特許第5859404号(P5859404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859404
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】給湯風呂装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20060101AFI20160128BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20160128BHJP
   F24H 1/24 20060101ALI20160128BHJP
【FI】
   F24H1/18 302E
   F24H1/18 503Z
   F24H1/00 602G
   F24H1/24 Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-186084(P2012-186084)
(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公開番号】特開2014-43984(P2014-43984A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】新部 誠
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−100952(JP,A)
【文献】 特開平09−287822(JP,A)
【文献】 特開平10−038286(JP,A)
【文献】 特開2001−082798(JP,A)
【文献】 特開2006−284026(JP,A)
【文献】 特開平03−244961(JP,A)
【文献】 特開平07−324807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
1/18 − 1/20
F24D 1/00 − 3/18
F24D 5/00 − 12/02
F24D 17/00 − 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管と給湯管が接続され内部に湯水を貯湯する貯湯缶体と、該貯湯缶体内の湯水を加熱するバーナ部と、前記貯湯缶体内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出手段と、前記貯湯缶体内に設けられた風呂熱交換器と、前記風呂熱交換器と浴槽とを環状に接続する風呂循環回路と、該風呂循環回路に設けられ前記浴槽内の浴槽水を前記風呂熱交換器に循環させる風呂循環ポンプと、浴槽水の温度を検出する風呂温度検出手段と、前記貯湯缶体内の湯水の温度を所定の設定貯湯温度に保持するよう前記貯湯温度検出手段で検出される温度に基づいて前記バーナ部の燃焼を制御する制御手段とを備え、前記浴槽内の浴槽水を前記風呂熱交換器に循環させて目標温度まで昇温させる追い焚き運転を行わせる給湯風呂装置において、前記制御手段は、前記追い焚き運転開始時に、前記風呂温度検出手段で検出される温度が前記目標温度より低い所定温度よりも低い場合は、前記設定貯湯温度を前記追い焚き運転前に設定されていた第1設定温度より高い第2設定温度に変更して追い焚き運転を行い、この追い焚き運転中に、前記風呂温度検出手段で検出される温度が前記所定温度に達したら、前記設定貯湯温度を前記第2設定温度より低い第3設定温度に変更するようにしたことを特徴とする給湯風呂装置。
【請求項2】
前記第3設定温度は前記第1設定温度と同温度とすることを特徴とする請求項1記載の給湯風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯湯缶体内に設けられた風呂熱交換器を用いた浴槽水の追い焚き運転において追い焚き運転終了間際の貯湯缶体内の湯温制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のものにおいては、給水管と給湯管が接続され湯水を貯湯する貯湯缶体と、貯湯缶体内の湯水を加熱するバーナ部と、貯湯缶体内の湯水の温度を検出する貯湯温度センサと、貯湯缶体内の湯水の温度が設定貯湯温度に保持されるよう貯湯温度センサで検出される温度に基づいてバーナ部を制御する制御手段を備えたものがあり、また、この貯湯缶体内には貯湯缶体内の湯水と熱交換する