特許第5858034号(P5858034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5858034-無停電電源装置 図000002
  • 特許5858034-無停電電源装置 図000003
  • 特許5858034-無停電電源装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5858034
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20160128BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-268732(P2013-268732)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-126591(P2015-126591A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2014年12月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000199197
【氏名又は名称】千住金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田代 忠義
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕之
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−112080(JP,A)
【文献】 特開2002−027684(JP,A)
【文献】 特開平05−130740(JP,A)
【文献】 特開2013−110887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力交流電圧を整流して充電する充電回路と、この充電電圧を交流電圧に再変換するインバータと、正常時には上記入力交流電圧を上記充電回路を介すことなく正常時バイパス路を用いて負荷側に供給し、停電時には上記再変換した交流電圧を出力電圧として負荷側に供給する第1の切替回路とを有する無停電電源部と、
上記入力交流電圧を負荷に供給するための異常時バイパス路と、
上記無停電電源部からの出力電圧と、上記異常時バイパス路からの上記入力交流電圧とを上記無停電電源部からの出力電圧の検出出力に基づいて切り替える第2の切替回路と
前記第1および第2の切替回路に対する電圧供給状態によって前記無停電電源部の異常状態を監視する制御回路とが設けられた
ことを特徴とする無停電電源装置。
【請求項2】
上記第2の切替回路には上記無停電電源部からの出力電圧の検知手段が設けられ、
上記無停電電源部からの出力電圧が出力されないときには、上記第2の切替回路は上記異常時バイパス路側に切り替えられる
ことを特徴とする請求項1記載の無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、はんだ装置などのように装置稼働中の停電事故の発生を極力防止する必要のあるものに適用して好適な無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
殆どの装置は、稼働中に発生する停電事故に対して何らかの対策を施している。プリント基板に電子部品などを実装するときに使用されるはんだ装置などにも停電事故対策として無停電電源装置が装備されている場合が多い。
【0003】
無停電電源装置としては文献1〜3などが知られている。特許文献1に開示された無停電電源装置は、文献中の図5に示すように交流電源と負荷との間に接続される。この無停電電源装置は、切換装置14を有し、入力側の交流電圧がバイパス路15を介して直接供給されると共に、一方ではコンバータ12によって入力交流電圧が直流電圧に変換されたのちコンデンサ16に充電され、充電された電圧はインバータ13によって交流電圧に再変換される。再変換されたこの交流電圧が上述の切換装置14に供給される。
【0004】
入力側に交流電圧が給電されている場合には、バイパス路15側に切り替えられているので、入力側交流電圧そのものが負荷3に供給される。停電時は切換回路が動作して充電された交流電圧が負荷3に供給される。これによって停電が起きても負荷3を稼働できる。
【0005】
