(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856677
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】吸音ハチの巣状体における隔膜の固着
(51)【国際特許分類】
G10K 11/16 20060101AFI20160128BHJP
G10K 11/162 20060101ALI20160128BHJP
B64D 33/00 20060101ALI20160128BHJP
B60R 13/08 20060101ALN20160128BHJP
【FI】
G10K11/16 D
G10K11/16 A
G10K11/16 C
B64D33/00 B
!B60R13/08
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-529757(P2014-529757)
(86)(22)【出願日】2012年8月25日
(65)【公表番号】特表2014-526713(P2014-526713A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】US2012052405
(87)【国際公開番号】WO2013036391
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】13/227,755
(32)【優先日】2011年9月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503308494
【氏名又は名称】ヘクセル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市橋 史崇
【審査官】
菊池 充
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−522291(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/082582(WO,A1)
【文献】
特開平10−006418(JP,A)
【文献】
特表2008−537604(JP,A)
【文献】
特表2008−510098(JP,A)
【文献】
特開平09−250050(JP,A)
【文献】
特開平07−227926(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0219477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/00−13/00
B64D 1/00−47/08
B60R 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズの源に近接して位置できるようになっている吸音構造体において、
ノイズの前記源に最も近接して位置すべき第1の縁、及び第2の縁を備えたハチの巣状体であって、該ハチの巣状体は前記第1及び第2の縁の間に伸長する複数の壁を更に備え、該壁は複数のセルを形成し、該セルのうちの少なくとも1つは前記壁のうちの少なくとも4つによって形成され、前記壁のうちの少なくとも2つは相互に実質的に平行な一対の壁を形成し、前記壁は前記セルの周りの外周を形成し、前記平行壁のうちの少なくとも1つはより大きな壁に平行でないセル壁のうちの少なくとも1つに比して前記セル外周のより大きな部分を形成してなる前記ハチの巣状体と、
前記セル内に位置する隔膜であって、該隔膜は複数の縦繊維及び複数の横繊維を備えた吸音材料を備え、前記縦繊維及び横繊維は相互に実質的に垂直であり、前記縦繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記縦繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記横繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記横繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記隔膜は前記縦又は横繊維の何れかの共鳴器部分が前記より大きな壁に実質的に垂直であるようにして前記セルにて方向付けされてなる前記隔膜と、
前記縦及び横繊維の前記固着部分を前記壁に接着する接着剤と、
を具備した前記吸音構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の吸音構造体において、前記縦繊維は前記横繊維に比してより柔軟である前記吸音構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の吸音構造体において、前記横繊維のうちの少なくとも一部分が前記より大きな壁に実質的に垂直である前記吸音構造体。
