(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856901
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】キーボード用ミスタッチ防止枠
(51)【国際特許分類】
H01H 13/04 20060101AFI20160128BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20160128BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
H01H13/04 B
G06F3/02 310A
G06F3/02 350Z
G07G1/00 311A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-103488(P2012-103488)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-232325(P2013-232325A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】301017112
【氏名又は名称】日産スチール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(72)【発明者】
【氏名】西部 清志
【審査官】
佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭49−058206(JP,U)
【文献】
実開昭54−056536(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3037956(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
G06F 3/02− 3/027
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板を備えたケースの前面開口に、縦横に並んで複数のキートップが配置されるとともに、各キートップが前記ベース板に押込可能にそれぞれ支持されたキーボードに装着されるキーボード用ミスタッチ防止枠であって、
前記複数のキートップの外周に沿って配置される外枠部と、
前記外枠部の内側に固定され、かつ横方向に隣り合うキートップ間に配置される縦枠部と、
前記外枠部の内側に固定され、かつ縦方向に隣り合うキートップ間に配置される横枠部と、
前記縦枠部の後端に固定され、かつ横方向に隣り合うキートップ間に差し込まれて前記ベース板に当接する縦差込片と、
前記横枠部の後端に固定され、かつ縦方向に隣り合うキートップ間に差し込まれて前記ベース板に当接する横差込片とを備え
前記外枠部に前記ケース内に差し込まれる部位が設けられず、前記外枠部が前記前面開口よりも前方に配置されるようになっていることを特徴とするキーボード用ミスタッチ防止枠。
【請求項2】
前記キーボードに対し取外可能になっている請求項1に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【請求項3】
前記縦枠部および前記横枠部は、その前端部が、他の部分よりも肉厚が厚く形成されている請求項1または2に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【請求項4】
前記縦枠部および前記横枠部の前端面が円弧状の断面に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【請求項5】
前記差込片における前記縦枠部および前記横枠部の交差部を除く部分に、切欠部が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【請求項6】
前記キーボードは、キャッシュレジスターの情報入力手段を構成するものであり、そのキーボードにおけるテンキー部に装着される請求項1〜5のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばキャッシュレジスターやパーソナルコンピュータ等の情報入力手段としてのキーボード、特にキーボードのテンキー部に装着されるキーボード用ミスタッチ防止枠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等において、レジカウンター(キャッシュカウンター)に設置されているキャッシュレジスターにおいて、入力手段としてキーボードが設置されている。このキーボードは通常、テンキーを装備している。
【0003】
テンキー等のキーボードは、ケースの前面開口に、複数のキートップが縦横に並んで配置されて、ケースに押込可能に支持されている。
【0004】
