wt%を使用して、粉末を造粒する。調理用ミキサーの刃をプラスチックテープで包んで、噴霧乾燥した粉末に対して刃により及ぼされるせん断を減少させる。全体の水分レベルが試料重量の3%に達するまで、顆粒を30〜50℃で乾燥させることにより、最終生成物を得る。
【0061】
【表2】
【実施例3】
【0062】
シハロホップブチルを含有する本発明の粒剤および粉末の調製
噴霧乾燥した粉末:表3に示す成分および相対量を使用して、本発明の4種の噴霧乾燥した粉末を記載のように調製する。所望の比でシハロホップブチルをダイズ油脂肪酸メチルに溶解することにより、水中油型エマルションの油相を調製する。スクロース、ポリビニルアルコール(Celvol(登録商標)205;Sekisui Chemical Co.,Ltd.)の20%水溶液、およびリグノスルホン酸ナトリウム(Borresperse(登録商標)NA;Lignotech,Inc.)を水に溶解することにより、油相の3倍の重量の水相を調製する。約11000rpmで、30分間Silverson高せん断ミキサーで混合しながら、油相を水相にゆっくり添加して、1〜2マイクロメートル(μm)の体積平均径を有する油滴を含有する微細エマルションを得る。所望のエマルション直径が得られたら、300mL/時間の液体送り速度で、それぞれ135℃および85℃の入口および出口温度で作動する噴霧乾燥機(Buchi Model 290)を使用して水中油型エマルションを乾燥させる。噴霧乾燥で得られた乾燥粉末の体積平均径は、水に再分散すると2〜4μmに及ぶ。噴霧乾燥した粉末は、スクロースおよびリグノスルホン酸ナトリウムの急速な溶解のために、かなり速く(1分で)水中で崩壊する。
【0063】
【表3】
【0064】
低せん断造粒により調製される粒剤:パン造粒のためにFerro−tech(16’’直径)パン造粒機を使用した。噴霧乾燥した粉末C 2キログラム(kg)を200g/分の送り速度でパンに充填した。パン角度は45°に設定し、パン速度は26rpmに設定した。調製した顆粒中の最終水分含量が6wt%になるように、パンを回転させながら、水を粉末上に連続的に噴霧した。次いで、調製した顆粒をトレイオーブン中40℃で一晩乾燥させ、次いで、ふるいスタック(sieve stack)にふるいにかけて微粉および任意の過大顆粒を除去した。造粒法の際に油分離は検出されなかった。乾燥した粒剤は、54℃で4週間の貯蔵安定性試験中安定なままであり、貯蔵安定性試験の前および後で水に再分散させても有意なエマルション直径変化を示さない。安定性試験中に固化または油分離は観察されなかった。粒剤は、貯蔵安定性試験後に優れた流動性を示し、流動特性は変化しないままである。粒剤は、水に希釈すると優れた再分散性を示し、いかなる攪拌もなしで、3分で分散する。粒剤はまた、54℃で4週間の貯蔵後に同様の再分散性を示す。最大5wt%までの親水性シリカを加工添加剤として使用して、最終粒剤の流動性/固化防止を改善することができる。表4に列挙する粒剤は、本明細書に記載するのと同様の方法で、低せん断パン造粒により調製した。
【0065】
【表4】
【0066】
流動層凝集により調製される粒剤:造粒加工のためにパイロットスケールGPCG−1 Fluid Bed Granulator(Glatt製)を使用した。粉末C 800gを造粒機のボウルに充填した。水噴霧速度を15g/分に設定した。入口空気温度設定点は30℃に設定した。水を15g/分で5分間噴霧した。次いで、水噴霧速度を13g/分に低下させ、400グラムに等しい水分含量が凝集体に蓄積するまで継続した。凝集体を40℃の入口空気温度で合計8分間乾燥させ、次いで取り出した。得られた顆粒を12、14、20、30および50メッシュふるいのふるいスタックにふるいにかけた。好ましいサイズの−12/+14メッシュおよび−14/+20メッシュ画分を回収した。+50メッシュ画分の収率は、−12/+14メッシュ画分と比較して顕著に低く、凝集が成功したことを示した。顆粒からの油滲出は観察されなかった。貯蔵前に所望の水分レベルまで顆粒をオーブンでさらに乾燥させることができる。
【0067】