特許文献2に開示された無停電電源装置、特に図5に開示された無停電電源装置においても、特許文献1と同様な構成が採用されている。特許文献2におけるバイパス回路55と切換回路54とは、特許文献1のバイパス路15と切換装置14にそれぞれ相当し、特許文献2における回路51は特許文献1におけるコンバータ12からインバータ13までの回路系に該当する。
【0006】
また、特許文献3の図1に開示された無停電電源装置においても、バイパス経路と切替スイッチが設けられているが、これらは何れも特許文献1のバイパス路15と切換装置14に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−215345号
【特許文献2】特許2793264号
【特許文献3】WO2008−126820号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1〜3に開示された無停電電源装置は、何れも入力交流電圧が途絶えたとき、予め充電されていた電圧を使用することによって、停電時でも正常時と同じように駆動電圧を供給できるようにして無停電化を図っている。そのために、正常時に使用する電源路(入力交流電圧に対するバイパス経路)と、停電時に使用する電源路(充電電圧を利用する経路)を1系統ずつ設けている。
【0009】
何らかの原因でこの無停電電源装置がトラブルを起こし、入力交流源から正常に駆動電圧が供給されているにもかかわらず、無停電電源装置から稼働電圧が出力されない異常事態が発生した場合には、何ら対処する術がなく、停電状態と全く同じ異常状態が発現してしまう。
【0010】
このトラブルとは、例えば特許文献1を用いて説明するならば、切換装置14が正常に作動せず、インバータ13側に切り替えられたままの状態のとき、コンバータ12からインバータ13までの回路系に異常が発生し、正規の変換電圧が得られなくなるような場合が考えられる。この場合には、停電が発生していないにもかかわらず、負荷3を稼働できないという異常状態が生じてしまう。
【0011】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、無停電電源装置自体に異常状態が発生した場合でも、入力交流源からの駆動電圧を正常に負荷側に給電できるようにした無停電電源装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するためこの発明においては、入力交流電圧を整流して充電する充電回路と、この充電電圧を交流電圧に再変換するインバータと、正常時には上記入力交流電圧を上記充電回路を介すことなく正常時バイパス路を用いて負荷側に供給し、停電時には上記再変換した交流電圧を出力電圧として負荷側に供給する第1の切替回路を有する無停電電源部
上記入力交流電圧を負荷に供給するための異常時バイパス路と、
上記無停電電源部からの出力電圧と、上記異常時バイパス路からの上記入力交流電圧とを上記無停電電源部からの出力電圧の検知出力に基づいて切り替える第2の切替回路とからなる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明の構成によれば、無停電時であるにも拘わらず無停電電源部から出力電圧(入力交流電圧若しくは充電電圧を再変換した交流電圧)が出力されないときには、入力交流源側に接続された異常時バイパス路側に切替回路が切り替えられるように二重のバイパス路を設けることで、正常時には、入力交流電圧そのものを負荷側に供給し、無停電電源部自体に異常状態が発生した場合には、入力交流源からの駆動電圧(入力交流電圧)を異常時バイパス路を介して正常に負荷側に供給できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明に係る無停電電源装置の一例を示す要部構成図である。
図2】この発明に係る無停電電源装置の異常時における状態を示す構成図である。
図3】無停電電源装置の正常時および異常時、交流源の停電時におけるリレーの状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0015】
続いて、この発明に係る無停電電源装置の一例を、図面を参照して説明する。図1において、入力交流源(交流電源)100と負荷(はんだ装置など)150との間に無停電電源装置110が接続される。入力交流源100としてはAC200Vを例示する。無停電電源装置110は図示するように、無停電電源部110Aと入力交流源側に接続された異常時バイパス路110Bとで構成される。無停電電源部110Aの構成から説明する。
【0016】
