(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサ、前記メモリ及び前記無線トランシーバが前記携帯型デバイスの第1の筐体内に収められ、前記センサが前記携帯型デバイスの前記第1の筐体から離して配置された第2の筐体内に収められることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
前記音楽トラックの再生が停止された位置から後にある前記音楽トラック内の位置が、前記音楽トラックの再生が停止された位置から前記時間長Xの経過後になる前記音楽トラック内の位置であることを特徴とする請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面に示されるような本発明の実施形態を参照して本発明をここで詳細に説明する。「一実施形態」、「ある実施形態」、「一実施形態例」、等への言及は、説明される実施形態は特定の特徴、構造または特質を有することができるが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造または特質を有するとは限らないことを示す。さらに、そのような語句が同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、ある実施形態に関係してある特定の特徴、構造または特質が説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、別の実施形態に関係してそのような特徴、構造または特質を適用することは当業者の知識の範囲内にあるとされる。
【0015】
本発明の実施形態は音楽の再生を制御するために音楽再生デバイス100を利用することができる。音楽再生デバイス100は、例えば、デジタルオーディオファイルプレイヤー(例:MP3プレイヤー)、オーディオCDプレイヤー、オーディオテーププレイヤー、ラジオ受信器(例:地上波ラジオ受信器、衛星ラジオ受信器またはインターネットラジオ受信器)、家庭用オーディオシステム、車載オーディオシステム、テレビジョン、コンピュータ、携帯電話または、ユーザ10に音楽再生を提供することができる、その他いずれかの据置型または携帯型のデバイスとすることができる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態にしたがう、音楽再生デバイス100のコンポーネントのブロック図である。
図1に示されるように、音楽再生デバイス100は、プロセッサ102,メモリ104,ユーザ入力コントロール106及びオーディオユニット108を備えることができる。これらのコンポーネントは、以下でさらに詳細に説明されるように、音楽再生デバイス100の機能を実行するために動作可能な態様で接続することができる。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントの内の1以上は省くことができ、あるいは追加のコンポーネントを備えることができる。一実施形態において、音楽再生デバイスは電池を備えることができる。一実施形態において、スピーカー及び/またはオーディオ出力ポートを備えることもできる。別の実施形態において、スピーカー及び/またはオーディオ出力ポートはオーディオユニット108の一部とすることができる。
【0017】
音楽再生デバイス100のプロセッサ102は、以下でさらに詳細に説明されるような、メモリ104に格納されたアプリケーションプログラムを実行するように適合させることができる。プロセッサ102は、メモリ104,ユーザ入力コントロール106及びオーディオユニット108に動作可能な態様で接続することができる。
【0018】
メモリ104は、本明細書に説明される音楽再生システムの機能態様を実施するために用いられる、アプリケーションプログラムを格納するように適合させることができる。メモリ104は、以下でさらに詳細に説明されるように、その他のデータ及び情報を格納するように適合させることもできる。例えばメモリ104は、音楽トラック、プレイリスト及び/または別オーディオコンテンツを格納するように適合させることができる。一実施形態において、メモリ104にはリードオンリメモリ及び/またはランダムアクセスメモリを含めることができる。別の実施形態において、メモリ104にはメモリカードまたはその他のリムーバブルストレージデバイスを含めることができる。メモリ104は、プロセッサ102及びオーディオユニット108に動作可能な態様で接続することができる。
【0019】
ユーザ入力コントロール106はユーザ10によって音楽再生デバイス100と相互に作用するために用いられ得る。一実施形態において、ユーザ入力コントロール106は、1以上の物理的な入力ボタン、スイッチ及び/またはキーを有することができる。一実施形態において、ユーザ入力コントロール106は、トラックパッド、スクロールボール及び/またはタッチスクリーン入力コントロール(例:仮想的な入力ボタン、スイッチ及び/またはキー)を有することができる。いくつかの実施形態においてユーザ入力コントロール106は静電容量スイッチを有することができ、一方、別の実施形態においてユーザ入力コントロール106は音声作動コントロールを可能にするためのマイクロフォンとすることができる。これらのユーザ入力コントロール100のそれぞれの機能は音楽再生デバイス100の動作モードに基づいて定めることができる。
