特許第5857725号(P5857725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5857725
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】露光装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20160128BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
   G03F7/20 501
   H01L21/68 P
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-278158(P2011-278158)
(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公開番号】特開2013-130608(P2013-130608A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100930
【弁理士】
【氏名又は名称】長澤 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】美濃部 猛
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−045603(JP,A)
【文献】 特開昭63−141342(JP,A)
【文献】 特開2003−100619(JP,A)
【文献】 特開2011−124400(JP,A)
【文献】 特開2009−071065(JP,A)
【文献】 特開2006−210426(JP,A)
【文献】 特開2007−081450(JP,A)
【文献】 特開平04−226463(JP,A)
【文献】 特開平09−129546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
G03F 7/20−7/24、9/00−9/02
H01J 29/00−29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光照射部と、パターンを形成したマスクを保持するマスクステージと、
上記マスクに形成されたパターンが露光されるワークを保持するワークステージと、
上記ワークステージにワークを搬入搬出するワーク搬送機構とを備え、ワークの両面を同時に露光する両面装置に適用される露光装置において、
上記ワークステージは、上記ワークの一方の面の周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部と、該ワーク吸着保持部の内側に形成された貫通孔と、上記貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを備え、
上記支持部は、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きい偏平形状であるとともに、上記高さ方向は、支持するワークの平面に対して垂直な方向であり、上記厚み方向は上記ワークの平面に対して平行な方向であり、
上記支持部と上記ワーク吸着保持部の上記ワークの一方の面と接触する面は同一平面上にあり、上記支持部の両端は上記貫通孔の内壁に連結され、上記支持部とワーク吸着保持部は同一の材料で一体に形成されており、
上記ワーク搬送機構は、上記ワークの他方の面の一部を吸着して保持する搬送アームを備えている
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
上記支持部は、上記ワークステージから削り出されて形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限られた範囲しか支持や保持ができないワークを保持して露光するための露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、プリント基板、MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)、水晶振動子等を製造する工程においては、マスクに形成したパターンを基板(以下ワークとも呼ぶ)に露光(転写)する露光装置が使用される。
図7に、従来の露光装置の概略構成を示す。
露光装置10は、紫外線を出射する光照射部1、パターンが形成されたマスクM、このマスクMを保持するマスクステージ2、露光処理が行われるウエハやプリント基板、ガラス基板といったワークWを保持するワークステージ4、ワークステージ4上に保持されたワークW上にマスクMのパターン像を投影する投影レンズ3、ワークステージ4にワークWを搬入搬出するワーク搬送機構(不図示)などから構成される。なお、露光装置の中には、投影レンズを備えないものもある。
光照射部1は、露光光である紫外線を含む光を放射するランプ1aと、ランプからの光を反射するミラー1bなどを備える。
ワークステージ4の表面には、真空吸着孔(または真空吸着溝)4aが形成されている。ワークステージ4には配管11が接続され、この配管11を介して、真空吸着孔(真空吸着溝)4aに、ワークWを吸着保持するための真空が供給される。
【0003】
以下、上記露光装置の動作を簡単に説明する。
(1)不図示のワーク搬送機構により、露光装置10のワークステージ4上にワークWが置かれる。ワークステージ4の真空吸着孔(真空吸着溝)4aに真空が供給され、ワークWはワークステージ4上に吸着保持される。
