特許第5855654号(P5855654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5855654二次切断構成を有する円形ステープリング器具及びそれを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5855654
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】二次切断構成を有する円形ステープリング器具及びそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20160120BHJP
【FI】
   A61B17/11 310
【請求項の数】10
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2013-521940(P2013-521940)
(86)(22)【出願日】2011年7月27日
(65)【公表番号】特表2013-532560(P2013-532560A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】US2011045538
(87)【国際公開番号】WO2012015924
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】12/846,968
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス・ジョン・ダブリュ
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06258107(US,B1)
【文献】 特表2005−514145(JP,A)
【文献】 特表2008−528068(JP,A)
【文献】 米国特許第05653718(US,A)
【文献】 特表2008−504064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
中心軸を画定し、中で円形ステープルカートリッジを操作可能に支持するように構成される遠位端部分を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に回転可能に支持され、前記細長いシャフトの前記遠位端部分を越えて遠位に突出する遠位部分を有する、組織捕捉シャフトと、
少なくとも1つの組織捕捉部材であって、前記少なくとも1つの組織捕捉部材への展開動作の適用時に、前記少なくとも1つの組織捕捉部材が、格納位置から展開位置へと選択的に枢動可能であるように、前記組織捕捉シャフトの前記遠位端部分に枢動可能に取り付けられる、少なくとも1つの組織捕捉部材と、
前記少なくとも1つの組織捕捉部材に隣接して操作可能に支持された回転可能な切断部材であって、前記切断部材への切断作動動作の適用時に、前記中心軸を中心として選択的に回転可能な、回転可能な切断部材と、
を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記細長いシャフト内に操作可能に支持され、各前記少なくとも1つの組織捕捉部材と操作可能にインターフェイスする、展開部材を更に備え、前記展開部材が、前記少なくとも1つの組織捕捉部材を前記格納位置と展開位置との間で移動させるように、前記展開動作を受容するように構成される、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記展開部材が、前記細長いシャフトを通って延び、それに対して選択的に回転可能に移動可能である、展開シャフトを備え、前記中心軸を中心とした前記展開シャフトの1つの方向への回転が前記組織捕捉部材を前記格納位置から展開位置へと旋回させ、前記中心軸を中心とした前記展開シャフトの反対方向への回転が前記組織捕捉部材を前記展開位置から前記格納位置へと旋回させるように、前記展開シャフトが、前記組織捕捉部材の各々と噛合で係合している、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
各前記組織捕捉部材上における被駆動歯車と噛合で係合している、前記展開シャフトの遠位端上における駆動歯車を更に備える、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記細長いシャフト内に回転可能に支持されるナイフシャフトを更に備え、前記ナイフシャフトが、前記回転可能な切断部材に連結される遠位端を有し、切断部材が前記中心軸を中心として回転するように、前記切断作動動作を受容するように構成される、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの組織捕捉部材のうちの1つずつが、組織穿通先端部を有する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記細長いシャフトの前記遠位端部分によって、それに対して選択的に軸方向に移動するように操作可能に支持される、環状切断部材を更に備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記組織捕捉部材が前記格納位置にあるとき、前記組織捕捉部材が、前記回転可能な切断部材に隣接した前記組織捕捉シャフトの前記遠位部分で、実質的に連続した円板アセンブリを形成するように、前記少なくとも1つの組織捕捉部材が、各々が弓形の本体を有する4つの組織捕捉部材を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記切断部材が、平面刃を備え、前記平面刃が、その上に形成された少なくとも1つの切断縁部を有する、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記平面刃が、その上に形成された正反対の点を有する、請求項9に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、外科用ステープラー、及びより詳細には、組織を円形ステープラーのステープラーヘッドに隣接して保持及び/又は保護するための、デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の外科的手技において、外科用ステープルの使用は、組織を接合する好ましい方法となりつつあり、したがって、特別に構成された外科用ステープラーが、それらの用途のために開発されてきた。例えば、管腔内ステープラー又は円形ステープラーは、下部結腸に関与する外科的手技での使用のために開発されており、下部結腸の諸区域は、病変部分が切除された後、一体に接合される。そのような手技を実施するために有用な円形ステープラーが、例えば、米国特許第5,104,025号、同第5,205,459号、同第5,285,945号、及び同第5,309,927号に開示されており、それぞれは、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
広くは、従来の円形ステープラーは、典型的に、細長いシャフトに装着される近位の作動機構及び遠位のステープラーヘッドを有する、細長いシャフトからなる。遠位のステープラーヘッドは一般的に、同心円状の配列で構成される複数個のステープルを収容する固定型ステープリングカートリッジからなる。丸形の切断ナイフは、カートリッジ内で軸方向に移動できるように、カートリッジ内部でステープルに同心円状に装着される。ステープルアンビルと着脱可能に結合するように適合された可動トロカールシャフトが、カートリッジの中央から軸方向に延びる。アンビルは、ステープルがアンビルの中へと推進されるとき、ステープルの端部を形成するように構成されている。ステープルカートリッジの遠位面とステープルアンビルとの距離は、通常は、トロカールの軸方向移動を制御するためにステープラーシャフトの近位端に搭載される調節機構によって制御される。作動機構が外科医によって作動されると、ステープルカートリッジとステープルアンビルとの間に締め付けられた組織が、ステープル留めされると同時に切断される。
【0004】
円形ステープラーを使用して下部結腸手技を行うとき、腸の一部は、トロカールを通して挿入される従来の外科用ステープラーを使用して、腹腔鏡下でステープル留めされることができる。従来の外科用ステープラーは、多列のステープルを、取り除くべき結腸の病変部分の両側に設置する機能を果たす。標的又は病変区分は、結腸の隣接した端部がステープル留めされると同時に、切断される。病変部分を取り除いた後、外科医は、典型的には、円形ステープリング器具のアンビルを、ステープル線の遠位で管腔の遠位端中に挿入する。これは、アンビルヘッドを、外科医によって遠位管腔中に切り込まれた進入口へと挿入することによって行われ得る。下部のステープル線は、結腸の組織を、円形カートリッジの上部で保持するために利用される。この方法は、結腸の両端のみを封止して、封止された部分が切り通され、取り除かれるようにする。これらの中間工程のステープル線は、一時的にすぎず、手技における次の工程を促進する。
【0005】
ときには、アンビルは、アンビルヘッドをステープラーの遠位端に置き、器具を直腸に通して挿入することによって、経肛門的に置かれてもよい。一旦、アンビルが腸の遠位部分に設置されると、腸は、「引き紐」縫合糸として知られるものによって、アンビルシャフトの周囲に固定される。腸の近位部分は、引き紐縫合糸によって、ステープラーヘッドの周囲に同様に固定される。
【0006】
一旦、腸の端部が、対応するそれらの構成要素の周囲に固定されると、外科医は、アンビルシャフトを把持し、それをステープラーヘッド内で突出するトロカールの部分に取り付けるために、適切なトロカールスリーブを通して、把持デバイスを用いてもよい。外科医は次いで、アンビルとカートリッジとの間隙を閉じ、それによって、その間隙内で腸の近位端及び遠位端を締め付ける。外科医は次に、ステープラーを作動させて、複数列のステープルを、腸の両端部を貫いて推進させかつ形成させ、それによって両端部を接合し、管状の通路を形成する。同時に、ステープルが推進されかつ成形されるとき、同心環状ナイフの刃が腸組織の端部を貫いて推進され、ステープルの内列に隣接する端部を切断する。次いで、外科医は、腸からステープラーを回収し、手技が完了する。
【0007】
そのような手技及びデバイスは、外科医に2つの引き紐縫合糸を設置することを要求し、外科的手技を完了するために要求される時間を長くする。加えて、そのような手技は、ときには、組織切断/ステープル留めプロセス中に組織「バンチング」を引き起こすことがある。
【0008】
結腸及び他の組織をステープリングデバイスの周囲に保持するための様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,309,927号、同第6,117,148号、及び同第7,094,247号は、概して、組織を定置に保持するために、ステープリングデバイス自体から離れた、締結具、結紮部材、リング、スプリング等を用いる様々な構成を開示する。米国特許第5,669,918号は、組織をトロカール軸部に対して摩擦によりピン留めするアームのような把持器具を用いる機構を開示する。このようなデバイスは本質的に自己収容される一方で、把持器具アームは、最終的に、組織を実際には定置に効果的に保持できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
故に、外科的手技を完了するために要求される時間を低減するため、並びに円形ステープラー構成を用いるときに、組織を定置に保持することと関連付けられている他の欠点及び難題に対処するための、デバイス及び方法に対する必要性が存在する。
【0010】
上述の議論は、本発明の分野にその当時に存在した欠点のいくつかを説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の様々な非限定的な実施形態の一般的態様によれば、中心軸を画定し、中で円形ステープルカートリッジを操作可能に支持するように構成される遠位端部分を有する、細長いシャフトを備える外科用器具が提供される。組織捕捉シャフトは、細長いシャフト内に回転可能に支持される。組織捕捉シャフトは、細長いシャフトの遠位端部分を越えて遠位に突出する、遠位端部分を有する。少なくとも1つの組織捕捉部材は、各組織捕捉部材が、そこへの展開動作の適用時に、格納位置から展開位置へと選択的に枢動可能であるように、組織捕捉シャフトの遠位端部分に枢動可能に取り付けられる。回転可能な切断部材は、組織捕捉部材に隣接して操作可能に支持され、そこへの切断作動動作の適用時に、中心軸を中心として選択的に回転可能である。
