特許第5859158号(P5859158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5859158
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】身体載置具
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20160128BHJP
【FI】
   A47G9/10 M
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-81785(P2015-81785)
(22)【出願日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年6月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515100684
【氏名又は名称】戸矢 光春
(74)【代理人】
【識別番号】240000224
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 ベリーベスト法律事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸矢 光春
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−147769(JP,A)
【文献】 実開平6−38745(JP,U)
【文献】 実公昭10−3951(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3147396(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の身体の一部を載置し、折り曲げ可能であって、薄片状からなる複数の載置部を備え、
複数の該載置部は、それぞれ、上下に重なっていて、一辺の側が下に位置する該載置部の該一辺の側と重着されており、任意の数の該載置部を該一辺の方向に折ることで、該載置部が湾曲するとともに、折られた任意の数の該載置部の厚み分、上方へ膨出することを特徴とする身体載置具。
【請求項2】
複数の該載置部は、同一の形状からなることを特徴とする請求項1に記載の身体載置具。
【請求項3】
下に位置する該載置部は、上に位置する該載置部よりも、該一辺に対する垂直方向の長さが、長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の身体載置具。
【請求項4】
該載置部が湾曲している状態を維持するためのストッパー部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の身体載置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の頭部、首、肘、腰又は足等の身体の一部を載置するための身体載置具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の身体の一部(例えば、頭部)を載置するものとして、複数のピローパッドと固定部材を含み、前記各ピローパッドのいずれか一側が前記固定部材に着脱自在に連結され、前記固定部材に連結した前記ピローパッドを、適宜数量上或いは下にめくると共に、適宜数量重ね合わせることにより、高さ調整可能とし、且つ、互いに異なる材質の充填材を収容した前記ピローパッドの重ね合わせ順序を可変としたことを特徴とする多層式枕が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の多層式枕は、複数のピローパッドの一側が固定部材に着脱自在に連結されていることから、使用者が、必要に応じて枕の高さの調整を行うことができるとともに、ピローパッドの上下順序の調整により、多様な材質の充填材を収容したピローパッドを多様な配列で組み合わせることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3180454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されている多層式枕は、枕の高さを調整する際(例えば、枕の高さを低くする場合)、適宜数量のピローパッドを、固定部材に連結されている箇所を支点にして、上にめくる必要があることから、上にめくられたピローパッドと重ねられた状態が保たれたピローパッドは、左右に広げられた状態となる(観音開き状態となる)。そのため、この状態(観音開き状態)で係る多層式枕を使用する場合には、全てのピローパッドが重ねられた状態(観音開きになっていない状態)と比較して、さらに、上にめくられたピローパッド分のスペースが必要となることから、特許文献1に記載されている多層式枕では、コンパクトな使用を望むことができない。
【0006】
また、特許文献1に記載される多層式枕では、各ピローパッドが、平坦に形成されており、人の後頭部に合わせた形状となっていないことから、係る多層式枕を使用した場合には、使用者の首に相当の負担がかかることになる。そのため、特許文献1に記載の多層式枕では、使用者に快適な枕を提供することができない。
【0007】
さらに、特許文献1に記載される多層式枕は、各ピローパッドのいずれか一側と固定部材にそれぞれ係合部材(オス・メスの面ファスナーやボタン等の部材)を設置し、係る係合部材を介して、各ピローパッドのいずれか一側が固定部材に着脱自在に連結されるものとなっていることから、構造が複雑で製造に大変な手間とコストを要する。
