特許第5856687号(P5856687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5856687単一コイル式埋込可能医療デバイスのための通信及び充電回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856687
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】単一コイル式埋込可能医療デバイスのための通信及び充電回路
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/378 20060101AFI20160128BHJP
【FI】
   A61N1/378
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-538805(P2014-538805)
(86)(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公表番号】特表2014-534858(P2014-534858A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2012057585
(87)【国際公開番号】WO2013062712
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2014年4月24日
(31)【優先権主張番号】61/550,588
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/608,490
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507213592
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック ニューロモデュレイション コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ドロノフ ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】パラモン ホルディ
(72)【発明者】
【氏名】オザワ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ラフマーン ムハンマド ミザヌール
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン エマニュエル
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−348774(JP,A)
【文献】 特表2009−518144(JP,A)
【文献】 特開2006−006948(JP,A)
【文献】 特開平10−258129(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0217785(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0002441(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/097289(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込可能医療デバイスのための通信及び充電回路であって、
AC電圧を生成するためのコイルと共振コンデンサとを含む共振回路と、
前記AC電圧からDC電圧を生成するために前記共振回路に結合された整流器と、
前記DC電圧を受け入れるためのストレージコンデンサと、
前記ストレージコンデンサと直列に接続された第1のスイッチと、
前記共振回路が無線でエネルギを受信している期間中に前記第1のスイッチを閉じるように構成され、かつ該共振回路がデータテレメトリを実行している期間中に該第1のスイッチを開くように構成された制御回路と、
を含むことを特徴とする回路。
【請求項2】
前記コイル及び前記共振コンデンサは、並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
バッテリを更に含み、
前記DC電圧は、前記バッテリを充電するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記DC電圧と前記バッテリの間で直列に配置されているバッテリ充電回路を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記共振回路に結合され、該共振回路を共振させて無線でデータを送信させる送信機を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記共振回路に結合され、該共振回路が無線でデータを受信している時に該共振回路における共振を受信する受信機を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記バッテリの電圧と前記共振回路の第1の端部との間に結合された第2のスイッチと、接地と該共振回路の第2の端部との間に結合された第3のスイッチと、を更に含み、
