(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、車体側面から駐車車両までの距離の測定は、検知範囲が円錐形状の超音波センサを利用して行われる。超音波センサは車体側面に付設され、車両の移動に伴って検知範囲が順次移動し、周囲の物体を検出する。このような超音波センサによる検出結果をマッピングした2次元マップを作成し、当該2次元マップ上の検出結果を時系列的に反転させて重なり度合いの高い位置から駐車車両の中心位置を推定している。このため、超音波センサが照射される駐車車両の車体表面(ボディ表面)が上述の時系列的に反転させる軸と垂直でない場合には正しく中心位置が計算されるとは限らず、誤差が大きくなってしまう可能性がある。また、時系列的に反転させる際、車体表面に対して垂直な軸を設定して反転させることも考えられる。しかしながら、演算量が膨大となり演算を速く終了させるには高性能な演算処理装置が必要となるのでコストアップの要因となる。また、反転させて重なり度合いの高い位置から駐車車両の中心位置を推定するので、線対称の障害物等が含まれない場合には、適切に推定することができない。
【0006】
更には、上記のように超音波センサを利用して駐車車両の形状を復元する際、例えば駐車車両の角部のような部位にあっては、円錐形状の検知範囲を持つ超音波センサでは車両前面へ到達する以前に、車両側面に対する超音波の反射を受信するため、駐車車両の角部の形状を正確に復元することができない。係る場合、接触防止の観点から復元した駐車車両の大きさを実際の駐車車両の大きさよりも大きく近似せざるを得なくなり、自車両の駐車予定領域を設定可能な範囲が狭く限定される可能性がある。また、例えば駐車車両が所定の駐車スペース内においていずれかの方向に寄って駐車されている場合には、駐車車両が前記所定の駐車スペースからはみ出して駐車されているように復元されることも考えられる。このため、実際には前記所定の駐車スペースに隣接する駐車スペースがあるにも拘らず、駐車予定領域が設定されないことも想定される。
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、自車を駐車させる目標駐車スペースを適切に設定することが可能な駐車支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る駐車支援装置の特徴構成は、
車両に搭載されると共に、発振した振動波に応じて反射波を取得した時に物体までの距離を算出する複数の物体検出部を備えた駐車支援装置であって、
前記物体検出部毎に、算出した各距離と車両の移動方向と移動速度とに基づいて物体の輪郭を示すデータを生成し、各データが示す物体の輪郭のうち互いに重複する
部分を特定し、特定した重複部分
の両端部を自車の側方に存在する他車の角部
として特定する角部特定部と、
前記特定された他車の角部に基づいて前記自車の目標駐車スペースを設定する目標駐車スペース設定部と、
を備え
、
複数の前記物体検出部は、少なくとも、前記自車の前部側に配置されると共に前記自車の側方に向けて振動波を出力する前部側検出部と、前記自車の後部側に配置されると共に前記自車の側方であって前記前部側検出部とは異なる方向に向けて振動波を出力する後部側検出部とを含む点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、自車の同じ側方の側において、異なる方向に向けて振動波を送信するので、他車の所定の部位に達する夫々の振動波の入射角を異ならせることができる。このため、振動波毎に反射波の方向も異なることになる。このような反射波のうち、他車の角部の形状に応じて適切に反射された反射波を用いることにより、当該他車の角部を精度良く特定することが可能となる。したがって、特定された角部を基準に自車を駐車させる目標駐車スペースを容易に、且つ、精度良く設定することができる。
【0011】
また、このような構成とすれば、他車の形状に応じて適切に反射したと想定される反射波により作成された形状データを用いて他車の形状を特定することができる。したがって、他車の角部を容易に特定することが可能となる。
【0013】
また、このような構成とすれば、一旦配設した物体検出部の位置も向きも変更する必要がない。このため、物体検出部から送信される振動波の方向を変更させるアクチュエータや制御装置等を備える必要が無いので、低コストで実現できる。
【0014】
また、前記
前部側検出部及び前記後部側検出部
のうちの一方は、前記自車の幅方向に対して前記自車の前方の側にオフセットした方向
に向けて前記振動波を出力し、
前記前部側検出部及び前記後部側検出部のうちの他方は、前記幅方向に対して前記自車の後方の側にオフセットした方向
に向けて前記振動波を
