特許第5856585号(P5856585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5856585関連性指数補正装置及び関連性指数補正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856585
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】関連性指数補正装置及び関連性指数補正方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160128BHJP
【FI】
   G06Q30/02 100
   G06Q30/02 150
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-127725(P2013-127725)
(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公開番号】特開2015-1956(P2015-1956A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2013年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】堀田 徹
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐介
(72)【発明者】
【氏名】田頭 幸浩
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−094384(JP,A)
【文献】 特開2013−054714(JP,A)
【文献】 特表2009−537891(JP,A)
【文献】 特開2012−141785(JP,A)
【文献】 特開2007−286832(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0147476(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0027772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページ上に掲載される特定の広告情報が選択された回数のうち、特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である見かけ関連性指数と、配信対象となる複数の広告情報が選択された回数のうち、前記特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である平均関連性指数とを生成する関連性指数生成手段と、
前記見かけ関連性指数と前記平均関連性指数とに基づいて、前記特定の広告情報前記特定の属性情報との関連性の程度を示す特定関連性指数を算出する特定関連性指数算出手段と、
を有する関連性指数補正装置。
【請求項2】
前記特定関連性指数算出手段は、前記見かけ関連性指数から前記平均関連性指数を減じることにより、前記特定関連性指数を算出する請求項1に記載の関連性指数補正装置。
【請求項3】
前記特定関連性指数算出手段は、前記見かけ関連性指数(E)と前記平均関連性指数(M)とに基づいて、下記式(I)により前記特定関連性指数(F)を算出する請求項1に記載の関連性指数補正装置。
式(I):F=log(E/M)
【請求項4】
1の前記広告情報について前記特定関連性指数が正の値を示す前記属性情報を抽出することにより前記1の広告情報の特徴属性を生成する特徴属性生成手段と、
前記特徴属性に基づいて前記1の広告情報が配信される前記Webページを選定する選定手段と、を更に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の関連性指数補正装置。
【請求項5】
前記関連性指数生成手段は、前記Webページの属性情報を前記特定の広告情報に関連する属性情報とする請求項1〜のいずれか1項に記載の関連性指数補正装置。
【請求項6】
前記関連性指数生成手段は、前記Webページにユーザーが入力した情報に基づく属性情報を前記特定の広告情報に関連する属性情報とする請求項1〜のいずれか1項に記載の関連性指数補正装置。
【請求項7】
Webページ上に掲載される特定の広告情報が選択された回数のうち、特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である見かけ関連性指数と、配信対象となる複数の広告情報が選択された回数のうち、前記特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である平均関連性指数とを生成する関連性指数生成ステップと、