【請求項4】
請求項1に記載の吸音構造体において、前記セルのうちの少なくとも1つは少なくとも2対の壁によって形成され、各対の前記壁は相互に実質的に平行である前記吸音構造体。
【請求項5】
請求項1に記載の吸音構造体において、前記セルは6つの壁によって形成されている前記吸音構造体。
【請求項6】
請求項2に記載の吸音構造体において、前記縦繊維は断面直径を有し、前記横繊維は断面直径を有し、前記横繊維の前記直径は前記縦繊維の前記直径に比して大きい前記吸音構造体。
【請求項7】
ノイズの源に近接して位置することができるようになっている吸音構造体にすることができるようになっているプレカーサー構造体において、
ノイズの前記源に最も近接して位置すべき第1の縁、及び第2の縁を備えたハチの巣状体であって、該ハチの巣状体は前記第1及び第2の縁の間に伸長する複数の壁を更に備え、該壁は複数のセルを形成し、該セルのうちの少なくとも1つは前記壁のうちの少なくとも4つによって形成され、前記壁のうちの少なくとも2つは相互に実質的に平行な一対の壁を形成し、前記壁は前記セルの周りの外周を形成し、前記平行壁のうちの少なくとも1つはより大きな壁に平行でないセル壁のうちの少なくとも1つに比して前記セル外周のより大きな部分を形成してなる前記ハチの巣状体と、
前記セル内に位置する隔膜であって、該隔膜は複数の縦繊維及び複数の横繊維を備えた吸音材料を備え、前記縦繊維及び横繊維は相互に実質的に垂直であり、前記縦繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記縦繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記横繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記横繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記隔膜は前記縦又は横繊維の何れかの共鳴器部分が前記より大きな壁に実質的に垂直であるようにして前記セルにて方向付けされてなる前記隔膜と、
を具備し、
前記縦及び/又は横繊維の前記固着部分は前記壁に摩擦取り付けされる前記プレカーサー構造体。
【請求項8】
請求項7に記載のプレカーサー構造体において、前記縦繊維は前記横繊維に比してより柔軟である前記プレカーサー構造体。
【請求項9】
請求項8に記載のプレカーサー構造体において、前記横繊維のうちの少なくとも一部分が前記より大きな壁に実質的に垂直である前記プレカーサー構造体。
【請求項10】
請求項7に記載のプレカーサー構造体において、前記セルのうちの少なくとも1つは少なくとも2対の壁によって形成され、各対の前記壁は相互に実質的に平行である前記プレカーサー構造体。
【請求項11】
請求項7に記載のプレカーサー構造体において、前記セルは6つの壁によって形成されている前記プレカーサー構造体。
【請求項12】
請求項8に記載のプレカーサー構造体において、前記縦繊維は断面直径を有し、前記横繊維は断面直径を有し、前記横繊維の前記直径は前記縦繊維の前記直径に比して大きい前記プレカーサー構造体。
【請求項13】
ノイズの源に近接して位置することができるようになっている吸音構造体を作る方法において、
ノイズの前記源に最も近接して位置すべき第1の縁、及び第2の縁を備えたハチの巣状体を提供する段階であって、該ハチの巣状体は前記第1及び第2の縁の間に伸長する複数の壁を更に備え、該壁は複数のセルを形成し、該セルのうちの少なくとも1つは前記壁のうちの少なくとも4つによって形成され、前記壁のうちの少なくとも2つは相互に実質的に平行な一対の壁を形成し、前記壁は前記セルの周りの外周を形成し、前記平行壁のうちの少なくとも1つはより大きな壁に平行でないセル壁のうちの少なくとも1つに比して前記セル外周のより大きな部分を形成してなる前記段階と、
前記セルに隔膜を挿入する段階であって、該隔膜は複数の縦繊維及び複数の横繊維を備えた吸音材料を備え、前記縦繊維及び横繊維は相互に実質的に垂直であり、前記縦繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記縦繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記横繊維のおのおのは前記セル内に位置する共鳴器部分及び前記横繊維の各端に位置する固着部分を備え、前記隔膜は前記縦又は横繊維の何れかの共鳴器部分が前記より大きな壁に実質的に垂直であるようにして前記セルにて方向付けされてなる前記段階と、
前記縦及び横繊維の前記固着部分を前記壁に接着する段階と、
を具備した前記吸音構造体を作る方法。
【請求項14】
請求項13に記載の吸音構造体を作る方法において、前記縦繊維は前記横繊維に比してより柔軟である前記吸音構造体を作る方法。