【0008】
そこで、本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、人の後頭部等の身体の一部と形状を合わせることができ、また、容易に高さを調整することができることに加え、さらに、一定のスペースで使用可能な(コンパクトに使用可能な)身体載置具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係る身体載置具は、人の身体の一部を載置し、折り曲げ可能であって、薄片状からなる複数の載置部を備え、複数の該載置部は、それぞれ、上下に重なっていて、一辺の側が下に位置する該載置部の該一辺の側と重着されており、任意の数の該載置部を該一辺の方向に折ることで、該載置部が湾曲するとともに、折られた任意の数の該載置部の厚み分、上方へ膨出することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明に係る身体載置具は、請求項1に記載の発明に係る身体載置具において、複数の該載置部は、同一の形状からなることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係る身体載置具は、請求項1に記載の発明に係る身体載置具において、下に位置する該載置部は、上に位置する該載置部よりも、該一辺に対する垂直方向の長さが、長く形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明に係る身体載置具は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明に係る身体載置具において、該載置部が湾曲している状態を維持するためのストッパー部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明は、折り曲げ可能な薄片状からなる複数の載置部が、それぞれ、上下に重なっていて、一辺の側が下に位置する載置部の一辺の側と重着されており、任意の数の載置部を一辺の方向に折ることで、載置部が湾曲するとともに、折られた任意の数の載置部の厚み分、上方へ膨出するよう構成されていることから、身体載置具の高さを容易に調整することができる。すなわち、本発明では、載置部が湾曲し、折られた任意の数の載置部の厚み分、身体載置具の高さが増すことから、身体載置具の高さを容易に調整することができるのである。
【0014】
また、本発明では、載置部を湾曲させるとともに、折られた任意の数の載置部の厚み分を上方へ膨出させることで、身体載置具の高さを調整するものとなっていることから、身体載置具の高さを調整したとしても、湾曲させた載置部とそれ以外の載置部(上下に重なった状態のもの)とが観音開き状態となることはない。そのため、本発明では、身体載置具の高さを調整したとしても、全ての載置部が上下に重ねられた状態(身体載置具の高さを調整していない状態)と比較して、身体載置具の高さ以外のサイズが大きく変更されることはないことから、本発明を用いれば、少ないスペースで、これを使用することが可能となる(コンパクトな使用が可能となる)。

【0015】
さらに、本発明は、上記のとおり、任意の数の載置部を一辺の方向に折ることで、載置部が湾曲するよう構成されていることから、身体載置具の高さを調整することに加え、さらに、載置部の形状を、人(使用者)の身体の一部の形状に合わせることができる。これにより、例えば、使用者が身体載置具に首及び頭部を載置したとしても、使用者の首等には負担がかからないことから、本発明では、使用者により快適な身体載置具を提供することができる。
【0016】
加えて、本発明は、上下に重なっている複数の載置部の一辺の側を、それぞれ、下に位置する載置部の一辺の側と重着するだけで構成することができることから(構造がシンプルである)、容易かつ低コストでの製造が可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、複数の載置部が同一の形状からなることから、載置部を湾曲させることで、さらに、載置部の形状を、使用者の首や後頭部等の身体の一部の形状に合わせることができる(より快適な身体載置具を使用者に提供することができる)。また、本発明を用いれば、さらに、容易かつ低コストでの製造が可能となる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、下に位置する載置部の一辺に対する垂直方向の長さが、上に位置する載置部の一辺に対する垂直方向の長さよりも長く形成されていることから、載置部を湾曲させることで、さらに、載置部の形状を、使用者の首や後頭部等の身体の一部の形状に合わせることができるとともに、フィット感のある身体載置具を使用者に提供することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、載置部が湾曲している状態を維持するためのストッパー部材を備えることから、身体載置具の高さ調整等を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1に係る身体載置具の斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る身体載置具の右側面図である。
