(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記IPヘッダフィールドは、TTL(Time To Live)IPヘッダフィールド、DSCP(Differentiated Services Code Point)IPヘッダフィールド、アプリケーションヘッダ及び前記eNodeB及び前記UEの少なくとも1つにより事前に知られる所定のバックグラウンドメッセージヘッダの少なくとも1つである、請求項1記載の装置。
前記ハンドリングアクションを決定するステップは、前記バックグラウンドメッセージがアプリケーションが未使用モードであるというメッセージを伝えるステータスアップデートであることを前記パラメータ値が示すとき、前記バックグラウンドメッセージを破棄することを決定することを含む、請求項9記載の方法。
前記UEがバックグラウンドメッセージのバッファリングシナリオとバックグラウンドメッセージの破棄シナリオとの少なくとも1つについて設定されていることを前記UEが前記eNodeBにまず通知するステップを更に有する、請求項9記載の方法。
前記IPヘッダフィールドを読み取るステップ、前記バックグラウンドメッセージの存在を通知するステップ、前記ハンドリングアクションを決定するステップ及び前記ハンドリングアクションを実行するステップは、MAC(Media Access Control)レイヤにおいて行われる、請求項9記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明が開示及び説明される前に、本発明はここに開示される特定の構成、処理ステップ又は物質に限定されるものでなく、当業者に認識されるようなそれの均等に拡張されることが理解されるべきである。また、ここで用いられる用語は特定の実施例を説明するためだけに用いられ、限定することを意図していないことが理解されるべきである。
[定義]
無線モバイル装置のための異なる用語が、異なる規格において利用されている。ここで用いられる無線モバイル装置は、特にユーザ装置(UE)又は移動局(MS)とすることができる。本出願を通じて、無線モバイル装置UE及びMEという用語は、互換的に利用可能である。
【0005】
ここで用いられる“送信ポイント”という用語は、セルとして呼ばれる地理的領域内にある複数の無線モバイル装置と通信するよう構成されるWireless Wide Area Network(WWAN)の無線通信装置として定義される。送信ポイントの異なる用語は、異なる規格において利用される。送信ポイントの異なる変形に用いられる用語は、限定することなく、基地局(BS)、evolved Node B(eNodeB又はeNB)、WWMAN送信ポイント、送信ポイント、無線送信ポイント及びWWANノードを含みうる。BS又はeNodeBの実際の定義は、IEEE(Institute of Electronics and Electrical Engineers)802.16及びThird Generation Partnership Project(3PGG)規格において提供される。
【0006】
ここで用いられる“実質的に”という用語は、アクション、特性、性質、状態、構成、アイテム又は結果の完全な又はほぼ完全な程度又は度合いを表す。例えば、“実質的に”含まれるオブジェクトとは、当該オブジェクトが完全に又はほぼ完全に含まれることを意味する。いくつかのケースでは、絶対的な完全性からの正確に許容できる乖離の程度は、特定の状況に依存してもよい。しかしながら、概略すると、完全性の類似は、絶対的でトータルの完了が取得されるかのように同じ全体的な結果を有するためである。“実質的に”の利用は、アクション、特性、性質、状態、構成、アイテム又は結果の完全な又はほぼ完全な欠落を表すのに否定的な意味合いで用いられるとき、等しく適用可能である。
【0007】
他の用語は、本明細書の本体の何れかにおいて規定されてもよい。
[実施例]
技術の実施例の初期的な概略が以下に提供され、その後に具体的な技術の実施例が以降においてさらに詳細に説明される。この初期的な概略は、読者が当該技術をより迅速に理解するのに役立つことを意図しているが、当該技術のキーとなる特徴又は必須の特徴を特定するものでなく、また請求される主題の範囲を限定することを意図するものでない。
【0008】
多くのタイプのアプリケーションは、もはやスタンドアローン装置上で動作しない。むしろ、アプリケーションは、計算装置と通信するサーバ上で少なくとも部分的に動作可能である。モバイル無線装置上で動作するよう構成されるインターネットアプリケーションは、ユーザが当該アプリケーションとやりとりすることをやめた後、すなわち、これらのインターネットアプリケーションが最小限にされるか、又はバックグラウンドに配置されるとき、無線ネットワークを介しサーバと通信し続けることが可能である。これらの通信は、頻繁なメッセージングをもたらしうる。バックグラウンドメッセージとしてここで参照されるインターネットアプリケーションによる短く頻繁なメッセージの送信は、モバイルバッテリ電力及びWireless Wide Area Network(WWAN)に負担を与えうる。
【0009】
ここで用いられる“バックグラウンドメッセージ”という用語は、重要性及び/又は緊急性の低いインターネットアプリケーションにより生成されるメッセージを表す。さらに、バックグラウンドメッセージは、“バックグラウンド”で実行されているとき、すなわち、アプリケーションがユーザともはやアクティブにやりとりしていないが、接続をオープンにし続け、定期的な更新情報を提供し、プレゼンスアップデートを送信するなどのタスクを実行するため、依然としてCPU(Central Processing Unit)のリソースを消費するとき、アプリケーションにより生成されるタイプのパケットを表しうる。これらのバックグラウンドメッセージのサポートを要求するインターネットアプリケーションの具体例は、SKYPE、YAHOO MESSANGER、GTALK、FACEBOOK、TWITTERなどを含む。“ソーシャルメディア”と呼ばれるものに関するアプリケーションは、特にこのような短く頻繁なメッセージとなる傾向がある。
【0010】
残念ながら、WWANにおいて無線モバイル装置により送受信されるこれらのバックグラウンドメッセージは、無線モバイル装置にバックグラウンドメッセージを送受信するため、電力セービングモードから移行させることを可能である。電力セービングモードから移行するため、無線モバイル装置は電力を消費する。いくつかのインスタンスでは、無線モバイル装置はまた、WWMAとの接続を再確立する処理を経過するとき電力を消費する。無線モバイル装置はまた、バックグラウンドメッセージを送受信することによって、また、電力セービングモードから移行するのに時間を費やすことによって(すなわち、WWMAを介し情報をアクティブに送受信するためのセットアップ)を電力を消費する。
【0011】
バッテリにより駆動される無線モバイル装置により生じる電力の消費は、電力が価値がある場合、重大な問題である。さらに、バックグラウンドメッセージは、無線インタフェースを介すと共に、WWANのコアネットワーク内のシグナリングトラフィックを増加させる可能性がある。シグナリングトラフィックのこれらの増加は、電力セービングモードから無線モバイル装置を移行させる処理において、無線モバイル装置とWWANとの間の接続を再確立するのに必要とされる大量のシグナリングによるものでありうる。
【0012】
