(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラが、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部を通る電流および前記複数の同一平面上のコイルの前記一部にわたる電圧に基づいて、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いが、前記複数の同一平面上のコイルのうちの1つと1つの受信機コイルとの間の電力の結合の度合いからなり、前記複数の同一平面上のコイルのうちの前記1つおよび前記1つの受信機コイルが閉磁気ループを形成する、請求項1に記載の装置。
前記コントローラが、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いに基づいて前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの通電を行う、または通電を遮断するようにさらに構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
前記コントローラが、前記複数の同一平面上のコイルの各々の前記極性が直接隣接するコイルに対して逆の磁気極性を有するようにさらに構成される、請求項5に記載の装置。
少なくとも複数の同一平面上のコイルの一部の通電を行い、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と少なくとも1つの受信コイルとの間の第1の電力の結合を測定するステップであり、前記複数の同一平面上のコイルが、個々に通電され、磁場を生成するように構成される、ステップと、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部のうちの少なくとも1つの前記磁場の極性を反転して、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の第2の電力の結合を測定するステップと、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第2の電力の結合の度合いに基づいてワイヤレス電力送信のための前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも2つを選択するステップと
を含むワイヤレス電力送信のための方法。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部を通る電流および前記複数の同一平面上のコイルの前記一部にわたる電圧に基づいて、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いを決定するステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いが、前記複数の同一平面上のコイルのうちの1つと1つの受信機コイルとの間の電力の結合の度合いからなり、前記複数の同一平面上のコイルのうちの前記1つおよび前記1つの受信機コイルが閉磁気ループを形成する、請求項8に記載の方法。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いに基づいて前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの通電を行う、または通電を遮断するステップをさらに含む請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
少なくとも複数の同一平面上のコイルの一部の通電を行い、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と少なくとも1つの受信コイルとの間の第1の電力の結合を測定するための手段であり、前記複数の同一平面上のコイルが、個々に通電され、磁場を生成するように構成される、手段と、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部のうちの少なくとも1つの前記磁場の極性を反転して、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の第2の電力の結合を測定するための手段と、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第2の電力の結合の度合いに基づいてワイヤレス電力送信のための前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも2つを選択するための手段と
を備えるワイヤレス電力送信のための装置。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部を通る電流および前記複数の同一平面上のコイルの前記一部にわたる電圧に基づいて、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いを決定するための手段をさらに含む請求項15に記載の装置。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いが、前記複数の同一平面上のコイルのうちの1つと1つの受信機コイルとの間の電力の結合の度合いからなり、前記複数の同一平面上のコイルのうちの前記1つおよび前記1つの受信機コイルが閉磁気ループを形成する、請求項15に記載の装置。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いに基づいて前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの通電を行う、または通電を遮断するための手段をさらに備える請求項15から17のいずれか一項に記載の装置。
少なくとも複数の同一平面上のコイルの一部の通電を行い、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と少なくとも1つの受信コイルとの間の第1の電力の結合を測定することであり、前記複数の同一平面上のコイルが、個々に通電され、磁場を生成するように構成されることと、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部のうちの少なくとも1つの前記磁場の極性を反転して、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の第2の電力の結合を測定することと、
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第2の電力の結合の度合いに基づいてワイヤレス電力送信のための前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも2つを選択することと
を含むプロセスをワイヤレス電力送信のための装置に実行させる、実行可能プログラム命令を記憶する非一時的コンピュータストレージ。
前記プロセスが、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部を通る電流および前記複数の同一平面上のコイルの前記一部にわたる電圧に基づいて、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いを決定することをさらに含む、請求項22に記載の非一時的コンピュータストレージ。
前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いが、前記複数の同一平面上のコイルのうちの1つと1つの受信機コイルとの間の電力の結合の度合いからなり、前記複数の同一平面上のコイルのうちの前記1つおよび前記1つの受信機コイルが閉磁気ループを形成する、請求項22に記載の非一時的コンピュータストレージ。
前記プロセスが、前記複数の同一平面上のコイルの前記一部と前記少なくとも1つの受信コイルとの間の前記第1および第2の電力の結合の度合いに基づいて前記複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの通電を行う、または通電を遮断することをさらに含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータストレージ。
前記プロセスが、前記複数の同一平面上のコイルの各々の前記極性が直接隣接するコイルに対して逆の磁気極性を有するようにすることをさらに含む、請求項26に記載の非一時的コンピュータストレージ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面に示された様々な特徴は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。したがって、明確にするために、様々な特徴の寸法は任意に拡大または縮小されている場合がある。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを描写していない場合がある。最後に、本明細書および図の全体を通して、同様の特徴を示すために同様の参照番号が使用される場合がある。
【0011】