出力すると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、例えば他車の前方端部に対し右前方と左前方との異なる方向から振動波を送信することができる。したがって、異なる方向からの反射波を取得できるので、精度良く他車の角部を特定することが可能となる。
【0016】
或いは、前記
前部側検出部及び前記後部側検出部
のうちの一方は、前記自車の幅方向
に向けて前記振動波を出力し、
前記前部側検出部及び前記後部側検出部のうちの他方は、前記幅方向に対して前記自車の前方の側又は前記幅方向に対して前記自車の後方の側にオフセットした方向
に向けて前記振動波を
出力する構成としても良い。
【0017】
このような構成であっても、例えば他車の前方端部に対し正面と、右前方及び左前方の一方との異なる方向から振動波を送信することができる。したがって、異なる方向からの反射波を取得できるので、精度良く他車の角部を特定することが可能となる。
【0018】
また、前記角部特定部は前記他車の2つの角部を特定し、前記目標駐車スペース設定部は前記特定された2つの角部の中央位置を、前記自車が前記角部を検出した位置に達するまでの移動経路に沿って平行移動させて前記目標駐車スペースの前端位置を設定する構成とすると好適である。
【0019】
このような構成とすれば、目標駐車スペースの前端中央位置を容易に設定することができる。
【0020】
また、前記角部特定部は2台の前記他車について夫々2つの角部を特定し、前記目標駐車スペース設定部は
、前記他車毎に前記特定された2つの角部の
中央位置を求め、当該求めた2つの中央位置の間の中央位置を通り、前記2つの中央位置どうしを結ぶ線に直交する方向に沿って前記目標駐車スペースを設定すると好適である。
【0021】
このような構成とすれば、目標駐車スペースの向きを容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】駐車支援装置の構成を模式的に示した図である。
【
図2】駐車支援装置の構成を模式的に示した図である。
【
図3】物体検出部による検出結果及び他車の端部の特定結果の一例を示した図である。
【
図4】目標駐車スペースの設定に係る一連の処理を示した図である。
【
図5】その他の実施形態に係る駐車スペースの設定について示した図である。
【
図6】その他の実施形態に係る駐車スペースの設定について示した図である。
【
図7】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図8】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図9】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図10】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図11】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図12】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図13】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図14】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【
図15】その他の実施形態に係る物体検出部の配置例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る駐車支援装置100は、自車を駐車させる目標駐車スペースを精度良く設定する機能を有している。以下、本実施形態について詳細に説明する。
図1には、本駐車支援装置100の構成を模式的に示すブロック図が示される。
図1に示されるように駐車支援装置100は自車1に備えられ、物体検出部11、角部特定部12、目標駐車スペース設定部13の各機能部を備えて構成される。各機能部はCPUを中核部材として、目標駐車スペースSの設定に伴う種々の処理を行うための上述の機能部がハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0024】
物体検出部11は、自車1の走行中に、自車1から当該自車1の一方の側方の側の異なる方向に向けて振動波を送信する。自車1の一方の側方の側とは、自車1の左側方の側及び右側方の側の一方である。異なる方向とは、自車1の左側方の側及び右側方の側の夫々における異なる方向をいう。本実施形態では、左側方の側において一方がやや前向き、他方がやや後方向きといった異なる方向をいう。振動波とは、所定の周期で振幅しながら空中伝搬する信号である。