そしていずれかのキートップを押操作した際には、当該キートップに割り付けられた情報に対応する信号を入力できるようになっている。
【0005】
このようなテンキーを用いて、数値等の情報を正確かつスピーディに入力するには、かなりの熟練度が必要となる。
【0006】
そこで、パーソナルコンピュータのキーボードにおいて、ミスタッチを防止するためのミスタッチ防止枠が従来より提案されている。
【0007】
例えば下記特許文献1,2に示すキーボード用ミスタッチ防止枠は、キーボードにおける複数のキートップの外周に配置される外周板と、外周板の内側に固定され、かつ隣り合うキートップ間に配置される仕切板とを備えている。
【0008】
このミスタッチ防止枠は、外周板をケースの前面開口周縁部とキートップとの間の隙間に差し込むとともに、仕切板をキートップの各間に差し込むことにより、キーボードに装着されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平3−3038号公報
【特許文献2】実開平5−33429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来のキーボードにおいては、美観等を考慮して、最外側に配置されるキートップと、ケースの前面開口周縁部との隙間が非常に狭く設定されたものがある。このような外周隙間が非常に狭いキーボードに、上記従来のミスタッチ防止枠を装着しようとすると、外周板を外周隙間に差し込むことができず、ミスタッチ防止枠を確実に装着することができないという課題があった。
【0011】
なお外周板を外周隙間に無理やり差し込むと、その差し込まれた外周板によってキートップがロックされてしまい、キートップを押操作できず、快適なキー入力操作を行うことができなくなってしまう。
【0012】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、キーボードに確実に装着することができるキーボード用ミスタッチ防止枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0014】
[1]ベース板を備えたケースの前面開口に、縦横に並んで複数のキートップが配置されるとともに、各キートップが前記ベース板に押込可能にそれぞれ支持されたキーボードに装着されるキーボード用ミスタッチ防止枠であって、
前記複数のキートップの外周に沿って配置される外枠部と、
前記外枠部の内側に固定され、かつ横方向に隣り合うキートップ間に配置される縦枠部と、
前記外枠部の内側に固定され、かつ縦方向に隣り合うキートップ間に配置される横枠部と、
前記縦枠部の後端に固定され、かつ横方向に隣り合うキートップ間に差し込まれて前記ベース板に当接する縦差込片と、
前記横枠部の後端に固定され、かつ縦方向に隣り合うキートップ間に差し込まれて前記ベース板に当接する横差込片とを備え
前記外枠部に前記ケース内に差し込まれる部位が設けられず、前記外枠部が前記前面開口よりも前方に配置されるようになっていることを特徴とするキーボード用ミスタッチ防止枠。
【0015】
[2]前記キーボードに対し取外可能になっている前項1に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【0016】
[3]前記縦枠部および前記横枠部は、その前端部が、他の部分よりも肉厚が厚く形成されている前項1または2に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【0017】
[4]前記縦枠部および前記横枠部の前端面が円弧状の断面に形成されている前項1〜3のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【0018】
[5]前記差込片における前記縦枠部および前記横枠部の交差部を除く部分に、切欠部が形成されている前項1〜4のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【0019】
[6]前記キーボードは、キャッシュレジスターの情報入力手段を構成するものであり、そのキーボードにおけるテンキー部に装着される前項1〜5のいずれか1項に記載のキーボード用ミスタッチ防止枠。
【発明の効果】
【0020】
発明[1]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、外枠部に、キーボードのケース内に差し込まれる部位が存在しないため、キー外周に隙間がほとんど形成されないようなキーボードであっても、そのキー外周隙間に何も差し込む必要がないので、確実に装着することができる。
【0021】
発明[2]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、キーボードに後付けで取り付けることができる。
【0022】