【0012】
本発明の様々な非限定的な実施形態の別の一般的態様によれば、突出する細長いシャフトを有するハンドルアセンブリを備える、外科用器具が提供される。細長いシャフトは、中心軸を画定し、ステープラーヘッド内で終結する。様々な非限定的な実施形態では、ステープラーヘッドは、締結面を有する円形ステープルカートリッジ及び中で操作可能に支持される軸方向に移動可能な切断部材を備える。外科用器具は、細長いシャフト内に操作可能に支持され、発射動作を円形ステープルカートリッジに適応するように配向される、発射部材を更に備える。アンビルシャフトアセンブリは、細長いシャフト内に操作可能に支持され、その遠位接続部が締結面に対して軸方向に移動するように、アンビルシャフトアセンブリを細長いシャフト内で軸方向に移動させるために、ハンドルアセンブリからの作動動作を受容するように構成される。アンビルは、アンビルシャフトアセンブリの遠位接続部に取り外し可能に取り付け可能である。組織捕捉シャフトは、細長いシャフト内に回転可能に支持される。複数個の組織捕捉部材は、組織捕捉シャフトの遠位端部分に枢動可能に取り付けられ、そこへの展開動作の適用時に、格納位置と展開位置との間で選択的に枢動可能である。回転可能な切断部材は、組織捕捉部材に隣接して操作可能に支持され、そこへの切断作動動作の適用時に、中心軸を中心として選択的に回転可能である。
【0013】
本発明の様々な非限定的な実施形態のなおも別の一般的態様によれば、管状臓器の円形吻合を行うための外科的手技が提供される。様々な非限定的な実施形態では、外科的手技は、外科用器具のステープラーヘッドを、管状臓器中にその標的部分に隣接して挿入することを含む。ステープラーヘッドは、中でステープルカートリッジを操作可能に支持する。ステープルカートリッジは、遠位面を有する。本手技は、標的部分に隣接している管状臓器の近位部分を、外科用器具の複数個の組織捕捉部材で捕捉することを更に含む。手技はまた、管状臓器の近位部分を、ステープルカートリッジの遠位面に隣接して保持することと、管状臓器の標的部分を、保持された近位部分から回転可能に分断することとを含む。加えて、様々な非限定的な実施形態に関連して、本手技は、管状臓器の標的部分を、管状臓器の遠位部分から分断することと、アンビルを、アンビルの接続部が、管状臓器の遠位部分の開放端部から出て近位に突出するように、管状臓器の遠位部分内に挿入することとを含む。本手技は、管状臓器の遠位部分をアンビルに固定することと、アンビルの接続部を外科用器具に連結することとを更に含む。本手技は、管状臓器の遠位部分の近位端及び管状臓器の保持された近位部分が、相互に隣接し、アンビルと締結面との間で捕獲されるように、アンビルをステープラーヘッドの方へ近位に引き出すことと、遠位部分の近位端及び保持された近位部分を一緒にステープル留めして、修復された管状臓器を形成することとを含む。本手技は、ステープルに隣接する遠位部分の近位端及び保持された近位部分を貫通して切断することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
図1】本発明の様々な非限定的な実施形態の、外科用円形ステープリング器具の斜視図。
図1A】本発明の外科用ステープリング器具の様々な実施形態の、ハンドル部分の断面図。
図2図1の円形ステープリング器具の細長いシャフトの遠位端部分の断面図。
図2A】アンビルが細長いシャフトの遠位端に連結された、細長いシャフトの遠位端の部分断面図。
図2B図2Aにおける線2B−2Bに沿ってとられた、細長いシャフトの遠位端の部分断面図。
図2C】本発明の一実施形態のハンドルアセンブリの一部分の断面図。
図2D】本発明の様々な実施形態の細長いシャフトの別の一部分の断面図。
図3図2の細長いシャフトの端面図。
図4】細長いシャフトの組織捕捉部材及びナイフ部材がそれらの放射状に展開した位置にある、図2及び3の細長いシャフトの遠位端部分の部分斜視図。
図5】アンビルが連結され、結腸のような患者の管状臓器の一部分の中に挿入された、細長いシャフトの遠位端の部分断面図。
図6】アンビルが細長いシャフトから取り除かれた、図5の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図7】カッターハウジングの遠位端部分が、細長いシャフトの遠位端中に支持されるステープルカートリッジの遠位面を越えて、軸方向に前進させられている、図5及び6の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図8】組織捕捉部材が、組織捕捉ハウジングから出て放射状に展開され、結腸の一部分を通って穿通している、図7の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図9】細長いシャフトの組織捕捉部材が、結腸の穿刺部分をステープルカートリッジの遠位面に隣接して位置付けるために、組織捕捉ハウジング中に戻って回収されている、図8の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図10】ナイフ部材が、カッターハウジングから出て放射状に展開され、結腸の別の部分を通って穿刺している、図9の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図11】保持された結腸の穿刺部分を結腸の病変部分から分断するためにナイフ部材が回転させられた後の、図10の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図12】ナイフ部材がカッターハウジング中のそれらのそれぞれの管腔中に戻って回収された、図11の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図13】アンビルが結腸の遠位部分に固定され、そのアンビルステムが円形ステープリング器具のアンビルアセンブリ部分に連結された後の、図12の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図14】アンビルがステープルカートリッジの遠位面に隣接して引き寄せられた後の、図13の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図15】ステープルが展開され、環状ナイフが結腸の隣接部分を通って軸方向に前進させられた後の、図14の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図16】結腸区分が一緒にステープル留めされた後であるが、結腸から回収される前の、図15の細長いシャフトの遠位端の別の断面図。
図17】本発明の様々な非限定的な実施形態の、外科用円形ステープリング器具の斜視図。
図18図17の円形ステープリング器具の細長いシャフトの遠位端部分の断面図。
図19】本発明の様々な非限定的な実施形態の、捕捉及び展開シャフトの分解組立図。
図20】捕捉シャフトの組織アームが格納位置にある、図19の捕捉シャフトの部分斜視図。
図21】捕捉シャフトの組織アームが展開位置にある、図19及び20の捕捉シャフトの部分断面図。
図22図21の捕捉シャフトの斜視図。
図23】アンビルが取り付けられ、患者の結腸の一部分の中に挿入された、本発明の様々な非限定的な実施形態の細長いシャフトの断面図。
図24】アンビルが取り除かれ、捕捉アームが、結腸の標的部分又は病変部分に隣接している結腸の近位部分を通して展開された、図23の細長いシャフトの別の断面図。
図25】組織捕捉アームが結腸の近位部分を通して延ばされた、図24における線25−25に沿ってとられた、図24の細長いシャフトの上部断面図。
図26】結腸の標的部分又は病変部分が把持器具で取り除かれている、図24及び25の細長いシャフトの部分断面図。
図27図26における線27−27に沿ってとられた、図26の細長いシャフトの上部断面図。
図28】アンビルが結腸の遠位部分の中に挿入され、引き紐縫合糸構成によってそこに固定された後の、細長いシャフトの部分断面図。
図29】アンビルが、細長いシャフトのアンビルアセンブリに連結され、その中のステープリングカートリッジと対立関係にあるように引き寄せられた後の、図28の細長いシャフトの断面図。
図30】ステープルカートリッジが発射され、環状切断部材がステープル留めされた組織部分を通して前進させられた後の、図29の細長いシャフトの断面図。
図31】ステープリング手技の完了後に結腸から回収されている、図30の細長いシャフトの断面図。
図32】本発明の様々な非限定的な実施形態の、別の外科用円形ステープリング器具の斜視図。
図33図32の円形ステープリング器具の細長いシャフトの遠位端部分の断面図。
図34】細長いシャフトの検出部材が格納位置にある、図33の細長いシャフトのフック・検出ハウジング部分の部分斜視図。
図35】細長いシャフトのその検出部材が展開された向きにある、図34のフック・検出ハウジングの別の部分斜視図。
図36】細長いシャフトの検出部材が結腸内で展開された向きにある、細長いシャフトの遠位端の部分断面図。
図37図36における線37−37に沿ってとられた、図36の細長いシャフト及び結腸の上部断面図。
図38】本発明の様々な非限定的な実施形態の、別の円形ステープリング器具の斜視図。
図39】結腸のような管状臓器の近位部分の中に挿入された、図38の円形ステープリング器具の細長いシャフトの遠位端部分の断面図。
図40】本発明の様々な非限定的な実施形態の、組織捕捉シャフト、展開シャフト、及びナイフシャフトの遠位端部分の分解組立図。
図41】組織捕捉シャフトの組織アームが格納位置にある、図40の組織捕捉シャフトの部分斜視図。
図42】捕捉シャフトの組織アームが展開位置にある、図41の捕捉シャフトの斜視図。
図43】結腸の近位部分に挿入され、アンビルアセンブリが細長いシャフトから取り除かれた、図38の外科用器具の細長いシャフトの遠位端部分の部分断面図。
図44】組織捕捉アームが結腸の近位部分を通して展開された、細長いシャフトの遠位端部分の部分断面図。
図45図44における線45−45に沿ってとられた、細長いシャフトの遠位端部分の上部断面図。
図46】組織捕捉アームが結腸の近位部分を通して展開され、次いで、穿通された近位部分が組織捕捉アームと組織捕捉シャフトとの間で捕らえられる格納位置に移動させられた後の、細長いシャフトの遠位端部分の別の部分断面図。
図47図46における線47−47に沿ってとられた、図46の細長いシャフトの遠位端部分の上部断面図。
図48】結腸の病変部分が近位部分及び遠位部分から分断されており、従来の把持器具によって結腸から取り除かれている、細長いシャフトの遠位端部分の部分断面図。
図49】アンビルが結腸の遠位部分の中に挿入され、引き紐縫合糸構成によってそこに固定された後の、細長いシャフトの部分断面図。
図50】アンビルが細長いシャフトのアンビルアセンブリに連結され、その中のステープルカートリッジと対立関係にあるように引き寄せられた後の、図49の細長いシャフトの断面図。
図51】ステープルカートリッジが発射され、環状切断部材がステープル留めされた組織部分を通して前進させられた後の、図50の細長いシャフトの断面図。
図52】ステープリング手技の完了後に結腸から回収されている、図51の細長いシャフトの断面図。
図53】結腸の一部分に隣接した様々な組織及び構造を図示する、患者の開かれた腹腔の一部分の図。
図54図53の開腹腔の別の部分図。
図55】本発明の保護用外装実施形態をその中に供給するための、トロカールの腹腔への挿入を図示する、図53の腹腔の別の図。
図56】保護用外装実施形態が従来の把持デバイスによってトロカールスリーブから回収されている、図55の腹腔の別の図。
図57】保護用外装を処置対象の結腸の一部分の円周周囲に位置付ける1つの方法を図示する、図56の腹腔の別の図。
図58】保護用外装実施形態が処置対象の結腸の一部分の外周周囲に位置付けられた後の、図57の腹腔の別の図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願の出願人はまた、本明細書と同日に出願され、それらの全ての内容がそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、以下に示す米国特許出願も所有する。
代理人整理番号END6741USNP/100065、「Surgical Circular Stapler With Tissue Retention Arrangements」と題される、米国特許出願第_____号、