【0025】
本実施形態では、理解を容易にするために一方の側方の側が、自車1の左側方の側であるとして説明する。
図1にはこのような例が示され、振動波の送信範囲には符号Aが付されている。
図1に示されるように、自車1の左側方の側に振動波が送信され、且つ、自車1の左側方の側において複数の方向に振動波が送信される。
【0026】
本実施形態では、物体検出部11は複数備えて構成される。特に本実施形態では、
図1に示されるように、物体検出部11は2つから構成される。この2つの物体検出部11を区別する場合には、自車1の前部の側に配設されるものに符号11Fを付し、自車1の後部の側に配設されるものに符号11Rを付して説明する。
【0027】
物体検出部11は、自車1の幅方向に対して自車1の前方の側にオフセットした方向と、幅方向に対して自車1の後方の側にオフセットした方向とに向けて振動波を送信する。自車1の幅方向とは、自車1の前後方向に直交する方向をいう。
図1においては、符号Wを付して示される方向が相当する。自車1の前方の側にオフセットした方向とは、幅方向Wを基準として自車1の前方方向への方位角が鋭角の範囲にある方向をいう。
図1に示される例では、物体検出部11Fから送信される振動波の送信範囲Aの送信中心が、幅方向Wに対して前方の側に角度αだけオフセットして送信されている。
【0028】
一方、自車1の後方の側にオフセットした方向とは、幅方向Wを基準として自車1の後方方向への方位角が鋭角の範囲にある方向をいう。
図1に示される例では、物体検出部11Rから送信される振動波の送信範囲Aの送信中心が、幅方向Wに対して後方の側に角度βだけオフセットして送信されている。物体検出部11、すなわち物体検出部11F及び物体検出部11Rは、夫々、このような方向に向けて振動波を送信する。したがって、本実施形態では物体検出部11は、自車1の左側方の側において、幅方向Wを基準とした角度αの方向及び幅方向Wを基準として角度βの方向の複数の方向に振動波を送信する。このような物体検出部11は、例えば超音波センサやレーザーレーダを用いて構成することができる。
【0029】
また、物体検出部11は、異なる方向に向けて送信された振動波毎に、当該振動波に対する反射波を取得する。ここで、空中伝搬された振動波は、自車1の周囲に存在する物体に達すると反射される。物体検出部11は、このように反射された反射波を取得し、物体の形状及び自車1から物体までの距離を演算する。本実施形態における振動波は、
図1に示されるように自車1の走行に合わせて、左側方の側において2つの方向に送信されている。すなわち、自車1が
図1に示される位置から
図2に示される位置に達するまで、継続して2つの方向に対して振動波が送信されている。このため、自車1の移動に合わせて同じ物体からの反射波でも異なった結果となる。物体検出部11は、夫々の振動波毎に反射波を取得する。物体検出部11による取得結果は、後述する角部特定部12に伝達される。
【0030】
角部特定部12は、物体検出部11によって取得された反射波に基づいて、一方の側方の側に存在する他車2の角部2R、2Lを特定する。ここで、上述のように物体検出部11からは異なる方向に振動波が照射され、当該異なる方向に照射された振動波に応じた反射波が取得される。このため、物体検出部11は、前記異なる方向に応じて複数種に亘る振動波を取得する。したがって、物体検出部11によって取得された反射波とは、上記複数種に亘る反射波が相当する。角部特定部12には、物体検出部11によって取得された複数種に亘る反射波の取得結果が伝達される。また、本実施形態では一方の側方の側とは、左側方の側である。よって、角部特定部12は自車1の左側方の側に存在する他車2の角部2R、2Lを特定する。このような角部2R、2Lの特定に係る形態が
図3に示される。
【0031】
図3には、
図1の自車1の位置から
図2の自車1の位置まで走行した際に取得された射波に基づいて物体(他車2)の形状を示す形状データを作成した結果、すなわち異なる方向に向けて送信された振動波に対応して作成された他車2の形状を示す形状データが示される。このような形状データは、角部特定部12により各々作成される。本実施形態では、上述のように物体検出部11、すなわち物体検出部11F及び物体検出部11Rが、夫々、異なる方向に向けて振動波を送信する。そこで、角部特定部12は、物体検出部11Fから送信された振動波に対応する反射波を用いて形状データを作成すると共に、物体検出部11Rから送信された振動波に対応する反射波を用いて形状データを作成する。形状データは、反射波と当該反射波が取得された位置とをリンクして記憶し、公知のマッピング技術を用いて作成される。具体的には、物体検出部11F、11Rによる検出結果と、自車1の移動方向や移動速度を示す車両姿勢情報とから自車1の周囲の状況を示すマップを作成する。この場合、物体検出部11F、11Rの夫々の検出結果に基づく形状データは、1つのマップに重畳して示される。