送信機が、前記第2のスイッチ又は前記第3のスイッチのいずれかを制御するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記制御回路は、前記共振回路が無線でエネルギを受信している期間中に前記第2及び第3のスイッチを開くように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の回路。
【請求項9】
データテレメトリが、データ送信モード及びデータ受信モードを含み、
前記データ送信モード中に、前記制御回路は、前記送信機に結合された前記第2又は第3のスイッチをデータを用いて変調し、かつ該第2又は第3のスイッチの他方を閉じるように構成され、
前記データ受信モード中に、前記制御回路は、前記第2又は第3のスイッチのいずれかを閉じるように構成される、
ことを特徴とする請求項7に記載の回路。
【請求項10】
前記共振回路の共振周波数をチューニングするための回路が、該共振回路に接続されていないことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、引用により組み込まれる2012年9月10日出願の米国特許出願番号第13/608,490号及び2011年10月24日出願の米国特許仮出願番号第61/550,588号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、米国特許公開第2010/0069992号明細書(‘992公開特許)に関する。
【0003】
本出願は、単一コイル式埋込可能医療デバイスのための通信及び充電回路に関する。
【背景技術】
【0004】
埋込可能刺激デバイスは、心不整脈を治療するペースメーカー、心細動を治療する除細動器、難聴を処置する蝸牛刺激器、盲目を処置する網膜刺激器、協働四肢運動を引き起こす筋肉刺激器、慢性疼痛を処置する脊髄刺激器、運動障害及び精神障害を治療する脳皮質及び脳深部刺激器、片頭痛を治療する後頭神経刺激器、及び尿失禁、睡眠時無呼吸、肩亜脱臼などを治療する他の神経刺激器のような様々な生物学的疾患を治療するために電気刺激を発生させてこれらを神経及び組織へ送出する。本発明は、全てのこのような用途にかつ他の埋込可能医療デバイスシステムに適用性を見出すことができるが、以下の説明は、一般的に、米国特許公開第2010/0268309号明細書に開示されたタイプのBion(登録商標)超小型刺激器デバイスシステムに本発明を使用することに着目することになる。本発明はまた、例えば、米国特許第7,444,181号明細書に開示されているような「脊髄刺激器(SCS)」に使用することができる。
【0005】
超小型刺激器デバイスは、一般的に、望ましい刺激電流を生成するための電極を担持する小さなほぼ円筒形のハウジングを含む。このタイプのデバイスをターゲット組織の近くに埋め込み、刺激電流がターゲット組織を刺激して広範な病気及び疾患の治療を提供するようにする。超小型刺激器は、一般的に、患者の組織と接触するように考えられている刺激電極を含み又は担持するが、同じく1つ又は複数のリードを通じてデバイスの本体に結合された電極を有することもできる。超小型刺激器は、2つ又はそれよりも多くの電極を有することができる。超小型刺激器は、簡潔性から利益を得る。これらの小さなサイズのために、患者の治療に必要な部位に超小型刺激器を直接に埋め込むことができる。
【0006】
図1は、例示的な埋込可能超小型刺激器100を示している。図示のように、超小型刺激器100は、電源145(例えばバッテリ)、プログラマブルメモリ146、電気回路144、及びコイル147を含む。これらの構成要素は、カプセル202に収容され、カプセル202は、一般的に薄くて細長い円筒体であるが、望ましいターゲット組織の構造、埋め込み方法、電源145のサイズ及び位置、及び/又は外部電極142の数及び配置によって決定されるあらゆる他の形状とすることができる。一部の実施形態において、カプセル202の容積は、実質的に3立方センチメートルに等しいか又はそれ未満である。
【0007】
バッテリ145は、電気回路144及びコイル147のような超小型刺激器100内の様々な構成要素に電力を供給する。バッテリ145はまた、電極142から供給又は流された治療刺激電流のための電力を供給する。電源145は、1次バッテリ、再充電可能バッテリ、コンデンサ、又はあらゆる他の適切な電源とすることができる。再充電可能バッテリ145を充電するためのシステム及び方法を以下で更に説明する。
【0008】