前記見かけ関連性指数と前記平均関連性指数とに基づいて、前記特定の広告情報前記特定の属性情報との関連性の程度を示す特定関連性指数を算出する特定関連性指数算出ステップと、
含むことを特徴とする関連性指数補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関連性指数補正装置及び関連性指数補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端末の表示画面に表示されるWebページ上には、広告枠が設けられている。この広告枠内には、広告情報が掲載されている。ユーザー(閲覧者)によって広告情報が選択されると、広告主のWebページが表示される。広告情報を介して広告主のWebページへと効率よく誘導するために、特定の広告情報について過去に高頻度で選択された実績のあるWebページの属性情報やユーザー属性情報を抽出することが行われる。こうして抽出された属性情報は、当該特定の広告情報との関連性が高いものとして予め把握されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−238020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の広告情報がある特定の年齢層(例えば、20代の年齢層)のユーザーによって高頻度で選択されているという実績が認められても、当該特定の年齢層のユーザーが他の広告情報についても一様に高頻度で選択している傾向が認められる場合がある。この場合、上記の特定の広告情報は、実際のところは当該特定の年齢層のユーザーに対して特に興味を引くものでなない。そのため、出願人は、特定の広告情報の高い選択頻度に関連している属性情報を当該特定の広告情報との関連性が高いものとして判断すると、当該属性情報が実際にはその特定の広告情報との高い関連性がないことがあるとの課題に対し、広告情報全体を含めた平均的な選択頻度の傾向を加味してより、ユーザーやWebページなどの属性情報と特定の広告情報との関連性を把握する新たな方策を提案するに至った。
【0005】
本発明は、上記の事項に鑑みてなされたもので、対象となる特定の広告情報のみの選択実績から関連性を把握するのに比べて、より適正に当該特定の広告情報とユーザーやWebページなどの属性情報との関連性を把握することのできる関連性指数補正装置及び関連性指数補正方法を提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の例示的側面としての関連性指数補正装置は、Webページ上に掲載される特定の広告情報が選択された回数のうち、特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である見かけ関連性指数と、配信対象となる複数の広告情報が選択された回数のうち、前記特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である平均関連性指数とを生成する関連性指数生成手段と、見かけ関連性指数と平均関連性指数とに基づいて、特定の広告情報属性情報の真の関連性の程度を示す特定関連性指数を算出する特定関連性指数算出手段と、を有する。
【0007】
本発明の他の例示的側面としての関連性指数補正方法は、Webページ上に掲載される特定の広告情報が選択された回数のうち、特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である見かけ関連性指数を生成するステップと、配信対象となる複数の広告情報が選択された回数のうち、前記特定の属性情報と関連付けられるユーザーによって選択された回数の割合である平均関連性指数を生成するステップと、見かけ関連性指数と平均関連性指数とに基づいて、特定の広告情報属性情報の真の関連性の程度を示す特定関連性指数を算出するステップと、を有する。
【0008】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象となる特定の広告情報のみの選択実績から関連性を把握するのに比べて、より適正に当該特定の広告情報とユーザーやWebページなどの属性情報との関連性を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る関連性調査システムの全体構成図である。
図2】実施形態1に用いる関連性指数補正装置の内部構成の概略を示すブロック図である。
