特許第5858675号(P5858675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5858675
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】部品実装ライン
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20160128BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
   H05K13/04 Z
   H05K13/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-166226(P2011-166226)
(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公開番号】特開2013-30641(P2013-30641A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】天野 雅史
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−133509(JP,A)
【文献】 特開平10−247800(JP,A)
【文献】 特開2010−063090(JP,A)
【文献】 特開2010−198642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の搬送経路に沿って配列された複数台の装置を使用して回路基板に部品を実装する部品実装ラインにおいて、
前記複数台の装置と無線LANで接続されるタブレットコンピュータを備え、
前記タブレットコンピュータを前記複数台の装置の共用モニタとして使用するために、前記複数台の装置の表示機能及び入力機能を実現するプログラムを前記タブレットコンピュータに搭載して該タブレットコンピュータの画面に各装置の表示/入力画面を表示させて各装置のユーザーインターフェースを共通化し、
前記各装置は、前記タブレットコンピュータに対して画面遷移の指示と作業者による入力の指示を伝送する機能を備え
作業者が前記タブレットコンピュータの画面に表示された前記各装置に関する情報表示を見て確認しながら、前記各装置からの入力の指示に従って前記タブレットコンピュータを操作して前記各装置に対する入力操作を行うように構成されていることを特徴とする部品実装ライン。
【請求項2】
前記タブレットコンピュータの画面に表示する前記各装置の表示/入力画面を共通化したことを特徴とする請求項1に記載の部品実装ライン。
【請求項3】
前記タブレットコンピュータと前記各装置は、互いにリモートプロシージャコールによって他方の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させる機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装ライン。
【請求項4】
前記タブレットコンピュータと前記各装置との間のインターフェースは、インターフェース記述言語によって記述されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品実装ライン。
【請求項5】
前記複数台の装置のうちの少なくとも一部の装置にはカメラが搭載されて、該装置から該カメラの画像データを前記タブレットコンピュータに伝送し、
前記タブレットコンピュータには、前記カメラの画像データを処理する画像処理プログラムが搭載され、
該タブレットコンピュータは、受信した前記カメラの画像データを前記画像処理プログラムで処理して、その処理結果を前記カメラが搭載された装置に伝送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の部品実装ライン。
【請求項6】
画面サイズが異なる複数のタブレットコンピュータを備え、
各タブレットコンピュータは、画面サイズに応じて画面構成要素を切り換える機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品実装ライン。
【請求項7】
前記タブレットコンピュータは、前記複数台の装置に対して、起動指示、シャットダウン指示、生産開始指示、生産停止指示のうちの少なくとも1つの指示を伝送する機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の部品実装ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の搬送経路に沿って配列された複数台の装置を使用して回路基板に部品を実装する部品実装ラインに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、部品実装ラインでは、回路基板の搬送経路に沿って半田印刷機、部品実装機、外観検査機等の複数台の装置が配列され、各装置にそれぞれモニタ(表示機能と入力機能)が設けられ、各装置毎に作業者が各装置の設定情報等のモニタ表示を見て確認しながら、適宜、各装置の設定情報等をモニタ画面のタッチ操作等で入力できるようになっている。