コイル147は、埋め込まれた超小型刺激器100をサポートする1つ又はそれよりも多くの外部デバイスと通信し、又はこれらから電力を受信するために使用される磁場を受信し、及び/又放出するように構成され、その例は、以下に説明する。このような通信及び/又は電力伝達は、公知のように経皮的とすることができる。
【0009】
特定の病状に対して及び/又は特定の患者に対して安全で有効な電気刺激パラメータを含む1つ又はそれよりも多くのセットのデータを格納するために、プログラマブルメモリ146を少なくとも部分的に使用する。電気刺激パラメータは、刺激電流の周波数、パルス幅、振幅、バーストパターン(例えば、バーストオンタイム及びバーストオフタイム)、負荷サイクル又はバースト繰返し間隔、ランプオンタイム、及びランプオフタイムなどを含むターゲット組織に印加される刺激電流の様々なパラメータを制御する。
【0010】
例示的な超小型刺激器100は、カプセル202の外部に電極142−1及び142−2を含む。電極142は、図示のようにカプセル202の両端に配置され、又はカプセルの長さに沿って配置することができる。カプセルの長さに沿ってアレイに配置された2つよりも多い電極も存在することができる。電極142の一方は、刺激電極として指定することができ、他方は、単極刺激を生成する刺激回路を完成するために使用する不関電極(基準ノード)として作用する。代替的に、一方の電極は、カソードとして作用することができるが、他方はアノードとして作用し、双極刺激を生成する。電極142は、代替的に、短い可撓性リードの端部に位置することができる。このようなリードの使用により、取りわけ、デバイス100の全体の外科的固定から少し離れたターゲット組織に電気刺激を向けることを可能にする。
【0011】
電気回路144は、電極142を通じてターゲット神経に送出される電気刺激パルスを生成する。電気回路144は、メモリ146からの刺激パラメータを解読し、対応する刺激パルスを生成するように構成された1つ又はそれよりも多くのマイクロプロセッサプ又はマイクロコントローラを含むことができる。電気回路144はまた、一般的に、電流源回路、コイル147に結合された送信及び受信回路、電極出力コンデンサなどのような他の回路を含むことになる。
【0012】
超小型刺激器100の外面は、好ましくは、生体適合性材料から構成される。例えば、カプセル202は、ガラス、セラミック、金属、又は水を除くがデータ及び/又は電力を伝達するのに使用する磁場の通過を許容する気密パッケージを提供するあらゆる他の材料で作ることができる。電極142は、プラチナ、イリジウム、タンタル、チタン、窒化物、ニオビウム、又はこれらのいずれかの合金のような貴金属又は耐熱金属又は化合物で作られ、周囲組織及びデバイスに損傷を与える可能性がある腐食又は電気分解を回避することができる。
【0013】
超小型刺激器100はまた、1つ又はそれよりも多くの輸液出口201を含むことができ、輸液出口201は、ターゲット組織の中への1つ又はそれよりも多くの薬物の注入を容易にする。代替的に、カテーテルを輸液出口201に結合して、超小型刺激器100の本体からある距離でターゲット組織に薬物治療を送出することができる。輸液出口201を使用して薬物刺激を行うように超小型刺激器100を構成する場合に、超小型刺激器100はまた、1つ又はそれよりも多くの薬物を保存して分配するように構成されたポンプ149を含むことができる。
【0014】
図2に移ると、超小型刺激器100は、患者150に埋め込まれて示されており、更に示されているのは、埋め込まれた超小型刺激器100を支持するために使用することができる様々な外部構成要素である。外部コントローラ155を使用して、通信リンク156を通じて超小型刺激器100をプログラムして試験することができる。このようなリンク156は、一般的に、超小型刺激器100がそのステータス又は様々な他のパラメータを外部コントローラ155に報告することができるような双方向リンクである。リンク156に対する通信は、磁気誘導結合を通じて行われる。すなわち、外部コントローラ155から超小型刺激器100にデータを送るべき時に、外部コントローラ155のコイル158を励起して、リンク156を含む磁場を生成し、その磁場は、超小型刺激器のコイル147において検出される。同様に、超小型刺激器100から外部コントローラ155にデータを送るべき時に、コイル147を励起して、リンク156を含む磁場を生成し、その磁場は、外部コントローラのコイル158において検出される。一般的に、磁場は、例えば、周波数シフトキーイング(FSK)変調などによって変調されてデータを符号化する。例えば、FSK(周波数シフトキーイング)によるデータテレメトリは、論理「1」の送信を表す129kHz信号及び論理「0」を表す121kHzによってf1=125kHzの中心周波数付近で行うことができる。(その中心によって定められた単一周波数として、この周波数f1を説明することになるが、これは、単に便宜上であり、実際には、この周波数は、必要に応じてFSK(周波数シフトキーイング)通信に対する帯域幅を有し、かつそう解釈しなければならない。)