無停電電源部110Aは入力交流源100が接続される一対の入力端子a、bと、負荷150が接続される一対の出力端子c、dを有する。電源スイッチ(パワースイッチ)101を介して供給された入力交流電圧はノイズフィルタ(NF)104によって入力交流電圧に混入したノイズ成分が除去された後、入力端子a(分岐点p)を経て正常時バイパス路102を介して第1の切替回路103に供給される。
【0017】
第1の切替回路103としてこの例ではリレースイッチが使用される。リレースイッチは第1のリレー回路103Bと第1の切替スイッチ103Aとで構成され、入力交流電圧は第1の切替スイッチ103Aの接点e側に供給される。第1のリレー回路103Bは端子a(分岐点p),bに供給された入力交流電圧によって作動し、第1のリレー回路103Bが作動している間は接点e側に切り替わっている(図1破線図示)が、入力交流電圧が無くなると接点f側に切り替わり、図1実線図示ように自動復帰する。
【0018】
一方、ノイズフィルタ104及び入力端子aを経た入力交流電圧は充電系にも供給される。この例ではコンバータ(整流回路)105によって整流され、整流された直流電圧は、インバータ106によって交流電圧に再変換された後、上述した第1の切替スイッチ103Aのうち、他方の接点f側に供給される。再変換された交流電圧は入力交流源100の停電時に使用されるが、その詳細は後述する。
【0019】
整流された直流電圧は逆流阻止用の第1のダイオード108を介して充電回路120に供給されて充電される。充電回路120は周知のように充電用のダイオードとコンデンサとで構成され、このコンデンサに所定の直流値となるまで充電が行われる。
【0020】
充電電圧は入力交流源100の停電時にその代替用として使用されるもので、第2の逆流阻止用のダイオード121を介してインバータ106に供給されて、入力交流電圧と同じ周波数と電圧値を有する交流電圧に変換される。
【0021】
第1の切替回路103が存在することで、無停電電源部110Aの第1の切替回路103(第1の切替スイッチ103A)からの出力電圧(出力端子cからの出力電圧)としては、正常時バイパス路102を経由した入力交流電圧か、充電電圧を再変換した交流電圧が得られることになる。
【0022】
切替スイッチ107としては、例えば電源スイッチ(パワースイッチ)101のオン/オフに連動して、オン/オフする機械式の連動スイッチを使用することができる。
続いて、無停電電源装置110に設けられた異常時バイパス路110Bについて説明する。この異常時バイパス路110Bは出力端子c側に設けられた第2の切替回路125と、入力交流電圧路側に設けられた第3の切替回路130を有する。
【0023】
第2および第3の切替回路125,130としてこの例では何れもリレースイッチが使用されている。したがって、第2の切替回路125は上述と同じく切替スイッチ(第2の切替スイッチ)125Aと第2のリレー回路125Bとで構成され、第3の切替回路130も第3の切替スイッチ130Aと、これを切り替え制御する第3のリレー回路130Bとで構成される。第3の切替スイッチ130Aは図示するように1回路1接点式の開閉スイッチが使用される。
【0024】
第2のリレー回路125Bは出力端子c、dの出力電圧を検知する検知手段として機能し、出力電圧の有無で第2のリレー回路125Bの付勢状態が制御される。
【0025】
この異常時バイパス路110Bにあって、第3の切替スイッチ130Aには電源スイッチ101及びノイズフィルタ104を経由した入力交流電圧が供給されると共に、第3のリレー回路130B自体もこの入力交流電圧によって作動するようになされている。
【0026】
第3の切替スイッチ130Aの出力である入力交流電圧は、第2の切替スイッチ125Aの他方の接点hに供給されるも、ここに設けられた第2のリレー回路125Bの駆動源としては、接点g側、つまり無停電電源部110Aの出力端子c,eに得られる出力電圧が利用される。第2のリレー回路125Bは出力端子c、dに得られる出力電圧の検出手段として機能する。
【0027】
第2の切替スイッチ125Aは第2のリレー回路125Bが作動状態にあるとき、つまり出力電圧が出力されている状態では接点g側に切り替わっている(図1破線図示)。一方、第3の切替スイッチ130Aは電源スイッチ101に連動して切り替わる。電源スイッチ101を入れると、第3のリレー回路130Bが付勢されて、第3の切替スイッチ130Aがオン状態(破線図示の状態)となる。
【0028】
