特許第5856477号(P5856477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856477
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月9日
(54)【発明の名称】ドライブレコーダ
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20160120BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20160120BHJP
   B62D 41/00 20060101ALN20160120BHJP
【FI】
   G07C5/00 Z
   G08G1/00 D
   !B62D41/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-288524(P2011-288524)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137668(P2013-137668A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100114236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】鹿子島 順一
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−237974(JP,A)
【文献】 特開2005−014686(JP,A)
【文献】 特開2008−140334(JP,A)
【文献】 特開2011−128005(JP,A)
【文献】 特開2011−257849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00−5/12
G08G 1/00
B62D 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され映像データを取得するカメラと、
前記映像データのエンコードを行う画像処理部と、
前記画像処理部によりエンコードされた前記映像データを記録させる記録制御部と、
前記映像データの記録及び表示を制御する制御部と、
当該ドライブレコーダの外部の外部表示装置にケーブルを介して接続されるインターフェースと、
を備えるドライブレコーダであって、
前記制御部は
前記画像処理部によりエンコードされた前記映像データを前記記録制御部により記録させる録画モードと、前記記録制御部により記録された前記映像データを前記外部表示装置に出力する再生モードと、を備え、
前記インターフェースに前記ケーブルが接続されたことを検出した場合に、前記再生モードが選択され、
前記再生モードが選択された場合において、前記外部表示装置から、当該外部表示装置に対してなされた操作に関する情報である操作情報を受信したときには、前記受信した操作情報に基づいた前記映像データを前記外部表示装置に出力することを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
前記記録制御部に記録された前記映像データを前記外部表示装置に出力させる表示制御部を備え、
前記制御部は、前記外部表示装置から前記操作情報を受信した場合は、受信した前記操作情報に対応する操作を、前記表示制御部に指示し、
前記表示制御部は、前記制御部による指示を前記映像データに反映させて、当該映像データを前記外部表示装置に出力することを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
前記制御部は、前記外部表示装置になされた操作の操作位置に対応する座標情報を受信した場合は、受信した前記座標情報に対応する処理操作を、前記表示制御部に指示することを特徴とする請求項2に記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
前記制御部は、前記記録制御部により前記映像データを記録させるときに、映像データの暗号化を行い、前記記録制御部により記録された前記映像データを読み出すときに、前記映像データの復号化を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のドライブレコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され映像データを記録するドライブレコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行データを映像データと共に記録するドライブレコーダを車両に搭載することが行われている。ドライブレコーダは、例えば車両に衝撃が発生した場合に、その衝撃が発生した時刻を含む前後の所定時間の映像データを取得し、メモリカードに記録するように構成されている。
【0003】