【0020】
図1に示される実施形態において、ユーザ入力コントロール106は音楽再生デバイス100と同じ筐体に組み込み、筐体内に収めることができる。しかし、以下でさらに詳細に説明されるように、ユーザ入力コントロール106のいくつかまたは全てを、音楽再生デバイス100自体と同じ筐体に組み込まず、及び/または筐体内に収めないでおくことができる。
【0021】
オーディオユニット108はオーディオファイル及び/またはオーディオ信号を処理するために用いることができる。例えば、オーディオユニット108は、音楽トラック、プレイリスト及び/または別オーディオコンテンツを処理することができる。別の例として、オーディオユニット108はデジタルオーディオ信号を、1以上のヘッドフォンに組み込まれていてもいなくても差し支えない、モノラルスピーカーまたはステレオスピーカーを駆動するために用いることができる、増幅アナログ信号に変換することができる。
【0022】
ユーザ10は、
図1に示されるデバイス100のような、音楽再生デバイス100を用いて音楽の再生を制御することができる。音楽は、例えば、デジタルオーディオファイル(例:MP3ファイル)、オーディオCD、オーディオテープ及び/またはラジオ放送(例:地上波ラジオ放送、衛星ラジオ放送及び/またはインターネットラジオ放送)のような、1以上の形態の音楽メディアに載せることができる。一実施形態において音楽は、米国カリフォルニア州オークランド(Oakland)のパンドラメディア社(Pandora Media, Inc.)によって提供されるような、インターネットラジオストリームに載せることができる。
【0023】
一実施形態において、一つ一つの音楽は個別の音楽トラックに分けることができる。例えば、それぞれのトラックは単一の歌に対応するデータを含むことができる。一実施形態において、以下でさらに詳細に説明されるように、複数のトラックをプレイリスト400に関係付けることができる。
【0024】
ユーザ10の中には、本義的音楽コンテンツを聴くだけでなく、別オーディオコンテンツも聴きたいユーザもいる。別オーディオコンテンツは、例えば、音声合成装置で生成された人工音声、オーディオトラックとして以前にセーブされた音声録音、あるいは実質的に実時間の遠隔送信音声通信(例;電話の通話)のような、非音楽コンテンツとすることができる。あるいは、オーディオコンテンツは、例えば本義的音楽コンテンツとは異なる音楽コンテンツ(例:着信楽音)とすることもできる。そのような別オーディオコンテンツは、以下でさらに詳細に説明されるように、例えば、友人、親戚及び/または同僚からのメッセージ、ニュースまたは情報、宣伝広告、ポイントオブインタレスト情報、及び/または実質的に実時間のフィードバック、を伝えることができる。
【0025】
ユーザ10が本義的音楽コンテンツに加えて別オーディオコンテンツを聴くことができればと思っている場合の本発明の実施形態において、音楽再生デバイス100は音楽及び別オーディオコンテンツの再生を制御することができる。
図2は本発明の一実施形態にしたがう一音楽再生プロセスのフローチャートである。
【0026】
図2に示されるように、ステップ200において音楽再生デバイス100のプロセッサ102が第1の音楽トラックの再生を開始することができる。ステップ202において、第1の音楽トラックの再生を停止させることができる。ステップ204において、プロセッサ102は別オーディオコンテンツの再生を開始することができる。ステップ206において、別オーディオコンテンツの再生を停止させることができる。最後に、ステップ208において、プロセッサ102は次に第1の音楽トラックの再生を(再び)開始すべきかそれとも第2の音楽トラックの再生を開始すべきかを決定することができる。第1の音楽トラックの再生の開始または第2の音楽トラックの再生はそれぞれステップ210またはステップ212において行われる。先行するステップの内の1つないしいくつかは、ソフトウエアアプリケーションプログラムのコンピュータプログラムロジックを処理している、プロセッサ102に応じて行われ得る。
【0027】
ステップ200において、第1の音楽トラックの再生を開始することができる。一実施形態において、どの音楽トラックが初めに再生されるべきかを示すプレイリスト400を参照することで、第1の音楽トラックを識別することができる。一実施形態において、第1の音楽トラックの再生は第1の音楽トラックの始点から開始することができる。一実施形態において、第1の音楽トラックの再生は、ユーザ10の音楽生成デバイス100のユーザ入力コントロールの1以上の操作に応答して、行われ得る。別の実施形態において、第1の音楽トラックの再生は自動的に、あるいはユーザ入力コントロール106以外のソースからの入力の結果として、行われ得る。