しかしながら、WWANと無線モバイル装置との頻繁な再接続に関するシグナリングオーバヘッドとより高い電力状態への電力を消費する移行とが回避できる。バックグラウンドメッセージは、しばしば相対的に重要性が低く、典型的には、厳密な遅延要求を有さない。重要性及び/又は緊急性の低いバックグラウンドメッセージは、それらがWWANを介し送信される前、無線モバイル装置及び/又は送信ポイントにおいて特定可能である。それらが特定されると、バックグラウンドメッセージの多くはバッファリング又は破棄できる。バッファリングされたメッセージは、無線モバイル装置が低電力モードにより長くとどまるか、及び/又はWWANにおいて再接続オーバヘッドを減少させることを可能にするため、ある期間バッファリングできる。
【0013】
図1は、インターネットアプリケーション108に関するバックグラウンドメッセージ106を受信するため、相対的に低い電力の電力セービングモード104aから相対的に高い電力の接続モード104bへの無線モバイル装置102における移行100を示す。インターネットアプリケーションは、WWAN112との通信においてインターネット110を介しアクセス可能である。限定することなく例示的に、特定の図示されたWWANは、3GPPのLTE(Long Term Evolution)の規格に整合しうる。しかしながら、無線通信のための他の規格に整合する複数の異なるタイプのWWANアーキテクチャが可能である。本開示に説明される実施例の一般性の重要な言明として、3GPP LTE規格に整合する具体例の用語はしばしば本明細書全体を通じて利用されるが、それらは限定することを意図しておらず、この点をさらに伝えるため本明細書の一部においてより一般的な用語の使用において例外がある。
【0014】
図1に示される実施例では、WWAN112は、コアネットワーク(CN)114と無線アクセスネットワーク(RAN)116とを有することが可能である。CNはEvolved Packet Coreを有し、RANはEvolved−Universal Terrestrial Network(E−UTRAN)を有することが可能である。EPCは、Packet Data Network Gate Way(PDN−GW)118を介しインターネット110と通信可能である。E−UTRANは、E−UTRANとインターネットアプリケーション108との間のリンクを完備するため、PDN−GWと通信可能なServing Gate Way(S−GW)120を介しEPCと通信可能である。
【0015】
ユーザ装置(UE)でありうる無線モバイル装置102がWWAN112によりサーバ上で動作するインターネットアプリケーション108と通信可能であるが、UEは、通信を実行するためRRC(Radio Resource Control)_CONNECTEDなどの接続モード104bにある必要がある。しかしながら、UEは、RRC_CONNECTEDモードを維持するため500〜1500ミリワットを消費しうる。他方、同一のUEは、間欠受信(DRX)モード又はRRC_IDLEモードなどの電力セービングモード104aにおいてこの電力の多くの部分を節約することができる。例えば、UEは、RRC_IDLEモードにおいて5〜10ミリワットしか消費せず、RRC_CONNECTEDモードを維持するのに用いられる電力のおそらく1/100(2つのオーダの大きさ)又はそれ以下しか消費しない。
【0016】
図1に示されるUE102は、バッテリアイコンにより示される隣接する低電力消費バーとダイヤモンドのクロスマッチングにより示されるように、電力セービングモード104aにまず示される。しかしながら、インターネットアプリケーション108は、UEについて意図されるバックグラウンドメッセージ106を生成可能である。バックグラウンドメッセージは、それがインターネットアプリケーション108からUE102に通信可能であるとき、各種時点で示される。例えば、バックグラウンドメッセージは、それがインターネットアプリケーションにおいて生成されるように示される。再び、バックグラウンドメッセージは、それがEPC114内においてPDN−GW118に通信されるように示される。次に、バックグラウンドメッセージは、S−GW120に通信されるように示され、その後、E−UTRAN116に通信されるように示される。
【0017】
UE102は電力セービングモード104aに初期的にはあるため、バックグラウンドメッセージ106が意図するUEは、バックグラウンドメッセージを受信できない。E−UTRAN116は、UEに対する通信の存在を示すためUEにページング122する。当該通信を受信するため、UEは、接続モードでUEに隣接するダイヤモンドクロスハッチングとバッテリセービングとに示される高電力消費バーにより示されるように、電力セービングモード104aから通信モード104bに移行できる。電力セービングモードと接続モードとの間のUEの電力の大きな増加に留意できる。
【0018】
オーダの大きさに及びうる電力消費の当該差は、図示された電力消費のレベルに釣り合わない可能性がある。電力消費の差は、UEの移行元の電力セービングモード104a及び/又はUEの移行先の通信モード104bに依存して変化しうる。電力セービングモードの具体例は、例示的に限定することなく、特段の断りがない場合、DRXモード呼ばれるopportunity period中のDRXモードとRRC_IDLEモードとを含みうる。
【0019】
DRXモードは、UE102とE−UTRAN116との間の接続が維持可能なあるタイプの電力セービングモード104aの一例を提供する。UEとE−UTRANとの間の接続を維持可能な電力セービングモードは、ここでは“ミッド低電力モード(mid low power mode)”と呼ばれる。DRXは、UEがRRC_IDLE又はRRC_CONNECTEDモードにあるときに適用可能である。DRXがRRC_CONNECTEDモード中に適用されるとき、E−UTRANとの接続が維持できる。しかしながら、UEは、UEが送信を受信可能な“on−duration period”と対照的に、“opportunity period”として知られる予めネゴシエートされた時間インターバルにおいて電力ダウン可能である。従って、UEは、すべてのフレームについて受信モードになくてもよく、定期的にいくつかのフレームにおいてシャットダウンできる。
【0020】
RRC_CONNECTEDモードにおいてDRXを適用する間、UEは、バックグラウンドメッセージ106を受信するため、“on−duration period”に移行可能である。UEとE−UTRANとの間の接続は、“opportunity period”から“on−duration period”にスイッチする際に再確立される必要はない。従って、シグナリングオーバヘッドは、RRC_CONNECTEDモードにおいてDRXを適用する際の懸念がより小さい。しかしながら、電力消費は、大きな問題を残す可能性がある。この問題の大きさは、バックグラウンドメッセージが送受信可能な頻度と、UEが“on−duration period”に移行するため電力アップされる頻度とのため、特に重要となりうる。
【0021】
RRC_IDLEは、UE102とE−UTRAN116との間の接続が維持されないあるタイプの電力セービングモード104aの一例を提供する。UEとE−UTRANとの間の接続を維持しない電力セービングモードは、ここでは“ディープ低電力モード(deep low power mode)”と呼ばれる。UEがバックグラウンドメッセージ106を受信するため電力アップしなければならないだけでなく、UEはまたE−UTRANと再接続(124)するためシグナリングを従事しうる。ネットワークとの再接続は、大量のシグナリングオーバヘッドを伴いうる。接続を確立するためのシグナリングを伴いうるだけでなく、無線インタフェースを介しCN114において追加的なシグナリングを伴う可能性がある。この追加的なシグナリングは、例えば、UEがボナファイド加入者であることを示し、認証サーバにアクセスし、IPトンネリングを確立するなどのためである可能性がある。
【0022】
