【実施例1】
【0022】
まず、
図1及び
図2を用いて、本発明の実施例1に係る身体載置具100の形態について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例1に係る身体載置具の斜視図であり、
図2は本発明の実施例1に係る身体載置具の右側面図である。
【0024】
図1及び
図2に示すように、身体載置具100は、複数の載置部10及びストッパー部材20を備える。
【0025】
[載置部10]
図1及び
図2に示すように、複数の載置部10は、それぞれが、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される(すなわち、複数の載置部10は同一の形状からなる)。複数の載置部10は、それぞれが、折り曲げ可能な素材で形成されるとともに、上下に重なった状態(50枚程の各載置部10を上下に重ねることが好ましい)で、一辺a側が下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっている(複数の載置部10のそれぞれの一辺a側は、下に位置する載置部10の一辺a側と重着されている)。
【0026】
各載置部10の短手方向の長さは概ね21cm、長手方向の長さは概ね30cm、厚みは概ね0.1cmに形成される(複数の載置部10を、50枚の載置部10で構成した場合には、複数の載置部10の全体の厚み(高さ)は概ね5cmとなる)。また、各載置部10の素材には、例えば、フェルト、布、スポンジ等を用いるとよい。
【0027】
[ストッパー部材20]
図2に示すように、ストッパー部材20は、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される。ストッパー部材20の一端側は、載置部10(複数の載置部10の一番下に位置する載置部10)の裏面に取り付けられており(例えば、縫着又は糊付けされることで取り付けられる)、他端側が載置部10の一辺a方向へ飛び出す格好となっている。ストッパー部材20の短手方向の長さは概ね20cm、長手方向の長さは概ね40cm、厚みは概ね0.1cmに形成される。また、ストッパー部材20の素材には、ストッパー部材20が折り曲げ可能となるよう、例えば、フェルト、布、スポンジ等を用いるとよい。
【0028】
次に、
図3乃至
図5を用いて、本発明の実施例1に係る身体載置具100の使用方法について説明する。なお、ここでは、身体の一部である頭部を、身体載置具100に載置する例を挙げて説明する。
【0029】
図3は本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図であり、
図4は本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。また、
図5は本発明の実施例1に係る身体載置具に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
【0030】
図3に示すように、使用者300は、まず、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで、身体載置具100の高さを好みの高さに調整する。このことを具体的に説明すると、載置部10(折り曲げ可能な素材で形成されている)が、一辺a方向に折られると、載置部10は湾曲し(
図3乃至
図5の湾曲部30)、折られた載置部10の厚み分、上方へ膨出する格好となることから、身体載置具100は、載置部10が上方に膨出した分、その高さが増すことになる。そのため、一辺a方向に折られる載置部10の数により、身体載置具100の高さは変更されることから、使用者300は、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで、身体載置具100の高さを好みの高さに調整することができるのである(すなわち、より身体載置具100の高さを、より高くしたいのであれば、使用者300は、多くの載置部10を一辺a方向に折るようにする)。
【0031】
このとき、使用者300は、載置部10の他辺bを持ち上げて、載置部10の中央付近から、載置部10を一辺a方向に折るようにするとよい(載置部10を一辺a方向に折り返すようにする)。これにより、載置部10は、中央付近から折り曲げられ、載置部10の他辺b側の半面が、載置部10の一辺a側の半面の上面に載置される格好となることから、身体載置具100の高さ以外のサイズを大きく変更することなく、安定して、身体載置具100の高さを調整(高く)することができるようになる。
【0032】
また、このとき、任意の数の載置部10を一辺a方向に折る(折り返す)と、折り曲げられた複数の載置部10(他辺b側の半面)は、その上下の重なりが、載置部10の一辺a方向へずれ込むことになることから(複数の載置部10は、それぞれ、短手方向の長さが同一であるため)、折り曲げられた複数の載置部10の他辺b側は、下から上にかけて、なだらかな上り傾斜(階段部c)となる(
図3乃至
図5)。このため、使用者300が、この状態で頭部を身体載置具100に載置すると、階段部cが、使用者300の首から後頭部の形状にフィットすることから、身体載置具100では、高さの調整に加え、さらに、載置部10の形状を、使用者300の身体の一部の形状に合わせることができる。なお、このように、載置部10を一辺a方向に折ったとしても、載置部10の一辺a側は、下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっていることから、複数の載置部10が上下に重ねられた状態が崩れることはない。
【0033】
ここで、使用者300が、湾曲部30の形状を、より自身の後頭部の形状に合わせたいのであれば、手で押し込む等して、湾曲部30の形状を変形させるようにするとよい。載置部10は、上記のとおり、折り曲げ可能な素材で形成されていることから、使用者300は、その折り曲げ具合(湾曲部30の形状)を容易に調整(変形)することができる。
【0034】
そして、使用者300は、調整した湾曲部30の形状を維持(載置部10が湾曲している状態を維持)すべく、ストッパー部材20を、湾曲部30(湾曲している載置部10)の外側から巻き付けるようにして、載置部10に固定し(
図4)、最後に、自身の頭部を湾曲部30(湾曲している載置部10)に載置する(
図5)。
【0035】
このように、本発明では、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さを容易に調整することができるとともに、湾曲部30の形状(載置部10が湾曲している状態)を、例えば、容易に自身の後頭部の形状に合わせることができることから、使用者300の身体の一部に負担のかからない身体載置具100を提供することができる(より快適な身体載置具100を使用者300に提供することができる)。
【0036】
また、本発明では、身体載置具100の高さを調整したとしても、全ての載置部10が上下に重ねられた状態(身体載置具100の高さを調整していない状態)と比較して、身体載置具100の高さ以外のサイズが大きく変更されることはないことから、本発明を用いれば、少ないスペースで、これを使用することができる(コンパクトな使用が可能となる)。