発明[3]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、十分な強度を確保でき、不用意に破損してしまうような不具合を確実に防止することができる。
【0023】
発明[4]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、キー入力操作時に指が縦枠部および横枠部に触れた際に、指が所定の方向にスムーズにガイドされて、より一層正確にキー入力操作を行うことができる
発明[5]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、差込片のキートップ間に挿入する部分が少なくなり、差込片を、より一層簡単に差し込むことができ、キーボードに、より一層簡単に装着することができる。
【0024】
発明[6]のキーボード用ミスタッチ防止枠によれば、テンキー部に確実に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1はこの発明の実施形態であるミスタッチ防止枠が適用されたキャッシュレジスターの情報入力装置を示す正面図である。
【
図2】
図2は実施形態の情報入力装置におけるテンキー部の断面図である。
【
図3】
図3は実施形態の情報入力装置のテンキー部をミスタッチ防止枠を離間した状態で示す断面図である。
【
図4】
図4は実施形態のミスタッチ防止枠を示す斜視図である。
【
図5】
図5は実施形態のミスタッチ防止枠を示す正面図である。
【
図8】
図8はこの発明の変形例であるミスタッチ防止枠を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1はこの発明の実施形態であるミスタッチ防止枠が適用されたキャッシュレジスターの情報入力装置(情報入力手段)5を示す正面図である。なお、以下の説明においては、
図1の紙面に向かって手前側を前側(前方)とし、奥行き側を後側(後方)として説明する。さらに
図1の紙面に向かって上下方向を縦方向とし、左右方向を横方向として説明する。
【0027】
同図に示すように、このキャッシュレジスターは、電子式のものであり、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等のレジカウンターに設置されている。このキャッシュレジスターの情報入力装置5には、タッチパネル51の他、キーボード52を備えている。
【0028】
キーボード52には、入力キーとしてのキートップ65が縦横に多数並んで配置されている。そして本実施形態においては、キーボード52におけるキートップ65の一部、すなわち
図1に示すように、「00」「0」「1」〜「9」の数値が表記された11個のキートップ65によって、テンキー部53が構成されている。
【0029】
なおテンキー部53を構成するキートップ65に表記されている数値は、テンキー部53のキートップ65に実際に記入されているものであり、本実施形態を説明する際に用いる参照符号とは無関係である。
【0030】
図2および
図3は情報入力装置5のテンキー部53の断面図である。なお
図2および
図3においては、両図の紙面に向かって上方が前方となり、下方が後方となっている。
【0031】
図1〜
図3に示すように、情報入力装置5は、ケース6を備え、そのケース6内には、ベース板61が設けられている。さらにケース6におけるキーボード部分の前面パネル部には、ケース6内を前方に開放している前面開口63が設けられている。その前面開口63には、既述したように縦方向および横方向に並んで多数のキートップ65が配置されている。
【0032】
図2および
図3に示すように、情報入力装置5内のベース板61には、各キートップ65の配置位置に対応して、キートップ取付部62がそれぞれ設けられている。各キートップ取付部62には、前後方向にスライド自在にキートップ支持体64がそれぞれ取り付けられている。
【0033】
各キートップ支持体64の前端部には、上記各キートップ65がそれぞれ固定されている。これにより、各キートップ65は、キートップ支持体64を介して前後方向にスライド自在にベース板61に支持される。
【0034】
またキートップ支持体64は、図示しない付勢手段によって、前方に付勢されている。そしてこの付勢手段に抗して、キートップ65を後方へ押込可能に構成されるとともに、押込力を解除した際には、上記付勢手段の付勢力によってキートップ支持体64が前方へ突出して、キートップ65が前方突出状態(自然状態)に復帰するようになっている。
【0035】
さらにキートップ65を押操作した際には、当該キートップ65に割り付けられた情報に対応する信号が入力されるようになっている。
【0036】
一方、
図2〜
図7に示すように、本実施形態の特徴部であるミスタッチ防止枠1は、情報入力装置5におけるキーボード52のテンキー部53に脱着自在に装着される。
【0037】