【請求項15】
請求項14に記載の吸音構造体を作る方法において、前記横繊維のうちの少なくとも一部分が前記より大きな壁に実質的に垂直である前記吸音構造体を作る方法。
【請求項16】
請求項13に記載の吸音構造体を作る方法において、前記セルのうちの少なくとも1つは少なくとも2対の壁によって形成され、各対の前記壁は相互に実質的に平行である前記吸音構造体を作る方法。
【請求項17】
請求項13に記載の吸音構造体を作る方法において、前記セルは6つの壁によって形成されている前記吸音構造体を作る方法。
【請求項18】
請求項14に記載の吸音構造体を作る方法において、前記縦繊維は断面直径を有し、前記横繊維は断面直径を有し、前記横繊維の前記直径は前記縦繊維の前記直径に比して大きい前記吸音構造体を作る方法。
【請求項19】
請求項1による吸音構造体を具備した飛行機。
【請求項20】
請求項1による吸音構造体を具備した飛行機エンジン用のエンジン室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は一般にノイズを減衰させるのに使用する吸音システムに関する。この発明は飛行機エンジン又は他のノイズ源によって発生されたノイズを低減するのに有益なエンジン室及び他の構造体を作るのにハチの巣状体を使用することを含む。特に、この発明は、ノイズの吸収又は減衰をもたらすべく、隔膜材料を既存のハチの巣状体の各セルに挿入する吸音構造体に向けられている。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
特定の源から発生される過剰なノイズを扱う最良の方法は、源でノイズを処理することであることが広く認識されている。このことは、吸音減衰構造体(吸音処理)をノイズ源の構造体に付加することによって一般に成し遂げられる。一つの特別に問題のあるノイズ源は、大部分の旅客機上に用いられているジェット・エンジンである。吸音処理は一般に、エンジン吸気口、エンジン室、及び排気構造体に取り入れられている。これらの吸音処理は、比較的薄い吸音材料を含む吸音共鳴器、又はエンジンによって発生された音響エネルギーに対して吸音インピーダンスを生成する数百万個のホールを有するグリッドを備えている。技術者に直面する基本的な問題は、所望のノイズ減衰をもたらすのに如何にしてジェット・エンジン及び囲りのエンジン室の構造要素にこれらの薄く柔軟性のある吸音材料を付加するかということである。
【0003】
ハチの巣状体は比較的強靭で、かつ、軽量のために飛行機及び航空宇宙機に使用される一般向けの材料となってきている。吸音用途に対して、その目的は、ハチの巣状体セルが閉じられるか又は覆われるか、するように、薄い吸音材料を何とかしてハチの巣状構造体を組み入れることであった。セルを吸音材料で閉じることによって、共鳴器が基づいている音響インピーダンスが生成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薄い吸音材料をハチの巣状体に組み込むことに対する一つのアプローチは、サンドイッチ設計と称されている。このアプローチにおいて、薄い吸音シートは二片のハチの巣状体の間に置かれると共に、所定の位置に接着されて、単一の構造体を形成する。このアプローチは、的確な寸法に織られ、穿孔され又はエッチングされる精巧な吸音材料設計を誰もが活用できるという利点がある。しかしながら、この設計の欠点は、構造体の強度が二片のハチの巣状体と吸音材料との間の接着によって制限されるということである。また、二片のハチの巣状体の間の接着面はハチの巣状体の各縁に沿った表面領域に制限される。更に、吸音材料におけるホールの中には、接着工程の際に過剰な接着剤で無意識に閉じ込められる場合のものがあるという可能性がある。
【0005】
第2のアプローチは、ハチの巣状体セル内の所定の位置に個々に接着される比較的厚い固体の挿入物を使用する。一度所定の位置で、挿入物はドリルで穿孔されるかさもなければ処理されて、挿入物が吸音材料として機能するのに必要なホールを形成する。このアプローチは二片のハチの巣状体を一緒に接着する必要性を排除する。この結果によって、挿入物が安全に接着される強靭な構造体が得られることになる。しかしながら、このアプローチはまた幾つかの欠点を有している。例えば、数百万個のホールを固体の挿入物に穿孔しなければならないという費用及び複雑さが主たる欠点である。また、比較的厚い固体の挿入物は、ハチの巣状体をジェット・エンジン用のエンジン室等の非平面状の構造体に形成することを無理でかつ困難なものにしている。
【0006】