風呂熱交換器が設けられ、浴槽水を風呂熱交換器に循環させることで、浴槽水を昇温させる追い焚き運転を行うことができ、追い焚き運転が行われる場合、それまで例えば60℃に設定されていた設定貯湯温度が、高温の例えば80℃に設定され、貯湯缶体内の湯水の温度がその設定貯湯温度になるようにバーナ部を制御するものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−100952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものにおいて、前記追い焚き運転が行われる場合、追い焚き運転終了時まで貯湯缶体内の湯水の温度を高温の例えば80℃に保持するようバーナ部を制御し、追い焚き運転が終了すると、前記設定貯湯温度は、追い焚き運転前の設定貯湯温度、例えば60℃に戻るものであるが、貯湯缶体内の湯水の温度が80℃から60℃に下がるまでの間、貯湯缶体内の湯水が給湯または浴槽水の昇温に使用されなかった場合は、自然放熱によりその熱は無駄に捨てられるだけであり、熱ロスが大きいという問題点を有するものであった。
【0005】
さらに、追い焚き運転終了時まで貯湯缶体内の湯水の温度を高温に保持しているため、追い焚き運転終了後に貯湯缶体内の湯水の温度を下げようとしても放熱されるを待つしかなく、その間、風呂熱交換器内の湯水は、循環されることなく風呂熱交換器内に留まるため貯湯缶体内の湯水とほぼ同じ温度まで加熱されることになり、追い焚き運転後に行われる保温等、次の浴槽水を循環させるタイミングで、風呂熱交換器内の高温の湯水が浴槽内に押し出されてしまい、浴槽内に入浴者がいた場合には、その高温の湯水によって入浴者に不快感を与えてしまうという問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、 給水管と給湯管が接続され内部に湯水を貯湯する貯湯缶体と、該貯湯缶体内の湯水を加熱するバーナ部と、前記貯湯缶体内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出手段と、前記貯湯缶体内に設けられた風呂熱交換器と、前記風呂熱交換器と浴槽とを環状に接続する風呂循環回路と、該風呂循環回路に設けられ前記浴槽内の浴槽水を前記風呂熱交換器に循環させる風呂循環ポンプと、浴槽水の温度を検出する風呂温度検出手段と、前記貯湯缶体内の湯水の温度を所定の設定貯湯温度に保持するよう前記貯湯温度検出手段で検出される温度に基づいて前記バーナ部の燃焼を制御する制御手段とを備え、前記浴槽内の浴槽水を前記風呂熱交換器に循環させて目標温度まで昇温させる追い焚き運転を行わせる給湯風呂装置において、前記制御手段は、前記追い焚き運転開始時に、前記風呂温度検出手段で検出される温度が前記目標温度より低い所定温度よりも低い場合は、前記設定貯湯温度を前記追い焚き運転前に設定されていた第1設定温度より高い第2設定温度に変更して追い焚き運転を行い、この追い焚き運転中に、前記風呂温度検出手段で検出される温度が前記所定温度に達したら、前記設定貯湯温度を前記第2設定温度より低い第3設定温度に変更するものとした。
【0007】
また、請求項2では、前記第3設定温度は前記第1設定温度と同温度とするものとした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、浴槽内の浴槽水を風呂熱交換器に循環させて目標温度に昇温させる追い焚き運転開始時に、風呂温度検出手段で検出される浴槽水の温度が目標温度より低い所定温度よりも低い場合、制御手段は、設定貯湯温度を追い焚き運転前に設定されていた第1設定温度より高い第2設定温度に変更して追い焚き運転を行い、この追い焚き運転中に風呂温度検出手段で検出される温度が所定温度に達したら、設定貯湯温度を第2設定温度より低い第3設定温度に変更するようにして、追い焚き運転が終了する前に、設定貯湯温度を第2設定温度から第3設定温度に下げることで、貯湯缶体内の湯水の温度が第2設定温度から第3設定温度に低下するまでの間は、バーナ部での燃焼は行われずに貯湯缶体内の湯水が保有している熱が風呂熱交換器で浴槽水に効果的に回収され、それによって自然放熱を待たずとも貯湯缶体内の湯水の温度が下がるため、追い焚き運転が終了した後に自然放熱によって無駄に捨てられる熱が減少し、熱ロスを小さくすることができ、さらに、追い焚き運転が終了する前に設定貯湯温度を第2設定温度から第3設定温度に下げて貯湯缶体内の湯水の加熱を抑制するので、追い焚き運転終了時には貯湯缶体内の湯温が第2設定温度から低下しており、追い焚き運転終了後に風呂熱交換器内に留まっている湯水が高温に加熱されることがなく、追い焚き運転後に行われる保温運転等、次の浴槽水を循環させるタイミングで、高温の湯水が浴槽内に押し出されることがないものである。
