(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セルラー電話受信機が第3の通信帯域で動作するように構成され、前記第2のフィルタが前記第3の通信帯域で高周波信号を通過させるように構成されている、請求項5に記載の電子機器。
前記アンテナを同調して前記第3の通信帯域をカバーするように構成され、前記ノッチフィルタに結合されている同調可能回路を更に備える、請求項7に記載の電子機器。
前記第2のアンテナフィード部と前記第2の高周波受信機との間に結合されている信号経路を更に備え、前記第2のアンテナフィード部と前記第2の高周波受信機との間の前記経路の中に前記スイッチ式の調節可能なコンデンサが挿入され、前記第2のアンテナフィード部と前記スイッチ式の調節可能なコンデンサとの間に前記第2のフィルタが挿入され、前記第1の高周波受信機は衛星航法システム受信機を含み、前記第2の高周波受信機はセルラー電話受信機を含み、前記信号経路に結合されているセルラー電話送信機を更に備える、請求項10に記載の電子機器。
前記アンテナのアンテナ接地を形成する導電性構造体を収容し、筐体の少なくとも幾つかの縁部の周りに延びる導電性周囲部材を有する前記筐体を更に備え、前記導電性周囲部材の少なくとも一部が前記アンテナのアンテナ共振要素を形成する、請求項1に記載の電子機器。
前記第1のフィルタが前記第1の通信帯域で第3のインピーダンスを呈するように構成され、前記第3のインピーダンスが前記第2のインピーダンスよりも小さい、請求項13に記載の電子機器。
前記アンテナのアンテナ接地を形成する導電性構造体を収容する筐体であって、前記筐体の少なくとも幾つかの縁部の周りに延びる導電性周囲部材を有する、筐体を更に備え、前記導電性周囲部材の少なくとも一部が前記アンテナのアンテナ共振要素を形成する、請求項16に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の電子機器10のような電子機器は、無線通信回路を装備することができる。この無線通信回路は、複数の無線通信帯域での無線通信に対応するために使用することができる。この無線通信回路は、1つ以上のアンテナを含むことができる。
【0012】
アンテナとしては、ループアンテナ、逆Fアンテナ、ストリップアンテナ、平板逆Fアンテナ、スロットアンテナ、1種類よりも多くのアンテナ構造体を含む複合アンテナ、又はその他の好適なアンテナを挙げることができる。所望であれば、アンテナ用の導電性構造体は、電子機器の導電性構造体から形成することができる。電子機器の導電性構造体としては、導電性の筐体構造体を挙げることができる。筐体構造体としては、電子機器の周りに延びる導電性周囲部材を挙げることができる。導電性周囲部材は、ディスプレイなどの平面構造体のベゼルとして機能することができ、機器の筐体の側壁構造体として機能することができ、及び/又はその他の筐体構造体を形成することができる。導電性周囲部材内の隙間を、アンテナに関連付けることができる。
【0013】
電子機器10は、ポータブル電子機器又はその他の好適な電子機器であり得る。例えば、電子機器10は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、腕時計型機器、ペンダント型機器、ヘッドホン型機器、イヤホン型機器、若しくはその他の着用可能な若しくはミニチュア機器などの幾分小さめの機器、セルラー電話機、又はメディアプレーヤであってもよい。機器10はまた、テレビ、セットトップボックス、デスクトップコンピュータ、コンピュータを内蔵するコンピュータ用モニター、又はその他好適な電子機器であってもよい。
【0014】
機器10は、筐体12のような筐体を含むことができる。ケースと呼ばれることもある筐体12は、プラスチック、ガラス、セラミックス、繊維複合材、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、その他の好適な材料、又はこれら材料の組み合わせで形成することができる。一部の状況では、筐体12の一部は、誘電体又は他の低導電性材料から形成することができる。その他の状況では、筐体12又は筐体12を構成する構造物の少なくとも一部を金属要素から形成することができる。
【0015】
所望であれば、機器10はディスプレイ14のようなディスプレイを有することができる。ディスプレイ14は、例えば、容量性タッチ電極を組み込んだタッチスクリーンであってもよい。ディスプレイ14は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、プラズマセル、エレクトロウェッティングピクセル、電気泳動ピクセル、液晶ディスプレイ(LCD)構成要素、又はその他の好適な画像ピクセル構造体から形成される、画像ピクセルを含むことができる。カバーガラス層によってディスプレイ14の表面を覆うことができる。ボタン19のようなボタンがカバーガラス内の開口部を貫通することができる。カバーガラスはまた、スピーカーポート26用の開口部のようなその他の開口部を有することもできる。
【0016】
筐体12は、部材16のような周囲部材を含むことができる。部材16は、機器10及びディスプレイ14の周りに延びることができる。機器10及びディスプレイ14が矩形形状を有する構成において、部材16は(例として)矩形環形状を有することができる。部材16又は部材16の一部は、ディスプレイ14のベゼル(例えば、ディスプレイ14の4辺全てを囲み、及び/又はディスプレイ14を機器10に保持する上で役立つ装飾用トリム)として機能することができる。所望ならば、部材16はまた、(例えば、垂直側壁などを有する金属バンドなどを形成することにより)機器10の側壁構造体を形成することもできる。
【0017】
部材16は導電性材料で形成することができ、したがって、場合によっては導電性周囲部材又は導電性筐体構造体と呼ばれることもある。部材16は、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属、又はその他の好適な材料から形成することができる。部材16を形成するにあたって、1つ、2つ、又は2つよりも多くの別個の構造体を使用してもよい。
【0018】
部材16が均一な断面を有する必要はない。例えば、所望であれば、部材16の上部部分が、ディスプレイ14を適所に保持する上で役立つ内向きに突出したリップを有することができる。所望であれば、部材16の下部部分もまた拡大されたリップを(例えば、機器10の背面の平面内に)有することができる。
図1の例では、部材16はほぼ垂直な真っ直ぐな側壁を有する。これは単なる例示に過ぎない。部材16の側壁は、湾曲していてもよく、又はその他任意の好適な形状を有することができる。幾つかの構成では(例えば、部材16がディスプレイ14のベゼルとして機能する場合)、部材16は、筐体12のリップの周りに延びることができる(即ち、部材16が筐体12の側壁の筐体12の後縁部は覆わずに、筐体12のディスプレイ14を囲む縁部のみを覆ってもよい)。
【0019】
ディスプレイ14は、容量性電極のアレイ、ピクセル要素をアドレス指定するための導電線、駆動回路などの導電性構造体を含むことができる。筐体12は、金属フレーム部材、筐体12の壁部に広がる(中央平面と呼ぶこともある)平面筐体部材(即ち、部材16の対辺間を溶接ないしは別の方法で接続するほぼ矩形の部材)、プリント回路基板、及びその他の導電性の内部構造体などの内部構造体を含むことができる。これらの導電性構造体は、(例として)ディスプレイ14の下の筐体12の中央に配置することができる。
【0020】
