【文献】
日本繊維機械学会不織布研究会,不織布の基礎と応用,日本,社団法人 日本繊維機械学会,1993年 8月25日,399頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の高分子繊維が、ポリオレフィン繊維類、ポリプロピレン繊維類、ポリエチレン繊維類、ポリエステル繊維類、ポリエチレンテレフタレート繊維類、ポリブチレンテレフタレート繊維類、ポリアミド繊維類、ポリウレタン繊維類、ポリブテン繊維類、ポリ乳酸繊維類、ポリビニルアルコール繊維類、ポリフェニレンスルフィド繊維類、ポリスルホン繊維類、液晶ポリマー繊維類、ポリエチレン−コ−酢酸ビニル繊維類、ポリアクリロニトリル繊維類、環状ポリオレフィン繊維類、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の多層物品。
前記支持体層が、結合された短繊維類のウェブを含み、前記支持体層が、熱接着、冷間接合、接着剤結合、粉末結合剤、水流交絡法、電界紡糸、ニードルパンチ法、カレンダ処理、またはこれらの組み合わせを用いて結合される、請求項1に記載の多層物品。
サブミクロン繊維層上に追加の層を更に含み、その追加の層が、色保有層、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、粒子類の層、箔層、装飾的な布地層、膜、網状織物、メッシュ、配線網状組織、管状の網状組織、もしくはサブミクロン繊維層とは反対側の前記支持体層上の接着剤層、またはこれらの組み合わせを含むか、又は含まない、請求項1に記載の多層物品。
建物の壁、建物の天井、建物の壁もしくは天井を形成するための建築材料、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、車両の構成要素、機械装置の構成要素、または電気器具の構成要素を含む基材に取り付けられる、請求項1に記載の多層物品。
前記領域が、室内、車内、機械装置の部品、電気器具、事務所もしくは工場地帯の独立した防音領域、録音もしくは音響再生領域、映画館もしくはコンサートホールの室内、音が有害である、無響室もしくは無響部屋、分析室もしくは分析部屋、または実験室もしくは実験部屋、ノイズから耳を隔離保護するための耳当てもしくは耳カバーを含む、請求項7に記載の方法。
前記の包囲する工程が、前記サブミクロン繊維層を基材に取り付けることを含み、前記基材が、建物の壁、建物の天井、建物の壁もしくは天井を形成するための建築材料、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、車両の構成要素、機械装置の構成要素、または電気器具の構成要素を含む、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、音響吸収特性および遮音特性を包含するが、これらに限定されない音響特性を付与する多層物品類に関する。多層物品類は、(1)非常に優れた音響吸収特性を有し、(2)様々な用途においてそれらの利用を可能にする構造上の特徴を有し、さらに(3)コスト効率の良い方法で製造することができる。本開示はまた、多層物品類の製造方法、並びに様々な音響吸収用途における多層物品類の使用方法にも関する。
【0011】
本開示の代表的な多層物品を
図1に示す。
図1の代表的な多層物品10は、支持体層12上にサブミクロン繊維層11を含む。サブミクロン繊維層11は、1層以上の追加の層(図示せず)で少なくとも部分的に覆われてよい上面13を有する。更に、支持体層12は、サブミクロン繊維層11とは反対側に下面14を有し、この下面には、以下に説明するような追加の層および/または構成要素(図示せず)を取り付けることができる。
【0012】
I.多層物品類
本開示の多層物品類は、所定の基材および/または領域に音響特性を付与するように設計される。本開示の多層物品類で使用するために利用可能な構成要素類並びにその結果得られる多層物品類の特性の説明を以下に提供する。
【0013】
本開示の多層物品類は、1つ以上の以下の構成要素類を含んでよい。
【0014】
A.多層物品構成要素
本開示の多層物品類は、1つ以上の以下の構成要素類を含んでよい。
【0015】
1.サブミクロン繊維層
本開示の多層物品類は、
図1に示す代表的な多層物品10のサブミクロン繊維層11のようなサブミクロン繊維層を1層以上含む。各サブミクロン繊維層は、高分子繊維類を含み、ここで、高分子繊維は、1ミクロン(μm)未満の平均繊維直径を有する。幾つかの代表的な実施形態では、サブミクロン繊維層は、高分子繊維を含み、ここで、高分子繊維は、約0.3μm〜約0.9μmまでの範囲の平均繊維直径を有する。その他の代表的な実施形態では、サブミクロン繊維層は、高分子繊維類を含み、ここで、高分子繊維は、約0.5μm〜約0.7μmまでの範囲の平均繊維直径を有する。
【0016】
本開示において、所定のサブミクロン繊維層の中の繊維の「平均繊維直径」は、例えば、走査型電子顕微鏡を用いることによるように、繊維構造の画像を1つ以上作製すること、1つ以上の画像において明確に視認できる繊維類の、繊維直径の合計数がxとなる繊維直径を測定すること、そして前記のx個の繊維直径の平均(平均)繊維直径を計算することによって求められる。典型的に、xは約50超であり、そして望ましくは約50〜約200までの範囲である。
【0017】
