特許第5856904号(P5856904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5856904舗装用両面粘着テープ,舗装方法および舗装構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5856904
(24)【登録日】2015年12月18日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】舗装用両面粘着テープ,舗装方法および舗装構造
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/00 20060101AFI20160128BHJP
   C09J 7/00 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 109/00 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 109/06 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 125/10 20060101ALI20160128BHJP
   C09J 195/00 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
   E01C23/00 A
   C09J7/00
   C09J11/06
   C09J11/08
   C09J109/00
   C09J109/06
   C09J125/10
   C09J195/00
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-116233(P2012-116233)
(22)【出願日】2012年5月22日
(65)【公開番号】特開2013-241798(P2013-241798A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2013年6月17日
【審判番号】不服2015-3923(P2015-3923/J1)
【審判請求日】2015年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】505005452
【氏名又は名称】石川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100073357
【弁理士】
【氏名又は名称】犬飼 新平
(72)【発明者】
【氏名】田中 克昌
【合議体】
【審判長】 中田 誠
【審判官】 赤木 啓二
【審判官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4647995(JP,B2)
【文献】 特開2011−57805(JP,A)
【文献】 特開平3−70785(JP,A)
【文献】 特開平10−147766(JP,A)
【文献】 特開2007−262374(JP,A)
【文献】 特開昭63−60307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/00-23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着して使用されるテープであって、
粘着剤層と、該粘着剤層の少なくとも片面に接着された剥離ライナーとからなり、前記粘着剤は少なくともストレートアスファルト 70〜90重量%、合成ゴム系粘着剤30〜10重量%の混合したものであるアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項2】
鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着して使用されるテープであって、
粘着剤層と、該粘着剤層の少なくとも片面に接着された剥離ライナーとからなり、前記粘着剤はストレートアスファルト 65〜75重量%、合成ゴム 4〜8重量%、粘着付与剤 15〜20重量%、可塑剤 4〜8重量%の混合したものであるアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項3】
前記合成ゴムはスチレン・ブタジエンである請求項1または2記載のアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項4】
前記合成ゴムはスチレン・イソプレン・スチレンである請求項1または2記載のアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項5】
前記粘着剤層の厚みは、200μm〜3,000μm未満である請求項1〜4項のいずれか1項記載のアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項6】
前記粘着剤層の厚みは、200μm〜1,500μmである請求項1〜4項のいずれか1項記載のアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項7】
前記粘着剤層の厚みは、200μm〜1,000μmである請求項1〜4項のいずれか1項記載のアスファルト舗装用両面粘着テープ。
【請求項8】