【0003】
更に、特許文献1(特開2004−133509号公報)では、部品実装ラインに配列された複数台の装置の生産を管理するホストコンピュータに対して携帯情報端末を無線接続し、ホストコンピュータから携帯情報端末に送信されてくる装着機情報図等を携帯情報端末の表示画面に表示させるようにしている。
【0004】
また、特許文献2(特開平10−247800号公報)では、部品実装機のユーザインターフェイスにおいて、ユーザの入力操作によって新旧のユーザインターフェイスを切り替え可能に構成して、使用するユーザインターフェイスのバージョンを作業者(ユーザ)が選択できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−133509号公報
【特許文献2】特開平10−247800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1では、ホストコンピュータから送信されてくる装着機情報図等を携帯情報端末の画面に表示するようにしているため、作業者は、ホストコンピュータのモニタの画面を見に行かなくても、携帯情報端末を携帯することで、部品実装ラインの周囲のどの位置からでも、携帯情報端末の画面上で装着機情報図等を確認できる利点があるが、ホストコンピュータから送信されてくる装着機情報図等を携帯情報端末の画面に表示するだけであるため、部品実装ラインを構成する各装置の情報は、各装置のモニタの場所まで逐一見に行かなければならず、作業効率が悪い。
【0007】
しかも、部品実装ラインを構成する各装置は、オペレーティングシステムの違いや入力装置(タッチパネル、キーボード、マウス等)の違いにより、ユーザインターフェイスが異なるため、各装置毎(ユーザインターフェイス毎)に操作方法等を習得する必要がある。
【0008】
そこで、前記特許文献2では、作業者の入力操作によって新旧のユーザインターフェイスを切り替え可能に構成して操作性を向上させるようにしているが、部品実装ラインを構成する各装置の入力案内等の情報は、各装置のモニタ(ユーザインターフェイス部)に表示されるため、各装置のユーザインターフェイスを切り替える際に、作業者が各装置の入力案内等の情報を各装置のモニタの場所まで逐一見に行って、各装置毎に入力案内等の表示に従って入力操作して新旧のユーザインターフェイスを切り替えなければならず、作業効率が悪い。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、部品実装ラインを構成する複数台の装置に対する作業を効率良く行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、回路基板の搬送経路に沿って配列された複数台の装置を使用して回路基板に部品を実装する部品実装ラインにおいて、前記複数台の装置と無線LANで接続されるタブレットコンピュータを備え、前記タブレットコンピュータを前記複数台の装置の共用モニタとして使用するために、前記複数台の装置の表示機能及び入力機能を実現するプログラムを前記タブレットコンピュータに搭載して該タブレットコンピュータの画面に各装置の表示/入力画面を表示させて各装置のユーザーインターフェースを共通化し、前記各装置は、前記タブレットコンピュータに対して画面遷移の指示と作業者による入力の指示を伝送する機能を備え、作業者が前記タブレットコンピュータの画面に表示された前記各装置に関する情報表示を見て確認しながら、前記各装置からの入力の指示に従って前記タブレットコンピュータを操作して前記各装置に対する入力操作を行うように構成したものである。
【0011】
この構成では、部品実装ラインを構成する複数台の装置の表示機能及び入力機能をタブレットコンピュータに持たせて、各装置のユーザーインターフェースを共通化し、各装置からタブレットコンピュータに対して画面遷移の指示と作業者による入力の指示を伝送するようにしているため、部品実装ラインの周囲のどの位置からでも、作業者が1台のタブレットコンピュータを操作して複数台の装置に関する情報表示を見て確認しながら、各装置にデータの入力等の作業を行うことができる。しかも、各装置のユーザーインターフェースが共通化されているため、各装置に対する入力操作が容易であり、作業を効率良く行うことができる。
【0012】
この場合、請求項2のように、タブレットコンピュータの画面に表示する各装置の表示/入力画面を共通化するようにすると良い。このようにすれば、各装置に対する入力操作が更に容易となる。
【0013】
