【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の第1実施例による導光板1の減光パターン3の一例を示している。本実施例は、段毎に所定方向(画面の水平方向)に列状に配列された減光パターン3は、導光板1端部からの距離により形状を変化させている構成と、最下段部分の1列の減光パターン3は、それより上の段の減光パターン3に比べ形状が異なっていることを特徴とするものである。この実施例の詳細については後述するものとし、まず
図2から
図6を用いて本実施形態が適用される表示装置及び照明ユニットについての詳細な説明を行うものとする。
【0023】
図2は、本発明が適用される表示装置の一例の外観を示す斜視図である。
図2において、表示装置の例として、テレビジョン受信機の形態を例として挙げている。
【0024】
図2において、表示装置6は、液晶表示パネルを用いた液晶表示装置であり、表示部610及びこれを下方から支持しているスタンド部620とを備えている。表示部610の内部には、後述するように、表示デバイスである液晶表示パネルや照明ユニットが設けられている。
【0025】
図3は、
図2に示された表示装置6の表示部610における主要部品の配置構成例を示す分解斜視図である。
【0026】
図3において、表示装置6を構成している主要部分は、液晶表示パネル(液晶セル)8と、この液晶表示パネル8の背面から光を照射するためのバックライトである照明ユニット7である。ここで、照明ユニット7から出た光は、矢印A710のように進み、拡散板901、プリズムシート902などを経て矢印B720のように液晶表示パネル8に至る。液晶表示パネル8には映像信号が供給され、該映像信号に基づいて各ピクセルを構成する液晶素子の光透過率が制御される。そして液晶表示パネル8に矢印B720に従って入射された光は、液晶表示パネル8の各ピクセルにより空間的に変調されて光学像が形成され、出射面801に画像として表示される。すなわち、液晶表示パネル8に入射した光は矢印C730のように画像光として出射する。
【0027】
照明ユニット7は、単一のサブ照明ユニット5又はサブ照明ユニットを複数個組み合わせて構成されており、照明ユニット7全体を構成する下シャーシ760に取り付けられて保持される。
【0028】
引き続き
図4を参照して照明ユニット5の内部構成を説明する。
図4(a)において、導光板1には、照明基板10を介してLED2が所定の方向に沿って複数個、所定の間隔を以って配列されるように取り付けられている。ここでLED2は、その光放出方向が導光板1の光出射面110と平行な方向、すなわちLED2の光軸が導光板1の光出射面110と平行な方向とされるように設けられている。LED2から出射された光は導光板1の光入射面102に入射して導光板1内部を進み、導光板1の出射面110から適宜照射されて、拡散板901、プリズムシート902などを経由して、液晶パネルセル8へと至る。ここで、LED2は、本実施例では側面発光型(サイドビュー型)のLEDであり、白色光を放出するものとする。サイドビュー型のLEDを用いることによって、照明基板10にLED2を取り付けるだけで、LED2の光放出方向が導光板1の光出射面110と平行な方向となる。
【0029】
本実施例では、導光板1の光出射面110と反対側の面(以下、背面と呼ぶ場合もある)には凹部101が形成されており、LED2は、この導光板1背面に形成された凹部101内に配置されている。ここで、凹部101は、本実施例では導光板1の左右方向(紙面奥行き方向で、液晶表示パネル8の水平方向(横方向)と等しい)の延びる溝で構成されているため、以下では、この凹部を溝部と呼ぶこととする。この溝部は導光板1の左右方向に連続的に形成されたものである。溝部101の一側面は上述した光入射面102とされており、LED2から出射された光は溝部101の一側面である入射面102から導光板1内部に取り込まれる。
【0030】
