特許第5859062号(P5859062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5859062発光タッチスイッチデバイス及び発光タッチスイッチモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859062
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】発光タッチスイッチデバイス及び発光タッチスイッチモジュール
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20160128BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
   G06F3/02 F
   G06F3/02 310G
   H05B37/02 U
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-101250(P2014-101250)
(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-241133(P2014-241133A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2014年6月27日
(31)【優先権主張番号】201310185960.5
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508107788
【氏名又は名称】光寶電子(廣州)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】503443599
【氏名又は名称】光寶科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】陳 碩鴻
(72)【発明者】
【氏名】林 錦冠
【審査官】 上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−134148(JP,A)
【文献】 特開2008−305766(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3159733(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0113397(US,A1)
【文献】 特開2008−226729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02− 3/027
H01H 13/00−13/88
36/00−36/02
H03M 11/04
11/08−11/14
11/20−11/24
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路基板と、前記第1の回路基板に配置され、前記第1の回路基板に電気的に接続されるキャップユニットであって、1×10Ω以下の抵抗を有する導電性プラスチック材料で少なくとも部分的に作られ、収容空間を画定するために前記第1の回路基板と協働するキャップユニットと、前記収容空間に配置され、前記第1の回路基板に電気的に接続される発光素子と、を含む発光タッチスイッチデバイス;
前記発光タッチスイッチデバイスに接続される第2の回路基板;
前記第1及び第2の回路基板の一方に配置され、前記キャップユニットに電気的に接続される検出チップであって、タッチ検出素子を形成するために前記キャップユニットと協働する検出チップ
前記第2の回路基板に配置されるカバー;及び
前記第2の回路基板に提供され、前記カバーに電気的に接続される接地部材;
を備え、
導電性物体が前記キャップユニットの近くに又は前記キャップユニットに接触して配置されることの結果として前記検出チップが前記キャップユニットの静電容量の変化を検出したときに前記検出チップがタッチ検出信号を生成し、前記発光素子が、前記検出チップからの前記タッチ検出信号を受け取った後に光を放出し、
前記カバーが導電性であり、
前記第2の回路基板が、前記接地部材が配置される金属パッドをさらに含む、発光タッチスイッチモジュール。
【請求項2】
第1の回路基板と、前記第1の回路基板に配置され、前記第1の回路基板に電気的に接続されるキャップユニットであって、1×10Ω以下の抵抗を有する導電性プラスチック材料で少なくとも部分的に作られ、収容空間を画定するために前記第1の回路基板と協働するキャップユニットと、前記収容空間に配置され、前記第1の回路基板に電気的に接続される発光素子と、を含む発光タッチスイッチデバイス;
前記発光タッチスイッチデバイスに接続される第2の回路基板;
前記第1及び第2の回路基板の一方に配置され、前記キャップユニットに電気的に接続される検出チップであって、タッチ検出素子を形成するために前記キャップユニットと協働する検出チップ;及び
前記第2の回路基板に配置されるカバー;
を備え、
導電性物体が前記キャップユニットの近くに又は前記キャップユニットに接触して配置されることの結果として前記検出チップが前記キャップユニットの静電容量の変化を検出したときに前記検出チップがタッチ検出信号を生成し、前記発光素子が、前記検出チップからの前記タッチ検出信号を受け取った後に光を放出し、