また、請求項3のように、タブレットコンピュータと各装置は、互いにリモートプロシージャコール(RPC:Remote Procedure Call )によって他方の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させるようにしても良い。このようにすれば、タブレットコンピュータと各装置とが物理的に分離されていても、各装置は、タブレットコンピュータの制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させ、その処理結果だけを受けとることができ、同様に、タブレットコンピュータは、各装置の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させ、その処理結果だけを受けとることができる。
【0014】
また、請求項4のように、タブレットコンピュータと各装置との間のインターフェースは、インターフェース記述言語(IDL:Interface Description Language)によって記述すれば良い。インターフェース記述言語は、プログラミング言語に依存しない形式でインターフェイスを記述するため、タブレットコンピュータと各装置のオペレーティングシステムやプログラミング言語が異なっていても、インターフェース記述言語を用いることで、オペレーティングシステムやプログラミング言語の違いに制限されることなく、タブレットコンピュータと各装置との間の通信が可能となる。
【0015】
また、請求項5のように、複数台の装置のうちの少なくとも一部の装置にはカメラが搭載されて、該装置から該カメラの画像データをタブレットコンピュータに伝送し、タブレットコンピュータには、カメラの画像データを処理する画像処理プログラムが搭載され、該タブレットコンピュータは、受信したカメラの画像データを前記画像処理プログラムで処理して、その処理結果を前記カメラが搭載された装置に伝送するようにしても良い。このようにすれば、各装置毎に画像処理プログラムを搭載する必要がなく、各装置のプログラム構成を簡単化することができる。
【0016】
また、請求項6のように、画面サイズが異なる複数のタブレットコンピュータを備え、各タブレットコンピュータは、画面サイズに応じて画面構成要素(例えばボタン、リストビュー、コンボボックス等)を切り換える機能を備えた構成としても良い。このようにすれば、画面サイズに応じて、作業者が操作しやすい画面構成要素に切り換えることができる。
【0017】
また、請求項7のように、タブレットコンピュータは、複数台の装置に対して、起動指示、シャットダウン指示、生産開始指示、生産停止指示のうちの少なくとも1つの指示を伝送する機能を備えた構成としても良い。このようにすれば、複数台の装置に対して、起動、シャットダウン、生産開始、生産停止、生産停止の操作を極めて容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の一実施例における部品実装ラインの各装置と機外撮像装置とタブレットPCとを無線接続するネットワークの構成例を示すブロック図である。
図2図2はタブレットPCの使用例を説明するブロック図である。
図3図3はタブレットPCの画面に部品実装機と外観検査機の表示/入力画面を並べて表示する一例を説明する図である。
図4図4はタブレットPCの画面に各装置間で共通の表示/入力画面を表示する一例を説明する図である。
図5図5はタブレットPCと各装置の間においてリモートプロシージャコール(RPC)によって他方の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させる処理を説明する図である。
図6図6は各装置のカメラの画像データをタブレットPCに伝送して画像処理する手法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいて部品実装ライン全体の構成を説明する。
部品実装ライン11は、回路基板の搬送経路に沿って半田印刷機12、複数台の部品実装機13、外観検査機14等の複数台の装置が配列され、各装置12〜14には、それぞれ非常停止スイッチ(図示せず)が設けられている。各装置12〜14の動作中に、作業者がいずれかの装置の非常停止スイッチを操作すれば、当該装置の動作が直ちに停止して安全性を確保するようになっている。
【0020】
この部品実装ライン11の各装置12〜14の全部又は一部の装置は、モニタ(表示機能及び入力機能)を省略した簡素な構成とし、その代わりに、各装置12〜14に対して、IEEE802.11n等の無線LANで接続される1台又は複数台のタブレットコンピュータ(以下「タブレットPC」という)15を備えた構成となっている。タブレットPC15は、平板状に形成された携帯可能なパーソナルコンピュータであり、タッチパネル式等の表示機能及び入力機能を備えている。このタブレットPC15は、部品実装ライン11の各装置12〜14の表示機能及び入力機能を実現するプログラムがインストールされ、タブレットPC15の画面に各装置12〜14の表示/入力画面を表示させて各装置12〜14のユーザーインターフェースを共通化することで、各装置12〜14の共用モニタとして使用される。
