特許第5859535号(P5859535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5859535アプリケーションサーバによるユーザ装置ケイパビリティの検索
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5859535
(24)【登録日】2015年12月25日
(45)【発行日】2016年2月10日
(54)【発明の名称】アプリケーションサーバによるユーザ装置ケイパビリティの検索
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20160128BHJP
   H04W 76/02 20090101ALI20160128BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20160128BHJP
【FI】
   H04W8/22
   H04W76/02
   H04W92/14
【請求項の数】32
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-524804(P2013-524804)
(86)(22)【出願日】2011年8月19日
(65)【公表番号】特表2013-536642(P2013-536642A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】KR2011006151
(87)【国際公開番号】WO2012023836
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】1014032.5
(32)【優先日】2010年8月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジシモポウロス
(72)【発明者】
【氏名】リッキー・カウラ
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 LG Electronics,Update to alternative #8, sub-alternative 1,3GPP TSG-SA WG2#79 ,3GPP,2010年 5月14日,S2-102383
【文献】 Samsung Electronics,VCC cross phase compatibility issues,3GPP TSG-SA WG2#52,3GPP,2006年 5月12日,S2-061658
【文献】 ZTE,HSS-based solutions to improve T-ADS in the SCC AS,3GPP TSG-SA WG2#77,3GPP,2010年 1月22日,S2-100443
【文献】 Samsung,Anchoring Decision based on SRVCC capability alt.2,3GPP TSG-SA WG2#80,3GPP,2010年 9月 3日,S2-103607
【文献】 NTT DOCOMO, Samsung,Solution Alternatives for anchoring decision based on SRVCC capability,3GPP TSG-SA WG2#80,3GPP,2010年 9月 3日,S2-103621
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線通信システムでアプリケーションサーバ(application server)のユーザ装置に対する呼を樹立する方法であって、
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティ(capability)をサービングノードに要請する第1メッセージを伝送する段階と、
記サービングノードから前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティ(capability)に関する情報を含む第2メッセージを受信する段階と、
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報に基づいて、前記ユーザ装置が、SRVCC(single radio voice call continuity)ケイパビリティがあるか否かを指示する情報を含む第3メッセージをATCF(access transfer control function)に伝送する段階とを含み
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、ATGW(access transfer gateway)で端末の呼を固定(anchor)するか否かを決定するのに利用されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線通信システムは、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含み
前記第1無線ネットワークは、パケットスイッチ音声通信を支援することができ、前記第2無線ネットワークは、サーキットスイッチ音声通信を支援することができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2メッセージは、無線ネットワークとただ1つの無線連結が時間内に任意の与えられたポイントで存在することができるように、前記ユーザ装置が前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークと通信のために単一無線インターフェースを有しているか否かと関連することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2メッセージは、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記ユーザ装置の能力と関連することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2メッセージにより、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記能力を有するものと指示されると、
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、前記呼を前記ATGWで固定することを指示することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1メッセージはSh−pullメッセージであり、前記第2メッセージはSh−pull−responseメッセージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サービングノードは、移動性管理エンティティー(MME;Mobility Management Entity)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1メッセージの伝送、前記第2メッセージの受信、前記第3メッセージの伝送は、IMS(IP multimedia subsystem)登録手続で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サービングノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2メッセージにより、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記能力を有さないものと指示されると、
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、前記呼を前記ATGWで固定しないように指示することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記アプリケーションサーバは、SCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記サービングノードは、HSS(home subscriber server)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記呼が発信されるかまたは着信される接続ネットワークの指示に依存して、第1無線ネットワークまたは第2無線ネットワークで前記呼を固定するか否かを決定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含む無線通信システムでユーザ装置からまたはユーザ装置に呼の樹立を支援するのに使用するためのアプリケーションサーバであって、