図3】端末の表示画面に表示されたWebページの表示例である。
図4】属性情報の取得並びに見かけ関連性指数及び平均関連性指数の生成の概略を示す説明図である。
図5】第1データベースのデータ構造の概略を示す図である。
図6】第2データベースのデータ構造の概略を示す図である。
図7】第3データベースのデータ構造の概略を示す図である。
図8】実施形態2に係る関連性調査システムの全体構成図である。
図9】実施形態2に用いる関連性指数補正装置の内部構成の概略を示すブロック図である。
図10】第4データベースのデータ構造の概略を示す図である。
図11】第5データベースのデータ構造の概略を示す図である。
【実施するための形態】
【0011】
[実施形態1]
以下、実施形態1を、添付図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る関連性調査システムSの全体構成図である。関連性調査システムSは、端末2、コンテンツサーバ4、関連性指数補正装置6、広告主サーバ8がインターネットWを介して接続されて構成される。
【0012】
<端末2>
端末2は、ユーザーが所有、使用又は管理する端末であり、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が適用可能である。端末2は、内部に演算処理装置及びメモリを有し、表示画面を備える。端末2は、キーボード等の入力手段を有することが好ましく、キーボードはソフトウェアキーボードであってもよい。端末2は、インターネットWに直接又は間接に接続され、インターネットWを介して、コンテンツサーバ4と通信可能である。
【0013】
端末2においては、例えば、インターネットブラウザ等のアプリケーションプログラムを用いることにより、インターネットWを介してコンテンツサーバ4よりWebコンテンツ情報が送信される。
【0014】
<コンテンツサーバ4>
コンテンツサーバ4は、Webコンテンツ情報(以下、単にコンテンツ情報という。)をユーザーに提供するものである。コンテンツ情報としては、例えば、ニュース情報、ブログ情報、インターネットショップ情報等がある。コンテンツサーバ4は、有線又は無線により端末2と情報送受信可能とされ、端末2に向けてのコンテンツ情報を送信可能である。
【0015】
コンテンツ情報が端末2の表示画面に表示された際には、そのコンテンツ情報のページレイアウト内の一部に広告枠Hが配置される。広告枠Hに掲載される広告情報AD(配信情報)は、図示しない広告情報配信装置から配信される。
【0016】
<広告主サーバ8>
広告主サーバ8は、端末2からのリクエストに応じて、端末2に向けて商品等の詳細情報を提供する機能を有する。広告主サーバ8は、内部に広告主サイトを構築するサイトページを有しており、そのサイトページに商品等の詳細情報が掲載されている。
【0017】
端末2に表示された広告情報ADがバナー広告等の広告であり、その広告に広告主サーバ8へのリンク情報が埋め込まれていると、端末2で広告をクリック(選択)した場合に、端末2から広告主サーバ8へとリクエスト信号が送信される。そのリクエスト信号に応じて、広告主サーバ8は商品等の詳細情報を掲載したサイトページの情報を端末2に向けて送信する。端末2の表示画面に、広告主サーバ8のサイトページが表示されて、端末2のユーザーに商品等の詳細情報が提供される。
【0018】
<関連性指数補正装置6>
図2は、関連性指数補正装置6の内部構成の概略を示すブロック図である。関連性指数補正装置6は、内部にコンピュータの主要部としてのCPU(演算処理装置)6aとメモリ6bとを有している。メモリ6b内部には、関連性指数補正プログラムP、第1データベースDB1,第2データベースDB2、第3データベースDB3が格納されている。
【0019】
この関連性指数補正プログラムPによって、CPU6aは、属性情報取得手段P1、関連性指数生成手段P2、特定関連性指数算出手段P3として機能する。以下、関連性指数補正プログラムPによってCPU6aが発揮する各機能について説明する。
【0020】
<属性情報取得手段P1>
属性情報取得手段P1は、Webページ5上に掲載される特定の広告情報ADが選択されたことに基づき、当該特定の広告情報ADに関連する属性情報Zを取得する機能を有する。
【0021】
図3は、端末2の表示画面にWebページ5が表示された表示例である。Webページ5には、商品の情報、ニュース情報、ブログ情報などとともに、広告枠H内に広告情報ADが掲載されている。ユーザー(閲覧者)が広告情報ADを選択すると、商品等の詳細情報を掲載したWebページ5が表示される。
【0022】