領域22及び20内において、機器10の導電性構造体の内部(例えば、導電性周囲部材16と、導電性筐体構造体、プリント回路基板に関連付けられた導電性接地平面、及び導電性電気構成要素のような導電性周囲部材16と対向する機器10内の導電性構造体との間)に空きスペースを形成することができる。これらの空きスペースは、空気、プラスチック、及びその他の誘電体で充填することができる。導電性筐体構造体及び機器10内のその他の導電性構造体が、機器10内のアンテナの接地平面として機能することができる。領域20及び22にある空きスペースは、オープンスロットアンテナ若しくはクローズドスロットアンテナ内のスロットとして機能することができ、ループアンテナ内の材料のうちの導電路によって囲まれた中央の誘電体領域として機能することができ、ストリップアンテナの共振要素若しくは逆Fアンテナの共振要素のようなアンテナの共振要素を接地平面から分離するスペースとして機能することができ、又は領域20及び22内に形成されたアンテナ構造体の一部として別の機能を果たすことができる。
【0021】
機器10は、一般的に任意の好適な数(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)のアンテナを含むことができる。機器10のアンテナは、機器の細長い筐体の対向する第1及び第2の端部に、機器の筐体の1つ以上の縁部に沿って、機器の筐体の中央に、その他の好適な場所に、又はこのような場所のうちの1つ以上の場所に配置することができる。
図1の構成は、単なる例示に過ぎない。
【0022】
部材16の部分に隙間構造体を設けることができる。例えば、部材16に、
図1に示す隙間18のような1つ以上の隙間を設けることができる。隙間は、ポリマー、セラミック、ガラス、空気、その他の誘電物質などの誘電体、又はこれらの物質の組み合わせで充填することができる。隙間18は、部材16を1つ以上の導電性周囲部材のセグメントに分割することができる。例えば、2セグメントの部材16(例えば、2箇所の隙間を有する構成)、3セグメントの部材16(例えば、3箇所の隙間を有する構成)、4セグメントの部材16(例えば、4箇所の隙間を有する構成など)があってもよい。このようにして形成される導電性周囲部材16のセグメントは、機器10内のアンテナの部分を形成することができる。
【0023】
一般的なシナリオでは、機器10は(例として)上部アンテナ及び下部アンテナを有することができる。上部アンテナは、例えば、領域22内において機器10の上端に形成することができる。下部アンテナは、例えば、領域20内において機器10の下端に形成することができる。これらのアンテナは、同一の通信帯域、重なり合う通信帯域、又は別個の通信帯域をカバーするために別々に使用することができる。これらのアンテナは、アンテナダイバーシティ方式又は多重入出力(MIMO)アンテナ方式を実施するために使用することができる。
【0024】
機器10のアンテナは、対象とする任意の通信帯域に対応するために使用することができる。例えば、機器10は、ローカルエリアネットワーク通信、音声及びデータ用セルラー電話通信、全地球測位システム(GPS)通信又はその他の衛星航法システムによる通信、Bluetooth(登録商標)通信などに対応するアンテナ構造体を含むことができる。
【0025】
電子機器10に使用できる例示的な構成の概略図を
図2に示す。
図2に示すとおり、電子機器10は記憶及び処理回路28を含むことができる。記憶及び処理回路28に、ハードディスクドライブ記憶装置などの記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するために構成された他の電気的にプログラムできる読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などを含めることもできる。記憶及び処理回路28内の処理回路を使用することによって機器10の動作を制御し得る。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、音声コーデックチップ、特定用途向け集積回路などに基づくことができる。
【0026】
記憶及び処理回路28を使用することによって、機器10上で、インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(VOIP)通話アプリケーション、電子メールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能などのソフトウェアを走らせ得る。外部機器との相互作用がサポートされるように、通信プロトコルを実施するために記憶及び処理回路28を使用してもよい。記憶及び処理回路28を使用して実施できる通信プロトコルとしては、インターネットプロトコル、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、IEEE 802.11プロトコル(WiFi(登録商標)と呼ぶこともある))、Bluetooth(登録商標)プロトコルのようなその他の近距離無線通信リンク用のプロトコル、セルラー電話プロトコルなどを挙げることができる。
【0027】
回路28は、機器10内のアンテナの使用を制御する制御アルゴリズムを実行するように構成することができる。例えば、回路28は信号品質の監視動作、センサーの監視動作、及びその他のデータ収集動作を実行することができ、機器10内でどの通信帯域を使用すべきかに関して収集されたデータ及び情報に応じて、データの受信及び処理のために機器10内のどのアンテナ構造体が使用されているかを制御することができ、並びに/又は機器10内の1つ以上のスイッチ、同調可能要素、若しくはその他の調節可能な回路を調節してアンテナの性能を調節することができる。例として、回路28は、着信高周波信号を受信するために2つ以上のアンテナのうちの何れが使用されているかを制御することができ、高周波信号を送信するために2つ以上のアンテナのうちの何れが使用されているかを制御することができ、機器10内の2つ以上のアンテナを介した並行する着信データストリームを経路指定するプロセスを制御でき、所望の通信帯域をカバーするためにアンテナを同調することができ、その他のことができる。回路28は、これらの制御動作を実行するために、スイッチを開閉することができ、受信機及び送信機をオン/オフすることができ、インピーダンス整合回路を調節でき、高周波送受信機回路とアンテナ構造体との間に挿入されているフロントエンドモジュール(FEM)高周波回路(例えば、インピーダンス整合及び信号経路指定に使用されるフィルタリング回路及びスイッチング回路)内のスイッチを設定することができ、アンテナの一部として形成されているか又はアンテナ若しくはアンテナに関連付けられた信号経路に連結されているスイッチ、同調可能回路、及びその他の調節可能な回路要素を調節でき、並びに機器10の構成要素を別の方法で制御及び調節することができる。
【0028】
機器10にデータを供給することを可能とし、機器10から外部機器にデータを供給することを可能とするために、入出力回路30を使用することができる。入出力回路30は、入出力装置32を含むことができる。入出力装置32としては、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、クリックホイール、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロホン、スピーカ、音源、振動器、カメラ、センサー、発光ダイオード及びその他の状態標識、データポートなどを挙げることができる。ユーザーは入出力装置32を介してコマンドを供給することにより機器10の動作を制御することができ、入出力装置32の出力リソースを使用して機器10から状態情報及びその他の出力を受け取ることができる。
【0029】
無線通信回路34は、1つ以上の集積回路から形成される高周波(RF)送受信機回路、電力増幅器回路、低雑音入力増幅器、パッシブRFコンポーネント、1つ以上のアンテナ、及びその他RF無線信号を処理するための回路を含むことができる。無線信号はまた、光線を使用して送信することもできる(例えば、赤外線通信)。
【0030】