別のアプローチは比較的軽量な隔膜織物をハチの巣状体に挿入して、固着フランジを有する隔膜キャップを形成し、次いで、固着フランジがハチの巣状体壁に接着されることを含んでいる。隔膜キャップの使用は米国特許第7,433,659、7,510,052、及び7,854,298号明細書に記載されている。この種の工程は、隔膜キャップがセル内に摩擦で固定されて、ハチの巣状体壁への永久的接着に先立って所定の位置に隔膜キャップを保持することを要求する。隔膜キャップの摩擦固定は、この種の隔膜挿入手順の重要な態様である。摩擦固定が適正でなければ、隔膜は処理の際にシフトするかさもなければ移動する場合がある。隔膜のどんなシフトによっても、接着の際に接着剤を均一に隔膜に塗布することが困難となる。隔膜のシフトはまた、音響特性の制御不良の変化を引き起こす。最悪の場合、摩擦固定が適正でなければ、隔膜はハチの巣状体セルから完全に落ちてしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明によれば、ハチの巣状体セル内の隔膜織物の方向付けは、如何にしてうまく隔膜をハチの巣状体の壁に摩擦固定するのかを決定する重要な因子であることが見出された。この発明は、平行な壁のうちの少なくとも1つが他の非平行な壁のうちの1つ以上のものに比してセル外周のより大きな部分を形成する少なくとも2つの平行な壁を備えたハチの巣状体セルに適用可能である。2つの平行な壁の間に伸長する繊維が実質的に壁に垂直となるようにして隔膜材料を正しい向きに置くことによって、ハチの巣状体に隔膜を摩擦固定する効果的方法がもたらされることが見出された。本発明は材料活用及びハチの巣状体に対する隔膜の摩擦固定を改良する。この発明は、接着剤の塗布に先立つか又はその際の処理時にハチの巣状体から隔膜が落ちるかさもなければシフトすることに因る補修費及び不便さを実質的に低減する。
【0008】
本発明はジェット・エンジン又は他の発電所等のノイズ源に近接して位置すべく設計された吸音構造体に向けられている。これらの構造体はノイズ源に最も近接して位置すべき第1の縁と、この源から離隔して位置する第2の縁とを有するハチの巣状体を備える。ハチの巣状体は、このハチの巣状体の第1及び第2の縁の間に伸長する複数の壁を備えている。壁はおのおのが少なくとも4つの壁を備える複数のセルを形成する。各セルを形成する4つの壁のうちの少なくとも2つは相互に実質的に平行である。セル壁は、平行な壁のうちの少なくとも1つがより大きい壁に平行ではない他の壁のうちの少なくとも1つに比してセル外周のより長い部分を形成するセルの周囲の外周を形成する。
【0009】
セルの中に挿入される隔膜は、複数の縦の繊維及び複数の横の繊維から構成される吸音材料である。縦の繊維及び横の繊維は相互に実質的に垂直である。縦の繊維のおのおのは、セル内に位置する共鳴器部分を備えている。各縦の繊維はまた、各端に位置する固着部分を備えている。横の繊維のおのおのはまた、セル内に位置する共鳴器部分及び各端に位置する固着部分を備えている。縦及び横の繊維の固着部分はハチの巣状体の壁に接着されている。この発明の特徴として、縦又は横の繊維の何れかの共鳴器部分がより大きい平行なセル壁に実質的に垂直であるようにして、隔膜がセルにおいて正しい方向に置かれている。
【0010】
本発明はまた、隔膜がハチの巣状体のセル内に摩擦固定されるときに形成されるプレカーサー(precursor)構造体に向けられている。本発明による隔膜繊維の垂直な方向付けによってもたらされる摩擦固定が、ハチの巣状体への隔膜の永久的接着に先立って及びその際にプレカーサー構造体のルーチン処理の全段階の際にハチの巣状体内で隔膜がシフトするのを防止することが見出された。本発明は吸音構造体の作成方法に更に向けられている。
【0011】
本発明はコアへの隔膜の摩擦固定を確保する他に、多数の利点を提供する。例えば、同程度の摩擦固定をより小さいサイズの固着部分を用いて達成することができるため、隔膜材料の量が低減される。また、隔膜を隔膜織物からカットするときに、材料の無駄に捨てられる部分が少ない。更に、固着部分のサイズを低減することができると共に、織物の垂直な方向付けは折り曲げにて余分なメッシュ形成を低減する傾向があることから、隔膜をセルに挿入するときに生じる隔膜材料の折り曲げが小さい。セル内での垂直な繊維の方向付けはまた、セルの隅での隔膜材料のバンチング(集群)を低減する傾向がある。隔膜をハチの巣状体の壁に接着するのに必要な接着剤の量もまた、より小さい固着部分及び低減された織物のバンチングに起因して低減される。隔膜はまたハチの巣状体の縁により近接して置くことができる。何故ならば、適正な摩擦固着を達成するために、固着部分は長くある必要はないからである。このことは、隔膜固着部分のサイズがハチの巣状体の厚さに近くても良い薄いハチの巣状体にとって特に有益である。
【0012】
本発明の前述したこと、及び多くの他の特徴付けられると共に、付随する利点は、添付した図面と合わせられるとき以下の詳細な説明を参照してより良好に理解されることとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本発明による例示的吸音構造体の斜視図である。