このようなドライブレコーダにおいて、メモリカードに記録された映像データの内容を確認する場合には、映像データ再生機能を備えるパーソナルコンピュータ(PC)に、映像データを記録したメモリカードを移動させる。
【0004】
また、ドライブレコーダが液晶モニタを備えたり、車載のカーナビゲーション装置のモニタ機能を利用して、ドライブレコーダ本体で、記録した映像データを再生することも可能である。
【0005】
特許文献1には、カメラにより取得された映像データを表示するモニタとして、車両の制御内容を表示するためのモニタ又はカーナビゲーション装置のモニタとしたドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−193257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、車両に搭載され映像データを取得するカメラと、映像データのエンコードを行う画像処理部と、画像処理部によりエンコードされた映像データを記録させる記録制御部と、映像データの記録及び表示を制御する制御部と、当該ドライブレコーダの外部の外部表示装置にケーブルを介して接続されるインターフェースと、を備えるドライブレコーダであって、制御部は、、画像処理部によりエンコードされた映像データを記録制御部により記録させる録画モードと、記録制御部により記録された映像データを外部表示装置に出力する再生モードと、を備え、インターフェースにケーブルが接続されたことを検出した場合において、再生モードが選択され、再生モードが選択されたときには、外部表示装置から、当該外部表示装置に対してなされた操作に関する情報である操作情報を受信した場合は、受信した操作情報に基づいた映像データを外部表示装置に出力する。
【0008】
この場合、デジタル信号をアナログ信号に変換することによる画質の低下が発生する。また、ドライブレコーダは、ドライブレコーダと外部の表示装置とで映像信号を伝送するのみであり、映像データに対する操作情報(映像データの選択、再生、停止、早送り、巻戻し等)を出力して表示装置(タッチパネル)で操作することができない。特に、汎用のカーナビゲーション装置にそのような機能を持たせるためには、ハードウェアやソフトウェアの改修が必要となり、コストが増加する。また、ドライブレコーダから映像データに対する操作(映像データの選択、再生、停止、早送り、巻戻し等)を行うためには、表示装置とドライブレコーダとを近接して配置するなど、レイアウトに制約が発生する。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、コストを増加することなく、ドライブレコーダの外部に接続された表示装置に映像データ表示した場合にも、操作性を向上できるドライブレコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両に搭載され映像データを取得するカメラと、映像データのエンコードを行う画像処理部と、画像処理部によりエンコードされた映像データを記録させる記録制御部と、映像データの記録及び表示を制御する制御部と、を備えるドライブレコーダであって、制御部は、当該ドライブレコーダの外部に接続された外部表示装置から、当該外部表示装置に対してなされた操作に関する情報である操作情報を受信した場合は、受信した操作情報に基づいた映像データを外部表示装置に出力する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ドライブレコーダは、当該ドライブレコーダの外部に接続される外部表示装置から操作情報を受信した場合に、この操作情報に基づいた映像データを出力する。このような制御により、外部表示装置から映像データに対してなされた操作を映像データに反映させることをドライブレコーダのみの制御で行うことができる。これにより、従来一般的に利用されているカーナビゲーションの外部表示装置の制御を行うためにハードウェアやソフトウェア等の変更を行うことなく、ドライブレコーダの映像データの表示及び映像データの表示に対する操作に用いることができ、映像データの表示のためにコストを増加させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の本発明のドライブレコーダを含むドライブレコーダシステムの説明図である。
図2】本発明の実施形態のドライブレコーダの機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態の映像データの表示処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の制御部の処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の表示装置における映像データの表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10を含むドライブレコーダシステム1の説明図である。
【0015】