【0015】
外部充電器151は、バッテリ145(図1)を再充電するために使用する電力を供給する。このような電力伝達は、外部充電器151のコイル157を励起することによって行われ、コイル157は、リンク152を含む磁場を生成し、リンク152は、リンク156に対するデータ通信と異なる周波数(f2=80kHz)で行われる。この磁場152は、患者150の組織を通してコイル147を励起し、磁場152は整流され、フィルタにかけられ、かつ使用されてバッテリ145を再充電する。リンク156のようなリンク152は、超小型刺激器100がステータス情報を外部充電器151に報告して戻すことができるように双方向とすることができる。例えば、電源145が完全に充電されたことを超小型刺激器100の回路144が検出すると、コイル147は、充電を停止することができるようにその事実を外部充電器151に合図して戻すことができる。充電は、毎晩のような患者150に対して便利な間隔で行うことができる。
【0016】
図3Aは、コイル147に結合された超小型刺激器100内の通信及び充電回路101を示している。このような回路は、‘992公開特許で詳細に説明されており、‘992公開特許によって読者には公知であると考えられるのでここではごく簡単に説明する。
【0017】
‘992公開特許に説明されているように、図3Aの回路は、その回路が外部充電器151から磁気充電場152を受信し、外部コントローラ155との間のデータテレメトリ156を送信及び受信するための信号コイルL1(147)を使用するので有用である。(外部充電器151及び外部コントローラ155を簡潔性のために1つの一体化ユニットとして図3Aには示している。)
【0018】
コイル147は、トランジスタスイッチM1を通じて一端で超小型刺激器100のバッテリ145が提供する電圧Vbatに接続される。トランジスタスイッチM2により他端でコイル147が接地される。タンクコンデンサC1をコイル147と並列に接続し、外部コントローラ155との間のデータテレメトリを送信又は受信するための特定の周波数(例えば、約f1=125kHz)にコイルにチューニングする。チューニングコンデンサC2及びトランジスタスイッチM3の直列組合せを同様にコイル147に並列に接続する。外部充電器151からリンク152に沿って磁気充電場の受信中にトランジスタM3をオンにして、磁気充電場の周波数(例えば、約f2=80kHz)にコイルをチューニングする。コイル147と並列に接続されるのは、DC電圧Voutを生成するためにダイオードD1〜D4で形成されたフルブリッジ整流器である。ハーフブリッジ整流器又は単一ダイオード整流器も使用することができる。トランジスタスイッチM4を同様に整流器回路と接地の間に接続する。
【0019】
DC電圧VoutをストレージコンデンサC3で受信し、ストレージコンデンサC3は、バッテリ充電回路92に移動する前に電圧をフィルタにかけて平準化する。バッテリ充電回路92を使用して、制御様式でバッテリ145を充電する。必要に応じて、ツェナーダイオードD5又は他の適切な電圧クランプ回路をストレージコンデンサC3にわたって接続し、Voutが何らかの所定値を超えるのを阻止することができる。
【0020】
図3Bは、エネルギ受信モード、データ受信モード、及びデータ送信モードに対するトランジスタスイッチM1〜M4のステータスを示している。図示のように、エネルギ受信モードで作動するために、回路は、スイッチM1、M2及びM4をオフにし、スイッチM3をオンにすることになる。M3をオンにすることは、タンクコンデンサC1と並列にコンデンサC2を調節することを含み、これは、コイル147を形成するインダクタンスと共に、磁気充電場の周波数(f2=80kHz)に調節された共振回路を形成する。図3Aの回路はまた、負荷シフトキーイング(LSK)として公知のバックテレメトリを使用することにより充電中にデータ送信モードで作動させることができ、その場合には、トランジスタM4は、外部充電器151に送信して戻すデータを用いて変調される。
【0021】
データ受信モードで作動するために図3Aの回路に対して、回路は、スイッチM1、M3、及びM4をオフにしてスイッチM2をオンにすることになる。M3をオフにすることで、共振回路からのコンデンサ調節C2が除かれ、その調節は、従って、コイル147及びタンクコンデンサC1によって支配される。除かれたコンデンサC2を調節することにより、外部コントローラ155の作動に適合するより高い周波数(f1=125kHz)に共振回路を調節する。M2をオンに調節することで共振回路を接地し、共振回路は、受信データ(DATA RCV)を復調する受信機に入力を提供する。受信機は、図3Aの実線に示すような異なる入力を含むことができ、又は図3Aの点線に示すように入力のうちの1つを接地するシングルエンドの非差動入力を含むことができるかのいずれかである。
