(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1サーボモータを搭載する第1機構部の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である共通エリアに、作業者が侵入したことを検出する侵入検出センサと、
直流を交流に変換し、変換した交流を前記第1サーボモータに供給することによって、前記第1サーボモータを駆動する第1逆変換器と、
直流を交流に変換し、変換した交流を、可動範囲が前記共通エリアと重複しない第2機構部に搭載される第2サーボモータに供給することによって、前記第2サーボモータを駆動する第2逆変換器と、
前記逆変換器への直流の供給を遮断する電源遮断回路と、
安全信号を受信しているときは交流を第1サーボモータに供給するように前記第1逆変換器を制御し、前記安全信号を受信していないときは交流を前記第1サーボモータに供給しないように前記第1逆変換器を制御する第1サーボモータ制御回路と、
安全信号を受信しているときは交流を第2サーボモータに供給するように前記第2逆変換器を制御し、前記安全信号を受信していないときは交流を前記第2サーボモータに供給しないように前記第2逆変換器を制御する第2サーボモータ制御回路と、
前記侵入検出センサが共通エリアに作業者が侵入したことを検出したときに、前記第1サーボモータ制御回路への前記安全信号の送信を停止することによって、前記第1サーボモータを停止し、前記電源遮断回路及び前記安全信号及び前記第1サーボモータ制御回路及び前記第2サーボモータ制御回路の少なくとも1つが正常でないと判定したときに、前記電源遮断回路によって前記逆変換器への直流の供給を遮断し、かつ前記第1サーボモータ制御回路及び第2サーボモータ制御回路への前記安全信号の送信を停止することによって、前記第1サーボモータ及び前記第2サーボモータを停止するサーボモータ監視回路と、
を有することを特徴とする生産システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図面を参照して、本発明によるサーボモータ制御装置及び該制御装置を備えた生産システムについて、第1〜第5の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、図面又は以下に説明される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施例によるサーボモータ制御装置を示すブロック図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。
【0027】
本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1は、第1サーボアンプ10と、第2サーボアンプ20と、電磁接触器30と、サーボモータ監視回路40とを有する。
【0028】
第1サーボアンプ10は、順変換器11と、逆変換器121〜126と、サーボモータ制御回路13とを有する。順変換器11は、整流器111と、コンデンサ112とを有し、三相の交流入力電源60から入力された交流を直流に変換して出力する。逆変換器121〜126のそれぞれは、順変換器11が出力した直流を交流に変換して、第1機構部61にそれぞれ搭載されるサーボモータ611〜616に出力する。サーボモータ制御回路13は、逆変換器121〜126のそれぞれにパルス幅変調信号を出力して、サーボモータ611〜616のそれぞれを制御する。
【0029】
図2は、サーボモータ制御回路13を示すブロック図である。
【0030】
サーボモータ制御回路13は、第1入力回路131と、第2入力回路132と、インタフェース回路133と、サーボモータ制御回路134と、フォトカプラであるモニタ信号送信器135とを有する。
【0031】
第1入力回路131は、フォトカプラである第1安全信号受信器1311と、第1リレー1312と、第11抵抗1313と、第12抵抗1314と、フォトカプラである第1パルス幅変調信号送信器1315とを有する。第1安全信号受信器1311は、入力された第1安全信号を第1リレー1312及びインタフェース回路133のそれぞれに出力する。第1リレー1312は、第1安全信号が入力されているときオンし、第1安全信号が入力されていないときオフする。第1リレー1312は、オンしているとき、パルス幅変調信号が伝送される3相の第1信号線に第11抵抗1313を介して電源電圧を供給し、オフしているとき、パルス幅変調信号が伝送される3相の第1信号線への電源電圧の供給を遮断する。第1パルス幅変調信号送信器1315は、3相の第1信号線を介して伝送されるパルス幅変調信号を逆変換器121〜126のそれぞれに出力する。
【0032】
第2入力回路132は、フォトカプラである第2安全信号受信器1321と、第2リレー1322と、第21抵抗1323と、第22抵抗1324と、フォトカプラである第2パルス幅変調信号送信器1325とを有する。第2安全信号受信器1321は、受信した第2安全信号を第2リレー1322及びインタフェース回路133のそれぞれに出力する。第2リレー1322は、第2安全信号を受信しているときオンし、第2安全信号を受信していないときオフする。第2リレー1322は、オンしているとき、パルス幅変調信号が伝送される3相の第2信号線に第21抵抗1323を介して電源電圧を供給し、オフしているとき、パルス幅変調信号が伝送される3相の第2信号線への電源電圧の供給を遮断する。第2パルス幅変調信号送信器1325は、3相の第2信号線を介して伝送されるパルス幅変調信号を逆変換器121〜126のそれぞれに送信する。
【0033】
インタフェース回路133は、サーボモータ制御回路134から受信したパルス幅変調信号を第1信号線及び第2信号線にオープンコレクタ出力する。パルス幅変調信号は、インタフェース回路133からオープンコレクタ出力されるので、第1リレー1312がオフしているときには、パルス幅変調信号は第1パルス幅変調信号送信器1315に伝送されない。また、第2リレー1322がオフしているときには、パルス幅変調信号は第2パルス幅変調信号送信器1325に伝送されない。インタフェース回路133は、第1安全信号、第2安全信号、並びに第1リレー1312及び第2リレー1322のオンオフ状態を示す信号をサーボモータ制御回路134に送信する。
【0034】
サーボモータ制御回路134は、CPU(Central Processing Unit)であり、サーボモータ611〜616を駆動するために、所定の制御プログラムに従って、パルス幅変調信号を出力する等の種々の処理を実行する。また、サーボモータ制御回路134は、第1入力回路131、第2入力回路132、インタフェース回路133及びサーボモータ制御回路134等で故障が発生した場合、インタフェース回路133及びモニタ信号送信器135を介してモニタ信号を送信する。また、サーボモータ制御回路134は、第1安全信号と第2安全信号とが一致しているか否かを判定し、第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定したとき、インタフェース回路133及びモニタ信号送信器135を介してモニタ信号を送信する。
【0035】