サブミクロン繊維層の繊維類は、1つ以上の高分子材料類を含んでよい。適した高分子材料類としては、これらに限定するものではないが、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリアミド類(ナイロン−6およびナイロン−6,6)、ポリウレタン類、ポリブテン、ポリ乳酸類、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、液晶ポリマー類、ポリエチレン−コ−酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン類、またはこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な一実施形態では、サブミクロン繊維層は、複数の繊維類を含み、これら繊維類はポリプロピレン繊維類を含む。
【0018】
サブミクロン繊維層は、前記ポリマー類またはコポリマー類のうちいずれか1つを含む一成分繊維類を含んでよい。この実施形態では、一成分繊維類は、後述する添加物類を含有してよいが、前記高分子材料類から選択される単繊維形成用材料を含む。更に、この実施形態では、一成分繊維類は、典型的に、1つ以上の添加物類を25重量%まで有する前記高分子材料のうちいずれか1つを少なくとも75重量%含む。望ましくは、一成分繊維類は、前記高分子材料類のうちいずれか1つを少なくとも80重量%、より望ましくは少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、さらにできるだけ100重量%含み、ここで、重量はいずれも繊維の総重量を基準とする。
【0019】
サブミクロン繊維層はまた、(1)前記高分子材料類のうち2つ以上と、(2)後述するような添加物類1つ以上とから形成される多成分繊維を含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「多成分繊維」は、2つ以上の高分子材料類から形成される繊維を指すために用いられる。適した多成分繊維の配置には、これらに限定されないが、シース−コア配置、並列配置、および「アイランド−イン−ザ−シー」配置が包含される。
【0020】
多成分繊維類から形成されるサブミクロン繊維層類において、望ましくは、多成分繊維は、前記繊維の総重量に対して、(1)前記ポリマー類のうち2つ以上を約75〜約99重量%、および(2)1つ以上の追加の繊維形成用材料類を約25〜約1重量%含む。
【0021】
各サブミクロン繊維層はある坪量を有してよく、この坪量は、前記物品の特定の最終用途に応じて変化する。典型的に、各サブミクロン繊維層の坪量は、約1000グラム/平方メートル(gsm)未満である。幾つかの実施形態では、各サブミクロン繊維層の坪量は、約1.0gsm〜約500gsmである。別の実施形態では、各サブミクロン繊維層の坪量は、約10gsm〜約150gsmである。
【0022】
坪量と同様に、各サブミクロン繊維層はある厚さを有してよく、この厚さは、前記物品の特定の最終用途に応じて変化する。典型的に、各サブミクロン繊維層の厚さは、約150ミリメートル(mm)未満である。特定の実施形態では、各サブミクロン繊維層の厚さは、約0.1mm〜約200mmである。幾つかの実施形態では、各サブミクロン繊維層の厚さは、約0.5mm〜約100mmである。別の実施形態では、各サブミクロン繊維層の厚さは、約1.0mm〜約50mmである。
【0023】
大抵の実施形態では、サブミクロン繊維層内の繊維類は、前記層内に実質的に均一に分布している。しかしながら、サブミクロン繊維層内での繊維類の不均一な分布を有することが望ましい幾つかの実施形態がある場合がある。
【0024】
前記繊維形成用材料類に加えて、様々な添加物類を繊維溶融物に添加し、押し出して、添加物を繊維に組み込んでもよい。典型的に、添加物類の量は、前記繊維の総重量に対して、約25重量%未満、望ましくは約5.0重量%までである。適した添加物類としては、これらに限定されないが、充填剤類、安定化剤類、可塑剤類、粘着剤類、流動制御剤類、硬化速度抑制剤類、接着促進剤類(例えば、シラン類およびチタン酸塩類)、補助剤類、衝撃変性剤類、膨張性微小球類、熱伝導性粒子類、導電性粒子類、シリカ、ガラス、粘土、タルク、顔料類、着色剤類、ガラス玉類もしくはガラス球類、酸化防止剤類、蛍光増白剤類、抗菌剤類、界面活性剤類、難燃剤類、およびフッ化ポリマー類が挙げられる。前記添加物類のうち1つ以上を用いて、得られる繊維および層の重量および/またはコストを軽減してもよく、粘度を調整してもよく、または繊維の熱的特性を変性してもよく、あるいは電気特性、光学特性、密度に関する特性、液体バリアもしくは接着剤の粘着性に関する特性を包含する、添加物の物理特性に由来する様々な物理特性活性を付与してもよい。
【0025】
2.支持体層
本開示の多層物品は、更に、
図1に示す代表的な多層物品10の支持体層12などの支持体層を含んでよい。存在する場合、支持体層は、多層物品の強度の大半を付与する。幾つかの実施形態では、前記サブミクロン繊維層は、非常に低い強度を有する傾向があり、通常の処理中に損傷する可能性がある。サブミクロン繊維層を支持体層へ接着することにより、サブミクロン繊維層に強度が与えられると同時に、サブミクロン繊維層の音響特性が保持される。多層化構造はまた、更なる加工に対して十分な強度も付与し、この更なる加工には、これらに限定されないが、ロール形態への巻取り、ロールからの取り出し、成形、ひだ付け、折り畳み、ステープルでの固定、およびウィービングが包含される。
【0026】