無線通信回路34は、(例えば、1575MHzの衛星測位信号を受信するための)全地球測位システム(GPS)受信機回路35などの衛星航法システム受信機回路又はその他の衛星航法システムに関連付けられる衛星航法システム受信機回路を含むことができる。送受信機回路36は、WiFi(登録商標)(IEEE 802.11)通信用の2.4GHz及び5HGzの帯域を処理することができ、2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信帯域を処理することができる。回路34は、約700MHz〜約2200MHzの周波数範囲の帯域又はより高い若しくはより低い周波数の帯域のセルラー電話帯域での無線通信を処理するために、セルラー電話送受信機回路38を使用することができる。所望であれば、無線通信回路34は、その他の近距離及び遠距離無線リンク用の回路を含むことができる。例えば、無線通信回路34は、ラジオ信号及びテレビ信号を受信する無線回路、ページング回路などを含むことができる。WiFi(登録商標)リンク及びBluetooth(登録商標)リンク並びにその他の近距離無線リンクでは、無線信号は一般的に数十フィート又は数百フィートにわたってデータを伝達するために使用される。セルラー電話リンク及びその他の遠距離リンクでは、無線信号は一般的に数千フィート又は数マイルにわたってデータを伝達するために使用される。
【0031】
無線通信回路34は、1つ以上のアンテナ40を含み得る。任意の好適な種類のアンテナを使用してアンテナ40を形成することができる。例えば、アンテナ40としては、ループアンテナ構造体、パッチアンテナ構造体、逆Fアンテナ構造体、クローズド及びオープンスロットアンテナ構造体、平板逆Fアンテナ構造体、ヘリカルアンテナ構造体、ストリップアンテナ、モノポール、ダイポール、これらの設計の混成などから形成される共振要素を有するアンテナを挙げることができる。異なる帯域及び帯域の組み合わせについて異なる種類のアンテナを使用することもできる。例えば、1種類のアンテナをローカル無線リンクアンテナの形成に使用し、別の種類のアンテナをリモート無線リンクの形成に使用してもよい。
【0032】
所望であれば、アンテナ40のうちの1つ以上に複数のアンテナフィード部及び/又は調節可能な構成要素を設けることができる。これらのようなアンテナを使用して、所望の対象とする通信帯域をカバーすることができる。例えば、第1のアンテナフィード部を第1の組の通信周波数に関連付けることができ、第2のアンテナフィード部を第2の組の通信周波数に関連付けることができる。複数のフィード部(及び/又は調節可能なアンテナ構成要素)を使用することにより、所望の通信帯域を十分にカバーしながらも機器10内のアンテナのサイズ(体積)の低減を可能とすることができる。
【0033】
機器10のための1つ以上のアンテナを実装するために使用できる種類の、複数のフィード部を有するアンテナの例示的な構成を
図3に示す。
図3に示すように、アンテナ40は、アンテナ共振要素50及びアンテナ接地52などの導電性アンテナ構造体を有することができる。アンテナ共振要素50及びアンテナ接地52を形成する導電性構造体は、導電性筐体構造体の部分から、機器10内の電気装置構成要素の部分から、プリント回路基板の配線から、電線及び金属箔などの導線から、又はその他の導電性材料から形成することができる。
【0034】
所望であれば、アンテナ40に関連付けられる各々のアンテナフィード部は別個の場所を有することができる。
図3に示すように、アンテナ40は、アンテナ40内の第1の場所にフィード部FAのような第1のフィード部を、アンテナ40内の第2の場所にフィード部FBのような第2のフィード部を、及びアンテナ40の潜在的に異なるそれぞれの場所に1つ以上の追加的なアンテナフィード部を有することができる。
【0035】
正のアンテナフィード端子(+)及び接地アンテナフィード端子(−)のような端子を使用して、各々のフィード部を関連付けられる1組の導電性信号経路に連結することができる。例えば、経路54Aはフィード部FA内の正のアンテナフィード端子に連結されている正の導体58A及びフィード部FA内の接地アンテナフィード端子に連結されている接地導体56Aを有することができ、経路54Bはフィード部FB内の正のアンテナフィード端子に連結されている正の導体58B及びフィード部FB内の接地アンテナフィード端子に連結されている接地導体56Bを有することができる。経路54A及び54Bのような経路は、同軸ケーブル、マイクロストリップ伝送路(例えば、プリント回路上のマイクロストリップ伝送路)、ストリップライン伝送路(例えば、プリント回路上のストリップライン伝送路)、又はその他の伝送路若しくは信号経路などの伝送路構造体を使用して実装することができる。インピーダンス整合回路及びフィルタ回路などの回路並びにその他の回路を経路54A及び54Bの中に挿入することができる。
【0036】
アンテナ共振要素50及びアンテナ接地52を形成する導電性構造体を使用して任意の好適な種類のアンテナを形成することができる。
【0037】
図4の例では、第1のアンテナフィード部(フィード部FA)及び第2のアンテナフィード部(フィード部FB)を有する平板逆Fの構成を使用してアンテナ40を実装している。
【0038】
図5は、アンテナ40に使用できる例示的なスロットアンテナの構成の平面図である。
図5の例では、アンテナ共振要素50は、接地平面52内の閉じた(囲まれた)矩形スロット(例えば、誘電体で充填された空きスペース)から形成されている。フィード部FA及びFBは各々、アンテナのスロットに沿ったそれぞれの位置に配置されたそれぞれに対応する1対のアンテナフィード端子(+/−)を有することができる。
【0039】
図6の例示的な構成では、アンテナ40は、逆Fアンテナの設計を使用して実装されている。
図6の逆Fアンテナ40は、第1のアンテナフィード部(対応する正の端子及び接地端子を有するフィード部FA)及び第2のアンテナフィード部(対応する正の端子及び接地端子を有するフィード部FB)を有する。フィード部FA及びFBは、逆Fアンテナ40を形成する共振要素の主要部である腕部の長さに沿ったそれぞれの異なる場所に配置することができる。所望であれば、複数の腕部又は異なる形状の腕部を有する逆F構成を使用することができる。
【0040】
図7は、複数のアンテナフィード部を有するループアンテナの構成を使用してアンテナ40を実装する方法を示す図である。
図7に示すように、アンテナ40は、ループ60のような導電性材料からなるループを有することができる。ループ60は、導電性構造体50及び/又は導電性構造体52(
図3)から形成することができる。フィード部FAのような第1のアンテナフィード部は正のアンテナフィード端子(+)及び接地アンテナフィード端子(−)を有することができ、ループ60の一部分にフィードするために使用することができ、フィード部FBのような第2のアンテナフィード部は正のアンテナフィード端子(+)及び接地アンテナフィード端子(−)を有することができ、ループ60の異なる部分でアンテナ40にフィードするために使用することができる。
【0041】
図4、5、6、及び7の例示的な例は、単なる例示に過ぎない。アンテナ40は、一般的に、任意の好適な数のアンテナフィード部を有することができ、任意の好適な種類のアンテナ構造体を使用して形成することができる。
【0042】
図8は、アンテナ40を送受信機回路62に連結できる方法を示している。
図8のアンテナ40は逆Fアンテナであるが、一般的には任意の好適な種類のアンテナを使用してアンテナ40を実装することができる。アンテナ40は、正のアンテナフィード端子(+)及び接地アンテナフィード端子(−)を有する例示的な第1のアンテナフィード部FA並びに正のアンテナフィード端子(+)及び接地アンテナフィード端子(−)を有する例示的な第2のアンテナフィード部FBのような複数のフィード部を有することができる。経路54Aは1つ以上の伝送路のセグメントを含むことができ、正の導体56A及び接地導体58Aを含むことができる。経路54Bは1つ以上の伝送路のセグメントを含むことができ、正の導体56B及び接地導体58Bを含むことができる。経路54A及び54Bの中にフィルタ回路及びインピーダンス整合回路並びにその他の回路のような1つ以上の回路(
図8には図示せず)を挿入することができる。送受信機回路62は、送受信機62A及び62Bのような高周波受信機及び/又は高周波送信機を含むことができる。
【0043】