サーボモータ制御回路13は、第1安全信号及び第2安全信号が入力される通常動作時には、順変換器11から直流が入力される逆変換器121〜126のそれぞれにパルス幅変調信号を送信して、サーボモータ611〜616のそれぞれを駆動する。サーボモータ制御回路13は、第1安全信号又は第2安全信号の何れかの送信が停止されると、パルス幅変調信号を伝送する信号線への電源電圧の供給を遮断して、インタフェース回路133からオープンコレクタ出力されるパルス幅変調信号の伝送を停止する。また、サーボモータ制御回路13は、第1サーボアンプ10の内部で故障が発生したとき、及び第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定したときに、モニタ信号を送信する。
【0036】
第2サーボアンプ20は、第1サーボアンプ10に配置された順変換器11が出力した直流を交流に変換して、第2機構部62にそれぞれ搭載されるサーボモータ621〜628に出力する逆変換器221〜228を有する。また、第2サーボアンプ20は、逆変換器221〜228のそれぞれにパルス幅変調信号を出力して、サーボモータ621〜628のそれぞれを制御するサーボモータ制御回路23を更に有する。
【0037】
サーボモータ制御回路23は、第1入力回路231と、第2入力回路232と、インタフェース回路233と、サーボモータ制御部234と、モニタ信号送信器235(図示しない)を有する。サーボモータ制御回路23の構成素子のそれぞれは、駆動するサーボモータの数が相違する以外は、サーボモータ制御回路13の構成素子のそれぞれと同様な構造及び機能を有する。
【0038】
電磁接触器30は、主接点301と、主接点301に機械的に連動する補助接点302と、主接点301を開閉する操作コイル303とを有する。電磁接触器30は、閉動作する指示を示す閉信号を操作コイル303に受信すると、主接点301を閉じて電源60と順変換器11とを電気的に接続する。また、電磁接触器30は、開動作する指示を示す開信号を操作コイル303に受信すると、主接点301を開いて電源60と順変換器11との電気的接続を切断すると、逆変換器121〜126及び221〜228への直流の供給が遮断される。
【0039】
サーボモータ監視回路40は、第1演算回路51及び第2演算回路52を有する。第1演算回路51及び第2演算回路52は、第1機構部61及び第2機構部62の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である第1共通エリアに作業者が侵入したことを検出する人感センサ70に接続される。また、第1演算回路51及び第2演算回路52は、相互に動作状態を監視する機能を有する。
【0040】
第1演算回路51は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれに第1安全信号を送信することができる。また、第1演算回路51は、電磁接触器30の補助接点302等を監視することによって電磁接触器30が正常であるか否かを判定することができる。また、第1演算回路51は、電磁接触器30の操作コイル303に閉信号及び開信号を送信することができる。また、第1演算回路51は、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信する指示を示す電源開指令信号を第2演算回路52から受信することができる。
【0041】
第1演算回路51は、第1共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ70から受信すると、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616及び621〜628を停止すると判定する。第1演算回路51は、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616及び621〜628を停止すると判定すると、第1サーボアンプ
10及び第2サーボアンプ20の双方への第1安全信号の送信を停止する。
【0042】
第1演算回路51は、侵入信号を人感センサ70から受信したのちに、侵入信号を人感センサ70から受信し続けているか否かを判定する。侵入信号を人感センサ70から受信したのちに侵入信号を人感センサ70から受信し続けている場合、第1演算回路51は、作業者の第1共通エリアへの侵入が継続していると判定する。侵入信号を人感センサ70から受信したのちに侵入信号を人感センサ70から受信しなくなると、第1演算回路51は、作業者の第1共通エリアへの侵入が終了したと判定する。第1演算回路51は、作業者の第1共通エリアへの侵入が終了したと判定し、第1サーボアンプ
10及び第2サーボアンプ20の双方への第1安全信号の送信を再開する。
【0043】
第1演算回路51は、電磁接触器
30が正常でないことを示す電磁接触器モニタ信号を電磁接触器30の補助接点302等から受信すると、電磁接触器30が正常ではないと判定する。第1演算回路51は、電磁接触器30が正常ではないと判定すると、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の双方への第1安全信号の送信を停止すると共に、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信する。また、第1演算回路51は、電源開指令信号を第2演算回路52から受信すると、第1サーボアンプ10又は第2サーボアンプ20の内部で故障が発生した、若しくは第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定する。次いで、第1演算回路51は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の双方への第1安全信号の送信を停止すると共に、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信する。
【0044】
第2演算回路52は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれに第2安全信号を送信することができる。また、第2演算回路52は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれからモニタ信号を受信することができる。また、第2演算回路52は、第1演算回路51に電源開指令信号を送信することができる。
【0045】
第2演算回路52は、第1共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ70から受信すると、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616及び621〜628を停止すると判定する。第2演算回路52は、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616及び621〜628を停止すると判定すると、第1サーボアンプ
10及び第2サーボアンプ20の双方への第2安全信号の送信を停止する。
【0046】
第2演算回路52は、侵入信号を人感センサ70から受信したのちに、侵入信号を人感センサ70から受信し続けているか否かを判定する。侵入信号を人感センサ70から受信したのちに侵入信号を人感センサ70から受信し続けている場合、第2演算回路52は、作業者の第1共通エリアへの侵入が継続していると判定する。侵入信号を人感センサ70から受信したのちに侵入信号を人感センサ70から受信しなくなると、第2演算回路52は、作業者の第1共通エリアへの侵入が終了したと判定する。第2演算回路52は、作業者の第1共通エリアへの侵入が終了したと判定し、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の双方への第2安全信号の送信を再開する。
【0047】