図面に関する下記の発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態を説明することを意図しており、本発明を実践することができる唯一の実施形態を表すことは意図していない。本説明全体にわたって使用される「例示的」という用語は、「例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味しており、必ずしも、他の例示的な実施態様よりも好ましいか、または有利なものと解釈されるべきではない。発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施態様を完全に理解してもらうために、具体的な細部を含む。本発明の例示的な実施形態は、これらの具体的な細部を用いることなく実践することができる。場合によっては、本明細書において提示される例示的な実施形態の新規性を曖昧にするのを避けるために、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0012】
電力をワイヤレスに伝達することは、物理的な電気導体を使用することなく、電場、磁場、電磁場などに関連する任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達することを指し得る(たとえば、電力は、自由空間を通して伝達され得る)。電力伝達を実現するために、ワイヤレス場(たとえば、磁場)内に出力された電力は、「受信コイル」によって受け取られ、捕捉され、または結合され得る。
【0013】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、例示的なワイヤレス電力伝達システム100の機能ブロック図である。エネルギー伝達を可能にするために、場105を生成するのに、電源(図示せず)から、送信機104に入力電力102を提供することができる。受信機108は、場105に結合し、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)によって蓄積または消費するための出力電力110を生成することができる。送信機104と受信機108の両方は、距離112だけ離されている。例示的な一実施形態では、送信機104および受信機108は、相互の共振関係に従って構成される。受信機108の共振周波数と送信機104の共振周波数が、ほぼ同じか、または極めて近いとき、送信機104と受信機108との間の伝送損失は最小となる。したがって、コイルが極めて近い(たとえば、数mm)ことが必要な大型のコイルを必要とする可能性がある純粋に誘導性のソリューションとは対照的に、より長い距離にわたってワイヤレス電力伝達を可能にすることができる。したがって、共振誘導結合技法は、効率を改善するとともに、様々な距離にわたってかつ様々な誘導コイル構成を用いて電力伝達を可能にし得る。
【0014】
受信機108は、送信機104によって生成されたエネルギー場105に位置するとき、電力を受け取ることができる。場105は、送信機104によって出力されたエネルギーが受信機108によって捕捉され得る領域に対応する。場合によっては、場105は、以下でさらに説明するように、送信機104の「近接場」に相当してよい。送信機104は、エネルギー伝達を出力するための送信コイル114を含んでよい。さらに、受信機108は、エネルギー伝達からのエネルギーを受信または捕捉するための受信コイル118を含む。近接場は、送信コイル114から電力を最小限に放射する送信コイル114内の電流および電荷に起因する強い反応場が存在する領域に相当してよい。場合によっては、近接場は、送信コイル114の約1波長(または波長の数分の一)内にある領域に相当してよい。送信コイル114および受信コイル118は、それらに関連する適用例およびデバイスに応じてサイズを決定される。上述のように、効率的なエネルギー伝達は、電磁波のエネルギーの大部分を非近接場に伝播するのではなく、送信コイル114の場105のエネルギーの大部分を受信コイル118に結合することによって生じさせることができる。場105内に位置するとき、送信コイル114と受信コイル118との間に、「結合モード」を発生させることができる。この結合が起こり得る、送信コイル114および受信コイル118の周りの領域を、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0015】
図2は、本発明の様々な例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システム100に使用され得る例示的な構成要素の機能ブロック図である。送信機204は、発振器222と、ドライバ回路224と、フィルタ/整合回路226とを含むことができる、送信回路206を含んでよい。発振器222は、周波数制御信号223に応答して調整され得る、468.75KHz、6.78MHz、または13.56MHzなどの所望の周波数の信号を生成するように構成され得る。発振器信号は、たとえば送信コイル214の共振周波数で送信コイル214を駆動するように構成されたドライバ回路224に供給され得る。ドライバ回路224は、発振器222から方形波を受け取り、正弦波を出力するように構成されたスイッチング増幅器であってよい。たとえば、ドライバ回路224は、E級増幅器であってよい。また、フィルタ/整合回路226は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ処理し、送信機204のインピーダンスを送信コイル214に整合させるために含まれ得る。
【0016】
受信機208は、整合回路232と、
図2に示すバッテリー236を充電するかまたは受信機208に結合されたデバイス(図示せず)に電力を供給するためにAC電力入力からDC電力出力を生成するための整流器/スイッチング回路234とを含み得る受信回路210を含んでよい。整合回路232は、受信回路210のインピーダンスを受信コイル218に整合させるために含まれ得る。加えて、受信機208と送信機204は、別々の通信チャネル219(たとえば、ブルートゥース、zigbee、セルラーなど)上で通信してよい。別法として、受信機208および送信機204は、ワイヤレス場206の特性を使用したバンド内信号伝達を介して通信することができる。
【0017】
以下でより十分に説明するように、選択的に無効にできる結合負荷(たとえばバッテリー236)を初期に有し得る受信機208は、送信機204によって伝送され、受信機208によって受け取られる電力の量が、バッテリー236を充電するのに適切であるかどうかを判定するように構成できる。さらに、受信機208は、電力量が適切であると判定すると、負荷(たとえば、バッテリー236)を有効にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、受信機208は、バッテリー236を充電することなく、ワイヤレス電力伝達場から受け取った電力を直接利用するように構成され得る。たとえば、近接場通信(NFC)または無線周波数識別デバイス(RFID)などの通信デバイスは、ワイヤレス電力伝達場と相互作用することによってワイヤレス電力伝達場から電力を受信し、かつ/または、受信電力を利用して送信機204もしくは他のデバイスと通信するように構成することができる。
【0018】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、送信コイルまたは受信コイル352を含む、
図2の送信回路206または受信回路210の一部分の概略図である。
図3に示すように、例示的な実施形態に使用される送信回路または受信回路350は、コイル352を含むことができる。また、コイルは、「ループ」アンテナ352と呼ぶことができるか、または「ループ」アンテナ352として構成することができる。また、コイル352は、本明細書では、「磁気」アンテナもしくは誘導コイルと呼ぶことができるか、または「磁気」アンテナもしくは誘導コイルとして構成することができる。「コイル」という用語は、別の「コイル」に結合するためのエネルギーをワイヤレスに出力または受信することができる構成要素を指すことが意図される。コイルは、電力をワイヤレスに出力または受信するように構成されるタイプの「アンテナ」と呼ぶこともできる。コイル352は、空芯、またはフェライトコアなどの物理的コア(図示せず)を含むように構成され得る。空芯ループコイルは、コアの近傍に配置された無関係の物理デバイスに対して、より耐用性がある可能性がある。さらに、空芯ループコイル352により、他の構成要素をコア領域内に配置することが可能になる。加えて、空芯ループは、受信コイル218(
図2)を送信コイル214(
図2)の平面内に配置することをより容易に可能にし得、送信コイル214(
図2)の結合モード領域は、より強力であり得る。
【0019】
上述のように、送信機104と受信機108との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機104と受信機108との間に整合した共振またはほぼ整合した共振が生じている間に行われ得る。しかしながら、送信機104と受信機108との間の共振が整合しないときでも、エネルギーを伝達することができるが、効率に影響を及ぼす可能性がある。エネルギーの伝達は、送信コイルの場105からのエネルギーを、近傍にある受信コイルに結合することによって行われ、この場105は、送信コイルからのエネルギーを自由空間に伝播させる代わりに確立される。
【0020】
ループコイルまたは磁気コイルの共振周波数は、インダクタンスおよびキャパシタンスに基づいている。インダクタンスは単にコイル352によって生成されたインダクタンスである可能性があるが、キャパシタンスは、所望の共振周波数の共振構造を生成するためにコイルのインダクタンスに加えられ得る。一例として、共振周波数で信号
358を選択する共振回路を生成するために、送信回路または受信回路350にキャパシタ
356およびキャパシタ354を加えてよい。したがって、より大きい直径のコイルでは、共振を持続させるのに必要なキャパシタンスのサイズは、ループの直径またはインダクタンスが増加するにつれて減少してよい。さらに、コイルの直径が増加するにつれて、近接場の効率的なエネルギー伝達面積が増加してよい。他の構成要素を使用して形成される他の共振回路も考えられる。別の非限定的な例として、コイル