【
図2】
図2は吸音織物のリボンから本発明による2つの隔膜をカットするためのパターンを示す簡易図である。
【
図3】
図3は
図2に示す吸音織物の同一のリボンから隔膜をカットするための先行技術のパターンを示す簡易図である。
【
図4】
図4は
図2に示すような吸音織物のリボンからカットした隔膜のハチの巣状体セルにおける方向付けを示す簡易図である。
【
図5】
図5はハチの巣状体セル内の横の繊維の方向付けを示すと共に、繊維の固着部分及び共鳴器部分を描く
図4の簡易化した断面図である。
【
図6】
図6は本発明による隔膜の代替実施例のハチの巣状体における方向付けを示す簡易図である。
【
図7】
図7は本発明による隔膜の別の代替実施例のハチの巣状体における方向付けを示す簡易図である。
【
図8】
図8は
図9に示す型式の吸音構造体を形成すべく一緒に組み合わされた中空でない膜、吸音構造体、及び孔あき膜の部分を示す展開斜視図である。
【
図9】
図9はノイズ源(ジェット・エンジン)の近傍に位置する例示的吸音構造体(エンジン室)の部分断面図である。吸音構造体は中空でない膜及び孔あき膜の間に挟まれた吸音ハチの巣状体を備えている。
【
図10】
図10は隔膜が同一のハチの巣状体内で異なる高さに位置している本発明の実施例のハチの巣状体における方向付けを示す簡易図である。
【
図11】
図11は2つの隔膜が単一のハチの巣状体内で異なる高さに位置している本発明の実施例のハチの巣状体における方向付けを示す簡易図である。
【
図12】
図12は隔膜がセル内で摩擦固定されたプレカーサー構造体を形成すべくハチの巣状体のセル中に隔膜を挿入することを明示する簡易図である。
【
図13】
図13は隔膜繊維の固着部分に接着剤を塗布する例示的な方法を明示する簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明による例示的吸音構造体が
図1及び8に10で一般的に示されている。吸音構造体10はノイズ源に最も近接して位置すべき第1の縁14と、第2の縁16とを有するハチの巣状体10を備えている。ハチの巣状体10は2つの縁14及び16の間に伸長して複数のセル20を形成する壁18を備えている。セル20のおのおのは2つの縁14及び16の間の距離に等しい深さ(コア厚さとも称する)を有する。各セル20はまた、セル壁18に垂直に測られた断面積を有する。ハチの巣状体は、金属、セラミックス、及び複合材料を含むハチの巣状体パネルを作成する際に使用する任意の従来の材料から作ることができる。
【0015】
隔膜24はセル20内に位置している。必ずしもそうではないが、隔膜24は、全部ではないが、殆どのセル20に位置していることが好ましい。或る状況では、隔膜24をセルのうちの幾つかにのみ挿入して、所望の吸音効果を生むことが望ましい場合がある。代替的に、2つ以上の隔膜を単一のセルに挿入することが望ましい場合がある。ハチの巣状体内の異なる場所に位置する異なるセル20内の異なる深さに隔膜24を位置させることが望ましい場合もある。
【0016】
図4において、本発明による例示的隔膜24が例示的ハチの巣状体セル26内に位置して示されている。隔膜24は織り繊維から構成される吸音材料のシートをカットするかさもなければこのシートから形成されている。織布材料は相互に実質的に垂直な縦繊維28及び横繊維29を備えている。
【0017】
セル26の外周はセル壁30、32、34、36、38、及び40によって規定又は形成される。セル壁30及び36は相互に平行で、かつ、第1の対の平行セル壁を形成する。セル壁34及び40もまた相互に平行で、かつ、第2の対の平行セル壁を形成する。セル壁32及び38もまた相互に平行で、かつ、第3の対の平行セル壁を形成する。セル26は正六角形の形状ではないため、第1及び第2の対の平行壁は第3の平行壁に比して幅が広い。第1及び第2の対の平行壁における壁のおのおのは、第3の対の平行壁における壁のおのおのに比してセル外周の長い部分を構成する。
【0018】
本発明によれば、隔膜24は、縦繊維28が幅のより広い平行な壁30及び36の対と垂直であるように正しい方向に置かれている。この方向付けはまた、横繊維29を他方の対のより幅の広い平行壁34及び40に垂直に置くことになる。隔膜繊維をより幅の広い平行壁に対して垂直に方向付けすることによって、隔膜24をセル26内に摩擦固定する特に効果的な方法が提供される。
【0019】
横及び縦繊維のおのおのは中央の共鳴器部分と、繊維をセル壁に取り付けるために繊維の各端に位置する固着部分とを備えている。