【0009】
また、請求項2によれば、第3設定温度は第1設定温度と同温度としたことで、追い焚き運転が終了した後、追い焚き運転前の設定貯湯温度に早々に戻り、追い焚き運転前の設定貯湯温度に戻るまでに自然放熱によって無駄に捨てられる熱が減少し、熱ロスを極力小さくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の一実施形態の給湯風呂装置を示す概略構成図。
図2】同一実施形態の追い焚き運転の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明の一実施形態の給湯風呂装置について図面に基づき説明する。
1は内部に一定量の湯水を貯湯する円筒状の貯湯缶体、2は貯湯缶体1の下部内側に形成した燃焼室、3は燃焼室2内に臨ませ点火電極4やノズル5が一体となったガンタイプ式のバーナ部で、バーナ部3の燃焼によって貯湯缶体1内の湯水が加熱されるものである。
【0012】
6は貯湯缶体1の上部に隣接する排気室、7は燃焼室2と排気室6とを連通する複数本の煙管、8は排気室6に接続された排気筒であり、バーナ部3の燃焼により燃焼室2内で発生する燃焼ガスは、燃焼室2から煙管7内を通って排気室6に送られ、排気筒8から排気されるものである。
【0013】
9は貯湯缶体1下部に接続され貯湯缶体1内に市水道からの水を給水する給水管、10は貯湯缶体1上部に接続され貯湯缶体1内に貯湯されている湯水を適宜給湯必要箇所に供給する給湯管、11は貯湯缶体1内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出手段としての貯湯温度センサである。
【0014】
12は貯湯缶体1内に設けられ煙管7を取り囲むように巻装され、貯湯缶体1内の湯水と浴槽13からの浴槽水とを熱交換する風呂熱交換器、14は風呂熱交換器12と浴槽13とを環状に接続する風呂循環回路、15は風呂循環回路14に設けられ浴槽13内の浴槽水を風呂熱交換器12へ循環させる風呂循環ポンプ、16は浴槽13から循環してくる浴槽水の温度を検出する風呂温度検出手段としての風呂温度センサである。
【0015】
17は給湯風呂装置の操作指示を行うリモコンで、リモコン17には、給湯設定温度や風呂設定温度を設定するための温度設定スイッチ18や、浴槽13内の浴槽水を目標温度(例えば、温度設定スイッチ18で設定した風呂設定温度等)まで昇温させる追い焚き運転を開始させる追い焚きスイッチ19や、給湯風呂装置の状態、給湯設定温度、風呂設定温度等を表示する表示部20を備えているものである。なお、前記追い焚きスイッチ19の機能として、浴槽13内の浴槽水を目標温度まで昇温させる追い焚き運転を終えた後、目標温度から所定温度低下したときに浴槽13内の浴槽水を風呂熱交換器12に循環させて目標温度に沸き上げる保温運転を所定時間行う機能が付いていてもよいものである。
【0016】
21は前記リモコン17と通信可能に接続され、貯湯温度センサ11や風呂温度センサ16の入力信号やリモコン17からの信号を受けて、バーナ部3や風呂循環ポンプ15の各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有する制御手段である。
【0017】
前記制御手段21は、貯湯缶体1内の湯水の温度を設定された所定の設定貯湯温度に保持するよう貯湯温度センサ11で検出される貯湯缶体1内の湯水の温度に基づいてバーナ部3の燃焼をオンオフ制御するものであり、詳細に説明すると、制御手段21は、貯湯温度センサ11の検出する温度が前記設定貯湯温度より一定温度(例えば2℃)低い燃焼オン温度以下のとき、燃焼能力固定のバーナ部3の燃焼をオンにすると共に、貯湯温度センサ11の検出する温度が前記設定貯湯温度と同じ温度である燃焼オフ温度に達したとき、バーナ部3の燃焼をオフする制御を行って、貯湯缶体1内の湯水の温度を設定貯湯温度に保持するものであり、設定貯湯温度に保持されている湯水は給湯に使用されたり、浴槽水の昇温に使用されたりするものである。