代理人整理番号END6739USNP/100063、「Tissue Acquisition Arrangements and Methods For Surgical Stapling Devices」と題される、米国特許出願第_____号、
代理人整理番号END6738USNP/100062「Transwall Visualization Arrangements and Methods For Surgical Circular Staplers」と題される、米国特許出願第_____号、及び
代理人整理番号END6737USNP/100061、「Apparatus and Methods For Protecting Adjacent Structures During the Insertion of a Surgical Instrument Into a Tubular Organ」と題される、米国特許出願第_____号。
【0016】
本明細書に開示される装置並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるよう、特定の例示的実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の1つ以上の例を添付図面に示す。本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本発明の各種の実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることは、当業者には理解されよう。
【0017】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」等への言及は、その実施形態との関連において記述されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、本明細書全体を通して複数の場所に出現する「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態では」等のフレーズは、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態で、任意の好適なやり方で組み合わせることができる。故に、一実施形態に関して図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。そのような改変及び変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0018】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準にして用いられている。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上、及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、「下」などの空間的用語は、本明細書では、図面に関連して使用し得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0019】
図1は、本発明の様々な非限定的な実施形態による、円形ステープラー10を図示する。様々な実施形態において、円形ステープラー10は、中心軸A−Aを画定する、突出する細長いシャフトアセンブリ14を有するハンドルアセンブリ12を含む。細長いシャフトアセンブリ14は、ステープラーヘッド20を形成する遠位端部分17を有する剛体の外装16を含む。様々な非限定的な実施形態では、ステープラーヘッド20は、中に円形ステープルカートリッジ30を操作可能に支持するように構成される。そのような円形ステープルカートリッジ30は、当該技術分野で既知であり、通常、1つ、2つ、又はそれを超える、周囲方向に離間配置され、ずらされたステープル36の列をその中に支持し得る。図2及び図3を参照されたい。図3に示される実施形態は、例えば、ステープル36の2つの列32、34を有する。従来の環状ナイフ40は、同軸的及び移動可能にステープラーヘッド20内に支持される。
【0020】
ある種の実施では、円形ステープラー10は、外装16内での選択的な軸方向の移動のために外装16内に支持される、発射シャフトアセンブリ50を更に含む。図2を参照されたい。発射シャフトアセンブリ50の遠位端部分52は、ステープルカートリッジ30内のステープル36の外列32におけるステープル36のそれぞれとの係合のために、その上に外側ステープルドライバ部分54を有する。加えて、発射シャフトアセンブリ50の遠位端部分52は、ステープルカートリッジ30内のステープル36の内列34における、ステープル36のそれぞれとの係合のために構成される、内側ステープルドライバ部分56を有する。図2にまた見ることができるように、例えば、発射シャフトアセンブリ50の遠位端部分52は、環状ナイフ40に係合するように構成される出っ張り58を更に有する。故に、下で更に詳細に考察されることになるが、遠位方向「DD」への発射シャフトアセンブリ50の軸方向の前進は、ステープル36をステープルカートリッジ30から出て推進させ、加えて環状ナイフ40を遠位に前進させる。図2Aに見ることができるように、発射シャフトアセンブリ50は、発射桿体53に連結される基底部分51を有する。
【0021】
様々な非限定的な実施形態では、発射桿体53は、ハンドルアセンブリ12に操作可能に連結される発射トリガー60と操作可能にインターフェイスする。図1及び図1Aを参照されたい。図1及び1Aに見ることができるように、発射トリガー60は、発射トリガー60がハンドルアセンブリ12の方へ旋回されるとき、発射シャフトアセンブリ50が遠位方向DDに移動するように、ハンドルアセンブリ12に枢動可能に連結される。そのような発射トリガー構成は、当該技術分野で既知であり、したがって本明細書では詳述されない。例えば、代表的なの発射トリガー構成は、「Surgical Stapling Instrument With Mechanical Indicator to Show Levels of Tissue Compression」と題される、米国特許出願公開第US 2008/0078806 A1号に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
図2及び2Aに示されるように、様々な非限定的な実施形態は、発射シャフトアセンブリ50内に同軸的に支持され、それに対して軸方向に移動可能である、捕捉ハウジング70を含む。捕捉ハウジング70は、それぞれが捕捉又はフック部材80を移動可能に支持する、複数個の捕捉管腔72をその中に有する。図3に見ることができるように、例えば、複数個の3辺の捕捉管腔72が、捕捉ハウジング70の円周周囲に均等に離間配置されてもよい。図3に示される非限定的な実施形態では、総計8つの(8)捕捉管腔72が、捕捉ハウジング70の円周周囲に均等に離間配置される。
【0023】
各捕捉又はフック部材80は、例えば、ニチノール、300又は400シリーズステンレス鋼(完全又は4分の3焼入)から製作され得、図4に示されるように、そのそれぞれの捕捉管腔72から出て前進させられるとき、放射状に外方向に屈曲する遠位端部分82を有することができる。図4にまた見ることができるように、各フック部材80は、その遠位端部分82上に形成された組織返し部84を有する。図2及び3に見ることができるように、様々な非限定的な実施形態では、スリーブ78は、フック部材80のそれらのそれぞれの管腔72内への設置を促進するために用いられる。
【0024】
図2Aに見ることができるように、フック部材80のそれぞれは、一対の捕捉桿体83が取り付けられた捕捉リング81に連結されるか、又はそこから突出する。捕捉桿体83は、ハンドルアセンブリ12上に操作可能に支持されるフックスイッチ90に取り付けられる。図1及び図2Cを参照されたい。外科医がフックスイッチ90を遠位方向(図1及び2Cの矢印92)に移動させると、捕捉ハウジング70は遠位に移動する。捕捉ハウジング70のそのような移動は、各フック部材80の遠位端部分84を、そのそれぞれの捕捉管腔72から出て遠位に前進させる。各フック部材80の遠位端部分84が捕捉管腔72から出て前進させられると、フック部材80の自然な屈曲作用が、端部84を、図4に図示されるように中心軸A−Aから離れて放射状に屈曲させる。外科医は、フックスイッチ90を近位方向(図1及び2Cの矢印94)に移動させることによって、捕捉ハウジング70及びフック部材80を、それらの開始位置(図2)に格納することができる。
【0025】
図2、2A、2D、3、及び4に更に見ることができるように、様々な非限定的な実施形態では、カッターハウジング100は、捕捉ハウジング70内に同軸的に支持される。カッターハウジング100は、捕捉ハウジング70に対して選択的に軸方向に移動するように、かつ中心軸A−Aに沿って選択的に軸方向に移動するように支持される。様々な実施形態において、一対のハウジング作動桿体101は、ハンドルアセンブリ12上に移動可能に支持されるナイフノブ110とインターフェイスするために、カッターハウジング100から突出する。図1及び図2Dを参照されたい。様々な非限定的な実施形態では、ナイフノブ110は、それが軸方向に移動し(図1及び2Dの矢印112、114によって表される)、また、ハンドルアセンブリ12に対して回転させられ(図1の矢印116によって表される)得るように、ハンドルアセンブリ12上に支持される。ハウジング作動装置桿体101は、下で更に詳細に考察されることになるが、ナイフノブ110の軸方向の移動が、カッターハウジング100を捕捉ハウジング70内で軸方向に移動させ、ナイフノブ110の回転がまた、カッターハウジング100を、中心軸A−Aを中心として回転させるように、ナイフノブ110に取り付けられる。
【0026】
様々な非限定的な実施形態では、カッターハウジング100は、カッターハウジング100の壁部を通って軸方向に延びる、少なくとも1つの、及び好ましくは複数個の、ナイフ管腔102を含む。図3に見ることができるように、例えば、複数個のナイフ管腔102は、カッターハウジング100の円周周囲に均等に離間配置されてもよい。図3に示される非限定的な実施形態では、総計8つの(8)ナイフ管腔102が、カッターハウジング100の円周周囲に均等に離間配置される。図2及び4に見ることができるように、各ナイフ管腔102は、放射状に外方向に開く、湾曲した遠位端部分104を有する。
【0027】
様々な非限定的な実施形態では、可撓性ナイフ部材120は、各ナイフ管腔102内に摺動可能に受容される。各可撓性ナイフ部材120は、鋭頭遠位端122を有し、ナイフリング123に取り付けられるか、又はそこから突出する。一対のナイフ作動装置桿体125は、ナイフリング123が作動装置桿体125に対して回転することを可能にするすべり継手構成127によって、ナイフリング123に取り付けられる。図2Aを参照されたい。図2Cに見ることができるように、ナイフ作動装置桿体125(その図では1つのナイフ作動装置桿体125のみが示される)は、ハンドル12に操作可能に装着されるナイフスイッチ130に取り付けられる。各ナイフ部材120の遠位端122は、それが組織を穿通することを可能にするために実質的に尖頭にされ、それはその上に形成される少なくとも1つの切断縁部124を有してもよい。ナイフスイッチ130が遠位方向(矢印132)に移動させられるとき、ナイフ部材120は、図4に示されるように、鋭頭遠位端122が、管腔102の湾曲した遠位端部分104から出て放射状に「自然に」曲がるか、又は屈曲するように、ナイフ管腔102内で遠位に移動させられる。この文脈で使用されるとき、「自然に」という用語は、材料が、管腔を出る際に、その遠位端が曲がるか、又は屈曲するように、予応力を加えられるか、ないしは別の方法で形成されることができることを意味する。同様に、ナイフスイッチ130の近位方向(図1及び2Cの矢印134によって表される)への移動は、各ナイフ部材120をそのナイフ管腔102中に戻して格納させる。様々な非限定的な実施形態では、ナイフ部材120は、例えば、ニチノール、300又は400シリーズステンレス鋼(完全又は4分の3焼入)から製作され得る。
【0028】