図4は、属性情報Zの取得並びに見かけ関連性指数E及び平均関連性指数Mの生成の概略を示す説明図である。ユーザーがWebページ5上に掲載されている広告情報ADを選択することにより、種々の属性情報Zが取得される。属性情報Zは、例えば、特定の広告情報AD1を選択したユーザーの性別や趣味に関する情報、広告情報AD1の選択時に広告情報AD1を掲載していたWebページの記事の内容に関する情報、広告情報AD1を選択した時の時刻や曜日や季節に関する情報、広告情報AD1の選択時に端末2が所在していた場所に関する情報などと関連づけられて取得される。
【0023】
例えば、「ユーザーの趣味」という属性情報Zのカテゴリーでは、さらに、スポーツ、映画、読書などのサブカテゴリーに分類され、スポーツというサブカテゴリーの中で、サッカー、野球、テニス、水泳などのスポーツの各種目を属性情報Zとして定めるとよい。
【0024】
例えば、広告情報AD1を選択したユーザーがサッカーファンで野球ファンの男性の場合、広告情報AD1に関連する属性情報Zとして「男性」、「サッカー」、及び「野球」が取得されるように規則を定めるとよい。また、上記の規則と併用して、サッカー関連のWebページ5に広告情報AD1を掲載している時に、当該広告情報AD1を女性のユーザーが選択した場合、広告情報AD1に関連する属性情報Zとして「女性」及び「サッカー」が取得されるように規則を定めるとよい。
【0025】
特定の広告情報ADに関連する属性情報Zは、属性情報取得手段P1によって取得されると、第1データベースDB1に記憶される。
【0026】
図5は、第1データベースDB1のデータ構造の概略を示す図である。第1データベースは、広告情報ADごとに、属性情報Zと選択回数Cと非選択回数Jとが関連付けられて構築されている。例えば、属性情報Z1が「男性」、属性情報Z2が「女性」、属性情報Z3が「サッカー」、属性情報Z4が「野球」であるとする。上述の属性情報の取得に関する規則が適用されているとすると、サッカーファンで野球ファンの男性のユーザーが広告情報AD1を選択したという事実が1回あるとする。この場合には、広告情報AD1について、属性情報Z1「男性」の選択回数C11、属性情報Z3「サッカー」の選択回数C13、及び属性情報Z4「野球」の選択回数C14にそれぞれ「1」が加算される。さらに、この場合において、選択回数Cに「1」が加算されない属性情報Z2、すなわち属性情報「女性」については非選択回数J12に「1」が加算される。特定の広告情報ADの特定の属性情報Zにおける選択回数Cと非選択回数Jとの合計は、当該特定の広告情報ADに生じた選択の合計数ということができる。
【0027】
<関連性指数生成手段P2>
関連性指数生成手段P2は、特定の広告情報ADに対する属性情報の見かけ上の関連性の程度を示す見かけ関連性指数Eと、複数の広告情報ADの全体に対する属性情報Zの平均的な関連性の程度を示す平均関連性指数Mとを生成する機能を有する。
【0028】
見かけ関連性指数Eとは、特定の広告情報ADにおいて特定の属性情報Zに関連した選択が生じた割合を意味する。例えば、広告情報AD1における属性情報Z1についての見かけ関連性指数Eは、広告情報AD1における属性情報Z1についての選択回数C11と非選択回数J11との合計に対する選択回数C11の比[=C11/(C11+J11)]として生成することができる。
【0029】
図4に示されているように、広告情報AD1の選択が100回生じていた場合に、属性情報「サッカー」に関連した選択が40回生じていたとする。この場合、広告情報AD1の属性情報「サッカー」における選択回数Cは「40」と非選択回数Jは「60」となる。そして、広告情報AD1における属性情報「サッカー」の見かけ関連性指数Eは0.4(=40/100)となる。
【0030】
特定の広告情報ADにおける特定の属性情報Zの見かけ関連性指数Eは、関連性指数生成手段P2によって生成されると、第2データベースDB2に記憶される。
【0031】
図6は、第2データベースDB2のデータ構造の概略を示す図である。第2データベースDB2は、広告情報ADごとに、属性情報Zと見かけ関連性指数Eとが相互に関連付けられて構築されている。例えば、広告情報AD1における属性情報Z1の見かけ関連性指数EがE11である。広告情報AD1における属性情報Z2の見かけ関連性指数がE12である。
【0032】
平均関連性指数Mとは、複数の広告情報ADの全体において特定の属性情報Zに関連した選択が生じた割合を意味する。
【0033】