図4(b)は、照明ユニット5の分解図を示している。導光板1とLED2が実装される照明基板10との間には、反射シート920が設けられている。すなわち、反射シート920は導光板1の背面側に配置されるように、導光板1背面と照明基板10とによって挟持されて保持される。この反射シート920によって、導光板1の背面から外部へ透過した光が反射されて導光板1内部に戻される。これによって光の利用効率を向上させる。そして、反射シート920に設けてあるLED穴921からLED2が露出し、その発光部分が導光板1の溝部101に差し込まれている。照明基板10の導光板1への保持構造は、導光板1の厚さ方向に突出する、液晶表示パネル8側に向けて先細りの形状となっているピンモールド70を用いて取り付けられている。本実施例では、ピンモールド70は、樹脂で構成されて所定の弾性を有しており、更に前方爪71と後方爪72とを有している。そして、ピンモールド70が照明基板穴930、反射シート穴931,導光板穴932を貫通した後に、照明基板10,反射シート920及び導光板1を前方爪71と後方爪72とで挟み込んで保持する構成となっている。
【0031】
図5は、照明基板10の一構成例を示す斜視図である。
図5に示されるように、照明基板10は導光板1の左右方向を長手方向とした長方形を有している。照明基板10の長手方向に沿ってLED2が複数個所定間隔を空けて配列され、半田付けなどにより照明基板10に取り付けられている。また、照明基板10には、照明基板穴930が複数個設けてあり、先ほどの
図4の説明のように、ピンモールド70が挿入されて導光板1へと取り付け固定される。
【0032】
図6は、
図1、
図4等に示した導光板1の外形の一例を示す斜視図である。
図6(a)は、導光板1の背面側(溝部101が形成される側)を示し、同図(b)には導光板1の端部の拡大図を示している。
【0033】
図6(a)に示されるように、本実施例に係る導光板1は、液晶表示パネルの表示面とほぼ同じ大きさを有する平板状の1枚の導光板で構成されている。またその背面側には、
図6(b)に示されるように、導光板1の左右一方の端部105から他方の端部にわたって連続して形成された溝部101が複数本、平行して設けられている。この例では、7本の溝部101が設けられるものとする。ここでは、導光板1の最下端にも溝部101が形成されるものとする。各溝部101には複数のLED2が挿入され、各溝のLED2は、それぞれ個別にその光強度が制御されるように構成される。また各溝部101に挿入された複数のLED2も複数のグループに分割される。例えば1つの溝部101に挿入されるLEDの個数が30個の場合、これを3個1グループとして10のグループに分割され、各グループのLEDが個別に制御されるように構成される。従って、この例では、導光板1が7×10の計70個の(仮想的な)領域に分割される。この領域は光の強度が制御される最小単位であり、各領域の光強度(すなわち各領域に対応するLEDで、この場合では3個のLED)が、その領域に対応する映像信号の輝度に応じて制御される。これによって、いわゆるエリア制御(ローカルディミング)が可能となる。
【0034】
また、導光板1には照明基板10を取り付けるためのピンモールド70が挿入される複数の導光板穴932が設けてある。
【0035】
図7は、本発明の第1実施例による、導光板1の光出射面110側に形成された減光パターンの概略構成を示す図である。本図は、概略構成の説明のために、光出射面110及び反射面111の全体的な形態を示すことを主眼としているため、詳細な部分については図面が不明瞭にならないよう簡略化して図示している。よって、本図と後述の詳細図とパターン細部の形状が異なることがあるが、内容・機能に付いては差違はなく同一部品番号については、同一の機能、動作を有するものとする。
【0036】
図7に示されるように、導光板1の光出射面110側には、毬栗状の減光パターン3が設けられている。減光パターン3の位置は、導光板1の光入射面側に設けた溝部101に収納されたLED2の位置に対応して設定されてある。
【0037】
減光パターン3の形状の詳細は、例えば
図8に示されている。
図8(a)に示されるように、減光パターン3は、導光板1の光出射面110において、溝部101内のLED2の直上部分に設けられている。本実施例に係る減光パターン3は(ここでは、