図3には、
図1及び
図2に示したような自車1の左側に並列駐車された2台の他車2が示される。ここでは、2台の他車2に夫々符号2A、2Bを付して説明する。他車2A、2Bには、物体検出部11Fによる反射波に基づいて作成された形状データQFと、物体検出部11Rによる反射波に基づいて作成された形状データQRとが重畳して示される。以下では、物体検出部11Fによる反射波に基づいて作成された形状データQFと、物体検出部11Rによる反射波に基づいて作成された形状データQRとを区別する必要が無い場合には、物体検出部11による形状データQと称して説明する。
【0032】
図3には、物体検出部11Fによる反射波に基づいて作成された形状データQFと、物体検出部11Rによる反射波に基づいて作成された形状データQRとが示される。角部特定部12は、作成された形状データQの重複部分の両端部を他車2の角部2R、2Lとして特定する。作成された形状データQとは、
図3に示されるような物体検出部11による形状データQである。重複部分とは、同一の物体(他車2)からの反射波に基づく形状データQのうち重複する部分である。すなわち、
図3における物体検出部11Fによる形状データQFと、物体検出部11Rによる形状データQRとが重複する部分である。このような重複部分は、符号Cを付した範囲が相当する。
【0033】
重複部分Cは、物体検出部11Fによる形状データQFと、物体検出部11Rによる形状データQRとが互いに完全に重複する(一致する)部分とすることも可能であるし、或いは、物体検出部11Fによる形状データQFと、物体検出部11Rによる形状データQRとが所定の範囲内にある部分とすることも可能である。係る場合、重複部分Cは、以下のように特定することができる。上記のようにマッピング技術を用いて作成されたマップ上で、物体検出部11Fによる形状データQFと物体検出部11Rによる形状データQRとのうち、予め設定された距離内にある形状データQF、QRを採用する。一方、形状データQF及び形状データQRが互いに前記予め設定された距離より離れている場合には採用しない。このように信頼性のあるデータのみを用いるので、精度良く重複部分Cを特定することが可能となる。
【0034】
あるいは、上記のようにマッピング技術を用いて作成されたマップを所定の領域毎に区分けし、この領域内に物体検出部11Fによる形状データQFと物体検出部11Rによる形状データQRとが存在すれば、当該領域の形状データQを採用する形態とすることも可能である。このような場合であっても、精度良く重複部分Cを特定することが可能となる。
【0035】
角部特定部12は、このような重複部分Cの両端部を他車2の角部2R、2Lとして特定する。このような両端部は重複部分Cのうち、自車1の進行方向に対して最前点と最後点とから特定すると好適である。特に他車2Aに係る形状データにあっては符合2AR、2ALを付して説明し、他車2Bに係る形状データにあっては符合2BR、2BLを付して説明する。このように角部特定部12により特定された他車2の角部2R、2Lは、後述する目標駐車スペース設定部13に伝達される。
【0036】
目標駐車スペース設定部13は、特定された他車2の角部2R、2Lに基づいて自車1の目標駐車スペースSを設定する。特定された他車2の角部2R、2Lとは、角部特定部12により特定された角部2R、2Lである。本実施形態では、
図3に示されるように1台の他車2につき、2つの角部2R、2Lを特定する。目標駐車スペース設定部13は、このような角部2R、2Lに基づき目標駐車スペースSを設定する。
【0037】
図4を用いて、目標駐車スペース設定部13による目標駐車スペースSの設定に係る処理について説明する。まず、上述のように物体検出部11により、自車1の左側方の側の他車2の検出が行われる(ステップ#01)。
図4においても、他車2として2台(2A、2B)が駐車されている例を挙げて説明する。角部特定部12により反射波に基づき形状データQが作成される(ステップ#02)。
【0038】
このような形状データに基づき、角部特定部12により他車2Aの角部2AR、2AL、及び他車2Bの角部2BR、2BLが特定される(ステップ#03)。目標駐車スペース設定部13は、角部特定部12により特定された2つの角部2R、2Lの中央位置を求める。特定された2つの角部2R、2Lとは、1台毎の角部2R、2Lである。したがって、目標駐車スペース設定部13は、角部2ARと角部2ALとの中央位置E1を求めると共に、角部2BRと角部2BLとの中央位置E2を求める(ステップ#04)。
【0039】