また、第2演算回路52は、モニタ信号を第1サーボアンプ10又は第2サーボアンプ20から受信すると、第1サーボアンプ10又は第2サーボアンプ20の内部で故障が発生した、若しくは第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定する。次いで、第2演算回路52は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の双方への第2安全信号の送信を停止すると共に、第1演算回路51に電源開指令信号を送信する。
【0048】
電源60は、電気的接続が電磁接触器30によって開閉される3相の電源線を介して、3相交流を順変換器11に供給する。第1機構部61は、サーボモータ611〜616を搭載し、所定の可動範囲内を移動することができる。第2機構部62は、サーボモータ621〜628を搭載し、所定の可動範囲内を移動することができる。
【0049】
人感センサ70は、一例ではライトカーテンであり、第1機構部61及び第2機構部62の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である第1共通エリアに作業者が侵入したことを検出する。
【0050】
図3は、サーボモータ制御装置1の処理フローを示すフローチャートである。
【0051】
まず、サーボモータ監視回路40は、電磁接触器30が正常であるか否かを判定し、正常と判定された場合は、電磁接触器30の閉動作等によりサーボモータ制御装置1の電源がオンして処理が開始される(フローチャート中に図示しない)。サーボモータ制御装置1の電源がオンされると、ステップS101において、サーボモータ監視回路40は、第1安全信号及び第2安全信号を第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれに送信する。より具体的には、サーボモータ監視回路40の第1演算回路51は第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれに第1安全信号を送信し、第2演算回路52は第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれに第2安全信号を送信する。
【0052】
ステップS111において、第1サーボアンプ10は、第1安全信号及び第2安全信号を受信すると、サーボモータ611〜616を駆動するために、パルス幅変調信号の送信を開始する。また、ステップS121において、第2サーボアンプ20は、第1安全信号及び第2安全信号を受信すると、サーボモータ621〜628を駆動するために、パルス幅変調信号の送信を開始する。
【0053】
次いで、ステップS102において、サーボモータ監視回路40は、電磁接触器30が正常であるか否かを判定する。具体的には、サーボモータ監視回路40の第1演算回路51は、電磁接触器
30が正常でないことを示す電磁接触器モニタ信号を電磁接触器30の補助接点302等から受信しているか否かと判定する。電磁接触器モニタ信号を電磁接触器30の補助接点302等から受信しておらず、サーボモータ監視回路40が電磁接触器30は正常であると判定したとき、処理はステップS103に進む。また、電磁接触器モニタ信号を電磁接触器30の補助接点302等から受信しており、サーボモータ監視回路40が電磁接触器30は正常でないと判定したとき、処理はステップS108に進む。
【0054】
処理がステップS103に進むと、サーボモータ監視回路40は、第1サーボアンプ10が正常であるか否かを判定する。具体的には、サーボモータ監視回路40の第2演算回路52は、第1サーボアンプ10からモニタ信号を受信しているか否かを判定する。第1サーボアンプ10からモニタ信号を受信しておらず、サーボモータ監視回路40が第1サーボアンプ10は正常であると判定したとき、処理はステップS104に進む。また、第1サーボアンプ10からモニタ信号を受信しており、サーボモータ監視回路40が第1サーボアンプ10は正常でないと判定したとき、処理はステップS108に進む。
【0055】
処理がステップS104に進むと、サーボモータ監視回路40は、第2サーボアンプ20が正常であるか否かを判定する。具体的には、サーボモータ監視回路40の第2演算回路52は、第2サーボアンプ20からモニタ信号を受信しているか否かを判定する。第2サーボアンプ20からモニタ信号を受信しておらず、サーボモータ監視回路40が第2サーボアンプ20は正常であると判定したとき、処理はステップS105に進む。また、第
2サーボアンプ
20からモニタ信号を受信しており、サーボモータ監視回路40が第2サーボアンプ20は正常でないと判定したとき、処理はステップS108に進む。
【0056】
処理がステップS105に進むと、サーボモータ監視回路40は、第1機構部61及び第2機構部62の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である第1共通エリアに作業者が侵入したか否かを判定する。具体的には、サーボモータ監視回路40の第1演算回路51及び第2演算回路52のそれぞれは、第1共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ70から受信しているか否かを判定する。サーボモータ監視回路40が第1共通エリアに作業者が侵入したと判定したとき、処理はステップS106に進む。また、サーボモータ監視回路40が第1共通エリアに作業者が侵入していないと判定したとき、処理はステップS102に戻る。
【0057】
サーボモータ監視回路40は、ステップS105において、作業者が第1共通エリアに侵入したと判定するまで、ステップS102〜S105の処理を繰り返して、第1サーボアンプ10、第2サーボアンプ20及び電磁接触器30が正常であるか否かを判定する。
【0058】
一方、第1サーボアンプ10では、ステップS111において、パルス幅変調信号の送信を開始すると、処理は、ステップS112に進む。ステップS112において、第1サーボアンプ10は、第1サーボアンプ10の内部で故障が発生しているか否かを判定すると共に、第1演算回路51から受信した第1安全信号と第2演算回路52から受信した第2安全信号とが一致しているか否かを判定する。第1サーボアンプ10は、ステップS112において、第1サーボアンプ10の内部で故障が発生していると判定する、又は第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定するまで、パルス幅変調信号を送信している間はステップS112の処理を繰り返す。ステップS112において、第1サーボアンプ10が、第1サーボアンプ10の内部で故障が発生していると判定する、又は第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定すると、処理は、ステップS113に進む。次いで、ステップS113において、第1サーボアンプ10は、モニタ信号をサーボモータ監視回路40に送信し、処理は、ステップS103に進む。
【0059】