図2Aにまた見ることができるように、発射シャフトアセンブリ50は、基底部分51から突出し、カッターハウジング100内でその中での選択的な軸方向の移動のために同軸的に延びる、遠位端柱140を有する。様々な実施形態はまた、外装116内に装着される隔壁部材141を含む。簡便なアセンブリを促進するために、外装16は、図2Aに示されるように遠位外装区分16及び近位外装区分16’を備えてもよい。加えて、遠位端柱142は、隔壁51から延び、遠位アンビル接続器150を支持する。遠位アンビル接続器150は、遠位帯アセンブリ151に連結される。遠位帯アセンブリ151は、ハンドルアセンブリ12上に回転可能に支持される調整ノブ160とインターフェイスする、制御桿体アセンブリ153に連結される。そのようなアンビルシャフトアセンブリ及び制御ノブ構成は、一般に知られている。例えば、制御桿体アセンブリ及び制御ノブは、「Surgical Stapling Instrument With Mechanical Indicator To Show Levels of Tissue Compression」と題される、公開された米国特許出願第US 2008/0078806 A1号に開示されるように構成されてもよく、それは参照により本明細書に組み込まれている。
【0029】
図2Bに見ることができるように、ハウジング作動装置桿体101のそれぞれは、隔壁141中の対応する弓状スロット145を通って突出する。スロット145は、カッターハウジング100が中心軸A−Aに対して回転させられ得る量を画定する/限定するような寸法にされてよい。例えば、総計8つの(8)ナイフ部材120が用いられる実施形態では、スロット145は、カッターハウジング100の、中心軸A−Aを中心とした少なくともおよそ45°〜50°の弓状の移動又は回転移動を促進するような寸法にされてよい。隔壁141は、遠位帯アセンブリ151がそこを通って突出することを可能にするための開口146を更に有してもよい。加えて、ナイフ作動装置桿体125のそれぞれは、隔壁141中の対応する開口部147を通って延びる。同様に、捕捉桿体83のそれぞれは、隔壁141中の対応する開口148を通って延びる。図2Bを参照されたい。
【0030】
円形ステープラー10は、図5に示されるようにアンビル170を更に含む。様々な非限定的な実施形態では、アンビル170は、その中に一連のステープル形成ポケット172を有するアンビル基底部171、及び遠位アンビル接続器150に取り外し可能に取り付け可能であるアンビルシャフト174を含む。特に、連結ステム176は、アンビルシャフト174の近位端175から突出し、遠位アンビル接続器150内の通路152に摺動可能に受容されるような寸法にされる。アンビル170は、図5及び13に図示されるように、その上に、中で組織空洞179を画定するアンビル口金178を更に有する。
【0031】
円形ステープラー10を使用する1つの代表的な方法は、図5〜16を参照して記載される。円形ステープラー10の様々な実施形態は、例えば、結腸のような管状臓器の輪状吻合を行うのに特に好適である。最初に図5を見ると、ステープラーヘッド20は、患者の肛門199を通して結腸200の近位部分201の中に挿入される。結腸の病変部分又は標的部分202が取り除かれるべき場合の適用においては、ステープラーヘッド20は、病変部分202に隣接して位置付けられる。図6を参照されたい。
【0032】
一旦、ステープラーヘッド20が病変部分202に対して適切な位置に挿入されると、カッターハウジング100は、ナイフノブ110を遠位方向(図1及び7の矢印112によって表される)へ軸方向に前進させることによって、遠位に前進させられる。本手技のこの段階では、ナイフ部材120は、それらのそれぞれのナイフ管腔102から出て前進させられていない。その後、外科医は、フックスイッチ90を遠位方向(図1の矢印92)に移動させることによって、捕捉ハウジング70を遠位に前進させる。捕捉ハウジング70の遠位方向への移動は、フック部材80をそれらのそれぞれの捕捉管腔72から出て軸方向に移動させる。フック部材80の遠位端がそれらのそれぞれの捕捉管腔72を出るとき、それらは、放射状に外方向に自然に曲がって、結腸200の近位部分201に係合し、それを穿通する。図8を参照されたい。一旦、フック部材80が結腸200の近位部分201を穿通し、それに係合すると、外科医は、フック部材80をそれらのそれぞれの捕捉管腔72中に格納するため、並びに捕捉ハウジング100をその開始位置へと戻して格納するために、フックスイッチ90を近位方向(図1の矢印94によって表される)に移動させる。フック部材80の遠位端上の返し部84は、係合された近位部分201を、図9に図示される位置へと引き寄せる。故に、係合された結腸200の近位部分201は、ステープルカートリッジ30の遠位面31上をわたり、部分的にステープルカートリッジ30とカッターハウジング100との間の内側空間33の中へと引き寄せられる。
【0033】
一旦、係合された結腸200の近位部分201が、図9に図示される位置へと引き寄せられると、外科医は次いで、ハンドルアセンブリ12上のナイフノブ110を遠位方向(図1の矢印112によって表される)へと軸方向に前進させることによって、ナイフ部材120を、それらのそれぞれのナイフ管腔102から出して延ばす。ナイフノブ110を遠位に移動させることによって、ナイフ部材120は、それらのナイフ管腔102から出て前進させられ、各ナイフ管腔102の湾曲した部分104は、図10に図示されるように、その中のナイフ部材120を放射状に外方向に移動させる。ナイフ部材120は、病変結腸部分202に近位である結腸200の近位部分201を通って突出する。図10を参照されたい。その後、病変結腸部分202は、ハンドルアセンブリ12上のナイフノブ110を回転させることによって(図1の矢印116によって表される)、近位結腸部分201から分断されることができる。ナイフノブ110の回転/作動は、カッターハウジング100及びナイフ部材120を、中心軸A−Aを中心として回転させ、結腸組織を切り通すであろう。病変部分202が近位結腸部分201から切り取られた後(図11)、外科医は、ナイフノブ110を近位方向(図1の矢印114によって表される)に移動させることによって、ナイフ部材120をそれらのそれぞれのナイフ管腔102中に戻して格納してもよい。図12を参照されたい。
【0034】
病変部分202は、遠位結腸部分208(図13)から、例えば、病変部分202に隣接している腹腔601中に延びるトロカールスリーブを通して挿入された、従来の腹腔鏡下組織分断デバイス(図示されず)を用いて、分断されることができる。病変結腸部分202は次いで、トロカールスリーブを通して取り除かれることができる。外科医は次いで、図13に示されるように、アンビルシャフト174が遠位結腸部分206から出て突出するように、アンビル170を遠位結腸部分206内で配向させる。外科医は次いで、遠位結腸部分206の端部を、当該技術分野で「引き紐縫合糸」220として知られるものを使用して、アンビルシャフト174の周囲で結ぶ。一旦、遠位結腸部分206がアンビルシャフト174の周囲で縫合されると、アンビルシャフト174の連結ステム176は、アンビルシャフトアセンブリ150内の通路152の中に挿入される。連結ステム176は、通路152の中に連結ステム176を保持するが、なおも連結ステム176が後にそこから取り除かれることを可能にするようにその間に摩擦嵌めを確立するように、通路152に相対的な寸法にされ得る。
【0035】
外科医は次いで、結腸部分205、210が、図14に示されるようにアンビル170とステープルカートリッジ30との間で締め付けられるまで、アンビル制御ノブ160を適切な方向に回転させることによって、アンビル170をステープラーヘッド20の方へ(近位方向「PD」に)引き寄せる。その後、外科医は、遠位方向「DD」へと発射シャフトアセンブリ50を軸方向に前進させるために、発射トリガー60を作動させる。発射シャフトアセンブリ50が遠位に前進させられると、外側ステープルドライバ部分54及び内側ステープルドライバ部分56は、それぞれ外列32及び内列34に位置するステープル36を、結腸部分205、210を通して、アンビル基底部171におけるアンビル形成ポケット172中へと推進する機能を果たす。発射シャフトアセンブリ50はまた、結腸部分205から部分201を切断するために、環状ナイフ40を、結腸部分205を通して前進させる。図15を参照されたい。環状ナイフ40の更なる前進により、結腸部分207は結腸部分208から分断される。外科医は次いで、ステープル留めされた結腸部分205、210を、アンビル基底部171とステープルカートリッジ30の表面31との間から解放するために、アンビル170を遠位方向「DD」に移動させる。図16を参照されたい。器具10は次いで、結腸200から取り除かれてよい。外科医が患者の肛門199を通して器具10を回収すると、切断部分201は、ステープラーヘッド20中に留まり、切断部分207は、アンビル170内の組織空洞179中に留まる。故に、結腸200の切断部分201、207は、器具が修復された結腸から回収される際に、そこから取り除かれる。
【0036】
図17は、本発明の様々な非限定的な実施形態による、別の円形ステープラー300を図示する。円形ステープラー300は一般に、突出する細長いシャフト314を有するハンドルアセンブリ312を含む。細長いシャフト314は、中心軸A−Aを画定し得る。図17に見ることができるように、細長いシャフト314は、上にステープラーヘッド320を支持する剛体の外装316を含む。様々な非限定的な実施形態では、ステープラーヘッド320は、中に円形ステープルカートリッジ330を支持するように構成される。そのような円形ステープルカートリッジ330は、当該技術分野で既知であり、これより上に記載されたように、通常、1つ又は2つ以上の、周囲方向に離間配置され、ずらされたステープル36の列を中に支持する。従来の環状ナイフ340は、ステープルカートリッジ330内に同軸的かつ移動可能に支持される。図18を参照されたい。
【0037】
ある種の実施では、円形ステープラー300は、上述されたように、剛体の外装316内にその中での選択的な軸方向の移動のために操作可能に支持される、発射シャフト350を更に含む。図18を参照されたい。発射シャフト350の遠位端部分352は、ステープルカートリッジ330内のステープル36の外列32におけるステープル36のそれぞれとの係合のために、その上に外側ステープルドライバ部分354を有する。加えて、発射シャフト350の遠位端部分352は、ステープルカートリッジ330内のステープル36の内列34におけるステープル36のそれぞれとの係合のために構成される、内側ステープルドライバ部分356を有する。図18にまた見ることができるように、例えば、発射シャフト350の遠位端部分352は、環状ナイフ340に係合するように構成されるフランジ部分358を更に有する。故に、下で更に詳細に考察されることになるが、遠位方向「DD」への発射シャフト350の軸方向の前進は、ステープル36をステープルカートリッジ330から出て推進させ、加えて環状ナイフ340を遠位に前進させる。
【0038】
様々な非限定的な実施形態では、発射シャフト350は、ハンドルアセンブリ312に操作可能に連結される発射トリガー360とインターフェイスする。図17に見ることができるように、発射トリガー360は、発射トリガー360がハンドルアセンブリ312の方へ旋回されるとき、発射シャフト350が遠位方向DDに移動するように、ハンドルアセンブリ312に枢動可能に連結される。上述されたように、そのような発射トリガー構成は、当該技術分野で既知であり、したがって本明細書では詳述されない。
【0039】
図18に示されるように、様々な非限定的な実施形態はまた、細長いシャフト316内に非回転可能に支持される組織捕捉シャフト380内に、同軸的かつ回転可能に支持される展開シャフト370を含む。展開シャフト370の近位端は、ハンドルアセンブリ312上に回転可能に支持される組織捕捉ノブ310と操作可能にインターフェイスする。展開シャフト370は、ナイフノブ110に関して上述された様式で、組織捕捉ノブ310とインターフェイスする。故に、組織捕捉ノブ310のハンドルアセンブリ312上での回転/作動は、組織捕捉シャフト380内での、中心軸A−Aを中心とした、展開シャフト370の回転をもたらす。より具体的にかつ図19を参照すると、様々な実施形態において、展開シャフト370の遠位端372は、捕捉シャフト380内の正孔382を通して突出し、そこに取り付けられた駆動歯車374を有する。捕捉シャフト380の遠位端384は、その上に少なくとも2つの組織捕捉部材又は組織アーム400を操作可能に支持するように構成される。図19に示される非限定的な実施形態では、各組織アーム400が、中心軸A−Aに実質的に平行である対応する「捕捉」軸B−Bを中心として旋回するように、総計4つの組織アーム400が、対応するピン386によって、組織捕捉シャフト380の遠位端384に枢動可能にピン留めされる。図21及び23を参照されたい。