接続を再確立(124)するのに伴うメッセージは、20〜30個のメッセージを番号付けすることが可能であり、それらの多くは双方向通信に関する。バックグラウンドメッセージ106を受信するためのバッテリ電力の頻繁な良質の可能に加えて、重大なシグナリングオーバヘッドがまた、WWAN112のバックボーンとCN114におけるサーバとにおいて課されうる。さらに、UE102は、WWANとの接続を再確立することに伴うシグナリングに従事するとき、延長された期間に相対的に高い電力モード104bにとどまりうる。同様の問題が、バックグラウンドメッセージがUEにおいて生成されるときに生じうる。従って、インターネットアプリケーションとの頻繁な通信を可能にするため無線モバイル装置による頻繁な切断及び再接続は、CNにおける相対的に高いオーバヘッドと共に重大なバッテリ流失とを生じさせる可能性がある。
【0023】
図2は、インターネットアプリケーション208に関するバックグラウンドメッセージ206を送信するため、相対的に低い電力の電力セービングモード204aから相対的に高い電力モード204bへの無線モバイル装置202における移行を示す。インターネットアプリケーション208aの第1インスタンスは、UEでありうる無線モバイル装置に存在しうる。インターネットアプリケーションの第1インスタンスは、インターネット210に接続されるサーバ207上に又はCN214に直接的に存在しうるインターネットアプリケーション208bの第2インスタンスを意図するバックグラウンドメッセージ206を生成可能である。インターネットアプリケーション208bの第2インスタンスは、複数のインターネットアプリケーションのインスタンスを有することが可能である。
【0024】
しかしながら、UE202は、バッテリアイコンとダイヤモンドクロスハッチングにより示される隣接する低電力消費バーにより示されるように、電力セービングモード204aにある可能性があるため、WWAN212を介しインターネットアプリケーション208bの第2インスタンスにバックグラウンドメッセージ206を送信可能でなくてもよい。限定することなく例示的に、電力セービングモードの具体例はDRXモードとRRC_IDLEモードとを含みうる。3GPP LTE及び他の規格に整合する電力セービングモードの他の具体例もまた可能である。従って、UEは、電力セービングモードから通信モード204bに移行(200)可能である。
【0025】
例示のため提供される通信モード204bの非限定的な具体例は、RRC_CONNECTEDモードを含みうる。電力セービングモード204aから通信モードへの移行200の性質は、電力セービングモードの性質に応じて相違しうる。例えば、DRXモードなどの電力セービングモードの特定の具体例は、電力を節約するため電力ダウンしながら、WWAN212との接続を維持できる。RRC_IDLEなどの他の例では、当該接続は維持されない。
【0026】
UE202とWWAN212との間の接続が維持される具体例では、UEは依然としてバックグラウンドメッセージ206を送信するため、通信モード204bに電力アップする必要がある。上述されるように、オーダの大きさに及びうる電力消費の差は、示された電力消費のレベルに不釣り合いとなりうる。接続が維持されない具体例では、しかしながら、UEはバックグラウンドメッセージを受信するため電力アップしなければならないだけでなく、WWANに再接続(224)するためのシグナリングに従事する可能性がある。上述されるように、ネットワークとの再接続は、大量のシグナリングオーバヘッドを伴う可能性がある。再び、バックグラウンドメッセージがUEとの間でやりとりされる可能性のある頻度は、電力及びシグナリングオーバヘッドの高コストを生じさせうる。
【0027】
UE202が通信モード204bに移行すると、バックグラウンドメッセージ206が、WWAN212を介しインターネットアプリケーション208bの第2インスタンスに送信(226)可能である。バックグラウンドメッセージは、インターネットアプリケーション208aの第1インスタンスから第2インスタンスに通信可能であるため、各種時点で示される。バックグラウンドメッセージはまず、それが生成されるUEに示される。次に、バックグラウンドメッセージは、WWAN212内のE−UTRANでありうるRAN216に送信されるように示される。
【0028】
バックグラウンドメッセージ206はまた、E−UTRAN216と、E−UTRANをEPCでありうるCN214に接続することが可能なS−GW220において示される。次に、バックグラウンドメッセージは、EPNをインターネット210に接続可能なPDN−GW218に配信されるように示される。最後に、バックグラウンドメッセージは、インターネットアプリケーション208bの第2インスタンスに配信されるように示される。
【0029】
図1及び
図2から理解できるように、バックグラウンドメッセージ206による電力消費のコストは、バックグラウンドメッセージによるシグナリングオーバヘッドのコストと同様に大きなものとなりうる。これらのコストは、より多くの無線モバイル装置が定期的にバックグラウンドメッセージを送信するインターネットアプリケーションをサポートするようになると、ますます大きくなる。特にバックグラウンドメッセージを送信する傾向のあるソーシャルメディアインターネットアプリケーションの出現はさらに、問題を複雑化する。
【0030】
しかしながら、このような多くのバックグラウンドメッセージ206は、相対的に小さな重要性しか有さない。例えば、インターネットアプリケーションSKYPEは、アプリケーションがユーザによる利用があったか示すためステータスアップデートを送信可能である。例えば、典型的には定期的に受信されるステータスアップデートを受信することは、利用がなく電力セービングモード204aにあるUE202についてほとんど重要でない。さらに、このようなバックグラウンドメッセージが即座に又は以降のある時点で受信されるかほとんど重要でない。
【0031】
図3は、無線モバイル装置302、RAN316内の送信ポイント317又は双方に配置可能な識別(ID)モジュール330a,330bを示す。IDモジュールは更に、UEでありうる無線モバイル装置のMAC(Media Access Control)レイヤ332a及び/又はeNodeBでありうる送信ポイントのMACレイヤ332b内に配置可能である。UEにおけるMACレイヤはUEにおける物理レイヤ(PHY)334aと通信可能であり、eNodeBのMACレイヤはeNodeBのPHYレイヤ334bと通信可能である。IDモジュールは、各種具体例によるバックグラウンドメッセージにより受けるシグナリングオーバヘッド及び電力コストを低減するため、バックグラウンドメッセージ306a〜dをバッファリング及び/又は破棄するよう構成可能である。
【0032】
バックグラウンドメッセージ306a〜dに対してハンドリングアクションを実行する前に、パケット解析が実行可能である。“ハンドリングアクション”は、バックグラウンドメッセージのバッファリング及び/又は破棄を表しうる。パケット解析は、バッファリング及び/又は破棄などのハンドリングアクションの実行が適切であるバックグランドメッセージとして1以上のパケットを特定するため、送信パケットセットに対して実行可能である。送信パケットセットは、何れかの個数の送信パケットを有することが可能である。パケット解析によりバックグラウンドメッセージとして1以上のパケットを特定するステップは、送信パケットセットがUEからeNodeB317に送信されるようスケジューリングされるUE302に配置される識別モジュール330aにおいて実行可能である。送信パケットセットがeNodeBからUEに送信されるようスケジューリングされる場合、eNodeBに配置されるIDモジュール330bがパケット解析を実行可能である。
【0033】