(2)ワークステージ4への真空の供給は、露光処理中にワークWが移動しないように続けられる。
(3)露光処理が終わると、ワークWはワーク搬送機構(不図示)により、ワークステージ4から搬出される。
【0004】
図8図9を使って、図7の露光装置のワークステージ4の詳しい構造と動作について説明する。図8図9は、ワークステージ4の部分断面図であり、ワークの搬送機構からワークWを受け取り真空吸着保持するまでの動作を示す図である。
ワークステージ4には、ワーク搬送機構20のアーム21からワークWを受け取るためのピン5aが設けられている。そして、ワークステージ4にはこのピン5aが出入りするための貫通孔4cが形成されている。ピン5aはワークWを安定して支持できるように、ワークWの内側に当たる位置に複数(3本以上)設けられる。貫通孔4cはピン5aの数だけ設けられる。
ワークステージ4の一方の面側には、ピン5aを上下に駆動させるためのピン上下駆動手段5が設けられている。
ピン上下駆動手段5は、複数のピン5aを支持する台5b、台5bを上下させるエアシリンダ5dなどから構成される。このピン上下駆動手段5により複数のピン5aは、貫通孔4cを介して同期して上下する。
【0005】
(1)図8(a)に示すように、ワークWが、ワーク搬送機構20のアーム21上に保持されて、ワークステージ4上に搬送される。
(2)図8(b)に示すように、ピン上下駆動手段5によりピン5aが上昇し、ピン5aがアーム21からワークWを受け取る。
(3)図9(c)に示すように、ワーク搬送機構20のアーム21が図面右方向に退避し、ピン上下駆動手段5によりピン5aが下降する。ワークWはワークステージ4上に置かれる。真空吸着孔4aには真空が供給されており、ワークWはワークステージ4上に吸着保持される。
なお、ワーク搬送用のアームとワークステージとの間でのウエハの受け渡しを、ピンを用いて行う先行例として、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−141342号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ワークの中には、MEMSや水晶振動子などのように、両面にパターンが形成され、ワーク搬送機構やワークステージにおいて、支持保持のために接触が許される領域が制限されるものがある。例えば水晶振動子を製造するワークなどでは、ワークの形状は図10に示すように矩形状の水晶基板であるが、ワークの表裏とも、同図において斜線で示すような、ワークの周辺部と、形成されるパターンとパターンの隙間の一部、例えばワークの中心を通る十字状(図10(a))や直線状(図10(b))の、幅2mm〜3mm程度の狭い範囲しか、接触を許されないことがある。
従来は、上記したように、露光装置において、ワーク搬送装置のアームとワークステージとの間の受け渡しを、ピンを用いて行っている。ピンによりワークをバランスよく支持するためには、ピンはワークの内側の位置に、(一直線上ではない)少なくとも3ヶ所に配置しなければならない。しかし、例えば図10(b)に示すような、ワークの内側は直線状の範囲しか接触できない(支持できない)ワークの場合、バランスよくワークを支持できるようにピンを配置することは、実際には難しい。ワークの周辺部をピンで支持することも考えられるが、そのような配置にすると、ワークがピンから外れて落下する可能性がある。
【0008】
また、MEMSや水晶振動子などでは、微小化のために、ワークの厚さが400μmから100μm以下と薄くなっており、自重によるたわみが生じやすい。露光装置において、露光中のワークのたわみは露光精度に影響するので、ワークステージは、できるだけたわみが少なくなるようにワークを支持する必要がある。そのためには、接触が許された範囲全体を使ってワークを支持することが望ましい。
しかし、上記のように、ごく限られた範囲しか接触が許されないワークをワークステージに載置して露光処理を行う場合、ワークステージがワークをどのように支持するのか、ワーク搬送用のアームとワークステージとの間でのワークの受け渡しを、ピンを使わずにどのように行うのか、また、アームの挿入退避時におけるワークステージとの干渉をどのようにして防ぐのかといった(設計上の)問題が生じる。
本発明は上記問題点を解決するものであって、本発明の目的は、薄く、また、支持保持ができる範囲が限られたワークを露光する露光装置において、接触が許された範囲のみを保持しながら、ピンを使用しないで、ワーク搬送機構とワークステージ間でのワークの受け渡しを安定して確実に行い、また、ワークステージにおいては、自重たわみが少なくなるようにワークを保持できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明においては、ワークステージに貫通孔を設け、この貫通孔の周辺に、ワークの接触が許される領域である周辺部を吸着保持する真空吸着孔(溝)を有するワーク吸着保持部を設ける。また、上記貫通孔には、この貫通孔を横切って上記ワークの一方の面の接触が許される領域に接触する直線状の支持部を設け、上記支持部と上記ワーク吸着保持部の上記ワークの一方の面と接触する面が同一平面上にあるように構成する。上記支持部の両端は、上記貫通孔の内壁に連結し、上記支持部とワーク吸着保持部を同一の材料で一体に形成する。また、また、上記ワークを搬入、搬出するワーク搬送機構には、上記ワークの他方の面の接触が許容される領域を吸着して保持する搬送アームを設ける。
すなわち、本発明は以下のようにして前記課題を解決する。