本開示では様々な支持体層類を利用してよい。適した支持体層類としては、これらに限定されないが、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、粘着層、箔、メッシュ、弾性のある布地(すなわち、弾性特性を有する前記の織布、ニット織物、もしくは不織布のうちいずれか)、有孔ウェブ、粘着層、またはこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な一実施形態では、支持体層は不織布を含む。適した不織布類としては、これらに限定されないが、スパンボンド布地、メルトブローン布地、短繊維長の繊維類(すなわち、約100mm未満の繊維長を有する繊維類)のカードウェブ、ニードルパンチ布地、スピリットフィルムウェブ、水流絡合ウェブ、エアレイド短繊維ウェブ、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
支持体層は、多層物品の特定の最終用途に応じた、坪量と厚さを有してよい。本開示の幾つかの実施形態では、多層物品の全体の坪量および/または厚さは最小レベルで保持されるのが望ましい。別の実施形態では、全体の最小坪量および/または厚さが所定の用途において要求される場合がある。代表的な実施形態では、支持体層は、約1グラム/平方メートル(gsm)〜約200gsmまでの坪量を有してよい。典型的に、支持体層の坪量は約100gsm未満である。幾つかの実施形態では、支持体層の坪量は約5.0gsm〜約75gsmである。別の実施形態では、支持体層の坪量は約10gsm〜約50gsmである。
【0028】
坪量と同様に、支持体層はある厚さを有してよく、この厚さは、多層物品の特定の最終用途に応じて変化する。典型的に、支持体層の厚さは約150ミリメートル(mm)未満である。幾つかの実施形態では、支持体層の厚さは約1.0mm〜約35mmである。別の実施形態では、支持体層の厚さは約2.0mm〜約25mmである。
【0029】
前記サブミクロン繊維層は、恒久的にまたは一時的に、所定の支持体層に結合されてよい。本開示の大抵の実施形態では、サブミクロン繊維層は、支持体層へ恒久的に結合される(すなわち、サブミクロン繊維層は支持体層へ、それと恒久的に結合されることを意図して取り付けられる)。本開示の幾つかの実施形態では、前記サブミクロン繊維層は、剥離ライナーなどの支持体層へ一時的に結合される(すなわち、取り外し剥離可能である)。この実施形態では、サブミクロン繊維層は、暫定支持体層上に所望の長さの時間、支持されてよく、また所望により暫定支持体層上で更に加工された後、第2の支持体層へ恒久的に結合されてもよい。
【0030】
本開示の代表的な実施形態では、支持体層は、ポリプロピレン繊維類を含むスパンボンド布地を含む。本開示の更なる代表的な実施形態では、支持体層は、短繊維長の繊維類のカードウェブを含み、この場合、短繊維長の繊維類は、(i)低融点繊維もしくはバインダー繊維と(ii)高融点繊維もしくは構造繊維との混合物を含む。典型的に、バインダー繊維類の融点と構造繊維類の融点との差は10℃超であるが、バインダー繊維類の融点は、構造繊維類の融点よりも少なくとも10℃低い。適したバインダー繊維類としては、これらに限定されないが、前記高分子繊維類のうちのいずれかが挙げられる。適した構造繊維類としては、これらに限定されないが、前記高分子繊維類のうちのいずれか、並びにセラミック繊維類、ガラス繊維類、および金属繊維類などの無機繊維類、およびセルロース繊維類などの有機繊維類が挙げられる。
【0031】
望ましい一実施形態では、支持体層は、短繊維長の繊維類のカードウェブを含み、この場合、短繊維長の繊維類は、(i)2成分バインダー繊維類(インビスタ社(Invista, Inc.)(カンサス州ウィチタ(Wichita))から市販されているインビスタT254(Invista T254)繊維類)(12d×3.81cm(1.5インチ))約20重量%と、(ii)構造繊維類(インビスタT293(Invista T293)PET繊維類(32d×7.62cm(3インチ)))約80重量%との混合物を含む。
【0032】
上述のように、支持体層は、1層以上を互いに組み合わせて含んでよい。代表的な一実施形態では、支持体層は、不織布またはフィルムなどの第1層と、第1層のサブミクロン繊維層とは反対側に接着剤層とを含む。この実施形態では、接着剤層は、第1層の外表面の一部または全体を覆っていてよい。接着剤は、感圧接着剤類、熱活性化接着剤類などを包含するいかなる既知の接着剤を含んでもよい。接着剤層が感圧接着剤を含むとき、多層物品は、剥離ライナーを更に含んで、感圧接着剤の一時的な保護を付与してもよい。
【0033】
3.追加の層
本開示の多層物品類は、サブミクロン繊維層、支持体層、またはこれらの両者と組み合わせて、追加の層を含んでよい。1層以上の追加の層は、サブミクロン繊維層の外表面(例えば、
図1に示すサブミクロン繊維層11の外表面13)上、支持体層の外表面(例えば、
図1に示す支持体層12の外表面14)上、またはこれらの両方に存在してよい。
【0034】