ドライブレコーダシステム1は、車両11に搭載されるドライブレコーダ10と、事業所等に設置されるパーソナルコンピュータ(以下、PC)20と、ドライブレコーダ10が取得するデータを記録するメモリカード30とから構成される。
【0016】
ドライブレコーダ10は、車両11から走行データ(例えば車速、エンジン回転数、緯度、経度等)を取得して、これらを日時情報と共に所定の時間間隔で記録する。また、ドライブレコーダ10は、カメラ12により取得された映像データを記録する。走行データ及び映像データは、記録制御部150を介してドライブレコーダ10に挿入されるメモリカード30に記録される。
【0017】
ドライブレコーダ10は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行う記録制御部150と、メモリカード30に人為的に画像データを記録させる記録ボタン180と、点灯状態(色、点滅等)によりドライブレコーダ10の状態を表示するLED193とが設けられている。
【0018】
また、車両11には表示装置200が備えられる。表示装置200は、液晶ディスプレイ(LCD)からなる表示部210を備える。また、表示装置200は、後述するようにUSBインタフェース220を備え、USBケーブル250を介して、ドライブレコーダ10に記録された映像データを表示することができるように構成されている。
【0019】
なお、表示装置200は、車両11に搭載されるカーナビゲーションシステム、PND(Portable Navigation Device)、メディア再生装置等により構成される。
【0020】
PC20は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23とから構成される。
【0021】
メモリカード30は、記録制御部150及びメモリカードインタフェース21により読み書き可能に構成されており、例えばSD(Secure Digital)やCF(Compact Flash(登録商標))等のフラッシュメモリカードが用いられる。
【0022】
図2は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10の機能ブロック図である。
【0023】
ドライブレコーダ10は、カメラ12から受信した映像信号に対して所定のエンコード方式に基づいて画像処理を行う画像処理部140と、画像処理部140によりエンコードされた映像データを一時的に記録する内部メモリ130と、映像データをメモリカード30に記録する記録制御部150と、所定のエンコード方式で記録された映像データをデコードして映像データを表示可能に再生する表示制御部120と、を備える。画像処理部140によるエンコード方法は、例えばJPEG方式やMPEG方式が用いられる。
【0024】
また、ドライブレコーダ10は、制御部160を備える。制御部160は、内部メモリ130に接続し、内部メモリ130とでデータの読み書きを制御する。また、制御部160は、画像処理部140に接続し、画像処理部140からの信号が入力されると共に、画像処理部140に制御信号を送る。また、制御部160は、記録制御部150に接続し、記録制御部150との間でメモリカード30へのデータの読み書きを制御する。また、制御部160は、加速度センサ170及び記録ボタン180に接続し、加速度センサ170及び記録ボタン180からの信号が入力される。また、制御部160は、音声制御部190に接続し、音声制御部190に接続されるスピーカ191からの音声の出力及び音声制御部190に接続されるマイク192からの音声の取得を制御する。また、制御部160はLED193に接続し、LED193の点灯状態を制御する信号を出力する。
【0025】
また、制御部160は、USBインタフェース110に接続し、USBインタフェース110を介してUSBケーブル250により後述する表示装置200とでデータの送受信を制御する。また、制御部160は、表示制御部120に接続し、表示装置200に表示させる表示内容を制御する。表示制御部120は、USBインタフェース110に接続し、表示内容をUSBインタフェース110に出力する。
【0026】
内部メモリ130は、例えばフラッシュROM等の不揮発性メモリからなる不揮発性領域を備え、ドライブレコーダ10に供給される電源が断たれてドライブレコーダ10の動作が停止した後も、記録されたデータを保持できるように構成されている。また、内部メモリ130はSDRAM等の揮発性メモリからなるバッファ領域を備え、メモリカード30に映像データを記録するとき一次的に映像データを記録するバッファとし用いることができる。
【0027】
加速度センサ170は、車両11に加わる加速度を検出して、検出した加速度が所定の閾値を超えた場合に、その旨を制御部160に通知する。記録ボタン180は、加速度センサ170によるイベントの発生の検出にかかわらず、ユーザの操作により走行データ及び映像データをメモリカード30に記録させる。制御部160は、加速度センサ170からの通知を受けた場合は、車両11に衝撃等のイベントが発生したと判断して、内部メモリ130のバッファ領域から衝撃発生時刻を含む前後の所定時間の映像データを抽出する。抽出した映像データは、記録制御部150によりメモリカード30に記録される。