流動層噴霧凝集により調製される粒剤:位置4(ふるいより70cm上)のノズル、25g/分の噴霧速度、および68℃の流動層温度を有するAeromatic MP1 Fluid Bed Multi−Processor(GEA Pharma Systems;底直径20cm)を使用して、表4に記載する組成(粒剤Kについて)を有する48.6wt%固体を含有する水性混合物から粒剤Kの3kgの試料を製造した。製造した粒剤は、580グラム/リットルの嵩密度を有し、1250μmを超えるサイズを有する顆粒は78.4wt%であった。
【実施例4】
【0068】
模擬水田での雑草防除のための粒剤A、BおよびCの使用
模擬水田調製:無機質土壌2kgおよび蒸留水500mlを容器(4.163L(1.1ガロン)、15cm ht×20.55cm直径、HDPE丸形容器;処理目的で、表面積を、1ヘクタールが10
8cm
2に相当するとして331cm
2として計算する)に添加し、スパーテルで5分間徹底的に混合して、滑らかな泥混合物を作った。泥を混合したら、容器の中央を横切って3cmの畝間を作り、そこに18g(0.6oz.)Osmocote(登録商標)(The Scotts Company LCCまたはその関連会社の登録商標;17:6:10 N:P:K)を添加する。次いで、Osmocote(登録商標)が土壌表面より下になるよう維持しながら、畝間を塞ぐ。
【0069】
植物の繁殖
雑草植物−チャイニーズスプラングルトップ、レプトクロアキネンシス(Leptochloa chinensis)(LEFCH):小さい容器中で、無機質土壌80グラムを蒸留水40ミリリットル(mL)と混合して、粘着性スラリーを作る。レプトクロア(Leptochloa)種子1/4tsp(2〜4000個)をスラリーに添加し、徹底的に混合して種子を均等に分布させる。このスラリー約3グラムを各容器の片側に調製した泥の頂上に配置し、容器を横切って1〜2cmのバンドに薄く伸ばす。これは、1鉢当たり25〜50植物を産する。透明な収縮包装フィルムを使用して、テラリウムとしての役割を果たす容器を覆う。レプトクロア(Leptochloa)種子が発芽するまで、5日間、マスキングテープにより包装フィルムを固定する。被覆した鉢を温室中18〜22℃の定温および50〜60%相対湿度に維持する。自然光に500の1秒当たり1平方メートル当たりマイクロアインシュタイン(μEm
−2s
−1)光合成有効放射(PAR)の平均照度の1000ワット金属ハロゲン化物頭上ランプで補った。日長は16時間とした。
【0070】
雑草植物−イヌビエ、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG):スプラングルトップ種子が発芽したら、スプラングルトップに沿って泥に浅いくぼみを作る。イヌビエ種子をこの溝に沿って撒き散らし、次いで、白い遊び砂で覆う。これは、1鉢当たり約20〜30植物を産する。この段階で、蒸留水を植物材料の上にかけ、非常に湿性に維持する。チャイニーズスプラングルトップについて記載したのと同じ照明パラメータで温度を26〜28℃に維持したより温かい温室に鉢を移動させる。
【0071】
作物植物−水稲、イネ(Oryza sativa)亜種ジャポニカ種M202(ORYSJ):イヌビエを植えるのと同じ日に、イネも同じ方法論に従って鉢の泥に直接播種する。チャイニーズスプラングルトップおよびイヌビエに沿って泥に浅いくぼみを作り、種子をこの溝に沿って撒き散らし、次いで、白い遊び砂で覆う。これも1鉢当たり約20〜30植物を産するはずである。植物を8日間6〜8cmの高さに達するまで成長させる。
【0072】
除草剤評価のための湛水処理および水田施用法
植物が適当なサイズ(種々の種の成長段階は2〜4葉期に及んだ)に達したら、各植物の1〜2cmを表面より上にして容器を蒸留水で3cmの深さまで浸水する。表面積に調節した率で、粒剤または液体製剤として除草剤処理剤を水田水に直接施用する。処理を2〜3回反復する。時折、未処理防除植物と比較して0〜100%のスケールで視覚的傷害の割合および雑草防除評価を行った(0は傷害無しまたは対照に相当し、100は植物の完全な枯死に相当する)。
【0073】
【表5】
【実施例5】
【0074】