しかしながら、パケット解析処理は、時間、電力及び他のリソースを消費可能である。特定の実施例では、パケット解析はディープパケットインスペクションから構成可能である。従って、一実施例では、UE302が通信モード304bにあるとき、IDモジュール330a,330bは非アクティブ状態を維持できる。IDモジュールが通信モードにあるとき、バックグラウンドパケットの受信に関連しうる追加的な電力コスト及びシグナリングオーバヘッドは問題はあまり有さず、全く問題でないかもしれない。従って、パケット解析に関するリソースの消費の可能性は、保証されない可能性がある。
【0034】
パケット解析に関するリソースの保証されない消費を回避するため、UE302又はeNodeB317により配置されているかにかかわらず、IDモジュール330a,330bは、UEが電力セービングモード304aに入る際にトリガ(336a,336b)又はオンされうる。そうでない場合、IDモジュールは非アクティブに維持可能である。IDモジュールは、UEが通信モジュール304bに移行するとき非アクティブ化可能である。
【0035】
IDモジュール330aがUE302にあるとき、UEは、モジュールの起動をトリガ(336a)するため、配置されるIDモジュールにそれのモードをモニタ及び通信可能である。あるいは、IDモジュールはUEをモニタリングし、UEが電力セービングモード304aに移行すると自らをトリガ(336a)する。IDモジュール304bがeNodeB317に配置されるとき、eNodeBにおける1以上のタイマ338は、UEが電力セービングモード304aに入るのに十分な非アクティブ期間が経過したことを示すことができる。
【0036】
E−UTRAN316との接続が維持可能なミッド低電力モード及び/又はE−UTRANとの接続が維持されないディープ低電力モードなどの異なるタイプの低電力モード304aにUEが入るのに適切である時点を決定するため、1以上のタイマが利用可能である。ミッド低電力モードの非限定的な具体例はDRXモードを含むことが可能である。ディープ低電力モードの非限定的な具体例は、RRC_IDLEを含むことが可能である。
【0037】
このようなタイマ338が電力セービングモード304aに移行(301)するのが適切であることを示すとき、UEが電力セービングモードに移行可能であることを示す移行メッセージ340が、eNodeB317からUE302に送信可能である。特定の実施例では、移行メッセージは、UEが移行可能な特定タイプの移行モードを示すことが可能である。UE及び/又はそれに配置されるIDモジュール332aは、移行メッセージをモニタリング可能である。特定の実施例では、UE及びeNodeBは、移行メッセージを不要にする同期タイマを有することが可能である。
【0038】
eNodeB317は、1以上のタイマ338をモニタリング可能である。これらのタイマの1以上が満了すると、eNodeB317は、配置されているIDモジュール330bをトリガ(336b)することができる。特定の実施例では、UE302は、eNodeBが許可又は拒絶しうる、電力セービングモード304aなどの低電力モードに移行するためのリクエストを発信できる。このような実施例では、eNodeBは、当該リクエストを許可すると、eNodeBに配置されるIDモジュールをトリガ可能である。他の実施例では、UEは、自ら低電力モードに移行することを決定可能である。このような実施例では、移行メッセージ340は、UEからeNodeBに送信可能である。
【0039】
実施例に依存して、eNodeB317及び/又はeNodeBに配置されるIDモジュール332bは、IDモジュールをトリガ(336b)するため、eNodeBにおいて1以上のタイマ、許可判定及び/又は移行メッセージをモニタリング可能である。このような実施例では、eNodeB及び/又はIDモジュールは、UEからE−UTRAN316及び/又はここに配置されるeNodeBに送信される進捗通知に基づき、バックグラウンドメッセージをバッファリング及び/又は破棄することをサポートしていることを知ることができる。進捗通知は、バックグラウンドメッセージに対してバッファリング及び/又は破棄などのハンドリングアクションの実行をサポートし、当該メッセージの結果としての遅延及び/又は消失に適合可能であることを示すことができる。
【0040】
限定的でなく例示的には、進捗通知342は、当該進捗通知を通信するよう構成される新たなMACメッセージに埋め込み可能である。他の非限定的な具体例では、進捗通知は、UEがサポートするよう構成される特徴、モダリティ、ルーチンなどを示すため、UE302から送信されるレガシーメッセージにより伝送可能である。このようなレガシーメッセージの非限定的な具体例は、Feature Group Indicator(FGI)とすることができる。このような実施例では、FGI内の未割り当てのインデックスビットは、当該情報を伝送するため割り当て可能である。
【0041】
IDモジュール330a,330bがトリガされると、IDモジュールは、パケット解析、バッファリング及び破棄などのアクションを実行可能である。これらのアクションは、UE302において電力が消費される頻度及び/又はバックグラウンドメッセージの受信に関する追加的なオーバヘッドの頻度を低減可能である。以下の図は、IDモジュールにより実行可能なアクションを詳述するのに利用される。
【0042】
図4は、IDモジュール430の特定のアクティビティを示す。IDモジュールは、パケットに関して実行されるパフォーマンスアクションを決定するため、パケットセットのパケット446を解析又は確認(444)することが可能である。IDモジュールにより実行されるパケット解析は、バックグラウンドメッセージを特定し、及び/又は当該メッセージをバッファリング(448)及び/又は破棄(450)する適切性を決定するのに利用可能である。パケットがバックグラウンドメッセージを有しない場合、IDモジュールは、パケットが影響されずに進捗(452)することを許可することが可能である。
【0043】
IDモジュール430は、1以上のIP(Internet Protocol)ヘッダから情報を読み込むことによって、パケット446を解析(444)可能である。これらIPヘッダの1以上は、パケット解析用の情報を搬送可能である。当該情報は、バックグラウンドメッセージとしてパケットを特定するのに利用可能である。当該情報は、Time To Live(TTL)ヘッダフィールド554及び/又はDifferentiated Service Code Point(DSCP) IPヘッダフィールド556に埋め込み可能である。IPヘッダの追加的な非限定的な具体例は、アプリケーションヘッダ及び/又は所定のバックグラウンドメッセージヘッダを含むことが可能である。所定のバックグラウンドメッセージヘッダフィールドは、送信ポイント及び/又は無線モバイル装置によって事前に知られることが可能である。
【0044】
IDモジュール430は、上述されたものなどのIPヘッダフィールドの値と所定の値との実質的な一致に基づきバックグラウンドメッセージとしてパケット446を特定可能である。さらに、閾値の上下などの当該閾値に関する所定の領域内のIPヘッダフィールドの値は、パケットがバックグラウンドメッセージであるという通知を提供可能である。所定のアプリケーションヘッダ及び/又はバックグラウンドメッセージのヘッダの存在はまた、パケットがバックグラウンドメッセージであるという通知を提供可能である。IPヘッダの読み込みに加えて又は代わりに、IDモジュールは、パケット446のペイロードを確認可能である。
【0045】
大部分のバックグラウンドメッセージは、比較的にサイズが小さい。従って、ペイロードがペイロード閾値以下のサイズを有する場合、これは、パケット446がバックグラウンドメッセージであるという通知である可能性がある。さらに又はあるいは、IPモジュール430は、ペイロードサイズが奇数又は偶数であるか判断するよう構成可能である。IDモジュールは、パケットがバックグラウンドメッセージであるという通知として奇数又は偶数値を解釈するよう構成可能である。特定の実施例では、複数の通知がパケットの状態の全体的な通知に必要である可能性がある。