図5において、隔膜24の簡易化した断面図が描かれて、横繊維29の共鳴器部分42及び固着部分44を示している。固着部分44は接着剤の塗布に先立って所定の位置に隔膜24を摩擦固定して、固着部分44をハチの巣状体の壁に永久的に接着するように機能する。この詳細な説明のために、繊維の共鳴器部分がセル壁に実質的に垂直であるときに繊維はセル壁に実質的に垂直に正しい方向に置かれている。実質的に垂直であるとは、繊維の共鳴器部分とセル壁との隔膜の平面でのなす角が、80及び100度の間、より好ましくは85及び95度の間にあることを意味する。
【0020】
標準の織り繊維吸音材料のどれも隔膜を形成するのに使用しても良い。これらの吸音材料は、ノイズ減衰をもたらすべく特に設計された目の粗いメッシュ生地の比較的薄いシートとして一般に提供される。吸音材料は単一フィラメント繊維から織られた目の粗いメッシュ生地であることが好ましい。繊維はガラス、炭素、セラミック又は高分子から構成されても良い。ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフルオロエチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド6(ナイロン6, PA6)、及びポリアミド12(ナイロン12, PA6)から作られた単一フィラメント高分子繊維は極僅かの例である。PEEKから作られた目の粗いメッシュ生地は高温用途には好ましい。本発明による隔膜キャップを形成すべく使用する場合がある目の粗いメッシュ吸音織物及び他の吸音材料は多種多様な商業的供給源から入手される。例えば、目の粗いメッシュ吸音織物のシートは、シーファー・ペテックス(SEFAR PETEX)、シーファー・ニテックス(SEFAR NITEX)、及びシーファー・ピークテックス(SEFAR PEEKTEX)という商品名でシーファーアメリカ株式会社(SEFAR America Inc.)(14043ニューヨーク州バッファロー市ヘッドクォーターズ111カルメット通りデピュー所在(Buffalo Division Headquarters 111 Calumet Street Depew, NY14043)から得ても良い。
【0021】
吸音織物は異なる織り繊維の組合せから作ることができるが、吸音織物の繊維は同一の材料から作られることが好ましい。多くの吸音織物において、縦方向の繊維(縦繊維)は一般に横方向繊維(横繊維)に比して小さい直径の繊維から一般に作られる。従って、横繊維は縦繊維に比して強靭で、かつ、柔軟性に劣る傾向がある。柔軟性に劣る繊維は隔膜をセル壁に摩擦固定するのにより効果的であることが見出された。可能であれば、柔軟性に劣る横繊維の共鳴器部分がセル外周の最大部分を形成するハチの巣状体の壁に垂直であるように隔膜を正しい方向に置くことが好ましい。横繊維の柔軟性はまた、より硬い繊維をもたらすべく横繊維の(直径よりもむしろ)化学的性質を変えることによって縦繊維と比較して増大させても良い。
【0022】
一方向の繊維が交差方向の繊維に比して柔軟性が劣るか又は強靭な繊維の織物において、より強靭な繊維は主要繊維と一般に称せられている。本発明は、主要繊維がない型式の吸音織物を含む全ての型式の吸音織物から作られる隔膜と関連して使用しても良い。しかしながら、織った隔膜材料は主要繊維を含むと共に、主要繊維は横繊維であることが好ましい。
【0023】
吸音織物は、多数のリボンにカットされた材料のシートとして一般に提供される。次いで、隔膜はリボンからカットされる。
図2は吸音材料72の典型的なリボンの部分の簡易化した表現を提供している。リボン72は横繊維74及び縦繊維76を備えている。横繊維74は主要繊維である。
図4に示す型式の各セルに挿入するための隔膜は78及び79で輪郭が描かれたようにリボンからカットされる。
図4におけるように正しい方向に置くことができる隔膜をもたらすようにリボンをカットすることによって、リボン材料の小部分しか無駄にされない。このことは、隔膜がハチの巣状体のセルに挿入されるときに前述した方向付け要求を満たすように吸音織物リボンから隔膜をカットする必要があるということによって思いがけず生じるこの発明の貴重な特徴である。
【0024】
吸音材料のリボンから隔膜をカットする典型的な先行技術が
図3に示されている。先行技術の方法に従ってカットするときのリボンを識別すべく“PA”が付加された点を除き、識別番号は
図2の識別番号に対応する。了知できるように、吸音材料のかなりの量は、本発明と比較されるときに隔膜を形成するための先行技術の方法を用いて無駄にされる。
【0025】
図6において、本発明による追加の例示的隔膜50が例示的ハチの巣状体のセル52内に位置して示されている。隔膜50は、横繊維54が縦繊維56に比して柔軟性に劣っている(強靭である)織物から構成される吸音材料のシートをカットするかさもなければこのシートから形成される。ハチの巣状体のセル58は、おのおのが他の2つの壁64及び68に比してはるかに幅の広い一対の平行壁60及び62を備えている。この発明の好ましい特徴として、主要な横繊維54はより幅の広い平行壁60及び62に垂直に方向付けされている。