請求項1〜7項のいずれか1項記載のアスファルト舗装用両面粘着テープを使用し、鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着し、側面の剥離ライナーをはがし、前記区画内に加熱アスファルトを載せて敷きならす舗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装用両面粘着テープ,舗装方法および舗装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、舗装地面の修理は次のようにしていた。即ち、既設の表層の表面から円盤カッターを回転させながら切断し、この切断部に囲まれた部分の表層を取り除く。その後、その凹部の土面をローラで転圧する。次に、路盤材(砕石,砂など)を所定厚みにレーキ等で敷きならし、ローラで転圧する。次にこの路盤の表面と既設表層の切断面にアスファルト乳剤をエアスプレーまたはエンジンスプレーで散布する。その後、加熱アスファルト混合物をトンボなどで敷きならし、ローラで転圧して仕上げる。
【0003】
しかし、前記のような既設表層と新設表層との境界部では、前記アスファルト混合物の骨材の結合力が弱い。このため、骨材,砂などが車の通過による振動で崩れ、周囲に飛散することになる。また、境界部の隙間から雨水が浸み込んで、含水比が上がると地盤が緩み、表層まで歪んでヒビ割れが発生する。
【0004】
そこで、この問題を解決するものとして、両面接着テープを舗装切断面に貼り付ける工法があった(第1例)。この方法は、既設表層の切断面に、先ず、プライマーを塗布し、30〜60分養生し、その後、前記テープを貼り付け圧着、剥離紙を剥がし、次いで、アスファルト舗装施工するものである。
【0005】
また、他の例(第2例)は、既設表層と新設表層との境界部の表面(上面)に境界部を覆ってテープを貼り、接着後に剥離紙を剥がす。その後、接着剤の上に硅砂,砂などの付着防止剤を散布し、通過車両などに付着しないようにする。なお、本出願人が開発し特許を許可されたものを、参考先行文献としてあげる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4647995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記第1例のものでは、テープの厚さが約5mmもあって、加熱アスファルトが接触しても熱が伝わりにくく、接着剤とはならない。また第2例のものでは、接着力が弱く、雨水にかかると剥がれてしまう。
【0008】
本発明は上記課題を解決し、接着力の優れた粘着剤を持ち、舗装境界部からの土砂の飛散と雨水の侵入を高性能のもとに防止できる舗装用両面粘着テープ,舗装方法および舗装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着して使用されるテープであって、粘着剤層と、該粘着剤層の少なくとも片面に接着された剥離ライナーとからなり、前記粘着剤少なくともストレートアスファルト 70〜90重量%、合成ゴム系粘着剤30〜10重量%の混合したものである。
【0012】
本発明の第2課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着して使用されるテープであって、粘着剤層と、該粘着剤層の少なくとも片面に接着された剥離ライナーとからなり、前記粘着剤はストレートアスファルト 65〜75重量%、合成ゴム 4〜8重量%、粘着付与剤 15〜20重量%、可塑剤 4〜8重量%の混合したものである。
【0013】
本発明の第3課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、第1または2課題解決手段に加え、前記合成ゴムはスチレン・ブタジエンである。
【0014】
本発明の第4課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、第1または2課題解決手段に加え、前記合成ゴムはスチレン・イソプレン・スチレンである。
【0015】
本発明の第5課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、第1〜4の課題解決手段のいずれかに加え、前記粘着剤層の厚みは、200μm〜3,000μm未満である。
【0016】
本発明の第6課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、第1〜4の課題解決手段のいずれかに加え、前記粘着剤層の厚みは、200μm〜1,500μm未満である。
【0017】
本発明の第7課題解決手段のアスファルト舗装用両面粘着テープは、第1〜4の課題解決手段のいずれかに加え、前記粘着剤層の厚みは、200μm〜1,000μm未満である。
【0018】
本発明の第8課題解決手段の塗装方法は、第1〜7の課題解決手段のいずれか1のアスファルト舗装用両面粘着テープを使用し、鉛直面またはそれに近い舗装区画の舗装打継断面に接着し、側面の剥離ライナーをはがし、前記区画内に加熱アスファルトを載せて敷きならすことである。
【0022】
本発明が適用される舗装は、先ず、簡易舗装である。これは、骨材(砕石,砂,石粉など)を歴青材料(ストレートアスファルトなど)で結合した表層および路盤で構成される。次に、アスファルト舗装である。これは、骨材(砕石,砂,石粉など)を歴青材料(ストレートアスファルトなど)で結合した表層と基層および路盤で構成される。
表層は加熱アスファルト混合物でつくられ、基層は路盤の上にあって、通常は加熱アスファルト混合物でつくられる。また、砂利道の路面を整正して歴青材料を散布浸透させた防塵処理や表面処理などにも本発明は適用される。