【0046】
所定値とIPヘッダ値との実質的な一致、閾値に関するIPヘッダ値の領域、所定のヘッダの存在及びペイロードサイズと特性が、パケット446がバックグラウンドメッセージであるか判断するのに利用可能であるだけでなく、これらのファクタは、バックグラウンドメッセージのバッファリング(448)の適切さを判断するのに利用可能である。さらに、同様のアプローチが、メッセージを破棄(450)することが適切であるときを判断するのに利用可能である。さらに、バックグラウンドメッセージは、当該バックグラウンドメッセージが属するバックグラウンドメッセージのタイプに部分的又は全体的に基づき破棄可能である。例えば、限定することなく、ステータスレポートが、いくつかの実施例では破棄可能であるか、又は破棄される可能性が高いバックグラウンドメッセージのタイプを有することが可能である。ステータスアップデートとしてのバックグラウンドメッセージの特定は、インターネットアプリケーションが利用されていないことをステータスアップデートが示すとき、特に強力なファクタになりうる。
【0047】
さらに、IDモジュール430は、関連するUE402のモードに基づきパケット446をバッファリング(448)又は破棄(450)するか判断できる。
図4において、同一のUEの3つの異なるインスタンスが、通信モード404bと、WWANとの接続が維持可能なミッド低電力モード404c及び当該接続が維持されないディープ低電力モード404aを有する2つの電力セービングモードとのUEを表すのに示される。UEのモードは、IDモジュールに通信可能である。同様に、バックグラウンドメッセージをバッファリング又は破棄するか判断するのに利用可能な重要性値が、IPヘッダに埋め込み可能である。一実施例では、バックグラウンドメッセージは、同一であるが更新された情報を含む更新されたバックグラウンドメッセージが受信される場合に破棄されてもよい。例えば、ある人が自らのソーシャルメディアアプリケーションに関してアクティブ又は非アクティブであるかの状態が、ある周期的なレートにより受信されてもよい。次の“ステータス”バックグラウンドメッセージが受信されると、前のバックグラウンドメッセージは破棄できる。
【0048】
UE402がディープ低電力モード404aにある場合、IDモジュール430は、バックグラウンドメッセージを破棄する適切さを示すファクタとして当該情報を利用するか、又はバックグラウンドメッセージを破棄(450)することを同様に判断できる。他方、UEがミッド低電力モード404cにある場合、IDモジュールは、バックグラウンドメッセージをバッファリング(448)するか、又はバックグラウンドメッセージのバッファリングの適切さを示すファクタとして当該情報を利用することを判断できる。UEが通信モード404aにある場合、IDモジュールはサスペンド可能であり、バックグラウンドメッセージは進行(452)することが許可できる。
【0049】
IDモジュール430は、パケット446がバッファリング(446)可能であるバッファ458を有することが可能である。しかしながら、バッファはまた、IDモジュールと通信を維持しながら、IDモジュールの外部に配置可能である。
図4のバッファにおいてパケット446のミニチュアバージョンにより示される2つのパケットにより示されるように、バッファは、広範なサイズ範囲とすることが可能なパケットセットを保持可能である。
【0050】
バッファ458は、ある期間においてパケット/バックグラウンドメッセージを保持及び遅延させることが可能である。当該期間は、UE402がバックグラウンドメッセージを送受信するため、電力をオンにし、及び/又は追加的なシグナリングオーバヘッドを課す必要がある頻度を低減可能である。当該期間は、UEの電力の妥当な需要及び/又はシグナリングオーバヘッドに関するWWANリソースを配置するため決定可能である。
【0051】
例示のため用いられる非限定的な具体例によると、UE402がミッド低電力モード404c及び/又はディープ電力モード404aに維持可能であるか判断するのに利用されるタイマは、当該判断に基づくものとすることができる。当該タイマ期間中にメッセージが送受信される場合、UEは、ミッド低電力モード、ディープ電力モード又はミッド低電力モードからディープ電力モードへの送信にとどまることが許可されなくてもよい。従って、バックグラウンドメッセージは、当該タイマの満了までバッファリング可能であり、UEはバックグラウンドメッセージを受信し、それぞれ低電力モード又はより低い電力モードに戻るか又は移行することを可能にする。バッファリングの期間を決定するための多くの異なるアプローチが、当業者により認識可能である。
【0052】
特定の実施例では、バッファリングされたバックグラウンドメッセージは、UEがそれの予めスケジューリングされたウェイクアップ期間の1つに入った後に送信可能である。ページングチャネルをチェックするようスケジューリングされたウェイクアップは、当該ウェイクアップ期間の一例を含むことが可能である。当該ウェイクアップ期間は、観察されるが、リソース需要を低減するため無視される1以上のウェイクアップ期間に及びうる。
【0053】
図4はまた、バックグラウンドメッセージを特定し、これらのメッセージに関してアクションを実行するため行うことが可能なアクションの説明のための基礎として利用可能である。バックグラウンドメッセージとしてのパケット446の状態に関する情報が、TTLフィールド454及びDSCPフィールド456などのIPヘッダに埋め込み可能であるため、パケットがバックグラウンドメッセージであるという判断がなされると、表示及び/又はハンドリング情報がIPレイヤにおいてパケットに埋め込み可能である。無線モバイル装置に関する場合、バッテリ電力とシグナリング問題とが主要な問題となりうるため、当該ステップはまたIPレイヤと無線レイヤとの間で実行可能である。関連情報が埋め込まれると、パケットはそれの宛先に送信可能である。更なる簡単化のため、一致した方法及び装置の更なる具体例が以下に提供される。
【0054】
図5は、UEに関するインターネットアプリケーションの電力消費とシグナリングオーバヘッドとを低減するための方法500の具体例によるフローチャートである。当該方法は、必ずしも必要ではないが、非一時的なコンピュータ利用可能な媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトに埋め込み可能である。ここで用いられる非一時的とは、コンピュータ利用可能な媒体が一時的な電気信号でないことを肯定するため、永続的で一時的でない記憶媒体を表す。コンピュータ可読媒体は、そこに具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有することが可能である。コンピュータ可読プログラムコードは、方法のための命令を実現するため実行されるよう構成可能である。
【0055】
方法500は、UEが低電力モードに入ると、eNodeB及びUEの1つにおいてIDモジュールをトリガ(510)することを有することが可能である。低電力モードは、例えば、限定することなく、DRXモードとRRC_IDLEモードなどの電力セービングモードとすることが可能である。IDモジュールは、パケットセットのパケット解析によりバックグラウンドメッセージを特定(520)することができる。パケットセットのパケットは、eNodeB又はUEに送信することが意図されうる。ハンドリングアクションは、バックグラウンドメッセージに対して実行(530)可能である。このようなハンドリングアクションは、バックグラウンドメッセージの送受信のため、バッテリ電力やシグナリングオーバヘッドなどのサポートリソースに依拠する頻度を低減するため、バックグラウンドをバッファリング及び/又は破棄することを含みうる。