経路54Aは、送受信機62Aのような第1の高周波送受信機回路と第1のアンテナフィード部FAとの間を連結することができる。経路54Bは、送受信機62Aのような第2の高周波送受信機回路と第2のアンテナフィード部FAとの間を連結するために使用することができる。フィード部FA及びFBは、高周波アンテナ信号を送受信するために使用することができる。送受信機62Aは、高周波受信機及び/又は高周波送信機を含むことができる。送受信機62Bもまた、高周波受信機及び/又は高周波送信機を含むことができる。
【0044】
例として、送受信機62Aは衛星航法システム受信機を含むことができ、送受信機62Bは(セルラー電話送信機及びセルラー電話受信機を有する)セルラー電話送受信機を含むことができる。別の例として、送受信機62Aは第1の通信帯域(例えば、第1のセルラー又は無線ローカルエリアネットワーク帯域)に関連付けられる周波数で動作する送信機及び/又は受信機を有することができ、送受信機62bは第2の通信帯域(例えば、第2のセルラー又は無線ローカルエリアネットワーク帯域)に関連付けられる周波数で動作する送信機及び/又は受信機を有することができる。所望であれば、他の種類の構成を使用することもできる。送受信機62A及び62Bは、別個の集積回路を使用して実装することができ、又は(例として)共通の集積回路内に統合することもできる。関連する1つ以上の追加的な集積回路(例えば、1つ以上のベースバンドプロセッサ集積回路)を使用してアンテナ40によって送信されるデータを送受信機回路62に供給することができ、これらを使用してアンテナ40によって受信されたデータを受信及び処理することができる。
【0045】
経路54A及び54Bのような経路の中にフィルタ回路及びインピーダンス整合回路を挿入することができる。例えば、
図9に示すように、アンテナフィード部FAを使用して送信及び/又は受信される信号がフィルタ64Aによってフィルタリングされるように、フィード部FAと送受信機62Aとの間の経路54Aの中にフィルタ64Aを挿入することができる。フィルタ64Bもまた同様に、アンテナフィード部FBを使用して送信及び/又は受信される信号がフィルタ64Bによってフィルタリングされるように、経路54Bの中に挿入することができる。フィルタ64A及び64Bは調節可能であっても固定であってもよい。固定フィルタの構成では、信号周波数の関数であるフィルタの透過率は固定である。調節可能なフィルタの構成では、調節可能な構成要素を異なる状態で配置してフィルタの透過率特性を調節することができる。所望であれば、固定及び/又は調節可能なインピーダンス整合回路(例えば、アンテナ40又はその他の無線回路への伝送路をインピーダンス整合する回路)を経路54A及び54Bの中に(例えば、フィルタ64A及び64Bの一部として又は別個の回路として)含むことができる。
【0046】
複数のフィード部がアンテナ40に同時に連結されている構成であってもアンテナ40内のアンテナフィード部が十分良好に動作できるように、フィルタ64A及び64Bを構成することができる。
図10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20に関連して、複数のフィード部が同時に存在することに対応するようにフィルタ64A及び64Bを構成できる方法について述べる。
【0047】
図10は、アンテナ40が単一のフィード部(フィード部FA)のみを有する構成のアンテナ40の図である。
図10の例示的な構成において、アンテナ共振要素50及びアンテナ接地52をなす導電性材料は、フィード部FAを使用して動作させたときにアンテナ40が所望の通信帯域で共振を呈するように構成されている。
図11は、
図10のアンテナ40のアンテナ性能(定在波比)を動作周波数fの関数としてプロットしたグラフである。
図11のグラフの曲線66内の周波数f
1における共振ピークによって示されるように、
図10及び11の例における例示的な対象通信帯域は周波数f
1を中心としている。
【0048】
アンテナフィード部FAの代わりに
図12のアンテナフィード部FBなどの異なるアンテナフィード部を使用して
図10のアンテナ構造体にフィードした場合は、アンテナ40の周波数応答が異なる。具体的には、フィード部FBを使用して動作させるときには異なる所望の通信帯域での共振を呈するように、アンテナ40を構成することができる。例えば、
図12のフィード部FBを有するアンテナ40は、
図13の曲線68が示すように、周波数f
2を中心とした通信帯域をカバーするアンテナ共振を呈することができる。
【0049】
機器10の無線通信回路34(
図2)をf
1にある通信帯域及びf
2にある通信帯域の両方で動作可能とするために、
図14に示すようにそれぞれに対応するフィルタ64A及び64Bを使用してフィード部FA及びFBをアンテナ40に連結することができる。アンテナ40内にフィード部FA及びFBの両方が存在しても、
図14のアンテナ40が、フィード部FAを使用するときには
図11の曲線66の周波数応答を呈し続け、フィード部FBを使用するときには
図13の曲線68の周波数応答を呈し続けるように、フィルタ64A及び64Bを構成することができる。
【0050】
具体的には、周波数f
1付近の周波数の信号がフィルタを通過できるようにf
1付近の周波数の(例えば、周波数f
1を中心とする通信帯域の)インピーダンスを形成するように、フィルタ64Aを構成することができる。フィルタ64Aはまた、f
2付近の周波数でアンテナ40からフィード部FAに関連付けられた回路を事実上切り離すようにf
2付近の周波数での(例えば、周波数f
2を中心とする通信帯域での)インピーダンス(例えば、開路又は短絡)を形成するように構成することもできる。周波数f
2付近の周波数の信号がフィルタ64Bを通過できるようにf
2付近の周波数の(例えば、周波数f
2を中心とする通信帯域の)インピーダンスを形成するように、フィルタ64Bを構成することができる。フィルタ64Bはまた、f
1付近の周波数でアンテナ40からフィード部FBに関連付けられた回路を事実上切り離すようにf
1付近の周波数での(周波数f
1を中心とする通信帯域での)インピーダンス(例えば、開路又は短絡)を形成するように構成することもできる。
【0051】
この種類のフィルタ構成を使用すると、アンテナ40は、フィード部FAを使用したときには
図15の曲線70が示す種類の応答を呈し、フィード部FBを使用したときには曲線72が示す種類の応答を呈することができる。フィルタ64Aが周波数f
1付近の周波数でアンテナ40によってフィード部FAを使用して送受信される信号を通過させる一方、フィルタ64Bは、周波数f
1付近の周波数でアンテナ40からフィード部FBを事実上切断する開路(又はその他のインピーダンス)を形成する。したがって、f
1付近の周波数でフィード部FAを使用してアンテナ40を動作させたとき、
図14のアンテナ40は、
図11の曲線66の周波数応答に類似した周波数応答を呈する(即ち、
図15の曲線70が
図11の曲線66と一致する)ことができる。その代わりに、周波数f
1付近の周波数でアンテナ40からフィード部FBを切り離さないインピーダンスを有するようにフィルタ64Bを構成した場合、フィード部FBは、フィード部FAの動作中に事実上存在することとなる。このことは、アンテナ40の性能に(例えば、
図15の応答曲線74のような応答曲線を生じさせることにより)悪影響を及ぼす可能性がある。
【0052】
同様に、周波数f
2付近の周波数で
図14のアンテナ40を動作させたときにフィード部FAからフィード部FBを分離するために、フィルタ64A及び64Bの周波数応答を使用することができる。具体的には、アンテナ40がフィード部FBを使用したときには、周波数f
2付近の周波数でフィルタ64Bによって形成されるインピーダンスが、アンテナ40がフィード部FBを使用してフィルタ64Bを介して信号を送受信することを可能とする一方、フィルタ64Aは周波数f
2付近の周波数でアンテナ40からフィード部FAを事実上切断する開路(即ち、高インピーダンス又はその他の好適なインピーダンス)を形成するので、アンテナ40は
