(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0011】
図1乃至
図6を参照して、実施例1を説明する。
図1は、本発明の医用画像管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、医用画像管理システムSは、ネットワーク1に複数の医用画像管理サーバAおよびBと複数の医用画像保管装置2が接続されて構成されている。本実施例の医用画像管理システムSでは、医用画像管理サーバAが複数のモダリティ41、42(以下、モダリティ41と42を区別しない場合はモダリティ4とする。)や医用画像保管装置21、22(以下、医用画像保管装置21と22を区別しない場合は医用画像保管装置2とする。)から医用画像を受信する等の通常処理を行うメインサーバである。その他の複数の医用画像管理サーバB1、B2(以下、医用画像管理サーバB1とB2を区別しない場合は医用画像管理サーバBとする。)は、メインサーバから医用画像に対する画像処理等の要求があった場合には、当該処理を行うサブサーバとして稼動する。医用画像管理サーバAおよびBは通信機能を有するコンピュータであって、医用画像を管理するためのプログラム、メインサーバまたはサブサーバとして処理を実行するためのプログラム、及び後述する画像データベースを備えている。なお、サブサーバは、メインサーバに異常が見つかった際にはメインサーバに代わる役割を持つサブの医用画像管理サーバとしての機能を備えていてもよい。
【0012】
なお、この医用画像管理サーバAおよびBは、ネットワーク1を介して通信機能を有するコンピュータであるクライアント端末3及び通信機能を有するモダリティ4に接続されている。ネットワーク1に接続されている医用画像保管装置2は、ネットワークアタッチドストレージ(Network Attached Storage,NAS)であって、医用画像を記憶するファイルサーバであり、医用画像を記憶する記憶手段と、例えば医用画像を読み出すCPUで構成される読出手段を備える。
【0013】
モダリティ4は、被検体内を撮影することによって得られたデータから被検体内の画像である医用画像を得るための医用画像診断装置である。例えば、超音波により被検体内を観察する超音波診断装置、X線により被検体内を観察するX線診断装置やX線CT装置、磁場及び電磁波を発生させて被検体内の例えば水素原子核から発生する電波を受信するMRI装置などである。
【0014】
図2は、医用画像管理サーバAおよびBの構成を示すブロック図である。医用画像管理サーバAおよびBは、
図2に示すように、処理部8と主記憶部5と外部記憶部6と送受信部7を備える。処理部8は、いわゆるCPUであり、プログラムに従った演算を行い、各周辺部(主記憶部5、外部記憶部6、送受信部7)を制御する。
【0015】
主記憶部5は、例えば半導体メモリ等のRAMであり、処理部8の作業領域として、プログラムもしくは処理部8の演算による演算結果、またはデータが展開される。送受信部7は、例えばLANやモデム等のネットワークアダプタであり、ネットワーク1に接続する医用画像保管装置2との画像の送受信、クライアント端末3からの要求の受信やデータの転送、モダリティ4からの医用画像の登録処理要求等の送受信の機能を有する。
【0016】
また、外部記憶部6は、少なくとも1つのHDDで構成され、コンピュータを医用画像管理サーバAまたはBとして実現させるプログラム、及び画像データベース9が記憶されている。画像データベース9は、医用画像保管装置2に保管されている医用画像を特定する情報である医用画像情報と医用画像の記憶してある医用画像保管装置2の記憶位置を示す記憶位置情報とを対にして格納し、またSQL等のリレーショナルデータベース操作言語に対応したデータベース管理システムとしての機能を備える。
【0017】
外部記憶部6に記憶されたプログラムにしたがって、処理部8が演算を行い、各周辺部を制御することによって、医用画像管理サーバAおよびBは
図3に示すような各機能を実行する。
【0018】
図3は画像管理サーバの詳細な機能を示すブロック図である。ここでは、前述の通り複数の医用画像管理サーバAおよびBのうち、医用画像管理サーバAをメインサーバとし、医用画像管理サーバBを複数のサブサーバB1、B2として説明する。
【0019】
医用画像管理サーバAおよびBは、