【0018】
なお、貯湯缶体1内の湯水が給湯に使用されてなく、前記追い焚き運転も行われていない給湯待機状態の場合の前記設定貯湯温度は、ユーザがリモコン17で設定した給湯設定温度に応じて制御手段21が設定するものであってもよく、給湯設定温度に依らずに予め設定された固定の温度であってもよく、ユーザがリモコン17で設定できるようにしてもよいものである。
【0019】
次に、図1に示す給湯風呂装置の追い焚き運転時の特徴的な動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。
前記制御手段21は、浴槽13内の浴槽水を風呂熱交換器12に循環させて目標温度まで昇温させる追い焚き運転を開始させる追い焚きスイッチ19の入力を受けると、風呂循環ポンプ15を駆動させて追い焚き運転を開始させ、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が、例えば前記目標温度よりも数度低い所定温度である目標温度−α(例えば、目標温度=40℃、α=2℃)より低いか否かを判断し(ステップS1)、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が所定温度より低い場合、制御手段21は、追い焚き運転開始前に設定されていた第1設定温度(例えば、60℃)から、設定貯湯温度を第1設定温度より高い高温の第2設定温度(例えば、80℃)に変更し(ステップS2)、第2設定温度に保持するよう貯湯温度センサ11の検出する湯温に基づきバーナ部3の燃焼を制御した状態で前記追い焚き運転を行い、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度以上になったか否かを判断し(ステップS3)、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度に達してない場合は、前記ステップS1の処理に戻り、追い焚き運転を継続するものである。
【0020】
前記追い焚き運転中、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記所定温度より低い間は、前記ステップS1、前記ステップS2、前記ステップS3の処理を繰り返し行い、設定貯湯温度を高温の第2設定温度として追い焚き運転を行い、前記ステップS1で、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記所定温度以上となった場合、制御手段21は、設定貯湯温度を前記第2設定温度よりも一定温度低い第3設定温度(例えば、70℃)に変更し(ステップS4)、第3設定温度に保持するよう貯湯温度センサ11の検出する湯温に基づきバーナ部3の燃焼を制御した状態で前記追い焚き運転を行い、前記ステップS3で、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度に達していない場合は、前記ステップS1の処理に戻るものであり、前記ステップS3で、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度に達したと判断した場合は、風呂循環ポンプ15の駆動を停止させて追い焚き運転を終了させ、前記設定貯湯温度を前記追い焚き運転を開始する前の第1設定温度に戻すものである。
【0021】
また、前記制御手段21は、追い焚き運転を開始させる追い焚きスイッチ19の入力を受け、風呂循環ポンプ15を駆動させて追い焚き運転を開始させ、前記ステップS1において、浴槽水の温度が初めから目標温度に近く、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度よりも数度低い所定温度以上であった場合は、前記ステップS4に進み、追い焚き運転開始前に設定貯湯温度として設定されていた第1設定温度から、設定貯湯温度を第3設定温度に変更し、第3設定温度に保持するよう貯湯温度センサ11の検出する湯温に基づきバーナ部3の燃焼を制御しつつ前記追い焚き運転を行い、前記ステップS3で、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度に達していない場合は、前記ステップS1の処理に戻るものであり、前記ステップS3で、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が前記目標温度に達したと判断した場合は、風呂循環ポンプ15の駆動を停止させて追い焚き運転を終了させ、前記設定貯湯温度を前記追い焚き運転を開始する前の第1設定温度に戻すものである。