上述した構成で、第1と第3のリレー回路103B,130Bに供給される入力交流電圧(端子b’およびa’)および第2のリレー回路125Bに得られる出力電圧(端子c’)は、さらに制御回路140にも供給される。
制御回路140は無停電電源部110A全体を制御するものであるが、さらにこの制御回路140には表示部142が接続され、入力交流源などの状態によってその表示状態が制御される。詳細は後述する。
【0029】
第1の切替回路103に使用されている第1のリレー回路103Bの駆動源としては分岐点pに得られる入力交流源を利用したが、電源スイッチ101の出力交流電圧そのもの(点q)を利用することもできるので、その場合には点qに得られる入力交流電圧が制御回路140にも供給されることになる。このように構成された無停電電源装置110の動作について図1以下を参照して説明する。
【0030】
(電源オフ時の動作)
図1は、電源スイッチ(パワースイッチ)101のオフ状態を示す。電源スイッチ101が未だオフであるため、連動する切替スイッチ107もオフ(図1実線図示)となっている。
【0031】
電源が入っていないので、第1〜第3のリレーLa〜Lcは何れもオフ(滅勢)の状態となっているため、負荷150への駆動電圧の供給はなされない。
【0032】
(正常時の動作説明)
図1を用いて説明する。電源スイッチ101をオンにすると、切替スイッチ107もオン(図1破線図示)となるとともに、無停電電源装置110への給電が開始し、入力交流電圧はノイズフィルタ(NF)104を介して正常時バイパス路102とコンバータ105とにそれぞれ印加される。このとき、第1のリレー回路103Bにも電源スイッチ101を介して入力交流電圧が印加されるため、この第1のリレー回路103Bへの通電によって第1の切替スイッチ103Aは接点e側に切り替わる(図1破線図示)。この切り替えによって無停電電源部110Aの出力端子c、dには入力交流電圧そのものが出力される。
【0033】
出力端子c、dに得られる入力交流電圧は切替スイッチ107を介て第2のリレー回路125Bにも通電されることになるから、第2の切替スイッチ125Aは接点g側に切り替わるので(図1破線図示)、負荷150には所定の入力交流電圧が供給されることになり、負荷150を正常に稼働できる。
【0034】
なお、電源スイッチ101をオンすることで第3のリレー回路130Bも通電されることになるので、第3の切替スイッチ130Aは破線図示のように切り替わるが、第2の切替スイッチ125Aは接点g側(破線図示側)に切り替わっているので、第3の切替スイッチ130Aを介して入力交流電圧が負荷150に供給されることはない。
【0035】
この正常状態のとき、ノイズフィルタ104を介してコンバータ105に入力交流電圧が供給されるからこのコンバータ105の作用で入力交流電圧は所定の直流電圧に変換される。この変換直流電圧は後段のインバータ106を介して第1の切替スイッチ103Aにも供給されると共に、第1の逆流阻止用のダイオード108を介して充電回路120にも供給される。充電回路120は負荷150が必要とする充電容量を満たすように充電定数などが選定されている。
【0036】
充電回路120の出力は第2の逆流阻止用のダイオード121を介してインバータ106に供給されて、所定の交流電圧に再変換される。所定の交流電圧とは負荷150が要求する入力周波数と電圧値であって、この入力周波数と電圧値とは上述した制御回路140からの信号によって設定される。
【0037】
(停電時の動作)
何らかの原因で停電が発生したときには、入力交流源100からの入力交流電圧が途絶えるため、正常時バイパス路102を流れる入力交流電圧はゼロとなると共に、第1のリレー回路103Bへの通電が停止するので、第1の切替スイッチ103Aは接点f側に自動的に切り替わる(図1実線図示)。その結果、出力端子c、dには所定の出力電圧(充電電圧)が維持されることになるため、負荷150への給電系統は充電回路系へと自動的に切り替わり、停電時でも所定の出力電圧を負荷150に供給することができる。
【0038】
停電時でも、電源スイッチ101及び電源スイッチ101と連動する切替スイッチ107はオン状態を保持したままであるから、停電が復旧した際には、上述した通常の動作モードに自動的に切り替わる。
【0039】
なお、本発明をはんだ装置に適用する場合、充電回路の容量が小容量であるときには、給電系が充電回路120の系に切り替わった際に、大容量を必要とするヒータには給電せず、装置内にある仕掛かり中のワークを装置外に排出するための搬送系のみに給電するように制御を実行する等、適宜設定可能である。
【0040】