【0028】
ステップ202において、第1の音楽トラックの再生を停止させることができる。一実施形態において、第1の音楽トラックの再生の停止は第1の音楽トラックの終点に達する前に行われ得る。一実施形態において、第1の音楽トラックの再生の停止は、ユーザ10の音楽生成デバイス100のユーザ入力コントロールの1以上の操作に応答して、行われ得る。別の実施形態において、第1の音楽トラックの再生の停止は、プロセッサ102の別オーディオコンテンツ再生準備完了の検出に応答して、及び/または別オーディオコンテンツ再生のリクエストに答えて、行われ得る。
【0029】
ステップ204において、プロセッサ102は別オーディオコンテンツの再生を開始することができる。一実施形態において、別オーディオコンテンツの再生は第1の音楽トラックの再生の停止と正確に同時かまたはほぼ同時に開始することができる。別の実施形態において、第1の音楽トラックの再生の停止がおこる時点と別オーディオコンテンツの再生が開始される時点の間には遅延があり得る。一実施形態において、別オーディオコンテンツの再生はユーザ10による音楽再生デバイス100のユーザ入力コントロール106の1以上の操作に応答して開始することができる。別の実施形態において、別オーディオコンテンツの再生はプロセッサ102からの別オーディオコンテンツに対するリクエストに答えて開始することができる。
【0030】
ステップ206において、別オーディオコンテンツの再生を停止させることができる。一実施形態において、別オーディオコンテンツの再生は、別オーディオコンテンツの終点に達する前に、停止させることができる。一実施形態において、別オーディオコンテンツの再生はユーザ10による音楽再生デバイス100のユーザ入力コントロール106の1以上の操作に応答して停止させることができる。別の実施形態において、別オーディオコンテンツの再生は、プロセッサ102の別オーディオコンテンツ停止準備完了の検出に応答して、及び/または別オーディオコンテンツ停止のリクエストに答えて、停止させることができる。
【0031】
最後に、ステップ208において、プロセッサ102は、次に第1の音楽トラックの再生を(再び)開始すべきかそれとも第2の音楽トラックの再生を開始すべきかを決定することができる。続いて、第1の音楽トラックまたは第2の音楽トラックの再生をそれぞれステップ210またはステップ212において行うことができる。一実施形態において、どの音楽トラックが第2に再生されるべきかを示すプレイリスト400を参照することで、第2の音楽トラックを識別することができる。
【0032】
図3は本発明の一実施形態にしたがう音楽再生プロセスの別の態様のフローチャートである。音楽再生プロセスのこの部分は、第1の音楽トラックの再生を(再び)開始すべきかそれとも第2の音楽トラックの再生を開始すべきかの決定に関する。すなわち、本発明の一実施形態にしたがえば、音楽再生プロセスのこの態様は
図2の音楽再生プロセスのステップ208〜212を補足または置換することができる。以下のステップの内の1以上は、ソフトウエアアプリケーションプログラムのコンピュータプログラムロジックを処理しているプロセッサ102に応答して行われ得る。
【0033】
図3に示されるように、ステップ300において、プロセッサ102は第1の音楽トラックに対する残余未再生時間(UTR)の長さを決定することができる。第1の音楽トラックの終点に達する前に第1の音楽トラックの再生が停止されていれば、第1の音楽トラックに対していくらかのUTRがあるであろう。例えば、第1の音楽トラックの長さは4分30秒であるが、2分30秒で第1の音楽トラックの再生が停止されていれば、第1の音楽トラックに対するUTRは2分である。
【0034】
ステップ302において、プロセッサ102は別オーディオコンテンツの時間長(X)を決定することができる。一実施形態において、例えば別オーディオコンテンツがオーディオトラックとして以前にセーブされた音声録音であれば、別オーディオコンテンツにアクセスして直ちにXを決定することができるであろう。例えば、プロセッサ102は直ちにオーディオトラックを解析して、あらかじめ定められた、固定ランタイムを決定することができるであろう。しかし、別の実施形態において、例えば別オーディオコンテンツが実質的に実時間の遠隔送信音声通信(例:電話の通話)であれば、別オーディオコンテンツの再生が終了するまでXを決定することはできないであろう。例えば、電話呼出しを受けた場合、通話が完了するまで、通話がどれだけ長く続くか−したがって通話の総ランタイムを、プロセッサ102が知る手段は全く無い。
【0035】
ステップ304において、プロセッサ102はUTRがXより大きいか否かを判定することができる。UTRがXより大きければ、引き続いてステップ306において、第1の音楽トラックの再生を開始することができる。UTRがX以下であれば、引き続いてステップ308において、第2の音楽トラックの再生を開始することができる。このプロセスは以下で