平均関連性指数Mの生成にあたっては、複数の広告情報ADの全体の中に特定関連性指数Fを求めようとする特定の広告情報ADが含まれていても、あるいは含まれていなくてもよい。例えば、特定関連性指数Fを求めようとする特定の広告情報ADが広告情報AD1であるとする。この場合、平均関連性指数Mを生成するための複数の広告情報ADの全体の中には、広告情報AD1が含まれていても含まれていなくてもよい。上記の広告情報AD1が含まれている場合には、広告情報AD1から広告情報ADnの全体から平均関連性指数Mを生成することになる。上記の広告情報AD1が含まれていない場合には、広告情報AD2から広告情報ADnの全体から平均関連性指数Mを生成することになる。
【0034】
以下では、平均関連性指数Mを生成するための複数の広告情報ADの中に、特定関連性指数Fを求めようとする特定の広告情報ADが含まれている場合を例示して説明する。
【0035】
図4に示されているように、広告情報AD1から広告情報ADnの全体において選択が10万回生じていた場合に、この10万回の選択のうちで属性情報「サッカー」に関連した選択が3万回生じていたとする。この場合、属性情報「サッカー」の平均関連性指数は0.3(=30000/100000)となる。
【0036】
また、平均関連性指数Mは、特定の属性情報Zについて広告情報AD1から広告情報ADnのそれぞれの見かけ関連性指数Eを合計して広告情報ADの総数nで除算することにより得られる見かけ関連性指数Eの平均値ということもできる。例えば、属性情報Z1の平均関連性指数M1は、広告情報AD1における属性情報Z1の見かけ関連性指数E11から広告情報ADnにおける属性情報Z1の見かけ関連性指数En1までを合計し、広告情報の総数nで除算することにより得ることができる。
【0037】
特定の属性情報Zの平均関連性指数Mは、関連性指数生成手段P2によって生成されると、第3データベースDB3に記憶される。
【0038】
第3データベースDB3は、属性情報Zと平均関連性指数Mとが相互に関連付けられて構築されている。例えば、属性情報Z1の平均関連性指数がM1である。属性情報Z2の平均関連性指数がM2である。
【0039】
<特定関連性指数算出手段P3>
特定関連性指数算出手段P3は、見かけ関連性指数Eと平均関連性指数Mとに基づいて、特定の広告情報ADに対する属性情報Zの真の関連性の程度を示す特定関連性指数Fを算出する機能を有する。
【0040】
特定関連性指数Fは、見かけ関連性指数Eから平均関連性指数Mを減じることにより算出されてもよい。
【0041】
ここでは、特定関連性指数Fが見かけ関連性指数Eから平均関連性指数Mを減じることにより算出される場合について述べる。例えば、図4に示されている広告情報AD1における属性情報「サッカー」の特定関連性指数Fは、属性情報「サッカー」の見かけ関連性指数Eである「0.4」を平均関連性数である「0.3」で除算して算出された「0.1」である。この特定関連性指数Fが「0.1」であること、すなわち正の値であることは、属性情報「サッカー」と広告情報ADの全体との平均的な関連性と比べて、広告情報AD1と属性情報「サッカー」とは関連性の程度が高いことを意味する。図4に示されている広告情報AD1と属性情報「サッカー」との関係では、広告情報AD1は、サッカーファンのユーザーに対してアピール度が高いということができる。
【0042】
図4に示されている広告情報AD2における属性情報「サッカー」の特定関連性指数Fは、属性情報「サッカー」の見かけ関連性指数Eである「0.2」を平均関連性数である「0.3」で除算して算出された「−0.1」である。この特定関連性指数Fが「−0.1」であること、すなわち負の値であることは、属性情報「サッカー」と広告情報ADの全体との平均的な関連性と比べて、広告情報AD2と属性情報「サッカー」とは、関連性の程度が低いことを意味する。図4に示されている広告情報AD2と属性情報「サッカー」との関係では、広告情報AD2は、サッカーファンのユーザーに対してアピール度が低い、むしろサッカーファンのユーザーに敬遠されているということができる。
【0043】
また、特定関連性指数Fは、見かけ関連性指数Eと平均関連性指数Mとに基づいて、下記式(I)により算出されてもよい。
式(I):F=log(E/M)
【0044】
また、特定関連性指数Fは、ユーザー属性と広告クリックとの相互情報量に基づいて、複数の広告情報ADの全体と比べて、特定の広告情報ADが選択されそうな程度を計算する計算式を用いて算出してもよい。
【0045】
なお図示していないが、特定関連性指数Fは、関連性指数補正装置6のメモリ6b内部でデータベースに記憶しておいてもよい(後述の図10を参照)。
【0046】
[実施形態2]