模擬水田での雑草防除のためのペノキススラム、ベンスルフロンメチル、フェノキサプロップPエチル、化合物A、アジムスルフロンまたはイマゾスルフロンを含有する本発明の粒剤の使用
模擬水田調製:脱イオン(DI)水および断片化表土を1:1の容積測定比で標準的なセメントミキサーに添加し、よく混合して滑らかな泥混合物を作る。直径15センチメートル(cm)の平坦な非吸収性硬質プラスチック材料の円盤を使用して以下の様式で泥の水分含量を調べることができる。泥380mlをプラスチック円の中心に置く。所望の水分含量の泥は、広がって円に完全に内接するはずである。泥が円の周囲を超えて広がると、泥は湿り過ぎであり、さらなる表土を泥に添加しなければならない。泥が広がって円に完全に内接しない場合、泥は乾き過ぎであり、さらなるDI水を泥に添加しなければならない。正確な水分含量が記載のように達成されるまで、表土と水の比を調節する。Osmocote(登録商標)(The Scotts Company LLCまたはその関連会社の登録商標;17:6:10 N:P:K)小さじ1と1/2を容器(4.163L(1.1ガロン)、15cm ht×20.55cm直径、HDPE丸形容器;処理目的で、表面積を、1ヘクタールが10
8cm
2に相当するとして331cm
2として計算する)の底に添加し、次いで、泥混合物2750mlを容器に添加して、容器の半分を満たす。杭を各容器に水平に置いて、各異なる植物種を植えるための別々の領域を作る。
【0075】
植物の繁殖
雑草植物−モノコリア、コナギ(Monochoria vaginalis)(MOOVA):小さい容器中で、無機質土壌80グラムを脱イオン水80ミリリットル(mL)と混合して、粘着性スラリーを作る。モノコリア種子1/2tspをスラリーに添加し、徹底的に混合して種子を均等に分布させる。このスラリー約3グラムを各容器の1区間に調製した泥の頂上に配置し、容器を横切って1〜2cmのバンドに薄く伸ばす。これは、1鉢当たり30〜50植物を産する。透明な収縮包装フィルムを使用して、テラリウムとしての役割を果たす容器を覆う。モノコリア種子が発芽するまで、7日間、マスキングテープにより包装フィルムを固定する。被覆した鉢を温室中28〜32℃の定温および50〜60%相対湿度に維持する。自然光に500μEm
−2s
−1光合成有効放射(PAR)の平均照度の1000ワット金属ハロゲン化物頭上ランプで補った。日長は16時間とした。
【0076】
雑草植物−イヌビエ、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG):イヌビエを定植前にDI水に24時間浸漬し、すすぎ、排水させて、成長抑制物質を除去し、発芽を強化する。モノコリア種子が発芽したら、イヌビエ種子をその指定区間に撒き散らし、18メッシュの微細なふるいにかけた無機質土壌2cmで覆い、同定用にラベルする。これは、1鉢当たり約20〜30植物を産する。この段階で、植物が発芽し始めるまで、テラリウムとしての役割を果たす透明な収縮包装フィルムを使用して植物材料を覆う。イヌビエが発芽し始めたら、被覆を除去する。植物を、モノコリアについて記載したのと同じ照明パラメータで温度を28〜32℃に維持した温室で栽培する。植物を8日間5〜9cmの高さに達するまで成長させる。
【0077】
雑草植物−コヒメビエ、コヒメビエ(Echinochloa colonum)(ECHCO):コヒメビエを定植前にDI水に24時間浸漬し、すすぎ、排水させて、成長抑制物質を除去し、発芽を強化する。モノコリア種子が発芽したら、コヒメビエ種子をその指定区間に撒き散らし、18メッシュの微細なふるいにかけた無機質土壌2cmで覆い、同定用にラベルする。これは、1鉢当たり約20〜30植物を産する。この段階で、植物が発芽し始めるまで、テラリウムとしての役割を果たす透明な収縮包装フィルムを使用して植物材料を覆う。コヒメビエが発芽し始めたら、被覆を除去する。植物を、モノコリアおよびイヌビエについて記載したのと同じ照明パラメータで温度を28〜32℃に維持した温室で栽培する。植物を8日間5〜9cmの高さに達するまで成長させる。
【0078】