図4及び5を参照してさらに詳細に説明される。
【0036】
図4及び5はそれぞれ、本発明の実施形態にしたがう、UTRがXより大きい場合及びUTRがX以下である場合の音楽再生プロセスを示す略図である。
【0037】
図4及び5を参照すれば、音楽再生デバイス100は複数の音楽トラックを再生することができる。一実施形態において、音楽再生デバイス100は、再生されるべき音楽トラックグループ及び音楽トラックが再生されるべき順序を示すプレイリスト400を見ることができる。上述したように、プレイリスト400に対応する音楽トラック及び/またはプレイリストファイルは音楽再生デバイス100のメモリ104にセーブしておくことができる。あるいは、プレイリスト400に対応する音楽トラック及び/またはプレイリストファイルは、以下でさらに詳細に説明されるように、リモートアクセス可能とすることができる。
【0038】
本発明の実施形態例はプレイリスト400を参照して説明されることが多いが、本発明はプレイリストに関係付けられた音楽トラックの再生に限定されない。歌の順序があらかじめ定められていない(例えば、歌が「シャッフル」モードで再生される)場合、プレイリストを参照することなく、「第1の音楽トラック」は再生されることになった最初の音楽とすることができ、「第2の音楽トラック」は第1の音楽の後に再生されることになった次の音楽とすることができる。
【0039】
図4及び5において「第1音楽トラック」及び「第2音楽トラック」と明示された水平バーの表示は、第1の音楽トラック及び第2の音楽トラックがプレイリスト400にしたがう順序で再生される予定であることを示す。水平バーの横方向長さはそれぞれ第1の音楽トラック及び第2の音楽トラックの予定総再生時間に対応する。第1の音楽トラックと第2の音楽トラックの間の遷移点414の位置も示されている。セグメント500,504,600及び604は音楽コンテンツの再生を表し、セグメント502及び602は別オーディオコンテンツの再生を表す。
【0040】
ここで
図4を参照すれば、一実施形態において、セグメント500で表されるように、音楽再生デバイス100のプロセッサ102は、時点402において第1の音楽トラックの再生を開始することができ、時点404において第1の音楽トラックの再生を停止することができる。
【0041】
次に、セグメント502で示されるように、音楽再生デバイス100のプロセッサ102は、時点406において別オーディオコンテンツの再生を開始することができ、時点408において別オーディオコンテンツの再生を停止することができる。
【0042】
UTRがXより大きいとプロセッサ102が判定すると、セグメント504に示されるように、引き続いて時点410において第1の音楽トラックの再生を(再び)開始することができる。詳しくは、一実施形態において、第1の音楽トラックの再生が停止した第1の音楽トラックの位置(例えば、時点404における第1の音楽トラックの再生停止時)より後にある第1の音楽トラックの位置(例えば、時点404における第1の音楽トラックの再生停止箇所よりいくらか後の位置)が、第1の音楽トラックの再生が停止した時点から時間長X経過後に(例えば時点410における)、第1の音楽トラックの再生が再開される位置である。
【0043】
さらに詳しくは、例えば、第1の音楽トラックの長さは4分30秒であって、第1の音楽トラックの再生が2分30秒進んだところで再生が停止したとすれば、第1のトラックに対するUTRは2分である。第1の音楽トラックの再生が2分30秒進んだところで別オーディオコンテンツが開始されて30秒続くとすれば、別オーディオコンテンツに対するXは30秒である。UTRはXより大きい(すなわち2分は30秒より長い)から、
図4の実施形態にしたがって、第1の音楽トラックの再生が停止した位置から時間長X経過後の第1の音楽トラックの位置(すなわち、第1の音楽トラックの再生が2分30秒進んだ位置から30秒経過した位置、すなわち第1の音楽トラックを3分進んだ位置)において、引き続いて第1の音楽トラックの再生を開始することができる。
【0044】
いくつかの音楽再生デバイス100は相異なるオーディオ源に対して個別のオーディオチャネルを提供することができる。例えば、2-オーディオチャネル音楽再生デバイス100は音楽オーディオチャネル及び別オーディオコンテンツチャネルを提供することができる。2-オーディオチャネルデバイスは、音楽オーディオデータの、別オーディオコンテンツデータとの同時伝送を可能にすることができる。一実施形態において、そのようなデバイスは、別オーディオコンテンツが再生されている間の、第1の音楽トラックの消音を可能にし得る。消音時には、第1の音楽トラックに関するデータのアクセス及び伝送は続けられるが、スピーカーまたはヘッドフォンによる出力はなされないか、または極めて抑えられた音量で出力がなされる。
【0045】