(1)光照射部と、パターンを形成したマスクを保持するマスクステージと、上記マスクに形成されたパターンが露光されるワークを保持するワークステージと、上記ワークステージにワークを搬入搬出するワーク搬送機構とを備え、ワークの両面を同時に露光する両面装置に適用される露光装置において、上記ワークステージは、上記ワークの一方の面の周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部と、該ワーク吸着保持部の内側に形成された貫通孔と、上記貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを備え、上記支持部は、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きい偏平形状であるとともに、上記高さ方向は、支持するワークの平面に対して垂直な方向であり、上記厚み方向は上記ワークの平面に対して平行な方向であり、上記支持部と上記ワーク吸着保持部の上記ワークの一方の面と接触する面は同一平面上にあるように構成し、上記支持部の両端を上記貫通孔の内壁に連結し、上記支持部とワーク吸着保持部は同一の材料で一体に形成する。また、上記ワーク搬送機構は、上記ワークの他方の面の一部を吸着して保持する搬送アームを有する。
(2)上記(1)において、上記支持部を上記ワークステージから削り出して形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)ワークステージに、貫通孔と、この貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを設け、上記支持部とワーク吸着保持部のワークの一方の面と接触する面が同一平面上にあるように構成したので、ワークは、ワークステージのワーク吸着保持部と上記支持部とにより、接触が許された領域のみを支持して段差なく保持される。このため、露光中、ワークの自重たわみが最小限にとどめられ、露光精度の低下を防ぐことができる。
(2)ワーク搬送機構のアームは、ワークの他方の面(ワークステージにより支持される一方の面の反対側の面)を保持するので、アームとワークステージ間でのワークの受け渡しにおいて、ピンを使用することなく、ワークの搬入、搬出を安定して確実に行うことができる。また、ワークステージはワークの一方の面を支持するが、ワーク搬送機構のアームはワークの他方の面を支持するので、アームとワークステージとの干渉の心配もない。
(3)ワークステージの、ワークを支持しない中央部分を貫通孔としたので、ワークの両面を同時に露光する露光装置のワークステージとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の露光装置の概略構成を示す図である。
図2図1に示した装置のワークステージの例を示す斜視図(1)である。
図3図1に示した装置のワークステージの例を示す斜視図(2)である。
図4】支持部の他の形状例を示す図である。
図5】ワーク搬送機構のアームの形状例を示す図である。
図6】ワークの搬送動作を示す図である。
図7】従来の露光装置の概略構成を示す図である。
図8図7に示す露光装置のワークステージの構造と動作を説明する図(1)である。
図9図7に示す露光装置のワークステージの構造と動作を説明する図(2)である。
図10】ワークの形状例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の露光装置の概略構成を示す図であり、同図は、露光光の光軸に沿った平面で切った断面図を示している。前記図7に示した装置と同じ構成のものについては同一の符号が付されており、露光装置10は、紫外線を出射する光照射部1、マスクM、マスクステージ2、ワークWを保持するワークステージ4、ワークW上にマスクMのパターン像を投影する投影レンズ3、ワークWを搬入搬出するワーク搬送機構20などから構成される。光照射部1は、露光光である紫外線を含む光を放射するランプ1aと、ランプからの光を反射するミラー1bなどを備える。
図1において、従来の装置構成と異なるのは、ワークステージの構造と、ワーク搬送機構のアームがワークの表面側を保持する点である。
ワークステージ4には、開口部(貫通孔)6が設けられ、該開口部6の内部に支持部7が設けられる。上記開口部6の周辺部のワークステージ4の表面には、真空吸着孔4aが形成されている。また、ワークステージ4には配管11が接続され、この配管11を介して、真空吸着孔4aに、ワークWを吸着保持するための真空が供給される。上記真空吸着孔4aが設けられた上記開口部6の周辺のワークステージ表面をワーク吸着保持部8という。
なお、以下の説明においては、ワークWのワークステージ4が接触する側の面を一方の面、その反対側を他方の面と呼ぶ。
【0013】
図2図3は、図1の装置のワークステージの斜視図である。
図2は、ワークの内側の接触可能な領域が十字型であるワークに対応したステージであり、図3は、ワークの内側の接触可能な領域が直線状であるワークに対応したステージである。
ワークステージ4の中央部には、ワークWの大きさよりもやや小さい開口部(貫通孔)6が設けられ、この開口部6の内部には、ワークWの一方の面に接触してワークWを支持する支持部7が設けられている。
前述したようにワークステージ4の開口部6の周辺部がワークWの接触が許されている周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部8であり、ワーク吸着保持部8には、ワークWを吸着保持するための真空が供給される真空吸着孔4aが設けられている。ワーク吸着保持部8には段差がなく、ワークWの周辺部を全周にわたって支持する。