【0037】
さらに、本発明は、複数の載置部10が同一の形状からなり、上下に重なっている複数の載置部10の一辺a側を、それぞれ、下に位置する載置部10の一辺a側と重着するだけで構成することができることから(構造がシンプルである)、容易かつ低コストでの製造が可能となる。
【0038】
最後に、本発明は、載置部10が湾曲している状態(湾曲部30)を維持するためのストッパー部材20を備えることから、身体載置具100の高さ調整等を安定して行うことができる。
【0039】
なお、本実施例では、身体載置具100の使用方法について、身体の一部である頭部を身体載置具100に載置する例を挙げて説明したが、身体載置具100に、これ以外の部位(例えば、肘、腰、足等)を載置することができることは勿論である。この場合も、使用者300は、上記と同様に、載置する部位に応じて、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さ調整等を行うようにするとよい。
【0040】
また、本実施例では、身体載置具100(載置部10、ストッパー部材20)を上記寸法にて形成するものとしているが、状況に応じて、これを他の寸法(大きめ又は小さめ)にて形成することもできる。また、本実施例では、50枚程の各載置部10を上下に重ねるようにしているが、各載置部10の枚数を、状況に応じて、適宜変更することも可能である。
【0041】
さらに、本実施例では、複数の載置部10の形状を、平面視において矩形状となるよう形成するものとしているが、これに身体の一部を載置することができるのであれば、複数の載置部10の形状を他の形状にて形成することもできる。例えば、複数の載置部10の形状を三角形状又は六角形状等にて形成することもできる。また、本実施例のストッパー部材20においても、これを用いて、載置部10が湾曲している状態(湾曲部30)を維持することができるのであれば、これを他の形状(例えば、細長い楕円形状等)にて形成できることは勿論である。
【0042】
加えて、本実施例では、複数の載置部10が、それぞれ、上下に重なった状態で、一辺a側が下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっているが、例えば、これを糊付け等にて、重ね着ける(重着)こともできる。
【0043】
また、本実施例では、複数の載置部10の形状を同一の形状にて形成するものとしているが、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さ調整等を行うことができるのであれば、複数の載置部10のそれぞれの形状を異なるように形成することも可能である。例えば、複数の載置部10のそれぞれを、四角形状、六角形状、八角形状等にて形成することもできる。また、複数の載置部10の形状を次のように変形することもできる。なお、以下では、本実施例に係る身体載置具100と異なる点のみを説明する。
【0044】
図6は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す斜視図であり、
図7は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す右側面図である。
図8は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図であり、
図9は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。また、
図10は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
【0045】
図6及び
図7に示すように、身体載置具200は、複数の載置部40及びストッパー部材50を備え、複数の載置部40は、それぞれが、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される。複数の載置部40は、それぞれが、折り曲げ可能な素材で形成されるとともに、上下に重なった状態(50枚程の各載置部40を上下に重ねることが好ましい)で、一辺a側が下に位置する載置部40の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっている(複数の載置部40のそれぞれの一辺a側は、下に位置する載置部40の一辺a側と重着されている)。また、下に位置する載置部40は、上に位置する載置部40よりも、一辺aに対する垂直方向の長さが、長くなるよう形成される(複数の載置部40の他辺b側が階段状になっている)。
【0046】
図8乃至
図10に示すように、身体載置具200を使用する場合には、まず、使用者300は、任意の数の載置部40を一辺a方向に折ることで(載置部40を湾曲させる(湾曲部60))、身体載置具200の高さを好みの高さに調整する。このとき、使用者300は、載置部40の他辺bを持ち上げて、載置部40の中央付近から、載置部40を一辺a方向に折るとともに(載置部40を一辺a方向に折り返すようにする)、折られた載置部40の他辺bを一辺a方向外側に押し込むようにする。
【0047】
これにより、折られた載置部40は、なだらかに傾斜する格好となり、使用者300が、例えば、この状態で頭部を身体載置具200に載置すると、折られた載置部40が、使用者300の首から後頭部の形状にフィットすることから、身体載置具200では、高さの調整に加え、さらに、載置部40の形状を、使用者300の身体の一部の形状に合わせることができる。また、折られる前の状態で一番下に位置する載置部40は、折られた状態では一番上に位置することになり、載置部40を一辺a方向に折った際には、下に位置する載置部40を上から覆う格好となることから(折られる前の状態の下に位置する載置部40は、上に位置する載置部40よりも、一辺aに対する垂直方向の長さが長く形成されているため)、折られた載置部40の傾斜部分は、凹凸のない滑らかな傾斜面となる。そのため、使用者300は、違和感なく、身体載置具200に身体の一部を載置することができることから、身体載置具200では、よりフィット感のある身体載置具を使用者に提供することができる。
【0048】
本実施例では、身体載置具100の高さ調整を行う際、載置部10を一辺a方向に折り返すようにするものとしているが、これを一辺a方向に折り込むことでも、身体載置具100の高さを調整することができることは勿論である。
【0049】
最後に、本実施例における身体載置具100は、ストッパー部材20を備えるものとしているが、身体載置具100を、よりシンプルな構成にしたいのであれば、ストッパー部材20を設けないようにすることもできる。なお、本実施例における身体載置具100の変形例である身体載置具200においても、同様にすることができることは勿論である。
【0050】
このように、本実施例では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。