図3】本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図である。
図4】本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。
図5】本発明の実施例1に係る身体載置具に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
図6】本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す斜視図である。
図7】本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す右側面図である。
図8】本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図である。
図9】本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。
図10】本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の詳細を説明する。
【実施例1】
【0022】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施例1に係る身体載置具100の形態について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例1に係る身体載置具の斜視図であり、図2は本発明の実施例1に係る身体載置具の右側面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、身体載置具100は、複数の載置部10及びストッパー部材20を備える。
【0025】
[載置部10]
図1及び図2に示すように、複数の載置部10は、それぞれが、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される(すなわち、複数の載置部10は同一の形状からなる)。複数の載置部10は、それぞれが、折り曲げ可能な素材で形成されるとともに、上下に重なった状態(50枚程の各載置部10を上下に重ねることが好ましい)で、一辺a側が下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっている(複数の載置部10のそれぞれの一辺a側は、下に位置する載置部10の一辺a側と重着されている)。
【0026】
各載置部10の短手方向の長さは概ね21cm、長手方向の長さは概ね30cm、厚みは概ね0.1cmに形成される(複数の載置部10を、50枚の載置部10で構成した場合には、複数の載置部10の全体の厚み(高さ)は概ね5cmとなる)。また、各載置部10の素材には、例えば、フェルト、布、スポンジ等を用いるとよい。
【0027】
[ストッパー部材20]
図2に示すように、ストッパー部材20は、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される。ストッパー部材20の一端側は、載置部10(複数の載置部10の一番下に位置する載置部10)の裏面に取り付けられており(例えば、縫着又は糊付けされることで取り付けられる)、他端側が載置部10の一辺a方向へ飛び出す格好となっている。ストッパー部材20の短手方向の長さは概ね20cm、長手方向の長さは概ね40cm、厚みは概ね0.1cmに形成される。また、ストッパー部材20の素材には、ストッパー部材20が折り曲げ可能となるよう、例えば、フェルト、布、スポンジ等を用いるとよい。
【0028】
次に、図3乃至図5を用いて、本発明の実施例1に係る身体載置具100の使用方法について説明する。なお、ここでは、身体の一部である頭部を、身体載置具100に載置する例を挙げて説明する。
【0029】
図3は本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図であり、図4は本発明の実施例1に係る身体載置具において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。また、図5は本発明の実施例1に係る身体載置具に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
【0030】
図3に示すように、使用者300は、まず、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで、身体載置具100の高さを好みの高さに調整する。このことを具体的に説明すると、載置部10(折り曲げ可能な素材で形成されている)が、一辺a方向に折られると、載置部10は湾曲し(図3乃至図5の湾曲部30)、折られた載置部10の厚み分、上方へ膨出する格好となることから、身体載置具100は、載置部10が上方に膨出した分、その高さが増すことになる。そのため、一辺a方向に折られる載置部10の数により、身体載置具100の高さは変更されることから、使用者300は、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで、身体載置具100の高さを好みの高さに調整することができるのである(すなわち、より身体載置具100の高さを、より高くしたいのであれば、使用者300は、多くの載置部10を一辺a方向に折るようにする)。
【0031】