他に、例えば個別の音楽オーディオコンテンツ信号と別オーディオコンテンツ信号を扱うために、単一のオーディオチャネルだけに依存しなければならない音楽再生デバイスもある。そのような単チャネルデバイスにおいて、音楽オーディオコンテンツ信号と別オーディオコンテンツ信号を同時にアクセスして伝送することはできない。この結果、そのようなデバイスでは、2-チャネルシステムに関して上述したように、別オーディオコンテンツが再生されている間、第1の音楽トラックを消音することはできない。
【0046】
図1〜4に関して上述した本発明の実施形態において、第1の音楽トラックの再生は、別オーディオコンテンツが再生されていた間第1の音楽トラックが消音されていたとすれば再開されたであろう時点と同じ時点で再開することができる。そのようなプロセスは1本ないし複数本のオーディオチャネルを有する音楽再生デバイス100で利用することができる。
図4を参照して上述した実施形態は与えられた時点において単一オーディオチャネルしか利用する必要がないから、そのような音楽再生プロセスは、例えば、別オーディオコンテンツを聴いている間は音楽の消音が可能であってほしいが、使用している音楽再生デバイス100が単一オーディオチャネルしか提供しない、ユーザ10にとって望ましいであろう。
【0047】
次に
図5を参照すれば、一実施形態において、セグメント600で表されるように、音楽再生デバイス100のプロセッサ102は時点422において第1の音楽トラックの再生を開始することができ、第1の音楽トラックの再生は時点424において停止することができる。
【0048】
次に、セグメント602で示されるように、音楽再生デバイス100のプロセッサ102は、時点426において別オーディオコンテンツの再生を開始することができ、別オーディオコンテンツの再生は時点428において停止することができる。
【0049】
UTRがX以下であるとプロセッサ102が判定すると、セグメント604で表されるように、引き続いて時点430において第2の音楽トラックの再生を開始することができる。詳しくは、一実施形態において、第2の音楽トラックの再生は第2の音楽トラックの始点(すなわち、第1の音楽トラックと第2の音楽トラックの間の理論的遷移点414)から開始することができる。
【0050】
さらに詳しくは、例えば、第1の音楽トラックの長さが4分30秒であり、第1の音楽トラックの再生が4分進んだところで停止されたとすれば、第1の音楽トラックに対するUTRは30秒である。第1の音楽トラックの再生が4分進んだところで別オーディオコンテンツが開始されて1分間続いたとすれば、別音楽コンテンツに対するXは1分である。UTRはX以下である(すなわち、30秒は1分より短い)から、
図5の実施形態にしたがえば、引き続いて時点430(すなわち、第1の音楽トラックと第2の音楽トラックの間の理論的遷移点414)において第2の音楽トラックの始点から第2の音楽トラックの再生を開始することができる。
【0051】
上述した実施形態において、第2の音楽トラックは、別オーディオコンテンツが再生されていた間音楽出力が消音されていたとすれば再開されたであろう時点と同じ時点で再開されない。詳しくは、別音楽コンテンツが再生されていた間音楽出力が消音されていれば、第1の音楽トラックの再生が停止された時点から時間長Xが経過したはずの第2の音楽トラック内の時点から第2の音楽トラックの再生が開始されたであろう−言い換えれば、第2の音楽トラックが始点で開始されてはいなかったであろう。そのような音楽再生プロセスは、例えば、別オーディオコンテンツを聴いている間は音楽の消音が可能であってほしいが新しい音楽トラックは新しい音楽トラックの初めから聴きたいユーザ10にとって望ましいであろう。一実施形態において、このプロセスはオーディオチャネルを1つしか備えていない音楽再生デバイス100で実施することができる。別の実施形態において、このプロセスはオーディオチャネルを1つより多く備える音楽再生デバイス100で実施することができる。
【0052】
本発明の一実施形態において、音楽生成デバイス100は携帯型音楽再生デバイス100とすることができる。携帯型音楽再生デバイス100は、例えば、携帯型デジタルオーディオファイルプレイヤー(例:MP3プレイヤー)、携帯型オーディオCDプレイヤー、携帯型オーディオテーププレイヤー、携帯型ラジオ受信器(例:地上波ラジオ受信器、衛星ラジオ受信器またはインターネットラジオ受信器)、携帯型車載オーディオシステム、携帯型コンピュータ、携帯電話または、ユーザ10に音楽再生を提供することができる、その他いずれかの携帯型デバイス100とすることができる。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態にしたがう、携帯型音楽再生デバイス100のコンポーネントのブロック図である。