352の2つの端子間に並列にキャパシタを配置してよい。送信コイルに関して、コイル352の共振周波数にほぼ対応する周波数を有する信号358がコイル352への入力であってよい。
【0021】
一実施形態では、送信機104は、送信コイル114の共振周波数に対応する周波数を有する、時間変動する磁場を出力するように構成され得る。受信機が場105内にあるとき、時間変動する磁場は、受信コイル118内に電流を誘導することができる。上述のように、受信コイル118が送信コイル118の周波数で共振するように構成される場合、エネルギーを効率的に伝達することができる。受信コイル118内に誘導されたAC信号は、負荷を充電するかまたは負荷に電力を供給するために供給され得るDC信号を生成するために上述のように整流され得る。
【0022】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システムに使用され得る送信機404の機能ブロック図である。送信機404は、送信回路406および送信コイル414を含むことができる。送信コイル414は、
図3に示すコイル352である可能性がある。送信回路406は、送信コイル414の周りにエネルギー(たとえば、磁束)を発生させる発振信号を生成することにより、送信コイル414にRF電力を供給してよい。送信機404は、任意の適切な周波数で動作することができる。例として、送信機404は、13.56MHzのISMバンドで動作することができる。
【0023】
送信回路406は、送信回路406のインピーダンス(たとえば、50オーム)を送信コイル414に整合させるための固定インピーダンス整合回路409と、高調波放射を受信機108(
図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防ぐレベルまで低減させるように構成されたローパスフィルタ(LPF)408とを含んでよい。他の例示的な実施形態は、ノッチフィルタを含むが、それに限定されない、異なるフィルタトポロジを含んでよく、ノッチフィルタは、特定の周波数を減衰させる一方で、他の周波数は通過させ、コイル414への出力電力、またはドライバ回路424によって引き出されるDC電流など、測定可能な送電メトリックに基づいて変化し得る、適応インピーダンス整合を含んでよい。送信回路406は、発振器423によって決定されるRF信号を駆動するように構成されたドライバ回路424をさらに含む。送信回路406は、個別のデバイスまたは回路から構成されても、または代わりに、一体型アセンブリから構成されてもよい。送信コイル414から出力される例示的なRF電力は、2.5ワット程度であってよい。
【0024】
送信回路406は、発振器423の周波数または位相を調整し、かつ取り付けられた受信機を介して隣接するデバイスと対話するための通信プロトコルを実装するように出力電力レベルを調整するために、特定の受信機の送信フェーズ(またはデューティサイクル)の間に発振器423を選択的に有効にするためのコントローラ415をさらに含んでよい。コントローラ415は、本明細書ではプロセッサ415と呼ばれることもあることに留意されたい。発振器位相および送信経路内の関連する回路の調整により、特に、ある周波数から別の周波数に移行する際の帯域外放射の低減が可能になり得る。
【0025】
送信回路406は、送信コイル414によって生成された近接場の近傍における作動中の受信機の有無を検出するための負荷感知回路416をさらに含んでよい。例として、負荷感知回路416は、以下でさらに説明するように、送信コイル414によって生成された場の近傍における作動中の受信機の有無によって影響を及ぼされ得るドライバ回路424に流れる電流を監視する。ドライバ回路424上の負荷に対する変化の検出は、エネルギーを伝送するために発振器423を有効にすべきかどうか、および作動中の受信機と通信すべきかどうかを決定する際に使用するためにコントローラ415によって監視される。以下でより十分に説明するように、ドライバ回路424で測定される電流は、無効なデバイスが送信機404のワイヤレス電力伝達領域内に位置するかどうかを判定するために使用され得る。
【0026】
送信コイル414は、リッツ線で実装されても、または抵抗損を低く保つために選択された厚さ、幅、および金属のタイプを有するアンテナストリップとして実装されてもよい。一実装形態では、送信コイル414は、一般に、テーブル、マット、ランプ、または他の携帯性の低い構成などの、より大きい構造と関連付けて構成され得る。したがって、送信コイル414は、一般に、実用的な寸法となるように「巻くこと」を必要としない場合がある。送信コイル414の例示的な実装形態は、「電気的に小型」(すなわち、波長の数分の一)であり、共振周波数を規定するためにキャパシタを使用することにより、より低い使用可能な周波数で共振するように同調され得る。
【0027】
送信機404は、送信機404に関連し得る受信機デバイスの所在および状態に関する情報を収集および追跡してよい。したがって、送信回路406は、(本明細書ではプロセッサとも呼ばれる)コントローラ415に接続される、存在検出器480、密閉状態検出器460、またはこれらの組合せを含んでよい。コントローラ415は、存在検出器480および密閉状態検出器460からの存在信号に応答してドライバ回路424により送出される電力量を調整してよい。送信機404は、たとえば、ビル内にある従来のAC電力を変換するためのAC-DCコンバータ(図示せず)、従来のDC電源を送信機404に適した電圧に変換するためのDC-DCコンバータ(図示せず)などのいくつかの電源を介して、または従来のDC電源(図示せず)から直接電力を受け取ってよい。
【0028】
一例として、存在検出器480は、送信機404のカバー領域に挿入される、充電されるべきデバイスの最初の存在を感知するために利用される運動検出器であってよい。検出後、送信機404はオンにされてよく、デバイスによって受け取られるRF電力は、所定の方法でRxデバイス上のスイッチを切り替えるために使用されてよく、これにより次に、送信機404の駆動点インピーダンスに対する変化をもたらす。
【0029】
別の例として、存在検出器480は、たとえば、赤外線検出手段、運動検出手段、または他の適切な手段によって人を検出することが可能な検出器であってよい。いくつかの例示的な実施形態では、送信コイル414が特定の周波数で送信することができる電力量を制限する規定が存在してよい。場合によっては、これらの規定は、人を電磁放射から守ることを意図されている。しかしながら、送信コイル414が、たとえば、ガレージ、工業の現場、店舗などの、人によって占有されないか、または人によって占有される頻度が低い領域に位置する環境が存在し得る。これらの環境に人間がいない場合は、通常の電力制限規定を超えて送信コイル414の電力出力を増加させることを許容し得る。言い換えれば、コントローラ415は、人の存在に応答して、送信コイル414の電力出力を、規制レベルまたはそれ未満に調整し、人が送信コイル414の電磁場から規制距離の外側に居る場合は、送信コイル414の電力出力を、規制レベルを超えるレベルに調整してよい。
【0030】
一例として、密閉状態検出器(enclosed detector)460(本明細書では、密閉状態コンパートメント検出器または密閉状態空間検出器と呼ばれることもある)は、包囲体が閉状態または開状態であることを判定するための感知スイッチなどのデバイスであってよい。送信機が密閉状態の包囲体内にあるとき、送信機の電力レベルを増加させてよい。
【0031】
例示的な実施形態では、送信機404がいつまでもオンのままではない方法を使用してよい。この場合、送信機404は、ユーザが決定した時間後に切断するようにプログラムされ得る。この特徴は、送信機404の周囲のワイヤレスデバイスが十分充電された後、送信機404、特にドライバ回路424が長く動作するのを防ぐ。このイベントは、リピータまたは受信コイルより送信された、デバイスが十分充電されたという信号を検出するための回路の故障によるものである可能性がある。その周囲に別のデバイスが配置されている場合に、送信機404が自動的にシャットオフすることを防止するために、送信機404の自動シャットオフ機能は、その周囲で動作が検出されずに、定められた期間が経過した後にだけ、アクティブ化されてよい。ユーザが、望み通りに、無活動時間間隔を決定し、それを変更できてよい。一例として、この時間間隔は、特定のタイプのワイヤレスデバイスが最初に完全に放電したという仮定の下に、そのデバイスを完全に充電するのに必要な時間間隔よりも長くてよい。
【0032】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システムに使用され得る受信機508の機能ブロック図である。受信機508は、受信コイル518を含み得る受信回路510を含む。受信機508は、それに受信電力を提供するためのデバイス550にさらに結合する。受信機508は、デバイス550の外部にあるものとして示されているが、デバイス550に統合されてよいことに留意されたい。エネルギーは、受信コイル518にワイヤレスに伝播され、次いで受信回路510の残りの部分を介してデバイス550に結合され得る。例として、充電デバイスには、モバイルフォン、携帯型音楽プレーヤ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンピュータ周辺デバイス、通信デバイス(たとえば、ブルートゥースデバイス)、デジタルカメラ、補聴器(および他の医療用デバイス)などのデバイスが含まれ得る。
【0033】
受信コイル518は、送信コイル414(