図16の曲線72が示す種類の応答を呈することができる。この結果、
図14のアンテナ40は、フィード部FBを使用して
図13の曲線68の周波数応答に類似した周波数応答を呈する(即ち、
図16の曲線72が
図13の曲線68と一致する)ことができる。その代わりに、周波数f
2付近の周波数でアンテナ40からフィード部FAを切り離さないインピーダンスを有するようにフィルタ64Aを構成した場合、フィード部FAは、フィード部FBの動作中に事実上存在することとなる。このことは、アンテナ40の性能に(例えば、
図16の応答曲線76のような応答曲線を生じさせることにより)悪影響を及ぼす可能性がある。
【0053】
一般的に、フィルタ64A及び64Bは、任意の好適なインピーダンス対周波数特性を有するように構成することができる。例として、
図17、18、19、及び20に示す種類のシナリオについて検討する。
図17に示すように、アンテナフィード部FAを使用中にフィード部FBに関連付けられた場所に(少なくとも共振周波数f
1の近傍の周波数について)所与のインピーダンス値ZBが存在するときに
図18の曲線78の周波数応答(即ち、周波数f
1を中心とする通信帯域のピークとなる周波数共振)のような所望の周波数応答が得られるように、アンテナ40を構成することができる。同時に、アンテナフィード部FBを使用中にフィード部FAに関連付けられた場所に(少なくとも共振周波数f
2の近傍の周波数について)インピーダンス値ZAが存在するときに
図20の曲線80の周波数応答(即ち、周波数f
2を中心とする通信帯域のピークとなる周波数共振)のような所望の周波数応答が得られるように、アンテナ40を構成することができる。
【0054】
図17及び19の例示的なアンテナ構造体と同様のアンテナ共振要素50及び接地平面52を
図14のアンテナ40に設けることができる。フィード部FA及びFBが両方とも存在するときにアンテナ40の所望の周波数応答を確実に得るために、フィルタ64Aは、f
1付近の周波数で動作中にフィード部FAにおいて信号がフィルタ64Aを通過してアンテナ40に至ることができる、周波数f
1付近の周波数でのインピーダンスを形成するように構成することができ、周波数f
2付近の周波数で動作中に
図19のZAのインピーダンスを形成するように構成することができる。フィルタ64Bは、f
2付近の周波数で動作中にフィード部FBにおいて信号がフィルタ64Bを通過してアンテナ40に至ることができる、周波数f
2付近の周波数でのインピーダンスを形成するように構成することができ、周波数f
1付近の周波数で動作中に
図17のZBのインピーダンスを有する回路を形成するように構成することができる。
【0055】
この構成では、フィード部FAを使用することにより(フィルタ64Bが周波数f
1での通信帯域で動作中に望まれるインピーダンスZBを有するので)、(
図14のアンテナ40について)
図18の曲線78のような周波数応答が得られる。フィード部FBを使用することにより(フィルタ64Aが周波数f
2での通信帯域で動作中に望まれるインピーダンスZAを有するので)、(
図14のアンテナ40について)
図20の曲線80のような周波数応答が得られる。
【0056】
一般的に、インピーダンスZA及びZBは、任意の(例えば、ゼロ又は非ゼロの実部及び虚部を伴う)複素数の値を有することができる。例えば、Z1は、共振要素50と接地52との間の特定の静電容量値に関連付けることができ、共振要素50と接地52との間の特定のインダクタンスに関連付けることができ、並列の誘導性の構成要素及び容量性の構成要素に関連付けることができ、特定の周波数で短絡挙動を呈することができ、特定の周波数で開路を生じさせることができ、などといったことができる。
【0057】
機器10が1つ以上の隙間18を伴って
図1の筐体部材16のような導電性筐体周囲部材を有する構成の、機器10の内部平面図を
図21に示す。
図21に示すように、機器10は、アンテナ接地平面52のようなアンテナ接地平面を有することができる。接地平面52は、プリント回路基板(例えば、剛性プリント回路基板及びフレキシブルプリント回路基板)上の配線から、機器10の内部の導電性の平面支持構造体から、筐体12の外面部分を形成する導電性の構造体から、機器10内の1つ以上の電気構成要素の一部である導電性の構造体(例えば、コネクタ、スイッチ、カメラ、スピーカ、マイクロホン、ディスプレイ、ボタンなどの部品)から、又は機器のその他の導電性デバイス構造体から形成することができる。隙間82のような隙間は、空気、プラスチック、又はその他の誘電体で充填することができる。
【0058】
導電性周囲部材16の1つ以上のセグメントは、
図3のアンテナ共振要素50のようなアンテナ共振要素として機能することができる。例えば、領域22にある導電性周囲部材16の最上部セグメントは、機器10内のアンテナのアンテナ共振要素として機能することができる。導電性周囲部材16の導電性材料、接地平面52の導電性材料、並びに誘電性空きスペース82(及び隙間18)を使用して、領域22内の上部アンテナ及び領域20内の下部アンテナのように機器10内の1つ以上のアンテナを形成することができる。本明細書内では、
図14に関連して説明した種類の二重フィード構成を使用して上部領域22内にアンテナが実装される構成を、例として説明することがある。
【0059】
図22に示す種類の機器の構成を使用して、
図22のアンテナ40のような二重フィードアンテナ(例えば、二重フィード逆Fアンテナ)を実装することができる。導電性周囲部材(例えば、
図21の導電性周囲部材16を参照)のセグメント16’が、アンテナ共振要素50を形成することができる。接地平面52は、隙間82によってアンテナ共振要素50から分離させることができる。隙間18はセグメント16’の何れかの端部に形成することができ、関連付けられる寄生容量を有することができる。導電路84が、アンテナ共振要素50(即ち、セグメント16’)と接地52との間の短絡経路を形成することができる。
図14の例に関連して説明したように、第1のアンテナフィード部FA及び第2のアンテナフィード部FBは、アンテナ共振要素50の長さに沿った異なる場所に配置することができる。
【0060】
図23に示すように、アンテナ40のフィード部の各々にフィルタ回路及びインピーダンス整合回路を設けることが望ましい場合がある。
図23に示す種類の構成において、アンテナ共振要素50は、導電性周囲部材16のセグメント(例えば、
図22のセグメント16’)から形成することができる。アンテナ接地52は、
図21の接地平面構造体52のような接地平面構造体から形成することができる。
図23のアンテナ40は、例えば、機器10の領域22内の上部アンテナ(例えば、逆Fアンテナ)であることができる。機器10はまた、アンテナ40’のような追加的なアンテナ(例えば、
図21に示す機器10の下部部分20内に形成されたアンテナ)を有することもできる。
【0061】
図23の例示的な例では、衛星航法受信機35(例えば、全地球測位システム受信機又は別の衛星航法システムに関連付けられる受信機)が
図9の送受信機62Aのような機器10の第1の送受信機として機能することができ、セルラー電話送受信機回路38(例えば、セルラー電話送信機及びセルラー電話受信機)が
図9の送受信機62Bのような機器10の第2の送受信機として機能することができる。所望であれば、他の種類の送受信機回路を機器10内に使用することができる。
図23の例は、単なる例示に過ぎない。
【0062】
図23に示すように、受信機35は第1のアンテナフィード部FAでアンテナ40に連結することができ、送受信機38は第2のアンテナフィード部FBでアンテナ40に連結することができる。
【0063】
受信機35の着信信号は、帯域通過フィルタ64A、必要に応じて使用できる整合回路M1及びM4のようなインピーダンス整合回路、及び低雑音増幅器86を介して受信することができる。フィード部FAから受信された信号は、伝送経路54A(例えば、