このとき、使用者300は、載置部10の他辺bを持ち上げて、載置部10の中央付近から、載置部10を一辺a方向に折るようにするとよい(載置部10を一辺a方向に折り返すようにする)。これにより、載置部10は、中央付近から折り曲げられ、載置部10の他辺b側の半面が、載置部10の一辺a側の半面の上面に載置される格好となることから、身体載置具100の高さ以外のサイズを大きく変更することなく、安定して、身体載置具100の高さを調整(高く)することができるようになる。
【0032】
また、このとき、任意の数の載置部10を一辺a方向に折る(折り返す)と、折り曲げられた複数の載置部10(他辺b側の半面)は、その上下の重なりが、載置部10の一辺a方向へずれ込むことになることから(複数の載置部10は、それぞれ、短手方向の長さが同一であるため)、折り曲げられた複数の載置部10の他辺b側は、下から上にかけて、なだらかな上り傾斜(階段部c)となる(図3乃至図5)。このため、使用者300が、この状態で頭部を身体載置具100に載置すると、階段部cが、使用者300の首から後頭部の形状にフィットすることから、身体載置具100では、高さの調整に加え、さらに、載置部10の形状を、使用者300の身体の一部の形状に合わせることができる。なお、このように、載置部10を一辺a方向に折ったとしても、載置部10の一辺a側は、下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっていることから、複数の載置部10が上下に重ねられた状態が崩れることはない。
【0033】
ここで、使用者300が、湾曲部30の形状を、より自身の後頭部の形状に合わせたいのであれば、手で押し込む等して、湾曲部30の形状を変形させるようにするとよい。載置部10は、上記のとおり、折り曲げ可能な素材で形成されていることから、使用者300は、その折り曲げ具合(湾曲部30の形状)を容易に調整(変形)することができる。
【0034】
そして、使用者300は、調整した湾曲部30の形状を維持(載置部10が湾曲している状態を維持)すべく、ストッパー部材20を、湾曲部30(湾曲している載置部10)の外側から巻き付けるようにして、載置部10に固定し(図4)、最後に、自身の頭部を湾曲部30(湾曲している載置部10)に載置する(図5)。
【0035】
このように、本発明では、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さを容易に調整することができるとともに、湾曲部30の形状(載置部10が湾曲している状態)を、例えば、容易に自身の後頭部の形状に合わせることができることから、使用者300の身体の一部に負担のかからない身体載置具100を提供することができる(より快適な身体載置具100を使用者300に提供することができる)。
【0036】
また、本発明では、身体載置具100の高さを調整したとしても、全ての載置部10が上下に重ねられた状態(身体載置具100の高さを調整していない状態)と比較して、身体載置具100の高さ以外のサイズが大きく変更されることはないことから、本発明を用いれば、少ないスペースで、これを使用することができる(コンパクトな使用が可能となる)。
【0037】
さらに、本発明は、複数の載置部10が同一の形状からなり、上下に重なっている複数の載置部10の一辺a側を、それぞれ、下に位置する載置部10の一辺a側と重着するだけで構成することができることから(構造がシンプルである)、容易かつ低コストでの製造が可能となる。
【0038】
最後に、本発明は、載置部10が湾曲している状態(湾曲部30)を維持するためのストッパー部材20を備えることから、身体載置具100の高さ調整等を安定して行うことができる。
【0039】
なお、本実施例では、身体載置具100の使用方法について、身体の一部である頭部を身体載置具100に載置する例を挙げて説明したが、身体載置具100に、これ以外の部位(例えば、肘、腰、足等)を載置することができることは勿論である。この場合も、使用者300は、上記と同様に、載置する部位に応じて、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さ調整等を行うようにするとよい。
【0040】
また、本実施例では、身体載置具100(載置部10、ストッパー部材20)を上記寸法にて形成するものとしているが、状況に応じて、これを他の寸法(大きめ又は小さめ)にて形成することもできる。また、本実施例では、50枚程の各載置部10を上下に重ねるようにしているが、各載置部10の枚数を、状況に応じて、適宜変更することも可能である。
【0041】
さらに、本実施例では、複数の載置部10の形状を、平面視において矩形状となるよう形成するものとしているが、これに身体の一部を載置することができるのであれば、複数の載置部10の形状を他の形状にて形成することもできる。例えば、複数の載置部10の形状を三角形状又は六角形状等にて形成することもできる。また、本実施例のストッパー部材20においても、これを用いて、載置部10が湾曲している状態(湾曲部30)を維持することができるのであれば、これを他の形状(例えば、細長い楕円形状等)にて形成できることは勿論である。
【0042】
加えて、本実施例では、複数の載置部10が、それぞれ、上下に重なった状態で、一辺a側が下に位置する載置部10の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっているが、例えば、これを糊付け等にて、重ね着ける(重着)こともできる。
【0043】