同様に、第2サーボアンプ20では、ステップS121において、パルス幅変調信号の送信を開始すると、処理は、ステップS122に進む。ステップS122において、第2サーボアンプ20は、第2サーボアンプ20の内部で故障が発生しているか否かを判定すると共に、第1安全信号と第2安全信号とが一致しているか否かを判定する。第2サーボアンプ20は、ステップS122において、第2サーボアンプ20の内部で故障が発生していると判定する、又は第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定するまで、パルス幅変調信号を送信している間はステップS122の処理を繰り返す。ステップS122において、第2サーボアンプ20が、第2サーボアンプ20の内部で故障が発生していると判定する、又は第1安全信号と第2安全信号とが一致していないと判定すると、処理は、ステップS123に進む。次いで、ステップS123において、第2サーボアンプ20は、モニタ信号をサーボモータ監視回路40に送信し、処理は、ステップS104に進む。
【0060】
ステップS105において、サーボモータ監視回路40が第1共通エリアに作業者が侵入したと判定して、処理がステップS106に進むと、サーボモータ監視回路40は、第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。より具体的には、サーボモータ監視回路40の第1演算回路51は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20のそれぞれへの第1安全信号の送信を停止する。また、サーボモータ監視回路40の第2演算回路52は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20への第2安全信号の送信を停止する。
【0061】
第1安全信号及び第2安全信号の送信が停止すると、ステップS114において、第1サーボアンプ10は、パルス幅変調信号の送信を停止して、サーボモータ611〜616を停止する。同様に、ステップS124において、第2サーボアンプ20は、パルス幅変調信号の送信を停止して、サーボモータ621〜628を停止する。
【0062】
次いで、ステップS107において、サーボモータ監視回路40は、第1共通エリアに侵入した作業者が第1共通エリアから立ち去ったか否かを判定する。サーボモータ監視回路40は、第1共通エリアに侵入した作業者が第1共通エリアから立ち去ったと判定するまで、ステップS107の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS107において、サーボモータ監視回路40が、第1共通エリアに侵入した作業者が第1共通エリアから立ち去ったと判定すると、処理はステップS102に戻る。そして、第1サーボアンプ10、第2サーボアンプ20及び電磁接触器30の何れかが正常でないと判定されるまで、サーボモータ監視回路40は、ステップS102〜S107の処理を繰り返す。第1サーボアンプ10、第2サーボアンプ20及び電磁接触器30の何れかが正常でないと判定されると、処理は、ステップS108に進む。
【0064】
ステップS108において、サーボモータ監視回路40は、ステップS106の処理と同様に、第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。
【0065】
次いで、ステップS109において、サーボモータ監視回路40は、電磁接触器30の主接点
301を開動作して電源60と順変換器11との間の電気的接続を切断する。より具体的には、サーボモータ監視回路40の第1演算回路51は、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信する。
【0066】
サーボモータ制御装置1では、サーボモータ監視回路40は、第1共通エリアに作業者が侵入したと判定したときに、パルス幅変調信号の送信を停止することにより、電磁接触器30を開動作することなく、サーボモータを停止する。サーボモータを停止するときに、電磁接触器30を開動作して電源60と順変換器11との接続を切断することがないので、サーボモータ制御装置1では、順変換器11のコンデンサ112が放電されず、迅速な再起動が可能である。また、電磁接触器30の動作回数も低く抑えられるため、電磁接触器30及び電磁接触器30を動作させるためのリレー回路等を交換する交換周期を比較的長くすることができる。
【0067】
図4は、本発明の第2の実施例によるサーボモータ制御装置を示すブロック図である。
【0068】
本発明の第2の実施例に係るサーボモータ制御装置2は、サーボモータ監視回路40の代わりにサーボモータ監視回路41が配置されることが、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1と相違する。
【0069】
サーボモータ監視回路41は、第1演算回路51及び第2演算回路52の代わりに、第1演算回路53及び第2演算回路54が配置されることがサーボモータ監視回路40と相違する。また、サーボモータ監視回路41は、人感センサ70の代わりに人感センサ71が接続されることがサーボモータ監視回路40と相違する。サーボモータ監視回路41に接続される人感センサ71が検出する領域は、サーボモータ監視回路40に接続される人感センサ70が検出する領域と相違する。サーボモータ監視回路40に接続される人感センサ70が検出する第1共通エリアは、第1機構部61及び第2機構部62の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である。一方、サーボモータ監視回路41に接続される人感センサ71が検出する第2共通エリアは、第1機構部61の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とが重複する領域である。サーボモータ制御装置2では、第2機構部6
2の可動範囲と、作業者が作業する作業範囲とは重複しないので、第2機構部6
2の可動範囲は、第2共通エリアに含まれない。
【0070】
第1演算回路53は、第2共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ71から受信すると、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616を停止すると判定し、第1サーボアンプ10への第1安全信号の送信を停止するが、サーボモータ621〜628は停止しないため、第2サーボアンプ20への第1安全信号の送信は停止しない。
【0071】
第2演算回路5
4は、第2共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ71から受信すると、作業者の安全を担保するためにサーボモータ611〜616を停止すると判定し、第1サーボアンプ10への第2安全信号の送信を停止するが、サーボモータ621〜628は停止しないため、第2サーボアンプ20への第2安全信号の送信は停止しない。
【0072】
図5は、サーボモータ制御装置2の処理フローを示すフローチャートである。
【0073】
サーボモータ監視回路41のステップS201〜S205及びS207〜S209の処理のそれぞれは、
図3に示すサーボモータ監視回路40のステップS101〜S105及びS107〜S109の処理のそれぞれと対応する。第1サーボアンプ10のステップS211〜S215の処理のそれぞれは、
図3に示すステップS111〜S115の処理のそれぞれと対応する。第2サーボアンプ20のステップS221〜S223及び
S225の処理のそれぞれは、
図3に示すステップS121〜S123及びS125の処理のそれぞれと対応する。
【0074】
ステップS205において、作業者が第2共通エリアに侵入したと判定して、処理がステップS206に進むと、サーボモータ監視回路41は、第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。より具体的には、サーボモータ監視回路4
1の第1演算回路5