【0026】
図7において、本発明による更なる追加の例示的隔膜51が例示的ハチの巣状体のセル53内に位置して示されている。隔膜51は、横繊維55が縦繊維57に比して柔軟性に劣っている(強靭である)織物から構成される吸音材料のシートをカットするかさもなければこのシートから形成される。ハチの巣状体のセル53は第1の対の平行な壁61及び63を備えている。セル壁65及び67はまた相互に平行であると共に、第2の対の平行なセル壁を形成している。第1及び第2の対の平行な壁は第3の対の平行な壁に比して幅が広い。第1及び第2の対の平行壁における壁のおのおのは、第3の対の平行な壁における壁のおのおのに比してセル外周のより大きな部分を構成する。
【0027】
前述したように、横繊維55がより幅の広い平行壁65及び67の対に垂直であるように隔膜51が正しい方向に置かれている。より硬い横繊維55がより幅の広い平行壁に垂直であるように隔壁を挿入することによって、セル53内に隔膜51を摩擦固定する特に効果的な方法がもたらされる。
【0028】
本発明は多種多様なセル形状に適用可能である。好ましいセル断面形状は、多角形の外周を形成すると共に、壁の幅が外周に関して全て等しくはない4つの以上の壁を有する多角形である。
図4、6、及び7に示すものと類似の断面形状を有する六角形及び矩形のセルが好ましい。
【0029】
隔膜24をハチの巣状体のセルに挿入して、多種多様な吸音設計を提供するようにしても良い。例えば、隔膜は
図10の24A及び24Bに示すようにハチの巣状体12A内で異なるレベルに位置して良い。この種の設計によって吸音構造体のノイズ減衰特性の微調整が許容される。
図10に示す2つのレベルの設計は、本発明に従って可能である多種多様な可能な多レベルの隔膜配置の例としてのみ意図されている。当業者によって十分理解されるように、異なる可能な隔膜配置レベルの数は極端に大きく、特定のノイズ減衰要求を満たすべく調整することができる。
【0030】
隔膜24用の挿入構成の別の例が
図11に示されている。この構成において、2つのセットの隔膜24C及び24Dをハチの巣状体12Bに挿入して、2つの隔膜を有する各セルをもたらす。明らかなように、3つ以上の隔膜キャップが所定のセル中に挿入される多数の可能な追加の構成が可能である。また、
図10に例示した多レベルの挿入設計を、
図11に例示したセル設計当たり多数の挿入と組み合わせて、ノイズの所定の源に対して最適のノイズ減衰をもたらすべく吸音構造体を微調整するのに使用することができる無制限の多数の可能な隔膜挿入構成を提供しても良い。
【0031】
隔膜をハチの巣状体に挿入して、ハチの巣状体のセル内に隔膜を摩擦固定するプレカーサー構造体を形成する好ましい方法が
図12に示されている。
図12でのハチの巣状体の構造を識別するのに使用される参照番号は、構造が、隔膜が未だ永久的にセル壁に接着されていないプレカーサー構造であることを示す“P”を含んでいる点を除いて、
図1におけると同一である。
【0032】
図12に示すように、78及び79で
図2に示す型式の事前にカットされた隔膜をもたらすべく、隔膜織物87が織物材料85のリボンからカットされる。ダイ89を介して隔膜織物87に対し隔膜キャップ24を形成させるのに適正にサイズ化したプランジャー83を使用し、次いで、隔膜キャップ24はプランジャー83を使用してセル中に挿入される。事前にカットした吸音織物の個々の片から隔膜キャップを形成すべく、キャップ折り畳みダイ89を使用することは好ましいが、必要とはされないことに留意すべきである。ハチの巣状体をダイとして使用することができると共に、事前にカットした織物87をプランジャー83を使用して単に無理にセルに嵌め込むことによって、隔膜キャップを形成することができる。しかしながら、パネルは製造工程の際により大きなブロックのハチの巣状体から一般にカットされるために多くのハチの巣状体の縁は相対的にギザギザ化される傾向がある。従って、織物の平らなシートを強制的に直接セル中に挿入するとき、ハチの巣状体の縁は吸音織物を捕え、引き裂き、かつ、汚す傾向がある。従って、必要に応じて、ハチの巣状体の縁を、如何なる粗い又はギザギザにした縁をも除去すべく処理する場合に限り、キャップ折り畳みダイを取り除いても良い。
【0033】
隔膜キャップを吸音材料に損傷を与えること無くセルに挿入することができると同時に、プレカーサー構造の続く処理の際に隔膜を所定の位置に保持するのに十分な摩擦接触を隔膜繊維の固着部分とセル壁との間にもたらすようにして、隔膜のサイズ/形状、及びプランジャー及びダイのサイズ/形状を選択することが重要である。種々のセル形状用の横及び縦繊維の方向付けに関して前述した指針に従うとすれば、特定の吸音織物から作った隔膜に対して必要な摩擦固定を確立するのに日常の実験を使用しても良い。プレカーサー構造を処理の際に不注意に落としたとしても、摩擦固定又は保持の量は隔膜キャップをシフトさもなければ移動から防止するのに十分であるべきである。