【0023】
歴青材料として、舗装用石油アスファルト,改質アスファルト,石油アスファルト乳剤などが使用され、改質アスファルトとして、アスファルトにゴム,樹脂などの高分子材料を添加したゴム,樹脂入りや、ブローイング操作で粘度を高めたセミブローンアスファルトがある。
接着剤として使用される石油アスファルト乳剤は、乳化剤と安定剤を含む水中に、比較的軟質な石油アスファルトを分散させたものであり、カチオン系(K)とアニオン系(A)が使用される。締め固めには転圧機,ロードローラ,振動ローラまたはタイヤローラなどを用いる。
【0024】
両面粘着テープの粘着剤として、ストレートアスファルト液0〜90%、合成ゴム系粘着剤100〜10%の混合物が用いられる。また、両面粘着テープは図3のように、粘着剤層3aの片面に剥離ライナー3bを有するものと、図4のように、2枚の剥離ライナー3b,3bを有する構造の場合もある。剥離ライナーは、紙またはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムの片面または両面に、低エネルギー表面を有するシリコーンやフッ素樹脂などが塗着されたものが使用される。
【0025】
本発明の両面粘着テープを使用した舗装方法の第1は、舗装区画の舗装打継断面に接着し、側面の剥離ライナーをはがし、前記区画内に加熱アスファルトを載せて敷きならすのである。例えば、既設表層に隣接して新設表層を舗装する場合である。また、構造物の側面に隣接して表層または基層の上に表層を舗装する場合などに適用される。この場合、先ず、構造物の側面に本発明の両面粘着テープを貼り、その後、剥離ライナーをはがすのである。
【0026】
本発明の両面粘着テープを使用した舗装方法の第2は、舗装打継目の表面を覆って接着し、上面の剥離ライナーをはがす。次いで、残された前記粘着剤の上に砂などの付着防止材を散布する。または、バーナーで加熱溶融させてもよく、または、その上に砂などの付着防止材を散布してもよい。例えば、隣り合う既設表層間の境界部、既設表層の表面のヒビ割部などである。また、既設表層の切断部のカッターが通過した後に残された隙間などである。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、接着力の優れた粘着剤を持ち、舗装境界部からの土砂の飛散と雨水の侵入を高性能のもとに防止できることとなった。このため、舗装の寿命を延長できる。さらには、道路維持のランニングコストも安価にできる。また、舗装方法の発明では、工事規制時間の短縮と、交通渋滞等の緩和につながる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明・舗装構造の一実施例の平面図である。
図2図1のY2−Y2断面図である。
図3】両面粘着テープの端面図である。
図4】両面粘着テープの端面図である。
図5】本発明・舗装方法の一工程例の鉛直断面図である。
図6】本発明の舗装方法(第2)の鉛直断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の一実施例を図面にもとづき説明する。
図1,2は簡易舗装の修理した舗装構造を示す。骨材(砕石,砂,石粉など)を歴青材料(ストレートアスファルトなど)で結合してつくった表層1および路盤2で構成されている。表層1の厚さは5〜10cm程度の簡易な構造の舗装である。(表層1と路盤2との間に、基層6が介在するのが、一般にアスファルト舗装と呼ばれるものである)
【0030】
さて、本発明の舗装構造は、地面の凹部となった補修部の側面(断面)が粘着剤層3aで囲まれた区画と、前記区画の内側(底部)に塗布された接着剤層4と、前記区画内および粘着剤層3aの表面に接して敷きならされたアスファルト層5とを含む。
【0031】
次に舗装方法(第1)は次の通りである。既設表層の一部をカッターで切断し、その部分を取り除いて出来た凹部に新しい表層を作るものである。即ち、図5のように、このような地面の凹部となった補修部の断面に、両面粘着テープ3を接着する。ここで、図3に示すように、両面粘着テープの断面構造は、ストレートアスファルトと合成ゴム系粘着剤からなる粘着剤層3aの片面に剥離ライナー3bが付着されたものである。次に、前記区画の内側にアスファルト乳剤(RK4)4をスプレーで散布する。その後、前記テープ3の剥離ライナー3bをはがして粘着剤層3aを断面に残す。
【0032】
次いで図2のように、前記区画内および前記テープの粘着剤層3aに接触させて、加熱アスファルト5を載せて、転圧機で荷重と振動を与え、設計高さに敷きならす。これで、所定密度まで平らになり、圧密となる。ここで、加熱アスファルト5は市販されている再生密粒度アスファルト(スタンダード)、再生細粒度アスファルトが用いられ、これらがアスファルトプラントで約160℃〜165℃とされ、砂,砂利,砕石が粒度分布よく配合されている。これが舗装現場に運ばれて施工に供される。
【実施例1】
【0033】
(1) 粘着剤は次の材料を混合して得た。
・合成ゴムとして、スチレン・ブタジエンゴム 5%
(商品名:タフプレン125)
製造者:旭化成ケミカルズ(株)、東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
神保町三井ビルディング
・粘着付与剤として、ロジンエステル樹脂 20%
(商品名:アルコンM−90)
製造者:荒川化学工業(株)、大阪市中央区平野町1丁目3番7号