前記カバー及び前記第2の回路基板を相互接続し、前記発光タッチスイッチデバイスを収容する貫通孔を有して形成される収容部材をさらに備え、
前記第2の回路基板が、前記収容部材の貫通孔に表れる開口部を有してそれを通って形成され、前記発光タッチスイッチデバイスが、前記開口部及び前記貫通孔に少なくとも部分的に収容される、発光タッチスイッチモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2013年5月17日に出願された中国特許出願第201310185960.5号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、タッチスイッチデバイス及びタッチスイッチモジュールに関し、より具体的には発光タッチスイッチデバイス及び発光タッチスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第7515140号には、発光ダイオードが配置されて測定器として作用する、中央開口を画定する金属スプリングを含む容量センサが開示されている。しかしながら、非光透過性金属で作られるスプリングによって、発光ダイオードから放出される光の大部分は遮蔽され、それによって発光ダイオードの発光効率が低下する。さらに、容量センサは、比較的小さい検出面積を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7515140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、比較的大きい検出面積を有し、効率的に光を放出する発光タッチスイッチデバイスを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、比較的大きい検出面積を有し、効率的に光を放出する発光タッチスイッチモジュールを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの部分分解斜視図であり、SMT(Surface-Mount Technique)を用いて第1の回路基板に電気的に接続される発光素子を示す。
図2図2は、図1のA−Aに沿った発光タッチスイッチデバイスの好ましい第1の実施形態の断面図である。
図3図3は、発光タッチスイッチデバイスの好ましい第1の実施形態の底面図であり、検出チップが第1の回路基板の下部表面に配置されることを示す。
図4図4は、本発明の好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの部分分解斜視図である。
図5図5は、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの断面図である。
図6図6は、好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの変形例の部分分解斜視図であり、ワイヤーボンディングによって第1の回路基板に電気的に接続される発光素子を示す。
図7図7は、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの変形例の部分分解斜視図であり、ワイヤーボンディングによって第1の回路基板に電気的に接続される発光素子を示す。
図8A図8Aは、本発明の好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの断面図であり、キャップユニットの第1の延長部分がそれぞれ締まりばめによって第1の回路基板の貫通孔に係合することを示す。
図8B図8Bは、好ましい第3の実施形態の代替的な構成を示す図8Aに類似する図である。
図9図9は、好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの変形例の断面図であり、第1の延長部分がそれぞれ高温圧縮又は常温圧縮によって貫通孔に係合し、第1の延長部分が第1の回路基板の下部表面から突出することを示す。
図10図10は、好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの他の変形例の断面図であり、第1の延長部分がそれぞれ高温圧縮又は常温圧縮によって貫通孔に係合し、第1の延長部分が第1の回路基板の下部表面と同一平面にあることを示す。
図11図11は、本発明の好ましい第4の実施形態の断面図であり、発光タッチスイッチデバイスが補助的なピンによって第2の回路基板に接続されることを示す。
図12図12は、好ましい第4の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの変形例の断面図である。
図13図13は、好ましい第4の実施形態の発光タッチスイッチデバイスの他の変形例の断面図である。
図14図14は、本発明の好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの部分分解斜視図である。
図15図15は、好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの断面図である。
図16図16は、本発明の好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの部分分解斜視図である。
図17図17は、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの断面図である。