図4)と同じ周波数で、または特定の周波数範囲内で共振するように同調され得る。受信コイル518は、送信コイル414と同様の寸法を有しても、または関連するデバイス550の寸法に基づいて異なるサイズを有してもよい。例として、デバイス550は、送信コイル414の直径または長さよりも小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスであってよい。そのような例では、受信コイル518は、同調キャパシタ(図示せず)のキャパシタンス値を低減させ、受信コイルのインピーダンスを増加させるために多巻きコイルとして実装され得る。例として、受信コイル518は、コイルの直径を最大化し、受信コイル518のループ巻き数(すなわち、巻回)および巻線間キャパシタンスを低減するために、デバイス550の実質的な外周の周りに配置されてよい。
【0034】
受信回路510は、受信コイル518に対するインピーダンス整合を可能にしてよい。受信回路510は、受け取られたRFエネルギー源をデバイス550が使用するための充電電力に変換するための電力変換回路506を含む。電力変換回路506は、RF-DC変換器520を含み、DC-DC変換器522を含んでもよい。RF-DC変換器520は、受信コイル518で受信されたRFエネルギー信号を、V
rectで表される出力電圧を有する非交流電力に整流する。DC-DC変換器522(または他の電力調整器)は、整流されたRFエネルギー信号を、V
outおよびI
outによって表される出力電圧および出力電流を有する、デバイス550に適合するエネルギーポテンシャル(たとえば、電圧)に変換する。部分的および完全な整流器、調整器、ブリッジ、ダブラー、ならびにリニア変換器およびスイッチング変換器を含む、様々なRF-DC変換器が企図される。
【0035】
受信回路510は、受信コイル518を電力変換回路506に接続するための、あるいは電力変換回路506を切断するための、スイッチング回路512をさらに含んでよい。電力変換回路506から受信コイル518を切断することにより、デバイス550の充電を中断するだけでなく、送信機404(
図2)から「見た」「負荷」も変化する。
【0036】
上記で開示したように、送信機404は、送信機ドライバ回路424に供給されるバイアス電流の変動を検出することができる負荷感知回路416を含む。したがって、送信機404は、受信機が送信機の近接場内に存在することを判定するための機構を有する。
【0037】
複数の受信機508が送信機の近接場内に存在するとき、他の受信機をより効率的に送信機に結合させるために、1つまたは複数の受信機の装荷および除荷を時間多重化することが望ましい場合がある。受信機508はまた、他の近くの受信機への結合を解消するか、または近くの送信機への装荷を低減させるためにクローキングされ得る。受信機のこの「除荷」は、本明細書では「クローキング」としても知られる。さらに、受信機508によって制御され送信機404によって検出される、除荷と装荷との間のこのスイッチングは、以下でより十分に説明するように、受信機508から送信機404への通信機構を実現することができる。加えて、受信機508から送信機404にメッセージを送信することを可能にするプロトコルが、このスイッチングに関連付けられ得る。例として、スイッチング速度は、100μ秒程度であってよい。
【0038】
例示的な実施形態では、送信機404と受信機508との間の通信は、従来の双方向通信(すなわち、結合場を使用したバンド内信号伝達)ではなく、デバイス感知/充電制御機構を指す。言い換えれば、送信機404は、エネルギーが近接場で利用可能であるかどうかを調整するために送信信号のオン/オフキーイングを使用してよい。受信機は、これらのエネルギー変化を送信機404からのメッセージとして解釈してよい。受信機側から、受信機508は、どれくらいの電力が場から受け入れられているかを調整するために受信コイル518の同調および非同調を使用してよい。場合によっては、同調および非同調は、スイッチング回路512を介して実現され得る。送信機404は、場からの使用される電力のこの差を検出し、これらの変化を受信機508からのメッセージとして解釈してよい。送信電力の変調および負荷挙動の他の形態を利用してよいことに留意されたい。
【0039】
受信回路510は、送信機から受信機への情報信号伝達に対応し得る、受信エネルギーの変動を識別するために使用される、信号伝達検出器/ビーコン回路514をさらに含んでよい。さらに、信号伝達/ビーコン回路514は、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出し、かつ低減されたRF信号エネルギーを公称電力に整流し、受信回路510内の電力を供給されていない回路または電力が枯渇した回路のいずれかを呼び起こして受信回路510をワイヤレス充電が可能なように構成するために使用されてもよい。
【0040】
受信回路510は、本明細書で説明するスイッチング回路512の制御を含む、本明細書で説明する受信機508のプロセスを調整するためのプロセッサ516をさらに含む。また、受信機508のクローキングは、充電電力をデバイス550に提供する外部の有線充電ソース(たとえば、壁コンセント/USB電力)の検出を含む他のイベントが発生したときにも行われる可能性がある。プロセッサ516は、受信機のクローキングを制御するのに加えて、ビーコン回路514を監視してビーコン状態を判定し、送信機404から送信されたメッセージを抽出してもよい。プロセッサ516は、性能の改善のためにDC-DC変換器522を調整してもよい。
【0041】
図6は、
図4の送信回路406に使用され得る送信回路600の一部分の概略図である。送信回路600は、上記に
図4において説明したように、ドライバ回路624を含んでよい。上述のように、ドライバ回路624は、方形波を受け取り、送信回路650に供給する正弦波を出力するように構成され得るスイッチング増幅器であってよい。場合によっては、ドライバ回路624は、増幅器回路と呼ばれることがある。ドライバ回路624は、E級増幅器として示されているが、本発明の実施形態によって任意の適切なドライバ回路624が使用されてよい。ドライバ回路624は、
図4に示されるように、発振器423からの入力信号602によって駆動することができる。また、ドライバ回路624は、送信回路650を介して送出され得る最大電力を制御するように構成された駆動電圧V
Dを提供され得る。高調波を解消または低減させるために、送信回路600は、フィルタ回路626を含んでよい。フィルタ回路626は、3極(キャパシタ634、インダクタ632、およびキャパシタ636)ローパスフィルタ回路626であってよい。
【0042】
フィルタ回路626によって出力された信号は、コイル614を含む送信回路650に提供され得る。送信回路650は、ドライバ回路624によって供給されるフィルタ処理済み信号の周波数で共振する可能性がある、(たとえば、コイルのインダクタンスもしくはキャパシタンス、または追加のキャパシタ構成要素に起因する可能性がある)あるキャパシタンス620およびインダクタンスを有する直列共振回路を含んでよい。送信回路650の負荷は、可変抵抗器622によって表すことができる。この負荷は、送信回路650から電力を受け取るように置かれたワイヤレス電力受信機508の関数であってよい。
【0043】
図7は、本開示の態様が利用され得る例示的なワイヤレス通信システム700である。ワイヤレス通信システム700は、充電パッド701およびワイヤレス充電され得るデバイス702を含み得る。
【0044】
充電パッド701は、外部電力に接続され、充電されるデバイス702に、ワイヤレスで電力を結合するように構成され得る。充電パッド701は、商用外部電力に接続され、商用電源50/60ヘルツの電流を、数百ヘルツからメガヘルツに及ぶより高い周波数に変換するように構成され得る。他の態様では、充電パッド701は、数百ヘルツ未満の周波数に、または1メガヘルツを上回る周波数に電力を変換することができる。いくつかの態様では、充電パッド701の電力出力は、数ワットから約100ワットに及び得る。他の態様では、電力出力は、数ワットを下回る、または約100ワットを上回る範囲に及び得る。
【0045】
充電パッド701およびデバイス702がこの構成で表されているが、異なる形状、サイズおよび方向を有する多数の他の構成が想定され、本開示の意図の範囲内である。例として、充電パッド面は、冷蔵庫などのアイテムにあり得、またはキッチンカウンターなどの面の一部内に構築され得る。他の例では、充電パッド701面が、たとえば図示のように、水平に配向されてもよく、または、たとえば壁に沿って、または壁内になど、垂直に配向されてもよい。デバイス702は、考えられる例の中でも、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはテレビとすることができる。
【0046】
図8は、例示的なコイル間結合システム800の側面図である。コイル間結合システム800は、1次コイル801および2次コイル802を含むことができる。ワイヤレスに電力を結合する方法は、高周波数の交流電流の磁気結合によるものであり得る。
【0047】
いくつかの態様では、1次コイル801は、充電パッドに含まれ、同じく充電パッドに含まれる電子回路を介して商用電源によって通電され得る。
【0048】
いくつかの態様では、2次またはピックアップコイル802は、ワイヤレス充電されるデバイス702に含まれ得る。1次コイル801から発する磁場は、2次コイル802における高周波の交流電流を誘導することができ、これは、ポータブルデバイスのバッテリーを充電するために、整流され、調整され得る。
【0049】