【0022】
図3Bに更に示すように、図3Aの回路はまた、スイッチM3及びM4をオフにすることにより、データ信号(DATA XMIT)を用いてスイッチM2を変調することにより、かつスイッチM1をオンにすることにより、データ送信モードで作動させることができる。これらの条件下で、この場合も同じくオフになっているトランジスタM3により、共振回路をより高い周波数(f1=125kHz)に調節し、相応にリンク156に沿って信号を外部コントローラ155に一斉送信することになり、トランジスタM1を通じて放射エネルギをバッテリ電圧Vbatから供給する。送信すべきデータ(DATA XMIT)を受信する送信機をトランジスタM2に結合するように示しているが、トランジスタM1に結合することもできると考えられる。
【0023】
すなわち、スイッチM1〜M4の状態を選択的に制御することにより、図3Aの回路は、単一コイル147のみを使用して異なるモードで作動させることができることが理解される。このようなモードは、例えば、手元の特定の用途に応じて第1のモードに第2のモードが続くことによって時分割方式に関連付けられる場合がある。制御信号M1〜M4、並びにDATA XMITは、最終的に、超小型刺激器100のマイクロコントローラ(又はより一般的に制御回路160)によって出され、DATA RCVをそのマイクロコントローラが受信する。
【0024】
図3Aの単一コイルの多機能回路の多様性が望ましいが、本発明者は欠点を認識している。1つの欠点は、回路がデータを送信する期間中に、ストレージコンデンサC3が共振タンク回路(コイルL1 147及びタンクコンデンサC1)をロードすることである。上述したように、データ送信中に、スイッチM1を閉じるが、スイッチM2はデータ信号を用いて変調され、データ信号はタンク回路を共振させ、従って、約f1=125kHzの中心周波数を有するAC電圧Vtankを形成する。タンク回路のこの交流電圧はまた、フルブリッジ整流器(D1〜D4)にわたって現れる。スイッチM1を閉鎖し、従って、ノードをスイッチM1に接続されたタンク回路の上部ノードは、ほぼVbatに固定されたままになる。その結果、ダイオードD3を通じてこのノードからストレージコンデンサC3まで何らかの電荷漏れが存在することになる。スイッチM2が変調され、従って、ノードをスイッチM2に接続するタンク回路の底部ノードにおける電圧は、接地とVbatの間で変化することになる。従って、底部ノードにおける瞬時電圧及びVoutに依存して、ダイオードD4はまた、順方向にバイアスされてストレージコンデンサC3の中に電荷を漏出する場合がある。D1及びD2は、これらが逆方向にバイアスされたままであるので導電しないことに注意しなければならない。従って、共振タンク回路に発生する電荷の一部は、ストレージコンデンサC3の中に漏出され、ストレージコンデンサC3は、共振タンク回路をロードする。(バッテリ充電回路92及びバッテリ145のような整流器のDC側の他の構成要素は、テレメトリ中に切断又は無効にすることができ、いずれの場合にも、タンク回路を分かるほどにはロードしない。)
【0025】
ストレージコンデンサC3によるタンク回路のロードは望ましくない影響があることに本発明者は気付いた。第1のものは、タンク回路によって送信されるRF信号、すなわち、通信リンク156を含むRF信号がその全強度に達することができる速度に関連するものである。RF信号の強度は、主としてVtankの大きさによって支配される。しかし、フルブリッジ整流器によるストレージコンデンサC3への漏れは、少なくとも最初は全強度RF信号を妨げる。これは、ストレージコンデンサC3が最初は充電されず、このような電荷の不足が、上述したようにダイオードD3及びD4により漏れを容易にすることに起因する。最終的に、このような漏れは、ストレージコンデンサC3を充電することになり、ストレージコンデンサC3は、ダイオードによる漏れを低減する傾向があり、その時点で、RF信号は全強度になる。その影響は、図3Aの回路がデータを送信し始める時に、データの初期部分が、全強度RF信号で送信されないということである。これは、外部コントローラ155におけるこの信号の受信の解決を更に困難にし、破損したデータをもたらすか又は全くデータなしに終る。実験結果は、全強度RF信号でタンク回路が送信する時間の長さが約2msであることを示している。4Kbpsの一般的なデータ送信速度において、この遅延は、この例では情報の8ビットに影響を与える有意なデータ送信エラーに寄与する場合がある。更に、たとえストレージコンデンサC3が完全に充電されても、整流器におけるダイオードによる何らかの漏れ、及び従ってタンク回路へのストレージコンデンサC3の何らかの結合が依然として存在する可能性があり、その漏れは、RF信号強度を妨げ、タンク回路をデチューンする。