図18図18は、本発明の好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの部分分解斜視図である。
図19図19は、好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して望ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかになるだろう。
【0009】
本発明が詳細に説明される前に、類似する要素が本明細書を通して同一の参照符号によって示されることに留意すべきである。
【0010】
図1から図3を参照して、検出チップ84を用いた用途に対して構成される好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチデバイス20が示される(図3参照)。検出チップ84は、発光タッチスイッチデバイス20の近くに又は接触して導電性物体(例えば指)が配置されることの結果としてタッチ検出信号を生成する。タッチ検出信号は、外部の電子装置を作動するために使用され得る。
【0011】
好ましい第1の実施形態の発光タッチスイッチデバイス20は、第1の回路基板2、キャップユニット3及び複数の発光素子4を含む。
【0012】
第1の回路基板2は、上部表面212及び下部表面213を有し、金属層221がそこに配置される少なくとも1つの貫通孔211を有して形成される。より詳細には、金属層221は、貫通孔211内に形成され、貫通孔211を画定する貫通孔画定表面を覆う部分を有し、さらに第1回路基板2の上部及び下部表面212、213にそれぞれ付着される部分を有する。金属層221は、実質的に銅で作られ、全体的に貫通孔211を塞がないような状態で貫通孔画定表面に配置される。この実施形態において、第1の回路基板2は、印刷回路基板である。
【0013】
光反射性材料で作られるキャップユニット3は、第1の回路基板2の上に配置されて電気的に接続され、導電性プラスチック材料で作られるフレームセグメント32を含む。タッチスイッチデバイスに効果的に適用されるように、フレームセグメント32の抵抗は、1×10Ω以下である必要があり、好ましくは1.5×10Ωから2.1×10Ωである。フレームセグメント32は、この実施形態においては囲壁の形態である。キャップユニット3は、フレームセグメント32に接続されるカバーセグメント31をさらに含む。この実施形態において、カバーセグメント31は、フレームセグメント32と同一の材料で作られ、キャップユニット3は、一体物として統合的に形成される。キャップユニット3は、第1の回路基板2と協働して収容空間33を画定する。この実施形態において、フレームセグメント32は、貫通孔211に挿入されるピン35を有することによって電気的に且つ物理的に第1の回路基板2に接続される。貫通孔画定表面に形成される金属層221は、ピン35及び第1の回路基板2の電気接続を保証するためにピン35に電気的に接続される。ピン35は、銅などの金属材料で作られる。好ましくは、ピン35は、実質的に銅で作られ、鋼層で被覆される。
【0014】
発光素子4は、収容空間33に配置され、第1の回路基板2に電気的に接続される。発光素子4は、タッチ検出信号を受けた後に第1の回路基板2から離れる方向に光を放出する。この好ましい実施形態において、6つの発光素子4が存在するが、本発明の発光タッチスイッチデバイス20は、実施上の要求に応じて単一の発光素子4のみを含んでもよい。キャップユニット3は、光反射性材料で作られ、発光素子4から放出された光は、キャップユニット3で反射され得る。発光タッチスイッチデバイス20の発光効率は、その結果、キャップユニット3によって高められ得る。
【0015】
カバーセグメント31は、発光素子4上に位置する光透過パターン領域311を有し、発光素子4から放出された光は、光透過パターン領域311を通過することが可能になり、発光タッチスイッチデバイス20は、操作者による物理的接触に対するパターン化されたボタンとして機能し得るようになる。さらに、発光素子4から放出した光は、カバーセグメント31の光透過パターン領域311を通過し得、パターン化されたボタンは、操作を容易にするための測定器として機能し得るようになる。
【0016】
導電性物体がキャップユニット3のフレームセグメント32の近くに又は接触して配置されると、検出チップ84は、フレームセグメント32の静電容量の変化を検出し、タッチ検出信号を生成し、その信号は、次いで発光素子4を駆動して光を放出させるように発光素子4に伝達される。基本的に、タッチ検出信号は、“オフ”状態から“オン”状態へなどの発光素子4の状態の変化を引き起こす。
【0017】