・可塑剤として、鉱物油 5%
(商品名:モレスコホワイトP−40)
製造者:(株)MORESCO、神戸市中央区港島南町5丁目5−3
・ストレートアスファルト 70%
製造者:昭和瀝青工業(株)、兵庫県姫路市北条口4丁目26番地
・混合方法は次の通りである。
140〜160℃に昇温させた2軸ニーダーの中に、ゴムと粘着付与剤を投入し、溶解させて30〜120分混ぜ合わせる。次に、この溶解させた溶液の中に130〜180℃で溶融させたストレートアスファルトを攪拌しながら投入する。さらに、攪拌しながら可塑剤を投入し30〜120分混ぜ合わせる。均一に混ぜあわされたことを確認し、ニーダーから容器へ取り出す。この製品を冷却し、粘着剤ブロックとする。
【実施例2】
【0034】
(1) 粘着剤は次の材料を混合して得た。
・合成ゴムとして、スチレン・イソプレン・スチレンゴム 5%
(商品名:QUINTAC3450)
製造者:日本ゼオン(株)、東京都千代田区丸の内1−6−2
新丸の内センタービル
・粘着付与剤として、水添テルペン樹脂 18%
(商品名:クリアロンP−115)
製造者:ヤスハラケミカル(株)、広島県府中市高木町1080番地
・可塑剤として、鉱物油 7%
(商品名:SUN N STOCK 46)
製造者:日本サン石油(株)、東京都千代田区麹町3−4 トラスティ麹町ビル
・ストレートアスファルト 70%
製造者:昭和瀝青工業(株)、兵庫県姫路市北条口4丁目26番地
・混合方法は〔実施例1〕同じものである。
【0035】
(2)前記の固形粘着剤を、粘着剤溶融装置のタンクに投入し、140〜180℃に昇温して溶解させる。溶解した粘着剤を、ポンプで高温のままダイコーターへ送り込む。ダイコーターヘッドから、高温、高圧力の粘着剤を、剥離紙上に押し出しコーティングする。コーティングされた剥離紙を冷却しながら巻き取り、テープとする。剥離紙の原材料は、30〜110gの上質紙、グラシン紙に、ポリエチレン樹脂を両面に10〜40g平方メートル ラミネートしたものである。そして、この原紙の両面にシリコーン樹脂を塗布したものである。(商品名:スミリーズSLB−50KWD、紙、上質58g、ポリエチ片面20g、総厚100μ)
はく離紙の製造者:住化加工紙(株)、東京都中央区日本橋小伝馬町10−11
そして、10cm幅,長さ50mの剥離紙に、前記実施例1,2(1)項の混合物が500μmの厚みに塗布され、ロール状に巻き取られた両面粘着テープを得た。
(3)前記(2)で作製した両面粘着テープを一般舗装道路補修部の断面に貼り付ける。
(4)前記(3)で断面に貼り付け囲んだ内側に、PK−4液体乳剤を規定量(0.4L/m2)散布する。
(5)前記(3)で断面に貼り付けた両面粘着テープから剥離紙をめくる。
(6)前記(5)の状態に、一般市販されている加熱アスファルト合材(再生密粒度アスファルト)を規定の厚さに敷き均し、プレートコンパクター,ローラ等で厚密になるように転圧する。再生密粒度アスファルトは、光アスコン株式会社(京都市伏見区横大路千両松町78)が製造したものである。PK−4液体乳剤は、前田道路株式会社 淀乳剤工場(京都府長岡京市勝竜寺蔵道13番地)で製造したものである。
【0036】
加熱アスファルト合材に接触した粘着剤は厚みが薄いので直ぐに全体が溶融する。そして、隣り合う既設表層と新設表層の境界部の断面の凹凸面に含浸し、接着面積が増大し一体化する。こため、粘着力が大きく、表面からの雨水の侵入と、境界部の骨材の飛散を高度に防止できる。
【0037】
本発明の他の舗装方法(第2)は、図6に示すように、隣り合う既設表層1,1の境界部の表面を覆って前記両面粘着テープ3を接着し、上面の剥離ライナーをはがす。次いで、残された前記粘着剤3aの上に砂などの付着防止材を散布する。
【0038】
〔粘着力測定結果〕
ここで、実施例1のテープの粘着力の測定結果は以下の通りであった。
直径 10cm、高さ 5cmの円柱体一方片の上面に、本発明テープを貼り、剥離紙をはがした。その上方を囲み、一方片の上に同じ寸法で加熱アスファルト合材を充填し、硬化させた。これが他方片となる。この円柱結合体(直径 10cm、高さ 10cm)の円中心部の上端から下端までを残して切除した。そして、1辺 3cmの正方形の端面を持ち、長さ 5cmの直方体一方片と他方片が接合された試験片(1辺 3cmの正方形の端面を持ち、長さ 10cm)を作った。
【0039】
この一体となった試験片を、水平に倒して長さ方向の両端を支持し、接合部の上方から下方に負荷棒で荷重をかけた。(3点曲げ試験)
その結果、(1)一方片がアスファルト、他方片が加熱アスファルト合材の場合、
724N(ニュートン)、(2)一方片がコンクリート、他方片が加熱アスファルト合材の場合、487N(ニュートン)であった。

【0040】
本発明により、接着力の優れた粘着剤を持ち、舗装境界部からの土砂の飛散と雨水の侵入を高性能のもとに防止できることとなった。このため、舗装の寿命を延長できる。さらには、道路維持のランニングコストも安価にできる。
また、舗装方法の発明では、工事規制時間の短縮と、交通渋滞等の緩和につながる。
【0041】
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、舗装用両面粘着テープおよび舗装方法、舗装構造に利用される。
【符号の説明】
【0043】
1 表層
2 路盤
3 両面粘着テープ
3a 粘着剤層
3b 剥離ライナー
4 接着剤層
5 アスファルト層
6 基層
図1
図2
図3
図4
図5
図6