図7の減光パターンf356を代表的な減光パターンとして例示している)、
図8(b)に示されるように、LED2の直上に位置しLED2の中心をカバーする主部分33と、LED2中心からLED2の光出射側に延びる放射状の出射側突起部分31と、更にLED2の背面側(光出射側とは反対側)に延びる放射状の背面側突起部分32とを有している。主部分33は、光の出射方向と直交する方向を長軸とする楕円形状を為しているので、以下では主部分33を楕円部分33と呼ぶこととする。しかしながら、主部分33は楕円ではなく光の出射方向と直交する方向を長軸とする長円形状でもよく、また円形でもよい。また、出射側突起部分31及び背面側突起部分32は、LED2または楕円部分33から離れるに従い徐々に細くなる先細りの形状を有している。
【0038】
本実施例においては、楕円部分33と出射側突起部分31、及び背面側突起部分32は互いに結合され一体化されている。また減光パターン3は、後述のように該減光パターン3に入射される光の一部を反射し、一部を透過する光学作用を有しており、これによって減光パターン3を通過する光の強度を低減する。減光パターン3の透過率は、例えば5%〜10%程度に、反射率は例えば80%〜90%などに設定される。
【0039】
上述のように、溝部101にはLED2が設けてあり、LED2から出た光が導光板1の光入射面102に入射されて導光板1の内部を進む。ここで、LED2は上述のようにサイドビュー型のLEDを使用しているが、サイドビュー型LEDであっても、LEDの外郭を構成するパッケージの上側を光が透過し、LED2の直上方向に向かう。また溝部101の光入射面102で反射した光がLED2の直上方向に向かう。このような光によって、導光板1の光出射面110のLED2直上部分は、他の部分に比べて光強度が局所的に強くなる。以下、この局所的に光強度が強くなる部分を「光スポット」と呼ぶ。またLED2からの光はその光出射方向に向かって放射状に拡がるので、光スポットも放射状に拡がる形状となる。
【0040】
そこで本実施例では、導光板1の光入射面102において、特に光スポットが生じるLED2の直上部分をカバーする楕円部分33と、更に、光出射方向に向かって放射状に延びる出射側突起部分31との組合せにより減光パターン3を構成したものである。これによって、LED2の直上に向かって光入射面102から出射する光、及びそこから光放出方向に向かって放射状に広がる光の強度を弱めて光スポットの明るさを低減させるようにしている。
【0041】
また、LED2の背面側(光放出面と反対側)にも光が回り込むため、LED2の背面方向においても若干光スポットが放射状に拡がる。このため本実施例では、減光パターン3としてLED2の背面側に延びる放射状の背面側突起部分32を更に設けることで、導光板1の光入射面102におけるLED2の背面側部分の光強度を弱めることができる。
【0042】
すなわち本実施例は、LED2の光放出特性を考慮した形状の減光パターン3を用いることで、光スポットを低減し適度ムラを好適に抑制するものである。以下、減光パターン3の光学的作用の詳細について説明する。
【0043】
減光パターン3中心の楕円部分33では、LED2から出た光に対して減光と反射を与える。周辺の放射状の出射側突起部分31付近において、突起が形成される部分ではLED2から出た光に対して、上記の楕円部分と同様に減光と反射を与え、突起間の隙間、つまり突起の谷間にあたる突起が形成されない部分では、LED2からの光を透過して導光板1外に光を出射する。すなわち、放射状の出射側突起部分31付近では減光・反射・透過の異なる光学的作用がそれぞれの場所により与えられ、全体として導光板1から出射される光の量を、出射側突起部分31の形状により、徐々に変化させて制御する。また、LED2から出た光が回り込んで背面側に進んだ分については、放射状の背面側突起部分32によって、上記出射側突起部分31と同様に、減光・反射・透過の異なる光学的作用がそれぞれの場所により与えられ、導光板1より出射される光の量を徐々に変化させている。ここで、出射側突起部分31は背面側突起部分32よりも長く形成されているので、上述した減光・反射・透過の光学的作用を与える範囲が、出射側突起部分31の方(つまりLED2の光放出方向側)が大きくなっている。