この実施形態において、タッチ検出信号は、キャップユニット3のフレームセグメント32の静電容量の変化の検出からもたらされる。キャパシタの2つの電極間の静電容量を測定する以下の式:C=εA/dによると、εは、電極間の媒体の誘電定数を表し、Aは、電極の面積を表し、dは、電極間の距離を表す。本発明の発光タッチスイッチデバイス20の場合、導電性物体及びキャップユニット3のフレームセグメント32が電極として作用し、dは、通常のタッチスイッチデバイスと比較して非常に小さいものであり得る。具体的に言うと、キャップユニット3は、導電性プラスチック材料で作られるので、フレームセグメント32の上面は、キャパシタの電極の一方として作用し得る。導電性物体は、キャパシタの電極の他方として作用し得る。従って、電極間の距離dは、比較的小さくなる。一方、従来のタッチスイッチデバイスにおいて、検出パッドは、通常回路基板に配置され、キャップユニットのフレームセグメントの上面に位置しない。そのため、従来のタッチスイッチデバイス用の同等のキャパシタの電極間の距離dは、比較的大きく、タッチ検出信号の強度は、本発明と比較すると弱い。言い換えると、本発明による発光タッチスイッチデバイスのキャップユニット3の静電容量の検出される変化の強度が向上し、向上したタッチ検出信号をもたらす。さらに、種々の導電性プラスチック材料を用いることによって、誘電定数は、タッチ検出信号をさらに向上するように変えられ得る。
【0018】
より詳細には、この実施形態のキャップユニット3は、導電性プラスチック材料を用いて射出成形によって形成される。導電性プラスチック材料は、マイクロサイズの金属繊維又は粒子が混合された一般的な高分子材料(PC及びPA等)、又は、その分子セグメントの所定の結合構造のためにそれ自体が導電性である高分子材料で構成され得る。この実施形態において、導電性プラスチック材料は、10wt%のステンレス鋼繊維が混合されたポリカーボネート樹脂で作られる。
【0019】
ピン35を挿入する以外に、キャップユニット3のフレームセグメント32が、締まりばめ、高温圧縮又は常温圧縮を用いて貫通孔211に係合する延長部分を有し得ることが注目に値する。好ましくは、発光素子4から放出される光を集光するために、キャップユニット3は、カバーセグメント31から第1の回路基板2に向かって延長し、収容空間33内に空間を画定し、発光素子4から放出された光をさらに集光してカバーセグメント34の光透過パターン領域311を通過させるように発光素子4を囲う内壁34をさらに有し得る。特に、内壁34及び第1の回路基板2によって画定される傾斜角は、発光素子4からの発光をさらに集光することができる。この実施形態において、内壁34はまた、導電性プラスチック材料で作られ、第1の回路基板2に向かって延長し、第1の回路基板2に電気的に結合され、それによってフレームセグメント32及び検出チップ84によって構成される検出機構の感度を向上させるように機能する。
【0020】
この実施形態において、発光タッチスイッチデバイス20は、発光素子4を封止するために収容空間33を充填する封止樹脂5をさらに含み得る。封止樹脂5は、発光素子4から放出される光を拡散し良好に混合することに加えて、キャップユニット3及び第1の回路基板2の間の結合強度を増加させ得る。
【0021】
本発明のキャップユニット3が導電性プラスチック材料で作られるので、この実施形態のキャップユニット3は、水分によって引き起こされる酸化がなく、従来の被覆を必要としない。これに対して、従来のタッチスイッチデバイス用の検出パッドが通常金属で作られるので、検出パッドは水分によって容易に酸化される。さらに、本発明のキャップユニット3は導電性であるので、タッチ検出領域は、それによってキャップユニット3の全表面まで拡張し得る。
【0022】
図3に示されるように、検出チップ84は、この実施形態において第1の回路基板2の下部表面213に配置される。しかしながら、検出チップ84がタッチ検出機構を協働して形成するキャップユニット3のフレームセグメント32に電気的に結合される限りは、検出チップ84は、第1の回路基板2の上面212(図2参照)に配置され得る。
【0023】
図4及び図5を参照すると、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチデバイス20が、第1の好ましい実施形態と同様に示される。それらの間の差異は、囲壁の形態であるフレームセグメント32及びカバーセグメント31が別個の物体であるという点である。
【0024】
さらに、他の実施形態において、カバーセグメント31は、フレームセグメント32の材料と異なる材料で作られ、プラスチック又は金属プレートであり得、カバーセグメント31がキャップユニット3の上面に種々のパターンを得るように容易に置換され得るようになる。
【0025】
好ましい第2の実施形態において、キャップユニット3が2つの別個の素子によって形成されるので、キャップユニット3の全体のための成形装置を再設計する必要はない。従って、製造コストは、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチデバイス20において低減され得る。
【0026】
キャップユニット3が導電性物体の物理的接触を検出することができることを保証するように、キャップユニット3が1mmの最小長さ、1mmの最小幅、0.5mmの最小高さを有することに留意すべきである。キャップユニット3の最小サイズに関しては何ら限定されるものではないことにも留意すべきである。
【0027】
具体的には、発光素子4は、LEDダイ又はLEDパッケージであり得る。図1及び図4に示されるように、発光素子4がLEDパッケージであるとき、それらは、表面実装技術(SMT:Surface Mounted Technology)を用いて第1の回路基板2に電気的に接続され得る。図6及び図7を参照すると、発光素子4がLEDダイであるとき、それらは、ワイヤーボンディングによって第1の回路基板2に電気的に接続され得る。
【0028】