前記第2無線ネットワークは、前記第1無線ネットワークと関連を有し、前記無線通信システムは、前記アプリケーションサーバと通信することができるサービングノードを有し、
前記アプリケーションサーバは、前記サービングノードからメッセージを受信し、且つ前記メッセージは、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を有し;そして
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報によって前記第1無線ネットワークまたは前記第2無線ネットワークの接続伝達ゲートウェイ(ATGW;access transfer gateway)で前記呼を固定するか否かを決定することを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項15】
無線通信システムでユーザ装置に呼を樹立するためのアプリケーションサーバ(application server)において
信号を送信及び受信する通信部と、
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティを要請する第1メッセージをサービングノード(serving node)に伝送し、
前記サービングノードから前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を含む、第2メッセージを受信し、
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報に基づいて、前記ユーザ装置が、SRVCC(single radio voice call continuity)ケイパビリティがあるか否かを指示する情報を含む第3メッセージをATCF(access transfer control function)に伝送するように制御する制御部とを含み、
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、ATGW(access transfer gateway)で端末の呼を固定(anchor)するか否かを決定するのに利用されることを特徴とするアプリケーションサーバ
【請求項16】
前記無線通信システムは、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含み、
前記第1無線ネットワークは、パケットスイッチ音声通信を支援することができ、前記第2無線ネットワークは、サーキットスイッチ音声通信を支援することができることを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項17】
前記第2メッセージにより、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための能力を有するものと指示されると
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、前記呼を前記ATGWで固定することを指示することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項18】
前記サービングノードは、移動性管理エンティティー(MME、Mobility Management Entity)であることを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項19】
前記第2メッセージにより、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための能力を有さないものと指示されると
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、前記呼を前記ATGWで固定しないように指示することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項20】
前記サービングノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項21】
前記サービングノードは、MSC(Mobile Switching Centre)であることを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項22】
前記制御部は、
前記第1メッセージを伝送
ホーム加入者サーバ(HSS、Home Subscriber Server)を通じて前記第2メッセージを受信するように制御することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項23】
前記第1及び第2メッセージを具現するためにダイアメータSh−pullメカニズムを利用することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項24】
前記アプリケーションサーバは、SCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)を含むことを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項25】
前記第1メッセージの伝送、前記第2メッセージの受信、前記第3メッセージの伝送は、IMS(IP multimedia subsystem)登録手続で行われることを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項26】
前記第1無線ネットワークは、パケットスイッチ音声通信を支援することができ、前記第2無線ネットワークは、サーキットスイッチ音声通信を支援することができることを特徴とする請求項16に記載のアプリケーションサーバ
【請求項27】
前記第2メッセージは、無線ネットワークとただ1つの無線連結が時間内に任意の与えられたポイントで存在することができるように、前記ユーザ装置が第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークと通信のために単一無線インターフェースを有しているか否かと関連することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項28】
前記第2メッセージは、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記ユーザ装置の能力と関連することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項29】
前記第2メッセージにより、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記能力を有するものと指示されると、
前記第3メッセージに含まれた前記情報は、前記呼を前記ATGWで固定することを指示することを特徴とする請求項28に記載のアプリケーションサーバ
【請求項30】
前記アプリケーションサーバは、機械−類型通信サーバ(Machine−Type Communications Server)であり、前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、前記ユーザ装置伝送ケイパビリティと関連することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項31】
前記アプリケーションサーバは、機械−類型通信サーバ(Machine−Type Communications Server)であり、前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、低い優先順位装置である前記ユーザ装置と関連することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【請求項32】