【0044】
ここで、光出射面110の各位置における減光パターン3の詳細構成について説明する。
図7に示されるように、導光板1の最下段130の端部105から順に、減光パターンa351、減光パターンb352、減光パターンc353、減光パターンd354、減光パターンe355が配置されており、この順に徐々に上述した放射状の出射側突起部分の長さを大きくし、以降、減光パターンf356を中央部の減光パターンの形状としている。ここでは左側の端部105付近を例にして説明しているが、右側の端部でも同様に、端部からの距離に応じて減光パターン3の形状を変更した構成としている。
【0045】
ここで、最下段130の端部105からの距離に応じて減光パターン3の形状(出射側突起部分の長さ)を徐々に変更した構成としている理由について説明する。導光板1の端部では、上述のように周辺から受け取る光量が中央に比べ少ないため、反射シートなどを設けても端部領域の光の輝度が中央の領域よりも暗くなることは避けられない。この場合、中央の領域で(明るい条件で)設定した減光パターンの形状をそのまま端部領域に適用しても、減光パターンによる所望の光学的作用が得られず、減光パターン部で輝度段差ができ、結果として輝度ムラとなる。このため、
図7に示すように輝度が暗くなる端部から徐々に減光パターンの形状を変化、この例では出射側突起部分の長さを大きくさせて、輝度ムラとならない構成としている。
【0046】
第2段131では、端部105から順に、減光パターンc353、減光パターンd354、減光パターンe355、減光パターンf356が配置されており、この順に徐々に拡散部分の放射状の出射側突起部分の長さを大きくし、以降、減光パターンf356の繰り返しで中央部の減光パターンを構成している。
【0047】
第3段132では、端部105から順に、減光パターンc353、減光パターンd354、減光パターンe355、減光パターンf356が配置されており、この順に徐々に拡散部分の放射状の出射側突起部分の長さを大きくし、以降、減光パターンf356の繰り返しで中央部の減光パターンを構成している。
【0048】
図7では第2段及び第3弾も左側の端部105付近を例にして説明しているが、第1段と同じく、右側の端部でも同様な構成となっている。このように、本実施例では、第2段131と第3段132とはパターン構成が同一となっている。
【0049】
上記したように、導光板1の最下段130と第2段131以降とで、減光パターン3の導光板1の端からの距離に応じた形状の変化が互いに異なっており、また各段で使用する減光パターン3の構成も変更している。ここで、最下段130付近とその次の第2段131以降とで減光パターンの構成を変更している理由について以下に説明する。すなわち、最下段130では、その前段に領域(光源)が存在しないので、導光板1の垂直方向において他の領域から光を受け取ることができない。このため、最下段130の領域の輝度は、他の領域に比べ暗くなることは避けられない。この場合、上段の領域で(明るい条件で)設定した減光パターンの形状を含む配列構成をそのまま最下段130の領域に適用しても、減光パターンによる所望の光学的作用が得られず、減光パターン部で輝度段差ができ、結果として輝度ムラとなる。このため、
図7に示すように最下段130とそれより上の段では減光パターンの形状及び配列を変化させて、輝度ムラとならない構成としている。
【0050】
上述した減光パターンを含む本実施例に係る導光板1の構成を
図1を参照しながら説明する。
図1(a)に示されるように、光出射面110には、上述したように、減光パターンa351、減光パターンb352、減光パターンc353、減光パターンd354、減光パターンe355及び減光パターンf356を含む減光パターン3が設けられている。また各段の減光パターンの間には、導光板1内部を進行する光を光出射面110から出射しやすくするための出射面導光パターン41が設けられており、また一つの段における複数の減光パターンの間には、局所的に輝度が低下するLED間の輝度を向上させるための、LED間均一化パターン43が設けられている。上記出射面導光パターン41と減光パターン3とは、光の透過率、反射率及び拡散性が異なる構成であり、例えば異なるプロセスやインク、塗料を用いた印刷により設けられる。