【0028】
音声制御部190は、音声をマイク192により取得し、取得した音声データを内部メモリ130又はメモリカード30に記録する。また、音声制御部190は、記録された音声データを再生し、スピーカ191を介して音声を出力させる。また、ドライブレコーダ10は、その点灯状態によりドライブレコーダ10の状態を表示するLED193を備える。
【0029】
USBインタフェース110は、後述するように、USBケーブル250を介して、ドライブレコーダ10の外部に接続される外部表示装置としての表示装置200のUSBインタフェース220と接続される。これにより、ドライブレコーダ10に記録された映像データを表示装置200に表示させることができる。
【0030】
また、制御部160は、画像処理部140によりエンコードされた映像データを、まず内部メモリ130に記録する。制御部160は、内部メモリ130に記録した映像データを、記録制御部150を介してメモリカード30に記録する。なお、制御部160が、メモリカード30に映像データを記録するときに、この映像データに暗号化処理を行ってもよい。映像データを暗号化処理することによりメモリカード30に記録されている映像データが第三者により読み取りや改ざんされる慮がなくなる。
【0031】
また、制御部160は、ドライブレコーダ10の操作の確認音や警報音等を発する場合は、音声制御部190を制御して、対応する音声を再生し、スピーカ191から出力させる。
【0032】
また、制御部160は、車両11との図示しないインタフェースを備えて、走行データ(車速、加速度等)を取得して、映像データと共にメモリカード30に記録する。
【0033】
また、制御部160は、メモリカード30の状態やドライブレコーダ10の状態をLED193の点灯状態により表示する。
【0034】
表示装置200は、表示部210、USBインタフェース220及び制御部230を備える。
【0035】
表示部210は、LCDから構成され、ドライブレコーダ10に記録された映像データを表示する。また、表示部210は、タッチパネル機能を備える。具体的には、表示部210の表示面をマトリクス状にX−Y座標を設定しておき、表示部210に操作(ユーザが表示面を触れる操作)があった場合に、制御部230が、その座標情報を取得し、USBインタフェース220を介して、座標情報をドライブレコーダ10に送る。
【0036】
制御部230は、表示部210及びUSBインタフェース220を制御する。
【0037】
次に、ドライブレコーダ10と表示装置200による映像データの表示について説明する。
【0038】
図3は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10及び表示装置200において行われる表示処理のフローチャートである。図3において、ドライブレコーダ10の制御部160の処理を左側に、表示装置200の制御部230の処理を右側に示し、制御部160と制御部230とが、それぞれ並列に処理が実行される状態を説明する。
【0039】
ドライブレコーダ10において、制御部160は、図3の左側に示すフローチャートの処理を周期的に実行している。
【0040】
まず、ドライブレコーダ10において、制御部160は、ユーザの操作により再生モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。
【0041】
再生モードが選択されていないと判定した場合は、録画モードに移行し、前述のように、制御部160は、カメラ12から受信した映像信号に対して画像処理部140により所定のエンコード方式に基づいて画像処理を行い、エンコードされた映像データを内部メモリ130に一時的に記録する。その後、制御部160は、記録された映像データを記録制御部150によりメモリカード30に記録する。
【0042】
なお、再生モードであるか否かの判定は、例えば、ドライブレコーダ10のUSBインタフェース110にUSBケーブル250が接続されたことを契機として、再生モードとなったと判定してもよいし、ドライブレコーダ10にユーザの入力を受付けるボタン等のインタフェースを設け、このボタンから再生モードを示す信号が入力されたことにより再生モードであると判定してもよい。
【0043】
再生モードが選択されたと判定した場合は、制御部160は、USBケーブル250によりドライブレコーダ10と表示装置200とが接続されているか否かを確認する(ステップS102)。具体的には、制御部160は、USBケーブル250によりドライブレコーダ10と表示装置200とが接続されているかを確認するための信号をUSBインタフェース110、USBインタフェース220を介して制御部230に送信し、表示装置200からこの信号に対する応答を受信する。
【0044】
一方、表示装置200においても、制御部230は、図3の右側に示すフローチャートの処理を周期的に実行している。
【0045】