適した追加の層としては、これらに限定されないが、色保有層(例えば、印刷層)、前記支持体層のうちいずれか、別個の平均繊維直径および/または物理的組成物を有する1層以上の追加のサブミクロン繊維層、更なる絶縁性能のための1層以上の二次微細繊維層(例えば、メルトブローンウェブまたはガラス繊維布地)、発泡体類、粒子類の層、箔層、フィルム類、装飾的な布地層、膜類(すなわち、制御された透過性を有するフィルム類、例えば、透析膜類、逆浸透性膜など)、網状織物、メッシュ、配線網状組織もしくは管状の網状組織(すなわち、電気搬送用のワイヤー層、または加熱ブランケット用の配線網状組織、および冷却ブランケットの中を流れる冷却剤用の管状の網状組織のような、様々な流体を搬送するための管/パイプ群の層)、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
4.連結装置類
本開示の多層物品は更に、多層物品を基材に取り付けることができる連結装置類を1つ以上含んでもよい。上述のように、接着剤を用いて多層物品を取り付けてもよい。接着剤類に加えて、別の連結装置類を利用してもよい。適した連結装置類としては、これらに限定されないが、ねじ類、爪類、クリップ類、ステープル類、縫製、糸、ホックおよびループ状の材料類などが挙げられる。
【0036】
1つ以上の連結装置類を用いて、多層物品を様々な基材類に取り付けてもよい。代表的な基材類としては、これらに限定されないが、車両構成要素、車内(すなわち、乗客の個室、モータ室、トランクなど)、建物の壁(すなわち、室内の壁表面または室外の壁表面)、建物の天井(すなわち、室内の天井表面または室外の天井表面)、建物の壁または天井を形成するための建築材料(例えば、天井タイル、木材構成要素、石膏ボードなど)、部屋の仕切り、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、機械装置の構成要素、電気器具の構成要素(すなわち、室内電気器具表面または室外電気器具表面)、パイプまたはホースの表面、コンピュータまたは電子的構成要素、録音もしくは音響再生装置、電気器具やコンピュータ用のハウジングまたはケースなどが挙げられる。
【0037】
II.多層物品類の製造方法
本開示はまた、少なくとも1層のサブミクロン繊維層を含む多層物品類の製造方法を目的とする。本開示の一実施形態では、多層物品の製造方法は、(i)1ミクロン(μm)未満の平均繊維直径を有する複数の繊維類を形成すること、および(ii)支持体層または基材上にサブミクロン繊維層を形成するように、複数の繊維類を支持体層または基材上に配置することを含む。この方法は、支持体層または基材を、1ミクロン(μm)未満の平均繊維直径を有するサブミクロン繊維類の繊維の流れの中を通過させる工程を含んでよい。繊維の流れの中を通過している間に、サブミクロン繊維類は、支持体層または基材へ一時的にまたは恒久的に結合されるように、支持体層または基材上に配置される。特定の加工条件下では、繊維類が支持体層または基材上に配置されるときは、前記繊維類を、互いに結合し、そして支持体層または基材上にあるうちに更に硬化してもよい。
【0038】
特定の代表的な実施形態では、サブミクロン繊維類の層を支持体層上に巻き込んでもよい。任意の特定の理論に束縛されるつもりはないが、本発明者らは、幾つかの実施形態では、サブミクロン繊維類の層と支持体層との間に物理的な結合があると考えている。幾つかの実施形態では、物理的な結合は、支持体に、更なる加工工程および処理の負荷がかかるのを許容することができる。支持体はまた、いかなる圧縮応力をも保護することもでき、そうでなければ、サブミクロン繊維類の音響吸収性能に悪影響を及ぼす可能性のあるサブミクロン繊維類の圧縮をもたらす場合がある。
【0039】
多くのプロセスを利用して、サブミクロン繊維類を配置してよい。適したプロセス類としては、これらに限定されないが、米国特許第4,536,361号(トロビン(Torobin))、米国特許第6,183,670号(トロビン(Torobin))、およびドイツ特許第19929709C2号(ゲルキング(Gerking))に開示されているプロセスが挙げられる。適したプロセス類には電解紡糸プロセスも包含する。
【0040】
本開示の多層物品類の作製方法を用いて、前記高分子材料類のうちいずれかから形成される繊維類を具備するサブミクロン繊維層を形成してよい。典型的に、サブミクロン繊維形成方法の工程は、熱形成可能な材料を約130℃〜約350℃までの範囲の溶融押出し温度で溶融押出しすることを伴う。ダイアセンブリおよび/または同軸ノズルアセンブリ(例えば、前記トロビン(Torobin)プロセスを参照のこと)は、溶融した熱形成可能な材料が押し出される複数の紡糸口金および/または同軸ノズルを含む。代表的な一実施形態では、同軸ノズルアセンブリは、繊維の複数の流れを支持体層または基材上に押し出すように、配列を形成した複数の同軸ノズルを含む。例えば、米国特許第4,536,361号(
図1)および米国特許第6,183,670号(
図1〜2)を参照のこと。
【0041】
サブミクロン繊維層の形成工程に加えて、多層物品類の作製方法には、次のプロセス工程を1つ以上包含してよい。
【0042】
(1)プロセス経路に沿って更なる加工作業に向かって多層物品を前進させる工程、
(2)1層以上の追加の層をサブミクロン繊維層および/または支持体層の外表面と接触させる工程、
(3)多層物品をカレンダ処理する工程、
(4)多層物品を表面処理またはその他の組成物(例えば、難燃性組成物、接着剤組成物、または印刷層)でコーティングする工程、
(5)多層物品をダンボールまたはプラスチック製の管に取り付ける工程、
(6)多層物品をロール形態に巻き取る工程、
(7)多層物品にスリットを付けて2つ以上のスリットロールを形成する工程、
(8)多層物品を金型に入れて、多層物品を成形処理する工程、