【0021】
更に、タブレットPC15には、マルチ操作画面機能や、部品実装ライン11の複数台の装置12〜14の中から操作対象となる装置を自動/手動で選択する機能を搭載しても良い。前述したように、部品実装ライン11の各装置12〜14にそれぞれ非常停止スイッチを設けているが、タブレットPC15にも、各装置12〜14の非常停止スイッチの機能を設けるようにしても良い。
【0022】
図3に示すように、各装置12〜14は、タブレットPC15に対して画面遷移の指示と作業者による入力(画面操作)の指示を伝送する機能を備えている。タブレットPC15に各装置12〜14毎の画面構成プログラムをインストールして、タブレットPC15の画面に、2台以上の装置(例えば部品実装機13と外観検査機14)の表示/入力画面を並べて表示するようにしても良いし、1台の装置のみの表示/入力画面を表示するようにしても良い。例えば、部品実装機13と外観検査機14からの画面遷移の指示によって、タブレットPC15に表示する画面が、メンテナンス画面、データ作成画面、自動運転画面等の順に又はその逆順に遷移する。
【0023】
或は、タブレットPC15に各装置12〜14間で共通となる画面構成プログラムをインストールして、図4に示すように、タブレットPC15の画面に、各装置12〜14間で共通の表示/入力画面を表示するようにしても良い。この場合も、各装置12〜14(部品実装機13、外観検査機14等)からの画面遷移の指示によって、タブレットPC15に表示する共通画面が、メンテナンス画面、データ作成画面、自動運転画面等に順に又はその逆順に遷移する。
【0024】
更に、タブレットPC15は、複数台の装置12〜14に対して、起動指示、シャットダウン指示、生産開始指示、生産停止指示、データ伝送等のうちの少なくとも1つの指示を伝送する機能を備えている。このようにすれば、集約された操作モニタであるタブレットPC15を操作するだけで、複数台の装置12〜14に対して、起動、シャットダウン、生産開始、生産停止、生産停止、データ伝送等の操作を極めて容易に行うことができる。
【0025】
また、部品実装ライン11の各装置12〜14で使用する画像処理データを作成するために、タブレットPC15とIEEE802.11n等の無線LANで接続される1台又は複数台の機外撮像装置21が設置されている。この機外撮像装置21は、図示はしないが、カメラと光源を内蔵し、画像処理データ作成の対象となる部品等の撮像対象物を照明して撮像するようにしている。
【0026】
各機外撮像装置21は、IEEE802.11n等の無線LANでタブレットPC15に接続され、各機外撮像装置21で撮像した画像を処理して画像処理データを作成する画像処理データ作成機能(画像処理プログラム)は、タブレットPC15に搭載されている。従って、各機外撮像装置21毎に機外データ作成機を設ける必要はない。
【0027】
また、図1に示すように、部品実装ライン11とは別に記憶装置25(ネットワーク接続ストレージ)が設置され、この記憶装置25がタブレットPC15と無線LANで接続されている。タブレットPC15は、部品実装ライン11の各装置12〜14の生産状況を管理するホストコンピュータとしての機能が搭載され、このタブレットPC15で管理する部品実装ライン11の生産管理情報が記憶装置25に記憶される。
【0028】
本実施例では、図5に示すように、タブレットPC15と各装置12〜14は、互いにリモートプロシージャコール(RPC:Remote Procedure Call )によって他方の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させるようにしている。このようにすれば、タブレットPC15と各装置12〜14とが物理的に分離されていても、各装置12〜14は、タブレットPC15に対して指示/データを伝送して、タブレットPC15の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させ、その処理結果(指示/データ)だけを受けとって生産を開始することができる。同様に、タブレットPC15は、各装置12〜14に対して指示/データを伝送して、各装置12〜14の制御プログラム内のサブルーチンを呼び出して実行させ、その処理結果だけを受けとってタブレットPC15の画面に表示することができる。
【0029】