図3に示すように負荷状況監視部10a、10bを備えており、医用画像管理サーバAの負荷状況監視部10aはネットワーク1を介して接続されている複数の医用画像管理サーバB1、B2の負荷状況(メモリの使用率、CPUの使用率、実行中またはこれから実行する処理の量等)と自サーバである医用画像管理サーバAの負荷状況を監視すなわち当該情報を収集している。負荷状況の監視は、常時行ってもよいし、医用画像管理サーバAがモダリティ4から医用画像を受信した場合や、医用画像管理サーバAに対してクライアント端末3から画像処理の要求があった場合に行うようにしても良い。
【0020】
なお、本実施の形態では便宜上医用画像管理サーバBの中でも、医用画像管理サーバB1を最も負荷の低いサーバとして説明する。
【0021】
また、医用画像管理サーバAの負荷状況監視部10aは、通信状態やサーバの状態(正常・エラー・停止等)も監視する。例えば、自サーバおよびネットワーク1を介して接続されている複数の医用画像管理サーバBの通信状況を確認したり、ログ蓄積部12a、12bにアクセスしたりすることで自サーバおよび医用画像管理サーバBの状態を監視する。なお、
図3の医用画像管理サーバB1は、負荷状況監視部10bを備えているが、医用画像管理サーバBには負荷状況監視部10bを設けなくてもよい。ただし、医用画像管理サーバB1またはB2を医用画像管理サーバAの異常またはメンテナンスによる停止等に備えるバックアップサーバとしても運用させる場合には、医用画像管理サーバB1またはB2のうち少なくとも1つのサブサーバに負荷状況監視部10bを備えておくことが望ましい。
【0022】
さらに、医用画像管理サーバAおよびBは接続サーバ情報保存部11aおよび11bを備えており、医用画像管理サーバAの接続サーバ情報保存部11aは、負荷状況監視部10aが画像管理サーバAおよびBから得た、通信状態やサーバの状態や負荷情報等から、負荷状況の最も低い医用画像管理サーバAまたはB1またはB2を特定したり、通信状態やサーバの状態を解析して異常を検知する。また、特定された負荷情報に基づいて医用画像管理サーバB1またはB2に画像変換処理要求や画像処理要求を転送するかどうかを判定する判定部として機能したり、クライアント端末3と接続されている医用画像管理サーバAまたはB1またはB2の情報(サーバ名、接続時間、処理要求の内容等)を保存したりする。接続サーバ情報保存部11bも接続サーバ情報保存部11aと同様の機能を有する。
【0023】
ただし、メインサーバとして動作している医用画像管理サーバAの接続サーバ情報保存部11aのみが処理を実行するので、医用画像管理サーバBには接続サーバ情報保存部11bを設けなくても構わないが、医用画像管理サーバB1またはB2を医用画像管理サーバAの異常またはメンテナンスによる停止等に備えるバックアップサーバとしても運用させる場合には、医用画像管理サーバB1またはB2のうち少なくとも1つのサブサーバに接続サーバ情報保存部11bを備えておくことが望ましい。
【0024】
また、ログ蓄積部12a、12bは、ログを蓄積する手段であり、医用画像管理サーバAおよびBが作成した各種ログをぞれぞれのログ蓄積部12a,12bが蓄積する。特に、医用画像管理サーバAおよびBの異常を検知できるように、サーバの状態がいつ・どのタイミングで正常または異常を示したかの情報を蓄積する。
【0025】
さらに、医用画像管理サーバAおよびBは医用画像管理処理を行う画像管理部13aおよび13bと画像登録部14aおよび14bを備える。医用画像管理サーバAの画像管理部13aは、医用画像を管理する手段であり、モダリティ4または医用画像保管装置2から受信した医用画像を、接続サーバ情報保存部11aによって特定された負荷の最も低いサーバに対して転送するように送受信部7aに指示する。また、転送は医用画像単位だけでなく、検査単位やシリーズ単位(MRI画像や超音波画像等の単位)で転送するようにクライアント端末3側またはモダリティ4側で設定することが可能であり、画像管理部13aは、その設定状況に応じた単位毎に負荷状況が最も低いサーバへ転送指示を行う。
【0026】
このとき、医用画像管理サーバAの負荷状況が最も低い場合は送受信7aへの医用画像管理サーバB1またはB2への転送指示を行わない。
【0027】
さらに、画像管理部13aは、医用画像管理サーバAまたはBの画像処理部で通常処理のための変換処理(画像圧縮処理等)が施された医用画像(以下、変換画像)の医用画像保管装置2への書き込み、及び画像データベース9aへの登録を画像登録部14aに指示する。また、最も負荷の低い医用画像管理サーバB1で画像変換処理が行われた場合に、医用画像管理サーバB1の画像管理部13bは、医用画像管理サーバAへ変換画像を転送するよう送受信部7bに指示する。