図3及び9を参照)のような伝送経路を使用して、整合フィルタM1、帯域通過フィルタ64A、整合回路M4、及び低雑音増幅器86のような構成要素を介して伝達されることができる。所望であれば、伝送経路54Aの中に追加の構成要素を挿入することもできる。
【0064】
セルラー送受信機回路38の送受信動作に関連付けられる信号は、ノッチフィルタ64B、必要に応じて使用できる整合回路M2及びM3のようなインピーダンス整合回路、アンテナ選択スイッチ88、及び回路90を使用して処理することができる。アンテナ選択スイッチ88は、(例として)アンテナ40が送受信機38に連結されている第1の状態及びアンテナ40’が送受信機38に連結されている第2の状態を有することができる。所望であれば、スイッチ88は、アンテナ40又はアンテナ40’の何れかが送受信機38に連結し、残りのアンテナが別の送受信機に連結する、クロスバースイッチであってもよい。
【0065】
回路90は、フィルタ(例えば、デュプレクサ、ダイプレクサなど)、電力増幅回路、帯域選択スイッチ、及びその他の構成要素を含むことができる。フィード部FBと共に信号の送受信に使用される成分は、伝送経路54B(例えば、
図3及び9を参照)のような伝送経路を使用して、整合フィルタM2、ノッチフィルタ64B、整合回路M3、及び回路90などの構成要素を介して伝達されることができる。所望であれば、伝送経路54Bの中に追加の構成要素を挿入することもできる。
【0066】
周波数fの関数としてノッチフィルタ64B及び帯域通過フィルタ64Aが呈することのできる透過率Tを
図24に示す。
図24のグラフにおいて、ノッチフィルタ64Bの透過率は線92の伝送特性によって表され、帯域通過フィルタ64Aの透過率は線94の伝送特性によって表される。線94が示すように、帯域通過フィルタ64Aは周波数f
Cを中心とする通過帯域内の周波数を有する信号を通過させることができ、周波数f
L及びf
Hのようにそれよりも低い周波数及び高い周波数を遮断することができる。線92が示すように、ノッチフィルタ64Bは、帯域通過フィルタ64Aの伝送特性を補完する伝送特性を有することができる。具体的には、ノッチフィルタ64Bは周波数f
Cを中心とする周波数帯域内の信号を遮断する一方で周波数f
Lの近傍にあるより低い周波数の信号を通過させ、周波数f
Hの近傍にあるより高い周波数の信号を通過させることができる(即ち、ノッチフィルタ64Bは、帯域通過フィルタ64Aの通過帯域と重なり合う阻止帯域を有することができる)。
【0067】
図25及び26は、アンテナフィード部FA及びFBをそれぞれ使用したアンテナ40のアンテナ性能(即ち、定在波比)を周波数の関数としてプロットしたグラフである。3本の性能曲線を
図25に示す。曲線96は、フィード部FAが
図23に示す位置にあるときの
図23のアンテナ40の性能に対応している。フィード部FAの(この例における)場所は、周波数f
Cの周りの周波数で(例えば、受信機35が全地球測位システム受信機である構成では1575MHzの周りの周波数で)アンテナの性能を最大化するように選ばれている。フィード部FAの位置を
図23の位置FA’又はFA’’に変更すると、
図25の線98及び100がそれぞれ示すように離調を招き、アンテナ性能が低下する可能性がある。周波数f
Cの周りの周波数の信号(即ち、周波数f
1とf
2との間の周波数を有する信号)は、帯域通過フィルタ64Aの通過帯域を経て受信機35まで通過することができる。周波数での帯域外信号(即ち、f
1よりも下の信号及びf
2よりも上の信号)は、帯域通過フィルタ64Aによって減衰することとなる。フィード部FAをアンテナ40の、周波数f
Cにおけるアンテナ性能が最大化された位置に配置できることが、機器10が受信機35のような受信機を使用して衛星航法システム信号(又はその他の好適な信号)を受信し処理する上で役立つ可能性がある。
【0068】
図26の例示的なアンテナ性能曲線(曲線102)は、(例えば、
図23に示す位置でフィード部FBを使用して)高周波信号を送受信するためにフィード部FB及びセルラー電話送受信機回路38を使用しているときのアンテナ40の性能に対応している。フィード部FBの(この例での)場所は、周波数f
Lの周りの周波数(例えば、セルラー電話用低帯域周波数f
3〜f
4)及び周波数f
Hの周りの周波数(例えば、セルラー電話用高帯域周波数f
5〜f
6)での送受信機回路38のアンテナ性能を最大化するために選ばれている。周波数f
3、f
4、f
5、及びf
6は、例として700MHz、960MHz、1700MHz、及び2200MHzであることができる。所望であれば、アンテナ40は、(例えば、フィード部FBの位置をずらし、又は共振要素50のサイズ及び形状を変更したりなどすることにより)他の周波数をカバーするように構成することができる。
【0069】
ノッチフィルタ64Bは、周波数f
1よりも下の信号(即ち、周波数f
3からf
4まで広がる通信帯域内の信号)を通過させるように構成され、周波数f
2よりも上の信号(即ち、周波数f
5からf
6まで広がる通信帯域内の信号)を通過させるように構成されている。ノッチフィルタ64Bの阻止帯域の部分は、
図26のグラフの曲線102の遮断部分101が示すように、周波数f
1とf
2との間の周波数の信号(即ち、受信機35によって処理される全地球測位システムの信号)を遮断することができる。
【0070】
図23のアンテナ40のフィルタ64A及び64Bは、
図14に関連して説明したように動作する。f
Cの帯域内の信号を受信するために受信機35及びフィード部FAを使用中、フィルタ64Aは、
図23のアンテナ共振要素50にフィード部FAを連結するインピーダンスを有することができ、f
Cの帯域内の信号が受信機35に達することを可能とする。フィルタ64Bは、周波数f
Cにおいて、フィード部FBに連結されている回路をアンテナ40から事実上切断するインピーダンスを有することができる(即ち、周波数f
Cにおいて、送受信機38をアンテナ40から事実上切り離すことができる)。f
L及びf
Hの帯域内で信号を送受信するために送受信機38及びフィード部FBを使用中、フィルタ64Bはフィード部FBを
図23のアンテナ共振要素50に連結するインピーダンスを有することができ、f
L及びf
Hの帯域内の信号が送受信機38に達することを可能とする。フィルタ64Aは、f
L及びf
Hの帯域内の周波数において、フィード部FAに連結されている回路をアンテナ40から事実上切断するインピーダンスを有することができる(即ち、f
L及びf
Hの帯域にある周波数で、受信機35をアンテナ40から事実上切り離すことができる)。
【0071】
好適な一構成では、フィルタ64Aは、f
L及びf
Hの帯域において、フィード部FAに連結されている回路をアンテナ40から事実上切断する高インピーダンスを有することができる。また、フィード部FBに関連付けられた周波数で動作中、受信機35及びフィード部FAのその他の回路をアンテナ40から切り離すために、低インピーダンス(短絡)を使用することもできる。例えば、フィルタ64Aを、f
2よりも高い周波数(例えば、f
5〜f
6の周波数)で、開路状態ではなく短絡(低インピーダンス)状態を呈するように構成することができる。この短絡になると、f
5〜f
6の周波数の信号は位相が180°シフトしてフィルタ64Aから反射することができる。したがって、この短絡により、フィード部FAに連結されている回路をアンテナ40から事実上切断することができる。フィルタ64Aがf
3〜f
4の周波数及びf
5〜f
6の周波数で開路を形成するか否か、フィルタがf
5〜f
6の周波数で短絡を形成する間にf
3〜f
4の周波数で開路を形成するか否か、又はその他の好適な構成が使用されるか否かにかかわらず、フィード部FBに連結されている回路の存在によって悪影響を被ることなく受信機35の動作をサポートするようにフィード部FAが最適化されることを可能とし、フィード部FAによる悪影響を被ることなく送受信機38の動作をサポートするようフィード部FBが最適化されることを可能とするように、フィルタ64A及び64Bを構成することができる。
【0072】