前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、前記ユーザ装置のI1ケイパビリティと関連することを特徴とする請求項15に記載のアプリケーションサーバ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線通信システムに関し、より詳細には、アプリケーションサーバによってユーザ装置のネットワークケイパビリティ(capability)に関する情報を検索(retrieve)するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルハンドセットのようなユーザ装置(UE;user equipment)が基地局のネットワークに対する無線リンクを通じて、またはテレコミュニケーションネットワークに連結された他の無線接続ポイントを通じて通信する無線ネットワークを含む無線通信システムは、様々な世代の無線接続技術(radio access technology)を通じて速く発展してきた。アナログ変調を使用するシステムの初期配置は、典型的にGERA(GSM(登録商標) Enhanced Data rates for GSM(登録商標) Evolution Radio Access)無線接続技術を使用するGSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)のような2世代(2G)デジタルシステムによって代替された。そして、このようなシステムは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)無線接続技術を使用するUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のような3世代(3G)デジタルシステムによって交替されるか、増強された。3世代標準は、2世代システムによって提供されるものより大きいデータの処理量を提供する。このような傾向は、E−UTRA(Evolved UTRA)無線接続技術を使用するLTE(Long Term Evolution)システムの3GPP(Third Generation Partnership Project)による提案とともに持続された。LTEシステムの3GPPは、以前の標準に比べて大きい容量及び追加特徴を潜在的に提供する。
【0003】
用語“GERA”は、この文献でGERAN(GERAネットワーク)無線ネットワークに関連した無線接続技術を示すものとして使用され、“UTRA”は、UTRAN(UTRAネットワーク)無線ネットワークと関連した無線接続技術を示すものとして使用され、類似の用語“E−UTRA”または“LTE”は、E−UTRAN(E−UTRAネットワーク)無線ネットワークと関連した無線接続技術を示すものとして使用されるという点に留意しなければならない。
【0004】
LTEは、主に高速パケットスイッチネットワークに設計される。そして音声サービス、パケットスイッチ音声サービス、そして特にVoIMS(Voice over Internet Protocol Multimedia Subsystem)サービスが構想中にある。一方で、UMTSのような以前世代のシステムは、主にサーキットスイッチングされる音声サービスを支援する。
【0005】
新しい技術が導入されるにつれて、ネットワークが典型的に配置される。これは、最近の標準による無線接続技術(radio access technology)を利用する無線接続ネットワークと、レガシィ(legacy)無線接続技術を利用するレガシィ無線接続ネットワークを含む。ユーザ装置は、典型的に2つ以上の無線接続技術を利用して通信することができる。したがって、例えば、ユーザ装置は、利用可能な高い容量を提供する1つの無線接続技術を利用して動作することもできるが、他の無線接続技術を支援しないかまたは選好する特徴を支援しないネットワークのサービス領域でレガシィ無線接続技術を利用して動作することもできる。
【0006】
E−UTRAネットワークとUTRA/GERAネットワークとの間にユーザ装置のハンドオーバーを許容するように開発されてきた多様なハンドオーバー手続が存在する。特に、ハンドオーバー手続は、音声呼が進行中であるとき、ハンドオーバーを許容するように開発された。すなわち、いわゆるVCC(Voice Call Continuity)ハンドオーバー手続である。典型的にVCC手続は、セッション伝達制御機の制御下に具現される。セッション伝達制御機は、典型的にSCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)及びI/S−CSCF(Serving Call Session Control Function及び/またはInterrogating Call Session Control function)を含む。セッション伝達制御機は、IMS(Internet Protocol Multimedia Subsystem)で典型的に具現される。
【0007】
IMSは、典型的にE−UTRAネットワーク上で提供されるパケットスイッチサービスを制御するために使用される。UTRA/GERAネットワークでサーキットスイッチサービスの制御は、典型的にMSN(Mobility Switching Centre)のような移動性制御機を含む。セッション伝達制御機は、典型的にVCC手続によるハンドオーバー中に移動性制御機と通信する。
【0008】
ユーザ装置は、経済性の理由または電力消費の最小化のために単一無線トランシーバが装着されることができる。したがって、2つの無線接続ネットワークと同時通信は可能でない。このような場合、ハンドオーバープロトコルは、典型的にハンドオーバー中にbreak−before−make無線連結を利用する。単一無線音声呼持続(SRVCC;Single Radio Voice Call Continuity)手続として知られたハンドオーバー手続は、一部のユーザ装置での使用に利用可能であることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
呼は、一般的に固定(anchor)されることができる。したがって、ユーザ装置へのまたはユーザ装置からの接続連結が呼処理中に変更されれば、固定ポイントを超える呼ルーティングの残りは、変更されない。これは、パケットスイッチサービスを提供する無線ネットワークからサーキットスイッチサービスを提供する無線ネットワークへハンドオーバーが行われるとき、パケットスイッチ無線ネットワークで固定されたものからサーキットスイッチネットワークで固定されたものに呼を変更するために必要である。しかし、これは、所望しない遅延を含むことができる。呼の樹立時にサーキットスイッチネットワークですべての呼を固定することが可能であることができるが、これは、サーキットスイッチネットワーク資源の浪費をもたらすことができる。
【0010】
マシン−タイプ通信サーバ(Machine−Type Communications Server)のような無線通信システムでの使用のための他の類型のアプリケーションサーバは、異なるケイパビリティのユーザ装置に応ずるための要求に起因してアプリケーションの非効率的な性能に苦しむことができる。
本発明の態様は、従来システムの難点を扱う。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1態様によって、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含む無線通信システムでユーザ装置からまたはユーザ装置に呼を樹立する方法が提供される。前記第2無線ネットワークは、前記第1無線ネットワークと関連を有し、前記無線通信システムは、サービングノード及び前記サービングノードと通信することができるアプリケーションサーバを有し、前記方法は、次を含む:
前記アプリケーションサーバで前記サービングノードからメッセージを受信する段階であって、前記メッセージは、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を有する、段階;及び、
前記アプリケーションサーバで前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報によって前記第1無線ネットワークまたは前記第2無線ネットワークで前記呼を固定するかを決定する段階;を含む。
【0012】
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティによって前記第1無線ネットワークまたは前記第2無線ネットワークで前記呼を固定するかを決定する段階の利点は、呼処理中に固定の変更、及びこれと関連した遅延が、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに基礎することができる、呼処理中の固定の変更が可能性があるか否かを考慮して、呼の樹立時に呼を固定する適切なネットワークを選択することによって、回避されることができるという点である。
【0013】
本発明の実施例において、前記第1無線ネットワークは、パケットスイッチ音声通信を支援することができ、前記第2無線ネットワークは、サーキットスイッチ音声通信を支援することができる。
【0014】
パケットスイッチ音声通信を支援するネットワークとサーキットスイッチ音声通信を支援するネットワークとの間の呼の固定の変更を避けることは、特に利得である。なぜなら、これは、収容することができない遅延を導入することを含むことができるからである。パケットスイッチ音声通信を支援するネットワークとサーキットスイッチ音声通信を支援するネットワークとの間の呼の固定の変更の可能性は、ユーザ装置のネットワークケイパビリティに依存することができる。
【0015】
本発明の一実施例において、前記メッセージは、無線ネットワークとただ1つの無線連結が時間内に任意の与えられたポイントで存在することができるように、前記ユーザ装置が前記第1無線ネットワーク及び前記第2無線ネットワークと通信のために単一無線インターフェースを有しているか否かと関連する。
【0016】
本発明の一実施例において、前記メッセージは、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記ユーザ装置の能力と関連する。
【0017】
SRVCC手続を行うためのユーザ装置のケイパビリティに基づいて呼を固定するためのネットワークを決定することは、特に利得である。なぜなら、ケイパビリティは、パケットスイッチ音声通信を支援するネットワークとサーキットスイッチ音声通信を支援するネットワークとの間の呼の固定の変更が呼処理中に発生し得る可能性の指標だからである。
【0018】
本発明の一実施例において、前記方法は、前記ユーザ装置がSRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)手続を行うための前記能力を有することを示す前記メッセージに少なくとも依存する前記第2無線ネットワークで前記呼を固定する段階を含む。
【0019】
前記サービングノードは、前記第1無線ネットワークにあり、そして、前記サービングノードは、移動性管理エンティティー(MME;Mobility Management Entity)になることができる。
【0020】
代案的に、本発明の一実施例において、前記サービングノードは、前記第2無線ネットワークにあり得、前記サービングノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node)であることができるか、またはMSC(Mobile Switching Centre)であることができる。
本発明の一実施例において、前記アプリケーションサーバは、SCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)を含む。
【0021】
本発明の一実施例において、前記方法は、次をさらに含む:
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティを要請する前記サービングノードに前記アプリケーションサーバから要請メッセージを伝送する段階。
これは、前記サービングノードが前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を有するメッセージを伝送するように誘導する利点を有する。
【0022】
本発明の一実施例において、前記方法は、次を含む:
前記呼が発信されるか、または着信される接続ネットワークの指示に依存して、前記第1無線ネットワークまたは前記第2無線ネットワークで前記呼を固定するか否かを前記アプリケーションサーバで決定する段階。
【0023】
これは、利得になることができる。なぜなら、パケットスイッチ音声通信を支援するネットワークとサーキットスイッチ音声通信を支援するネットワークとの間の呼の固定の変更の可能性がユーザ装置のケイパビリティに追加に、前記呼が発信されるか、または着信される接続ネットワークの形式に依存することもできるからである。例えば、SRVCCハンドオーバーは、WiFiネットワークに対して可能でないことがある。
【0024】
本発明の第2態様によって、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含む無線通信システムでユーザ装置からまたはユーザ装置に呼の樹立を支援するのに使用するためのアプリケーションサーバが提供される。前記第2無線ネットワークは、前記第1無線ネットワークと関連を有し、前記無線通信システムは、前記アプリケーションサーバと通信することができるサービングノードを有し、前記アプリケーションサーバは、次のような処理を行う:
前記サービングノードからメッセージを受信し、且つ、前記メッセージは、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を有し;そして、
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報によって前記第1無線ネットワークまたは前記第2無線ネットワークで前記呼を固定するかを決定する。
【0025】
本発明の第3態様によって、無線通信システムでユーザ装置のネットワークケイパビリティによってアプリケーションサーバでアプリケーションの性能に適応する方法が提供される。前記無線通信システムは、前記アプリケーションサーバと通信することができるサービングノードを有し、前記方法は、次を含む。
【0026】
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティを要請する前記サービングノードに前記アプリケーションサーバから第1メッセージを伝送する段階;
前記アプリケーションサーバで前記サービングノードから第2メッセージを受信する段階であって、前記メッセージは、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を伝達する、第2メッセージを受信する段階;及び
前記第2メッセージに基づいて前記アプリケーションサーバで前記アプリケーションの性能に適応する段階。
【0027】
これは、前記アプリケーションサーバの前記性能が最適化される利得を有する。なぜなら、すべてのユーザ装置が同一のネットワークケイパビリティを有することができるものではないので、したがって前記ユーザ装置に適していないいかなるネットワークケイパビリティに特定された前記アプリケーションサーバで動作を避けることもできるからである。
【0028】
本発明の一実施例において、前記無線通信システムは、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを含み、前記第2無線ネットワークは、前記第1無線ネットワークと関連を有し、前記アプリケーションサーバは、前記第1無線ネットワークと関連を有する。
【0029】
本発明の一実施例において、前記サービングノードは、前記第1無線ネットワークにあり得、そして移動性管理エンティティー(MME;Mobility Management Entity)になることができる。
【0030】