【0028】
また、医用画像管理サーバAおよびBの画像登録部14a、14bは画像データベース9a、9bへ医用画像情報の登録/更新をするためのものでる。
【0029】
さらに、医用画像管理サーバAおよびBは、情報更新部15aおよび15bを備え、医用画像管理サーバAの情報更新部15aはSQL(Structured Query Language)等を、接続サーバ情報保存部11aによって特定された最も負荷の低い医用画像管理サーバB1に発行し、その最も負荷の低い画像管理サーバB1の画像登録部14bは、画像データベース9bに対して変換画像の医用画像情報の登録/更新処理(同期処理)を行う。その際、医用画像管理サーバAの情報更新部15aは、接続サーバ情報保存部11aによって特定された負荷の低いサーバの順にSQLをリレー方式で発行するように、負荷状況の低い医用画像管理サーバBの順序の情報とともに情報更新部15bへSQLを発行する。したがって、医用画像管理サーバB1は次に負荷の低い医用画像管理サーバB2にSQLを発行し、以下順々にリレー方式でSQLを発行し、同期処理を行っていく。
【0030】
なお、画像データベース9bの医用画像情報の同期処理は、すべての医用画像管理サーバBの情報更新部15bが医用画像管理サーバAの登録/更新状況を監視し、医用画像管理サーバAで医用画像情報の登録/更新が行われた場合に、医用画像管理サーバAにアクセスして、登録/更新情報を取得して同期処理を行うようにしてもよい。
【0031】
さらに、医用画像管理サーバAおよびBは画像変換処理、画像処理を行う画像処理部16a、16bを備えている。ここでの画像処理とは、MIP処理やレンダリングなど複数の画像を合成して3次元画像を作成し、血管や内臓のみ3次元的(立体的)に表示して回転させたり出来る画像を作成する3D処理や、複数の画像を合成して3次元画像を作成し、元画像と別方向の断面画像(2D画像)を切り出すMPR処理や、PET画像とCT/MR画像を重ね合わせて、それぞれの画像の情報を一度に表示するためのFusion処理等が挙げられる。また、画像処理部16a、16bは、通常処理のための変換処理(画像圧縮処理等)も行う。
【0032】
医用画像管理サーバAの画像処理部16aでは、クライアント端末3からの上述したような画像処理要求があった場合に、最も負荷の低い医用画像管理サーバB1に対して画像処理要求として送られてきた要求内容と、患者ID、検査UID、SeriesUID、画像UID、要求クライアント識別子、通信方法などのデータを転送し、画像処理を指示する。最も負荷の低いサーバが医用画像管理サーバAである場合は、医用画像管理サーバAの画像処理部16aが画像処理を行うため、転送は行わない。
【0033】
さらに、最も負荷の低いサーバの画像処理部16aまたは16bは、画像処理要求とそのデータに基づいて、3D処理、MPR処理、Fusion処理等の画像処理を実行する。さらに、医用画像管理サーバAはクライアント端末3に対して、画像処理を実行しているサーバのネットワーク情報(IPアドレスやホスト名等)を転送する。
【0034】
また、医用画像管理サーバAの切替え部17aは、接続サーバ情報保存部12aによって特定された最も負荷の低い医用画像管理サーバB1と通常処理を行うメインサーバとして運用している医用画像管理サーバAとを切替えるための処理を行う。なお、メインサーバとサブサーバの切替えは、メインサーバで異常が発生した場合や、メンテナンス時に一時的にメインサーバとしての機能をサブサーバへ切替えるためのものであり、切替えられたサブサーバはメインサーバとしての機能を実行する。
【0035】
また、役割設定部18a、18bは、あらかじめ医用画像管理サーバA及びBがどのような処理を行うかを設定する機能を持つ。例えば、
図6は医用画像管理サーバの役割設定の状態を示す図である。サーバ欄20には、役割を設定するサーバ名が登録されている。さらに、サーバ欄20に登録されたサーバが役割を持つ時間帯を時間帯欄21に登録されている。また、それぞれのサーバが決められた時間帯の中でどのような処理を行うのかは役割欄22に登録されている。それぞれの登録は、サーバ設置時に行ってもよいし、クライアント端末3からいつでも設定できるようにしても良い。また、登録された役割設定の内容は全ての医用画像管理サーバSの接続サーバ情報保存部11a、11bが保存し、変更された場合は、変更内容を上書きして同じように保存する。