磁場の磁束線803は、コイル間のエリアのコイルの中心に集中し得る。磁束線は、磁場の一方の極からもう一方の極までの経路を完了させるために接続することができる。磁束の戻り経路は、コイルの周辺にあり得る。1次コイル801と2次コイル802とが近くにある状態でさえ、磁束線が横断する可能性のある大きい空隙がある可能性があるので、磁束がコイルを囲むボリュームに漏れることがある。
【0050】
1次コイル801と2次コイル802との間の結合は、各コイルをキャパシタに共振させることによって増大し、2つの共振タンク回路が形成され得る。増大は、発振器または共振器の減衰状態を表す無次元パラメータであり得るQ値(quality factor)またはQ値(Q factor)の見地から理解することができる。共振回路の動作するQ値の増大によって、結合が増大し得る。
【0051】
図9は、別の例示的なコイル間結合システム900の側面図を示す。コイル間結合システム900は、1次コイル901、2次コイル902、およびバッキング904を含むことができる。ワイヤレスに電力を結合する方法は、高周波数の交流電流の磁気結合によるものであり得る。磁場の磁束線903が図示される。
【0052】
バッキング904は、1次コイル901と2次コイル902との間の結合を向上させることができる。バッキング904は、たとえばフェライトなど、低透磁率を有する材料から構成され得る。
図9において、バッキング904は1次コイル901について示されている。いくつかの態様では、この構成は、1次コイル901下に集中する磁束線のための低抵抗経路を得ることができ、充電パッド701下の物体へのエネルギーの結合を回避することができる。さらに他の態様では、第2のバッキングが、2次コイル902の近く、または上で使用され得る。バッキングがコイル901および902の上と下の両方に配置され得る態様では、磁場は、垂直方向に圧縮される可能性があり、コイルの端部の周辺にこぼれる可能性がある。
【0053】
図10は、例示的な二重コイル結合システム1000の側面図を示す。二重コイル結合システム1000は、1次コイル1001aおよび1001b、2次コイル1002aおよび1002b、ならびにバッキング1004を含み得る。ワイヤレスに電力を結合する方法は、高周波数の交流電流の磁気結合によるものであり得る。
【0054】
1次コイル1001aおよび1001bは、隣接し、同一平面上にあってもよい。1次コイル1001aは、一方のコイルからの上方向の場がN極であるとき、他方のコイルからの上方向の場がS極であるように、1次コイル1001bとは逆巻き、または1次コイル1001bとは反対の極性で接続され得る。
【0055】
同様に、2次コイル1002aおよび1002bは、隣接し、同一平面上にあってもよい。いくつかの態様では、2次コイル1002aと1002bとの間の中心間距離は、1次コイル1001aと1001bとの間とほぼ同じとすることができる。他の態様では、1次コイル1001aおよび1001bは、充電パッド701にあってもよく、2次コイル1002aおよび1002bは、デバイス702にあってもよい。
【0056】
バッキング(backing)1004は、1次コイル1001aおよび1001bの下に位置し得る。第2のバッキング(図示せず)は、2次コイル1002aおよび1002bの上に位置し得る。バッキング1004または第2のバッキングは、たとえばフェライトなどの材料から構成され得る。いくつかの態様では、1次コイル1001aおよび1001b、2次コイル1002aおよび1002b、ならびにフェライトバッキングの組合せは、一方の1次コイル1001aから発し、対向する2次コイル1002aの中心に集中し、第2のバッキングを通り、第2の2次コイル1002bを通り、他方の1次コイル1001bの中心に集中し、バッキング1004を通って回路が完成する回路を完成させるために、磁束線1003の低浸透性の磁路を提供することができる。この磁気回路は、近くの回路または物体に対する低い結合を提供しながら、2次コイル1002aおよび1002bに対する1次コイル1001aおよび1001bの分離との結合を提供し得る。
【0057】
図11は、
図7のデバイス702など、例示的なワイヤレス充電可能デバイスの概略の平面図である。デバイス702は、互いに逆巻き、または互いに反対の極性で接続され得る2次コイル1102aおよび1102bを含み得る。2次コイル1102aおよび1102bは、直列または並列に接続され得る。たとえば1次コイル1001aおよび1001bなどの1次コイルによって誘導される高周波交流磁力線は、結果として、デバイス702に電力を供給するために、2次コイル1102aおよび1102bから合計され、整流され、調整され得る、高周波交流電流になり得、バッテリーを充電することができる。いくつかの態様では、コイル1102aおよび1102bは、同一平面上にあってもよい。
【0058】
図12は、
図7の充電パッド701など、例示的な充電パッドの概略の平面図である。充電パッド701は、1次コイル1201aおよび1201bを含むことができる。いくつかの態様では、1次コイル1201aおよび1201bは、互いに逆巻き、または互いに反対の極性で接続され得る。1次コイル1201aおよび1201bは、直列または並列に接続され得る。1次コイル1201aおよび1201bは、高周波交流磁力線を生成し、たとえば2次コイル1102aおよび1102bなど2次コイルにおける高周波交流電流になり得る。いくつかの態様では、コイル1201aおよび1201bは、同一平面上にあってもよい。
【0059】
図13は、
図7の例示的なワイヤレス通信システム700など、例示的な充電システム1300の概略の平面図である。
図11に示されるデバイス702は、
図12の充電パッド701の1次コイル1201aおよび1201bの上に置かれて示されている。コイルの中心間距離が充電パッドの1次コイル1201aと1201bとの間で異なり得、デバイスの2次コイル1102aおよび1102bならびにデバイス702は、充電パッドのコイルと不整合であり得るが、磁気回路は、維持され得る。
【0060】
図14は、
図7のワイヤレス電力システムなど、ワイヤレス電力システムで使用され得る例示的な構成要素の機能ブロック図である。ワイヤレス電力システム1401は、充電パッド1410およびポータブルデバイス1430を含み得る。充電パッド1410は、おそらくコンセントに差し込まれるスタンド線コードを介して、外部電力1440に接続され得る。50/60のヘルツACユーティリティ電流は、整流器1411によって脈動DC電流に変換され得る。いくつかの態様では、力率補正回路1412が使用され得る。脈動DC電流は、フィルタ1413によって一定のDCに平滑化され得る。DC電流は、チョッパ1414または類似のDC-ACコンバータ/送信機によって方形波に切断され得る。チョッパ1414から出力される電流は、フィルタ1415によって正弦波に平滑化され得る。いくつかの態様では、フィルタ1415は、チョッパ1414のインピーダンスを、キャパシタ1416および1次コイル1417から構成される共振タンク回路と一致させ得る。エネルギーは、交番磁界1450によって、充電パッド1410からポータブルデバイス1430に結合され得る。交番磁界1450は、2次コイル1431に結合され、交流に変更され得る。キャパシタ1432は、結合を向上させるために、2次コイル1431と共振することができる。整流器1433は、交流電流を、キャパシタ1434によって一定のDCにフィルタ処理され得る脈動DCに変換することができる。スイッチモード電源1435は、ポータブルデバイス1430に電力を供給するのに適するように、電流を調整することができる。いくつかの態様では、ワイヤレス通信リンク1470は、充電パッドとポータブルデバイスとの間の充電プロセスを調整する、または充電パッドへのポータブルデバイスのアクセスを許可または拒否するためのログインプロセスを調整するなど、充電パッドおよびポータブルデバイスを調整するために使用され得る。
【0061】
図15は、
図7のワイヤレス電力伝達システムなど、ワイヤレス電力システムで使用され得る例示的なマルチコイル充電パッド1500の概略図である。いくつかのコイルは、パッドの表面における1つまたは複数のポータブルデバイスの配置を可能にするために使用され得る。いくつかの態様では、コイルは、
図15に示されるように、グリッド形式で配置され得る。行902および列901の指示子は、この説明のためにのみ示されており、コイルの配置の数または構成を制限するものではない。他の態様では、コイルは、限定はしないが、任意のランダムな、等距離の、同心円の、または卵形の配置パターンを含む他の数または構成で配置されてもよい。いくつかの態様では、コイルは、同一平面上でもよく、平坦面に沿って構成されてもよい。いくつかの態様では、コイルの平面は、湾曲していてもよい。
【0062】
考えられる例の中でも、コイルは、絶縁性のパネルまたは回路板上の銅の積層体として形成され得る。いくつかの態様では、充電パッドにおけるコイルの中心間距離は、ポータブルデバイスにおけるコイルの中心間距離にほぼ等しくなり得る。
【0063】
いくつかの態様では、
図15に示される充電パッド1500のコイル極性は、デフォルトの構成であり得る。さらに他の態様では、デフォルトのコイル極性は、いくつかの他の構成を有し得る。動作時、磁気極性は、高周波で交流している可能性がある。個々のコイルの磁気極性は、時間にわたって互いに無関係に変化し得る。コイルは、同じ方向に、または逆に巻かれ得る。磁気極性は、コイルへの電気接続を逆にすることによって切り替えられ得る。
【0064】
図16は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。
図16は、充電パッドの短辺寸法にわたる向きで
図15の充電パッドの上に置かれた