【0040】
図19及び22に見ることができるように、各組織アーム400は、例えば、ステンレス鋼(300又は400シリーズ)、又はチタン−鋼複合材料若しくはセラミック等から製作され得る本体部分402を有し、またそこに取り付けられるか又はその上に形成される駆動歯車404を有する。各組織アーム400の駆動歯車404は、組織捕捉シャフト380の遠位端384に形成される対応するアーム空洞388内に移動可能に支持される。各駆動歯車404は、展開シャフト370上の駆動歯車374と噛合により係合される。故に、展開シャフト370の回転は、図20に示される格納位置から図22に示される展開位置への組織アーム400の旋回型の展開をもたらす。図20及び22に見ることができるように、様々な実施形態において、各組織アーム400は、組織アーム400が図20に示される格納位置にあるとき、それらが協調して組織捕捉シャフト380の遠位端で丸い円盤様のアセンブリ401を作り出すように、弓形を有する。
【0041】
様々な実施形態において、各組織アーム400の本体部分402は、その上に形成されるか、ないしは別の方法でそこに取り付けられる、組織穿通先端部406を更に有する。加えて、上に形成される切断縁部410を有するアームナイフ408は、各組織アーム400の本体部分402に取り付けられるか、ないしは別の方法でその上に形成される。様々な実施形態において、アームナイフ408は、例えば、ステンレス鋼(300又は400シリーズ)、又はチタン−鋼複合材料若しくはセラミック等から製作され得、材料に応じて、溶接又は他の好適な取り付け方法によって、対応する組織アーム400の本体部分402に取り付けられることができる。好ましい実施形態では、アームナイフ408が、上記で特定された金属材料のうちのいずれかから製作される場合、そのような材料が焼入されることが望ましい場合がある。例えば、38〜52のロックウェル硬さ値が望ましい場合がある。代替的な実施形態では、アームは、鋭角に接地することが可能である薄い特徴を用いて製作されてもよい。本明細書の発明を実施するための形態が進行すると理解されるであろうが、刃は、それが閉じるときに切断し、その結果、それは408が421に対して閉じるときに組織を剪断するため、ナイフよりはむしろ鋏のように作用する。図19でも見ることができるように、剪断プレート420は、アームシャフト380内のねじ付き締結ボア424中に延びるねじ付き締結具422によって、アームシャフト380の遠位端382に取り付けられる。また、様々な実施形態において、複数個の組織捕捉ピン426が、組織捕捉シャフト380の円周周囲に均等に離間配置され、そこから放射状に突出する。剪断プレート420の外縁421は、組織アーム400上の切断縁部410と協調して、組織アーム400がそれらの格納位置に移動させられるときにそれらの縁410、421の間に引き寄せられる組織を剪断除去する。
【0042】
ある種の実施では、遠位端柱442は、展開シャフト370内でその中での選択的な軸方向の移動のために同軸的に延びる、発射シャフト350の一部分から突出する。遠位端柱442は、上述された様々な様式で、ハンドルアセンブリ312上に回転可能に支持される調整ノブ460に連結される遠位アンビル接続器450をその中に支持する。
【0043】
円形ステープラー300は、図18に示されるようにアンビル470を更に含む。様々な非限定的な実施形態では、アンビル470は、中に一連のステープル形成ポケット472を有するアンビル基底部471を含む。アンビル基底部471は、環状ナイフ340による組織の剪断を促進するための剪断縁473を更に画定し得る。アンビル470は、遠位アンビル接続器450に取り外し可能に取り付け可能なアンビルシャフト474を更に含む。特に、連結ステム476は、アンビルシャフト474の近位端475から突出し、アンビルシャフトアセンブリ450内の通路452に摺動可能に受容されるような寸法にされる。図23を参照されたい。アンビルアセンブリ470は、図18及び23に図示されるように、その上に、組織空洞479を中で画定する機能を果たすアンビル口金478を更に有する。図18にまた見ることができるように、円盤様のアセンブリ401は、アンビル基底部471における開口部475の中に延びるような寸法にされる。
【0044】
円形ステープラー300を使用する1つの代表的な方法は、図23〜31を参照して記載されることになる。円形ステープラー300の様々な実施形態は、例えば、結腸200のような管状臓器の輪状吻合を行うのに特に好適である。最初に図23を見ると、ステープラーヘッド320は、患者の肛門199を通して結腸200の近位部分201の中に挿入される。結腸200の病変あるいは標的部分202が取り除かれるべきとき、ステープラーヘッド320は、病変部分202が近位部分201から分断されるべき領域に位置付けられる。
【0045】
一旦、ステープラーヘッド320が結腸内に適切に位置付けられると、組織アーム400は、組織捕捉ノブ310を第1の方向(図17の矢印311によって表される)に回転させ、それにより展開シャフト370もまた回転させることによって、放射状に展開されることができる。展開シャフト370の第1の方向への回転はまた、各組織アーム400の駆動歯車部分404と噛合により係合している駆動歯車374を回転させる。故に、駆動歯車374の第1の方向への回転は、組織アーム400を放射状に展開させる。組織アーム400が放射状に展開されると、その組織穿通先端部406は、結腸200の近位部分201を穿通する。図24及び図25を参照されたい。一旦、組織アーム400が、その組織穿通先端部406を結腸200の近位部分201に穿通させるように展開されると、外科医は次いで、組織アーム400を格納位置に移動させるために、組織捕捉ノブ310を第2の方向(図17の矢印313によって表される)に回転させることができる。組織アーム400が格納されると、それらは、穿通された結腸200の近位部分201を集め、それを組織捕捉シャフト380の方へ内方向に引き寄せる。集められた結腸201が剪断プレート420と組織アームとの間に引き寄せられると、剪断プレート420の外縁421と組織アーム400上の切断縁部410との間で捕獲される結腸200の部分201は、結腸200の病変部分202から分断される。組織アーム400の格納は、図26に示されるように、結腸200の部分201を組織保持ピン426上に刺入させ、その上で保持する。その後、結腸200の病変部分202は、腹腔601中に挿入されるトロカールスリーブを通して挿入される従来の腹腔鏡下組織分断器具(図示されず)を使用して、遠位結腸部分208から横切されてもよい。病変部分202が遠位結腸部分208から切り取られた後、病変部分202は、従来の把持器具600でトロカールスリーブ(図示されず)を通して取り除かれることができる。図26を参照されたい。
【0046】
外科医は次いで、図28に示されるように、アンビルシャフト474のアンビルシャフト連結ステム476が結腸200の遠位部分208から出て突出するように、アンビル170を結腸200の遠位部分208内で配向させる。外科医は次いで、遠位結腸部分208の端部を、当該技術分野で「引き紐縫合糸」220として知られるものを使用して、アンビルシャフト474の周囲で結ぶ。一旦、遠位結腸部分208がアンビルシャフト474の周囲に縫合されると、アンビルシャフト474の連結ステム476は、アンビルシャフトアセンブリ450内の通路452の中に挿入される。連結ステム476は、通路152の中に連結ステム176を保持するが、なおも連結ステム176が後にそこから取り除かれることを可能にするように、その間に摩擦嵌めを確立するように、通路152に相対的な寸法にされ得る。図28を参照されたい。
【0047】
外科医は次いで、結腸200の部分205、210が、図29に示されるようにアンビル470とステープルカートリッジ330との間で締め付けられるまで、アンビル制御ノブ460を適切な方向に回転させることによって、アンビル470をステープラーヘッド420の方へ(近位方向「PD」に)引き寄せる。その後、外科医は、遠位方向「DD」へと発射シャフト350を軸方向に前進させるために、発射トリガー360を作動させる。発射シャフト350が遠位に前進させられると、ステープルドライバ部分354、356は、ステープル36を、結腸200の部分205、210を通して、アンビル470内のアンビル形成ポケット472中へと推進する機能を果たす。発射シャフト350はまた、環状ナイフ340を、結腸部分205、210を通して前進させて、それぞれ、部分201、207をそこから分断する。外科医は次いで、ステープル留めされた結腸部分205、210を、アンビル470とステープラーヘッド320との間から解放するために、アンビル470を遠位方向「DD」に移動させてもよい。器具300は次いで、結腸200から取り除かれてよい。図31を参照されたい。結腸200の分断部分201、207は、外科医が患者の肛門を通して器具300を回収すると、それぞれステープラーヘッド320及びアンビル470内に留まる。故に、結腸200の分断部分201、207は、器具300が修復された結腸から回収されるとき、そこから取り除かれる。
【0048】
円形ステープリング器具は、通常、骨盤の腹部側からではなく、肛門を通して導入される。そのような進入方法は、横切を開始する前にステープラーヘッドが結腸中に適切に位置付けられたことを確実にするために外科医が腫瘍、腫瘍の必要な辺縁部、及び遠位横切場所に対するそれらの辺縁部の縁を可視化する能力を複雑化する。図32〜37は、本発明の様々な非限定的な実施形態による、挿入プロセス中に外科医にフィードバックを提供し得る円形ステープラー700を図示する。円形ステープラー700は通常、突出する細長いシャフトアセンブリ714を有するハンドルアセンブリ712を含む。細長いシャフトアセンブリ714は、中心軸A−Aを画定し得る。図32に見ることができるように、細長いシャフトアセンブリ714は、上にステープラーヘッド720を支持する遠位端部分を有する剛体の外装716を含む。様々な非限定的な実施形態では、ステープラーヘッド720は、中に円形ステープルカートリッジ730を操作可能に支持するように構成される。そのような円形ステープルカートリッジ730は、当該技術分野で既知であり、一般に、1つ、2つ、又は2つを超える、周囲方向に離間配置され、ずらされたステープルの列をその中に支持することができる。図33に示される非限定的な実施形態では、ステープルカートリッジ730は、中にステープル36の2つの列732、734を支持する。従来の環状ナイフ740は、ステープラーヘッド720内に同軸的かつ移動可能に支持される。
【0049】
円形ステープラー700は、剛体の外装716内にその中での選択的な軸方向の移動のために操作可能に支持される、発射シャフト750を更に含む。図33を参照されたい。発射シャフト750の遠位端部分752は、ステープルカートリッジ730内のステープル36の外列732におけるステープル36のそれぞれとの係合のために、その上に外側ステープルドライバ部分754を有する。加えて、発射シャフトアセンブリ750の遠位端部分752は、ステープルカートリッジ730内のステープル36の内列734におけるステープル36のそれぞれとの係合のために構成される、内側ステープルドライバ部分756を有する。図33にまた見ることができるように、例えば、発射シャフト750の遠位端部分752は、環状ナイフ740に係合するように構成されるフランジ部分758を更に有する。故に、下で更に詳細に考察されることになるが、遠位方向「DD」への発射シャフト750の軸方向の前進は、ステープル36をステープルカートリッジ730から出て推進させ、加えて環状ナイフ740を遠位に前進させる。
【0050】
様々な非限定的な実施形態では、発射シャフト750は、ハンドルアセンブリ712に操作可能に連結される発射トリガー60とインターフェイスする。図32に見ることができるように、発射トリガー60は、上述されたように、発射トリガー60がハンドルアセンブリ712の方へ旋回されるとき、発射シャフトアセンブリ750が遠位方向DDに移動するように、ハンドルアセンブリ712に枢動可能に連結される。
【0051】