【0036】
例えば、
図6のサーバAは、9:00から17:00の間は画像受信専用として稼動し、サーバBは13:00から15:00までの間はMPR処理専用として稼動する。なお、指定された時間外は処理全般を行うことになる。しかし
ながら、
図6のサーバDのように、9:00から16:00までの間は全般の処理を行えるように設定することも可能
である。
【0037】
なお、役割設定部18a、18bには何も設定しなくてもかまわないが、設定がある場合には、医用画像管理サーバAの接続サーバ情報保存部11aは、役割設定部18a、18bに設定された役割とクライアント端末3からの処理要求の内容が適合したサーバの中で、負荷状況の最も低いサーバを特定し、サブサーバに画像変換処理要求や画像処理要求を転送するかどうかを判定する判定部として機能する。
【0038】
ただし、メインサーバとして動作している医用画像管理サーバAの役割設定部18aのみが処理を実行するサーバを特定するので、医用画像管理サーバBの役割設定部18bは設けなくても構わないが、医用画像管理サーバB1またはB2を医用画像管理サーバAの異常またはメンテナンスによる停止等に備えるバックアップサーバとしても運用させる場合には、医用画像管理サーバB1またはB2のうち少なくとも1つのサブサーバに役割設定部18bを備えておくことが望ましい。また、その場合は役割設定部18a、18bは常に同じ役割設定情報を共有していることが望ましい。
【0039】
次に、本発明の実施の形態における動作について、
図3乃至
図5を参照して説明する。
【0040】
まず、医用画像管理サーバの画像登録および画像変換処理について説明する。ここでは、医用画像単位で画像処理の要求を転送する説明をしているが、例えば、検査単位やシリーズ単位(MRI画像や超音波画像等の単位)で転送して処理を行う場合もある。
【0041】
図4は、医用画像管理システムSの画像受信の動作の一例を示すフロー図である。医用画像管理サーバAをメインサーバとし、医用画像管理サーバBをサブサーバとして説明する。まず、医用画像管理サーバAがモダリティ41または42または医用画像保管装置2から医用画像を受信すると、受信した医用画像を主記憶部5または外部記憶部6に一時的に保存する(ステップS1)。
【0042】
そして、医用画像管理サーバAの負荷状況監視部10aが、ネットワーク1に接続された全ての医用画像管理サーバAおよびBの負荷状況(メモリの使用率、CPUの使用率、実行中またはこれから実行する処理の量等)を監視する。その後、接続サーバ情報保存部12aが、保存されているサーバの役割設定情報とそれぞれの医用画像管理サーバの負荷状況から、役割と適合した最も負荷の少ない医用画像管理サーバAまたはBを特定する(ステップS2)。なお、該当する役割設定が無かった場合には最も負荷の少ない医用画像管理サーバAまたはBを特定することになる。さらに、医用画像の画像変換処理をするために、医用画像管理サーバBに医用画像を転送するかどうかを判定する(ステップS3)。
【0043】
まず、(ステップS2)において医用画像管理サーバAが最も負荷が低いと特定された場合の流れを説明する。この場合は、(ステップS3)では医用画像を転送しないと判定される。その場合、画像処理部16aは画像変換処理を行う(ステップS6a)。
【0044】
さらに、(ステップS2)において医用画像管理サーバB1が最も負荷が低いと特定された場合の流れを説明する。この場合は、(ステップS3)で医用画像を医用画像管理サーバB1に転送すると判定される。そして、画像管理部13aが送受信部7aを介して医用画像を最も負荷の少ない医用画像管理サーバB1に転送して、同時に画像変換処理を行う指示を出す(ステップS4)。また、転送が済んだ医用画像は一時的に保存した主記憶部5または外部記憶部6から削除してもよい。
【0045】
さらに、医用画像管理サーバB1の送受信部7bが医用画像管理サーバAから転送された医用画像を受信する(ステップS5)。さらに、医用画像を受信した医用画像管理サーバB1の画像処理部16bは画像変換処理を行う(ステップS6b)。そして、医用画像管理サーバB1で作成された変換画像を医用画像管理サーバAへ転送するよう画像管理部13bが送受信部7bに指示し、送受信部7bが医用画像管理サーバAへ転送する(ステップS7)。医用画像管理サーバAの送受信部7aは、医用画像管理サーバB1から転送された変換画像を受信する(ステップS8)。また、医用画像管理サーバAが受信した変換画像は、医用画像管理サーバAにより医用画像保管装置2に保存される(ステップS9)。さらに、画像登録部14aが画像データベース9aに対して医用画像情報の登録/更新処理を行う(ステップS9)。