表示装置200において、制御部230は、USBインタフェース220にUSBケーブルが接続されたかを検出して、USB接続が開始されたか否かを判定する(ステップS201)。
【0046】
USBインタフェース220にUSBケーブル250が接続されていない場合は、制御部230は、内部処理モードに移行する。この場合、例えば表示装置200がカーナビゲーションシステムである場合は、制御部230は、GPSや車速信号に基づいた地図における現在位置を表示するなどの処理を実行する。また、表示装置200がメディア再生装置である場合は、挿入されているDVDやメモリカード等に記録されている映像データや音声データの再生を行う。
【0047】
USBインタフェース220にUSBケーブル250が接続され、USB接続確認の信号が送られた場合は、USBインタフェース220が、信号の送信元であるUSBインタフェース110に対してUSB接続確認に対する応答を送信するとともに、制御部230は、外部入力モードに移行し、表示部210に外部入力モードであることを示すための表示を行う(ステップS202)。
【0048】
ドライブレコーダ10が、ステップS102において表示装置200からUSB接続確認に対する応答を受信した場合に、制御部160は、メモリカード30に記録されている映像データを表示装置200に再生させるための処理を行う(ステップS103)。
【0049】
ステップS103において、制御部160は、メモリカード30に記録されている映像データを読み出し、表示制御部120によりデコードされた後、このデコードされた映像データを、USBインタフェース110を介して表示装置200に送信する。
【0050】
具体的には、制御部160は、記録制御部150を介してメモリカード30に記録されている映像データを一旦内部メモリ130に読み出す。そして、制御部160は、内部メモリ130に記録された映像データから表示制御部120の処理により、表示装置200の表示部210に表示させる表示画面を作成する。表示制御部120は、メモリカード30に複数の映像データが記録されている場合は、表示装置200に複数の映像データをサムネイル表示させるための表示画面を作成する。制御部160は、作成された表示画面を、USB規格に準じたデータサイズに分割して、USB規格に準じた所定のタイミングで、表示制御部120からUSBインタフェース110に表示画面を送る。USBインタフェース110は、分割されたデータを、所定のタイミングで、USBケーブル250を介して、表示装置200に送信する。なお、制御部160は、メモリカード30に記録されている映像データが暗号化処理されている場合は、映像データの復号化処理を行った後、内部メモリ130に読み出す。
【0051】
表示装置200は、USBインタフェース220を介して送られた表示画面を、表示部210に表示する(ステップS203)。
【0052】
表示装置200において、表示部210に表示画面を表示しているとき、制御部230は、表示部210のタッチパネル機能によりユーザの操作指示があるまで待機している(ステップS204)。ユーザからの操作指示を検出した場合、制御部230は、表示部210における座標情報を取得する(ステップS205)。制御部230は、取得した座標情報を、当該表示装置200に対してなされた操作に関する情報である操作指示としてUSBインタフェース220を介してドライブレコーダ10に送信する。
【0053】
ドライブレコーダ10において、映像データを表示した後は、制御部160は、USBインタフェース110を介して表示装置200からの操作指示があるまで待機している(ステップS104)。表示装置200から送られた操作指示を検出した場合、制御部160は、検出した操作指示から座標情報を取得する(ステップS105)。制御部160は、取得した座標情報に対応した処理を実行し、実行された処理に対応する表示画面を表示装置200に出力する(ステップS106)。このステップS106の処理は、図4で後述する。表示装置200は、USBインタフェース220を介して送られた表示画面を、表示部210に表示する(ステップS207)。
【0054】
このステップS106及びS205からS207の処理により、表示装置200の表示部210に表示された映像データに対するユーザの操作があった場合に、ドライブレコーダ10の制御部160が、その操作に対応した映像データが表示されるように表示画面を変更する。この映像データが、表示装置200の表示部210に反映されて表示される。
【0055】
例えば、表示制御部120により表示部210に複数の映像データをサムネイル表示させ、ユーザがこの表示画面のサムネイル画像のいずれかをタッチした場合は、その座標情報が表示装置200からドライブレコーダ10に送られる。制御部160は、受信した座標情報から、サムネイル画像のいずれかが選択されたかを判断して、選択されたサムネイル画像に対応する映像データを再生して、表示装置200に送信する。
【0056】