この場合、タブレットPC15と各装置12〜14との間のインターフェースは、インターフェース記述言語(IDL:Interface Description Language)によって記述されている。インターフェース記述言語は、インターフェース定義言語(IDL:Interface Definition Language )とも呼ばれ、例えば、SOAP、CORBA、Protocol Buffers等を用いれば良い。インターフェース記述言語は、プログラミング言語に依存しない形式でインターフェイスを記述するため、タブレットPC15と各装置12〜14のオペレーティングシステムやプログラミング言語が異なっていても、インターフェース記述言語を用いることで、オペレーティングシステムやプログラミング言語の違いに制限されることなく、タブレットPC15と各装置12〜14との間の通信が可能となる。
【0030】
タブレットPC15と各装置12〜14が実行する制御プログラムには、インターフェース記述言語によって呼び出されるサブルーチンを用意すれば良い。例えば、各装置12〜14が提供する装置動作用サブルーチン、タブレットPC15が提供する画面遷移用サブルーチンや詳細画面制御用サブルーチンを用意すれば良い。
タブレットPC15と各装置12〜14は、単純な画面遷移指示や操作指示だけを伝送するのではなく、場合によっては付随するデータの伝送を行う。
【0031】
本実施例では、タブレットPC15に、各装置12〜14のカメラの画像データを処理する画像処理プログラムがインストールされ、例えば、図6に示すように、画像処理データを作成する場合、各装置12〜14のカメラで部品等の撮像対象物を撮像し、その画像データをタブレットPC15に伝送し、該タブレットPC15で画像データを画像処理プログラムで処理して画像処理データを作成すると共に、必要に応じて画像処理データを編集し、その画像処理データを各装置12〜14に伝送する。このようにすれば、各装置12〜14毎に画像処理プログラムを搭載する必要がなく、各装置12〜14のプログラム構成を簡単化することができる。
【0032】
図2に示すように、複数のタブレットPC15を使用する場合、同一の画面サイズのものだけを使用しても良いし、異なる画面サイズのものを使用しても良い。画面サイズが異なる複数のタブレットPC15を使用する場合は、各タブレットPC15は、画面サイズに応じて画面構成要素(例えばボタン、リストビュー、コンボボックス等)を切り換える機能を備えた構成とすると良い。例えば、タッチパネル操作を想定した場合の画面構成要素は、作業者のタッチ操作性を確保するために、一定以上の表示サイズが必要となる。タブレットPC15の画面にソフトウェアボタンを表示する場合、タッチ操作性に必要なボタンサイズを確保し、画面サイズに対するボタンの配置数を決定する。これにより、画面サイズに応じてボタンの配置数が変化する。このようにすれば、画面サイズに応じて、作業者が操作しやすい画面構成要素に切り換えることができる。
【0033】
以上のように構成した部品実装ライン11では、図2に示すように、複数の作業者がそれぞれタブレットPC15を携帯して、各作業者がタブレットPC15の表示画面に表示された部品実装ライン11の各装置12〜14の設定情報等の表示を見て確認しながら、適宜、各装置12〜14の設定情報等を入力すれば良い。また、部品実装ライン11の各装置12〜14で使用する画像処理データを作成する場合は、機外撮像装置21で撮像した画像信号をタブレットPC15に送信して、該タブレットPC15で画像信号を処理して画像処理データを作成し、その画像処理データを使用する装置に送信する。また、タブレットPC15で部品実装ライン11の各装置12〜14の生産状況を管理して、その生産管理情報を記憶装置25に記憶する。
【0034】
以上説明した本実施例によれば、部品実装ライン11を構成する複数台の装置12〜14の表示機能及び入力機能をタブレットPC15に持たせて、各装置12〜14のユーザーインターフェースを共通化し、各装置12〜14からタブレットPC15に対して画面遷移の指示と作業者による入力の指示を伝送するようにしているため、部品実装ライン11の周囲のどの位置からでも、作業者が1台のタブレットPC15を操作して複数台の装置12〜14に関する情報表示を見て確認しながら、各装置12〜14にデータの入力等の作業を行うことができる。しかも、各装置12〜14のユーザーインターフェースが共通化されているため、各装置12〜14に対する入力操作が容易であり、作業を効率良く行うことができる。また、作業者のトレーニング時間を短縮できる利点もある。
【0035】
尚、本発明は、上記実施例に限定されず、部品実装ライン11の各装置12〜14の台数や配列順序等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0036】
11…部品実装ライン、12…半田印刷機(装置)、13…部品実装機(装置)、14…外観検査機(装置)、15…タブレットPC(タブレットコンピュータ)、21…機外撮像装置、25…記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6