【0034】
プレカーサー構造が、隔膜キャップ24Pが摩擦固定によってのみ所定の位置に保持されている
図12に10pで示されている。前述したように、摩擦固定は、隔膜キャップが適正な接着剤を使用して永久に接着することができるまで隔膜キャップを所定の位置に安全に保持するのに十分である必要がある。使用する接着剤はハチの巣状パネル製造に使用される従来の接着剤のどんなものでも使用することができる。好ましい接着剤には、高温(148.9〜204.4℃(300〜400゜F))で安全な接着剤がある。例示的接着剤には、エポキシ、アクリル、フェノール、シアノアクリレート、ビー・エム・アイ、ポリアミド−イミド、及びポリイミドがある。
【0035】
接着剤は種々の既知の塗布工程を用いて繊維固着部分/セル壁界面に塗布して良い。考慮すべき重要なことは、接着剤を制御された方法で塗布すべきであるということである。接着剤は最低でもセル壁との繊維の界面で繊維の固着部分に塗布すべきである。場合によっては、繊維の共鳴器部分の一部を接着剤で覆うことによって吸音構造体を微調整することが望ましい。繊維の共鳴器部分に接着剤を塗布することによって、メッシュ又は他の吸音材料の開口のサイズを縮めるか又は少なくとも低減することになる。隔膜の共鳴器部分に接着剤を制御不良に塗布することは一般に望ましくなく、避けるべきである。従って、セル壁との界面で繊維の固着部分に対する接着剤の選択的、かつ制御した塗布をもたらすことができる接着剤塗布手順を使用しても良い。
【0036】
例示的接着剤の塗布手順が
図13に示されている。この例示的手順において、隔膜繊維の固着部分のみが接着剤に浸されるようにハチの巣状体12Pは接着剤のプール91に単に浸漬される。隔膜が浸漬に先立って同一レベルで正確に摩擦固定されるとすれば、接着剤をこの浸漬手順を使用して繊維固着部分/セル壁界面に正確に塗布することができる。異なるレベルに位置する隔膜に対して、多数の浸漬段階が必要とされる。代替的に、接着剤はブラシ又はサイト固有の塗布技術を用いて塗布することができよう。これらの技術の中には、隔膜が挿入される前にコア壁を接着剤で被覆するのに使用しても良いものがある。代替的に、コアへの挿入前に接着剤を隔膜材料上にスクリーン印刷し、実施しても良い。
【0037】
繊維の固着部分は毛細管現象によって接着剤を上方に逃がす傾向があるため、
図13に描かれている接着剤を塗布する浸漬手順は好ましい。この上方への逃げは、繊維の固着部分がセル壁と接触するフィレット形成を提供する。繊維の固着部分及びセル壁の間の界面での接着剤フィレットの形成はセル壁に対する良好な接着を提供するだけでなく、接着剤及び共鳴器部分の間にうまく形成された境界をもたらして、隔膜の吸音特性が接着剤によって無意識には影響されないことを保証する。接着剤フィレットはまた、材料の皺に起因して隔膜材料及びセル壁の間に生じ得る空隙を覆って除去する傾向がある。
【0038】
本発明による吸音構造体はノイズ減衰が必要とされる種々の状況に使用しても良い。構造体はノイズ減衰が通常、争点となる発電所システムと関連しての使用にうまく適している。ハチの巣状体は比較的軽い材料である。従って、本発明の吸音構造体は特に飛行機システムでの使用にうまく適している。例示的使用には、ジェット・エンジン用のエンジン室、大型タービン又は往復機関のエンジン・カバー、及び関係する吸音構造体がある。
【0039】
本発明の基本的吸音構造体は一般に、エンジンのエンジン室の最終形状に熱成形し、次いで、外側材料の膜状体又はシートを、(複数の)接着剤層を用いて形成済み吸音構造の外側縁に接着する。この完成したサンドイッチ状体を、接着の際にエンジン室の複雑な形状を維持する固定用工具の中で硬化する。例えば、
図8に示すように、吸音構造体10は一方の側が固体シート又は膜状体80に接着され、孔あき膜状体又はシート82は他方の側に接着されて、吸音パネルを形成する。固体膜状体80及び孔あき膜状体82の接着は一般に、高温及び高圧で接着用工具上で成し遂げられる。接着用工具は一般に、パネル形成工程の際に吸音構造の所望の形状を維持するために必要とされる。
図9において、完成した吸音パネルの部分は、90で図示されたジェット・エンジンを囲むエンジン室の一部分として適切な位置に示されている。
【0040】
本発明のこうして説明された例示的実施例を有すると、開示内のことは例示的なものに過ぎず、かつ、種々の他の代替案、適応、及び変更を本発明の範囲内で行い得ることは当業者にとって留意すべきである。従って、本発明は前述の好ましい実施例及び例に限定されることは無く、以下の請求の範囲によって限定されるに過ぎない。