図33に示されるように、様々な非限定的な実施形態は、発射シャフト750内に同軸的に支持され、その中で軸方向に移動可能である、フック・検出ハウジング770を含む。フック・検出ハウジング770は、その中に複数個のフック管腔772を有し、それはそれぞれ、その中に捕捉フック部材780を移動可能に支持する。図34に見ることができるように、例えば、複数個の3辺のフック管腔772は、フック・検出ハウジング770の円周周囲に均等に離間配置されてもよい。例えば、図34に示される非限定的な実施形態では、総計8つの(8)フック管腔772が、フック・検出ハウジング770の円周周囲に均等に離間配置される。各フック部材780は、例えば、ニチノール、300又は400シリーズステンレス鋼(完全又は4分の3焼入)等から製作され得、そのそれぞれのフック管腔772から出て前進させられるとき、上述の様式で放射状に外方向に自然に曲がるか、又は屈曲する遠位端部分782を有することができる。他の実施形態と同様に、各捕捉フック部材780は、その遠位端部分782上に形成される組織返し部784を有してもよい。図33及び34に見ることができるように、様々な非限定的な実施形態では、フック・検出ハウジング770は、捕捉フック部材780のそれらのそれぞれの管腔772中への設置を促進するフックスリーブ778を含む。
【0052】
様々な非限定的な実施形態では、フック・検出ハウジング770の近位端部分は、ハンドル712上に操作可能に支持されるフックスイッチ790と操作可能にインターフェイスしてもよい。図32を参照されたい。外科医がフックスイッチ790を遠位方向へと(図32の矢印792)移動させると、フック・検出ハウジング770は遠位に移動する。加えて、各捕捉フック部材780は、上述されたように、そのそれぞれのフック管腔772から出て遠位に前進させられる。外科医は、フックスイッチ790を近位方向(図32の矢印794)に移動させることによって、格納フック部材780をそれらの開始位置の中に格納することができる。
【0053】
また、複数個の可撓性検出部材781もフック・検出ハウジング770内に支持される。特に、複数個の検出管腔774もまた、フック・検出ハウジング770内に提供される。例えば、図34に示される非限定的な実施形態では、総計8つの(8)検出管腔774が、フック・検出ハウジング770の円周周囲に均等に離間配置される。1つの非限定的な実施形態では、各検出部材781は、例えば、ポリエチレン、ナイロン、ニチノール、チタン等から製作され得、図35に図示されるように、それぞれの検出管腔774から出て展開されるとき、放射状に外方向に自然に曲がるか、又は屈曲する遠位端部分783を有することができる。加えて、実質的に鈍頭又は丸形の緩衝器785が、各検出部材781の遠位端上に提供されてもよい。一実施形態では、緩衝器は、例えば、サノプレン(Sanoprene)、イソプレン、天然ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等から製作され得る。他の実施形態では、緩衝器785は、ライト又は発光ダイオード(LED)を備えてもよい。それらの実施形態では、導線が、ハンドルアセンブリ712内の電池又は他のエネルギー源から、検出部材781中の管腔を通って、ライト785へと延びてもよい。
【0054】
様々な非限定的な実施形態では、各検出部材770の近位端部分は、ハンドルアセンブリ712上に操作可能に支持される検出ノブ791とインターフェイスしてもよい。図32を参照されたい。外科医が検出ノブ791を第1の方向(図32の矢印793)に回転させると、検出部材781は、中心軸A−Aから離れて展開位置(図36)へと半径方向に、それらのそれぞれの管腔から出て遠位に展開する。様々な実施形態において、例えば、検出部材781の全てが、外装716内に摺動可能に支持される丸形のスリーブ(図示されず)に取り付けられてもよい。丸形のスリーブは、検出ノブ791の下面上の歯車(図示されず)と噛合により係合して受容される、そこに取り付けられた歯車ラックを更に有してもよい。検出ノブ791の1つの方向への回転は、スリーブを遠位に移動させ、したがって、検出部材781の全てを延ばす。外科医が検出ノブ791を第2の方向(図32の矢印795)に回転させるとき、検出部材781は、それらのそれぞれの検出管腔774中に、格納位置へと戻って引き寄せられる。図34を参照されたい。他のスイッチ及び駆動構成も、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、検出部材を選択的に延ばし格納するために用いられることができる。
【0055】
図33に更に見ることができるように、様々な非限定的な実施形態では、カッターハウジング800は、フック・検出ハウジング770内に同軸的に支持される。カッターハウジング800は、フック・検出ハウジング770に対して選択的に軸方向に移動するように、かつ中心軸A−Aに沿って選択的に軸方向に移動するように支持される。カッターハウジング800は、ハンドルアセンブリ712上に移動可能に支持されるナイフノブ810とインターフェイスする。図32を参照されたい。様々な非限定的な実施形態では、ナイフノブ810は、それが軸方向に移動することができ(図32の矢印812、814によって表される)、また、ハンドルアセンブリ712に対して回転させられ(図32の矢印816によって表される)得るように、ハンドルアセンブリ712上に支持される。カッターハウジング800は、ナイフノブ810の軸方向の移動が、カッターハウジング800をフック・検出ハウジング770内で軸方向に移動させ、ナイフノブ810の回転が更に、カッターハウジング800を、中心軸A−Aを中心として回転させるように、上述の様々な様式でナイフノブ810に取り付けられ得る。
【0056】
様々な非限定的な実施形態では、カッターハウジング800は、カッターハウジング800の壁部を通って軸方向に延びる、複数個のナイフ管腔802を含む。他の実施形態に関して上述されたように、複数個のナイフ管腔802は、カッターハウジング800の円周周囲に均等に離間配置されてもよい。例えば、非限定的な実施形態では、総計8つの(8)ナイフ管腔802が、カッターハウジング800の円周周囲に均等に離間配置されてもよい。図33に見ることができるように、各ナイフ管腔802は、放射状に外方向に開く、湾曲した遠位端部分804を有する。
【0057】
様々な非限定的な実施形態では、可撓性ナイフ部材820は、各ナイフ管腔802内に摺動可能に受容される。各可撓性ナイフ部材820は、上述の様々な様式でハンドル712に操作可能に装着されるナイフスイッチ830とインターフェイスする、鋭頭遠位端822及び近位端(図示されず)を有する。図32を参照されたい。遠位端822は、それが組織を穿通することを可能にするために実質的に尖頭であってよく、それは、その上に形成される少なくとも1つの切断縁部を有してもよい。ナイフスイッチ830が遠位方向(矢印832)に移動させられるとき、ナイフ部材820は、上述されたように、鋭頭遠位端822が、管腔802の湾曲した遠位端部分804から出て放射状に自然に曲がるか、又は屈曲するように、ナイフ管腔802内で遠位に移動させられる。同様に、ナイフスイッチ830の近位方向(図32の矢印834によって表される)への移動は、ナイフ部材820をそれらのそれぞれのナイフ管腔802中に戻して格納させる。様々な非限定的な実施形態では、ナイフ部材820は、例えば、ニチノール、300又は400シリーズステンレス鋼(完全又は4分の3焼入)から製作され得る。
【0058】
図33にまた見ることができるように、様々な非限定的な実施形態は、カッターハウジング800内にその中での選択的な軸方向の移動のために同軸的に支持されるアンビルシャフトアセンブリ840を更に含んでもよい。アンビルシャフトアセンブリ840は、発射シャフト750の一部分から突出する遠位端柱842を備えてもよい。遠位端柱842は、その中に、遠位端柱842から遠位に突出する遠位アンビル接続器850を支持する。アンビルシャフトアセンブリ840は、他の非限定的な実施形態に関して上述されたように、ハンドルアセンブリ712上に回転可能に支持される調整ノブ760とインターフェイスする近位端部を有する。円形ステープラー700は、図32に示されるようにアンビル170を更に含む。
【0059】
円形ステープラー700を使用する1つの代表的な方法をここで説明する。本手技を開始するために、外科医は、細長いシャフト714を、患者の肛門199を通して、結腸200の近位部分201の中に挿入する。その後、外科医は、図36及び37に図示されるように、ステープラーヘッド720の位置付けを「微調整」するために、検出部材781を延ばすことができる。これは、検出ノブ791を適切な方向に回転させることによって遂行されてもよい。緩衝器785は、結腸部分201の壁部へと放射状に押し付けられると、それらは、識別可能な隆起若しくは偏向203、又は外方向に突出する不均一な領域を作り出し、外科医に、ステープラーヘッド720が位置する場所を可視的に観察する手段を提供する。そのような識別可能な特徴は、結腸壁部の実際の解剖学的形状から区別される。実質的に鈍頭又は丸形の緩衝器は、結腸壁部を貫通又は損傷しない。そのような隆起203は、外科医がステープラーヘッド720を結腸の腫瘍又は病変部分202に対して位置付けることを可能にする。緩衝器785のうちの1つ以上がライトを備える場合、外科医は、図37に示されるように、結腸壁部を通してライトを見ることができる。
【0060】
一旦、外科医が、ステープラーヘッド720を結腸200の近位部分201内の所望の場所で位置決めすると、外科医は次いで、検出ノブ791を、検出部材781の延ばされた方向と反対の方向に回転させることによって、検出部材781をフック・検出ハウジング770中に格納することができる。捕捉フック部材780は次いで、近位結腸壁部201の隣接部分を穿通し捕捉するために、延ばすことができる。しかしながら、代替的な実施形態では、外科医は、図37に示されるように、検出部材781をそれらの延ばされた位置に維持することを選択してもよい。そうすることで、検出部材781は、結腸壁部中に、捕捉フック部材780による近位結腸壁部201の捕捉及び穿通を補助し得る、幾らかの「フープ応力」を生み出すことができる。
【0061】
捕捉フック780が近位結腸部分201に係合し、それを貫通するようにするために、外科医は、フックスイッチ790を遠位方向(図32の矢印792)に移動させることによって、フック・検出ハウジング770を遠位に前進させる。フック・検出ハウジング770の遠位方向への移動は、捕捉フック部材780をそれらのそれぞれのフック管腔772から出て軸方向に移動させる。捕捉フック部材780の遠位端がそれらのそれぞれのフック管腔772を出ると、それらは、放射状に外方向に移動して、近位結腸壁部201の隣接部分に係合し、それを穿通する。図37を参照されたい。一旦、フック部材780が近位結腸壁部201の隣接部分を穿通し、それに係合すると、外科医は、捕捉フック部材780をそれらのそれぞれのフック管腔772中に格納するため、並びにフック・検出ハウジング770をその開始位置へと戻して格納するために、フックスイッチ790を近位方向(図32の矢印794によって表される)に移動させる。捕捉フック部材780の遠位端上の返し部784は、近位結腸壁部201の係合部分を、図9に図示される位置と同様の位置へと引き寄せる。一旦、近位結腸部分201の一部分が図9に図示される位置へと引き寄せられると、外科医は次いで、円形ステープラー10に関して上述された同じ動作を行うことによって、手技を完了することができる。
【0062】
図38は、本発明の様々な非限定的な実施形態による、別の円形ステープラー900を図示する。円形ステープラー900は通常、突出する細長いシャフト914を有するハンドルアセンブリ912を含む。細長いシャフト914は、中心軸A−Aを画定し得る。図38に見ることができるように、細長いシャフト914は、遠位端917に位置するステープラーヘッド920を有する剛体の外装916を含む。様々な非限定的な実施形態では、ステープラーヘッド920は、中に円形ステープルカートリッジ930を操作可能に支持するように構成される。そのような円形ステープルカートリッジ930は、当該技術分野で既知であり、これより上に記載されたように、一般に、1つ、2つ、又は2つを超える、周囲方向に離間配置され、ずらされたステープル36の列をその中に支持し得る。従来の環状ナイフ940は、ステープラーヘッド920内に同軸的かつ移動可能に支持される。図39を参照されたい。
【0063】