以下、実施形態2について、添付図面を用いて説明する。実施形態2において、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略する。図8は、実施形態2に係る関連性調査システムS2の全体構成図である。関連性調査システムS2は、端末2、コンテンツサーバ4、関連性指数補正装置9、広告主サーバ8が、インターネットWを介して情報送受信可能に接続されて構成されている。
【0047】
実施形態2においては、端末2、コンテンツサーバ4、広告主サーバ8の構成及び機能については、実施形態1で説明したものと略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0048】
<関連性指数補正装置9>
図9は、関連性指数補正装置9の内部構成の概略を示すブロック図である。関連性指数補正装置9は、内部にコンピュータの主要部としてのCPU(演算処理装置)20aとメモリ20bとを有している。メモリ20b内部には、関連性指数補正プログラムP20、第1データベースDB1,第2データベースDB2、第3データベースDB3、第4データベース、第5データベースDB5が格納されている。
【0049】
この関連性指数補正プログラムP20によって、CPU20aは、属性情報取得手段P1、関連性指数生成手段P2、特定関連性指数算出手段P3、特徴属性生成手段P4、選定手段P5として機能する。
【0050】
以下、関連性指数補正プログラムP20によってCPU20aが発揮する各機能について説明する。なお、実施形態2においては、属性情報取得手段P1、関連性指数生成手段P2、特定関連性指数算出手段P3の構成及び機能については、実施形態1で説明したものと略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0051】
<特徴属性生成手段P4>
特徴属性生成手段P4は、1の広告情報ADについて特定関連性指数Fが正の値を示す属性情報Zを抽出することにより当該1の広告情報ADの特徴属性Gを生成する機能を有する。
【0052】
図10は、第4データベースDB4のデータ構造の概略を示す図である。第4データベースDB4は、広告情報ADごとに、属性情報Zと特定関連性指数Fとが相互に関連付けられて構築されている。例えば、広告情報AD1における属性情報Z1の特定関連性指数がF11である。広告情報AD1における属性情報Z2の特定関連性指数がF12である。
【0053】
特徴属性生成手段P4は、第4データベースDB4よりデータを引き出し、広告情報ADごとに、特定関連性指数Fが正の値を示す属性情報Zを抽出する。特定関連性指数Fが正の値を示すとして抽出された属性情報Zは、その広告情報ADの特徴属性Gとして生成される。
【0054】
図11は、第5データベースDB5のデータ構造の概略を示す図である。第5データベースDB5は、広告情報ADごとに、属性情報Zと特徴属性Gとを相互に関連付けられて構築されている。例えば、広告情報AD1において、属性情報Z1の特定関連性指数F11が正の値であるとする。この場合、属性情報Z1は、広告情報AD1の特徴属性Gとして生成される(第5データベースDB5において特徴属性Gが「+」として記憶される)。広告情報AD1において、属性情報Z2の特定関連性指数F12が負の値であるとする。この場合、属性情報Z2は、広告情報AD1の特徴属性Gとして生成されない(第5データベースDB5において特徴属性Gが「−」として記憶される)。
【0055】
図11に示されている広告情報AD1では、属性情報Z1、属性情報Z3、及び属性情報Z4が特徴属性Gとして生成される。例えば、属性情報Z1が「男性」、属性情報Z2が「女性」、属性情報Z3が「サッカー」、属性情報Z4が「野球」である場合には、広告情報AD1の特徴属性Gは、「男性」、「サッカー」、及び「野球」を含み且つ「女性」を含まないものとして生成される。図11に示されている広告情報AD2では、属性情報Z1〜属性情報Z4のうちで属性情報Z3のみが特徴属性Gとして生成される。例えば、属性情報Z1が「男性」、属性情報Z2が「女性」、属性情報Z3が「サッカー」、属性情報Z4が「野球」である場合には、広告情報AD2の特徴属性Gは「サッカー」を含み且つ「男性」、「女性」、及び「野球」を含まないものとして生成される。
【0056】
<選定手段P5>
選定手段P5は、特徴属性Gに基づいて1の広告情報ADが配信されるWebページ5を選定する機能を有する。
【0057】
選定手段P5によるWebページ5の選定は、特定の広告情報ADの特徴属性Gと特定のWebページ5の属性情報Zとの同一性、類似性、又は関連性に基づいて、行うとよい。
【0058】
選定手段P5によるWebページ5の選定は、特定の広告情報ADの特徴属性GとWebページ5を表示している端末2のユーザーの属性情報Zとの同一性、類似性、関連性に基づいて、行うとよい。