【0014】
開口部6には、開口(貫通孔)を横切ってワークWの一方の面に接触する支持部7が設けられている。この支持部7は、ワークWの接触が許容される領域の形状に合わせて形成されており、ワークの接触が許容される領域の形状は、通常前記図10に示したように直線状であり、支持部7もこれに合わせて直線状に形成され、支持部7の両端は、上記開口部6の内壁に連結される。
また、上記支持部7と上記ワーク吸着保持部8の上記ワークWの一方の面と接触する面は、段差が生じないように、同一平面上にあるように構成される。
吸着保持部8との間に段差が生じないようにするため、支持部7を上記ワークステージ4から削り出して形成することが考えられる。すなわち、ワイヤ放電加工と呼ばれる加工技術により、支持部7をワークステージ4から一体加工により削り出し(切り出し)、その後、上記吸着保持部8と高さを揃えて平面精度を上げるために、ワークステージとともに表面を削って作製する。
【0015】
なお、支持部7に相当する部材を別途加工し、ワークステージ4にねじ止めしたり、接着するなどにより取り付けて支持部7とすることもできるが、ワークステージ4のワーク吸着保持部8との間に段差が生じないように、平面度良く加工することが必要であり、上記支持部7とワーク吸着保持部8は同一の材料で一体に形成するのが望ましい。
支持部7は、図2図3に示すように、平板状(偏平形状)であり、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きく、高さ方向は、支持するワークWの平面に対して垂直な方向であり、厚み方向はワークWの平面に対して平行な方向である。支持部7のワークWと接触する表面は平面で段差(凹凸)はない。また、支持部7の厚みは約1mmであり、ここには真空吸着孔は形成されていない。
【0016】
ワークステージ4のワーク吸着保持部8と支持部7とにより、ワークWは一方の面の接触を許された領域全体を使って支持される。ワーク吸着保持部8の表面にも、支持部7の表面にも段差(凹凸)がなく、ワークWは自重たわみが最小になる状態で支持される。
なお、支持部7の形状は、必ずしも図2図3に示したように上下の辺が平行な板状である必要はなく、ワークの接触が許容される領域の形状によっては、支持部7に凹凸部を設けてよい。
図4は、上記支持部の他の形状例を示す図であり、前記図1と同様、ワークステージの断面構造を示したものである。同図に示すものは、支持部7の、ワークWの一方の面に対向する側の辺(上辺)を凹凸形状にしたものである。同図に示すように、ワークWの一方の面に対向する側の辺には、ワークWの接触が許容される領域の形状に合わせて凸部が形成され、接触が許容されない領域には凹部が形成される。ワークWと接触する面である支持部7の凸部の表面は、ワーク吸着保持部8との間に段差が生じないように平面に形成される。
【0017】
なお、本実施例において、ワークステージ4のワークWと接触しない部分を、凹部ではなく開口部(貫通孔)6としている。開口部6とした理由は、MEMSや水晶振動子を製造する露光装置として、ワークWの両面を同時に露光する両面露光装置が使用されることがあり、図2図3に示すワークステージ4は、この両面露光装置に適用できるように設計したためである。
即ち、ワークWの他方の面側を露光している時に、ワークWの一方の面側からもこの開口部6を介して露光光が照射されて露光が行われる。
【0018】
図1に戻り、ワーク搬送機構20は、ワークWを吸着保持するアーム21により、露光処理を行うワークWをワークステージ4に搬入し、また露光処理が終わったワークWを、ワークステージ4から搬出する機構である。アーム21は、ワークWの他方の面側を吸着保持し、吊下げるようにして搬送する。-
図5は、ワーク搬送機構20のアーム21を、ワークWを吸着する側から見た図である。アーム21の先端部には、ワークWを吸着保持するための真空が供給される直径1mm程度の真空吸着孔22が、ワークWの接触が許されている領域(同図においては十字状)に沿って複数形成されている。
【0019】
図6を用いて、ワークの搬送動作について説明する。
(1)図6(a)に示すように、ワークWが、ワーク搬送機構20のアーム21下に吸着保持されて、ワークステージ4上に搬送される。上記したように、アーム21はワークの他方の面側を吸着保持する。
(2)図6(b)に示すように、アーム21が下降し、ワークWの一方の面が、ワークステージ4のワーク吸着保持部8と支持部7の表面に接触する。ワーク吸着保持部8の真空吸着孔4aには、あらかじめ真空が供給されており、ワークWがワークステージ4に吸着保持される。
(3)図6(c)に示すように、アーム21に供給されている真空が停止し、ワークWはアーム21から外れる。アーム21が上昇する。
(4)図6(d)に示すように、アーム21がワークステージ4上から退避する。
(5)露光装置の光照射部1から露光光がパターンを形成したマスクMを介して照射され、ワークWの表面にマスクパターンが露光される。
(6)露光処理が終わったワークWは、ワーク搬送機構20により、上記とは逆の手順(図6(d)→(a))でワークステージ4から搬出される。
【符号の説明】
【0020】
1 光照射部
1a ランプ
1b ミラー
2 マスクステージ
3 投影レンズ
4 ワークステージ
4a 真空吸着孔
6 開口部(貫通孔)
7 支持部
8 ワーク吸着保持部
4a 真空吸着孔
10 露光装置
11 配管
20 ワーク搬送機構
21 アーム
M マスク
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10