代案的に、本発明の一実施例において、前記サービングノードは、前記第2無線ネットワークにあり得、そして前記サービングノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node)であることができ、または、前記サービングノードは、MSC(Mobile Switching Centre)であることもできる。
【0031】
本発明の一実施例において、前記方法は、前記第1メッセージを伝送する段階;及びホーム加入者サーバ(HSS、Home Subscriber Server)を通じて前記第2メッセージを受信する段階;を含む。前記第1及び第2メッセージを具現するためにダイアメータSh−pullメカニズムを利用することが便利であることができる。
【0032】
本発明の一実施例において、前記アプリケーションサーバは、SCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)を含む。
【0033】
代案的に、本発明の一実施例において、前記アプリケーションサーバは、機械−類型通信サーバ(Machine−Type Communications(MTC)Server)であり、前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、前記ユーザ装置伝送ケイパビリティと関連する。
【0034】
これは、前記ユーザ装置が前記ユーザ装置の特定伝送ケイパビリティを有しなければ、前記ユーザ装置の特定伝送ケイパビリティに適用することができるアプリケーションサーバの動作を避けることができる利点を有する。
【0035】
本発明の一実施例において、前記アプリケーションサーバは、機械−類型通信サーバ(Machine−Type Communications(MTC) Server)であり、前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、低い優先順位装置である前記ユーザ装置伝送ケイパビリティと関連する。
【0036】
これは、前記ユーザ装置が低い優先順位装置なら、上位優先順位装置に適用することができるアプリケーションサーバの動作を避けることができる利点を有する。
【0037】
本発明の一実施例において、前記ユーザ装置の前記要請されたネットワークケイパビリティは、前記ユーザ装置のI1ケイパビリティと関連する。
【0038】
本発明の第4態様によって、無線通信システムでユーザ装置のネットワークケイパビリティによってアプリケーションの性能に適応するアプリケーションサーバが提供され、前記無線通信システムは、前記アプリケーションサーバと通信することができるサービングノードを有し、前記アプリケーションサーバは、次のような動作を行う:
前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティを要請する前記サービングノードに第1メッセージを伝送し;
前記サービングノードから第2メッセージを受信し、且つ、前記メッセージは、前記ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を伝達し;そして、
前記第2メッセージに基づいて前記アプリケーションの性能に適応する。
【0039】
本発明の追加的な特徴及び利得は、本発明の好ましい実施例の次の説明からさらに明確になり、これら実施例は、ただ例示的な方法で与えられる。
【0040】
本発明の実施例によれば、パケットスイッチ音声通信を支援するネットワークとサーキットスイッチ音声通信を支援するネットワークとの間で呼の固定の変更を避けることができる利点がある。なぜなら、これは、収容することができない遅延をもたらすことを伴うからである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の一実施例においてIMSアプリケーションサーバによるユーザ装置のネットワークケイパビリティの問い合わせのためのシグナリング経路を示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施例においてSCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)によるユーザ装置のネットワークケイパビリティの問い合わせのためのシグナリング経路を示す概略図である。
図3図3は、本発明の一実施例においてSCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)によるユーザ装置のネットワークケイパビリティの問い合わせのための他のシグナリング経路を示す概略図である。
図4図4は、本発明の一実施例においてユーザ装置登録中にユーザ装置ネットワークケイパビリティを要請するためのシグナリング経路を示す概略図である。
図5図5は、本発明の一実施例においてモバイル発信呼(mobile originated call)がVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)に固定されなければならないとSCC ASが決定する場合のためのシグナリング経路を示す概略図である。
図6図6は、本発明の一実施例においてモバイル着信呼(mobile terminated call)がVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)に固定されなければならないとSCC ASが決定する場合のためのシグナリング経路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
一例として本発明の第1実施例が無線ネットワークを含む無線通信システムの態様で説明される。この無線ネットワークは、パケットスイッチ音声通信を支援し、LTEシステムでE−UTRANネットワークと関連してE−UTRA/LTE無線接続技術を利用する通信を支援する無線接続ネットワーク、及びサーキットスイッチ音声通信を支援し、GSM(登録商標)/UMTSシステムでGERAN/UTRANネットワークと関連してGERA/UTRA無線接続技術を利用する通信を支援する他の無線ネットワークになることができる。無線通信システムは、アプリケーションサーバ、典型的にE−UTRANネットワークと関連するIMS(Internet Protocol Multimedia Subsystem)内のSCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server Application Server)を有する。
【0043】
しかし、これは、ただ例示的なものであり、他の実施例は、IEEE802.16ワイマックス(WiMax)システムのような他の無線接続技術を利用する無線ネットワークを含むこともできることを理解することができる。実施例は、個別無線接続技術の利用に制限されず、また、実施例は、1つ以上の無線ネットワークを含む状況に制限されない。本発明の実施例は、機械−類型通信サーバのような他の類型のアプリケーションサーバと関連することもできる。
【0044】
第1実施例は、SRVCC(single radio voice call continuity)手続を行うためのユーザ装置の能力と関連してユーザ装置からアプリケーションサーバによってネットワークケイパビリティの検索(retrieve)と関連する。もしユーザ装置がこのケイパビリティを有すれば、アプリケーションサーバは、呼が該呼の樹立に対してGERAN/UTRANネットワークに固定されなければならないものと決定する。呼のためのシグナリングは、一般的に接続伝達制御機能(ATCF;Access Transfer Control Function)内で固定される。そして、呼データは、一般的に接続伝達ゲートウェイ(ATGW;Access Transfer GateWay)内で固定される。SRVCC手続が活性化される場合、呼が樹立されれば、呼の樹立に関してGERAN/UTRANネットワークでの固定は、呼の固定を伝達することと関連した遅延を避ける。しかし、もしユーザ装置がSRVCCケイパビリティを有しなければ、樹立されるとすぐに、呼は、一般的にIMS内のE−UTRANネットワークに固定される。したがって、GERAN/UTRAN資源の不要な使用を避けることができる。ユーザケイパビリティは、一般的にサービングノードから検索される(retrieved)。したがって、これは、一般的に呼の樹立時にユーザ装置に問い合わせることは、不要である。それで、ユーザ装置と通信することと関連する手続は、一般的に影響がない。