【0059】
例えば、「車」という属性情報Z(特徴属性G)は、車と同様の移動手段である「自転車」と類似性が高く、車の1部品である「タイヤ」と関連性が高い。「車」という属性情報Z(特徴属性G)は、移動手段でもなく、車の部品には通常属していない「電話」や「ハイヒール」とは類似性や関連性が低い。例えば、選定手段P5は、ある広告情報ADの特徴属性Gが「車」の場合、Webページ5の属性情報Zが「自転車」又は「タイヤ」であると、当該Webページ5を配信先として選定するように機能するとよい。このとき、選定手段P5は、Webページ5の属性情報が「電話」や「ハイヒール」であり、「自転車」や「タイヤ」などの類似性や関連性の高い属性情報を含んでいないと、当該Webページ5を配信先の候補から外すように機能してもよい。
【0060】
なお、属性情報取得手段P1は、ユーザーの属性情報Zを特定の広告情報ADに関連する属性情報として取得する機能を有してもよい。
【0061】
ユーザーの属性情報Zは、例えば、ユーザーの性別や趣味に関する情報、あるいは高頻度で又は長時間にわたり閲覧しているWebページに表示されていた記事の情報、ユーザーの居住地の情報などに基づいて取得される。
【0062】
属性情報取得手段P1は、Webページ5の属性情報Zを特定の広告情報ADに関連する属性情報Zとして取得する機能を有してもよい。
【0063】
Webページ5の属性情報Zは、例えば。Webページに掲載されている記事の情報、Webページの管理者の情報、Webページを高頻度で又は長時間にわたり閲覧しているユーザー(閲覧者)の情報などに基づいて取得される。
【0064】
属性情報取得手段P1は、Webページ5にユーザーが入力した情報に基づく属性情報Zを特定の広告情報ADに関連する属性情報Zとして取得する機能を有していてもよい。
【0065】
ユーザーが入力した情報に基づく属性情報とは、例えば、ユーザーが検索エンジンに入力した検索キーワードに関する情報などに基づいて取得される。
【0066】
本発明は、以下の趣旨をも含む。
【0067】
特定関連性指数算出手段は、見かけ関連性指数から平均関連性指数を減じることにより、特定関連性指数を算出してもよい。
【0068】
特定関連性指数算出手段は、見かけ関連性指数(E)と平均関連性指数(M)とに基づいて、下記式(I)により特定関連性指数(F)を算出してもよい。
式(I):F=log(E/M)
【0069】
1の広告情報について特定関連性指数が正の値を示す属性情報を抽出することにより1の広告情報の特徴属性を生成する特徴属性生成手段と、特徴属性に基づいて1の広告情報が配信されるWebページを選定する選定手段と、を更に有していてもよい。
【0070】
属性情報取得手段は、ユーザーの属性情報を特定の広告情報に関連する属性情報として取得してもよい。
【0071】
属性情報取得手段は、Webページの属性情報を特定の広告情報に関連する属性情報として取得してもよい。
【0072】
属性情報取得手段は、Webページにユーザーが入力した情報に基づく属性情報を特定の広告情報に関連する属性情報として取得してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、適正に特定の広告情報についての関連性を把握することのできる関連性指数補正装置及び関連性指数補正方法として利用できる。
【符号の説明】
【0074】
広告情報:AD,AD1〜ADn
選択回数:C,C11〜C14,C21〜C24,Cn1〜Cn4
第1データベース:DB1
第2データベース:DB2
第3データベース:DB3
第4データベース:DB4
第5データベース:DB5
見かけ関連性指数:E,E11〜E14,E21〜E24,En1〜En4
特定関連性指数:F,F11〜F14,F21〜F24,Fn1〜Fn4
特徴属性:G
広告枠:H
非選択回数:J,J11〜J14,J21〜J24,J31〜J34
平均関連性指数:M,M1〜M3
関連性指数補正プログラム:P
属性情報取得手段:P1
関連性指数生成手段:P2
特定関連性指数算出手段:P3
特徴属性生成手段:P4
選定手段:P5
関連性指数補正プログラム:P20
関連性調査システム:S,S2
インターネット:W
属性情報:Z,Z1〜Z4
端末:2
コンテンツサーバ:4
Webページ:5
関連性指数補正装置(コンピュータ):6,9
CPU(コンピュータの主要部):6a,20a
メモリ:6b,20b
広告主サーバ:8
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