3は第1サーボアンプ10への第1安全信号の送信を停止し、第2演算回路5
4は第1サーボアンプ10への第2安全信号の送信を停止する。
【0075】
第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信が停止すると、ステップS214において、第1サーボアンプ10は、パルス幅変調信号の送信を停止して、サーボモータ611〜616を停止する。一方、第2サーボアンプ20には第1安全信号及び第2安全信号が送信され続けるので、第2サーボアンプ20は、パルス幅変調信号を送信して、サーボモータ621〜628の駆動を継続する。
【0076】
サーボモータ制御装置2では、第2共通エリアに作業者が侵入したと判定したときに、サーボモータ監視回路41は、第2共通エリアに可動範囲が含まれる第1機構部61に配置されるサーボモータ611〜616を停止する。一方、第2共通エリアに作業者が侵入したと判定した場合でも、サーボモータ監視回路41は、第2共通エリアに可動範囲が含まれない第2機構部62に配置されるサーボモータ621〜628の駆動を継続する。サーボモータ制御装置2では、第2共通エリアに可動範囲が含まれない第2機構部62に配置されるサーボモータ621〜628の駆動を継続するので、生産システムの作業効率の低下を最小限にすることができる。
【0077】
図6は、本発明の第3の実施例によるサーボモータ制御装置を示すブロック図である。
【0078】
本発明の第3の実施例に係るサーボモータ制御装置3は、サーボモータ監視回路41の代わりにサーボモータ監視回路42が配置されることが、本発明の第2の実施例に係るサーボモータ制御装置2と相違する。
【0079】
サーボモータ監視回路42は、第1演算回路53及び第2演算回路54の代わりに、第1演算回路55及び第2演算回路56が配置されることがサーボモータ監視回路41と相違する。また、サーボモータ監視回路42は、サーボモータ611の位置を検出するモータ位置検出センサ72が更に接続されることがサーボモータ監視回路41と相違する。
【0080】
モータ位置検出センサ72は、一例ではロータリエンコーダであり、サーボモータ611〜616およびサーボモータ621〜628に取り付けられ、各サーボモータの位置を検出するセンサである。
【0081】
第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、第2共通エリアに作業者が侵入したことを示す侵入信号を人感センサ71から受信すると、検出した位置情報を示す位置信号をモータ位置検出センサ72から受信する。次いで、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、受信した位置信号に対応する位置情報から第1機構部61の位置を示す位置情報を演算する。次いで、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、双方が演算した位置情報を交換して、双方が演算した位置情報が正当であることを確認する。
【0082】
演算した位置情報が正当であると第1演算回路55及び第2演算回路56の双方が確認すると、第1演算回路55及び第2演算回路56の双方は、演算した第1機構部61の位置情報が示す位置が第2共通エリアに含まれることにより干渉しているか否かを判定する。演算した第1機構部61の位置情報が示す位置が第2共通エリアに干渉していると判定すると、第1演算回路55は第1サーボアンプ10への第1安全信号の送信を停止する。また、演算した第1機構部61の位置が第2共通エリアに干渉していると判定すると、第2演算回路56は第1サーボアンプ10への第2安全信号の送信を停止する。
【0083】
図7は、サーボモータ制御装置3の処理フローを示すフローチャートである。
【0084】
サーボモータ監視回路42のステップS301〜S305及びS309〜S3011の処理のそれぞれは、
図5に示すサーボモータ監視回路41のステップS201〜S205及びS207〜S209の処理のそれぞれと対応する。第1サーボアンプ10のステップS311〜S315の処理のそれぞれは、
図5に示すステップS211〜S215の処理のそれぞれと対応する。第2サーボアンプ20のステップS321〜S323及び
S325の処理のそれぞれは、
図5に示すステップS221〜S223及びS225の処理のそれぞれと対応する。
【0085】
ステップS305において、作業者が第2共通エリアに侵入したと判定して、処理がステップS306に進むと、サーボモータ監視回路42は、第1機構部61の位置情報を演算する。より具体的には、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、モータ位置検出センサ72が検出した位置情報を示す位置信号を受信する。次いで、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、受信した位置信号に対応する位置情報から第1機構部61の位置を示す位置情報を演算する。次いで、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、双方が演算した位置情報を交換して、双方が演算した位置情報が正当であることを確認する。
【0086】
次いで、ステップS307において、サーボモータ監視回路42は、第1機構部61が第2共通エリアに含まれることによって、作業者と干渉するおそれがあるかを判定する。より具体的には、第1演算回路55及び第2演算回路56はそれぞれ、ステップS306で演算した第1機構部61の位置情報が示す位置が第2共通エリアに含まれているか否かを判定する。演算した第1機構部61の位置情報が示す位置が第2共通エリアに含まれておらず、第1機構部61が作業者と干渉するおそれがないと判定し、処理はステップS302に戻る。演算した第1機構部61の位置情報が示す位置が第2共通エリアに含まれており、第1機構部61が作業者と干渉するおそれがあると判定し、処理はステップS308に進む。
【0087】
処理がステップS308に進むと、第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。より具体的には、サーボモータ監視回路4
2の第1演算回路5
5は第1サーボアンプ10への第1安全信号の送信を停止し、第2演算回路5
6は第1サーボアンプ10への第2安全信号の送信を停止する。
【0088】
第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信が停止すると、ステップS314において、第1サーボアンプ10は、パルス幅変調信号の送信を停止して、サーボモータ611〜616を停止する。
【0089】
サーボモータ制御装置3では、サーボモータ監視回路42は、第2共通エリアに作業者が侵入したと判定したときに、第1機構部61が作業者と干渉するか否かを判定する。サーボモータ監視回路42が、第1機構部61が作業者と干渉すると判定した場合、第1機構部61に配置されるサーボモータ611〜616を停止する。一方、サーボモータ監視回路42が、第1機構部61が作業者と干渉しないと判定した場合、第1機構部61に配置されるサーボモータ611〜616の駆動を継続する。サーボモータ制御装置3では、第1機構部61が作業者と干渉しないと判定した場合に第1機構部61に配置されるサーボモータ611〜616の駆動を継続するので、生産システムの作業効率を向上させることができる。
【0090】
図8は、本発明の第4の実施例によるサーボモータ制御装置を示すブロック図である。
【0091】