所望であれば、機器10にアンテナ40を同調する際に使用できる同調可能な構成要素を設けることができる。例えば、フィルタ64A及び64Bのようなフィルタ並びに必要に応じて使用可能な整合回路M1、M2、M3、及びM4のような整合回路を、同調可能な構成要素(又は、所望であれば固定の構成要素)を使用して実装することができる。好適な一構成では、
図23の整合回路M2及びM4のような整合回路を省略することができ、固定整合回路を使用して
図23の整合回路M1を実装することができ、同調可能整合回路を使用して
図23の整合回路M3を実装することができる。
【0073】
同調可能整合回路M3(又はその他の同調可能アンテナ回路)の回路構成は、1つ以上の調節可能な構成要素を使用して実装することができる。調節可能な構成要素の例を
図27、28、29、30、及び31に示す。所望であれば、アンテナ40は、
図27の可変コンデンサ104のような同調可能コンデンサ(可変コンデンサ)を使用して同調することができ、
図28のスイッチ106のような高周波スイッチを使用して同調することができ、
図29の可変インダクタ108のような可変インダクタを使用して同調することができ、
図30の調節可能なコンデンサ110のような調節可能なコンデンサを使用して同調することができ、
図31の調節可能なインダクタ112のような調節可能なインダクタを使用して同調することができ、その他の調節可能な構成要素及びこのような構成要素のうちの2つ以上の組み合わせ(例えば、同調可能な構成要素及び/又は固定の構成要素の組み合わせ)を使用して同調することができる。
【0074】
図30の調節可能なコンデンサ110は、コンデンサ114のアレイ、及びコンデンサ114のうちの1つ以上を調節可能なコンデンサ端子118と120との間で適所に選択的に切り替えるためにこれらコンデンサ114に関連付けられるスイッチ116を含むことができる。スイッチ116の状態は、機器10内の制御回路(例えば、
図2の記憶及び処理回路28内のベースバンドプロセッサ)からの制御信号によって制御することができる。コンデンサ114は、
図30に示すように、端子118と120との間で選択的に並列に連結することができる。所望であれば、調節可能なコンデンサ110に他の構成を使用することもできる。例えば、コンデンサが直列に接続され、スイッチ式の選択的バイパス路を備えている構成を使用することができ、並列接続されたコンデンサ及び直列接続されたコンデンサの組み合わせによる構成などを使用することができる、などである。
【0075】
図31の調節可能なインダクタ112は、インダクタ122のアレイ、及びインダクタ122のうちの1つ以上を調節可能なインダクタ端子126と128との間で適所に選択的に切り替えるためにこれらインダクタ112に関連付けられるスイッチ124を含むことができる。例えば、インダクタ122は、端子126と128との間で選択的に並列に連結することができる。スイッチ124の状態は、機器10内の制御回路(例えば、
図2の記憶及び処理回路28内のベースバンドプロセッサ)からの制御信号によって制御することができる。所望であれば、調節可能なインダクタ112にこの他の構成(例えば、インダクタが直列に接続され、スイッチ式の選択的バイパス路を備えている構成、並列接続されたインダクタと直列接続されたインダクタとの組み合わせによる構成など)を使用することができる。
【0076】
図32は、フィード部FBに関連付けられる
図23の回路の一部分の図であり、同調可能回路を使用してインピーダンス整合回路M3を実装できる方法を示している。例えば、同調可能整合回路M3にスイッチ式の調節可能なコンデンサ110のような同調可能コンデンサを設けることができる。同調可能整合回路M3及びアンテナ40内のその他の回路(例えば、整合回路M1、M2、M4のような整合回路、フィルタ64A及び64Bなど)は、一般に、インダクタ、コンデンサ、抵抗器、連続可変インダクタ、連続可変抵抗器、連続可変コンデンサ、
図30のスイッチ式の調節可能なコンデンサ114のようなスイッチ式の調節可能なコンデンサ、
図31のスイッチ式の調節可能なインダクタ112のようなスイッチ式の調節可能なインダクタ、スイッチ、導電線、並びに追加的な固定の及び/又は調節可能な構成要素を含むことができる。
【0077】
図32に示すように、整合回路M3の調節可能なコンデンサ110のような調節可能な構成要素は、信号経路130を経て供給される制御信号によって制御することができる。経路130は、ベースバンドプロセッサ132のような制御回路(例えば、
図2の記憶及び処理回路28のような制御回路)から調節可能なコンデンサ114内のそれぞれのスイッチ116に制御信号を伝達する1本以上(例えば、2本以上、3本以上、3本よりも多く、など)の導電線を含むことができる。動作中、ベースバンドプロセッサ132は、記憶及び処理回路28から送信されるデジタルデータを経路134で受信することができ、高周波送受信機回路38を使用してフィード部FBの整合回路M3及びノッチフィルタ64Bを経由しアンテナ40を介してこれに対応する高周波信号を送信することができる。データ受信動作中、ベースバンドプロセッサ132は、送受信機38を使用して信号を受信することができ、これに対応するデータを経路134に供給することができる。
【0078】
図33は、アンテナ性能(定在波比)をフィード部FB及び
図32の回路を使用したアンテナ40の動作周波数の関数としてプロットしたグラフである。
図23の整合回路M2及びM4を省略し、固定インピーダンス整合回路を使用して整合回路M1を実装し、
図32のスイッチ式の調節可能なコンデンサ110のような1つ以上の同調可能な構成要素を使用してインピーダンス整合回路M3を実装したアンテナ40の例示的な構成において、調節可能なコンデンサ110の状態が高周波数帯域でのアンテナ40の性能に及ぼす影響は比較的小さい。この結果、
図33のアンテナ性能曲線の部分134は、コンデンサ110の状態の如何にかかわらず比較的一定である。例えば、部分134は、約1700MHz(例えば、
図26の周波数f
5)〜約2200MHz(例えば、
図26の周波数f
6)の周波数の周波数範囲をカバーすることができる。
【0079】
700MHz(例えば、
図26の周波数f
3)〜960MHz(例えば、
図26の周波数f
4)の周波数のようなより低い周波数では、単一のアンテナ共振ピークを、(曲線136が示すように)周波数f
7を中心とする低位のサブバンド、(曲線138が示すように)周波数f
8を中心とする中位のサブバンド、及び(曲線140が示すように)周波数f
9を中心とする上位サブバンドをカバーするように同調することができる。
【0080】
調節可能なコンデンサ110は、それぞれ異なる静電容量値C1、C2、及びC3(例えば、約0.5pF〜約10pFの範囲の静電容量)を呈する3つの状態を有することができる。アンテナ40は、コンデンサ110がそのC1の状態に置かれているときには曲線136及び134に対応する応答を呈することができる。アンテナ40は、コンデンサ110がそのC2の状態に置かれているときには曲線138及び134に対応する応答を呈することができる。アンテナ40は、コンデンサ110がそのC3の状態に置かれているときには曲線140及び134に対応する応答を呈することができる。また、3つよりも多い数の状態又は3つよりも少ない数の状態を呈する同調可能整合回路M3の構成を使用することもできる。3つの異なる同調状態の間で調節することのできる調節可能なコンデンサ及び
図32の整合回路M3のような整合回路の使用は、単に例示的であるに過ぎない。
【0081】