【0045】
第1実施例の動作は、次の配置シナリオを参照して説明されることができる。E−UTRANネットワークの初期配置は、典型的にレガシィGERAN/UTRANネットワークのような既存の無線ネットワークのカバレージの領域内である。初期配置されるとすぐに、E−UTRANネットワークは、例えば都市の中心部をカバーする、既存のレガシィネットワークによってカバーされる領域より小さい地理的領域にサービスを提供する。そしてカバーされる領域は、隣接しなくてもよい。さらに、ただ利用することができるネットワーク特徴のサブセットのみ活性化されることができる。そして特徴の活性化は、ネットワークにわたって均一でなくてもよい。特に、レガシィシステムと比べてその潜在的に向上したデータ容量に起因して、E−UTRANの初期配置は、例えばPDA(personal digital assistant)のようなLTE活性化された装置に対して、またはラップトップコンピュータのための通信モジュールをプラグイン(plug in)形式で有するユーザ装置に対して、高い帯域幅データサービスを提供することに集中することができる。このような理由で、主要LTE音声サービスであるVoIMS(Voice over IMS)として知られたパケットスイッチサービスは、特定の領域では、利用することができないことがある。
【0046】
ユーザ装置がE−UTRANネットワークのカバレージの領域外に移動すれば、GERAN/UTRANネットワークでハンドオーバーが要求される。そしてハンドオーバーは、SRVCC(Single Radio Voice Call Continuity)ハンドオーバーになることができる。すべてのユーザ装置がSRVCCケイパビリティを有するものではない。
【0047】
DRVCC(Dual Radio Voice Call Continuity)として称することができる他の手続は、デュアルラジオを有する一部のユーザ装置で利用することができるケイパビリティである。これにより、手続は、ユーザ装置自分が各ドメイン、すなわち各無線ネットワークで呼を樹立するので、ハンドオーバーと言うよりは、2個の呼を含むドメイン伝達として見られる。このように、DRVCC手続の結果としてネットワーク間に固定の伝達を行う必要はない。
一部のユーザ装置は、SRVCもDRVCCケイパビリティもいずれも有しなくてもよい。
【0048】
第1実施例のための典型的なネットワーク構成は、次の通りである。ユーザ装置は、例えばE−UTRAN無線接続ネットワークである、第1無線接続ネットワークに連結されることができる。ハンドオーバーは、この例で、UTRAN/GERAN無線接続ネットワークである第2無線接続ネットワークに対して要求されることができる。したがって、ユーザ装置は、第2無線接続ネットワークへハンドオーバー時にUTRAN/GERAN無線接続ネットワークに繋がれる。第1無線接続ネットワークは、コアネットワークを有する。コアネットワークは、サービングノードになることができるMME(Mobile Management Entity)及びE−UTRAN内にハンドオーバーの支援で動作するHSS(Home Subscriber Server)を含むことができる。IMS(Internet Protocol Multimedia subsystem)は、アプリケーションサーバ、すなわちIMSアプリケーションサーバ、典型的に第2無線接続ネットワークと通信することができるSCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server Application Server)10及びI/S−CSCF(Serving Call Session Control Function and/or Interrogating Call Session Control Function)を含む。
【0049】
第2無線接続ネットワークは、サービングノード、典型的にSGSN(Serving GPRS Support Node)またはMSC(Mobile Switching Centre)またはMSC−S(Mobile Switching Centre Server)を有する。
【0050】
図1は、IMSアプリケーションサーバ6によってユーザ装置のネットワークケイパビリティの問い合わせのためのシグナリング経路を示す概略図である。1.1段階及び1.2段階で、要請メッセージがアプリケーションサーバ、この例でIMSアプリケーションサーバ6から、コアネットワーク(CN)ノード2、典型的にユーザ装置のネットワークケイパビリティを要請するサービングノードに伝送される。要請メッセージは、HSS(Home Subscriber Server)4を通じて伝送されることができる。メッセージは、1.3段階及び1.4段階でコアネットワークノード2から伝送され、IMSアプリケーションサーバ6で受信され、このメッセージは、ユーザ装置のネットワークケイパビリティに関する情報を有する。このメッセージもHSS(Home Subscriber Server)4を通じて伝送されることができる。ユーザ装置ネットワークケイパビリティを提供するメッセージは、典型的に要請メッセージの受信に対応して伝送されることができる。
【0051】
ユーザ装置ネットワークケイパビリティを提供するメッセージを受信すれば、アプリケーションサーバは、一般的に第1無線ネットワーク、すなわちこの例でE−UTRANで呼を固定するか、または第2無線ネットワーク、すなわちこの例でUTRAN/GERANで呼を固定するか否かを決定する。
【0052】
図2は、SCC AS(Service Centralisation and Continuity Application Server)10によってユーザ装置のネットワークケイパビリティの問い合わせのためのシグナリング経路を示す第1実施例のさらに詳細な例を示す。この例で、サービングノード8は、SGSNまたはMMEになることができる。2.1段階で、ダイアメータSh−Pull(DIAMETER Sh−Pull)メッセージは、HSS 4に伝送され、2.3段階で、HSS 4は、ダイアメータ挿入加入者データ要請(DIAMETER ISD(Insert Subscriber Data)Request)を適切にSGSNまたはMMEに伝送し、2.1段階及び2.2段階は、ユーザ装置ネットワークケイパビリティの問い合わせになる。2.3段階で、サービングノード8、すなわちSGSN/MMEは、ダイアメータISD応答(DIAMETER ISD Answer)をHSS 4に伝送する。そして2.4段階で、HSS 4は、ダイアメータSh−Pull応答(DIAMETER Sh−Pull Answer)をSCC AS 10に伝送する。2.3段階及び2.4段階で、メッセージは、ユーザ装置ネットワークケイパビリティを提供する。
【0053】
図3は、第1実施例の他の例を示す。3.1段階及び3.4段階は、HSS 4とSCC AS 10と間の通信のために、既に説明されたような2.1段階及び2.4段階と同様に進行される。しかし、HSS 4とSGSN/MME 8との間の通信のために、3.2段階及び3.3段階でマップ(MAP)手続が利用される。3.2段階で、ユーザ装置ネットワークケイパビリティを問い合わせするマップPSI要請がSGSN/MME 8に伝送される。そして3.3段階で、ユーザ装置ネットワークケイパビリティを提供するマップPSI応答(MAP PSI acknowledgement)がSGSN/MME 8によって伝送される。
【0054】