【0026】
第2の望ましくない影響は、特にRF信号強度がその最大値の方向に増加している時間中に、タンク回路のロードがその共振周波数を変えることである。これは、ダイオードD3及びD4による漏れが、実質的にストレージコンデンサC3をタンク回路と並列に配置するために起こる。これは、タンク回路の有効キャパシタンスを増加させ、キャパシタンスは、その共振周波数を低減する。要するに、ストレージコンデンサC3の結合は、タンク回路をf1=125KHzの最適中心値未満までデチューンする。ここでもまた、このようなデチューンは、データ送信の信頼性に影響を与える可能性がある。
【0027】
図3Aの回路の別の欠点は、整流器のAC側のスイッチM3に関連するものである。Vtankは、比較的高い交流電圧を含むことができ、従って、スイッチM3は、大きな電圧の振幅を受ける。これは、スイッチM3の実施及び制御をかなり困難にし、回路の複雑性、サイズ、及び費用増大をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】米国特許公開第2010/0069992号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2010/0268309号明細書
【特許文献3】米国特許第7,444,181号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の開示は、従来技術の上述の及び他の短所の解決法を提示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来技術の超小型刺激器を示す図である。
図2】患者に埋め込まれた時の従来技術の超小型刺激器、並びに外部コントローラ及び外部充電器を示す図である。
図3A】従来技術の超小型刺激器における通信及び充電回路を示す図である。
図3B】そのような回路を作動させることができる様々なモードを示す図である。
図4A】改良された通信及び充電回路を示す図である。
図4B】そのような回路を作動させることができる様々なモードを示す図である。
図5図4Aの改良された回路を使用するデータテレメトリ及びエネルギ受信モード中のタンク回路の電圧差を示す図である。
図6図4Aの改良された回路の代替を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
埋込可能医療デバイスのための改良された通信及び充電回路は、充電エネルギを受信するためのかつデータテレメトリのための単一コイルを有するように説明される。回路は、テレメトリ及び充電のための異なる周波数にタンク回路をチューニングするために従来使用するチューニングコンデンサ及びスイッチを回路のAC側から取り除く。従って、タンク回路を簡潔にして、実施することが困難になる可能性がある切換可能な構成要素を収容しない。スイッチは、回路のDC側のストレージコンデンサに直列に接続され、そのスイッチは、テレメトリ又は充電のために回路をチューニングすることによって本質的に従来技術のスイッチの代わりをする。テレメトリ中に、スイッチを開放し、従って、ストレージコンデンサをタンク回路から切断し、かつこのコンデンサがタンク回路に結合してテレメトリ作動に干渉するという懸念を緩和する。充電中に、スイッチを閉鎖し、スイッチは、一部のタンク回路の共振中に整流器によりストレージコンデンサがタンク回路に結合することを可能にする。従って、従来技術の整流器による望ましくない結合を充電中にタンク回路を予め適切な周波数にチューニングする有用な目的に置く。スイッチは回路のDC側に移動し、従って、スイッチは、高電圧振幅を受けず、従って、実施することがより簡単であまり費用がかからない。
【0032】
改良された通信及び充電回路201の一実施形態は、図4Aに示されている。回路201の構成要素の多くは、図3Aの回路101の対応する構成要素に類似している。しかし、これらの間には相違がある。第1に、回路201は、チューニングコンデンサC2及びそれに関連付けられたスイッチM3を含まない。その結果、共振タンク回路は、コイルL1及びタンクコンデンサC1のみを含み、タンク回路に接続してその共振を調節する他の回路はない。第2に、スイッチM5がストレージコンデンサC3と直列に設けられる。従って、ストレージコンデンサC3は、スイッチM5がオンの時に回路の残りに接続され、M5がオフの時に切断される。回路にストレージコンデンサC3を含むこと又は含まないことの関連性及び機能性を以下に説明する。
【0033】