ミスタッチ防止枠1は、テンキー部53を構成するキートップ65の外周に沿って配置される矩形状の外枠部11と、外枠部11の内側に固定され、かつ横方向に隣り合うキートップ65,65間に配置される縦枠部12と、外枠部11の内側に固定され、かつ縦方向に隣り合うキートップ65,65間に配置される横枠部13とを備えている。
【0038】
この構成において、ミスタッチ防止枠1は、矩形状の外枠部11内に、縦枠部12および横枠部13が格子状に配置されて、各枠部11〜13によって区分けされた領域が、マス目15として構成されている。言うまでもなくマス目15は、テンキー部53を構成する11個のキートップ65にそれぞれ対応して11個形成されている。
【0039】
なお、テンキーは、数値の「0」を入力するキートップ65が、他の数値を入力するキートップ65よりも横サイズがほぼ2倍になっている。従って、ミスタッチ防止枠1における「0」の入力キーに対応するマス目15は、他の入力キーに対応するマス目15よりも横幅がほぼ2倍に設定されている。換言すれば、2本の縦枠部12のうち、左側の縦枠部12は、最下段の横枠部13と、外枠部11の下枠部との間には設けられていない。
【0040】
図6および
図7に示すように、各枠部11〜13は、前端面が円弧状の断面に形成されており、前端部から後端部にかけて肉厚が次第に薄くなるような形状に形成されている。つまり、各枠部11〜13は、前端部が、他の部分よりも肉厚が厚く形成されている。
【0041】
各枠部11〜13の前端縁は、それぞれ同一平面内に配置されており、前後方向において互いに同じ位置に配置されている。
【0042】
縦枠部12の後端には、後方に延びるように、薄板状の縦差込片22が取り付けられている。さらに横枠部13の後端には、後方に延びるように、薄板状の横差込片23が取り付けられている。これにより、ミスタッチ防止枠1の裏面側には、縦差込片22および横差込片23が格子状に配置されている。
【0043】
縦差込片22は、横方向に隣り合うキートップ65,65間の隙間に差し込まれて、下端がケース6内においてベース板61に当接できるようになっている。
【0044】
横差込片23は、縦方向に隣り合うキートップ65,65間の隙間に差し込まれて、下端がケース6内においてベース板61に当接できるようになっている。
【0045】
なお、外枠部11には、差込片22,23に相当する部位は取り付けられていない。従ってこの外枠部11の部分は、前面開口63を介してケース6内に差し込まれるような部位が存在しない。
【0046】
以上のように構成されたミスタッチ防止枠1をキーボード52のテンキー部53に嵌め込む。このとき、ミスタッチ防止枠1の外枠部11を、テンキー部53を構成するキートップ65の外周に配置し、さらに縦枠部12を横方向に隣り合うキートップ65,65間に配置するとともに、横枠部13を縦方向に隣り合うキートップ65,65間に配置しつつ、縦差込片22を、横方向に隣り合うキートップ65,65間に差し込むとともに、横差込片23を、縦方向に隣り合うキートップ65,65間に差し込む。そして、隣り合うキートップ65,65間に差し込んだ差込片22,23をケース6内に挿入して、差込片22,23の後端(先端)をベース板61に当接させる。この当接によって、ミスタッチ防止枠1がベース板61に支持される。
【0047】
図2に示すように、この装着状態においては、ミスタッチ防止枠1の各枠部11〜13は、ケース6の前面開口63よりも前方に配置され、さらに各枠部11〜13の前端は、キートップ65の前端よりも前方に配置されている。
【0048】
この装着状態においては、各キートップ65を取り囲むように、枠部11〜13が配置されるため、キー入力する際に例えば、指が目的のキートップ65から位置ずれしてしまった場合には、枠部11〜13に当たって、目的のキートップ65にガイドされる。このため、目的のキートップ65に隣接するキートップ65を謝って押し込むようなことがなく、正確かつスピーディにキー入力操作を行うことができる。
【0049】
さらに本実施形態においては、各枠部11〜13の前端面を円弧状の断面に形成しているため、キー入力時に指が各枠部11〜13の前端面に触れた際に、所定の方向に指がスムーズにガイドされて、より一層正確にキー入力操作を行うことができるとともに、各枠部11〜13に指が触れた際に、当たりが柔らかくなり、不快感がなく、快適なキー入力操作を継続して行うことができる。
【0050】
ところで、本実施形態におけるミスタッチ防止枠1は、外枠部11に、差込片のようなケース6内に挿入する部位を設けていないため、テンキー部53に確実に装着することができる。
【0051】
すなわち通常用いられるキーボード52のテンキー部53においては、最も外側に配置される最外側のキートップ65と、ケース6における前面開口63の周縁部との間に、隙間がほとんど形成されないものがある。このようにキー外周に隙間がほとんど形成されないテンキー部53に対し、仮に外枠部11に差込片が設けられたミスタッチ防止枠を装着しようとすると、外枠部11の差込片を、外周の隙間に差し込むことができず、ミスタッチ防止枠をテンキー部53に確実に装着できない場合がある。