【0051】
一方、導光板1の背面側、すなわち反射面111側は、
図1(b)に示されるように、反射面に向かう光を好適に反射して光出射面110に導くための反射面導光パターン44、及び局所的に輝度が低下するLED間の輝度を向上させるための反射面LED間導光パターン45が設けられている。また、これらパターンの位置は、導光板1の溝部101に設けられたLED2の位置に応じて設定される。反射面導光パターン44と反射面LED間導光パターン45とは、光の透過率・反射率及び拡散性については同一の構成であり、例えば同じプロセス、インク雇え要を用いた印刷などにより設けられる。
【0052】
続いて、減光パターンf356付近の光学的作用について
図9を参照して説明する。
【0053】
図9(a)に示されるように、導光板1の光出射面110には減光パターンf356及び出射面導光パターン41が設けられている。そして、この減光パターン3の反対側の反射面111側に形成された溝部101にはLED2が設けてあり、LED2から出た光が導光板1の光入射面102に入射されて導光板内部を進む。
【0054】
ここで、たとえば光線58に対する光学的作用について説明する。
図9(a)に示されるように、光線58は導光板1内を進み、減光パターン3にて反射・透過し、減光透過した光線60と反射した光線59とに分かれる。さらに光線59は、導光板1の反射面111側で、入射角が臨界角以下のために全反射し光線61のように導光板1内部を進み、さらに光出射面110にて全反射して光線84のように導光板1内部を進み、以下図示していない場所で光出射面110より導光板外に進む。
【0055】
次に、光軸に対する出射角が光線58よりも小さい光線62に与えられる光学的作用を説明する。光線62は、導光板1の光出射面110の、減光パターン3が形成された位置よりも先の位置に進む。この場合、光出射面110に設けられている出射導光パターン41部分にあたる。このとき、一部の光は全反射せずに光出射面110(出射面側導光パターン41)を透過し、拡散しながら光線63のように出射する。残りの一部の光は臨界角以下となり、拡散しながら反射し、その一部は光線64ように導光板1の先に進み、以下図示していない場所で光出射面110より導光板1の外部に進む。
【0056】
このように、出射面110側の出射面導光パターン41、及び減光パターン3により、出射面側の出射光量調整部材が構成されている。
【0057】
続いて、
図9(b)を用いて反射面111側の反射面導光パターン44の光学的作用を説明する。例えば光線68は、導光板1内部を進み、反射面111に形成された反射面導光パターン44にあたる。ここの界面で、光線68は全反射条件が崩れ反射面導光パターン44のドット部分で拡散され、光線82のように導光板1の内部及び反射シート920付近に散らばりながら進行する。反射シート920に進んだ光は反射して再度導光板1に戻り光出射面110から導光板1外部に出射される。
【0058】
また光軸に対する出射角が光線68よりも小さい光線69は、導光板1内部を進み、反射面111に到達する。ここで、光線69の反射面111への入射角が臨界角以下のため反射面111にて全反射して光線80のように導光板1内部を進み、光出射面110に到達する。ここでも、光線80の光出射面110への入射角が臨界角以下のため光出射面110にて全反射して光線81のように導光板1内部を進み、反射面111にて反射面導光パターン44のドット部分で拡散され、光線83のように導光板1内部及び反射シート920付近に散らばりながら進行する。反射シート920に進んだ光は反射して再度導光板1に戻り光出射面110から導光板1の外部に出射される。このようにして、導光板1の出射面110と反射面111とに設けた減光パターン3、出射導光パターン41、及び反射面導光パターン44などにより、導光板1から均一に光を取り出すことができる。
【0059】