図11のポータブルデバイスを示す。充電パッドコイルB2は、N磁極を提供し、充電パッドコイルB3は、S磁極を提供する。コイルB2およびB3がポータブルデバイスのコイルに密結合され得るので、充電パッドのコイルB2およびB3は、電力を供給することができる。残りの充電パッドコイルは、結合されず、最小の電力を供給することができる。
【0065】
図17は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。
図17は、
図16における配置に直角に向けられた向きで
図15の充電パッドの上に置かれた
図11のポータブルデバイスを示す。充電パッドコイルB2は、N磁極を提供し、充電パッドコイルC2は、S磁極を提供する。コイルB2およびC2がポータブルデバイスのコイルに密結合され得るので、充電パッドのコイルB2およびC2は、電力を供給することができる。残りの充電パッドコイルは、結合されず、最小の電力を供給することができる。
【0066】
図18は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。
図18は、斜めに向けられて
図15の充電パッドの上に置かれた
図11のポータブルデバイスを示す。この場合、コイル極性の交流チェッカーボードパターンは、結果として、ポータブルデバイスのコイルが、同じ極性の充電パッドコイルの上に位置することになり得る。いくつかの態様では、行2および行4の極性は、それらの行における各コイルが
図15の構成とは反対の極性を有するように切り替えてもよい。いくつかの態様では、行2および行4は、双極、双投タイプの単一のスイッチを用いて切り替えてもよい。他の態様では、行は、他の方法を使用して切り替えられ得る。切り替え後に、1つのN極と1つのS極との充電パッドコイルが、斜めに置かれたポータブルデバイスの下に配置されるようにしてもよい。
【0067】
図19は、充電パッドコイルの極性を変更するための例示的なスイッチング回路の概略図である。双極、双投スイッチSが上側の位置にある状態では、コイルは、たとえば
図15、
図16、および
図17に示される構成など、デフォルトの構成で接続され得る。双極、双投スイッチSが下側の位置にある状態では、行2および行4は、
図18に示される反対の極性を有する。スイッチは、機械的なスイッチまたはリレーでもよく、または、スイッチは、たとえばMOSFETなどの電子スイッチの任意の方法であってもよい。スイッチを上側の位置に配置するか、下側の位置に配置するかの決定は、各位置のスイッチで電力の短いバーストを提供し、最も多くの電力を引き出すスイッチ位置を選択することによって行うことができる。いくつかの態様では、他の位置感知または電力感知方式が使用され得る。いくつかの態様では、個々の充電パッドコイルは、個々の切替えまたは感知回路を使用することができる。
【0068】
図20は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。充電パッドの各コイルは、個々に制御され、オンまたはオフにされ得る。充電電力は、いくつかの充電パッドコイルにルーティングされ得る。
図20に示されるケースでは、充電パッドコイルB2およびC3は、充電パッドに斜めに向けられたポータブルデバイスへのより良好な結合を提供することができる。充電パッドコイルB2およびC3はオンにされ、残りのコイルはオフにされ得る。
【0069】
図21は、充電パッドコイルの極性を変更するための例示的なスイッチング回路の概略図である。各コイル2110は、関連するHブリッジスイッチ2100を有し得る。いくつかの態様では、Hブリッジスイッチは、コイルを電力レール2101、2102に接続するように構成された4つのパワートランジスタまたはMOSFETから構成され得る。動作時、トランジスタのうちの2つが一度にアクティブであってもよい。いくつかの態様では、コイルの上側のリードを上側の電力レール2101に接続するために、左上のトランジスタがオンにされ、コイルの下側のリードを下側の電力レール2102に接続するために、右下のトランジスタがオンにされ得る。他の2つのトランジスタは、オフにされ得る。他の態様では、下側のコイルリードを上側の電力レール2101に接続するために、右上のトランジスタがオンにされ、コイルの上側のリードを下側の電力レール2102に接続するために、左下のトランジスタがオンにされる得、コイルの接続の極性が変更される。他の2つのトランジスタは、オフにされ得る。
【0070】
図22は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよび複数のデバイスの概略図である。あるデバイスは、充電パッドコイルB2およびC3に結合され得、第2のデバイスは、充電パッドコイルE1およびE3に結合され得る。コイルE2よりむしろコイルE1が使用され得る。充電パッドコイルE1およびポータブルデバイスにおける上側のコイルは、不整合であり得、磁気回路は、
図10に示されるように、依然として閉ループで形成してもよい。
【0071】
図15、
図16、
図17、および
図18に示されるコイル極性構成が、
図22に示される両方のデバイスの配列を同時に満たすわけではない。いくつかの態様では、行2および行4の極性がすばやく切り替えられ、一方、ポータブルデバイスは、代わりに充電パッドへのそれらの結合をオフにし、特定の極性が提示されると、オンになり得る。
【0072】
図23は、コイルまたはコイルのペア間の電力の結合の度合いを決定するために使用され得る電力伝達感知機構を含む例示的なワイヤレス電力送信機である。
図23は1つの送信コイル2314を示しているが、複数の送信コイルが同じように構成され、たとえばコントローラ2315など、1つまたは複数のコントローラによって制御されてもよい。組合せにおいて、
図15に示される充電パッド1500など、マルチコイル充電パッドを作成するように、複数の送信コイル、および1つまたは複数のコントローラが構成され得る。マルチコイル充電パッドにおけるコイルまたはコイルのペア間の結合の度合いに基づいて、1つまたは複数のコントローラは、たとえば、
図20の議論で説明したように、1つまたは複数のコイルの通電を行うまたは通電を遮断することによって、ワイヤレス電力送信のためのコイルまたはコイルのペアを選択するように構成され得る。いくつかの態様では、マルチコイル充電パッドにおけるコイルまたはコイルのペア間の結合の度合いに基づいて、1つまたは複数のコントローラは、たとえば、
図22の議論で説明したように、複数のコイルのうちの1つまたは複数のコイルの極性を反転するように構成され得る。
【0073】
図23に示すように、3つのワイヤレス電力受信機2308A、2308B、および2308Cは、電力を受信するためにワイヤレスフィールドに結合されるように構成され得る。ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cの各々は、1つまたは複数のキャパシタに結合されたワイヤレス電力受信機コイルを有する共振回路(たとえば、共振回路2309A〜2309C)を含み得る。共振回路2309A〜2309Cまたは各ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cは、対応する負荷(図示せず)に電力を供給する、または充電するための電圧レベルで電圧を出力するために、整流回路(たとえば、整流回路2311A〜2311C)に結合され得る。たとえば、第1のワイヤレス電力受信機2308Aは、電圧レベルV
out1で電圧を出力するように構成され、第2のワイヤレス電力受信機2308Bは、電圧レベルV
out2で電圧を出力するように構成され、第3のワイヤレス電力受信機2308Cは、電圧レベルV
out3で電圧を出力するように構成され得る。電圧レベルV
out1、V
out2、および
Vout3は、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cの各々に結合される負荷要件を満たすように設定され得る。
【0074】
さらに、
図23に示すように、電源2322は、電圧信号V
Dを第1および第2の駆動回路2370および2380の各々に提供するように構成される。たとえば、第1および第2の駆動回路2370および2380の各々はプッシュプル構成のワイヤレス電力送信コイル2314を駆動するために接続されるE級増幅器として構成され得る。第1の駆動回路2370は、電圧レベルV
1で電圧信号を生成するように構成された第1の電圧源2372を含む。第1の電圧源2372の出力は、第1のスイッチング回路2374に結合される。第1のスイッチング回路2374は、インダクタ2376を介して電力信号を受信するために、電圧信号(V
D)端末入力に結合される。第1のスイッチング回路2374の出力は、第1のバイパスキャパシタ2378を介してワイヤレス電力場生成回路に結合される。電圧信号V
Dおよび電圧レベルV
1の相対的な値に基づいて、第1の駆動回路2370は、ワイヤレス電力場生成回路に電流が流れるように構成される。
【0075】
第2の駆動回路2380は、第1の駆動回路2370と類似の類似な構成要素および機能を含む。たとえば、
図23に示すように、第2の駆動回路2380は、電圧レベルV
2で電圧信号を生成するように構成された第2の電圧源2382を含む。第2の電圧源2382は、第2のスイッチング回路2384に結合される。第2のスイッチング回路2384は、インダクタ2386を介して電力信号を受信するために、電圧信号(V
D)端末入力に結合される。第2のスイッチング回路2384の出力は、第2のバイパスキャパシタ2388を介してワイヤレス電力場生成回路に結合されている。電圧信号V
Dおよび電圧レベルV
2の相対的な値に基づいて、第2の駆動回路2380は、ワイヤレス電力場生成回路に電流が流れるように構成される。