目標駐車スペース設定部13は、更に中央位置E1と中央位置E2との中央位置Fを求める(ステップ#05)。この中央位置Fが目標駐車スペースSに自車1を駐車した際の車両前端の中央位置に相当する。
【0040】
目標駐車スペース設定部13は、特定された2つの角部2BR、2BLを結ぶ線に直交する方向に沿って目標駐車スペースSを設定する。すなわち、目標駐車スペース設定部13は、特定された2つの角部2BR、2BLを結ぶ仮想的な線Gが求められ、当該線Gに対して直交する仮想的な線Hが求められる(ステップ#06)。目標駐車スペース設定部13は、このような線Hがステップ#05で求めた中央位置Fを通るように平行移動させ、線Iが求められる(ステップ#07)。目標駐車スペース設定部13は、中央位置Fを前端中央部としつつ、線Iを中心に目標駐車スペースSを設定する(ステップ#08)。目標駐車スペースSは、既知の自車1のサイズに一致して設定しても良いし、自車1のサイズよりも多少、大きくなるように設定しても良い。本駐車支援装置100は、このようにして目標駐車スペースSを設定する。
【0041】
このように、本発明に係る駐車支援装置100によれば、自車1の同じ側方の側において、異なる方向に向けて振動波を送信するので、他車2の所定の部位に達する夫々の振動波の入射角を異ならせることができる。このため、振動波毎に反射波の方向も異なることになる。このような反射波のうち、他車2の角部2R、2Lの形状に応じて適切に反射された反射波を用いることにより、当該他車2の角部2R、2Lを精度良く特定することが可能となる。したがって、特定された角部2R、2Lを基準に自車1を駐車させる目標駐車スペースSを容易に、且つ、精度良く設定することができる。
【0042】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、他車2が自車1の移動経路に対して直交するように並列して駐車されている例を挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、自車1を縦列駐車させる目標駐車スペースSを設定する場合であっても本発明を適用することも当然に可能である。また、例えば、
図5に示されるように、自車1の移動経路に対して、他車2が直交しないように駐車されている場合であっても本発明を適用することは可能である。すなわち、物体検出部11による形状データQを取得し、これにより他車2の角部2R、2Lを求める。このように求めた角部2R、2Lの中央位置E1、E2を求め、更にこれらの中央位置Fを求めることにより目標駐車スペースSの前端中央位置を求めることが可能である。また、他車2Bの角部2BR、2BLを通る線Gに直交する線Hを求め、この線Hが中央位置Fを通るように平行移動させて線Iを求めることにより、目標駐車スペースSを適切に求めることができる。
【0043】
上記実施形態では、他車2が2台駐車されている状態を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。他車2が1台駐車されている場合であっても本発明を適用することは可能である。このような例が
図6に示される。角部特定部12により他車2の形状データQが作成され、他車2の角部2R、2Lが特定される。目標駐車スペース設定部13は、角部2R及び角部2Lの中央位置Eを求める。目標駐車スペース設定部13は、求めた中央位置Eを、自車1が角部2R、2Lを検出した位置に達するまでの移動経路Uに沿って平行移動させて目標駐車スペースSの前端位置を設定する。すなわち、目標駐車スペース設定部13は、角部2R、2Lを検出する所定距離前から角部2R、2Lを検出した位置に達するまでの移動経路Uに沿って中央位置Fを平行移動させる。この平行移動は、自車1を駐車するのに必要なスペースから予め規定されるXだけ行われる。この点をKとする。目標駐車スペース設定部13は、中央位置Eを通る角部2R、2Lを結ぶ線に直交する線Hを求め、上述の点Kを通る、線Hに平行な線Iを求める。目標駐車スペース設定部13は、この線Iに基づき目標駐車スペースSを設定する。このように、他車2が1台の場合であっても、適切に目標駐車スペースSを設定することが可能である。
【0044】
上記実施形態では、物体検出部11が2つ備えられているとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。物体検出部11を3以上備えて構成することも可能である。また、物体検出部11を1つで構成しても良い。係る場合、単一の物体検出部11から送信される振動波を順次異なる方向に切り替える構成とすると好適である。
【0045】