(9)存在する場合、露出した感圧接着剤層上に剥離ライナーを適用する工程、および
(10)クリップ類、ブラケット類、ボルト類/ねじ類、爪類、およびストラップ類を包含するが、これらに限定されない接着剤もしくは任意のその他の連結装置を介して多層物品を別の基材に取り付ける工程。
【0043】
III.多層物品類の使用方法
本開示の多層物品類は、様々な用途で利用することができる。多層物品類は、音吸収用途および遮音用途などの音響用途において特に有用である。代表的な一実施形態では、多層物品の使用方法は、ある領域で音を吸収する方法を含み、ここで、前記方法は前記領域の少なくとも一部をサブミクロン繊維層で包囲する工程を含み、この場合、サブミクロン繊維層は1ミクロン(μm)未満の平均繊維直径を有する繊維類を含む。幾つかの実施形態では、領域全体がサブミクロン繊維層単独によってまたは支持体層上で包囲されてよい。
【0044】
ある領域を包囲する工程は、多層物品を前記領域の少なくとも一部の上に配置することを含んでよく、この場合、前記多層物品は、前記支持体層類のうちいずれかの上にサブミクロン繊維層を含む。幾つかの実施形態では、包囲する工程は、多層物品を前記領域の少なくとも一部の上に配置することを含んでよく、この場合、多層物品は、支持体層上にサブミクロン繊維層を含むと共に、サブミクロン繊維層の上に追加の層を含む。上述のように、適した追加の層類は、色保有層(例えば、印刷層)、前記支持体層類のうちいずれか、別個の平均繊維直径および/または物理的組成物を有する1層以上の追加のサブミクロン繊維層、更なる絶縁性能のための1層以上の二次微細繊維層(例えば、メルトブローンウェブまたはガラス繊維布地)、発泡体類、粒子類の層、箔層、フィルム類、装飾的な布地層、膜類、網状織物、メッシュ、配線網状組織もしくは管状の網状組織、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
【0045】
包囲する工程は、サブミクロン繊維層または多層物品を基材に取り付ける工程を更に含んでよい。前記連結装置類のうちのいずれかを利用して、サブミクロン繊維層または多層物品を所定の基材に取り付けてよい。適した基材類としては、これらに限定されないが、建物の壁、建物の天井、建物の壁または天井を形成するための建築材料、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、車両の構成要素、機械装置の構成要素、または電気器具の構成要素を挙げることができる。
【0046】
本開示の別の実施形態では、多層物品の使用方法は、音源物体とある領域との間に遮音壁を提供する方法を含む。この代表的な方法では、前記方法は、サブミクロン繊維層を音源物体と前記領域との間に提供する工程を含んでよく、その場合、サブミクロン繊維層は、1ミクロン(μm)未満の平均繊維直径を有する繊維類を含む。音源物体は、自動車モータ、機械装置の部品、電気器具モータもしくはその他の駆動構成要素、テレビなどのエレクトロニクス機器、動物などを包含するが、これらに限定されない、音を発生するいかなる物体であってもよい。
【0047】
多層物品を使用する前記の代表的な方法のいずれかにおいて、前記領域は、音を吸収すべきおよび/または防音すべきあらゆる領域であってよい。適した領域としては、これらに限定されないが、室内、車内、機械装置の部品、電気器具、事務所もしくは工場地帯の独立した防音領域、録音もしくは音響再生領域、映画館もしくはコンサートホールの室内、音が有害である無響室もしくは無響部屋、分析室もしくは分析部屋、または実験室もしくは実験部屋、並びにノイズから耳を隔離保護するための耳当てもしくは耳カバーを挙げることができる。
【0048】
本開示は上述されており、また更には以下に一例として例示されるが、これらは決して、本開示の範囲に限定を強制すると解されるべきではない。それとは逆に、本明細書中の説明を読むことによって、本開示の精神および/または添付の請求項の範囲を逸脱することなく当業者に示唆され得る様々な他の実施形態、修正、およびそれらの等価物に頼ることができることが明確に分かる。
【実施例】
【0049】
以下の実施例において、様々な支持体類または基材類は、スパンボンドプロセス類またはメルトブローン(すなわち、ブローンマイクロファイバー(blown microfiber))プロセス類を利用して調製される。このような支持体類を調製するための適したプロセスは、米国特許第4,729,371号に記載されている。
【0050】
(実施例1):
公称110グラム/平方メートル(gsm)の坪量を有するスパンボンドプロセスを利用して製造されたポリプロピレンスパンボンドウェブを、サブミクロン繊維類のコーティングのためにナノファイバー・テクノロジー社(Nanofiber Technology, Inc.)(NTI)(ノースカロライナ州アバディーン(Aberdeen))に送付した。スパンボンドウェブは、坪量100gsm、厚さ1.14mm(0.045インチ)および18ミクロンのEFDを有するポリプロピレンスパンボンドウェブであった。使用したポリプロピレンは、トータル・ダイプロ(Total Dypro)3860(テキサス州ヒューストン(Houston)のトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals))であった。
【0051】