図8Aを参照すると、本発明による発光タッチスイッチデバイス20の好ましい第3の実施形態が、好ましい第1の実施形態と同様に示される。それらの間の差異は、キャップユニット3のフレームセグメント32が表面粗さを有する物理的接触を用いて第1の回路基板2に接続され、さらにカバーセグメント31から第1の回路基板2に向かって延長し、第1の回路基板2と接続される、少なくとも1つの第1の延長部分36を含むという点である。具体的には、この実施形態において、第1の回路基板2及びフレームセグメント32の間の接触面積を増加させ、それらの間に生成するオーミック接触抵抗を低下させるように、フレームセグメント32は、第1の回路基板2に物理的に接触し、電気的に接続される粗い下部表面321を有する。この実施形態において、第1の延長部分36は、収容空間33内に配置される。具体的には、第1の延長部分36は、フレームセグメント32及び内壁34の間に配置される。
【0029】
図8Bを参照すると、好ましい第3の実施形態の代替的な配置において、発光タッチスイッチデバイス20は、発光タッチスイッチデバイスの感度をさらに向上させるために、フレームセグメント32の粗い下部表面321及び第1の回路基板2の上部表面213の間に介在される導電層37をさらに含む。この実施形態において、導電層37は、実質的に金属材料で作られる。
【0030】
この実施形態において、キャップユニット3の第1の延長部分36は、締まりばめによって第1の回路基板2に接続され、ここで、第1の回路基板2及びキャップユニット3の電気接続を向上させるように、第1の延長部分36は、貫通孔211を画定する貫通孔画定表面に形成される金属層221に電気的に接続するために印刷回路基板2を貫通する貫通孔211に挿入される。
【0031】
図9及び図10を参照すると、キャップユニット3の第1の延長部分36は、高温圧縮又は常温圧縮によって貫通孔211に係合し得る。
【0032】
さらに、この発明の他の実施形態において、多数の組の第1の延長部分36、貫通孔211及び金属層221があり得る。特筆すべきことは、図10に示されるように、貫通孔211が金属層211及び第1の延長部分36の間の接触領域を増加させるための階段状の孔であり得、好ましくは、第1の回路基板2の厚さの3分の1から2分の1までの範囲の高さ(下部表面213から)において階段状であることである。従って、発光タッチスイッチデバイス用のタッチ検出信号の静電容量は、金属層221及び第1の延長部分36の間の接触面積を増加させることによって向上され得る。さらに、第1の延長部分36は、貫通孔211に係合するとき、第1の回路基板2の下部表面213から突出し(図9参照)又は下部表面213と同一平面(図10参照)であり得る。好ましい第1の実施形態に関して、金属層221は、第1の回路基板2の上部及び下部表面212、213まで延長し得る。
【0033】
図11を参照すると、本発明による好ましい第4の実施形態の発光タッチスイッチデバイス20が、好ましい第3の実施形態と同様に示される。それらの間の差異は、発光タッチスイッチデバイス20の好ましい第4の実施形態が、第1の回路基板2に接続され、発光タッチスイッチモジュールの第2の回路基板81に係合するように構成される複数の補助的なピン7をさらに含み、キャップユニット3のフレームセグメント32が、第2の回路基板81に向かって延長して第2の回路基板81に接続される第2の延長部分38を有するという点である。
【0034】
より具体的には、フレームセグメント32の第2の延長部分38は、第2の回路基板81の上部表面まで達するように延長し、補助的なピン7は、第2の回路基板81の下部表面から突出するように第2の回路基板81に向かって延長して第2の回路基板81を貫通する。補助的なピン7を利用することによって、発光タッチスイッチデバイス20の好ましい第4の実施形態は、差し込み/引き抜き動作を用いて第2の回路基板81に取り外し可能に係合され得る。
【0035】
さらに、図12を参照すると、発光タッチスイッチデバイス20が補助的なピン7を用いて第2の回路基板に接続されるとき、発光タッチスイッチデバイス20の構造的な強度を改善するために、第1の延長部分36は、締まりばめを用いて第1の回路基板2の貫通孔211に係合し、第2の延長部分38はまた、締まりばめを用いて第2の回路基板81に係合する。
【0036】
図13は、図11の変形例であり、第1の突出部36が締まりばめによって第1の回路基板2に係合する。発光タッチスイッチデバイス20が補助的なピン7によって第2の回路基板81に接続されるとき、発光タッチスイッチデバイス20の構造的な強度を改善するように、第2の延長部分38は、第2の回路基板81の上部表面に配置される。
【0037】
纏めると、キャップユニット3の第1及び第2の延長部分36、38は、それぞれ締まりばめ、高温圧縮及び常温圧縮のうちの1つを用いて第1及び第2の回路基板2、81に係合して電気的に接続し、キャップユニット3のフレームセグメント32はまた、金属ピンの挿入又は表面粗さを用いた物理的接触によって第1の回路基板2に接続され得る。
【0038】
図14及び図15を参照すると、好ましい第1の実施形態のタッチスイッチモジュールは、電子装置(示されていない)に電気的に接続されるように構成され、その近くに又はそれに接触して配置される導電性物体の結果として検出信号を生成する。発光タッチスイッチモジュールは、キャップユニット3及び第1の回路基板2を含む発光タッチスイッチデバイス20(詳細及び変形について図1から図13参照)、第2の回路基板81、検出チップ84及びカバー83を含む。この実施形態において、検出チップ84は、第2の回路基板81の上部表面813に配置され得る。