【0076】
第1および第2の駆動回路2370および2380からの電流は、ワイヤレス電力伝達場を生成するために、ワイヤレス電力伝達コイル2314によって受信される。ワイヤレス電力送信コイル2314は、第1および第2の誘導性構成要素2392および2393ならびに第1〜第4の容量性構成要素2394〜2397を介して第1および第2の駆動回路2370および2380の各々に結合される。誘導性構成要素2392、2393および容量性構成要素2394〜2397は、共振回路を形成するために、ワイヤレス電力送信コイル2314に結合され得る。
図23に示すように、ワイヤレス電力送信コイル2314は、インピーダンス調整回路2390、電流センサー2360、および電圧センサー2350にも結合される。電流センサー2360、電圧センサー2350、およびコイルインピーダンス調整回路2390の各々を含むことを示しているが、送信回路は、たとえば、これらの構成要素のうちの1つのみを含む、これらの構成要素の任意の組合せも含み得る。さらに、
図23に示され、および/または記載されている様々な構成要素、および追加の構成要素は、ワイヤレス電力送信機の機能に基づいて、含まれたり、除外されたりし得る。
【0077】
図23に示すように、コイルインピーダンス調整回路2390は、ワイヤレス電力送信コイル2314を流れる電流の量を制御するために、コントローラ2315から受信された信号に基づいて、ワイヤレス電力送信コイルのインピーダンスを調整するように構成され得る。電流センサー2316は、ワイヤレス電力送信コイル2314に直列に結合され得、ワイヤレス電力送信コイル2314を通る電流のレベルを検出し、感知されたレベルの電流をコントローラ2315に通信するように構成され得る。電圧センサー2350は、ワイヤレス電力送信コイル2314の入力における電圧レベルを検出し、検出された電圧レベルをコントローラ2315に通信するように構成され得る。さらに、または代わりに、電圧センサー2350は、インピーダンス(たとえば、
図23に示す容量性構成要素2397など)にわたる電圧レベル(ReF1、ReF2)を検出し、検出された電圧差をコントローラ2315に通信するように構成され得る。コントローラ2315は、検出された電圧レベル(たとえば、ReF1およびReF2)に基づいて、ワイヤレス電力送信コイル2314を通る電流を決定するように構成され得る。さらに、電圧センサー2350は、送信コイル2314にわたる電圧レベル(たとえば、ReF2〜ReF3に等しい電圧)を検出し、検出された電圧レベルをコントローラ2315に送信するように構成され得る。また、他の電圧測定および現在の測定が実行され、コントローラ2315に提供されてもよく、
図23の図示の例は、例示的な測定位置としてのみ提供される。
【0078】
コントローラ2315は、たとえば、(たとえばコイルインピーダンス調整回路2390の制御を介した)電力送信コイル2314の有効なインピーダンスのうちの1つまたは複数の調整による送信回路のパラメータ、および駆動電圧V
Dのレベルを調整して、コイル2314を通る定電流または送信コイル2314における定電圧を維持するように構成され得る。さらに、コントローラ2315は、たとえば、送信コイル2314にわたって検出された電圧レベル、および送信コイル2314を通る決定された電流の積に基づいて、コイルまたはコイルのペア間の電力の結合の度合いを決定するように構成され得る。いくつかの態様では、別の例として、コントローラ2315は、送信コイル2314を通る決定された電流における変動に基づいて、コイルまたはコイルのペア間の電力の結合の度合いを決定するように構成され得る。コイルまたはコイルのペア間の結合の度合いに一部分基づいて、コントローラ2315は、(たとえば、送信コイル2314を通る電流を十分に減少させることによって)選択的に送信コイル2314の通電を行うまたは通電を遮断する、または送信コイル2314の磁場の極性を反転することができる。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ2315は、ワイヤレス電力送信コイル2314を通る電流およびワイヤレス電力送信コイル2314の入力における電圧のうちの一方を調整するために、内部またはローカルフィードバック信号を生成するように構成され得る。たとえば、コントローラ2315は、電源2322によって生成された電力信号の電圧レベルを制御するためにフィードバック信号2323(たとえば、ローカルまたは内部フィードバック信号)を供給するように構成されてもよい。さらに、または代わりに、コントローラ2315は、コイルインピーダンス調整回路2390のインピーダンスを調整することによって、ワイヤレス電力送信コイル2314の有効なインピーダンスを調整するために、フィードバック信号(たとえば、ローカルまたは内部フィードバック信号)を生成するように構成され得る。コントローラ2315は、ワイヤレス電力送信コイル2314と並列または直列に、1つまたは複数の反応性および抵抗性の要素を接続するように構成された、コイルインピーダンス調整回路2390のスイッチの組を制御するように構成され得る。電流の測定値が所定の閾値よりも低い場合、スイッチは、一次巻線のインピーダンスを低下させるように構成される。このようにして、コントローラ2315が、上述したように、複数のワイヤレス電力受信機2308A〜2308C、および異なる負荷状態の前で、ワイヤレス電力送信コイル2314を通る一定レベルの電流を維持するように構成され得る。代わりに、コントローラ2315は、上述したように、複数のワイヤレス電力受信機2308A〜2308C、および異なる負荷状態の前で、ワイヤレス電力送信コイル2314の入力における一定の電圧レベルを維持するように構成され得る。
【0080】
さらに、ワイヤレス電力送信機は、コントローラ2315に結合された通信モジュール2317を含むことができる。通信モジュール2317は、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cのうちの1つまたは複数から通信信号を受信するように構成され得る。通信信号に基づいて、コントローラ2315は、ワイヤレス電力送信コイル2314を通る電流およびワイヤレス電力送信コイルの入力における電圧のうちの一方の調整も決定し得る。たとえば、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cは、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cの各々によって受信される電力、およびワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cの各々の要件に基づいてコントローラ2315へのフィードバックを提供することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ2315は、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cから受信された通信信号を使用して、ワイヤレス電力送信コイル2314の電流および電圧のうちの一方についてのセットポイントを調整することができる。コントローラ2315は、ローカルまたは内部フィードバックを使用して、(たとえば、電圧センサー2350および電流センサー2360から受信された信号に基づいて)ワイヤレス電力送信コイル2314の電圧および電流のうちの一方を調整することもできる。たとえば、コントローラ2315は、ワイヤレス電力受信機2308A〜2308Cから受信された信号に基づいて粗調整を、および電圧センサー2350または電流センサー2360から受信された信号に基づいて微調整を実行するように構成され得る。
【0081】
図24は、充電パッドのための例示的な配列発見ロジック2400のフローチャートである。配列発見ロジック2400を使用して、充電パッドは、充電パッドに配置された1つまたは複数のポータブルデバイスに結合するために通電する充電パッドコイルを決定することができる。
【0082】
ブロック2405で、充電パッドは、コイルまたは構成がデバイスと結合していることを決定するために、各コイルまたはコイルの構成に対する低電力パルスを使用することができる。ブロック2410で、デバイスは、電力パルスを感知し、結合の強度で応答してもよい。ブロック2415および2420で、特定のコイルまたは構成が結合していないことを充電パッドが決定し得る場合、充電パッドは、たとえば、電力を節約するために持続時間の間のコイルまたは構成をオフにすることができる。いくつかの態様では、持続時間は、あらかじめ決定されていてもよい。持続時間が過ぎた後、充電パッドは、各コイルまたはコイル構成に対する低電力パルスを繰り返すことができる。
【0083】
ブロック2415および2425で、特定のコイルまたはコイルの構成が電力をデバイスに結合し得ることを充電パッドが決定した場合、充電パッドは、ワイヤレス電力送信の候補コイルを選択することができる。ブロック2430で、候補コイルは、ペアでパルスされ得る。ブロック2435で、デバイスは、電力パルスを感知し、結合の強度で応答してもよい。ブロック2440で、充電パッドは、他の候補のコイルのペアよりも大きい電力の転送をもたらし得る特定の候補のコイルのペアを決定し、電力のワイヤレス転送のためのこれらの特定の候補ペアを選択することができる。ブロック2445および2450で、選択された候補ペアに対する電力がオンにされ、デバイスは、充電状態に切り替えることができる。いくつかの態様では、ポータブルデバイスは、非充電状態(たとえば、充電パッドにないとき)であるとき、定格負荷を各ポータブルデバイスコイルに接続することができる。ポータブルデバイスは、非充電状態にある間、充電パッドに配置され得、定格負荷は、充電パッドからある程度の電力を受け入れ得る。