様々な坪量のサブミクロンポリプロピレン繊維類を、米国特許第4,536,631号、米国特許第6,183,670号および米国特許第6,315,806号(すなわち、トロンビン(Torobin)特許)に基づくNTIのプロセスを利用して、スパンボンドウェブ上に配置した。得られる試料は、スパンボンドウェブ基材上に配置した平均繊維直径約0.56ミクロン(μm)の、14、25および50gsmのサブミクロン繊維を有していた。試料は、以降、それぞれ試料A、B、およびCと呼ぶ。スパンボンドウェブ単独は、以降、試料Dと呼ぶ。
【0052】
サブミクロン繊維層は、もつれと熱接着の両者によってスパンボンドウェブ層に本質的に結合された。サブミクロン繊維類として生じた結合を、スパンボンドウェブ基材上に配置した。
【0053】
試料は、音響吸収度(すなわち、音響吸収)について試験した。試験は、ASTM標準E1050に従って、63mmの管を用いて行った。試料は、試験管内に、試料と試験管の後方の壁との間に25mmのギャップをとって入れた。これを行うことで、試験中に試料の差別化を改善した。
図2には、この試験の結果を示す。
【0054】
図2に示すように、更に少量のサブミクロン繊維類を添加することによって、スパンボンドウェブ単独に比べて音響吸収が大きく向上した。
【0055】
(実施例2):
坪量35gsmのポリプロピレンスパンボンドウェブは、実施例1に記載したのと同様にして、ナノ繊維プロセスの繊維の流れの下を通過させた。スパンボンドウェブは、坪量35gsm、厚さ0.46mm(0.018インチ)および20ミクロンのEFDを有するポリプロピレンスパンボンド繊維ウェブであった。使用したポリプロピレンは、トータル・ダイプロ(Total Dypro)3860(テキサス州ヒューストン(Houston)のトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals))であった。
【0056】
スパンボンドウェブを、その76.2cm(30インチ)幅のプロセスラインを用いてコーティングするために、NTIに送付した。4.6gsm、7.0gsm、27.44gsmの3つの異なる被覆重量のナノ繊維類を用いて、総坪量39.6、42.0および62.4gsmをそれぞれ付与した。ナノ繊維類の平均繊維直径は、約0.65ミクロン(μm)であった。ベアスパンボンドウェブは、試料Eと呼び、同様に、前記の3つの被覆試料は、ナノ繊維の坪量の低い方から順に試料F、G、およびHと呼ぶ。試料の坪量、厚さ、および所定の試料全体にわたる圧力低下を、以下の表1に提示する。
【0057】
4つの試料は、ASTM標準E1050に従って、63mmの管を用いて試験した。試料はそれぞれ、各試料の後に25mmの空隙をとって試験管に入れた。各試料の音響吸収を試験し、その結果を
図3に示した。
【0058】
図3に示すように、試料F、G、およびHは、スパンボンドウェブ単独(試料E)に比べて改善された音響吸収を示した。更に、ナノ繊維の坪量が増加するにつれて、音響吸収性能も向上した。
【0059】
(実施例3):
穴を開けたオリフィスダイを用いて製造し、そして坪量55gsm、厚さ1.02mm(0.040インチ)および8.4μmのEFDを有するポリプロピレンメルトブローン繊維ウェブを、3Mリサーチ・センター(3M Research Center)(ミネソタ州セント・ポール(St. Paul))において50.8cm(20インチ)幅のラインで製造し、そしてNTIのナノ繊維ラインからのポリプロピレンナノ繊維でコーティングした。用いたポリプロピレンは、トータル・ダイプロ(Total Dypro)3960(テキサス州ヒューストン(Houston)のトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals))であった。1.8gsm、3.0gsm、および7.2gsmの3つの異なるコーティング坪量を用いて3つの別個の試料を調製した。ナノ繊維の平均繊維直径は約0.77ミクロン(μm)であった。ベアメルトブローンウェブを試料Iと呼ぶと同様に、ナノ繊維コーティングした試料は、ナノ繊維の坪量の低い方から順に試料J、K、およびLと識別する。試料の坪量、厚さ、および所定の試料全体にわたる圧力低下を、以下の表1に提示する。
【0060】
実施例2に記載した通りにして、4つの試料を試験した。結果を
図4に示す。
【0061】
(実施例4):
エアレイド(ランド−ウェバー(Rando‐Webber))不織ウェブを、サブミクロン繊維のコーティングのためにナノファイバー・テクノロジー社(Nanofiber Technology, Inc.)(NTI)(ノースカロライナ州アバディーン(Aberdeen))に送付した。エアレイドウェブは、30.48cm(12インチ)幅のランド−ウェバー(Rando‐Webber)マシンで製造した。供給原料である繊維組成物は、インビスタ(Invista)T293繊維(32d×7.62cm(3インチ)のPET)80重量%、およびインビスタT254繊維(取引表記セルボンド(Celbond)(商標)として販売されている、約110℃のシース融点を有するコ−PET/PETシース/コア繊維を含む、12d×3.81cm(1.5インチ)の2成分繊維)20重量%であった。エアレイドウェブの平均坪量は42gsmであった。NTIは、実施例1に記載したプロセスを用いて、エアレイドウェブ上に様々な坪量のサブミクロンポリプロピレン繊維を配置した。製造された試料は、エアレイドウェブ上に配置した約0.60ミクロン(μm)の平均繊維直径を有する30、41、および126gsmのサブミクロン繊維を有していた。これらの試料をそれぞれ、以降、試料M、N、およびOと呼ぶ。試料の坪量、厚さ、および所定の試料全体にわたる圧力低下を、以下の表1に提示する。