【0039】
収容部材82は、第2の回路基板81の上部表面813に配置され、第2の回路基板81及びカバー83を相互接続する。収容部材82は、貫通孔821を有して形成され、第2の回路基板81と協働してデバイス収容空間822を画定する。発光タッチスイッチデバイス20は、デバイス収容空間822に収容され、検出チップ84に電気的に接続される。収容部材82は、発光タッチスイッチデバイス20を側方からの損傷から保護し得る。収容部材82は、光反射材料で作られる。
【0040】
カバー83は、収容部材82及び第2の回路基板81上に配置され、光透過パターンが備えられ、光透過パターンは、発光タッチスイッチデバイス20の発光素子4又は第2の回路基板81に位置する他の発光化合物から放出される光がそこを通過することを許容する。さらに、カバー83は、防水性であり、その下に配置される部品をスクラッチから防ぐことができる。この実施形態において、カバー83は、プラスチック材料で作られる。
【0041】
検出チップ84は、発光タッチスイッチデバイス20のキャップユニットのフレームセグメント32に電気的に接続され、検出チップ84がフレームセグメント32の静電容量の変化を検出するときに検出信号を生成し、発光素子4は、検出チップ84からの検出信号を受け取った後に光を放出するようになる。外部の電子装置は、さらに、検出チップ84の検出信号によってオン状態及びオフ状態の間でスイッチ可能なように制御され得る。
【0042】
図16及び図17を参照すると、好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチモジュールが、好ましい第1の実施形態と同様に示される。それらの間の差異は、第2の回路基板81が、収容部材82の貫通孔821に表れる、それを貫通する開口部814を有して形成され、貫通孔821と協働してデバイス収容空間822を画定するという点であり、発光タッチスイッチデバイス20は、第2の回路基板81の下側部から挿入することによって少なくとも部分的にデバイス収容空間822(すなわち開口部814及び貫通孔821)に収容される。この実施形態において、発光タッチスイッチデバイス20は、流線形で滑らかな外観を与えるように、第1の回路基板2を除いて、デバイス収容空間822に収容される。
【0043】
図18及び図19を参照して、好ましい第3の実施形態の発光タッチスイッチモジュールが、第1の実施形態と同様に示される。それらの間の差異は、以下に記載される。好ましい第2の実施形態の発光タッチスイッチモジュールは、複数のタッチスイッチデバイス20を含み、カバー83は、導電性材料で作られる。発光タッチスイッチモジュールは、第2の回路基板81の金属パッド811に配置され、カバー83に電気的に接続される接地部材85をさらに含み、接地部材85は、金属パッド811及びカバー83と共に接地回路を形成する。
【0044】
この実施形態において、カバー83は、接地部材85の存在によって接地され、発光タッチスイッチデバイス20の各々は、それに近接する他の発光タッチスイッチデバイス20から生成されるタッチ検出信号又は電気信号によって干渉されることなく独立的に操作され得るようになる。さらに、接地部材85は、カバー83が導電性材料で作られるとき、カバーの短絡を避ける。
【0045】
纏めると、本発明のキャップユニット3のフレームセグメント32は、射出成形によって導電性プラスチック材料で作られ、水分によって生じる酸化がなく、従来のカバーを必要としない。さらに、タッチ検出領域は、その導電特性によって拡大される。検出チップ84を有する発光素子4をフレームセグメント32の下の発光タッチスイッチデバイス20に組み込むことによって、タッチ検出機能を有するタッチ検出領域が照明することができる。さらに、第1の回路基板2と物理的に接触する(又は導電層37を介して第1の回路基板に接触する)粗い下部表面321をフレームセグメント32に与えることによって、第1の回路基板2及びフレームセグメント32の間のオーミック接触抵抗は低下され得る。
【0046】
本発明は、最も現実的で好ましい実施形態を考慮したものに関連して記載されているが、本発明が、開示された実施形態に限定されるものではなく、全てのこのような修正及び等価な構成を包含するような、最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる種々の構成を含むものであると理解されるだろう。
【符号の説明】
【0047】
2 回路基板
3 キャップユニット
4 発光素子
5 封止樹脂
7 ピン
20 発光タッチスイッチデバイス
31 カバーセグメント
32 フレームセグメント
33 収容空間
34 内壁
35 ピン
36 第1の延長部分
37 導電層
38 第2の延長部分
81 回路基板
82 収容部材
83 カバー
84 検出チップ
85 接地部材
211 貫通孔
212 上部表面
213 下部表面
221 金属層
311 光透過パターン領域
321 粗い表面
811 金属パッド
814 開口部
821 貫通孔
822 デバイス収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19