本発明の第4の実施例に係るサーボモータ制御装置4は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の代わりに第1サーボアンプ810及び第2サーボアンプ820が配置されることが、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1と相違する。また、本発明の第4の実施例に係るサーボモータ制御装置4は、サーボモータ監視回路40の代わりにサーボモータ監視回路43が配置されることが、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1と相違する。
【0092】
第1サーボアンプ810は、ブレーキ制御回路136を有することが第1サーボアンプ10と相違する。ブレーキ制御回路136は、ブレーキ631〜636を制御するために、所定の制御プログラムに従って種々の処理を実行する。ブレーキ631〜636はそれぞれ、ブレーキ制御回路136の指示に基づいて、第1機構部861に配置されるサーボモータ611〜616の駆動を停止する機能を有する。ブレーキ631〜636は、サーボモータ611〜616の回生エネルギを使用してサーボモータ611〜616を停止する回生ブレーキ、又は機械的な摩擦力を使用してサーボモータ611〜616を停止する電磁ブレーキである。
【0093】
ブレーキ制御回路136は、ブレーキ631〜636のそれぞれが正常であるか否かを判定し、ブレーキ631〜636の何れかが正常でないと判定したとき、ブレーキモニタ信号を送信する。
【0094】
第2サーボアンプ820は、ブレーキ制御回路236を有することが第2サーボアンプ20と相違する。ブレーキ制御回路236は、ブレーキ641〜648を制御するために、所定の制御プログラムに従って種々の処理を実行する。ブレーキ641〜648はそれぞれ、ブレーキ制御回路236の指示に基づいて、第2機構部862に配置されるサーボモータ621〜628の駆動を停止する機能を有する。ブレーキ641〜648は、サーボモータ621〜628の回生エネルギを使用してサーボモータ621〜628を停止する回生ブレーキ、又は機械的な摩擦力を使用してサーボモータ621〜628を停止する電磁ブレーキである。
【0095】
ブレーキ制御回路236は、ブレーキ641〜648のそれぞれが正常であるか否かを判定し、ブレーキ641〜648の何れかが正常でないと判定したとき、ブレーキモニタ信号を送信する。
【0096】
サーボモータ監視回路43は、第2演算回路852が第2演算回路52の代わりに配置されることが、サーボモータ監視回路40と相違する。第2演算回路852は、第2演算回路52の機能に加えて、ブレーキ631〜636又は641〜648で故障が発生したときにサーボモータを停止する機能を有する。第2演算回路852は、モニタ信号及びブレーキモニタ信号を第1サーボアンプ
810及び第2サーボアンプ
820のそれぞれから受信することができる。第2演算回路852は、ブレーキモニタ信号を第1サーボアンプ
810又は第2サーボアンプ
820から受信すると、ブレーキ631〜636又は641〜648で故障が発生したと判定する。次いで、第2演算回路852は、第1演算回路851に電源開指令信号を送信する。次いで、第1演算回路851及び第2演算回路852は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の双方への第1安全信号の送信を停止する。また、第1演算回路851は、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信し、開信号を受信した電磁接触器30は、主接点
301を開動作して電源60と順変換器11との間の電気的接続を切断する。
【0097】
図9は、サーボモータ制御装置4の処理フローを示すフローチャートである。
【0098】
サーボモータ監視回路43のステップS401〜S404及びS406〜S4010の処理のそれぞれは、
図3に示すサーボモータ監視回路40のステップS101〜S104及びS10
5〜S109の処理のそれぞれと対応する。第1サーボアンプ810のステップS411、
S412、
S414、及び
S416〜S417の処理のそれぞれは、
図3に示す第1サーボアンプ10のステップS111〜S115の処理のそれぞれと対応する。第2サーボアンプ820のステップS421、
S422、
S424、及び
S426〜S427の処理のそれぞれは、
図3に示す第2サーボアンプ20のステップS121〜S125の処理のそれぞれと対応する。
【0099】
処理がステップS405に進むと、サーボモータ監視回路43は、ブレーキ631〜636及び641〜648が正常であるか否かを判定する。具体的には、サーボモータ監視回路4
3の第2演算回路852は、第1サーボアンプ810及び第2サーボアンプ820の何れかからブレーキモニタ信号を受信しているか否かを判定する。第1サーボアンプ810及び第2サーボアンプ820の何れもからブレーキモニタ信号を受信しておらず、サーボモータ監視回路4
3がブレーキ631〜636及び641〜648は正常であると判定したとき、処理はステップS406に進む。また、第1サーボアンプ810及び第2サーボアンプ820の何れかからブレーキモニタ信号を受信しており、サーボモータ監視回路4
3が
ブレーキ631〜636及び641〜648は正常でないと判定したとき、処理はステップS409に進む。
【0100】
処理はステップS409が進むと、サーボモータ監視回路43は、ステップS108の処理と同様に、第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。次いで、ステップS4010において、サーボモータ監視回路43は、電磁接触器30の主接点
301を開動作して電源60と順変換器11との間の電気的接続を切断する。
【0101】
処理がステップS413に進むと、第1サーボアンプ810のブレーキ制御回路136は、ブレーキ631〜636のそれぞれが正常であるか否かを判定する。第1サーボアンプ810のブレーキ制御回路136がブレーキ631〜636のそれぞれが正常であると判定したとき、処理はステップS412に戻る。また、第1サーボアンプ810のブレーキ制御回路136がブレーキ631〜636の何れかが正常でないと判定したとき、処理はステップS415に進む。
【0102】
処理がステップS415に進むと、第1サーボアンプ810のブレーキ制御回路136は、ブレーキモニタ信号をサーボモータ監視回路43に送信し、処理は、ステップS405に進む。
【0103】
処理がステップS423に進むと、第2サーボアンプ820のブレーキ制御回路236は、ブレーキ641〜648のそれぞれが正常であるか否かを判定する。第2サーボアンプ820のブレーキ制御回路236がブレーキ641〜648のそれぞれが正常であると判定したとき、処理はステップS422に戻る。また、第2サーボアンプ820のブレーキ制御回路236がブレーキ641〜648の何れかが正常でないと判定したとき、処理はステップS425に進む。
【0104】
処理がステップS425に進むと、第2サーボアンプ820のブレーキ制御回路236は、ブレーキモニタ信号をサーボモータ監視回路43に送信し、処理は、ステップS405に進む。
【0105】
サーボモータ制御装置4では、ブレーキ631〜636及び641〜648の何れかに故障が発生したときに、電磁接触器30を開動作して電源60と順変換器11との電気的接続を切断するので、サーボモータをより確実に停止することができる。
【0106】