【0022】
なお、先に説明した前記αの値は、追い焚き運転の時間が延びすぎず、且つ風呂熱交換器12での浴槽水との熱交換によって確実に貯湯缶体1内の湯水の温度を下げることができるような値を、予め行った実験により決定しておくものであり、また、前記第3設定温度は、浴槽水を昇温可能な温度とし、且つ追い焚き運転が終了した後に風呂熱交換器12内の湯が浴槽13内に押し出された場合に、入浴者に不快感を与えてしまう温度に上昇しない温度とし、これも予め行った実験により決定しておくものである。
【0023】
以上説明した追い焚き運転の際、浴槽13内の浴槽水を風呂熱交換器12に循環させて目標温度に昇温させる追い焚き運転開始時に、風呂温度センサ16で検出される浴槽水の温度が、目標温度よりも数度低い温度(所定温度)より低い場合、制御手段21は、設定貯湯温度を追い焚き運転開始前に設定されていた第1設定温度から第1設定温度より高い高温の第2設定温度に変更して追い焚き運転を行い、この追い焚き運転中に風呂温度センサ16で検出される温度が目標温度よりも数度低い温度(所定温度)に達したら、設定貯湯温度を第2設定温度から第2設定温度より低い第3設定温度に変更するようにして、追い焚き運転が終了する直前、すなわち、浴槽水が目標温度に到達する直前の目標温度よりも数度低い温度(所定温度)に達したときに、設定貯湯温度を第2設定設定温度から第3設定温度に下げることで、貯湯缶体1内の湯水の温度が第2設定温度から第3設定温度に低下するまでの間は、バーナ部3での燃焼は行われずに貯湯缶体1内の湯水が保有している熱が風呂熱交換器12で浴槽水に効果的に回収され、それによって自然放熱を待たずとも貯湯缶体1内の湯水の温度が下がるため、追い焚き運転が終了した後に自然放熱によって無駄に捨てられる熱が減少し、熱ロスを小さくすることができ、さらに、追い焚き運転が終了する前に設定貯湯温度を第2設定温度から第3設定温度に下げて貯湯缶体1内の湯水の加熱を抑制するので、追い焚き運転終了時には貯湯缶体1内の湯温が高温の第2設定温度から低下しており、追い焚き運転終了後に風呂熱交換器12内に留まっている湯水が高温に加熱されることがなく、追い焚き運転後に行われる保温運転等、次の浴槽水を循環させるタイミングで、高温の湯水が浴槽13内に押し出されることがないものである。
【0024】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものではなく、本実施形態では、追い焚き運転が終了した時に、設定貯湯温度を追い焚き運転を開始する前の第1設定温度設定貯湯温度に戻すものとしたが、追い焚きスイッチ19に追い焚き運転終了後に保温運転を行う機能が付いている場合は、追い焚き運転を終了しても保温運転期間は設定貯湯温度を第3設定温度とし、保温運転が終了した時に、設定貯湯温度を追い焚き運転を開始する前の第1設定温度に戻すものであってもよいものである。
【0025】
また、本実施形態では、前記追い焚き運転中に、風呂温度センサ16で検出される温度が目標温度よりも数度低い温度(所定温度)に達した時に変更する設定貯湯温度を第2設定温度より低い第3設定温度としたが、この第3設定温度は、追い焚き運転開始前の設定貯湯温度である第1設定温度と同温度としてもよく、そうすることで、追い焚き運転が終了した後、追い焚き運転前の設定貯湯温度に早々に戻り、追い焚き運転前の設定貯湯温度に戻るまでに自然放熱によって無駄に捨てられる熱が減少し、熱ロスを極力小さくすることができるものである。ただし、第3設定温度=第1設定温度とできるのは、第1設定温度が浴槽水を昇温可能な温度以上のときであり、第1設定温度が浴槽水を昇温可能な温度より低いときは、先の実施形態のように第3設定温度を浴槽水を昇温可能な温度とすることで、熱ロスの低減と同時に、追い焚き運転にかかる時間が過剰に長期化してしまうのを防止することができるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 貯湯缶体
3 バーナ部
9 給水管
10 給湯管
11 貯湯温度センサ
12 風呂熱交換器
13 浴槽
14 風呂循環回路
15 風呂循環ポンプ
16 風呂温度センサ
21 制御手段
図1
図2