植物が適当なサイズ(種々の種の成長段階は2〜4葉期に及んだ)に達したら、容器を脱イオン水で3インチの深さまで水浸しにし、植物の80〜100%を水中に沈める。各容器の外側を測定して黒色油性ペンで3’’浸水線に印をつけて、水位変異性を排除する。粒剤を単位面積当たりの基準で施用する有効成分の率に基づき予め秤量し、30mlバイアルに入れ、蓋をする。粒剤製剤として除草剤処理剤を水田水に直接施用する。処理を3回反復する。未処理防除植物と比較して施用の特定日数後に0〜100%のスケールで視覚的傷害の割合および雑草防除評価を行った(0は傷害無しまたは対照に相当し、100は植物の完全な枯死に相当する)。
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【実施例6】
【0081】
野外の水田の雑草防除のためのシハロホップブチルを含有する本発明の粒剤の使用
標準的な除草剤小試験区研究方法論を使用してイネで野外試験を行った。試験区の大きさは、湛水能力を有する水田土壌中に置かれた1.6m直径のリングを使用して2m
2とした。1処理当たり3回反復した。台湾での播種イネ条件下での作物および雑草の良好な成長を確保するための施肥、播種、灌水、湛水および維持についての通常の栽培管理作業を使用して米作を行った。
【0082】
イネは、ジャポニカ種とし、水田土壌リング中に直接蒔いた。リング試験区の水は、処理剤施用前の飽和土壌条件下に維持した。処理剤施用を行う際、リング試験区の水は3〜7cmの深さに誘導した。施用タイミングは、イヌビエの1〜3葉期とした。処理剤施用は、面積基準の特定の使用率に基づいて計算した。処理剤は、手で水田土壌リング中に施用し、リング試験区の水は処理剤施用後に3〜7cmの深さに維持した。処理剤を、未処理対照試験区と比較して評価した。視覚的雑草防除を0〜100%のスケールで(0は傷害無しに相当し、100は完全な枯死に相当する)スコア化した。
【0083】
表8は、粒剤製剤として水田水に直接施用した種々の処理剤の広域散布施用の生物学的効果を示している。水稲(ORYSW)、スプラングルトップ(LEFCH)およびイヌビエ(ECHCG)に対して、種々の施用量のシハロホップブチルを使用して試験を行った。シハロホップブチルの市販の粒剤製剤(Clincher(登録商標)1KG)を使用した比較処理をこの湛水田野外試験に含めた。施用量は、施用する1ヘクタール当たりの有効成分のグラム(gai/ha)に基づく。
【0084】
【表8】
【実施例7】
【0085】
水性噴霧用混合物の調製および野外の水田の雑草を防除するための葉面噴霧施用へのその使用のための本発明の粉末の使用
標準的な除草剤小試験区研究方法論を使用してイネで野外試験を行った。試験区の大きさは、湛水能力を有する水田土壌中に置かれた0.56メートル直径のリングを使用して1m
2とした。1処理当たり3回反復した。台湾での播種イネ条件下での作物および雑草の良好な成長を確保するための施肥、播種、灌水、湛水および維持についての通常の栽培管理作業を使用して米作を行った。イネは、ジャポニカ種とし、水田土壌リング中に直接蒔いた。リング試験区の水は、葉面施用前の飽和土壌条件下に維持した。施用タイミングは、イヌビエの3〜4葉期とした。処理剤は、30psi圧力の圧縮空気下でバックパック散布機による広域葉面処理により施用した。葉面施用のために距離50cmのTEE JET−1101LPを使用した2つのノズルブームを使用して、各々のリング試験区全体を網羅した。施用量は450リットル/ヘクタール(L/Ha)とした。処理剤施用は、面積基準の特定の使用率に基づいて計算した。リング試験区の水は葉面施用24時間後に7〜10cmの深さに再導入した。
【0086】
表9は、粉末Aおよび粉末Bから調製した水性噴霧用混合物を使用した噴霧施用の生物学的効果を示している。水稲(ORYSJ)、スプラングルトップ(LEFCH)およびイヌビエ(ECHCG)に対して、種々の施用量のシハロホップブチルを使用して試験を行った。シハロホップブチルの市販のEC製剤(Clincher(登録商標)100EC)を使用した比較処理をこの湛水田野外試験に含めた。施用量は、施用する1ヘクタール当たりの有効成分のグラム(gai/ha)に基づく。
【0087】
【表9】