円形ステープラー900は、剛体の外装916内にその中での選択的な軸方向の移動のために支持される、発射シャフト950を更に含む。図39を参照されたい。発射シャフト950の遠位端部分952は、ステープルカートリッジ930内のステープル36の外列32におけるステープル36のそれぞれとの係合のために、その上に外側ステープルドライバ部分954を有する。加えて、発射シャフト950の遠位端部分952は、ステープルカートリッジ930内のステープル36の内列34におけるステープル36のそれぞれとの係合のために構成される、内側ステープルドライバ部分956を有する。図39にまた見ることができるように、例えば、発射シャフトアセンブリ950の遠位端部分952は、環状ナイフ940に係合するように構成されるフランジ部分958を更に有する。故に、下で更に詳細に考察されることになるが、遠位方向「DD」への発射シャフト950の軸方向の前進は、ステープル36をステープルカートリッジ930から出て推進させ、加えて環状ナイフ940を遠位に前進させる。
【0064】
様々な非限定的な実施形態では、発射シャフト950は、ハンドルアセンブリ912に操作可能に連結される発射トリガー960とインターフェイスしてもよい。図38を参照されたい。図38に見ることができるように、発射トリガー960は、発射トリガー960がハンドルアセンブリ912の方へ旋回されるとき、発射シャフト950が遠位方向DDに移動するように、ハンドルアセンブリ912に枢動可能に連結されてよい。上述されたように、そのような発射トリガー構成は、当該技術分野で既知であり、したがって本明細書では詳述されない。
【0065】
図39に示されるように、様々な非限定的な実施形態はまた、中空の組織捕捉シャフト980内に同軸的に支持される中空の展開シャフト970を含んでもよい。展開シャフト970の近位端は、上述の様々な様式でハンドルアセンブリ912上に回転可能に支持されるアーム展開ノブ910に操作可能に取り付けられる。故に、ハンドルアセンブリ912上でのアーム展開ノブ910の回転は、中心軸A−Aを中心とした、展開シャフト970の回転をもたらす。より具体的にかつ図40を参照すると、様々な実施形態において、展開シャフト970の遠位端972は、組織捕捉シャフト980内の正孔982を通して突出し、そこに取り付けられた駆動歯車974を有する。組織捕捉シャフト980の遠位端984は、その上に少なくとも1つの組織捕捉部材又はアーム1000を操作可能に支持するように構成される。2つ以上の組織アーム1000が好ましい。図40に示される非限定的な実施形態では、総計4つの組織アーム1000が、対応するピン986によって組織捕捉シャフト980の遠位端984に枢動可能にピン留めされる。
【0066】
各組織アーム1000は、例えば、ステンレス鋼(300又は400シリーズ)、チタン、チタン−鋼複合材料、セラミック等から製作され得る本体部分1002を有し得、またそこに取り付けられるか、又はその上に形成される駆動歯車1004を有し得る。各組織アーム1000の駆動歯車1004は、組織捕捉シャフト980の遠位端984に形成される対応するアーム空洞988内に移動可能に支持される。各駆動歯車1004は、展開シャフト970上の駆動歯車974と噛合により係合される。故に、展開シャフト970の回転は、図41に示される格納位置から図42に示される展開位置への組織アーム1000の旋回型の展開をもたらす。様々な実施形態において、各組織アーム1000の本体部分1002は、その上に形成されるか、ないしは別の方法でそこに取り付けられる、組織穿通先端部1006を更に有してもよい。
【0067】
様々な実施形態において、ナイフシャフト1010は、展開シャフト970内に同軸的に受容され、ナイフノブ1020の回転がナイフシャフト1010の回転をもたらすように、ハンドルアセンブリ912上に回転可能に支持されるナイフノブ1020(図38)とインターフェイスする。ナイフシャフト1010は、展開シャフト970及び組織捕捉シャフト980それぞれの遠位端972、984から出て突出する遠位端1012を更に有する。図40を参照されたい。ナイフ1030は、例えば、ピン1032又は他の好適な締結具によって、ナイフシャフト1010の遠位端1012に取り外し可能に取り付けられてもよい。様々な実施形態において、ナイフ1030は、実質的に平面であり、図40に示されるように、その上に形成される正反対の組織穿通ポイント1031、1033を有する。
【0068】
図39にまた見ることができるように、様々な非限定的な実施形態は、展開シャフト970内でその中での選択的な軸方向の移動のために同軸的に延びる発射シャフト950の一部分から突出する遠位端柱442を含む、アンビルシャフトアセンブリ440を更に含んでもよい。遠位端柱442は、上述された様々な様式で、ハンドルアセンブリ312上に回転可能に支持される調整ノブ460に連結される遠位アンビル接続器450をその中に支持する。
【0069】
円形ステープラー900は、図39に示されるようにアンビル470を更に含む。様々な非限定的な実施形態では、アンビル470は、中に一連のステープル形成ポケット472を有するアンビル基底部471を含む。アンビル基底部471は、環状ナイフ940による組織の剪断を促進するための剪断縁473を更に画定し得る。アンビル470は、遠位アンビル接続器450に取り外し可能に取り付け可能なアンビルシャフト474を更に含んでもよい。特に、連結ステム476は、アンビルシャフト474の近位端475から突出し、アンビルシャフトアセンブリ450内の通路452に摺動可能に受容されるような寸法にされる。アンビル470は、図39に図示されるように、その上に、組織空洞479を中で画定する機能を果たすアンビル口金478を更に有してもよい。
【0070】
円形ステープラー900を使用する1つの代表的な方法は、図39及び43〜51を参照して記載されることになる。最初に図39を見ると、ステープラーヘッド920が、患者の肛門199を通して結腸200のような管状臓器中に挿入される。ステープラーヘッド920は、病変部分202に隣接している結腸200の近位部分201に位置する。その後、組織アーム1000は、アーム展開ノブ910を第1の方向(図38の矢印911によって表される)に回転させ、それがまた展開シャフト970を回転させることによって放射状に展開される。展開シャフト970の第1の方向への回転はまた、各組織アーム1000の駆動歯車部分1004と噛合により係合している駆動歯車974を回転させる。故に、駆動歯車974の第1の方向への回転は、組織アーム1000を放射状に展開させる。組織アーム1000が放射状に展開されると、その組織穿通先端部1006は、結腸200の近位部分201を穿通する。図44及び図45を参照されたい。外科医は次いで、組織アーム1000をそれらの格納位置(図20)に格納するために、アーム展開ノブ910を反対側の又は第2の方向(図38の矢印913によって表される)に回転させることができる。組織アーム1000が格納されると、穿通された結腸200の近位部分201は、部分201が、ステープルカートリッジ930に隣接した向かい合った位置で組織アーム1000とアームシャフト980との間で集められるように、組織アーム1000によって担持される。その後、外科医は、ナイフ1030が回転し、結腸200の病変部分202を結腸の近位部分201から分断するように、ナイフノブ1020を回転させることができる。病変部分202は、腹腔601中に位置付けられるトトロカールスリーブ(図示されず)を通して挿入される従来の腹腔鏡下組織分断器具(図示されず)を使用して、結腸の遠位部分208から横切されてもよい。病変部分202が結腸200の近位部分201及び遠位部分208から切り取られた後、病変部分202は、従来の把持器具600でトロカールスリーブを通して取り除かれることができる。図48を参照されたい。
【0071】
外科医は次いで、図49に示されるように、アンビルシャフト474のアンビルシャフト連結ステム476が結腸200の遠位部分208から出て突出するように、アンビル470を結腸200の遠位部分208内で配向させてもよい。外科医は次いで、遠位結腸部分208の端部を、当該技術分野で「引き紐縫合糸」220として知られるものを使用して、アンビルシャフト474の周囲で結んでもよい。一旦、遠位結腸部分208がアンビルシャフト474の周囲で縫合されると、アンビルシャフト474の連結ステム476は、アンビルシャフトアセンブリ450内の通路452の中に挿入される。連結ステム476は、通路452の中に連結ステム476を保持するが、なおも連結ステム476が後にそこから取り除かれることを可能にするようにその間の摩擦嵌めを確立するために、通路452に相対的な寸法にされ得る。図49を参照されたい。
【0072】
外科医は次いで、結腸200の部分205、210が、図50に示されるようにアンビル470とステープルカートリッジ930との間で締め付けられるまで、アンビル制御ノブ460を適切な方向に回転させることによって、アンビル470をステープラーヘッド920の方へ(近位方向「PD」に)引き寄せる。その後、外科医は、遠位方向「DD」へと発射シャフト950を軸方向に前進させるために、発射トリガー960を作動させる。発射シャフト950が遠位に前進させられると、ステープルドライバ部分954は、ステープル36を、結腸200の部分205、210を通してアンビル基底部471におけるアンビル形成ポケット472中へと推進する機能を果たす。発射シャフト950はまた、環状ナイフ940を前進させて、結腸部分201、207を、それぞれ結腸部分205、210から分断する。外科医は次いで、ステープル留めされた結腸部分205、210を、アンビル470とステープラーヘッド920との間から解放するために、アンビル470を遠位方向「DD」に移動させてもよい。器具900は次いで、結腸200から取り除かれてよい。図51を参照されたい。分断部分207は、アンビル空洞479内に捕獲され、分断部分201は、組織アーム1000とアームシャフト980との間に保持される。故に、結腸200の切断部分201、207は、器具900が修復された結腸から回収されるとき、そこから取り除かれる。
【0073】
外科医が身体のその領域内で上述の手技又は他の関連する手技を行う際には、隣接軟組織及び骨構造を不注意に損傷することを回避するように注意が払われるべきである。図52及び53は、結腸200に隣接している、隣接組織及び骨構造のうちの幾つかを図示する。図52において、腹膜1100は、例えば、肛門括約筋1101、仙結節靭帯1102、坐骨結節(ischtal tuberosity)1104、坐骨直腸窩1106、肛門挙筋1108、及び第3仙椎1110を図示するために切開されている。図53は、傍直腸窩1112、仙骨生殖器ひだ1114、尿管1116、精管1118、膀胱1120、膀胱傍陥凹1122、及び横膀胱ひだ(transvesical folds)1124を更に図示する。外科医はまた、横切対象の結腸の一部分200にアクセスするとき、腹膜1100の隔壁(inter wall)に沿った筋肉、神経、導管、及び動脈を損傷させないように注意深くあるべきである。
【0074】
図54〜57は、本発明の非限定的な実施形態の保護用外装1200の使用を図示する。様々な実施形態において、外装1200は、例えば、ケブラー、ポリエチレン、ナイロン等から製作され得、それが自然に巻くようになる様式で応力印加されることができる。図55を参照されたい。様々な実施形態において、外科医が外科用器具の操作可能部分(例えば、円形ステープラーのステープラーヘッド)を位置決めするのを補助するため、並びに隣接神経、導管、及び組織の偶発損傷を防止するために、測定値又は参照表示部1202が外装1200上に提供されてもよい。更に他の実施形態では、隣接した解剖学的構造及び組織を、例えば、器具部分が隣接組織、筋肉、骨、神経等と不注意に接触させられた場合に、それらを損傷させ得る器具の一部分から保護するために、外装1200は、それが器具の操作可能部分に磁気的に引き付けられることを可能にする磁気感受性フィルムから製作されてもよい。更なる代替的な実施形態では、外装1200は、ステープラーヘッドに引き付けられる磁気相互作用リング又は部分を有してもよい。故に、外装1200の少なくとも一部分は、磁気性であってもよいし、あるいは磁気物質がそこに取り付けられていてもよい。
【0075】
外装1200は、図54に示されるように、腹壁を通して腹腔中へと腹腔鏡下で挿入される従来のトロカール1250のカニューレ1252を通して設置されてもよい。従来の腹腔鏡下把持器具600を、図54及び55に示されるように使用して、外装1200をトロカールカニューレ1252から取り除いてもよい。その後、外科医は、図56に示されるように、従来の把持デバイス600を使用して、広げられた外装1200で結腸200の周囲を包んでもよい。図57は、結腸200の周囲を包んだ後、かつ円形ステープリング器具の結腸中への挿入を開始する前の、外装1200を図示する。外装の自然な巻取り性質は、それを結腸200の周囲に巻かれた配向で保持する機能を果たす。