【0046】
次に、医用画像管理サーバAの情報更新部15aは、最も負荷の低い医用画像管理サーバB1にデータベースの登録/更新要求SQLを発行する(ステップS11)。さらに、負荷の最も低い医用画像管理サーバB1は、医用画像管理サーバAからの登録/更新要求SQLに従って同期処理を実行し、同期処理の実行後、次に負荷の低い医用画像管理サーバB2に対して情報更新部15bが登録/更新SQLを発行する(ステップS12)。また、医用画像管理サーバB2の画像登録部14bは、発行された登録/更新SQLに基づいて、画像データベース9bに対して医用画像情報の登録/更新処理を行う。
【0047】
なお、同期処理に関しては、医用画像管理サーバBの情報更新部15bが、医用画像管理サーバAの情報更新部15aを監視し、医用画像管理サーバAの情報更新部15aによって画像データベース9aの情報が更新または新たに登録された場合には、それを検知して医用画像管理サーバBの情報更新部15bが自動的に同期処理を行うようにしてもよい。
【0048】
次に、医用画像管理サーバの画像処理の流れを説明する。
図5は、医用画像管理システムの画像処理の動作の一例を示すフロー図である。ここでは、医用画像単位で画像処理の要求を転送する説明をしているが、例えば、検査単位やシリーズ単位(MRI画像や超音波画像等の単位)で転送して処理を行う場合もある。
【0049】
まず、医用画像管理サーバAが、クライアント端末3からネットワーク1を介して画像処理要求として、どのような画像処理(3D処理、MPR処理、Fusion処理等)を行うのかと同時に、患者ID、検査UID、SeriesUID、画像UID、要求クライアント識別子、通信方法などのデータを受けとる(ステップS21)。さらに、クライアント端末3から画像処理要求があった時に、医用画像管理サーバAの負荷状況監視部10aが、ネットワーク1に接続された全ての医用画像管理サーバAおよびBの負荷状況を監視する。その後、医用画像管理サーバAの接続サーバ情報保存部12aにそれぞれの医用画像管理サーバAおよびBの負荷状況を保存し、接続サーバ情報保存部12aは、保存されているそれぞれの医用画像管理サーバSの役割設定情報とそれぞれの医用画像管理サーバの負荷状況から、役割と適合した負荷の最も低い医用画像管理サーバAまたはB1またはB2を特定し(ステップS22)、医用画像管理サーバBにモダリティ41または42または医用画像保管装置2から受信した医用画像の画像変換処理をするために、医用画像を転送するかどうかを判定する(ステップS23)。なお、該当する役割設定が無かった場合には最も負荷の少ない医用画像管理サーバAまたはBを特定することになる。
【0050】
まず、(ステップS22)において医用画像管理サーバAが最も負荷が低いと特定された場合の流れを説明する。この場合は、(ステップS23)ではクライアント端末3からの画像処理要求を転送しないと判定される。そして、画像処理部16aは画像処理を行う(ステップS27a)。ここでの画像処理とは、MIP処理やレンダリングなど複数の画像を合成して3次元画像を作成し、血管や内臓のみ3次元的(立体的)に表示して回転させたり出来る画像を作成する3D処理や、複数の画像からなるボリュームデータから元画像と別方向の断面画像(2D画像)を切り出すMPR処理や、PET画像とCT/MR画像を重ね合わせて、それぞれの画像の情報を一度に表示するためのFusion処理等が挙げられる。
【0051】
さらに、クライアント端末3へ画像処理を実行する医用画像管理サーバAのネットワーク情報(IPアドレスやホスト名等)を転送する(ステップS28)。なお、メインサーバが引き続いて画像処理を行う場合には、接続するサーバのネットワーク情報を転送しないまま処理を行っても構わない。続いて、クライアント端末3から画像処理を行った医用画像の表示要求を受信する(ステップS29a)。そして、クライアント端末3からの画像表示要求に基づいて、クライアント端末3へ画像表示処理を行う(ステップS30a)。
【0052】