図6に示されるように、携帯型音楽再生デバイス100は、プロセッサ102,メモリ104,ユーザ入力コントロール106,オーディオユニット108,ディスプレイユニット110,無線広域ネットワーク(WWAN)トランシーバ112及び無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)トランシーバ116を備えることができる。これらのコンポーネントは、上で詳述し、以下でさらに詳細に説明されるように、携帯型音楽再生デバイス100の機能を実施するために動作可能な態様で接続することができる。いくつかの実施形態において、これらのコンポーネントの内の1以上を省くことができ、あるいは追加のコンポーネントを備えることができる。一実施形態において携帯型音楽再生デバイス100は電池を備えることができる。一実施形態において、スピーカー及び/またはオーディオ出力ポートを備えることもできる。別の実施形態において、スピーカー及び/またはオーディオ出力ポートはオーディオユニット108の一部とすることができる。
【0054】
図6に示される実施形態のプロセッサ102,メモリ104,ユーザ入力コントロール及びオーディオユニット108は、
図1に関して上で論じた機能と同様の機能を果たすことができる。
【0055】
ディスプレイユニット110はユーザ10に情報をビジュアル表示するために用いることができる。一実施形態において、ディスプレイユニット110は液晶ディスプレイとすることができる。別の実施形態において、単一の表示画面がディスプレイユニット110とタッチスクリーン入力コントロールの形態のユーザ入力コントロール106のいずれの態様も備えることができる。一実施形態において、
図6に示されるように、ディスプレイユニット110は携帯型音楽再生デバイス100と同じ筐体に組み込んで、その筐体内に収めることができる。しかし、別の実施形態において、以下でさらに詳細に説明されるように、ディスプレイユニット110のいくつかまたは全ては、携帯型音楽再生デバイス100自体と同じ筐体に組み込まれず、及び/またはその筐体内に収められることはない。
【0056】
携帯型音楽再生デバイス100は組込センサ114を備えることもできる。一実施形態において、組込センサ114は、GPS受信器のような、衛星ベース測位システム受信器とすることができる。測位システム受信器は、携帯型音楽再生デバイス100に組み込まれたセンサ114として機能することができ、携帯型音楽再生デバイス100による、位置、進行距離、ペース及び/または速度を測定及び/または算出するために用いることができる情報の検出を可能にすることができる。別の実施形態において、組込センサ114は、進行距離、ペース及び/または速度を測定及び/または算出するために用いることができる、加速度計とすることができる。
【0057】
WPANトランシーバ116は、ユーザ10の身体に保持されているか、及び/または近接してする、携帯型音楽再生デバイス100から離れた場所に配置されたコンポーネントと無線通信することができる。一実施形態において、WPANトランシーバ116は低電力トランシーバである。WPANトランシーバ116はアンテナを有することができ、2.4GHzのような、許認可不要周波数帯で動作することができる。WPANトランシーバは、Dynastream InnovationsのANT及びANT+,ブルートゥース,ブルートゥースLE,ブルートゥースLET,またはBlueRobinを含むがこれらには限定されることはなく、既知の無線プロトコルを用いて通信することができる。他の既知の無線通信プロトコルを用いることができる。一実施形態において、WPANトランシーバは赤外線トランシーバである。
【0058】
一実施形態において、WPANトランシーバ116は、以下でさらに詳細に説明されるように、例えば心拍数モニタ30または加速度計ベースセンサ40のような、ユーザ10の身体に保持されるセンサと通信できる。別の実施形態において、WPANトランシーバ116は、同じく以下でさらに詳細に説明される、ユーザ10の身体で保持されるリストバンド50またはスピーカーまたはヘッドフォン20と通信できる。
【0059】
WWANトランシーバ112は、例えばセル式音声電話信号を送受するために用いることができる、セル式トランシーバとすることができる。WWANトランシーバ112は、例えばインターネットまたはイントラネットのような、コンピュータネットワークと情報を交換するために用いることもできる。WWANトランシーバ112はアンテナを有することができる。
【0060】
携帯型音楽再生デバイス100がWWANトランシーバ112を備える本発明の一実施形態において、ユーザ10は、携帯型音楽再生デバイス100による再生のために、音楽トラックをダウンロードして受け取るか、またはライブストリーミングを受信することができる。さらに、ユーザ10は、携帯型音楽再生デバイス100による再生のために、別オーディオコンテンツをダウンロードして受け取るか、またはライブストリーミングを受信することができる。
図2〜5を参照して上述した音楽再生プロセスはそのような情報の受取り及び再生を管理するために利用できる点で有益である。
【0061】