【0056】
方法500は更に、IDモジュールがパケットセットのパケットのIPヘッダフィールドを読み込むことを含みうる。IPヘッダは、パケット解析のための情報を取得するため読み込み可能である。実施例に依存して、例えば、限定することなく、IPヘッダフィールドは、IDモジュールが配置されるeNodeB及び/又はUEにより事前に知られるTTL IPヘッダフィールド、DSCP IPヘッダフィールド、アプリケーションヘッダ及び/又は所定のバックグラウンドメッセージヘッダを有することが可能である。
【0057】
特定の実施例では、方法500はまた、ハンドリングアクションの実行がバックグラウンドメッセージのバッファリング及び/又は破棄を含むか判断することを含みうる。当該判断は、IPヘッダフィールドの値と所定の値との間の実質的な一致の少なくとも1つに基づくものとすることができる。当該判断はまた、IPヘッダフィールドの値が閾値以下であるか、及び/又は偶数サイズ若しくは奇数サイズのペイロードによるペイロードに基づくものとすることができる。さらに、当該判断は、IDモジュールが配置されるeNodeB及びUEの少なくとも1つにより事前に知られる所定のバックグラウンドメッセージのヘッダの有無及び/又は所定のアプリケーションヘッダの有無に基づくものとすることができる。
【0058】
方法500のいくつかの具体例は更に、ハンドリングアクションの実行がバックグラウンドメッセージのバッファリング及び破棄の1つを含むか判断することを有することができる。当該判断は、UEの低電力/電力セービングモードに少なくとも部分的に基づくものとすることができる。デバイスの低電力/電力セービングモードは、ミッド低電力モードを含むことができる。WWANとの接続を維持可能なDRXモードなどの電力セービングモードは、このようなミッド低電力モードの非限定的な一例を提供する。デバイスの低電力/電力セービングモードはまた、ディープ低電力モードを含むことが可能である。WWANとの接続を維持するRRC_IDLEモードなどの電力セービングモードは、このようなディープ低電力モードの非限定的な一例を提供する。
【0059】
さらに、実施例に応じて、方法500はまたUEからeNodeBに進捗通知を提供することを有することが可能である。進捗通知は、UEがバックグラウンドメッセージに対してハンドリングアクションの実行をサポートしていることを示すことが可能であり、ハンドリングアクションは、バックグラウンドメッセージのバッファリング及び/又は破棄を含む。このような実施例では、IDモジュールのトリガは、UEが低電力モードに入ることの結果として実行可能である。このような進捗通知の提供は、進捗通知を提供するよう構成されるMACメッセージの送信及び/又は進捗通知のFGIへの埋め込みを含むことが可能である。
【0060】
方法500の可能な追加的な特徴の更なる具体例として、いくつかの実施例は、UEが低電力モードに整合した周期的なウェイクアップを実行するとき、バッファリングされたバックグラウンドメッセージを送信可能である。また、いくつかの実施例では、IDモジュールのトリガ、バックグラウンドメッセージの特定及びハンドリングアクションの実行は、ダウンリンク送信が行われるeNodeBのMACレイヤ内で、及び/又はアップリンク送信が行われるUEのMACレイヤ内で実行可能である。
【0061】
図6は、一例による無線モバイル装置における電力消費とバックグラウンドメッセージの頻繁な無線通信により生じるシグナリングオーバヘッドとを低減する装置600を示す。当該装置は、前の図面に関して説明されたものと同様の識別モジュールを有してもよいし、又は有しなくてもよい。本装置は、限定することなく、eNodeBなどの送信ポイント602及び/又はUEなどの無線モバイル装置604に配置可能である。本装置は、モニタリングモジュール610、インスペクションモジュール620及び/又はレスポンスモジュール630を有することが可能である。
【0062】
モニタリングモジュール610は、UEが電力セービングモードにあるか判断するため、UE610をモニタリングするよう構成可能である。インスペクションモジュール620は、モニタリングモジュール610と通信可能であり、パケットセットを確認するよう構成可能である。インスペクションモジュールは、UEがパケットセービングモードにあるとき、パケットセットのパケットがバックグラウンドメッセージを有しているという通知に対してパケットセットを確認可能である。レスポンスモジュール630は、インスペクションモジュールと通信可能である。さらに、レスポンスモジュールは、通知がバッファリングに反してパラメータ値を含まないとき、UEがウェイクアップ段階に入るか、又は期間が経過するまで、バックグラウンドメッセージをバッファリングするよう構成可能である。パケットがバックグラウンドメッセージであるという全体的な通知をパケットが含まない場合、バッファリングに反する当該パラメータ値が存在するとみなすことができる。
【0063】
装置600のいくつかの実施例は更に、レスポンスモジュール630と通信する判定モジュール640を有することが可能である。当該判定モジュールは、レスポンスモジュールがメッセージのバッファリング及び/又は破棄を実行するよう指示するよう構成可能である。当該通知は、バックグラウンドメッセージのIPヘッダフィールドに配置可能である。
【0064】
このような実施例では、判定モジュール640は、(1)IPヘッダのパラメータ値が第1の所定値と一致するとき、(2)パラメータ値が閾値の上下一方である第1の所定範囲内にあるとき、(3)バックグラウンドメッセージが偶数サイズのペイロードのペイロードを有し、また第1ペイロード閾値以下のサイズを有するとき、(4)バックグラウンドメッセージが、アプリケーションヘッダの第1セットに対応する所定のアプリケーションヘッダを有し、及び/又は少なくともeNodeB602及び/又はUE604により事前に知られる所定のバッファヘッダを有するとき、レスポンスモジュール630にバックグラウンドメッセージをバッファリングするよう指示可能である。
【0065】
さらに、装置600のいくつかの実施例では、判定モジュール640は、(1)パラメータ値が第2の所定値と一致するとき、(2)パラメータ値が閾値の上下一方である、閾値に対して第1の所定範囲の反対として規定される第2の所定範囲内にあるとき、(3)バックグラウンドメッセージが、ペイロードがまたペイロード閾値以下のサイズを有するときに偶数サイズのペイロードを有するとき、(3)バックグラウンドメッセージが、アプリケーションヘッダの第1セットに対応する所定のアプリケーションヘッダを有するとき、及び/又は(4)バックグラウンドメッセージがeNodeB及び/又はUEにより事前に知られる所定の破棄ヘッダを有するとき、レスポンスモジュール630にバックグラウンドメッセージを破棄するよう指示可能である。
【0066】
さらに、いくつかの実施例では、判定モジュール640は、電力セービングモードがミッド低電力モードからなるとき、レスポンスモジュール630にバックグラウンドメッセージをバッファリングするよう指示可能である。他方、判定モジュールは、電力セービングモードがディープ低電力モードからなるとき、レスポンスモジュール630にバックグラウンドメッセージを破棄するよう指示可能である。装置600に関して、ミッド低電力モードはDRXモードとすることが可能であり、ディープ低電力モードはRRC_IDLEモードとすることが可能である。いくつかの実施例に関して、IPヘッダフィールドは、TTL IPヘッダフィールド、DSCP IPヘッダフィールド、アプリケーションヘッダ及び/又は所定のバックグラウンドメッセージヘッダとすることが可能である。所定のバックグラウンドメッセージヘッダは、eNodeB及び/又はUEにより事前に知らせることが可能である。