一実施形態によれば、アンテナと、アンテナ内の第1の場所にある第1のアンテナフィード部と、アンテナ内の第2の場所にある第2のアンテナフィード部と、アンテナから第1の通信帯域で高周波信号を受信するように構成された第1の高周波受信機と、アンテナから第2の通信帯域で高周波信号を受信するように構成された第2の高周波受信機と、第1の高周波受信機と第1のアンテナフィード部との間に連結されている第1のフィルタであって、第1の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成され、第2の通信帯域では高周波信号を遮断するように構成されている、第1のフィルタと、第2の高周波受信機と第2のアンテナフィード部との間に連結されている第2のフィルタであって、第2の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成され、第1の通信帯域では高周波信号を遮断するように構成されている、第2のフィルタと、を含む電子機器が提供される。
【0082】
別の実施形態によれば、第1のフィルタは、帯域通過フィルタを含む。
【0083】
別の実施形態によれば、第2のフィルタは、ノッチフィルタを含む。
【0084】
別の実施形態によれば、帯域通過フィルタは通過帯域を有し、ノッチフィルタは通過帯域と重なり合う阻止帯域を有する。
【0085】
別の実施形態によれば、第1の高周波受信機は衛星航法システム受信機を含む。
【0086】
別の実施形態によれば、第2の高周波受信機はセルラー電話受信機を含む。
【0087】
別の実施形態によれば、セルラー電話受信機は、第3の通信帯域で動作するように構成され、第2のフィルタは、第3の通信帯域で高周波信号を通過させるように構成されている。
【0088】
別の実施形態によれば、第3の通信帯域は阻止帯域よりも低い周波数を含み、第2の通信帯域は阻止帯域よりも高い周波数を含む。
【0089】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナを同調して第3の通信帯域をカバーするように構成され、ノッチフィルタに連結されている同調可能回路を含む。
【0090】
別の実施形態によれば、同調可能回路は、少なくとも第1及び第2の選択可能な静電容量を呈するように構成されたスイッチ式の調節可能なコンデンサを含む。
【0091】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナを同調するように構成され、第2のフィルタに連結されている同調可能回路を含む。
【0092】
別の実施形態によれば、同調可能回路は、少なくとも第1及び第2の選択可能な静電容量を有するスイッチ式の調節可能なコンデンサを含む。
【0093】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、第2のアンテナフィード部と第2の高周波受信機との間に連結されている信号経路を含み、第2のアンテナフィード部と第2の高周波受信機との間の経路の中にスイッチ式の調節可能なコンデンサが挿入され、第2のアンテナフィード部とスイッチ式の調節可能なコンデンサとの間に第2のフィルタが挿入されている。
【0094】
別の実施形態によれば、第1の高周波受信機は衛星航法システム受信機を含み、第2の高周波受信機はセルラー電話受信機を含む。
【0095】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、信号経路に連結されているセルラー電話送信機を含む。
【0096】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナのアンテナ接地を形成する導電性構造体を収容する筐体であって、この筐体の少なくとも幾つかの縁部の周りに延びる導電性周囲部材を有する、筐体を含み、導電性周囲部材の少なくとも一部は、アンテナのアンテナ共振要素を形成する。
【0097】
一実施形態によれば、第1の場所にある第1のアンテナフィード部及び第2の場所にある第2のアンテナフィード部を有するアンテナと、アンテナから第1の通信帯域で高周波信号を受信するように構成された第1の高周波受信機と、アンテナから第2の通信帯域で高周波信号を受信するように構成された第2の高周波受信機と、第1の高周波受信機と第1のアンテナフィード部との間に連結されている第1のフィルタであって、第1の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成され、第2の通信帯域では第1のインピーダンスを呈するように構成されている、第1のフィルタと、第2の高周波送受信機と第2のアンテナフィード部との間に連結されている第2のフィルタであって、第2の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成され、第1の通信帯域では第2のインピーダンスを呈するように構成されている、第2のフィルタと、を含む電子機器であって、第2のフィルタ及びアンテナは、アンテナが第1の通信帯域で第1の共振を呈する一方で第2のフィルタが第1の通信帯域で第2のインピーダンスを呈するように構成され、第1のフィルタ及びアンテナは、アンテナが第2の通信帯域で第2の共振を呈する一方で第1のフィルタが第2の通信帯域で第1のインピーダンスを呈するように構成されている、電子機器が提供される。
【0098】
別の実施形態によれば、第1のフィルタは第1の通信帯域で第3のインピーダンスを呈するように構成され、第3のインピーダンスは第2のインピーダンスよりも小さい。
【0099】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナのアンテナ接地を形成する導電性構造体を収容する筐体であって、この筐体の少なくとも幾つかの縁部の周りに延びる導電性周囲部材を有する、筐体を含み、導電性周囲部材の少なくとも一部は、アンテナのアンテナ共振要素を形成する。
【0100】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナを同調するように構成され、第2のフィルタに連結されている同調可能回路を含む。
【0101】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、同調可能回路内に調節可能なコンデンサを含む。
【0102】
一実施形態によれば、異なる場所に第1及び第2のアンテナフィード部を有するアンテナと、第1のアンテナフィード部に関連付けられる通信を処理する第1の回路及び第2のアンテナフィード部に関連付けられる通信を処理する第2の回路を有する高周波送受信機回路と、第1のアンテナフィード部と第1の回路との間に連結されている第1のフィルタであって、第1の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成され、第2の通信帯域では高周波信号を遮断するように構成されている、第1のフィルタと、第2のアンテナフィード部と第2の回路との間に連結されている第2のフィルタであって、第1の通信帯域では高周波信号を遮断するように構成され、第2の通信帯域では高周波信号を通過させるように構成されている、第2のフィルタと、を含む電子機器が提供される。
【0103】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナを同調するように構成され、第2のフィルタに連結されている同調可能回路を含む。
【0104】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、同調可能回路内に同調可能コンデンサを含む。
【0105】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、アンテナのアンテナ接地を形成する導電性構造体を収容する筐体であって、この筐体の少なくとも幾つかの縁部の周りに延びる導電性周囲部材を有する、筐体を含み、導電性周囲部材の少なくとも一部は、アンテナのアンテナ共振要素を形成する。
【0106】
別の実施形態によれば、電子機器はまた、第2のフィルタと第2の回路との間の信号経路を含み、電子機器はまた、追加のアンテナと、信号経路の中に挿入されたアンテナ選択スイッチと、を含み、アンテナ選択スイッチは、追加のアンテナに連結されている。
【0107】
上記は本発明の原理を単に例示したものに過ぎず、当業者は本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなしに様々な変更を行うことができる。