図4Bは、エネルギ受信モード、データ受信モード、及びデータ送信モードに対するトランジスタスイッチM1、M2、M4、及びM5のステータスを示している。回路201のスイッチM1、M2、及びM4のステータスは、回路101と変わらず(図3Bと比較されたい)、このようなこれらのスイッチは、依然として同様に制御され、エネルギ受信、データ受信、及びデータ送信作動を実施する。回路201の新しいスイッチM5はまた、M5がデータテレメトリ中にオフであり、充電中にオンであるという点で回路101のスイッチM3と同様に制御される。しかし、認められるように、整流器のDC側へのスイッチの再位置決めには、作動及び製造利点がある。回路101におけるように、201は、制御回路160を使用して様々な制御信号M1、M2、M4、及びM5を出し、テレメトリデータを処理する。
【0034】
テレメトリ作動中に、コイルL1及びタンクコンデンサC1によって形成されたタンク回路は、FSK(周波数シフトキーイング)テレメトリに好ましい周波数(例えば、f1−125kHz)で共振するのに適切であるとして選択された値を有する。図示のように、データテレメトリ中に、スイッチM5をオフにし、従って、回路201のAC側からストレージコンデンサC3を切断する。従って、図3Aの回路101と異なり、ストレージコンデンサC3は、テレメトリ作動中にタンク回路をロードしない。従って、従来技術の回路101に関して上述した問題は緩和され、得られるRF信号が、遙かに急速に全強度まで上昇することができるように、回路201は、タンク回路に電力を急速に蓄積することができる。例えば、実験結果は、タンク回路が全強度RF信号で送信する時間の長さが、図3Aの回路101に必要な2ミリ秒に対して10倍の改善の単に約200マイクロ秒であることを示している。更に、ストレージコンデンサは結合解除されるので、ストレージコンデンサは、タンク回路のキャパシタンスを増加させず、従って、その周波数をデチューンしない。これは、特に超小型刺激器100がデータを外部コントローラ155に送信する必要があるモード中にデータテレメトリの信頼性及び安定性を改善する。
【0035】
外部コントローラ151から充電場の受信中に、すなわち、エネルギ受信モード中に、図示したようにM5を閉鎖し、M5は、ストレージコンデンサC3を回路の中に結合する。以前と同様に、ストレージコンデンサC3は、整流器によって供給されたDC電圧(Vout)をフィルタにかけて平滑化し、その電圧は、次に、超小型刺激器100においてバッテリ145を充電するために使用することができる。更に、ストレージコンデンサC3を使用して、エネルギ受信中に共振を調節する。例えば、回路201を調節して、このモード中に約f2=80kHzで共振させ、リンク152に沿って外部充電器151によって提供された磁気充電場の周波数に適合させる。
【0036】
どのようにしてこの調節が行われるか、すなわち、どのようにしてストレージコンデンサC3を使用してエネルギ受信モードでタンクをロードするかを図5に関連して説明する。波形250は、データテレメトリモード中、すなわち、スイッチM5がオフの時のデータ受信又はデータ送信中のVtankを示している。この場合には、ストレージコンデンサC3をロードせず、タンク回路は、コイル147及びタンクコンデンサC1のインダクタンスに従って周波数f1において共振する。当業者が理解するように、整流器のダイオードD1〜D4から、バッテリ充電回路92から、又は超小型刺激器100のバッテリ145から生じる他の寄生キャパシタンスが存在する場合があり、他の寄生キャパシタンスは、タンク回路への結合が整流器により行われる場合に、タンク回路の共振の調節に影響を与える可能性がある。しかし、このような寄生キャパシタンスをモデル化又は実験的に決定して、回路201のキャパシタンスに対するこれらの全体の影響を評価することができる。影響が大きい場合に、タンクコンデンサC1の値を必要に応じて調節し、あらゆる寄生キャパシタンスを補償し、その望ましい周波数、例えば、fl=125kHzに回路201をチューニングすることができる。上述したように、データテレメトリモード中にストレージコンデンサC3の結合を抑制するためにスイッチM5を使用することで、上述の従来技術のテレメトリ問題を緩和する。
【0037】
波形260は、スイッチM5がオンの時のエネルギ受信モード中のVtankを示している。Vtankの一部のサイクルの後に、ストレージコンデンサC3が恐らく5Vかその付近のVoutの値まで充電されたと仮定することができる。Vtankがその正のサイクル中に増加すると、整流器にわたる電圧は、ダイオードにより漏れを引き起こすほど十分ではなく、従って、Vtankは、波形250と同様に増加する。しかし、時間211において、電圧は、ダイオードD3及びD2により漏れを引き起こすほどに十分であり、その時点で、ストレージコンデンサC3は、タンク回路をロード(load)する。ダイオードがVtの順方向電圧低下を有すると仮定すると、この臨界電圧は、Vout+2Vtに等しい。従って、臨界電圧を超える期間217中に、ストレージコンデンサC3は、タンク回路と実質的に並列状態にある。結果として及び図5に示すように、タンク回路の瞬時共振周波数は、恐らく1/10倍ほどに減少する。これは、期間217中の波形260の形状を平坦にして延伸し、波形250と比べてその周期を長くする。