【0062】
【表1】
【0063】
3つの試料と試料Mの2つの層を合わせて、3Mセンター(3M Center)において、ASTM標準E1050に従って63mmの管を用いて試験した。試験は、各試料を試験管の後方に持たれ掛けさせて行った。試験結果を
図5に示す。実施例2の試料Fも走査型電子顕微鏡を用いて評価して、デイヴィスC.N.(Davies, C. N.)の「浮遊粉塵と粒子の分離(The Separation of Airborne Dust and Particles)」、機械技師協会(Institution of Mechanical Engineers)、ロンドン会議録(London Proceedings)1B(1952年)に記載の方法に従って有効繊維直径(EFD)を求めた。132本の繊維に基づく有効繊維直径数の分布を以下の表2に示し、同時に分布統計値を表3に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
(実施例5):
短繊維ウェブを、電解紡糸プロセスからのナノ繊維でコーティングした。基材ウェブは、アメリカン・ノンウォーヴンズ(American Nonwovens)製のポリエステル繊維類のカード処理した樹脂結合ウェブである(RB 282−57 K/F)。基材ウェブの坪量は、62グラム/メートル
2であった。ベア基材は試料Pと呼ぶ。ポリカプロラクトンのサブミクロン繊維(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)製のトーン(TONE)(商標)P−787)を、メチルエチルケトン溶液から汎用のニードル系電解紡糸装置を用いて直接基材上に電解紡糸した。3つの異なる坪量のサブミクロン繊維を基材上に紡糸して、3つの試料を作製した。試料Qのサブミクロン繊維坪量は、6.0グラム/メートル
2であった。試料Rのサブミクロン繊維坪量は、11.2グラム/メートル
2であった。試料Sのサブミクロン繊維坪量は、32.1グラム/メートル
2であった。試料Q〜Sに関する総坪量はそれぞれ、68.0、73.2、および94.1グラム/メートル
2である。サブミクロン繊維類の平均繊維直径は0.60ミクロン(μm)であった。
【0067】
試料P、Q、R、およびSは、3Mセンター(3M Center)において、ASTM標準E1050に従って63mmの管を用いて試験した。試験は、各試料の裏面が管端の25mm手前にある場合に行った。これらの試験結果を
図6に示す。
【0068】
(実施例6):
ポリウレタン製のサブミクロン繊維類は、PCT国際公開特許WO2005/073441(ハク−ヨン・キム(Hak‐Yong Kim))に記載のプロセスを用いて製造した。サブミクロン繊維ウェブは坪量14グラム/メートル
2および平均直径0.61ミクロン(μm)を有していた。このウェブは、実施例5に記載のカードウェブに冷間接合した。冷間接合は、単一試料を両方のウェブから切断することによって用いると同時に、鋭利なダイを用いて行った。試料の切断プロセスの結果として、試料の縁部となる堅い接合部分が得られた。ベアサブミクロン繊維ウェブは、試料Tと呼ぶ。ベアカードウェブは、実施例5の記載と同様に、試料Pである。接合した試料は試料Uと呼ぶ。
【0069】
試料は、ASTM標準E1050に従って63mmの管を用いて試験した。試験は、各試料の裏面が管端の25mm手前にある場合に行った。これらの試験結果を
図7に示す。
【0070】
本明細書は、その特定の実施形態について詳述してきたが、前述の事項を理解することにより、当業者がこれらの実施形態に対する変更、その変形、およびそれらの相当物を容易に想像できることは明らかである。従って、本開示の範囲は、添付の請求項およびそれらの任意の相当物の範囲と判定されるべきである。
以下に、本願発明に関連する発明の実施形態について列挙する。
[実施形態1]
多層物品であって、
支持体層、および
前記支持体層上のサブミクロン繊維層、
を含み、前記サブミクロン繊維層が、1ミクロン(μm)未満の中央繊維直径を有する高分子繊維を含む、多層物品。
[実施形態2]
前記高分子繊維が、約0.3μm〜約0.9μmまでの範囲の平均繊維直径を有する、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態3]
前記高分子繊維が、約0.5μm〜約0.7μmまでの範囲の平均繊維直径を有する、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態4]
前記高分子繊維が、ポリオレフィン繊維類、ポリプロピレン繊維類、ポリエチレン繊維類、ポリエステル繊維類、ポリエチレンテレフタレート繊維類、ポリブチレンテレフタレート繊維類、ポリアミド繊維類、ポリウレタン繊維類、ポリブテン繊維類、ポリ乳酸繊維類、ポリビニルアルコール繊維類、ポリフェニレンスルフィド繊維類、ポリスルホン繊維類、液晶ポリマー繊維類、ポリエチレン−コ−酢酸ビニル繊維類、ポリアクリロニトリル繊維類、環状ポリオレフィン繊維類、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態5]
前記高分子繊維が、ポリオレフィン繊維類を含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態6]