【0084】
いくつかの態様では、ポータブルデバイスは、各コイルによって結合された電力を通信し、充電パッドからの低電力パルスをリアクタンス変調することができる。定格負荷は、結合強度をシグナリングし、コイル間の結合の度合いを提供するために、あるパターンで接続および切断され得る。いくつかの態様では、結合強度は、
図14に示されるように、通信リンク1470を介して通信され得る。さらに他の態様では、充電パッドは、充電パッドコイルにおける電圧または電流を測定することができ、どのコイルが電力をポータブルデバイスに結合することができるかを感知することができる。充電パッドは、負荷を感知し、コイルまたはコイル構成の組合せを選択し、充電電力をオンにすることができる。ポータブルデバイスは、バッテリーを充電する、またはデバイスに電力を供給するために、充電パッドから結合された電力を使用することができる。いくつかの態様では、ポータブルデバイスは、バッテリーの充電からデバイスへの電力の供給に切り替わり得、または逆も可能である。いくつかの態様では、配列発見ロジック2400は、デバイスの個々のコイルによる電力の受信を制御するために、デバイス702において使用され得る。
【0085】
図25は、
図7のデバイス702など、例示的なワイヤレス充電可能デバイスの概略の平面図である。ポータブルデバイスのコイルの数は、4に増やされ得る。他の態様では、コイルの数は、より大きい数に増やされてもよい。コイルの数を増加させることは、より大きい、または電力を必要とするデバイス力への電力の供給を向上させ、コイルの効果的な結合の機会を増加させることができる。
【0086】
図26は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。
図26は、ポータブルデバイスが4つの充電パッドコイルの間の交差部に集中し得る充電パッド上に置かれた
図25のポータブルデバイスを示す。この構成では、充電パッドコイルB2、B3、およびB4は、N極性を提供し、列Cは、ポータブルデバイスにおける反対の極性のコイル間の重なりのために、オフにされ得、充電パッドコイルD2、D3、およびD4は、S極性を提供することができる。他の態様では、異なる充電パッドコイルは、オンまたはオフにされ得る。
【0087】
図27は、ワイヤレス電力システムにおける例示的なマルチコイル充電パッドおよびデバイスの概略図である。
図27は、ポータブルデバイスが充電パッド上に斜めに配置され得る充電パッド上に置かれた
図25のポータブルデバイスを示す。この構成では、充電パッドコイルB3およびC2がN極性を提供し、充電パッドコイルC4およびD3がS極性を提供し得る間、充電パッドコイルC3はオフにされ得る。他の態様では、異なる充電パッドコイルは、オンまたはオフにされ得る。
【0088】
図28は、態様に従ってワイヤレス電力を送信する例示的な方法2800のフローチャートである。方法2800は、たとえば、
図7に示したように、充電パッドからワイヤレスに電力を送信するために使用され得る。方法2800は、本開示に含まれる図の要素を参照して後で説明するが、本明細書に記載するステップの1つまたは複数を実装するのに、他の構成要素が使われ得ることが当業者には諒解されよう。一実施形態では、たとえば、方法2800は、コントローラ415および送信機404の他の構成要素によって実行され得る。フローチャート2800の方法は、特定の順序を参照して本明細書に記載されるが、様々な実施形態では、本明細書のブロックが異なる順序で実行されるか、または省略される場合があり、さらなるブロックが追加される場合がある。
【0089】
ブロック2805で、複数の同一平面上のコイルの各々が磁場を生成するように、複数の同一平面上で通電され得る。たとえば、充電パッド1410は、1次コイル1417の通電を行うことができる。
【0090】
ブロック2810で、コイル間の結合の度合いに基づいて複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの磁場の極性が逆にされ得る。
図14、
図19、または
図21に示される回路は、たとえば、これらの動作を実行するために、送信機404のコントローラ415と連動して利用され得る。
【0091】
ブロック2815で、複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも2つがワイヤレス電力送信のために選択され得る。
図14、
図19、
図21、または
図23に示される回路は、たとえば、これらの動作を実行するために、コントローラ415と連動して利用され得る。
【0092】
図29は、ワイヤレス電力装置2900の機能ブロック図である。ワイヤレス電力装置2900は、通電モジュール2905、極性反転モジュール(polarity reversing module)2910、および選択モジュール2915を含む。通電モジュール2905は、複数の同一平面上のコイルの各々が磁場を生成するように、複数の同一平面上のコイルの通電を行うための手段を含み得る。いくつかの態様では、通電モジュール2905は、ブロック2805に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。極性反転モジュール2910は、コイル間の結合の度合いに基づいて複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも1つの磁場の極性を反転するための手段を含み得る。いくつかの態様では、極性反転モジュール2910は、ブロック2810に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。選択モジュール2915は、コイル間の結合の度合いに基づいてワイヤレス電力送信のための複数の同一平面上のコイルのうちの少なくとも2つを選択するための手段を含み得る。いくつかの態様では、選択モジュール2915は、ブロック2815に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。
【0093】
上記の方法の種々の動作は、種々のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、回路および/またはモジュールなどの、動作を実行することができる任意の適切な手段によって実行することができる。一般に、図に示される任意の動作は、それらの動作を実行することが可能な対応する機能手段によって実行することができる。通電するための手段は、充電パッド1410および1次コイル1417によって提供され得る。極性を反転するための手段は、
図19および
図21に示される回路を使用して提供され得る。選択するための手段は、コントローラ415によって提供され得る。
図19および
図21に示される回路を使用して、ならびにコントローラ415およびワイヤレス通信リンク1470によって、受信信号強度に基づいて逆にするための手段が提供され得る。通電を行うまたは通電を遮断するための手段は、コントローラ415によって提供され得る。
【0094】
多種多様な技術および技法のうちのいずれかを使用して情報および信号を表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0095】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記に概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装形態の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0096】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行されてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0097】
本明細書で開示された実施形態に関連して記載された方法またはアルゴリズムおよび機能のステップは、直接ハードウェアで具現化されても、またはプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されても、またはその2つの組合せで具現化されてもよい。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいは非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または、当技術分野で既知の任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc) (CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(disc) (DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0098】
本開示の概要を述べるために、本発明のいくつかの態様、利点、および新規の特徴について本明細書で説明してきた。本発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点の必ずしもすべてを実現できない場合があることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく実現または最適化するように具体化または実行され得る。
【0099】
上述の実施形態への様々な修正が容易に明らかになり、本明細書に定義する一般原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴に一致する最大の範囲を与えるものである。