その後、ドライブレコーダ10において、制御部160は、ユーザによる操作等により映像データの再生の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS107)。映像データの再生の終了が指示されたと判定した場合は、制御部160は再生モードを終了して、録画モードに移行する。映像データの再生の終了が指示されていない場合は、ステップS104に戻り、制御部160は、処理を繰り返す。なお、映像データの再生の終了は、例えばユーザによる表示部210へのタッチ操作や、USBケーブル250の取り外しが行われたときに、判定される。
【0057】
一方で、表示装置200において、制御部230は、USBケーブル250が取り外されたり、ドライブレコーダからのUSB接続の指示が送られる等により、USB接続が終了したか否かを判定している(ステップS208)。USB接続が終了したと判定した場合は、映像データの再生処理を終了して、内部処理モードに移行する。USB接続が継続されていると判定した場合は、ステップS204に戻り、制御部230は、処理を繰り返す。
【0058】
図4は、本発明の実施形態の制御部160における、図3のステップS106の処理を示すフローチャートである。
【0059】
前述の図3のフローチャートのように、制御部160の処理により、表示画面が、表示制御部120からUSBインタフェース110を介して表示装置200に送られる(図3のステップS103)。表示装置200において、送られた表示画面が表示部210に表示される(図3のステップS203)。なお、この表示画面には、図5で後述するように、表示制御部120の処理により、映像データに対する指示を受付けるための操作ボタン等が表示されている。
【0060】
ユーザがこの操作ボタンに対するタッチ操作を行った場合は、制御部230は、タッチ操作された位置の表示部210における座標情報を取得して(図3のステップS205)、取得した座標情報を操作指示としてUSBインタフェース220を介してドライブレコーダ10に送信する(図3のステップS206)。
【0061】
このとき、ドライブレコーダ10において図4に示すフローチャートの処理が行われる。まず、制御部160は、送られた操作指示に含まれる座標情報から、表示画面における操作ボタンのうち、いずれのボタンが選択されたかを判定する(ステップS301)。そして、制御部160は、選択されたボタンに対応する処理を、表示中の映像データに対して実行する(ステップS302)。
【0062】
例えば、表示画面に映像データのサムネイルが表示されている場合において、ユーザがサムネイルのうちの一つを選択した場合、制御部160は、表示制御部120に、サムネイル表示から選択された映像データを再生する表示を行わせる。
【0063】
このとき表示制御部120は、映像データを再生する再生画面に適した操作ボタンを表示画面に表示させる。例えば、映像データの再生を開始する再生ボタン、映像データの再生を停止する停止ボタン、映像データの早送りを行う早送りボタン及び映像データの巻き戻しを行う巻き戻しボタンを表示させる。
【0064】
また、表示画面において映像データが再生されている場合に停止ボタンが選択された場合、制御部160は、表示制御部120に、再生中の映像データを停止した表示画面に変更させる。
【0065】
また、表示画面において映像データが再生されている場合に早送りボタンが選択された場合、制御部160は、表示制御部120に、再生中の映像データを早送り表示する表示画面に変更させる。
【0066】
また、表示画面において映像データが停止された後にサムネイルに戻るボタンが選択された場合、制御部160は、表示制御部120に、映像データからサムネイルに表示画面に変更させる。
【0067】
このように変更された表示画面は、図3のステップS103と同様に、制御部160により、表示制御部120からUSBインタフェース110を介して表示装置200に送られる(ステップS303)。
【0068】
表示装置200において、制御部230は、USBインタフェース220を介して送られた表示画面を、表示部210に表示する。
【0069】
このように、図4のフローチャートに示す処理により、表示装置200の表示部210がタッチ操作された位置(座標情報)に基づいて、ドライブレコーダ10の制御部160の制御により表示画面が変更され、変更された表示画面が表示部210に表示される。
【0070】
図5は、本発明の実施形態の表示装置200の表示部210に表示される映像データの表示の一例の説明図である。
【0071】
図5(a)は、表示部210に複数の映像データ210aをサムネイル表示したときの例を示す。
【0072】
前述のようにメモリカード30に複数の映像データ210aが記録されている場合は、前述の図3のステップS103の処理により、表示制御部120が複数の映像データ210aをサムネイル表示する表示画面を作成して、作成された表示画面を表示装置200に送る。表示装置200は、ドライブレコーダ10から送られたこの表示画面を表示部210に表示させる。この結果、表示部210に複数の映像データ210aがサムネイル表示される。
【0073】