また、本実施例では、複数の載置部10の形状を同一の形状にて形成するものとしているが、任意の数の載置部10を一辺a方向に折ることで(載置部10を湾曲させて)、身体載置具100の高さ調整等を行うことができるのであれば、複数の載置部10のそれぞれの形状を異なるように形成することも可能である。例えば、複数の載置部10のそれぞれを、四角形状、六角形状、八角形状等にて形成することもできる。また、複数の載置部10の形状を次のように変形することもできる。なお、以下では、本実施例に係る身体載置具100と異なる点のみを説明する。
【0044】
図6は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す斜視図であり、図7は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例を表す右側面図である。図8は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部を湾曲させた状態を表す右側面図であり、図9は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例において、載置部が湾曲している状態を、ストッパー部材を用いて維持している状態を表す右側面図である。また、図10は本発明の実施例1に係る身体載置具の変形例に、使用者が頭部を載置している状態を表す右側面図である。
【0045】
図6及び図7に示すように、身体載置具200は、複数の載置部40及びストッパー部材50を備え、複数の載置部40は、それぞれが、薄片状からなり、平面視において矩形状となるよう形成される。複数の載置部40は、それぞれが、折り曲げ可能な素材で形成されるとともに、上下に重なった状態(50枚程の各載置部40を上下に重ねることが好ましい)で、一辺a側が下に位置する載置部40の一辺a側と縫着されることで、重ね着けられた状態となっている(複数の載置部40のそれぞれの一辺a側は、下に位置する載置部40の一辺a側と重着されている)。また、下に位置する載置部40は、上に位置する載置部40よりも、一辺aに対する垂直方向の長さが、長くなるよう形成される(複数の載置部40の他辺b側が階段状になっている)。
【0046】
図8乃至図10に示すように、身体載置具200を使用する場合には、まず、使用者300は、任意の数の載置部40を一辺a方向に折ることで(載置部40を湾曲させる(湾曲部60))、身体載置具200の高さを好みの高さに調整する。このとき、使用者300は、載置部40の他辺bを持ち上げて、載置部40の中央付近から、載置部40を一辺a方向に折るとともに(載置部40を一辺a方向に折り返すようにする)、折られた載置部40の他辺bを一辺a方向外側に押し込むようにする。
【0047】
これにより、折られた載置部40は、なだらかに傾斜する格好となり、使用者300が、例えば、この状態で頭部を身体載置具200に載置すると、折られた載置部40が、使用者300の首から後頭部の形状にフィットすることから、身体載置具200では、高さの調整に加え、さらに、載置部40の形状を、使用者300の身体の一部の形状に合わせることができる。また、折られる前の状態で一番下に位置する載置部40は、折られた状態では一番上に位置することになり、載置部40を一辺a方向に折った際には、下に位置する載置部40を上から覆う格好となることから(折られる前の状態の下に位置する載置部40は、上に位置する載置部40よりも、一辺aに対する垂直方向の長さが長く形成されているため)、折られた載置部40の傾斜部分は、凹凸のない滑らかな傾斜面となる。そのため、使用者300は、違和感なく、身体載置具200に身体の一部を載置することができることから、身体載置具200では、よりフィット感のある身体載置具を使用者に提供することができる。
【0048】
本実施例では、身体載置具100の高さ調整を行う際、載置部10を一辺a方向に折り返すようにするものとしているが、これを一辺a方向に折り込むことでも、身体載置具100の高さを調整することができることは勿論である。
【0049】
最後に、本実施例における身体載置具100は、ストッパー部材20を備えるものとしているが、身体載置具100を、よりシンプルな構成にしたいのであれば、ストッパー部材20を設けないようにすることもできる。なお、本実施例における身体載置具100の変形例である身体載置具200においても、同様にすることができることは勿論である。
【0050】
このように、本実施例では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0051】
10 載置部
20 ストッパー部材
30 湾曲部
40 載置部
50 ストッパー部材
60 湾曲部
100 身体載置具
200 身体載置具
300 使用者
a 一辺
b 他辺
c 階段部

【要約】      (修正有)
【課題】人の身体の一部と形状を合わせつつ、容易に高さを調整することができるとともに、一定のスペースで使用可能な身体載置具を提供する
【解決手段】人の身体の一部を載置し、折り曲げ可能であって、薄片状からなる複数の載置部10を備え、複数の載置部10は、それぞれ、上下に重なっていて、一辺aの側が下に位置する載置部10の一辺aの側と重着されており、任意の数の載置部10を一辺aの方向に折ることで、載置部10が湾曲する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10