図4は、SCC AS 10によって伝送されるユーザ装置ケイパビリティ情報のための要請をトリガーする、ユーザ装置登録中にユーザ装置ネットワークケイパビリティを要請するためのシグナリング経路を示す概略図である。図4は、第1ユーザ装置12からP−CSCF(Proxy Call Session Control Function)に伝送される、またはATCF(Access Transfer Control Function)14からI/S−CSCF(Interrogating/ServingCallSessionControlFunction)16に伝送される、そしてそこ16からSCC AS 10に伝送される、4.1段階、4.2段階及び4.3段階で示されたメッセージの従来シーケンスの例を示す。ユーザ装置ネットワークケイパビリティを決定するために、例えばSRVCCケイパビリティに対して、SCC AS 10は、Sh−pullメッセージを4.4段階でHSS 4に伝送する。そしてHSSは、ユーザ装置ネットワークケイパビリティを要請するために、挿入加入者データメッセージ(ISD要請)をサービングノード、この例でMME/SGSN 8に伝送する。
【0055】
図5は、SCC ASがモバイル発信呼(第1ユーザ装置(UE−1)12によって発信される)が、この例でHPLMN(Home Public Land Mobile Network)として称されることができるサーキットスイッチケイパビリティを有するネットワークである第1無線ネットワークの代わりに、この例でVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)として称されることができるサーキットスイッチケイパビリティを有するネットワークである第2無線ネットワークに固定されなければならないかを決定する場合のためのシグナリング経路を示す概略図である。
【0056】
SCC ASがユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)することに基づいてVPLMNで固定するか否かを決定することを見ることができ、これは、図1図4と関連して説明された手続に従うことができる。そしてこの例で、SCC ASは、VPLMNで固定するように決定することを見ることができる。この例において、ATGW(Access Transfer Gateway)18は、呼データを固定するのに使用され、そしてATCFは、呼シグナリングを固定するように使用される。ATGW及びATCFは、一部の場合で、MSC(Mobile Switching Centre)とともに位置することができる(co−located)。呼は、第2ユーザ装置(UE−2) 20に対して樹立される。
【0057】
図6は、第1ユーザ装置(UE−1)12で着信されるモバイル着信呼(mobile terminated call)のための等価のプロセスを示す。図5に示されたようなモバイル発信呼のためのプロセスと同様に、SCC ASは、ユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)することに基づいてVPLMNで固定するか否かを決定し、VPLMNで固定することを決定し、そしてATGW 18は、呼データを固定するように使用され、ATCFは、呼シグナリングを固定するように使用される。
【0058】
SCC ASが、呼がHPLMNで固定されなければならないことを決定する場合において、メッセージ5.6及び5.7は、伝送されなくてもよいという点を留意しなければならない。呼は、IMSに固定されたまま維持される。IMSは、少なくともSCC AS 10及びI/S−CSCF 16を含む。
【0059】
WiFi接続ネットワークのような一部の無線ネットワークは、SRVCCを支援しなくてもよい。したがって、アプリケーションサーバは、呼が発信されるかまたは着信される接続ネットワークの指示に基づいて呼を固定するか否かを決定することができる。
【0060】
本発明の第2実施例において、アプリケーションサーバは、機械−類型通信(MTC;Machine−Type Communications)サーバであり、前記ユーザ装置の要請されるネットワークケイパビリティは、ユーザ装置伝送ケイパビリティに関連する。ユーザ装置の特定伝送ケイパビリティに対して適用することができるアプリケーションサーバの動作は、前記ユーザ装置がこれらケイパビリティを有しなければ回避されることができる。MTCサーバは、例えばスマートメータリング(smart metering)に使用されることができる。ユーザ装置は、メートルを読み取り、無線ネットワークを通じてデータを伝送するための装置が設置されることができる。
【0061】
包括的なメカニズムが、アプリケーションサーバが必要に基づいてユーザ装置のケイパビリティを得ることを許容するように提供されることを前述した実施例から知ることができる。
【0062】
特に、実施例が適用されることができる。しかし、次に限定するものではない:SRVCC向上のコンテキスト(context)で向上した(enhanced)SRVCC(eSRVCC)アキテクチャー;着信のためのIMSでユーザ装置I1ケイパビリティのプロビジョン(provision);及びユーザ装置ネットワークケイパビリティのMTCサーバ知識(knowledge)。特に、IMSアプリケーションサーバでユーザ装置ネットワークケイパビリティの検索(retrieval)は、ユーザ装置でセッション開始プロトコル(SIP;Session Initiation Protocol)に対する影響を要求することなく提供されることができる。
【0063】
一般的に、実施例は、ユーザ装置が修正されず、最適化がネットワーク手続で修正を通じて行われるという利点を有する。SCC ASは、SRVCCハンドオーバーが行われるとき、速いスイッチングタイムを成就するために、発信または着信の時間でVPLMNにどんな音声呼を固定するかを決定することができる。
【0064】
ユーザ装置のネットワークケイパビリティは、従来技術のSIP/IMSシグナリングメカニズムによってSCC ASに提供されず、そして特にSRVCCを支援するか否かに関する情報は、提供されないということに留意しなければならない。同一のSCC ASがSRVCC及びDRVCCユーザ装置の両方のための呼を固定するのに使用される可能性を考慮して、SCC ASがVPLMNで(シグナリング及びメディアを含んで)すべての呼を固定するように無条件的に(blindly)決定すれば、これは、不要にVPLMNで資源を浪費することができる。なぜなら、これは、またVPLMNで固定されることが要求されないDRVCCユーザ装置から呼を固定することもできるからである。
【0065】
アプリケーションサーバは、SRVCCケイパビリティ、例えばI1ケイパビリティではない、ユーザ装置ネットワークケイパビリティの形式の知識から利得を得ることができるという点に留意しなければならない。
【0066】
本発明の実施例は、任意のIMSアプリケーションサーバがユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)し、ユーザ装置のケイパビリティに基づいて関連した決定をすることができるように許容するメカニズムを提供することができる。この点では、SCC ASが(ユーザ装置ケイパビリティに基づいて)これが適切であるか否かを知ることができるようにし、そしてVPLMNに呼を固定するために任意の利得を提供することができる。
【0067】
本発明の実施例は、サービングノードからユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)するためにアプリケーションサーバによって使用されることができるメカニズム、そして特に、ユーザ装置のケイパビリティに基づく適切なドメインに基礎するモバイル発信(MO;mobile originated)及び/またはモバイル着信(MT;mobile terminated)呼を固定することを決定するアプリケーションサーバ(SCC AS)の実施例を提供することができる。
【0068】
本発明の実施例は、アプリケーションサーバがユーザ装置ネットワークケイパビリティに基づいて知られた決定をするようにする。eSRVCCアキテクチャーの場合において、これは、SCC ASがユーザ装置IMS登録中に、またはMO/MT呼が受信される時間に、ユーザ装置がSRVCCを支援するか否かに基づいてATCF/ATGWで呼を固定する必要があるかを決定するようにする。
【0069】
実施例は、どのアプリケーションサーバがそのサービングノード、例えばSGSN/MMEから特定ユーザ装置のユーザ装置ネットワークケイパビリティを要請し受信することができるように許容するメカニズムで構成されることができる。