次に、(ステップS22)において医用画像管理サーバB1が最も負荷が低いと特定された場合の流れを説明する。この場合は、(ステップS23)でクライアント端末3からの画像処理要求を医用画像管理サーバB1に転送すると判定される。そして、画像処理部16aは特定された最も負荷の低い医用画像管理サーバB1への画像処理を指示する(ステップS24)。このとき、医用画像管理サーバAの画像処理部16aは、画像処理依頼をした医用画像管理サーバB1に対して、要求のあったクライアント端末のネットワーク情報(IPアドレスやホスト名等)、患者ID、検査UID、SeriesUID、画像UID、要求クライアント識別子、通信方法等のデータも同時に転送する。
【0053】
さらに、医用画像管理サーバB1の送受信部7bは、医用画像管理サーバAからの画像処理依頼とそれに関するデータを受信する(ステップS25)。このとき、医用画像管理サーバAは要求のあったクライアント端末3へ画像処理を実行する医用画像管理サーバB1のネットワーク情報(IPアドレスやホスト名等)を転送する(ステップS26)。
【0054】
さらに、医用画像管理サーバAから画像処理依頼を受けた医用画像管理サーバB1は、画像処理を実行する(ステップS27b)。また、クライアント端末3は医用画像管理サーバAから転送された画像処理を実行する医用画像管理サーバB1のネットワーク情報を基に、ネットワーク1を介して、直接画像表示要求を医用画像管理サーバB1へ要求し、医用画像管理サーバB1の送受信部7bが要求を受ける(ステップS29b)。
【0055】
続いて、画像処理を実行した医用画像管理サーバB1が、クライアント端末3からのMPR処理等を行った医用画像の画像表示要求に基づいて、クライアント端末3へ画像表示処理を行う(ステップS30b)。
【0056】
なお、クライアント端末3は、医用画像管理サーバAから転送されてきた画像処理を実行する医用画像管理サーバB1に直接画像表示要求を行うために、医用画像管理サーバAから転送されてきた医用画像管理サーバB1のネットワーク情報に接続先を更新し、自動的に接続先を変更するモジュールをあらかじめサーバからダウンロードして使用するようにする。
【0057】
また、医用画像管理サーバB1との直接の接続は、一定時間が経過した場合、またはクライアント端末3側がログアウトした場合、または1つの画像処理要求ごと、または検査単位やシリーズ単位の要求終了などの条件によって切断される。また、1つの画像処理要求ごとに負荷状況を監視し、1つの画像処理要求ごとに、最も負荷の低いサーバへ切替えるために切断してもよい。なお、クライアント端末3と処理を実行しているサブサーバとの切断のタイミングは、クライアント端末3で設定しても良いし、医用画像管理サーバAで設定しても良い。さらに、サブサーバとの接続が切断されたことをクライアント端末3へ通知するようにしてもよい。
【0058】
以上説明したように、本発明の実施の形態においては、画像変換処理を最も負荷の低い医用画像管理サーバで実行するので、メインサーバに処理を集中させることなく、メインサーバでの登録処理を高速化でき、システムとして負荷に強い構成を組むことが出来るようになる。
【0059】
また、メインサーバからサブサーバへ画像変換処理を指示した後、モダリティ4から受信した医用画像メインサーバから削除するため、メインサーバの負荷を上げることなく多くの画像を受信することが出来る。さらに、モダリティ4から受信した医用画像をサブサーバへ転送して変換画像を作成する場合は、メインサーバに障害が発生した場合でも未登録のデータのうち、メインサーバ以外で処理している医用画像の再送は行わなくて済むので、再送しなければならないデータ量が少なくなる。
【0060】
また、メインサーバ以外のサブサーバが画像処理を行う場合でも、画像処理を行うサブサーバのネットワーク情報をクライアント端末3へ転送し、クライアント端末3が自動的に接続先を変更し、直接ネットワーク1を介してサブサーバへ接続することができるので、クライアント側で煩雑な処理を行わなくてもよい。さらに、クライアント端末3が画像表示要求を直接サブサーバに行え、接続の手間もかからないので画像処理をメインサーバが行う場合と同じ状況でクライアント側に画像を表示することが出来る。
【0061】
また、画像処理を行っているサブサーバにクライアント端末3から直接画像表示要求が行われるため、メインサーバを介することなくクライアント端末3への画像表示処理が行えることから、メインサーバに処理を集中させることが少なくなる。
【0062】
また、それぞれのサーバに処理の役割を割り振ることにより、より処理が分散しやすく、メインサーバに処理を集中させることが少なくなる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。