上述したように、別オーディオコンテンツは、例えば、以前にオーディオトラックとしてセーブされた音声録音とすることができる。携帯型音楽再生デバイス100で音楽を聴いているユーザ10は、以下でさらに詳細に説明されるように、離れたところから送信された、友人、親戚または同僚からの録音済オーディオメッセージ、録音済オーディオニュースまたは情報、録音済オーディオ広告宣伝、録音済ポイントオブインタレスト情報及び/または録音済で実質的に実時間のオーディオフィードバックを、WWANトランシーバ112を介して、受信することができる。
【0062】
同じく上述したように、別オーディオコンテンツは、例えば、離れたところから送信された実質的に実時間の音声通信(例:電話の通話)とすることができる。携帯型音楽再生デバイス100で音楽を聴いているユーザ10は、以下でさらに詳細に説明されるように、離れたところから送信された、(例えば携帯型音楽再生デバイス100が携帯電話であれば)友人、親戚または同僚からの電話、実質的に実時間のオーディオニュースまたは情報、実質的に実時間のポイントオブインタレスト情報及び/または実質的に実時間のオーディオフィードバックを、WWANトランシーバ112またはWPANトランシーバ116を介して受信することができる。
【0063】
携帯型音楽再生デバイス100がWPANトランシーバ116を備える本発明の一実施形態において、携帯型音楽再生デバイス100は、ヘッドフォン20,心拍数モニタ30及び加速度計ベースセンサ40,及び/またはリストバンド50の内の1以上と通信することができる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態にしたがう、スポーツ活動に取り組んでいるユーザ10の説明図である。ユーザ10の身体は、ヘッドフォン20,心拍数モニタ30及び加速度計ベースセンサ40,及びリストバンド50を保持している。一実施形態において、本明細書に説明される携帯型音楽再生デバイス100及び音楽再生プロセスは、例えば、本明細書と同日に出願され、共通に所有される、名称を「フィットネスモニタリング方法、システム及びプログラム製品並びにその応用(Fitness Monitoring Methods, Systems, and Program Products, and Application Thereof)」とする米国特許出願(出願番号未詳)及び名称を「場所認識フィットネスモニタリング方法、システム及びプログラム製品並びにその応用(Location-Aware Fitness Monitoring Methods, Systems, and Program Products, and Application Thereof)」とする米国特許出願(出願番号未詳)の明細書に開示されているような、携帯型フィットネスモニタリングシステムとともに用いることができる。これらの明細書のそれぞれは、それぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
【0065】
例えば、ユーザ10は、携帯型音楽再生デバイス100及び1以上の組込センサ114,心拍数モニタ30及び/または加速度計ベースセンサ40を利用しながら、携帯型フィットネスモニタリングシステムを用いて以前に計画が立てられ、スケジュールが定められた、アクティビティに取り組むことができる。アクティビティ中、携帯型音楽再生デバイス100はこれらのセンサの内の1以上と通信することができ、ユーザ10の身体アクティビティに関する様々なパフォーマンスパラメータ(例:場所、進行距離、速度、ペース、心拍数、等)を決定することができる。またアクティビティ中に、携帯型音楽再生デバイス100は別オーディオコンテンツをユーザ10にパフォーマンスパラメータに関するフィードバック形態で提供することができる。
【0066】
例えば、携帯型音楽再生デバイス100はユーザ10に、要約統計(例:「時速7.5マイル(12km),1マイル(1.6km)8分のペースで、2マイル(3.2km)進み、心拍数は160拍/分」)を伝えるか、または実際の指示またはコーチング(例:「目標時速8マイル(12.8km)に対して時速7.5マイルでしか進んでいない−速度を上げろ!」、または「目標ペース1マイル7分に対して1マイル8分のペースを維持している−速度を上げろ!」、または「目標心拍数毎分140から150に対して現在の心拍数は毎分160−速度を落とせ!」)を伝える、別オーディオコンテンツを提供することができる。
図2〜5を参照して上述した音楽再生プロセスはそのような情報の受取り及び再生を管理するために用いることができる点で有益である。
【0067】
フィットネスアクティビティ関連別オーディオコンテンツは、上述したように、音声合成装置で生成された人工音声、以前にオーディオトラックとしてセーブされた音声録音、または離れたところから送信された実質的に実時間の音声通信(例:電話の通話)とすることができる。別オーディオコンテンツは、携帯型音楽再生デバイス100にローカル態様で格納することができ、あるいは WWANトランシーバ112またはWPANトランシーバ116を介してリモート態様で格納及び受信することができる。