【0067】
特定の実施例は、通知モジュール650を有することが可能である。通知モジュールは、UEがバックグラウンドメッセージのバッファリング及び破棄の少なくとも1つをサポートするという通知をeNodeBに提供するよう構成可能である。いくつかの実施例では、モニタリング、インスペクション及びレスポンスモジュールは、MACレイヤ内に配置可能である。
【0068】
図7は、無線環境で実行されるアプリケーションに関するバックグラウンドメッセージからのシグナリングオーバヘッドと電力消費とを低減する方法700のフローチャートである。本方法は、必ずしも必要でないが、非一時的なコンピュータ利用可能な媒体を構成するコンピュータプログラムプロダクトに埋め込み可能である。コンピュータ可読媒体は、そこに具体化される非一時的なコンピュータ可読プログラムコードを有することが可能である。コンピュータ可読プログラムコードは、本方法の命令を実現するため実行されるよう構成可能である。
【0069】
本方法700は、パケット系列についてUEとeNodeBの1つにおけるIPヘッダフィールドの読み込み(710)を有することが可能である。当該読み込みは、UEが低電力モードに入ると開始可能である。さらに、本方法は、(1)実質的に所定の値である、(2)閾値に対して所定の範囲内にある、(3)所定のアプリケーションヘッダに一致する、(4)無線eNodeB及び/又はUEにおいて事前に知られる所定のバックグラウンドメッセージヘッダに一致するIPヘッダフィールドからパラメータ値が読み込まれるとき、バックグラウンドメッセージの有無を示し(720)、及び/又はバックグラウンドメッセージが(1)偶数サイズ及び奇数サイズの一方であり、及び/又は(2)所定の範囲内にあるパケットサイズを有するとき、バックグラウンドメッセージの有無を示すことを含むことが可能である。
【0070】
さらに、方法700は、バックグラウンドメッセージに関してハンドリングアクションを決定(730)することを含むことができる。ハンドリングアクションは、バックグラウンドメッセージのバッファリング及び/又は破棄を有することが可能である。ハンドリングアクションはまた、バックグラウンドメッセージに対して実行(740)可能である。
【0071】
いくつかの実施例では、ハンドリングアクションの決定(730)は更に、パラメータ値が重要性閾値以上の重要性値に関連するとき、バックグラウンドメッセージをバッファリングするよう判断することを含むことが可能である。さらに、ハンドリングアクションの決定はまた、パラメータ値が重要性閾値を超えない重要性値に関連するとき、バックグラウンドメッセージの破棄を含むことが可能である。
【0072】
ハンドリングアクションの決定(730)はまた、重み付けされた重要性値と重み付けされたモード値との組み合わせがバックグラウンドメッセージをバッファリングするための第1判定に関する合成値を生成するとき、バックグラウンドメッセージをバッファリングするよう判断することを含むことができる。このような実施例では、重み付けされた重要性値はパラメータ値に送信可能である。重み付けされたモード値は、UEがミッド低電力モード及び/又はディープ低電力モードにあることに関連可能である。
【0073】
あるいは、ハンドリングアクションの決定730はまた、重み付けされた重要性値と重み付けされたモード値との組み合わせがバックグラウンドメッセージを破棄するための第2の判定に関する合成値を生成するよう合成されるとき、バックグラウンドメッセージを破棄する判断を含むことが可能である。再び、重み付けされた重要性値は、パラメータ値に関連可能である。重み付けされたモード値はまた、UEがミッド低電力モード及び/又はディープ低電力モードにあることに関連可能である。さらに、バックグラウンドメッセージがアプリケーションが未使用モードにあるというメッセージを伝えるステータスアップデートであることを示すとき、バックグラウンドメッセージを破棄する判断が可能である。
【0074】
特定の実施例では、ミッド低電力モードはDRXモードであり、ディープ低電力モードはRRC_IDLEモードとすることが可能である。いくつかの実施例では、IPヘッダフィールドの読み込み、バックグラウンドメッセージの存在の通知、ハンドリングアクションの決定及びハンドリングアクションの実行は、MACレイヤにおいて実行可能である。さらに、本方法のいくつかの実施例は更に、UEがバックグラウンドメッセージのバッファリングシナリオ及び/又はバックグラウンドメッセージの破棄シナリオについて構成されることをUEがeNodeBにまず示すことを含むことが可能である。
【0075】
UE及び/又はeNodeBにおけるバックグラウンドメッセージのバッファリング及び/又は破棄のため実行されるアクションに加えて、当該メッセージのバッファリング及び破棄を実行するためのアクションがバックグラウンドメッセージに関して実行可能である。このようなアクションは、当該メッセージのバッファリング及び/又は破棄の適切さに関する通知を提供するようにバックグラウンドメッセージを構成可能である。以下の図は、このような追加的なアクションに整合した方法の具体例を示すことができる。
【0076】
図8は、電力及びシグナリング低減手段のためのバックグラウンドメッセージを構成する方法800のフローチャートである。本方法は、必ずしも必要でないが、非一時的なコンピュータ利用可能な媒体を構成するコンピュータプログラムプロダクトに埋め込み可能である。コンピュータ可読媒体は、そこに具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有することが可能である。コンピュータ可読プログラムコードは、本方法の命令を実現するよう実行されるよう構成可能である。
【0077】
方法800は、アプリケーションから発信されたメッセージが所定のバックグラウンドメッセージタイプリストに対応するメッセージタイプを有することを判断(810)することを含むことができる。IPヘッダフィールドは、メッセージがバックグラウンドメッセージであることを示すパラメータ値と共に埋め込み(820)可能である。バックグラウンドメッセージは、その後、それの宛先に送信(830)可能である。
【0078】
いくつかの実施例は更に、重要性レベルを割り当てるためメッセージを評価することを有することができる。重要性レベルは、パラメータ値に含まれる所定のコード内においてメッセージに割り当て可能である。実施例に応じて、IPヘッダフィールドは、TTL IPヘッダフィールド、DSCP IPヘッダフィールド、アプリケーションヘッダ及び/又は所定のバックグラウンドメッセージヘッダとすることが可能である。バックグラウンドヘッダは、eNodeB及びUEの少なくとも1つにより事前に知られることができる。
【0079】
特定の実施例は更に、パラメータ値に符号化される通知を提供することを含みうる。当該通知は、UEがDRXモードにある場合、第1ハンドリングアクションに関するものとすることができる。他方、当該通知は、UEがRRC_IDLEモードにある場合、第2ハンドリングアクションに関するものとすることが可能である。
【0080】