【0076】
本発明の外装1200は、上述の実施形態のいずれかの使用中に隣接組織及び臓器を保護するために、効果的に用いられ得る。例えば、図5〜16、23〜31、36、39、及び43〜51を参照されたく、そこでは外装1200が、上述の様式で結腸200の周囲に設置されている。加えて、外装1200の非限定的な実施形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、従来の円形ステープリングデバイス等に関連して効果的に使用され得る。検出部材等の上にライトを用いるような器具の実施形態については、外装1200は、例えば、点灯された検出部材に隣接したそれらの領域において外装1200の一部分を変色させるであろう、感光性フィルムから製作されてもよい。例えば、図36に示される非限定的な実施形態を参照されたい。
【0077】
本発明の様々な実施形態は、従来の円形ステープル構成及びそれに関連する手技に対する、広範囲の改善を代表する。本発明の幾つかの実施形態について説明してきたが、これらの実施形態に対する様々な修正、変更、及び改作が、本発明の利点の一部又は全ての達成と共に当業者には思い付くことが明らかである。例えば、様々な実施形態によれば、所与の働きを成し遂げるために、単一の構成要素が複数の構成要素で置き換えられてもよく、また複数の構成要素が単一の構成要素で置き換えられてもよい。したがって、本願は添付の特許請求の範囲で定義される本開示発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、そのような全ての修正、変更、及び改作を網羅することを意図したものである。
【0078】
全体又は一部分において、本明細書に参照により組み込まれると称されるいずれの特許公報又は他の開示物も、組み込まれた事物が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれた任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込むと称されているが現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物、又はそれらの一部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0079】
本発明は、保護されることを意図したものであり、開示した特定の実施形態に限定されると解釈されるものではない。したがって、実施形態は限定的というよりはむしろ例示的なものとみなされる。変更及び変形が、本発明の趣旨から逸脱することなく他者によって行われ得る。したがって、特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれるそのような全ての均等物、変形物、及び変更物が包含されることが、明らかに意図されている。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
中心軸を画定し、中で円形ステープルカートリッジを操作可能に支持するように構成される遠位端部分を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に回転可能に支持され、前記細長いシャフトの前記遠位端部分を越えて遠位に突出する遠位部分を有する、組織捕捉シャフトと、
少なくとも1つの組織捕捉部材であって、前記少なくとも1つの組織捕捉部材が、そこへの展開動作の適用時に、格納位置から展開位置へと選択的に枢動可能であるように、前記組織捕捉シャフトの前記遠位端部分に枢動可能に取り付けられる、少なくとも1つの組織捕捉部材と、
前記少なくとも1つの組織捕捉部材に隣接して操作可能に支持された回転可能な切断部材であって、そこへの切断作動動作の適用時に、前記中心軸を中心として選択的に回転可能な、回転可能な切断部材と、
を備える、外科用器具。
(2) 前記細長いシャフト内に操作可能に支持され、各前記少なくとも1つの組織捕捉部材と操作可能にインターフェイスする、展開部材を更に備え、前記展開部材が、前記少なくとも1つの組織捕捉部材を前記格納位置と展開位置との間で移動させるように、前記展開作動動作を受容するように構成される、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記展開部材が、前記細長いシャフトを通って延び、それに対して選択的に回転可能に移動可能である、展開シャフトを備え、前記中心軸を中心とした前記展開シャフトの1つの方向への回転が前記組織捕捉部材を前記格納位置から展開位置へと旋回させ、前記中心軸を中心とした前記展開シャフトの反対方向への回転が前記組織捕捉部材を前記展開位置から前記格納位置へと旋回させるように、前記展開シャフトが、前記組織捕捉部材の各々と噛合で係合している、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 各前記組織捕捉部材上における被駆動歯車と噛合で係合している、前記展開シャフトの遠位端上における駆動歯車を更に備える、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記細長いシャフト内に回転可能に支持されるナイフシャフトを更に備え、前記ナイフシャフトが、前記回転可能な切断部材に連結される遠位端を有し、切断部材が前記中心軸を中心として回転するように、前記切断作動動作を受容するように構成される、実施態様1に記載の外科用器具。
【0081】
(6) 前記少なくとも1つの組織捕捉部材のうちの1つずつが、組織穿通先端部を有する、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記細長いシャフトの前記遠位端部分によって、それに対して選択的に軸方向に移動するように操作可能に支持される、環状切断部材を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記組織捕捉部材が前記格納位置にあるとき、前記組織捕捉部材が、前記回転可能な切断部材に隣接した前記組織捕捉シャフトの前記遠位端で、実質的に連続した円板アセンブリを形成するように、前記少なくとも1つの組織捕捉部材が、各々が弓形の本体を有する4つの組織捕捉部材を備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記切断部材が、平面刃を備え、前記平面刃が、その上に形成された少なくとも1つの切断縁部を有する、実施態様5に記載の外科用器具。
(10) 前記平面刃が、その上に形成された正反対の点を有する、実施態様9に記載の外科用器具。
【0082】
(11) 外科用器具であって、
ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから突出し、中心軸を画定する、細長いシャフトであって、前記細長いシャフトが、
締結面を有する円形ステープルカートリッジ、及び
軸方向に移動可能な切断部材を備える、ステープラーヘッド内で終結する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に操作可能に支持され、発射動作を前記円形ステープルカートリッジに適用するように配向される、発射部材と、
前記細長いシャフト内に操作可能に支持されたアンビルシャフトアセンブリであって、その遠位接続部が前記締結面に対して軸方向に移動するように、前記アンビルシャフトアセンブリを前記細長いシャフト内で軸方向に移動させるために、前記ハンドルアセンブリからの作動動作を受容するように構成される、アンビルシャフトアセンブリと、
前記アンビルシャフトアセンブリの前記遠位接続部に取り外し可能に取り付け可能な、アンビルと、
前記細長いシャフト内に回転可能に支持される、組織捕捉シャフトと、
前記組織捕捉シャフトの遠位端部分に枢動可能に取り付けられた複数個の組織捕捉部材であって、そこへの展開動作の適用時に、格納位置と展開位置との間で選択的に枢動可能な、複数個の組織捕捉部材と、
前記組織捕捉部材に隣接して操作可能に支持された回転可能な切断部材であって、そこへの切断作動動作の適用時に、前記中心軸を中心として選択的に回転可能な、回転可能な切断部材と、
を備える、外科用器具。
(12) 各前記組織捕捉部材が、その上に形成された組織穿通捕捉先端部を有する、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 管状臓器の円形吻合を行うための外科的手技であって、前記外科的手技が、
外科用器具のステープラーヘッドを、前記管状臓器中にその標的部分に隣接して挿入することであって、前記ステープラーヘッドがその中にステープルカートリッジを操作可能に支持し、前記ステープルカートリッジが遠位面を有する、挿入することと、
前記標的部分に隣接している前記管状臓器の近位部分を、前記外科用器具の複数個の組織捕捉部材で捕捉することと、
前記管状臓器の前記近位部分を、前記ステープルカートリッジの前記遠位面に隣接して保持することと、
前記管状臓器の前記標的部分を、前記保持された近位部分から回転可能に分断することと、
前記管状臓器の前記標的部分を、前記管状臓器の遠位部分から分断することと、
アンビルを、前記アンビルの接続部が、前記管状臓器の前記遠位部分の開放端部から出て近位に突出するように、前記管状臓器の前記遠位部分内に挿入することと、
前記管状臓器の前記遠位部分を前記アンビルに固定することと、
前記アンビルの前記接続部を前記外科用器具に連結することと、
前記管状臓器の前記遠位部分の近位端及び前記管状臓器の前記保持された近位部分が、相互に隣接し、前記アンビルと前記締結面との間で捕獲されるように、前記アンビルを前記ステープラーヘッドの方へ近位に引き出すことと、
前記遠位部分の前記近位端及び前記保持された近位部分を一緒にステープル留めして、修復された管状臓器を形成することと、
前記ステープルに隣接する前記遠位部分の前記近位端及び保持された近位部分を貫通して切断することと、
を含む、外科的手技。
(14) 前記捕捉することが、複数個の組織捕捉アームを格納位置から展開位置へと放射状に展開させることを含み、各捕捉アームの組織穿通端が、前記管状臓器の前記近位部分を通して穿刺する、実施態様13に記載の外科的手技。
(15) 前記保持することが、前記捕捉アームをそれらのそれぞれの格納位置へと格納して、前記管状臓器の前記穿通された近位部分を、前記格納された捕捉アームとそこに取り付けられた捕捉シャフトとの間で捕らえることを含む、実施態様14に記載の外科的手技。
【0083】
(16) 前記分断することが、切断部材を前記格納された捕捉アームに隣接して回転させることを含む、実施態様15に記載の外科的手技。
(17) 前記管状臓器の前記遠位部分を前記アンビルに前記固定することが、前記接続部の近位端部分が、前記管状臓器の前記遠位部分の前記開放端部から出て近位に突出するように、前記管状臓器の前記遠位部分を、前記アンビルの前記接続部に縫合することを含む、実施態様13に記載の外科的手技。
(18) 前記遠位部分の前記近位端及び前記保持された近位部分を貫通して切断することが、前記保持された近位部分の内部をその外側のステープル留めされた部分から分断するため、及び前記遠位部分の前記近位端の内部をその外側のステープル留めされた部分から分断するために、環状切断部材を、前記保持された近位部分及び前記遠位部分の前記近位端を通して軸方向に前進させることを含む、実施態様13に記載の外科的手技。
(19) 前記保持された近位部分の前記分断された内部を、前記修復された管状臓器から除去することと、
前記遠位結腸部分の前記近位端の前記分断された内部を、前記修復された管状臓器から除去することと、を更に含む、実施態様18に記載の外科的手技。
(20) 前記保持された近位部分の前記分断された内部を、共に回収されるように前記外科用器具と係合して保持することと、
前記遠位結腸部分の前記近位端の前記分断された内部を、前記修復された管状臓器から共に回収されるように、前記アンビル内に捕獲することと、を更に含む、実施態様19に記載の外科的手技。
図1
図1A
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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