【0038】
Vtankが減少するので、Vtankは、時間212に到達した時点では、臨界電圧をもはや超えていない。従って、時間212から214まで、ストレージコンデンサC3は、この場合も同じく結合解除され、回路201は、この場合も同じく波形250と同様に挙動する。最終的に、Vtankがその負のサイクル中に負の臨界電圧(−Vout−2Vt)に到達し、そのVtankは、ダイオードD4及びD1を順方向バイアスする。ここでもまた、期間218中に、ストレージコンデンサC3がタンク回路に結合され、ストレージコンデンサC3は、更に共振周波数を低減し、波形を平坦にして延伸する。最終的にVtankが増加すると、この臨界負電圧をもはや超えなくなり、波形260は、時間215から時間211にかけて再び波形250を模倣する等する。
【0039】
意図的にタンク回路へのストレージコンデンサC3の結合を可能にすることによって、Vtankサイクルのより高い電圧部分に対して与えられる全体的な影響は、波形260の全体的な周波数が、入ってくる磁気充電場の周波数に適合する周波数(すなわち、f2=80kHz)に減少することである。タンクコンデンサC1のように、モデル又は実験を使用して、ストレージコンデンサC3の値を選択し、この望ましい充電周波数を得ることができる。一例では及び80μHのコイルL1インダクタンスを仮定すると、タンクコンデンサC1は、33nFを含むことができ、ストレージコンデンサC3は、4.7μFを含むことができる。ストレージコンデンサC3のロード効果及び関連寄生効果による共振周波数の減少は、約20%であることを実験データは示し、これは、手元の埋込可能医療デバイステレメトリ/充電用途に適している。
【0040】
すなわち、改良された通信及び充電回路201は、個別に調節可能なデータテレメトリ及び充電機能をサポートし、かつテレメトリ中にタンク回路をロードすることなくそれを行う。更に、スイッチが遥かに小さなDC電圧を受ける回路手段のDC側にスイッチM5を具備することは、そのゲートにおいて標準論理レベルを使用してより簡単に制御可能であり、かつ従来技術のスイッチM3と比べてより小型化することができる。すなわち、超小型刺激器の複雑性、サイズ、及び費用が低下して有益である。
【0041】
回路201を様々な方法で修正することができることを当業者は認識するであろう。例えば、超小型刺激器からのデータ送信には特定の問題があるので、送信中にスイッチM5を開放する必要があるだけであり、すなわち、Vtankをより低い電圧にし、従って、ストレージコンデンサへの結合が大きな懸案事項にならなない時は、データ受信の期間中にスイッチM5を閉じることを受け入れることができる。データを送信及び受信するための回路は、異なる方法でタンク回路とインタフェース接続することができ、スイッチM1及びM2を図示の構成の通りに置く必要はなく、受信及び送信回路の他の構成を使用することもできる。バッテリ充電回路92は、厳密に言えば必須でなく、かつ必ずしもバッテリ145と一直線上に配置する必要はない。タンク回路は、必ずしもコイルL1及びタンクコンデンサC1の並列構成を含む必要なく、代わりに、直列構成を使用することもできる。テレメトリ及びエネルギ周波数f1及びf2をチューニングするのを補助する場合に、スイッチストレージコンデンサC3a及び非スイッチストレージコンデンサC3bの両方は、図6に示すように整流器のDC側に使用することができる。チューニングするために有用である場合に、この構成は、テレメトリ中に依然としてストレージコンデンサC3bをタンク回路に結合することを可能にすることができるが、このコンデンサの値は、減少させることができ、ストレージコンデンサC3aは、上述したようにテレメトリ又はエネルギ受信が行われているか否かに応じてスイッチM5によって依然として制御することができる。代替的に、回路101からのスイッチM3及びチューニングコンデンサC2を回路201からのスイッチM5及びストレージコンデンサC3と共に依然として含めることができ、テレメトリ又はエネルギ受信モード中に、両方のスイッチが選択的に制御される。整流器のAC及びDC側の両方でのコンデンサの更に他の構成が可能である。
【0042】
特定の実施形態及びその用途を利用して本明細書に開示する発明を説明したが、特許請求の範囲に示す本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は、これらに多数の修正及び変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0043】
151 外部充電器
201 改良された通信及び充電回路
C1 タンクコンデンサ
C3 ストレージコンデンサ
M1、M2、M4、M5 スイッチ
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6