前記高分子繊維が、前記サブミクロン繊維層内で均一に分布している、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態7]
前記支持体層が、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、裏面粘着層、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態8]
前記支持体層が、スパンボンド布地、メルトブローン布地、短繊維長の繊維類のカードウェブ、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態9]
前記支持体層が、結合された短繊維類のウェブを含み、前記支持体層が、熱接着、冷間接合、接着剤結合、粉末結合剤、水流交絡法、電界紡糸、ニードルパンチ法、カレンダ処理、またはこれらの組み合わせを用いて結合される、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態10]
前記サブミクロン繊維層とは反対側の前記支持体層上に接着剤層を更に含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態11]
サブミクロン繊維層上に追加の層を更に含む、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態12]
前記追加の層が、色保有層、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、粒子類の層、箔層、装飾的な布地層、膜、網状織物、メッシュ、配線網状組織もしくは管状の網状組織、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態11に記載の多層物品。
[実施形態13]
建物の壁、建物の天井、建物の壁もしくは天井を形成するための建築材料、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、車両の構成要素、機械装置の構成要素、または電気器具の構成要素を含む基材に取り付けられる、実施形態1に記載の多層物品。
[実施形態14]
ある領域で音響を吸収する方法であって、
前記領域の少なくとも一部をサブミクロン繊維層で包囲する工程であって、前記サブミクロン繊維層が1ミクロン(μm)未満の中央繊維直径を有する繊維類を含むこと、
を含む、前記方法。
[実施形態15]
前記領域が、室内、車内、機械装置の部品、電気器具、事務所もしくは工場地帯の独立した防音領域、録音もしくは音響再生領域、映画館もしくはコンサートホールの室内、音が有害である、無響室もしくは無響部屋、分析室もしくは分析部屋、または実験室もしくは実験部屋、ノイズから耳を隔離保護するための耳当てもしくは耳カバーを含む、実施形態14に記載の方法。
[実施形態16]
前記の包囲する工程が、前記領域の少なくとも一部の上に多層物品を配置することを含み、前記多層物品が、支持体層上に前記サブミクロン繊維層を含む、実施形態14に記載の方法。
[実施形態17]
前記支持体層が、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、裏面粘着層、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態16に記載の方法。
[実施形態18]
前記の包囲する工程が、前記領域の少なくとも一部の上に多層物品を配置することを含み、前記多層物品が、支持体層上に前記サブミクロン繊維層を含むと共に、前記サブミクロン繊維層の上に追加の層を含む、実施形態16に記載の方法。
[実施形態19]
前記追加の層が、色保有層、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、粒子類の層、箔層、装飾的な布地層、膜、網状織物、メッシュ、配線網状組織もしくは管状の網状組織、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態18に記載の方法。
[実施形態20]
前記の包囲する工程が、前記サブミクロン繊維層を基材に取り付けることを含み、前記基材が、建物の壁、建物の天井、建物の壁もしくは天井を形成するための建築材料、金属シート、ガラス基材、ドア、窓、車両の構成要素、機械装置の構成要素、または電気器具の構成要素を含む、実施形態14に記載の方法。
[実施形態21]
音源物体とある領域との間に遮音壁を提供する方法であって、前記方法が、
前記音源物体と前記領域との間に1ミクロン(μm)未満の中央繊維直径を有する繊維類を含むサブミクロン繊維層を提供する工程を含む、前記方法。
[実施形態22]
前記音源物体が、自動車、機械装置の部品、電気器具モータもしくはその他の駆動電気器具構成要素、エレクトロニクス機器、テレビ、動物、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態21に記載の方法。
[実施形態23]
前記領域が、室内、車内、機械装置の部品、電気器具、事務所もしくは工場地帯の独立した防音領域、録音もしくは音響再生領域、映画館もしくはコンサートホールの室内、音が有害である無響室もしくは無響部屋、分析室もしくは分析部屋、または実験室もしくは実験部屋、ノイズから耳を隔離保護するための耳当てもしくは耳カバーを含む、実施形態21に記載の方法。