図10は、本発明の第5の実施例によるサーボモータ制御装置を示すブロック図である。
【0107】
本発明の第5の実施例によるサーボモータ制御装置5は、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20の代わりに第1サーボアンプ910及び第2サーボアンプ920が配置されることが、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1と相違する。また、本発明の第
5の実施例に係るサーボモータ制御装置5は、サーボモータ監視回路40の代わりにサーボモータ監視回路44が配置されることが、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1と相違する。
【0108】
第1サーボアンプ910は、第11サーボアンプインタフェース回路911及び第12サーボアンプインタフェース回路912を有することが第1サーボアンプ10と相違する。第11サーボアンプインタフェース回路911及び第12サーボアンプインタフェース回路912はそれぞれ、半導体装置であり、安全ネットワーク900を介して第1安全信号及び第2安全信号等の信号をそれぞれ送受信する。
【0109】
第2サーボアンプ920は、第21サーボアンプインタフェース回路921及び第22サーボアンプインタフェース回路922を有することが第
2サーボアンプ
20と相違する。第21サーボアンプインタフェース回路921及び第22サーボアンプインタフェース回路922はそれぞれ、半導体装置であり、安全ネットワーク900を介して第1安全信号及び第2安全信号等の信号をそれぞれ送受信する。
【0110】
サーボモータ監視回路44は、第1監視インタフェース回路941及び第2監視インタフェース回路942を有することがサーボモータ監視回路40と相違する。第1監視インタフェース回路941及び第2監視インタフェース回路942はそれぞれ、半導体装置であり、安全ネットワーク900を介して第1安全信号及び第2安全信号等の信号をそれぞれ送受信する。
【0111】
安全ネットワーク900は、高い信頼性が要求される安全信号を伝送可能な通信手段である。安全ネットワーク900は、半導体装置で形成される専用のインタフェース回路で取得した信号を良好なノイズ耐性を有する伝送路を介して伝送し、伝送データのエラー検出手段を有しているので、高い信頼性が要求される安全信号を伝送可能である。
【0112】
サーボモータ制御装置5では、高い信頼性が要求される安全信号を伝送可能な安全ネットワーク900を使用して第1安全信号及び第2安全信号を送受信するので、サーボモータ監視回路44を第1サーボアンプ910及び第2サーボアンプ920とから離れた場所に配置でき、かつサーボ
モータ監視回路44及び第1サーボアンプ910及び第2サーボアンプ920の接続を簡素化できる。
【0113】
上述した本発明の第1〜第5の実施例では、電源60と順変換器11との電気的接続を切断するために電磁接触器30が配置されるが、電磁接触器30の代わりに電源60と順変換器11との電気的接続を切断する機能を有する半導体回路を配置してもよい。半導体回路は、サイリスタ、GTO(Gate Turn Off Thyristor)、IBGT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、SI(Static Induction)サイリスタ、MOSFET(Metal-Oxide Silicon Field-Effect Transmitter)等のスイッチ素子を有する。電磁接触器30の代わりに半導体回路が配置される場合、第1演算回路51は、半導体回路が正常であるか否かを、順変換器の出力電圧を検出し、半導体回路が正常に動作しているか判断する。第1演算回路51は、半導体回路が正常でないことを検出した場合
、電源60と順変換器11との電気的接続の切断指示を示す切断指示信号を半導体回路に送信し、かつ安全信号の送信を停止する。このように、電源遮断回路に半導体を用いることにより、電源開閉に伴う部品寿命を大幅に延ばすことが可能となり、また信頼性も向上する。
【0114】
また、上述した本発明の
第4の実施例では、第1サーボアンプ810及び第2サーボアンプ820にそれぞれ配置されるブレーキ制御回路136及び236がブレーキ631〜636及び641〜648を制御する。しかしながら、第1演算回路851又は第2演算回路852の何れかがブレーキ631〜636及び641〜648を制御するようにしてもよい。第2演算回路852がブレーキ631〜636及び641〜648を制御する場合、第2演算回路852は、ブレーキ631〜636及び641〜648のそれぞれが正常であるか否かを判定する。第2演算回路852がブレーキ631〜636及び641〜648何れかが正常でないと判定したとき、第2演算回路852は、第1演算回路851に電源開指令信号を送信する。次いで、第1演算回路851及び第2演算回路852は、第1サーボアンプ
810及び第2サーボアンプ
820の双方への第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止する。また、第1演算回路851は、電磁接触器30の操作コイル303に開信号を送信し、開信号を受信した電磁接触器30は、主接点を開動作して電源60と順変換器11との間の電気的接続を切断する。
【0115】
本発明のブロック図、
図1、
図4、
図6、
図8、
図10は、電源を何れも交流電源60としているが、直流電源またはバッテリ電源においても、本発明は適用可能となる。この場合、交流電源60が直流電源601となり、順変換器11が不要となり、電源遮断回路は直流電源601と逆変換器121〜126及び、逆変換器221〜228の間に接続される。
【0116】
以下、本発明の実施例のよるサーボモータ制御装置を適用した生産システムの実施例1〜3について順に説明する。
【実施例1】
【0117】
図11はロボットへの直接ワークの着脱を行なう生産システムの実施例を示す図である。
【0118】
生産システム1001に配置されるロボット101は、第1機構部161と、第2機構部162と、第1機構部161から延伸する腕状部の端部に配置されるワーク固定部302とを有する。第1機構部161には第11サーボモータ1611〜第14サーボモータ1614が配置され、第2機構部162には第21サーボモータ1621〜第22サーボモータ1622が配置される。ワーク固定部302は、2対の突起部が形成される平面を有する。作業者201は、ワーク固定部302の平面に形成される2対の突起部にワー
クを嵌合する。
【0119】
ロボット101は、本発明の第1の実施例に係るサーボモータ制御装置1により制御される。第1機構部161に配置される第11サーボモータ1611〜第14サーボモータ1614は第1サーボアンプ10に接続され、第2機構部162に配置される第21サーボモータ1621〜第22サーボモータ1622は第2サーボアンプ20に接続される。
【0120】
作業者201は、ワーク固定部302の平面に形成される2対の突起部にワーク301を嵌合するために、第1機構部161及び第2機構部162の可動範囲と、作業者201の作業範囲とが重複する領域である第1共通エリアに侵入する。作業者201が第1共通エリアに侵入すると、サーボモータ監視回路40は第1安全信号及び第2安全信号を第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20に送信し、第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20は、パ