このとき、ユーザによりサムネイル表示された映像データ210aの一つがタッチパネルに対するタッチ操作により選択された場合、表示装置200は、タッチ操作された位置の座標情報を検出し、操作指示としてドライブレコーダ10に送信する。
【0074】
ドライブレコーダ10の制御部160は、送られた操作指示に含まれる座標情報を抽出し、表示部210にサムネイル表示されている映像データのうち、いずれの映像データ210aが選択されたかを判定する。そして、制御部160は、選択された映像データ210aを表示部210に動画として再生する。
【0075】
図5(b)は、表示部210に映像データ210bを再生するときの例を示す。
【0076】
表示部210において、映像データ210bが再生表示されている。このとき、前述の図3のステップS106の処理において、表示制御部120が、映像データ210bに対する指示を受付けるための操作ボタン210cを表示する。操作ボタン210cは、映像データの再生を開始する再生ボタン、映像データの再生を停止する停止ボタン、映像データの早送りを行う早送りボタン及び映像データの巻き戻しを行う巻き戻しボタンを備える。
【0077】
ここで、ユーザが、操作ボタン210cの一つをタッチ操作により選択した場合、表示装置200は、タッチ操作された位置の座標情報を操作指示としてドライブレコーダ10に送信する。
【0078】
ドライブレコーダ10の制御部160は、送られた操作指示に含まれる座標情報から、表示部210に表示されている操作ボタン210cのうち、いずれのボタンが選択されたかを判定する。そして、制御部160は、選択されたボタンに対応する処理を、表示中の映像データ210bに対して実行する。例えば停止ボタンが選択された場合は、再生中の映像データ210bを停止表示する。また、早送りボタンが選択された場合は、再生中の映像データ210bを早送り表示する。
【0079】
なお、表示部210に表示される操作ボタン210cは、この図5(b)のような表示に限られず、例えば、映像データを再生中にサムネイル表示に戻すためのボタン、USB接続を終了して映像データの再生を終了するボタン等を表示してもよい。
【0080】
以上のように、本発明の実施の形態のドライブレコーダ10は、メモリカード30に記録された映像データを再生するときに、表示制御部120がドライブレコーダ10の外部に接続された表示装置200に映像データを出力することで映像データを表示装置に再生させる。また、制御部160は、表示装置200から送信された座標情報等の操作情報を受信した場合は、受信した操作情報に対応する操作を表示制御部120により映像データに反映させるように構成した。
【0081】
このように構成することにより、ドライブレコーダ10の外部に接続された表示装置200に映像データを再生することができる。また、ドライブレコーダ10が、表示装置200から、例えばタッチパネル等の表示装置200に対する操作に関する情報である操作情報を受信した場合は、受信した操作情報に対応する処理をドライブレコーダ10側で実行することができる。
【0082】
従って、表示装置200での操作だけで映像データの再生に関する制御を行うことができるので、ユーザの映像データに関する操作の操作性が向上する。さらに、ドライブレコーダ10と表示装置200との間が、例えばUSBケーブル250により通信可能に接続されていればよく、ドライブレコーダ10と表示装置200との設置に制約がなくなるので、レイアウトの自由度が向上する。
【0083】
また、表示装置200は、タッチパネル機能を備え、ユーザの操作をタッチパネルの座標情報としてドライブレコーダ10側に送信する。タッチパネル機能は一般的な表示装置200に予め備わっている機能であるため、表示装置200に特別な構成やソフトウェアを追加する必要がない。このためドライブレコーダ10及び表示装置200における処理の負担の増加やコストの増加を抑えることができる。
【0084】
また、ドライブレコーダ10と表示装置200とはUSBインタフェース110及びUSBインタフェース220により信号を送受信するので、映像データをデジタル信号のまま送信して、表示部210に表示させることが可能となる。従って、映像データの劣化の原因となるアナログ信号への変換が発生しない。また、既存のUSBインタフェース220をそのまま用いることができるので、新たの構成の追加が必要なく、ドライブレコーダ10及び表示装置200における処理の負担の増加やコストの増加を抑えることができる。
【0085】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1 ドライブレコーダシステム
10 ドライブレコーダ
11 車両
12 カメラ
20 パーソナルコンピュータ(PC)
30 メモリカード
110 USBインタフェース
120 表示制御部
130 内部メモリ
140 画像処理部
150 記録制御部
160 制御部
170 加速度センサ
180 記録ボタン
190 音声制御部
200 表示装置
210 表示部
220 USBインタフェース
230 制御部
図1
図2
図3
図4
図5