図9は、UE、移動局(MS)、モバイル無線装置、モバイル通信装置、タブレット、ハンドセット又は他のタイプのモバイル無線装置などのモバイル装置の具体例を提供する。モバイル装置は、BS、eNodeB又は他のタイプのWWAN送信ポイントと通信するよう構成される1以上のアンテナを含むことが可能である。2つのアンテナが示されるが、モバイル装置は、1〜4つ又はそれ以上のアンテナを有してもよい。モバイル装置は、3GPP LTE、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)、HSPA(High Speed Packet Access)、Bluetooth(登録商標)、WiFi又は他の無線規格を含む少なくとも1つの無線通信規格を用いて通信するよう構成可能である。モバイル装置は、複数の無線通信規格のための共有されたアンテナ又は各無線通信規格のための別々のアンテナを用いて通信可能である。モバイル装置は、WLAN(Wireless Local Area Network)、WPAN(Wireless Personal Area Network)及び/又はWWANにより通信可能である。
【0081】
図9はまた、モバイル装置からの音声入出力に利用可能な1以上のスピーカとマイクロフォンの図を提供する。表示画面は、LCD(Liquid Crystal Display)画面又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの他のタイプの表示画面であってもよい。表示画面は、タッチ画面として構成可能である。タッチ画面は、容量、抵抗又は他のタイプのタッチ画面技術を利用してもよい。アプリケーションプロセッサ及びグラフィックプロセッサは、処理及び表示能力を提供するため、内部メモリに接続可能である。不揮発性メモリポートはまた、データ入出力オプションをユーザに提供するよう利用可能である。不揮発性メモリポートはまた、モバイル装置のメモリ能力を拡張するのに利用されてもよい。不揮発性メモリは、SSD(Solid State Drive)、フラッシュRAM(Random Access Memory)などを含むことが可能である。キーボードは、更なるユーザ入力を提供するため、モバイル装置に一体化又は無線接続されてもよい。バーチャルキーボードがまた、タッチ画面を用いて提供されてもよい。
【0082】
本明細書に説明される機能ユニットの多くは、特にそれらの実装独立性を強調するため、モジュールとしてラベル付けされたことが理解されるべきである。例えば、モジュールは、ロジックチップ、トランジスタ又は他の離散的コンポーネントなどのカスタムVLSI回路やゲートアレイ、オフザシェル半導体を含むハードウェア回路として実現されてもよい。モジュールはまた、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PAL(Programmable Array Logic)、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラム可能なハードウェアデバイスにより実現されてもよい。
【0083】
モジュールはまた、各種タイプのプロセッサによる実行用のソフトウェアにより実現されてもよい。実行可能コードの識別されたモジュールは、例えば、オブジェクト、プロシージャ又はファンクションとして構成される1以上の物理的又は論理的なコンピュータ命令ブロックを有してもよい。にもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能性は、物理的に一緒に配置される必要はないが、論理的に一緒に結合されると、モジュールを構成し、当該モジュールの説明された目的を実現する異なる位置に格納された別々の命令を有してもよい。
【0084】
実際、実行可能コードのモジュールは、単一の命令又は多数の命令であってもよく、複数の異なるコードセグメント、異なるプログラム及び複数のメモリデバイスに分散されてもよい。同様に、動作データはモジュール内に特定及び示されてもよく、何れか適切な形態により実現され、何れか適切なタイプのデータ構造内に構成されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてもよいし、異なるストレージデバイスに含まれる異なる位置に分散化されてもよく、少なくとも部分的にはシステム又はネットワーク上の電子信号として単に存在してもよい。モジュールは、所望の機能を実行するよう動作可能なエージェントを含むパッシブ又はアクティブであってもよい。
【0085】
各種技術又はこれらの特定の態様又は部分が、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュRAM又は他の何れかのマシーン可読記憶媒体などの有形な媒体に実装されるプログラムコード(すなわち、命令)の形態をとってもよく、プログラムコードがコンピュータなどのマシーンにロードされ、実行されると、当該マシーンは各種技術を実現する装置になる。プログラマブルコンピュータ上のプログラムコード実行のケースでは、計算装置は、プロセッサ、プロセッサにより可読な記憶媒体(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又はストレージ要素を含む)、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの出力装置を含むものであってもよい。ここに説明される各種技術を実現又は利用可能な1以上のプログラムは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、再利用可能なコントロールなどを利用してもよい。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するためハイレベル手続き型又はオブジェクト指向プログラミング言語により実現されてもよい。しかしながら、プログラムは、所望される場合、アセンブリ又は機械語により実現されてもよい。何れのケースでも、言語はコンパイル又はインタープリットされた言語であり、ハードウェア実装と組み合わされてもよい。
【0086】
本明細書を通じて“一実施例”又は“ある実施例”という表現は、当該実施例に関して説明される特定の特徴、構成又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて各所における“一実施例では”又は“ある実施例では”というフレーズの出現は、必ずしも全てが同一の実施例を参照しているとは限らない。
【0087】
ここで用いられる複数のアイテム、構成要素、組成要素及び/又は物質は、便宜上共通のリストにおいて提示されてもよい。しかしながら、これらのリストは、当該リストの各メンバーが独立した一意的なメンバーとして個別に特定されているかのように解釈されるべきである。従って、このようなリストの個別のメンバーは、反対の断りがない場合、共通のグループにおけるそれらの提示に基づき同一のリストの他の何れかのメンバーに実質的に均等であると解釈されるべきである。さらに、本発明の各種実施例及び具体例は、それの各種コンポーネントの代替と共にここで参照されてもよい。このような実施例、具体例及び代替は互いの実質的な均等として解釈されるべきでなく、本発明の別々の自律的な表現としてみなされるべきであることが理解される。
【0088】
さらに、説明された特徴、構成又は特性は1以上の実施例において何れか適切な方法により組み合わせ可能である。以下の説明では、本発明の実施例の完全な理解を提供するため、物質、締結手段、サイズ、長さ、幅、形状などの具体例などの多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの具体的な詳細の1以上がなく、又は他の方法、コンポーネント、物質などにより実現可能であることを認識するであろう。他の例では、周知の構成、物質又は処理は、本発明の態様を不明瞭にすることを回避するため、詳細には図示又は説明されない。
【0089】
上述した具体例は1以上の特定のアプリケーションにより本発明の原理を示すが、実現形態の形態、利用及び詳細の多数の変更が本発明を実施することなく、また本発明の原理及びコンセプトから逸脱することなく可能であることは当業者に明らかであろう。従って、本発明は以下の請求項によってのみ限定されることが意図される。