【0052】
そこで、本実施形態のミスタッチ防止枠1は、外枠部11に差込片が存在しないため、つまりキー外周の隙間に差し込む部位が設けられないため、キー外周の隙間が非常に狭いテンキー部53であっても、その隙間に何も差し込む必要がないので、ミスタッチ防止枠1を確実に装着することができる。
【0053】
なお、本実施形態のミスタッチ防止枠1においては、縦枠部12および横枠部13に差込片22,23を設けているため、その差込片22,23が、隣り合うキートップ65,65間に差し込まれてベース板61に当接している。このように差込片22,23を介して枠部11〜13をベース板61に確実に支持できるため、ミスタッチ防止枠1を安定した状態にテンキー部53に装着固定することができる。
【0054】
また本実施形態のミスタッチ防止枠1は、テンキー部52に嵌め込むだけで簡単に取り付けることができるため、後付け方式によって、簡単に装着することができる。さらに装着されたミスタッチ防止枠1は、テンキー部52から抜き取るだけで簡単に取り外すことができる。
【0055】
また本実施形態のミスタッチ防止枠1は、各枠部11〜13の前端部を厚肉に形成しているため、その厚肉部によって、十分な強度を確保することができる。このため、使用によってミスタッチ防止枠1が不用意に破損してしまうような不具合を確実に防止することができる。
【0056】
図8〜
図10はこの発明の変形例であるキーボード用ミスタッチ防止枠1を示す図である。これらの図に示すように、このミスタッチ防止枠1は、その差込片22,23のうち、枠部11〜13が交差する部分を除いた部分に、後方に向けて開放されたU字状の切欠部25が形成されている。つまり差込片22,23は、キートップ65の周囲4つのコーナー部に対向する部分だけに存在し、各キートップ65の周囲4側面の全域には存在しないようになっている。
【0057】
この変形例のミスタッチ防止枠1において、他の構成は、上記実施形態のミスタッチ防止枠1と実質的に同じであるため、同一または相当部分に同一符号を付して、重複説明は省略する。
【0058】
この変形例のミスタッチ防止枠1においては、縦枠部12および横枠部13における各キートップ65の隅部に対応する位置にのみ差込片22,23を残存形成しているため、換言すれば、差込片22,23における隣り合うキートップ65,65間に差し込む部分を少なくできるため、差込片22,23の差込作業を容易に行うことができ、ミスタッチ防止枠1を、より一層確実に装着することができる。また残存する差込片22,23がケース6内に挿入されて、ベース板61に支持されるため、ミスタッチ防止枠1を安定した状態で確実にテンキー部53に装着することができる。
【0059】
なお、上記実施形態等においては、ミスタッチ防止枠1をテンキー部53に装着する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明のミスタッチ防止枠は、キーボードのテンキー部以外の部分に装着できるようにしても良い。
【0060】
さらに上記実施形態においては、ミスタッチ防止枠1をキャッシュレジスターのキーボードに装着する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明のミスタッチ防止枠は、パーソナルコンピュータの情報入力装置(情報入力手段)としてのキーボードに装着できるようにしても良いし、キーボードとは別体に設けられた外付けタイプのテンキーボードに装着できるようにしても良い。
【0061】
また本発明において、縦差込片および横差込片は、必ずしも縦枠部および横枠部の全域に設けられる必要はなく、縦枠部および横枠部の一部にのみ設けられていても良い。
【0062】
また本発明においては、枠部12,13と差込片22,23とを別体に形成しても良いし、枠部12,13と差込片22,23とを一体に形成するようにしても良い。
【0063】
さらに本発明においては、枠部11〜13を一体に形成しても良いし、各枠部11〜13を2つ以上の部位が連結されたものによって構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
この発明のキーボード用ミスタッチ防止枠は、例えばキャッシュレジスターに設けられたキーボードのミスタッチ防止用として利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1:ミスタッチ防止枠
11:外枠部
12:縦枠部
13:横枠部
22:縦差込片
23:横差込片
25:切欠部
5:情報入力装置(情報入力手段)
52:キーボード
53:テンキー部
6:ケース
61:ベース板
63:前面開口
65:キートップ