このようにして、本実施例によれば、減光パターンf356付近での光の取り出しをなだらかに均一化することができる。
【0060】
引き続き、本実施例による各段の輝度ムラの様子について
図10及び
図11を参照して説明する。
【0061】
図10(a)は、導光板1の光出射面110に設けられた減光パターン3を示しており、この減光パターン3の配置は
図7において説明したものと同一である。そして、最下段測定線250と第2段測定線251の2本のラインに沿って輝度を測定した結果である輝度分布を
図10(b)に示している。
図10(b)において、横軸が導光板1の水平方向の位置を示しており、横軸の各位置は、
図10(a)の導光板1の測定位置に一致している。縦軸は輝度を表しており、説明のため変化部分を拡大して示している。
【0062】
図10(b)の輝度分布252は、
図10(a)の最下段測定線250の位置で測定した結果を示し、輝度分布253は第2段測定線251に対応している。
【0063】
すなわち、導光板1の端部105から中心に向かうに従い、輝度分布252のように徐々に輝度が上昇してゆく。また、輝度分布253のように上の段になると、輝度分布全体が明るい方向にシフトする。
【0064】
このように、LEDが配列された段の位置によって、その段全体の明るさが異なっているが、本実施例ではそれぞれの段の位置に応じて光パターンの形状を変更しているので、水平方向(横方向)において輝度分布のカーブは急峻な変化が少ない緩やかな曲線を描いており、かつそのカーブに不連続が生じていない。すなわち本実施例によれば、水平方向の輝度分布の変化を小さくし、以って輝度ムラを低減している。
【0065】
図11は、画面の垂直方向の輝度ムラの様子を示している。
【0066】
図11(a)は、導光板1の光出射面110に設けられた減光パターン3を示しており、この減光パターン3の配置は
図7において説明したものと同一である。この図において、第1列測定線255、第2列測定線256、第3列測定線257、第4列測定線258の4列に沿って輝度を測定した結果である輝度分布を
図11(b)に示している。
図11(b)において、縦軸が導光板1の垂直方向の測定位置を示しており、横軸の各位置は、
図11(a)の導光板1の測定位置に一致している。横軸は輝度を表しており、説明のため変化部分を拡大して示している。
【0067】
図11(b)の輝度分布260は、
図11(a)の第1列測定線255の位置で測定した結果を示している。同様に輝度分布261は、第2列測定線256に、輝度分布262は第3列測定線257に、輝度分布263は第4列測定線258にそれぞれ対応している。
【0068】
すなわち、導光板1の最下段端部135からの情報に向かうに従い、輝度分布260のように徐々に輝度が上昇してゆく。また、輝度分布261のように右側の段、すなわち導光板1の端部105から内側に1列入った位置になると、輝度分布全体が明るい方向シフトする。
【0069】
このように、LEDが配列された列の位置によって、その列全体の明るさが異なっているが、本実施例ではそれぞれの列の位置に応じて光パターンの形状を変更しているので、垂直方向(縦方向)において輝度分布のカーブは急峻な変化が少ない緩やかな曲線を描いており、かつそのカーブに不連続が生じていない。すなわち本実施例によれば、垂直方向の輝度分布の変化も小さくでき、以って輝度ムラを低減している
上記したように、本実施例においては、導光板の端部からの位置に応じて適正な減光パターンを配置することにより、照明ユニットからの光全面において、2次元的な輝度の段差を生じることなく、連続した輝度で光を出射することが可能となる。
【0070】
このように本実施例によれば、複数の領域を含む導光板を用いた場合において、領域の位置による輝度ムラを好適に低減された照明ユニットを提供することができる。更に、これを適用した表示装置においては、輝度が均一な高画質な映像を表示することが可能となる。
【0071】
また、1段に用いる減光パターンの種類(形状)や大きさは、
図7に示されたものに限らず、これよりも多い或いは少ないの種類(形状)や大きさの減光パターンを用いることができることは言うまでもない。