【0068】
すなわち、本発明の実施形態は、音楽再生デバイス100によってユーザ10が受ける印象の改善を可能にすることができる、音楽の再生及び、必要に応じて、フィットネスアクティビティ関連別オーディオコンテンツの再生を制御するための、改善された方法、システム及びプログラム製品を提供することができる。
【0069】
一実施形態において、
図2のステップ208を参照すれば、次に第1の音楽トラックの再生を(再び)開始すべきかそれとも第2の音楽トラックの再生を開始すべきかの判定は、ユーザ10の身体アクティビティに関する様々なパフォーマンスパラメータ(例:場所、進行距離、速度、ペース、心拍数、等)に完全にまたはある程度基づいて行うことができる。別の実施形態において、音楽トラック内の再生を開始できるポイントはユーザ10の身体アクティビティに関する様々なパフォーマンスパラメータ(例:場所、進行距離、速度、ペース、心拍数、等)に基づいて算出することができる。
【0070】
本発明の様々な態様は、あるいは本発明の様々な態様のいずれの部分または機能も、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、命令が格納されている有形のコンピュータ読出可能またはコンピュータ使用可能なストレージメディア、あるいはこれらの組合せを用いて実施することができ、1以上のコンピュータシステムまたはその他の処理システムにおいて実施することができる。
【0071】
本発明の実施形態にしたがう音楽の再生を制御するための方法、システム及びプログラム製品は、1以上のコンピュータデバイスによって実行されるいかなるソフトウエアアプリケーションも含むことができる。コンピュータデバイスは1以上のプロセッサを有するいずれかのタイプのコンピュータデバイスとすることができる。例えば、コンピュータデバイスは、ワークステーション、モバイルデバイス(例:携帯電話、電子手帳またはラップトップコンピュータ)、コンピュータ、サーバ、コンピュータクラスタ、サーバファーム、ゲームコンソール、セットトップボックス、キヨスク、埋込システム、ジムマシン、小売りシステムまたは、少なくとも1つのコンピュータ及び常設メモリまたはリムーバブルメモリを有する、その他のデバイスとすることができる。本発明の実施形態は、コンピュータデバイス内のプロセッサ、ファームウエア、ハードウエアまたはこれらのいずれかの組合せによって実行される、ソフトウエアとすることができる。
【0072】
本発明のソフトウエアはいかなるコンピュータ使用可能メディアにも格納することができる。そのようなソフトウエアは、1以上のデータ処理デバイスで実行されると、データ処理デバイスを本明細書で説明したように動作させることができる。本発明の実施形態は、現在既知であるかまたは将来知られる、いずれのコンピュータ使用可能メディアまたはコンピュータ読出可能メディアも用いることができる。コンピュータ使用可能メディアの例には、主記憶デバイス(例:いずれかのタイプのランダムアクセスメモリ)、副記憶デバイス(例:ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CDROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、MEMS、ナノテクノロジー記憶デバイス、メモリカードまたはその他のリムーバブルストレージデバイス、等)及び通信メディア(例:有線及び無線の通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域エリアネットワーク、イントラネット、等)があるが、これらには限定されない。
【0073】
本発明の実施形態例はプレイリスト400に関して説明されることが多いが、本発明はプレイリストに関係付けられた音楽トラックの再生に限定されない。
【0074】
さらに本発明の実施形態例は単一オーディオチャネルを有する音楽再生デバイス100に関して説明されることが多いが、本発明はそのような音楽再生デバイスに限定されない。
【0075】
最後に、ユーザ10が聴く主コンテンツは「音楽コンテンツ」であると説明され、ユーザ10が聴く副コンテンツは「別オーディオコンテンツ」として説明されているが、説明した方法、システム及びプログラム製品の動作原理は、ユーザ10が聴く主コンテンツが別オーディオコンテンツであり、ユーザ10が聴く副コンテンツが音楽コンテンツである、実施形態にも等しく適用される。同様に、説明した方法、システム及びプログラム製品の動作原理は、主コンテンツ及び副コンテンツのいずれもが音楽コンテンツである実施形態、あるいは主コンテンツ及び副コンテンツのいずれもが別オーディオコンテンツ(例:非音楽コンテンツ)である実施形態にも等しく適用される。したがって、そのような実施形態も本発明の範囲内にある。
【0076】
実施形態例を用いて本発明を上で説明した。したがって、本発明は上述した実施形態例のいずれによっても限定されるべきではなく、添付される特許請求項及びそれらの等価物によってのみ定められるべきである。