(異常時の動作)
無停電電源部110Aに異常事態が発生する場合がある。図2を参照して説明する。この異常事態とは停電が発生していないにも拘わらず、無停電電源部110Aから出力電圧が得られなくなる場合である。
【0041】
このような事態が希に発生することがある。例えば第1のリレー回路103Bが断線などを起こして第1の切替スイッチ103Aが実線図示の状態に自動的に切り替わってしまった状態のとき、さらに充電回路系のうち第1の逆流阻止用ダイオード108が切れ、入力交流源があるにも拘わらず充電処理が停止してしまうような場合である。
【0042】
このような場合には、ある時間(推奨時間)が経過すると、充電回路120の出力が低下し、やがては負荷150が稼働停止に追い込まれる。あるいは、逆流阻止用のダイオード121が断線したりすると、断線と同時に負荷150への給電が停止してしまう。このような異常事態を回避する必要がある。
【0043】
この異常事態では入力交流電圧が存在するので、第3のリレー回路130Bは付勢された状態を維持している。したがって図2のように第3の切替スイッチ130Aはオン状態(破線図示)となっている。
【0044】
一方、逆流阻止用のダイオード108が断線したような場合には、充電回路120の出力が次第に低下し出力端子c側の出力電圧がゼロになると第2のリレー回路125Bは滅勢されることになり、第2の切替スイッチ125Aは接点g側(図2実線図示)から接点h側(破線図示)の状態に自動復帰する。この第2および第3の切替回路125,130によって、入力交流源100と負荷150との間には異常時バイパス路110Bが形成され、負荷150に対する駆動電圧の供給が行われる。
【0045】
その結果、無停電電源部110Aに異常が発生した場合でも、この異常時バイパス路110Bを介して負荷150には正常状態と同じ稼働電圧を供給できるようになる。つまり、異常時にも動作するように二重のバイパス路を設けることで異常時の事故を回避できる。
【0046】
このような異常状態は早期に告知して、一刻も早く復旧させなければならない。そのため、無停電電源部110Aの異常状態を監視する制御回路140と表示部142とが設けられ、この例では制御回路140に対して第1〜第3のリレー回路103B,125Bおよび130Bの通電状態を把握できるように、これら第1〜第3のリレー回路103B,125Bおよび130Bへの電圧供給状態が監視される。
【0047】
図3に示す状態遷移図からも明らかなように、正常時には第1〜第3のリレーLa〜Lcは何れも付勢状態(オン状態)であり、停電時は第1と第3のリレーLa、Lcが滅勢状態(オフ状態)となっている。そして入力交流電圧が供給されているにも拘わらず出力端子c、dに出力電圧が得られないとき、つまり異常状態では、逆流阻止用のダイオード108が断線したようなときは、充電回路120の出力がある間は第2のリレーLbは付勢され続けるが、出力が無くなると、第2のリレーLbは滅勢する。上述した設例では第1のリレーLaには入力交流電圧が供給されているにも拘わらず、これが断線等によって正常に作動していない状態(オフ状態と等価)となっているので、便宜的に第1のリレーLaはオフ状態として示す。
【0048】
このように第1〜第3のリレーLa〜Lcの通電状態を監視することで、無停電電源装置110の動作状態を的確に把握できる。
【0049】
なお、上述した異常状態のとき電源スイッチ101のオフに連動して第3の切替回路130もオフして、負荷150への通電状態がオフとなる。この第3の切替回路130は、切替スイッチ107と同様に、電源スイッチ101のオン/オフに連動してオン/オフさせるスイッチ構成であっても良い。第3の切替回路130は、必要に応じて設けられ、省くことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
無停電化を実現する必要のある装置(はんだ装置など)に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
150 負荷
110 無停電電源装置
110A 無停電電源部
110B 異常時バイパス路
102 正常時バイパス路
103,125,130 切替回路
103A,125A,130A 第1〜第3の切替スイッチ
103B,125B,130B 第1〜第3のリレー回路
La〜Lc 第1〜第3のリレー
106 インバータ
107 切替スイッチ
120 充電回路
108,121 逆流阻止用ダイオード
140 制御回路
142 表示部
図1
図2
図3