【0070】
サービングノードからユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)するための3GPPアキテクチャーで使用される全体メカニズム及び交換に含まれた異なるエンティティーの既存のインターフェースを有するケイパビリティを維持するために、本発明の実施例は、アプリケーションサーバからHSSにSh−Pullメカニズムを、そしてHSSからサービングノードにISD(Insert Subscriber Data)を利用することができる。
【0071】
次の表1は、Shデータのための可能な修正を示す。ここで、新しい情報要素(IE、Information Element)がサービングノード(すなわち、MME/SGSN)からユーザ装置ネットワークケイパビリティを検索(retrieve)するための要請をHSSに指示するために追加されることができる。
【0072】
【表1】
【0073】
HSSは、次の表2に示されたようなIDRフラグIEに対する修正を有する、既存のダイアメータISD要請(Insert Subscriber Data Req.)を利用することができる。ここで、新しいIDRフラグは、UE/MSネットワークケイパビリティまたはマップメッセージに対する要請を指示するために導入されることができる。
【0074】
【表2】
【0075】
サービングノード(SGSN/MME)は、次の表3に示されたように、修正されたISD応答形式を利用してISD要請(Insert Subscriber Data Req.)に応答することができる。これは、この特定ユーザ装置のためのユーザ装置ネットワークケイパビリティIEを含むことができる。代案的にマップ(MAP)が利用されることができる。
【0076】
【表3】
【0077】
“Feature−List”AVPで新しい値がユーザ装置ネットワークケイパビリティのために支援される特徴を示すために使用されることができる。新しい特徴−ビット値は、ユーザ装置ケイパビリティに対して割り当てられることができる。MMEまたはSGSNがIDR/IDA命令を通じてユーザ装置ケイパビリティ情報の検索(retrieval)を支援しないULR命令で指示する。HSSは、MMEまたはSGSNに伝送される連続されたIDR命令でIDRフラグで“ユーザ装置ネットワークケイパビリティ”ビートを設定しなくてもよい。
【0078】
ユーザ装置ネットワークケイパビリティAVPの可能な具現が以下で説明される。ユーザ装置ネットワークケイパビリティAVPは、グループ化された形式を有することができる。そして、これは、サービングネットワークノード上に格納された現在ユーザ装置ネットワークケイパビリティと関連する情報を含むことができる。
【0079】
AVP形式は、次の通りである:
UE-Network-Capabilities ::= < AVP Header: xxx, 10415>
1*{ UE-Capability}
*[ AVP ]
【0080】
ユーザ装置ケイパビリティAVPは、次の通りである:
UE-Capability ::= < AVP Header: xxx, 10415>
{UE-Capability-Name}
{UE-Capability-Support}
*[ AVP ]
【0081】
ユーザ装置ケイパビリティ名称(UE−Capability−Name)AVPは、列挙された形式を有することができる。この形式のための可能な値は、次を含むことができる:
0 SRVCCは、UTRAN HSPAまたはE-UTRANからGERAN/UTRANまで
1 I1 protocol
【0082】
ユーザ装置ケイパビリティ支援(UE−Capability−Support)AVPは、次を値を有する列挙された形式を有することができる:
支援されない(0)
この値は、ユーザ装置がこのケイパビリティの支援を有しないことを示す。
支援される(1)
この値は、ユーザ装置がこのケイパビリティの支援を有することを示す。
【0083】

ユーザ装置ネットワークケイパビリティIEを受信するアプリケーションサーバは、与えられたアプリケーションに関連ある情報をフィルタリングすることができる(filter out)。アプリケーションサーバ(SCC AS)は、(HSSを通じて)サービングノードから受信されるユーザ装置ネットワークケイパビリティからSRVCCケイパビリティIEを読み取ることができ、図5及び図6に示されたように、ATGW及びATCFでモバイル発信またはモバイル着信呼を固定する必要があるか否かを決定することができる。ユーザ装置ネットワークケイパビリティがユーザ装置がSRVCCを支援しないことを示すと、SCC ASは、ATGW及びATCFで固定しないことを決定することができる。そして、この方法で不要に浪費されることができる資源を節約する。
【0084】
SRVCCケイパビリティIEは、次の通りである:
0 SRVCCは、UTRAN HSPAまたはE-UTRANからGERAN/UTRANまで支援されない
1 SRVCCは、UTRAN HSPAまたはE-UTRANからGERAN/UTRANまで支援される
【0085】
図2は、HSS及びSGSN/MME(S6a/S6d)間のインターフェースに対するダイアメータを利用する実施例を示す。Sh−Pull要請は、(データレファレンスを含む)接続キー(Access−Key)を利用するXML文書になることができる。Sh−pull応答で、XML文書は、“ユーザデータ(User−Data)”形式を有するままリターンされる(returned)ことができる。追加的に、XML文書を説明するUMLモデルは、ユーザ装置ケイパビリティを含むように修正されることができる。
【0086】
HSS及びSCC AS間のダイアメータSh−Pull/Sh−Pull−Answerのためのプロトコルは、ユーザ装置ネットワークケイパビリティと関連する情報を含ませるために、HSSとSCC ASとの間で伝送される既存のXMLプロファイルに対する変更が要求されることができる。
【0087】
図3は、HSSとSGSNとの間のインターフェース(Gr)上でマップ(MAP)を利用した実施例を示す。
図3と関連したマッププロトコル(MAP protocol)は、次のように従来のプロトコルに対する変更が要求されることができる。
【0088】
1.“SGSNケイパビリティ”形式。これは、ユーザ装置ケイパビリティ要請を処理するためにSGSNのケイパビリティを示すUGL(Update−GPRS−Location)で伝送されることができる。HLRは、ユーザ装置ケイパビリティが含まれなければ、ダイアメータSh−pullを受信するとき、SGSNからこの情報を要請しなくてもよい。ユーザ装置ケイパビリティ問い合わせ支援は、NULL形式で“SGSNケイパビリティ”に具現されることができる。
2.“Requested−Info”形式。これは、SGSNからユーザ装置ケイパビリティを要請するためにPSI要請で使用されることができる。
3.“Subscriber−Info”形式。これは、“ユーザ装置ケイパビリティ”を含むPSI問い合わせの結果を含むことができるPSI−ackで伝送されることができる。
4.“Subscriber−Info”で基本形式は、支援されるユーザ装置ネットワークケイパビリティのリストを含むことができる“構成された(constructed)”マップ情報要素を示すことができる。拡張される形式を許容するために、形式は、マップエリプシス表記法(MAP ellipses notation)で構成されることができる。
【0089】
前述した実施例は、本発明の例示を説明するものとして理解されなければならない。いずれか1つの実施例と関連して説明される任意の特徴は、単独で、または説明された他の特徴と組合で使用されることができ、そして他の実施例の1つ以上の特徴と組合で、または他の実施例の任意の組合で使用されることができるという点を理解しなければならない。なお、上記で説明しない均等物及び変形も添付の請求範囲に定義された本発明の範囲を逸脱することなく採択されることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6