上記実施形態では、物体検出部11が自車1の左側方の側に向けて振動波を送信する例を挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。左側方の側に向けて振動波を送信する形態に代えて、右側方の側に向けて振動波を送信する形態とすることも可能であるし、左側方の側と共に、右側方の側にも振動波を送信する形態とすることも当然に可能である。
【0046】
上記実施形態では、物体検出部11Fが幅方向Wに対して前方側にオフセットし、物体検出部11Rが幅方向Wに対して後方側にオフセットして構成される例を挙げて説明した。
図7に示されるように、物体検出部11Fが幅方向Wに対して後方側にオフセットし、物体検出部11Rが幅方向Wに対して前方側にオフセットして構成することも可能である。このような夫々のオフセット量(角度α、β)は、同じ角度とすることも可能である。すなわち、物体検出部11Fが幅方向Wに対して後方側にオフセットする角度αと、物体検出部11Rが幅方向Wに対して前方側にオフセットする角度βとを同じ角度とすることも可能である。或いは、角度αと角度βとを夫々異なる角度に設定することも当然に可能である。
【0047】
更には、物体検出部11は、自車1の幅方向Wと、幅方向Wに対して自車1の前方の側又は幅方向Wに対して自車1の後方の側にオフセットした方向とに向けて振動波を送信する構成とすることも当然に可能である。すなわち、
図8に示されるように、物体検出部11Rが自車1の幅方向Wに向けて振動波を送信し、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の前方の側にオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。或いは
図9に示されるように、物体検出部11Fが自車1の幅方向Wに向けて振動波を送信し、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の後方の側にオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。
【0048】
また、
図10に示されるように、物体検出部11Rが自車1の幅方向Wに向けて振動波を送信し、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の後方の側にオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。或いは
図11に示されるように、物体検出部11Fが自車1の幅方向Wに向けて振動波を送信し、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の前方の側にオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。
【0049】
また、
図12に示されるように、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の前方の側に対して角度αだけオフセットした方向に向けて振動波を送信し、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の前方の側に対して角度αより小さい角度βだけオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。或いは、
図13に示されるように、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の前方の側に対して角度αだけオフセットした方向に向けて振動波を送信し、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の前方の側に対して角度αより小さい角度βだけオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。
【0050】
更には、
図14に示されるように、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の後方の側に対して角度αだけオフセットした方向に向けて振動波を送信し、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の後方の側に対して角度αより小さい角度βだけオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。或いは、
図15に示されるように、物体検出部11Fが幅方向Wに対して自車1の後方の側に対して角度αだけオフセットした方向に向けて振動波を送信し、物体検出部11Rが幅方向Wに対して自車1の後方の側に対して角度αより小さい角度βだけオフセットした方向に向けて振動波を送信する構成とすることも可能である。
【0051】
本発明は、車両の移動に合わせて駐車目標スペースを設定する駐車支援装置に用いることが可能である。