ルス幅変調信号の送信を停止する。第1サーボアンプ10及び第2サーボアンプ20がパ
ルス幅変調信号の送信を停止すると、第11サーボモータ1611〜第14サーボモータ1614及び第21サーボモータ1621〜第
22サーボモータ1622は停止する。
【0121】
ロボット101へのワーク301を着脱するときに、パ
ルス幅変調信号の送信を停止することでサーボモータを停止し、電磁接触器30の開閉動作が不要なため、着脱時間の短縮化、及び電磁接触器30等の
機器の寿命の低下が発生しない等の利点がある。
【実施例2】
【0122】
図12(a)はロボットのハンドの先端に実装されたサーボモータを含んだサーボガンシステムのチップ交換、チップ合わせ
についての実施例を示す図であり、
図12(b)は
図12(a)に示すサーボガンを操作するための操作ボックスの拡大図である。
【0123】
生産システム1002に配置されるロボット102は、フェンス270の内部に配置され、第1機構部261と、第1機構部261から延伸する腕状部の端部に配置される第2機構部262とを有する。第1機構部
261には第11サーボモータ2611〜第16サーボモータ2616が配置され、第2機構部262には、サーボガン軸を駆動する第21サーボモータ2621が配置される。作業者202は、第2機構部262に配置される、サーボガンのチップを交換し且つ交換したチップの位置合わせを実施する。
【0124】
ロボット102は、本発明の第2の実施例に係るサーボモータ制御装置2により制御される。第1機構部261に配置される第11サーボモータ2611〜第16サーボモータ2616は第1サーボアンプ10に接続され、第2機構部262に配置される第21サーボモータ2621は第2サーボアンプ20に接続される。
【0125】
作業者202は、サーボガンのチップを交換し且つ交換したチップの位置合わせを実施するために、第2共通エリアに相当するフェンス270の内部に侵入する。作業者202がフェンス270の内部に侵入すると、サーボモータ監視回路41は第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止し、第1サーボアンプ10はパ
ルス幅変調信号の送信を停止する。第1サーボアンプ10がパ
ルス幅変調信号の送信を停止すると、第11サーボモータ2611〜第16サーボモータ2616は停止する。
【0126】
一方、作業者202がフェンス270の内部に侵入した場合には、サーボモータ監視回路41は第2サーボアンプ20への第1安全信号及び第2安全信号の送信を一旦停止し、作業者202がフェンス270内部に設置された操作ボックス271を操作した場合に、第2サーボアンプ20への第1安全信号及び第2安全信号の送信を行ない、第2機構部262は動作可能な状態となる。
【0127】
作業者202は、操作ボックス271を操作して第21サーボモータ2621を起動停止させて、サーボガンのチップを交換及び交換したチップの位置合わせを実施する。作業者202は、操作ボックス271を操作して作業可能なので、教示操作盤等の操作は不要である。
【0128】
操作ボックス271は、フェンス270内部の、第2機構部262とは一定の距離
離れた場所に設置され、かつチップ位置が目視可能なエリアに設置されることにより、チップ交換、チップ位置確認作業を安全に実施することが可能となる。
【実施例3】
【0129】
図13(a)は作業者がポジショナーにワークを着脱する生産システムにおける実施例を示す図であり、
図13(b)は
図13(a)に示すシステムに配置されるポジショナーの斜視図である。
【0130】
生産システム1003に配置されるポジショナー103は、第11サーボモータ3611と、第12サーボモータ3612と、第21サーボモータ3621とを有する。第11サーボモータ3611は、第1ポジショナー381及び第2ポジショナー382が両端に配置される本体部を右回転及び左回転の双方向に回転可能に駆動する。第12サーボモータ3612は、第1ポジショナー381を右回転及び左回転の双方向に回転可能に駆動する。第21サーボモータ3621は、第2ポジショナー382を右回転及び左回転の双方向に回転可能に駆動する。第11サーボモータ3611及び第12サーボモータ3612は、第1機構部361に配置され、第21サーボモータ3621は第2機構部362に配置される。作業者203は、第1ポジショナー381にワークを着脱するときに、ライトカーテン371を遮断する。
【0131】
ポジショナー103は、本発明の第3の実施例に係るサーボモータ制御装置3により制御される。第1機構部361に配置される第11サーボモータ3611〜第12サーボモータ3612は第1サーボアンプ10に接続され、第2機構部362に配置される第21サーボモータ3621は第2サーボアンプ20に接続される。
【0132】
作業者203が第1ポジショナー381にワークを着脱するときに、ライトカーテン371を遮断すると、サーボモータ監視回路42は、作業者203が第2共通エリアに侵入したと判定する。作業者203がフェンス270の内部に侵入すると、サーボモータ監視回路42は、モータ位置検出センサ72が検出した第12サーボモータ3612の位置情報を示す位置信号をモータ位置検出センサ72から受信する。サーボモータ監視回路42は第12サーボモータ3612の位置情報を演算して第2共通エリアに第12サーボモータ3612が位置すると判定する。第2共通エリアに第12サーボモータ3612が位置すると判定すると、第1サーボアンプ10への第1安全信号及び第2安全信号の送信を停止し、第1サーボアンプ10はパ
ルス幅変調信号の送信を停止する。第1サーボアンプ1
0がパ
ルス幅変調信号の送信を停止すると、第11サーボモータ3611〜第12サーボモータ3612は停止する。一方、第2サーボアンプ20には第1安全信号及び第2安全信号が送信されているので、第2サーボアンプ20に接続される第21サーボモータ3621は動作可能な状態である。作業者203が第1ポジショナー381にワークを着脱している間、第21サーボモータ3621は第2ポジショナー382を動作してロボット370と共に作業を継続する。
【0133】
この実施例では、第11サーボモータ3611と第12サーボモータ3612が停止している間、第21サーボモータ3621とロボット370は稼動を継続できる。したがって、作業者203がワーク着脱している間に、ロボット370と第21サーボモータ3621による生産を継続することが可能となる。
【0134】
なお、生産システム1003は、ワーク着脱後に作業者
203が共通エリアから退出したことをライトカーテン
371が検出し、第11サーボモータ3611を駆動することにより、第1ポジショナー381の位置と第2ポジショナー382の位置を入れ替え、加工ワークと着脱ワークの位置の入れ替えを行なう。第1ポジショナー381の位置と第2ポジショナー382の位置が入れ替えた場合、モータ位置検出センサ72が検出する位置信号から第1ポジショナー381又は第2ポジショナー382の何れが第2共通エリアに位置するか判定される。第1ポジショナー381が第2共通エリアに位置すると判定された場合、第12サーボモータ3612を駆動する逆変換器へのパ
ルス幅変調信号の送信を停止し、第21サーボモータ3621を駆動する逆変換器へのパ
ルス幅変調信号の送信を継続する。第2ポジショナー382が第2共通エリアに位置すると判定された場合、第21サーボモータ3621を駆動する逆変換器へのパ
ルス幅変調信号の送信を停止し、第12サーボモータ3612を駆動する逆変換器へのパ
ルス幅変調信号の送信を継続する。